JP2023111401A - 液体揮発容器 - Google Patents

液体揮発容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2023111401A
JP2023111401A JP2022013241A JP2022013241A JP2023111401A JP 2023111401 A JP2023111401 A JP 2023111401A JP 2022013241 A JP2022013241 A JP 2022013241A JP 2022013241 A JP2022013241 A JP 2022013241A JP 2023111401 A JP2023111401 A JP 2023111401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
container
volatilization
volatile
volatile liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022013241A
Other languages
English (en)
Inventor
俊史 神谷
Toshifumi Kamiya
慶 大本
Kei Omoto
瑛大 中田
Akihiro Nakada
聡 住吉
Satoshi Sumiyoshi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to JP2022013241A priority Critical patent/JP2023111401A/ja
Publication of JP2023111401A publication Critical patent/JP2023111401A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

【課題】 過酷な温度変化に対しても揮発性液体の容器外への噴き出しなどの問題もなく対応することができると共に、揮発性液体の揮発量を容易に制御することができ、しかも、残液量の視認も容易となる車載用などに好適な液体揮発容器を提供する。【解決手段】 少なくとも、直液状態の揮発性液体Hを収容する容器本体10と、毛細管力を有し、前記容器本体10に収容される揮発性液体Hを揮発させる多孔質揮発体40とを備え、前記容器本体10は揮発性液体の液残量を視認できる液体揮発容器であって、前記容器本体10内の揮発性液体Hと多孔質揮発体40との間に液貯留体60を設けたことを特徴とする、液体揮発容器A。上記揮発性液体Hとしては、例えば、揮発して芳香を発する成分、消臭作用のある成分、森林浴効果などの有効な作用を発する成分、人を鎮静させる作用を有する成分、眠気を覚ましたりする覚醒作用を有する少なくとも1種の芳香消臭成分を含有するものが挙げられる。【選択図】 図1

Description

本発明は、過酷な温度変化に対しても揮発性液体の容器外への噴き出しなどの問題もなく対応することができると共に、揮発性液体の揮発量を容易に制御することができ、しかも、残液量の視認も容易となる車載用などに好適な液体揮発容器に関する。
従来において、自動車内の所定の場所等に取り付け自在となる液状の芳香消臭剤等を収容する液体揮発容器は、多種多様の形状、構造のものが知られている。
液状の芳香消臭剤を直接収容等する直液式タイプの液体揮発容器では、少なくとも、液状芳香消臭剤などの揮発性液体を直接収容する容器と、揮発を促進させる多孔質体等との組み合わせで構成されている。
従来の直液式タイプの車載用などの液体揮発容器としては、例えば、
1) 自動車のエアコン等のルーバーに簡易に且つ最適な状態で取付け、芳香消臭剤容器がルーバーから脱落したり、ルーバーからの風向きにより短時間に芳香消臭剤の揮散が終了するのを防止し、容器本体内の芳香消臭剤の残量の確認を容易に行うものとして、上部開口より芳香消臭剤が収納される容器本体と、該容器本体の上部開口に取付けられる手動ポンプとを有し、該手動ポンプの作動により容器本体内部の芳香消臭剤が手動ポンプの吐出ノズルから吐出されるようになされた芳香消臭剤容器において、前記手動ポンプの吐出ノズルにキャップ部材が取付けられ、該キャップ部材には揮散穴と吐出ノズルを嵌合する筒部が形成され、該筒部の外側に含浸体が取付けられ、前記吐出ノズルから吐出される芳香消臭剤が前記含浸体に含浸されるようになされ、前記容器本体がカバーケースに収納されていることを特徴とする芳香消臭剤容器(例えば、特許文献1参照)、
2) 揮散剤を効率的に揮散させることができる揮散容器を提供するために、揮散剤が収容される容器体と、前記容器体を、口部が下向きの倒立姿勢で上下動可能に支持する支持部材と、前記支持部材に配設されて前記容器体の前記口部内に液密に嵌合される栓体と、前記支持部材のうち前記栓体の下方に位置する部分に配設され、揮散剤が含浸される含浸 体と、を備え、前記容器体は、前記栓体が前記口部を開放し、前記含浸体が前記容器体の内部に露呈する前進位置と、前記栓体が前記口部を閉塞し、前記含浸体が前記容器体の外部に露呈する後退位置と、の間を上下動可能に配設されていることを特徴とする揮散容器
(例えば、特許文献2参照)、
3) 使用者が筐体に形成される通気口の開き量を容易にコントロールすることができる薬剤揮散器を提供するために、空気の吹出口の近傍に設置される薬剤揮散器であって、薬剤を収容し、前記薬剤が滲出する孔を有する容器と、前記容器を外側から覆うように保持する第1ケースと、前記第1ケースを外側から覆うように保持し、前後方向に延びる回転軸周りを前記第1ケースに対し相対的に回転可能に構成される第2ケースとを備え、前記第1ケースには、通気口が形成され、前記第2ケースは、前記回転軸周りを前記第1ケースに対し回転することにより、前記第1ケースの前記通気口を閉じる閉位置と、前記第1ケースの前記通気口を開く開位置との間を切り替えられ、第1ロック要素、及び、前記回転軸周りに配列される複数の第2ロック要素のうちの一方が前記第1ケースに設けられ、他方が前記第2ケースに設けられ、前記第1ロック要素は、前記第2ケースが前記回転軸周りを前記第1ケースに対し相対的に回転するにつれて、前記複数の第2ロック要素に順番にロックされるように構成され、前記第1ロック要素は、前記第2ケースが前記閉位置にあるときに、前記複数の第2ロック要素の1つにロックされ、前記第2ケースが前記開位置にあるときに、前記複数の第2ロック要素の別の1つにロックされる、薬剤揮散器(例えば、特許文献3参照)、
などが知られている。
しかしながら、上記特許文献1~3の車載式などの芳香消臭剤容器等では、日中の晴天下等では車内の温度変化が激しく、例えば、ダッシュボードでは80℃前後、エアコン吹出し口付近では60℃前後まで上昇したりし、また、液状の芳香消臭剤組成は揮発性液体であることなどから、過酷な温度変化に対して揮発性液体の容器外への噴き出しなどの課題があり、未だその対策が不十分であるのが現状であった。また、揮発性液体の揮発量を制御するものとして、上記特許文献2では使用者が筺体に形成される通気口の開き量をコントロールするものであるが、構造が複雑であり、更に容易に制御することができる液体揮発容器が切望されているのが現状であった。
特開2000-202014号公報(特許請求の範囲、図1~図4) 特開2016-190670号公報(特許請求の範囲、図1) 特開2020-104920号公報(特許請求の範囲、図1等)
本開示は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、過酷な温度変化に対しても揮発性液体の容器外への噴き出しなどの問題もなく対応することができると共に、揮発性液体の揮発量を容易に制御することができ、しかも、残液量の視認も容易となる車載用などに好適な液体揮発容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、少なくとも、直液状態の揮発性液体を収容する容器本体と、毛細管力を有し、前記容器本体に収容される揮発性液体を揮発させる多孔質揮発体とを備え、前記容器本体に揮発性液体の液残量を視認できる液体揮発容器であって、前記容器本体内の揮発性液体と多孔質揮発体との間に、特定の構造体などを設けることにより、上記目的の液体揮発容器が得られることを見出し、本開示を完成するに至ったのである。
すなわち、本開示の液体揮発容器は、少なくとも、直液状態の揮発性液体を収容する容器本体と、毛細管力を有し、前記容器本体に収容される揮発性液体を揮発させる多孔質揮発体とを備え、前記容器本体は揮発性液体の液残量を視認できる液体揮発容器であって、前記容器本体内の揮発性液体と多孔質揮発体との間に液貯留体を設けたことを特徴とする、液体揮発容器。
前記液体揮発容器には、容器からの揮発性液体の揮発を開け閉め自在とするシャッター機構を有していることが好ましい。
前記シャッター機構は、回転自在となるキャップにより容器からの揮発性液体の揮発量を任意に制御できることが好ましい。
本開示によれば、過酷な温度変化に対しても揮発性液体の容器外への噴き出しなどの問題もなく対応することができると共に、揮発性液体の揮発量を容易に制御することができ、しかも、残液量の視認も容易となる車載用などに好適な液体揮発容器が提供される。
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるものである。上述の一般的な説明及び後述の詳細な説液体揮発容器明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
本発明の液体揮発容器の未使用状態の実施形態の一例を示すものであり、(a)はクリップを備えた液体揮発容器の平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は縦断面図、(f)は底面図である。 図1の未使用状態の液体揮発容器の斜視図である。 本発明の液体揮発容器の使用状態の実施形態の一例を示すものであり、(a)はクリップを備えた液体揮発容器の平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は縦断面図、(f)は底面図である。 図3の使用状態の液体揮発容器の斜視図である。 図1の液体揮発容器からクリップとキャップを外した状態の一例を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は平面図、(e)は右側面図、(f)は縦断面図である。 本発明の液体揮発容器に用いる先軸の一例を示すものであり、(a)~(g)は、順次、前方側から見た斜視図、後方側から見た斜視図、正面図、平面図、左側面図、右側面図、縦断面図である。 本発明の液体揮発容器に用いる後軸の一例を示すものであり、(a)~(e)は、順次、前方側から見た斜視図、正面図、左側面図、右側面図、縦断面図である。 本発明の液体揮発容器に用いる多孔質揮発体の一例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は斜視図である。 本発明の液体揮発容器に用いる液貯留体を装着する中軸の一例を示すものであり、(a)~(g)は、順次、前方側から見た斜視図、平面図、後方側から見た斜視図、正面図、左側面図、右側面図、縦断面図である。 本発明の液体揮発容器に用いるシャッター機構(キャップ)の一例を示すものであり、(a)~(g)は、順次、斜視図、平面図、後方側から見た斜視図、左側面図、底面図、右側面図、縦断面図である。 本発明の液体揮発容器のクリップの一例を示すものであり、(a)は前方側から見た斜視図、(b)後方側から見た斜視図である。
以下に、本開示の実施形態について図面を参照しながら詳しく説明する。但し、本発明の技術的範囲は下記で詳述するそれぞれの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
なお、各図面間で共通して付されている符号は、特に各図面の説明において言及がなくとも、同じ構成又は部材を表している。
(第1の実施の形態、全体構成)
図1は、第1の実施の形態の液体揮発容器の一例を示すものであり、(a)~(f)は順次、クリップを備えた液体揮発容器の未使用状態を示す平面図、正面図、左側面図、右側面図、縦断面図、底面図であり、図2は図1の未使用状態の液体揮発容器の斜視図であり、図3は本発明の液体揮発容器の使用状態の実施形態の一例を示すものであり、(a)~(f)は順次、クリップを備えた液体揮発容器の使用状態を示す平面図、正面図、左側面図、右側面図、縦断面図、底面図であり、図4は図3の使用状態の液体揮発容器の斜視図である。
本実施形態の液体揮発容器Aは、図1~図4に示すように、少なくとも、直液状態の揮発性液体を収容する容器本体10と、毛細管力を有し、前記容器本体10に収容される揮発性液体Hを揮発させる多孔質揮発体40とを備え、前記容器本体10は揮発性液体Hの液残量を視認できるものであって、前記容器本体10内の揮発性液体Hと多孔質揮発体40との間に液貯留体60を設けたことを特徴とするものである。
上記容器本体10は、図1~図5に示すように、先軸20と後軸30とから構成され、本実施形態では後軸30内に揮発性液体Hが収容される構成となっている。先軸20の先端側に多孔質揮発体40が取り付けられており、容器本体10の後軸30内の揮発性液体Hと前記多孔質揮発体40との間に中軸50を介して液貯留体60が設けられている。また、先軸20には、容器本体10からの揮発性液体Hの揮発を開け閉め自在とするシャッター機構となるキャップ70が回転自在に取り付けられている。容器本体10の後軸30の前方側外周には、自動車のエアコン等のルーバーなどに取付自在とするためのクリップが取り付けられている。
(各部品構成)
容器本体10は、図6、図7に示される、先軸20と後軸30とを嵌合により固着することによりから構成される(図2、図4等参照)。先軸20は、図1~図5、図6(a)~(g)に示すように、液貯留体60を中軸50を介して収容することとなる筒状体からなる本体部21と、該本体部21の先端側にかけて細くなる先細部22と、該先細部22に連続する上下面が開口した開口部23を有する平面視四角状の枠体となる開放部24とを有し、本体部21の後方側外周には後軸30を嵌合により固着するための嵌合面部25を有している。また、先細部22の内周には、多孔質揮発体40が取り付けるための凸状の嵌合部26を有すると共に、その外周にはシャッター機構となるキャップ70を回転自在に取り付けるための回動面部27となっている。
後軸30は、図7(a)~(e)に示すように、後端側が封止された有底筒状体から構成され、先端側開口部31内周面には、先軸20の嵌合面部25と嵌合により固着するため嵌合部32を有すると共に、この先端側開口部31内の後方側は中軸50が圧入される圧入部33となっている。また、後軸30の先端側の外周面は、クリップ80を取り付けるクリップ取付部34となっている。この後軸30内には、揮発性液体Hを直液状態で収容される構成となっている。
この容器本体10を構成する後軸30などを視認性を有する材料(透明、半透明の材料)で構成すれば、簡単に容器本体10内の揮発性液体Hの液残量を視認することができる。
多孔質揮発体40は、例えば、図8(a)及び(b)に示すように、砲弾形状となっており、前方側から後方側に向かって、前方部41、中央部42、液貯留体60と接触する接触部43とを有すると共に、前方部41と中央部42との間に前記先軸20の凸状の嵌合部26に嵌合するための周面状に凹状の嵌合溝44を有している。
このように構成される多孔質揮発体40は、毛細管力を備え、揮発性液体が供給された場合に、揮発せしめることができる素材であれば良く、例えば、気孔を有する多孔質で形成されたものが挙げられ、具体的には、スポンジ体、焼結体、繊維束体、発泡体、海綿体、フェルト体、ポーラス体、内部には毛管力を有する流路を有する構造体などが挙げられ、形状としては、例えば、円柱状、砲弾状、角柱状、ペン芯型形状、楕円柱状、方形柱状などを挙げることができる。
これらの多孔質体等を形成する材料としては、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などを用いることができる。
繊維束芯としては、上記繊維の素材(例えば、1~20デニールの合成繊維、天然繊維、……、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせなどの繊維)からなる平行繊維束等を加工又はこれらの繊維束を樹脂加工したものが挙げられる。
通液性発泡体である場合、例えば、溶融状態の樹脂を型に流し込み成型、発泡処理するなど、公知の方法で調製することができる。また、焼結体では、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などのプラスチック粉末などを焼結したポーラス体(焼結芯)などから構成することができる。
これらの焼結芯から構成する場合も含む多孔質揮発体40の細孔径は、SEMによる画像解析法により測定した10μm~1,000μmであるものが好ましく、さらに好ましくは、20μm~300μm、特に20μm~100μmであり、気孔率は、好ましくは20~90%、更に好ましくは、30~80%とすることが望ましい。本開示において、「気孔率」は下記のようにして算出される。まず、既知の質量及び見掛け体積を有する芳香揮発部材を水中に浸し、十分に水を浸み込ませた後、水中から取り出した状態で質量を測定する。測定した質量から、芳香揮発部材に浸み込ませた水の体積が導出される。この水の体積を芳香揮発部材の気孔体積と同一として、下記式から、気孔率が算出される。
気孔率(単位:%)=(水の体積)/(芳香揮発部材30の見掛け体積)×100
また、多孔質揮発体40を、カーボン多孔質体から構成することができる。カーボン多孔質体の細孔径は、SEMによる画像解析法により測定した10μm~1,000μmであるものが好ましく、さらに好ましくは、20μm~100μmであり、気孔率は同上の測定方法にて20~90%のものが好ましい。形状は、上記と同様に例えば、円柱状、砲弾状、角柱状、ペン芯型形状、楕円柱状、方形柱状などを挙げることができる。
このカーボン多孔質体は、微細な連通孔を有する多孔質構造体であれば良く、例えば、三次元網目構造若しくは点焼結構造よりなり、アモルファス炭素と炭素粉末とで構成される炭素複合成形体、等方性高密度炭素成形体、炭素繊維抄紙成形体、活性炭素成形体などが挙げられ、好ましくは、アモルファス炭素と炭素粉末とからなる微細な連通孔を有する上記細孔径、気孔率の炭素複合成形体が望ましい。
この多孔質構造からなる炭素複合体の作製に用いる炭素粉末としては、更なる反応効率の向上の点から、高配向性熱分解黒鉛(HOPG)、キッシュ黒鉛、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンナノチューブ、フラーレンより選ばれる少なくとも1種(単独又は2種以上の組合わせ)が好ましい。
更に、多孔質揮発体40を、カーボン多孔質体から構成する場合に、揮発性液体が含浸される通液部と、含浸されない吸熱部から構成したり、及び/又はカーボン多孔質体にスリットを形成することにより、多孔質揮発体40の揮散を更に増強してもよい。
本実施形態の多孔質揮発体40は、円柱体形状で構成されているが、芳香揮発を更に良好とするために、断面を矩形形状に形成してもよい。矩形形状とは正方形を含む多角形状であり、特に一辺の縦横比が異なる長方形が好ましい。矩形形状とすることで、同様の体積の円断面形状と比較して表面積を増やすことができ、芳香性能を向上させることができる。矩形断面の縦横比は、1:1~1:13が好ましく、より好ましくは1:1.1~1:1.4で多孔質揮発体40の剛性を確保することができる。
中軸50は、例えば、図9(a)~(g)に示すように、容器本体10の後軸30内に収容される揮発性液体Hと先軸20内に取り付けられる多孔質揮発体40との間に設けられる液貯留体60を取り付けるための筒状の部材であり、外周面は後軸30に圧入される圧入面部51となっており、後方側内部55は圧入により揮発性液体が入る構成となっている。中軸50内には後軸30内の揮発性液体Hが毛管作用により通過する揮発性液体誘導管52と、後軸30側に置換用空気が通過するための空気置換管53とを有し、該揮発性液体誘導管52と置換用空気が通過する空気置換管53との間に形成される空間部となる挿入空間部54、54…には、液貯留体60の後方棒状部61、61…が装着される構造となっている。
上記揮発性液体誘導管52、空気置換管53の孔径、長さなどは、揮発性液体種、毛管力などにより好適な孔径、長さなどが設定される。
この液貯留体60は、揮発性液体Hの一時貯留体とすることができる構成であれば良く、例えば、気孔を有する多孔質で形成されたものが挙げられ、具体的には、スポンジ体、焼結体、繊維束体、発泡体、海綿体、フェルト体、ポーラス体、内部には毛管力を有する流路を有する構造体などが挙げられ、形状としては、例えば、上記実施形態の後方側に複数の棒状部を有する円柱状体の他、砲弾状体、角柱状体、楕円柱状、方形柱状体などを挙げることができる。
容器本体10となる後軸30内に上記中軸50を介して円柱状等の液貯留体60を設けることにより、揮発性液体Hの一時貯留体とすることができるので、過酷な温度変化に対しても、後軸30内に直液状態で収容した揮発性液体を容器本体10外への噴き出しなどの問題を解消することができる構成となるものである。また、液貯留体60の前方側は前記多孔質揮発体40の接触部43に接触(接合を含む)しているので、効率良く、揮発性液体Hを多孔質揮発体40に供給できる構成となっている。
キャップ70は、容器からの揮発性液体の揮発を開け閉め自在とするシャッター機構となるものである。キャップ70は、例えば、図10(a)~(g)に示すように、先端側が封止された筒状体から構成され、外周面上の上下面(180°間隔毎)に、揮発性液体が揮発するためのスリット状の通気溝71、71…が形成されており、後方側開口部72は上述の先軸20の回動面部27に取り付けることにより、キャップ70は先軸22の先端側で嵌合かつ回転方向に摺動可能となっている。
このキャップ70の回転を(例えば、90°毎に)調整することにより、多孔質揮発体40からの揮発性液体の揮発量を任意に制御できることとなる。先軸20の開口部23は上下面に(180°毎)設けられているので、これに合わせてキャップ70の揮発性液体が揮発するためのスリット状の通気溝71、71…を合わせれば、多孔質揮発体40からの揮発性液体の揮発がスリット状の通気溝71、71…を介して容器外へ行われ(図4参照)、キャップ70の回転をずらせば、スリット状の通気溝71、…を徐々に塞ぐこととなるので、揮発性液体の揮発量が段々と少なくなり、先軸20の上下の開口部23をキヤップ70のスリット状の通気溝71、71…以外の封止面部73で塞げば揮発性液体の揮発量をゼロに近い状態に調整することができるものとなる。
また、スリット状の通気溝71、71…の大きさ、形状などを大ききしたり、小さくすれば、揮発性液体の揮発量を制御することもできる。
クリップ80は、図1~図4、図11(a)~(c)に示すように、クリップ本体部81の両端側に容器本体10の後軸30のクリップ取付部34を保持する湾曲状の保持体82,82を有すると共に、クリップ本体部82の中央部上方側に、自動車のエアコン等のルーバー等に挟持により取り付けるための一対の挟持体83、83とを有している。
上記容器本体10を構成する先軸20、後軸30、中軸50、キャップ70等の材質としては、貯留される揮発性液体の物性等に影響を及ぼさないものであれば、特に限定されず、例えば、金属や、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合系樹脂(EVOH)、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の少なくとも1種で形成することができ、好ましくは、空気バリア性の高い素材を含むもので形成されるものが挙げられる。
空気バリア性の高い素材としては、上記EVOH、金属箔、金属蒸着槽、カーボン材などが挙げられる。空気バリア性などの高いものとしては、上記EVOHの単独物や該EVOH、上記熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の少なくとも1種よりなる容器本体等に、更に内表面及び/又は外表面に、空気バリア性、湿度バリア性も兼ね備える金属箔、金属蒸着、カーボン材(ダイヤモンドライクカーボン材を含む)を接着や蒸着等した少なくとも2層以上の複合材などが挙げられ、これら複合材は、例えば、共押出、多層射出成型、多層ブローなどの各成形方法等で目的の所定の容器本体10などの各部品が成形されることとなる。
また、耐溶剤性の高い素材を含むもので形成される。耐溶剤性の高い素材としては、PEN(ポリエチレンナフタレート)、またはPPとPENとの複合材などが挙げられる。
本実施形態の容器本体10などを含む各部品は、外層と内層がポリプロピレン(PP)樹脂で形成され、外層と内層で挟まれた中間層がナイロン又はエチルビニルアルコール(EVOH)樹脂でブロー成形法により形成された多層構造から構成されている。
前記容器本体10に充填(収容)する揮発性液体としては、特に限定されないが、芳香を発する各種の合成香料、天然香料、及びこれらの組成物を構成する各成分、消臭作用のあるもの、森林浴効果などの有効な作用のあるもの、人を鎮静させる作用のあるもの、眠気を覚ましたりする覚醒作用を有する揮発性の各芳香消臭液状成分を各単独で又はこれらの2種以上のものを混合して用いることができる。
芳香消臭成分としては、例えば、脂肪族炭化水素、テルペン炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、脂肪族環状アルデヒド、チオアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン、テルペンケトン、脂肪族環状ケトン、非ベンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸、脂肪族環状カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類、酸アマイド類、脂肪族ラクトン、大環状ラクトン、テルペン系ラクトン、脂肪族環状ラクトン、芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル、フラン系カルボン酸エステル、脂肪族環状カルボン酸エステル、シクロヘキシルカルボン酸エステル、テルペン系カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化合物等々の合成香料及び動物、植物からの天然香料、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料の1種又は、2種以上を混合し使用することができる。
例えば、合成香料としては、1996年化学工業日報社刊印藤元一著「合成香料 化学と商品知識」、1969年MONTCLAIR,N.J.刊ステファン・アークタンダー(STEFFEN ARCTANDER)著「パヒューム アンド フレーバー ケミカルズ(Perfume and Flavor Chemicals)」等に記載の香料が使用できる。天然香料としては、「香りの百科」日本香料協会編に記載の香料が使用できる。
主な香料名を具体的に挙げると、アルデヒドC6~C12、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、イソアミルアセテート、イソアミルサリシレート、オウランチオール、アセチルオイゲノール、バクダノール、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミールアセテート、ボルニルアセテート、ブチルブチレート、p-t-ブチルシクロヘキサノール、p-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、o-t-ブチルシクロヘキサノール、o-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、カリオフィレン、カシュメラン、カルボン、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セレストリッド、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、キャロン、クマリン、シンナミルアセテート、δ-C6~C13ラクトン、ジメチルベンジルカービノール、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメトール、ジミルセトール、ジフェニルオキサイド、エチルワニリン、オイゲノール、フルイテート、フェンチルアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、ガラクソリド、γ-C6~C13ラクトン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、ミルセン、β-カリオフィレン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ゲラニルニトリル、ヘディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、cis-3-ヘキセノール、cis-3-ヘキセニールアセテート、cis-3-ヘキセニールサリシレート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、ヒヤシンスジメチルアセタール、ハイドロトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、イオノン、イソボルニルアセテート、イソシクロシトラール、イソEスーパー、イソオイゲノール、イソノニルアセテート、イソブチルキノリン、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、コアボン、リグストラール、リリアール、ライムオキサイド、リナロール、リナロールオキサイド、リナリルアセテート、リラール、マンザネート、マイヨール、メンサニールアセテート、メンソネート、メチルアンスラニレート、メチルオイゲノール、メントール、α-メチルイオノン、β-メチルイオノン、γ-メチルイオノン、メチルイソオイゲノール、メチルラベンダーケトン、メチルサリシレート、ミューゲアルデヒド、ムゴール、ムスクTM-II、ムスク781、ムスクC14、ムスコン、シベトン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリド、アンブレッドリド、シクロヘキサデカノリド、10-オキサヘキサデカノリド、11-オキサヘキサデカノリド、12-オキサヘキサデカノリド、エチレンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、オキサヘキサデセン-2-オン、14-メチル-ヘキサデセノリド、14-メチル-ヘキサデカノリド、ムスクケトン、ムスクチベチン、ノピルアルコール、ノピルアセテート、ネリルアセテート、ネロール、メチルフェニルアセテート、ミラックアルデヒド、ネオベルガメート、オークモスNo.1、オリボン、オキシフェニロン、p-クレジールメチルエーテル、ペンタリッド、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルアセテート、ルバフラン、ダマセノン、ラズベリーケトン、ジメチルベンジルカービニルアセテート、ジャスマサイクレン、メチルナフチルケトン、ローズフェノン、ローズオキサイド、サンダロア、サンデラ、サンタレックス、スチラリールアセテート、スチラリールプロピオネート、ターピネオール、ターピニルアセテート、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロリナリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロゲラニルアセテート、トナリッド、トラセオライド、トリプラール、チモール、ワニリン、ベルドックス、ヤラヤラ、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、シダーウッド油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、バジル油、ナツメグ油、シトロネラ油、クローブ油、コリアンダー油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ヒバ油、桧油、ジャスミン油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、ネロリ油、オークモス油、オコチア油、パチュリ油、ペパーミント油、ペリラ油、プチグレン油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、樟脳油、芳油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、タイム油、トンカ豆チンキ、テレピン油、ワニラ豆チンキ、ベチバー油、イランイラン油、グレープフルーツ油、ゆず油、ベンゾイン、ペルーバルサム、トルーバルサム、チュベローズ油、ムスクチンキ、カストリウムチンキ、シベットチンキ、アンバーグリスチンキ等である。
また、香料の溶剤又は保留剤としてジエチルフタレート、ジプロピレングリコール、ベンジルベンゾエート、イソプロピルミリステート、ハーコリン、イソペンタン、オレンジテルペン等を使用することができる。
これらの液状芳香消臭成分の配合量としては、通常、揮発性液体全量(組成物)中に0.1~10質量%、好ましくは1~8質量%の範囲から適宜選択される。この液状芳香消臭成分の配合量が0.1質量%未満では適度な効果が得られず、10質量%を超えると必要な界面活性剤の量などが多量となり、香りや消臭などの持続性維持が困難となる。また、コスト的にも不経済である。
本発明に用いる揮発性液体は、溶剤として水(精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等)を使用し、必要に応じて本開示の効果を損なわない範囲で、他の界面活性剤や従来から使用されてきた他の成分を添加しても良い。
他の界面活性剤におけるアニオン界面活性剤としては具体的には、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシルアラニネートやアシルタウレート、N-アルキルイミノジカルボン酸に代表されるアミノ酸系アニオン界面活性剤又はその塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸エステル塩等が好ましく挙げられる。
他の界面活性剤における両性又は半極性界面活性剤としては具体的には、アミンオキサイド、アルキルベタイン、脂肪酸アミドアルキルベタイン、ヒドロキシスルホベタイン、イミダゾリン、アルキルグリシン、アルキルアラニン等が好ましく挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアシルエステル、アルキルポリグリコシド、脂肪酸グリコシドエステル、脂肪酸メチルグリコシドエステル、アルキルメチルグルカミド、脂肪酸アルカノールアミド等が好ましく挙げられる。
他の添加可能な成分としては、安定な揮散を持続させる成分(炭酸プロピレン)、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、ハイドロトロープ剤、無機塩、色素等が挙げられる。
用いる揮発性液体には、使用性、耐漏出性などの点から、擬塑性が付与されていてもよい。擬塑性の付与は、一般的に増粘剤(ゲル化剤)などを用いて行うことができる。なお、擬塑性とは、静止状態においては非流動性を示すものの、剪断力が加えられると流動性を示す性質をいう。
用いることができる増粘剤としては、例えば、アルカリ膨潤会合型エマルション、アルカリ膨潤型エマルション、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、キサンタンガム、サクシノグリカン、ダイユータンガム、グァーガム、カラギーナン、ペクチン、又はセルロース誘導体架橋形アクリル酸重合体、酸化セルロース、結晶セルロース、レオザンガム、ジェランガム、モンモリロナイト系粘土鉱物等無機系の増粘剤などから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
このように構成される本実施形態の液体揮発容器Aは、鉛直方向に対して垂直に使用するものであり、本液体揮発容器Aは±45度の傾きを許容する構成となっている。
本実施形態の液体揮発容器Aでは、シャッター機構となるキャップ70を回転しこのキャップ70の回転を(例えば、90°毎に)調整することにより、容器本体10の後軸30に直液状態で収容された揮発性液体は中軸50の揮発性液体誘導管52、一時貯留体となる液貯留体60、多孔質揮発体40へ供給され、多孔質揮発体40からの揮発性液体の揮発量を任意に制御できることとなる。先軸20の開口部23は上下面に設けられているので、これに合わせてキャップ70の揮発性液体が揮発するためのスリット状の通気溝71、71…を合わせれば、多孔質揮発体40からの揮発性液体の揮発がスリット状の通気溝71、71…を介して容器外へ行われことにより、通気溝71、71…から揮発性液体Hに含まれる芳香を発する成分、消臭作用を有する成分、森林浴効果などの有効な作用を発する成分、人を鎮静させる作用のある成分、眠気を覚ましたりする覚醒作用を有する成分などの少なくとも1種の芳香・消臭成分が揮発することとなり、これにより用いる揮発性液体種を選択することにより、車内などに目的に応じた芳香や消臭などを発揮することができ、上記キャップ70を閉める状態、すなわち、キャップ70の回転を90°ずらして開口部24を封止面部73で塞げば、通気溝71、71…からの液状芳香消臭剤などの揮発性液体の揮発は制限されるので、多孔質揮発体40からの揮発が徐々になくなるものであり、キャップ70の嵌合かつ摺動による回動可能となるシャッター機構(キャップ)70を介して確実に密閉状態に近い状態にでき、携帯性を有し、過酷な温度変化に対しても液貯留体60が揮発性液体の一時貯留体とすることができるので、揮発性液体の容器外への噴き出しなどの問題もなく対応することができると共に、後軸30が視認性材料で形成すれば残液量の視認も容易となる車載用などに好適な液体揮発容器が提供されることとなる。
上記実施形態では、シャッター機構となる90°回転により開口部24を連通、閉鎖により多孔質揮発体40の揮発を開閉したが、キャップ70は先軸20の先端部で嵌合かつ摺動可能となっているので、回転角により揮発量(スリット溝71からの通気量)の調整が可能となるものである。
次に、実施例により、本発明を更に詳述するが、本発明は下記実施例等により限定されるものではない。
(実施例1:図1~図11に準拠の液体揮発容器A)
下記構成の容器本体10となる先軸20、後軸30、多孔質揮発体40、中軸50、液貯留体60、キャップ70、クリップ80などを用いて図1~図11に準拠する直液式の液体揮発容器を作製した。また、下記組成の揮発性液体を使用した。
(直液式芳香消臭剤容器Aの主な構成)
容器本体10となる先軸20、後軸30、中軸50、キャップ70、クリップ80:
共にポリエチレンナフタレート製、開口部24の平面視面積:約0.8cm
多孔質揮発体40:アモルファス炭素と炭素粉末から焼成してなるカーボン多孔質体、大きさ:φ8×25mm、気孔率60%
中軸:揮発性液体誘導管52の大きさ:孔径φ1.5mm×長さ20mm
:空気置換管53の大きさ:孔径φ1.5mm×長さ20mm
液貯留体60:アモルファス炭素と炭素粉末から焼成してなるカーボン多孔質体、大きさ:φ15×50mm(後方棒状部を除いた大きさ)、気孔率80%
キャップ(シャッター機構)70:スリット溝71、71…の大きさ:幅方向の幅1mm×長さ10mm
(揮発性液体の配合組成)
下記組成の揮発性液体(合計100質量%)を使用した。
香料:1.5重量%
界面活性剤(ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル):3質量%
消臭剤(ベタイン化合物、アミン化合物、有機酸化合物の混合物):0.2質量%
防腐剤(2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン):0.03質量%
イオン交換水:95.27質量%
粘度(25℃):3mPa・s(E型粘度計、東機産業社製TV-25)
上記実施例1で得られた図1~図11に準拠する液体揮発容器Aを用いて使用したところ、実施例1の液体揮発容器Aでは、シャッター機構となるキャップ70を回転することにより、揮発性液体に含まれる芳香・消臭成分が揮発し、心地の良い雰囲気下にすることが確認できた。また、キャップ70を90°回転してスリット溝71を閉じる操作をすると、揮発性液体の揮発も徐々になくなることを確認した。また、酷な温度変化に対しても揮発性液体の容器外への噴き出しなどの問題も液体揮発容器Aに設けた一時貯留体となる液貯留部60を介することにより問題なく対応することができると共に、残液量の視認も容器本体が視認性を有する材料で構成したので、容易となる車載用などに好適な液体揮発容器が得られることを確認した。
過酷な温度変化に対しても揮発性液体の容器外への噴き出しなどの問題もなく対応することができると共に、揮発性液体の揮発量を容易に制御することができ、しかも、残液量の視認も容易となる車載用などに好適な液体揮発容器が得られる。
A 液体揮発容器
10 容器本体
20 先軸
30 後軸
40 多孔質揮発体
50 中軸
60 液貯留部
70 シャッター機構(キャップ)
80 クリップ

Claims (3)

  1. 少なくとも、直液状態の揮発性液体を収容する容器本体と、毛細管力を有し、前記容器本体に収容される揮発性液体を揮発させる多孔質揮発体とを備え、前記容器本体は揮発性液体の液残量を視認できる液体揮発容器であって、前記容器本体の開口部に気液分離膜を有していることを特徴とする、液体揮発容器。
  2. 前記液体揮発容器には、容器からの揮発性液体の揮発を開け閉め自在とするシャッター機構を有していることを特徴とする、請求項1に記載の液体揮発容器。
  3. 前記シャッター機構は、回転自在となるキャップにより容器からの揮発性液体の揮発量を任意に制御できることを特徴とする、請求項1又は2に記載の液体揮発容器。
JP2022013241A 2022-01-31 2022-01-31 液体揮発容器 Pending JP2023111401A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022013241A JP2023111401A (ja) 2022-01-31 2022-01-31 液体揮発容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022013241A JP2023111401A (ja) 2022-01-31 2022-01-31 液体揮発容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023111401A true JP2023111401A (ja) 2023-08-10

Family

ID=87551887

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022013241A Pending JP2023111401A (ja) 2022-01-31 2022-01-31 液体揮発容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023111401A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2255030C (en) Air freshener dispenser device
CA2259296C (en) Air freshener dispenser device with dual cartridge capacity
EP1510473B1 (en) Dual function dispenser
JP2009525118A (ja) 揮発性物質を送達するためのシステム
CN108367088B (zh) 组合物以及用于喷射两种或更多组合物的传送系统和填充物
WO1998046283A1 (en) Air freshener dispenser device with disposable heat-activated cartridge
WO1998046282A1 (en) Disposable plug-in air freshener with heat activated cartridge
JP2023111401A (ja) 液体揮発容器
CA2255029C (en) Plastic envelope assembly air freshener dispenser device
JP2023111402A (ja) 液体揮発容器
JP2023081002A (ja) 液体揮発容器
JP2022133935A (ja) 直液式芳香消臭剤容器
JP3978409B2 (ja) ゲル状芳香・消臭剤
US20080245889A1 (en) Container with air freshener
JP2022147627A (ja) 中綿式芳香消臭剤容器
US20020004033A1 (en) Emulsion type vapor generator
CA2936094A1 (en) Air freshener composition and methods thereof
JP2024062226A (ja) 多孔質揮散体及びそれを用いた液体揮発容器
EP2001524A1 (en) Container with air freshener
WO1998046284A1 (en) Liquid air freshener dispenser device with disposable wicking cartridge unit
DE60315797T3 (de) Unter dem Spülrand eines Toilettenbeckens zu montierende Vorrichtung zur Erzeugung einer Kombination aus permanenter Duftabgabe und eines Duftstosses beim Spülen
JPH09276384A (ja) 芳香・消臭剤製品
JP7229693B2 (ja) 薬剤揮散具
JPH10248912A (ja) 液体芳香消臭剤組成物
JP6592797B2 (ja) 水溶性薬剤を微粒化させて放出する装置