JP2023109400A - 荷物積卸システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、フォークリフトを使用せず、駆動装置や滑車装置等を車両の荷台に取り付ける必要がない荷物積卸システムの提供を目的とする。【解決手段】両側面が開放可能な荷物輸送用車両20の荷台22に近接配置され、荷置面32が荷台22の荷台面と略同一高さの荷置台30と、荷台22を挟んで荷置台30と反対側に配置され、荷置台30に載置された荷物Cが積まれたパレット70を、荷台22を跨いで引張り荷台22へ移動させる引張手段40と、を有する荷物積卸システム10。【選択図】図1

Description

本発明は、荷物積卸システムに関する。
現在の物流業界においては、大企業等の社内施設における機械化された荷役ヤード等の例外を除き、荷物輸送用車両の荷積み又は荷卸しを行う荷役作業の多くはフォークリフトを用いているのが実情である。しかし、フォークリフトを用いた荷役作業は、パレットを利用することが前提で、シートパレットや木枠梱包などパレット以外の荷姿の荷物には対応できず、また、現在のところ、多くのフォークリフトは一度にパレットを1個しか扱えないために、荷物輸送用車両1台分の荷役作業を終えるには相当な作業の繰り返しと作業時間を要し、その間荷物輸送用車両がヤードに拘束され、また、他の車両のヤード待ちが生じ、荷物輸送用車両の稼働効率が下がり、延いては運転手の過重労働を引き起こすという問題がある。このため、荷物輸送用車両に対する荷役作業において、フォークリフトを使用せず、かつ、大仕掛けな機械化を要せず、取扱いが簡便で普及が容易な装置を用いて手早く荷物の荷積み或いは荷卸しをすることが求められている。
特許文献1には、車両の床面やコンテナの底面に案内レールを設け、車両の荷台に設けたウインチで巻き取られるワイアロープを、貨車に置かれたコンテナのシーブに掛け回し、このワイアロープの他端を車両荷台に固定し、ウインチでワイアロープを巻き取ることで、コンテナを貨車から荷台へ移動させる又は逆に荷台から貨車へ移動させる荷積み装置が開示されている。
また、特許文献2では、トラックの荷台後部等にウインチを設け、パレットに連結したワイヤを荷台前部に脱着自在に係止した滑車を経由して巻取り、載置場からパレットに載った荷物を荷台へ移動させる又はパレット前部に脱着自在に係止した滑車を経由して巻取り、荷台からパレットに載った荷物を載置場へ移動させる移送装置が開示されている。
実開昭63-157039号公報 特公昭59-048177号公報
上記したように、現在の車両に対する荷役作業においては、パレット使用を前提としたフォークリフトによる荷物の積卸作業が一般的であるが、フォークリフトを用いた荷役作業はパレットの上げ下げに時間を要し、非効率であるために、車両の稼働効率が下がり、車両運転手の過重労働を引き起こすという問題が顕在化している。
このような問題を解決する手段としては、例えば特許文献1及び特許文献2において提案がなされているが、特許文献1及び特許文献2に記載の構成では、荷物輸送用車両に対して、床面に案内レールを付設し、駆動装置や滑車装置等を取り付ける等を必要とするため、既存の車両を利用する場合には、特別に改造する必要がある。また、特許文献1の構成では、コンテナに収納した荷物しか扱えず、既存のコンテナを利用する場合には、コンテナ底面に案内レールを付設し、滑車を取り付けるなど特別に改造する必要があり、特許文献2の構成では、パレットに積載した荷物しか扱えず、既存のパレットを利用する場合には、パレットに滑車装置着脱機構を設けるなど特別に改造する必要がある。
本発明は、フォークリフトの使用を必要とせず、駆動装置や滑車装置等を車両の荷台に取り付ける改造或いはパレット等の設計変更等も必要とせず、従って、荷役作業の効率を向上させると共に、既存の車両やパレット等をそのまま利用できることで初期投資を軽減でき、普及が容易な荷物積卸システムの提供を目的とする。
第一態様の荷物積卸システムは、両側面が開放可能な荷物輸送用車両の荷台に近接配置され、荷置面が前記荷台の荷台面と略同一高さの荷置台と、前記荷台を挟んで前記荷置台と反対側に配置され、前記荷置台に載置され荷物が積まれた荷物載置部材を、前記荷台を跨いで引張り前記荷台へ移動させる引張手段と、を有する荷物積卸システムである。
第一態様の荷物積卸システムでは、荷物輸送用車両の荷台と荷置台とを近接配置し、荷台の両側面を開放した状態で、荷置台に載置され荷物が積まれた荷物載置部材を、荷台を挟んで荷置台と反対側に配置された引張手段で引張ることで、荷置台の荷物載置部材を荷台に移動させて積み込む。
これにより、フォークリフトを使用する必要がなく、従って、荷姿はパレットに積載した形態に限らず任意の荷物載置部材を使用することができ、また、荷物輸送用車両に駆動装置や滑車装置等を取り付ける必要がなく、従って、既存の荷物輸送車両を利用できると共に、既存のパレット等もそのまま活用でき、フォークリフトを使用する場合に比べて効率よく荷台に荷物を積み込むことができる荷物積卸システムが提供される。
第二態様の荷物積卸システムは、少なくとも一方側面が開放可能な荷物輸送用車両の荷台の開放側面に近接配置され、荷置面が前記荷台の荷台面と略同一高さの荷置台と、前記荷置台を挟んで前記荷台と反対側に配置され、前記荷台に載置された荷物が積まれた荷物載置部材を、前記荷置台を跨いで引張り前記荷置台へ移動させる引張手段と、を有する荷物積卸システムである。
第二態様の荷物積卸システムでは、荷物輸送用車両の荷台と荷置台とを近接配置し、荷台の少なくとも一方側面を開放した状態で、荷台に載置され荷物が積まれた荷物載置部材を、荷置台を挟んで荷台と反対側に配置された引張手段で引張ることで、荷台の荷物載置部材を荷置台に移動させて荷卸をする。
これにより、フォークリフトを使用する必要がなく、従って、荷姿はパレットに積載した形態に限らず任意の荷物載置部材を使用することができ、また、荷物輸送用車両に駆動装置や滑車装置等を取り付ける必要がなく、従って、既存の荷物輸送車両を利用できると共に、既存のパレット等もそのまま活用でき、フォークリフトを使用する場合に比べて効率よく荷台から荷物を荷置台に卸すことができる荷物積卸システムが提供される。
第三態様の荷物積卸システムは、第一態様又は第二態様に記載の荷物積卸システムにおいて、前記引張手段は、移動台又は固定台と、前記移動台又は前記固定台に設けられた巻取装置と、前記荷物載置部材に連結され前記巻取装置に巻き取られる紐状部材と、を備える。
第三態様の荷物積卸システムでは、第一態様又は第二態様の荷物積卸システムにおいて、引張手段は、予め作業場に固定的に設置され、荷台を挟んで荷置台と反対側若しくは荷置台を挟んで荷台と反対側になるような配置で用いられる固定台又は動力若しくは人力により移動し、荷台を挟んで荷置台と反対側若しくは荷置台を挟んで荷台と反対側になるよう配置することができる移動台を備えており、固定台及び移動台には、巻取装置が設けられている。
第三態様の荷物積卸システムにより荷積み又は荷卸しをする場合には、荷置台又は荷台上の荷物載置部材に紐状部材を連結し、巻取装置で紐状部材を巻き取り、荷物を移動させて荷台又は荷置台へ移動させる。
また、第一態様から第三態様までのいずれか一態様の荷物積卸システムは、引張手段に対する荷台と荷置台の位置関係を入れ換えることにより、荷置台上の荷物を荷台に移動させる荷積作業又は荷台上の荷物を荷置台に移動させる荷卸作業のいずれにも利用できる。例えば、荷卸作業を実行する場合には、荷台又は荷置台を移動させることによって配置転換を行った上、荷台の荷物載置部材に紐状部材を連結し、巻取装置で紐状部材を巻き取り、荷物を荷台から固定台又は移動台へ移動させて荷卸しする。
このように、荷物積卸システムにおける移動可能な車両、荷置台又は引張手段を適宜移動させて配置を入れ換えるだけで、荷物を荷置台から荷台へ移動させること及び荷物を荷台から荷置台へ移動させることの両方に使用することができる荷物積卸システムが提供される。
第四態様の荷物積卸システムは、第一態様又は第二態様に記載の荷物積卸システムにおいて、前記引張手段は、移動台又は固定台に設けられ、前記荷台の車長方向に沿って配置された駆動シャフトと、前記駆動シャフトに間隔をあけて固定された複数のドラム(巻胴)と、前記駆動シャフトに回転力を伝達する駆動装置と、前記荷物載置部材にそれぞれ連結され前記ドラムに巻き取られる複数の紐状部材と、を備える。
第四態様の荷物積卸システムでは、複数の紐状部材を荷物載置部材にそれぞれ連結することで、複数の荷物を一括して荷置台から荷台へ又は荷台から移動台又は固定台へ移動させることができる荷物積卸システムが提供される。
第五態様の荷物積卸システムは、第一態様~第四態様の何れか一態様に記載の荷物積卸システムにおいて、前記荷台の荷台面、荷置台の荷置面に敷かれ、荷物載置部材が載置される滑り手段を更に備える。
第五態様の荷物積卸システムでは、荷台又は荷置台の設置面に、滑り手段を備えるため、摩擦による引張抵抗が低減され、比較的低出力で小型の動力巻取装置又は人力巻取装置等でも荷物を移動することが可能となる。
本発明によれば、フォークリフトの使用を必要とせず、駆動装置や滑車装置等を車両の荷台に取り付ける改造或いはパレット等の設計変更等を必要とせず、従って、荷役作業の効率を向上させると共に、既存の車両やパレット等をそのまま利用できることで初期投資を軽減できるために普及が容易であり、荷物を荷置台から荷台へ荷積みすること及び荷台から荷置台へ荷卸しすることの両方ができる荷物積卸システムを提供できる。
第一実施形態に係る荷物積卸システムを説明する側面図であり、これから荷積みする荷物が荷置台に載置されている様子を示す図である。 第一実施形態に係る荷物積卸システムを説明する側面図であり、荷物を荷置台から荷台へ移動させる途中の様子を示す図である。 第一実施形態に係る荷物積卸システムを説明する平面図であり、(A)は、荷置台に荷物輸送用車両が接近する様子を示す図、(B)は、引張手段が荷物輸送用車両に接近する様子を示す図、(C)は、引張手段が荷物を引張って荷置台から荷台へ荷物を移動させる様子を示す図である。 第一実施形態に係る荷物積卸システムを説明する側面図であり、これから荷卸しする荷物が荷台に載置されている様子を示す図である。 第一実施形態に係る荷物積卸システムを説明する側面図であり、荷物を荷台から荷置台へ移動させる途中の様子を示す図である。 第一実施形態に係る荷物積卸システムを説明する平面図であり、(A)は、荷置台に荷物輸送用車両が接近する様子を示す図、(B)は、引張手段が荷置台に接近する様子を示す図、(C)は、引張手段が荷物を引張って荷台から荷置台へ荷物を移動させる様子を示す図である。 第一実施形態の変形例に係る荷物積卸システムを説明する側面図であり、支持台及び突っ張り具を用いた場合における荷物を荷置台から荷台へ移動させる様子を示す図である。 第二実施形態に係る荷物積卸システムを説明する側面図であり、荷物を荷置台から荷台へ移動する様子を示す図である。 第二実施形態に係る荷物積卸システムを説明する平面図であり、(A)は、荷物輸送用車両に荷置台が接近する様子を示す図、(B)は、引張手段が荷物輸送用車両に接近する様子を示す図、(C)は、引張手段が荷物を引張って荷置台から荷台へ荷物を移動させる様子を示す図である。 第二実施形態に係る荷物積卸システムを説明する側面図であり、荷物を荷台から荷置台へ移動する様子を示す図である。 第二実施形態に係る荷物積卸システムを説明する平面図であり、(A)は、荷物輸送用車両に荷置台が接近する様子を示す図、(B)は、引張手段が荷置台に接近する様子を示す図、(C)は、引張手段が荷物を引張って荷台から荷置台へ荷物を移動させる様子を示す図である。 第三実施形態に係る荷物積卸システムを説明する側面図であり、荷物を荷置台から荷台へ移動する様子を示す図である。 第三実施形態に係る荷物積卸システムを説明する側面図であり、荷物を荷台から荷置台へ移動する様子を示す図である。 第四実施形態に係る荷物積卸システムを説明する側面図であり、荷物を荷置台から荷台へ移動する様子を示す図である。 第四実施形態に係る荷物積卸システムを説明する側面図であり、荷物を荷台から荷置台へ移動する様子を示す図である。 第五実施形態に係る荷物積卸システムを説明する平面図であり、(A)は、荷物輸送用車両に第一引張手段及び第二引張手段が接近する様子を示す図、(B)は、第二引張手段が荷物を引張って第一引張手段の平面から荷台へ荷物を移動させ様子を示す図、(C)は、荷物の移動が完了した状態を示す図である。 第五実施形態に係る荷物積卸システムを説明する平面図であり、(A)は、荷物輸送用車両に引張手段が接近する様子を示す図、(B)は、引張手段が荷物を引張って荷台から引張手段の平面へ荷物を移動させる様子を示す図、(C)は、荷物の移動が完了した状態を示す図である。 第五実施形態に係る荷物積卸システムを説明する平面図であり、(A)は、荷置台に引張手段が接近する様子を示す図、(B)は、引張手段が荷物を引張って荷置台から引張手段の平面へ荷物を移動させる様子を示す図、(C)は、荷物の移動が完了した状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において、同一又は等価な構成要素及び部品には同一の参照符号を付与している。また、各図面における図形の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
また、各図面に示す矢印TPは、鉛直方向であって、地面に配置した荷物積卸システムの上方向を示し、矢印LHは、水平方向であって荷物積卸システムを配置して荷物の積卸作業を行う荷物輸送用車両の主たる進行方向に垂直な幅方向左方向を示し、矢印RHは、水平方向であって同じく荷物輸送用車両の主たる進行方向に垂直な幅方向右方向を示し、矢印FRは、水平方向であって同じく荷物輸送用車両の前方向を示し、矢印RRは、水平方向であって同じく荷物輸送用車両の後方向を示す。
また、下記の説明では、別途規定しない限り、「上下方向」とは、鉛直方向を意味し、物体の「上」及び「下」もこの「上下方向」に従い、また、「上下方向」を、「上方向及び下方向の両方向」又は「上方向及び下方向のいずれか一方向」という意味で用いる場合がある。「左右方向」とは、水平方向であって、本発明を適用する荷物輸送用車両の主たる進行方向に垂直な方向を意味し、前記進行方向を規準として左側に向かう方向を「左方向」、右側に向かう方向を「右方向」とし、物体の「左」及び「右」もこの「左右方向」に従い、また、「左右方向」を、「右方向及び左方向の両方向」又は「右方向及び左方向のいずれか一方向」という意味で用いる場合がある。なお、「左右方向」は、前記進行方向が自明な場合には、横方向とする場合もある。「前後方向」とは、水平方向であって、前記荷物輸送用車両の主たる進行方向に平行な方向を意味し、前記進行方向を「前方向」、逆方向を「後方向」とし、物体の「前」及び「後」もこの「前後方向」に従い、また、「前後方向」を、「前方向及び後方向の両方向」又は「前方向及び後方向のいずれか一方向」という意味で用いる場合がある。また、上下方向、左右方向、前後方向は、互いに交差する方向(具体的には、直交する方向)である。なお、本発明を適用する荷物積卸作業において、移動する荷物を規準として方向を示す場合には、「前方」とは、荷物が移動して進む方向を意味し、「後方」とは、荷物が移動して進む方向の反対方向を意味し、また、荷役作業をする作業者を規準として方向を示す場合には、「手前側」又は「手前方向」とは、作業者に近い側又は近づく方向を意味し、「奥側」又は「奥方向」とは、作業者から遠い側又は遠ざかる方向を意味する。
なお、本発明の荷物積卸システムにおける説明において、「荷積み」又は「荷積み(を)する」とは、荷物を荷物輸送用車両に積み込むことを示し、「荷卸し」又は「荷卸し(を)する」とは、荷物を荷物輸送用車両から取り出すことを示す。
また、以下の説明において、「荷積み」の作業を「荷積作業」、「荷卸し」の作業を「荷卸作業」、「荷積み」及び「荷卸し」の両方の作業を併せて「荷物積卸」又は「荷物積卸作業」とする場合がある。
なお、「荷物積卸」は、「荷積み」又は「荷卸し」のいずれか一方の作業とする場合並びに「荷積み」及び「荷卸し」の両方の作業を含む場合がある。
なお、本発明の荷物積卸システムにおける説明において、「作業者」は、特定の人物に限定されない。すなわち、「作業者」は、一人で荷物積卸作業を行ってもよく、複数人で荷物積卸作業を行ってもよい。
また、本発明の荷物積卸システムにおける説明において、「作業者」は、荷物輸送用車両を運転及び操作する運転者と区別されない。すなわち、荷物輸送用車両を運転及び操作する人物は、「作業者」とは別の人物とされる場合も含まれるものとする。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態に係る荷物積卸システムを、図面を適宜参照しながら説明する。
(全体構成)
図1に示すように、第一実施形態に係る荷物積卸システム10は、荷置台30と、荷物輸送用車両20と、引張手段40と、を有しており、荷物Cが積まれた荷物載置部材としてのパレット70を、荷置台30の荷置面32と荷物輸送用車両20の荷台22との間で移動させる。
(荷置台30)
第一実施形態に係る荷置台30は、図1に示すように、荷物輸送用車両20に対して荷物の積卸作業をするために設けられた、固定設備である。なお、本発明では、これに限らず、移動可能な荷置台であってもよい。
第一実施形態に係わる荷置台30は、図3に示すように、前方及び後方に延びる長方形状のハシケ又はプラットフォームのような平面形状をしており、左右方向のいずれの側面にでも荷物輸送用車両20及び引張手段40が接近できるようになっている。なお、本発明では、これに限らず、例えば、物流センターやトラックターミナルで荷物の積卸しを行うスペースであるプラットフォームも含まれる。
第一実施形態に係る荷置台30の上面は、荷物Cが載置されたパレット70を載置させることができる荷置面32とされており、荷置面32には、図3に示すように、2個のパレット70が並んで載置されている。
また、第一実施形態においては、荷置台30は、コンクリートを主材料として形成されている。なお、本発明では、これに限らず、荷物Cが載置されたパレット70を荷置面32に配置可能であれば、どのような材料で形成されていてもよい。
また、第一実施形態においては、荷置台30には、倉庫等からフォークリフト等で荷物Cが予め移送されており、荷物輸送用車両20がトラックターミナルに到着した後、トラックターミナルのプラットフォーム上の荷物ではなく、荷置台30上の荷物Cの荷積みを直ちに行うことができる。このように、本発明による荷置台は、トラックターミナルのプラットフォームが他の荷物輸送用車両による使用などで空きがない場合でも、本発明の荷置台を用意しておくことにより、荷物輸送用車両を待たせることなく、荷積作業を随時行うことが可能となる。また、トラックターミナルのプラットフォームは共用スペースであるため、到着予定の荷物輸送用車両に対する荷物を予め集積して待機することは困難であるが、本発明の荷置台を複数個用意することにより、到着予定の荷物輸送用車両毎に荷物を区分けして予め集積して待機することも可能であり、トラックターミナルのプラットフォームにおけるように、荷物輸送用車両がプラットフォームに入車してから何度も倉庫と荷物輸送用車両の間を往復して荷物を移動する必要がなく、荷置台への荷物集積作業は、空いた時間を利用して効率良く行うことができる。
(荷物載置部材及び荷物C)
第一実施形態に係る荷物載置部材のパレット70は、略正方形状の上面板材及び下面板材を、脚柱によってそれぞれ接合して構成されている標準的なパレット(図示せず)である。なお、本発明では、これに限らず、荷物載置部材は、荷物を載置することが可能で、かつ、引張手段を連結して牽引することが可能である限り、パレットに限定されず、例えば、単に荷物を載置する形式のシートパレット、周囲を囲う形式の木枠梱包、液状若しくは粉体状の荷物に用いる密閉容器式のタンク、その他如何なる形態のものでもよい。このため、本発明では、現在流通しているパレット、シートパレット等の荷物載置部材を用いる場合にも何ら変更を加える必要がなく、荷主の希望する荷物載置部材の使用に柔軟に対応することが可能である。
図1に示すように、第一実施形態に係るパレット70は、引張手段40から引き出されて伸びる紐状部材であるロープ46に、パレットの脚柱を把持できるパレット連結具60を介して連結されている。なお、本発明では、これに限らず、例えば、紐状部材を荷物載置部材に直接掛け回して連結する方法、紐状部材の先端に鉤状フックを設け、荷物載置部材の端部にフックを直接引っ掛けて連結する方法などであってもよい。
また、第一実施形態に係る荷物Cは、図1に示すように複数の箱体が積み重ねられてパレット70に載置されている。なお、本発明における荷物の荷姿は、これに限らず、荷物載置部材に載置可能である限り、如何なる形状若しくは性状でもあってもよい。
(荷物輸送用車両20)
第一実施形態に係る荷物輸送用車両20は、図1に示すように、車両の進行方向後部に荷台22を有するトラックである。なお、本発明では、これに限らず、荷台の少なくとも一方側面が開放可能な構造を有する限り、荷物輸送用車両の種類や形式に制限はなく、例えば、鉄道貨物用貨車、馬車、台車等であってもよい。但し、本発明に係わる荷物積卸システムを荷積作業に用いる場合には、荷物輸送用車両は、向かい合う両側面が開放可能な構造を有している必要がある。
また、荷物輸送用車両20の荷台22は、図1に示すように、車幅方向(左右方向)の両側において荷台22の荷台側壁24が開放可能とされている。すなわち、荷台22の左右両側の荷台側壁24が開かれた状態で、荷台22は、左右方向に遮蔽されない構造とされている。
なお、第一実施形態に係わる荷台22の荷台側壁24の開放構造としては、図1に便宜的に併記して示されているように、平ボディ型のトラックのように、荷台22の側面を軸にして下方に回転して開いてもよく、ウイングボディ型のトラックのように荷台22よりも上方に回転して開いてもよい。なお、本発明では、これに限らず、例えば、前後方向にスライドして開いてもよく、また、最初から荷台側壁を有さない構造の荷台も含まれる。
また、第一実施形態において、荷置台30の荷置面32の高さは、図1に示すように荷物輸送用車両20の荷台22の荷台面(荷物が載置される面)の高さと略同一の高さとなっている。なお、本発明では、これに限らず、例えば、荷置台に高さ調節機構を設けて、荷物輸送用車両の荷台の高さに合わせる又は荷置台と荷台の段差部に板材等の橋渡部材を掛け渡して斜路にするなどにより、略同一の高さと同等の効果を得ることを排除しない。
なお、本発明において、「略同一の高さ」とは、図2に示すように、荷台22の荷台面及び荷置面32の高さの差が、荷物積卸作業において荷物載置部材を引張ることで、荷台と荷置台との間を互いに移動させることが可能である大きさを指す。
(引張手段40)
第一実施形態に係る引張手段40は、図1に示すように、車輪より成る移動手段42Wで移動可能とされた台状筐体の移動台42を備えている。なお、本発明では、これに限らず、例えば、移動台に代わって固定台であってもよく、固定台の場合には、固定台に対して荷物輸送用車両と荷置台を適切な位置に移動して配置することによって荷物積卸作業が行われる。
なお、本発明において、「移動可能」とは、荷物積卸作業時において速やかに所定の位置に移動させることができることを指し、例えば、引張手段が移動可能であるとは、引張手段が車輪を有して自走式又は人力で移動できる場合に加え、引張手段自体が車輪を有さずとも、台車等に載せて運ぶ方法、底部に橇などを設けて牽引して運ぶ方法、軽量の引張手段に把手等の把持手段を付設して人力で持ち上げて運ぶ方法などが可能な場合も含む。
また、第一実施形態に係わる引張手段40は、図1に示すように、巻取装置44と、エンコーダ52と、制御器50と、操作盤54とを有している移動台42と先端にパレット連結具60を有し、巻取装置44に巻き取られる紐状部材としてのロープ46とで構成されている。なお、本発明における引張手段は、この構成に限らず、荷物載置部材に牽引力を伝えることが可能な構成であれば、如何なる構成であってもよく、例えば、回転力を変換した水平移動力やバネ力などを利用してスライドするスライド機構により、紐状部材を用いずに、必要な距離だけ水平移動させて牽引する構成でもよい。
第一実施形態に係わる巻取装置44は、紐状部材としてのロープ46を巻き取る装置であり、電気的に制御可能な回転式電動モータ及びドラム(図示せず)を含み、移動台42の筐体の内側に設けられており、ロープ46は、その一端がドラムに固定され、他端が筐体の左側から外側へ引き出され、筐体の上面の左方に設けられた滑車48によって案内されて、移動台42の右側へ引き出されており、その他端にはパレット連結具60が連結されている。
第一実施形態に係わるエンコーダ52は、巻取装置44の回転状態を検出する光学式検出器であり、巻取装置44のドラムに付設され、その出力信号が制御器50に送信され、操作盤54により入力され制御器50に予め送信された設定パラメータと共に、電動モータの回転、停止など動作制御に用いられる。なお、本発明では、これに限らず、例えば磁気式エンコーダを用いることができる。
(ロープ46)
第一実施形態に係わるロープ46は、巻取装置44により巻き取ることが可能な可撓性を有する有機繊維を素材として用いている。なお、本発明では、これに限らず、荷物積卸作業において荷物を載置した状態の荷物載置部材を引張ることが可能とされる引張強度を有していれば、材質及び形状を限定されない。
なお、ロープ46の牽引方向転換を支える滑車48は、図1に示すように、荷物輸送用車両20の荷台22又は荷置台30の荷置面32に載置されたパレット70と同等の高さに配置されていることが望ましい。すなわち、ロープ46がパレット70を引張る場合に、水平視でロープ46が上下方向に大きく傾いていないことが望ましい。
(荷物積卸作業及び作業手順)
図面を適宜参照しながら、第一実施形態に係る荷物積卸システム10において、引張手段40により、パレット70を引張ることで、荷物Cを移動させ、作業者が荷積み又は荷卸しを行う作業手順について説明する。
(荷積作業の手順)
まず、第一実施形態に係る荷物積卸システム10において、荷物Cを荷置台30の荷置面32から、荷物輸送用車両20の荷台22に荷積みする作業手順について説明する。
作業者は、図3(A)に示すように、荷物Cが載置されたパレット70が前後方向に並んで2つ予め載置された荷置台30の左側に、荷物輸送用車両20を近接配置する。なお、本発明では、これに限らず、例えば、荷物が載置された任意の個数の荷物載置部材を荷置台に予め載置しておくことができ、また、一緒に配置される引張手段の前後を反転させて牽引方向を合わせることにより、荷物輸送用車両を荷置台の右側に近接配置するようにもできる。
なお、本発明において、「近接配置」とは、図1に示すように、例えば荷物輸送用車両20の荷台22及び荷置台30との間隙がパレット70の左右方向の長さに対して十分に狭く、パレット70が間隙に落ち込まない程度に配置されている場合を指す。
また、「近接配置」には、荷台22と荷置台30との間に渡し板を架けることでパレット70の落ち込みを防ぐことができる場合も含まれる。
次に、作業者は、図3(B)に示すように、移動台42を荷物輸送用車両20の左側に位置するように移動させ、図3(C)に示すように、荷積みを行うパレット70に相対する位置に近接配置する。すなわち、図2に示すように、移動台42は、荷物輸送用車両20を間に挟んで荷置台30の反対側に近接配置される。
次に、作業者は、図1に示すように、移動台42の内部に設けられた巻取装置44からロープ46を引き出して移動台42の左側に引き出す。そして、作業者は、引き出したロープ46を上方の滑車48に案内させて引張方向を転換し、移動台42の右側に向けて引き出す。なお、本発明では、これに限らず、例えば、予めロープを案内用滑車に掛け回して方向転換した位置まで引き出しておくこともできる。
更に、作業者は、ロープ46を荷台22を跨いで荷置台30まで引き出す。
そして、作業者は、引き出したロープの先端をパレット連結具60に連結し、続いて、図1に示すように、荷置台30の荷置面32に載置されている、2つ並んだパレット70のうち後方のパレット70の脚柱をパレット連結具60で把持することにより、ロープ46をパレット70に連結する。なお、本発明では、これに限らず、例えば、先にパレット連結具をパレットに連結し、そのパレット連結具にロープ先端を連結することもできる。
次に、作業者は、移動台42の操作盤54に設けられたボタンを操作して、荷物を移動させる距離に相当するパレット70の端と荷台22の端との距離Wを制御器50に設定した後、巻取装置44を作動させる。
図2及び図3(C)に示すように、巻取装置44がロープ46を巻き取ることで、2つ並んだパレット70のうち後方のパレット70は、ロープ46に引張られることにより、左方に引張られて荷台22上まで移動する。
エンコーダ52が測定した巻取装置44の巻取量が、巻取装置44が作動する前の状態におけるパレット70の端と荷台22の端との距離Wの長さとなった状態、すなわちパレット70を荷置台30から荷台22へと移動させた状態で、制御器50は、巻取装置44の作動を止める。なお、本発明では、これに限らず、例えば、制御器に移動距離を設定せず、荷物の移動完了位置を目視で判断し、操作盤では巻取装置の始動ボタンと停止ボタンのみを操作することもできる。
そして、作業者は、制御器50が巻取装置44の作動を止めた後、パレット70とロープ46との連結を外す。
次に、作業者は、移動台42を荷物輸送用車両20に沿って前進させ、移動台42の巻取装置44が荷置台30上の次に荷積みを行うパレット70に相対する位置に配置する。
図3(C)において、残りのパレット70を荷置台30から荷台22へ移動させる手順は、最初のパレット70を移動させる上述の手順と同様である。なお、本発明では、これに限らず、荷物を載せた任意の個数の荷物載置部材を荷置台に予め載置しておき、上記の手順で順次荷置台から荷台へ荷積みしてもよく、また、荷物載置部材を載置した複数の荷置台を順次入れ替えながら荷置台から荷台へ荷積みしてもよく、更には、複数の荷物輸送用車両を順次入れ替えながら荷置台から荷台へ荷積みすることもできる。
(荷卸作業の手順)
次に、第一実施形態に係る荷物積卸システム10において、荷物Cを荷物輸送用車両20の荷台22から、荷置台30の荷置面32に荷卸しする作業手順について説明する。
作業者は、図6(A)に示すように、荷置台30の右側に、荷台22に荷物Cが載置されたパレット70が前後方向に並んで予め2つ載置された荷物輸送用車両20を近接配置する。なお、本発明では、これに限らず、例えば、荷物が載置された任意の個数の荷物載置部材を荷物輸送用車両の荷台に予め載置しておくことができ、また、一緒に配置される引張手段の前後を反転させて牽引方向を合わせることにより、荷物輸送用車両を荷置台の左側に近接配置するようにもできる。
次に、作業者は、図6(B)に示すように、移動台42を荷置台30の左側に位置するように移動させ、図6(C)に示すように、荷卸しを行うパレット70に相対する位置に近接配置する。すなわち、図4に示すように、移動台42は、荷置台30を間に挟んで荷物輸送用車両20の反対側に近接配置される。
次に、作業者は、図4に示すように、移動台42の内部に設けられた巻取装置44からロープ46を引き出して移動台42の左側に引き出す。そして、作業者は、引き出したロープ46を上方の滑車48に案内させて引張方向を転換し、移動台42の右側に向けて引き出す。なお、本発明では、これに限らず、例えば、予めロープを案内用滑車に掛け回して方向転換した位置まで引き出しておくこともできる。
更に、作業者は、ロープ46を荷置台30を跨いで荷台22まで引き出す。
そして、作業者は、引き出したロープの先端をパレット連結具60に連結し、続いて、図4に示すように、荷台22に載置されている、2つ並んだパレット70のうち後方のパレット70の脚柱をパレット連結具60で把持することにより、ロープ46をパレット70に連結する。なお、本発明では、これに限らず、例えば、先にパレット連結具をパレットに連結し、そのパレット連結具にロープ先端を連結することもできる。
次に、作業者は、移動台42の操作盤54に設けられたボタンを操作して、荷物を移動させる距離に相当するパレット70の端と荷置台30の端との距離Wを制御器50に設定した後、巻取装置44を作動させる。
図5及び図6(C)に示すように、巻取装置44がロープ46を巻き取ることで、2つ並んだパレット70のうち後方のパレット70は、ロープ46に引張られることにより、左方に引張られて荷置台30上まで移動する。
エンコーダ52が測定した巻取装置44の巻取量が、巻取装置44が作動する前の状態におけるパレット70の端と荷置台30の端との距離Wの長さとなった状態、すなわちパレット70を荷台22から荷置台30へと移動させた状態で、制御器50は、巻取装置44の作動を止める。なお、本発明では、これに限らず、例えば、制御器に移動距離を設定せず、荷物の移動完了位置を目視で判断し、操作盤では巻取装置の始動ボタンと停止ボタンのみを操作することもできる。
そして、作業者は、制御器50が巻取装置44の作動を止めた後、パレット70とロープ46との連結を外す。
次に、作業者は、移動台42を荷物輸送用車両20に沿って前進させ、移動台42の巻取装置44が荷台22上の次に荷卸しを行うパレット70に相対する位置に配置する。
図6(C)において、残りのパレット70を荷台22から荷置台30へ移動させる手順は、最初のパレット70を移動させる上述の手順と同様である。なお、本発明では、これに限らず、荷物を載せた任意の個数の荷物載置部材を荷台に積載しておき、上記の手順で順次荷台から荷置台へ荷卸ししてもよく、また、複数の荷物輸送用車両を順次入れ替えながら荷台から荷置台へ荷卸ししてもよく、更には、複数の荷置台を順次入れ替えながら荷台から荷置台へ荷卸しすることもできる。
以上により、作業者は、第一実施形態に係る荷物積卸システム10を用い、荷置台30に載置されたパレット70を荷物輸送用車両20の荷台22に荷積みを行い、また、荷物輸送用車両20の荷台22に載置されたパレット70を荷置台30の荷置面32に荷卸しを行う。
(効果)
第一実施形態についての上述の説明に示すように、本発明に係る荷物積卸システムを用いることで、次に示す効果を得ることができる。
本発明に係る荷物積卸システムによれば、移動台、巻取装置等で構成される引張手段が用いられるため、荷物輸送用車両に荷物を引張するための駆動装置や滑車装置等の装置を取り付ける改造の必要がなく、従来の荷物輸送車両をそのまま用いることができ、荷役作業での投資コストを低減できる。
また、本発明に係る荷物積卸システムによれば、配置自由な引張手段により、荷物を荷置台から荷台へ移動させる荷積作業及び荷台から荷置台へ移動させる荷卸作業のいずれにでも使用することができる。
また、本発明に係る荷物積卸システムによれば、引張手段に荷物を置くスペースを設けることにより、作業者は、引張手段のみを用いて、荷物を荷卸しすることができる。
また、本発明に係わる荷物積卸システムによれば、フォークリフトなどの比較的高価な装置を用いることなく、荷積作業及び荷卸作業をすることができるため、荷役作業を行うための設備コストを低減することができる。
また、本発明に係る荷物積卸システムによれば、引張手段に適切な制御手段を組み込むことにより、作業者は、荷台、荷置台、引張手段を適切な位置に配置し、引張手段のロープ等を荷物に連結すれば、後は簡単なボタン操作だけで荷積作業または荷卸し作業を行うことができ、作業車は荷物が移動している間、別の作業を行うことができるため、荷役作業の効率化を図ることができる。
(変形例)
第一実施形態に係る荷物積卸システム10では、図1に示すように、荷台22と荷置台30は、その隙間がパレット70の幅に比べて相当狭くなるように近接配置されている。なお、本発明では、これに限らず、例えば、地面に障害物がある等の理由で近接配置が困難なために隙間が大きくなる場合、車両運転者若しくは荷役作業者の技量不足で近接配置しようとすると危険なために隙間が大きくなる場合、シートパレットのように荷物載置部材が強固な底面を有さないために僅かな隙間でも荷物移動に支障がある場合、荷物輸送用車両が鉄道貨車などで軌道施設のために近接配置が困難な場合などにおいては、その隙間を橋渡しする渡板、図7に示す支持台90など橋渡部材を補助部材として用いてもよく、また、車両側面と荷置台側面や引張手段の移動台側面などが配置時の接触によって損傷することを避けたい場合には、荷置台や移動台の荷台に向かい合う側面にクッション材など緩衝部材を付設してもよく、又は、隙間を開けて配置し、その隙間を一定に保つ図7に示す突っ張り具100などセパレータを補助部材として用いてもよい。また、上記橋渡部材にセパレータの機能も持たせて一体化することを妨げない。
(その他の変形例)
第一実施形態に係る荷物積卸システム10では、図1に示すように、荷置台30の荷置面32に直接パレット70が載置されている。なお、本発明では、これに限らず、コンベアやスライダーボードなどの滑り手段が荷置台の荷置面に設けられていてもよい。
また、第一実施形態に係る荷物積卸システム10では、図4に示すように、荷物輸送用車両20の荷台22に直接パレット70が載置されている。なお、本発明では、これに限らず、コンベアやスライダーボードなどの滑り手段が荷物輸送用車両の荷台に設けられていてもよい。
荷物輸送手段の荷台に滑り手段を設けることにより、引張手段によって荷物を引張って荷物積卸作業をする際の摩擦抵抗を低減することができる。
また、第一実施形態に係る荷物積卸システム10では、荷物Cが載置されるパレット70は、現在流通している既存のパレットが加工されずに用いられている。なお、本発明では、これに限らず、キャスタやスライダーボードなどの滑り手段がパレット等の荷物載置部材の下面に設けられていてもよい。
荷物載置手段の下面に滑り手段を設けることにより、引張手段によって荷物を引張って荷物積卸作業をする際の摩擦抵抗を低減することができる。
また、本実施形態に係る荷物積卸システム10では、図3に示すように、荷物輸送用車両20及び移動台42は、荷置台30の後方から前進することで近接配置されとされている。なお、本発明では、これに限らず、荷物輸送用車両及び移動台は、それぞれ、荷置台の前後左右いずれの方向から接近して配置されてもよい。
また、本実施形態に係る荷物積卸システム10では、移動台42が荷台22及び荷置台30の左方に配置された状態において、パレット70を引張ることで荷物積卸作業を行うとされている。なお、本発明では、これに限らず、移動台が配置される位置は、左方に限定されず、例えば、移動台が荷台及び荷置台の右方に配置された状態において、パレット等の荷物載置部材を引張ることで荷物積卸作業を行ってもよい。
また、本実施形態に係る荷物積卸システム10では、エンコーダ52が巻取装置44の回転量を測定することにより制御器50にパレット70の移動量を送信することで移動の終点を検知し、移動を終了するとされている。なお、本発明では、これに限らず、例えば、荷積作業時には荷台の端部に、また荷卸作業時には荷置台の端部にストッパを取り付け、パレット等の荷物載置部材がストッパに当接するまで引張り、当接したことを感知した信号を制御器に送ることで移動を終了するように設定してもよい。
また、第一実施形態に係る荷物積卸システム10では、移動台42は、車輪を有している。なお、本発明では、この車輪の回転を止めるストッパを備えることを妨げない。
また、第一実施形態に係る荷物積卸システム10では、滑車48は、移動台42の左方に設けられている。なお、本発明では、これに限らず、滑車が設けられる位置は、移動台の任意の位置でよい。
また、第一実施形態に係る荷物積卸システム10では、荷物輸送用車両20の荷台22及び荷置台30の荷置面32は、地面からの高さが略同一の高さとされている。なお、本発明では、これに限らず、荷台又は荷置台の荷置面に更に昇降機を設けることによって略同一の高さとされていてもよい。
また、第一実施形態に係る荷物積卸システム10では、上述の説明における荷積作業又は荷卸作業のいずれか一方の作業のみに使用されてもよい。
<第二実施形態>
続いて、本発明の第二実施形態に係る荷物積卸システムを、図面を適宜参照しながら説明する。なお、第二実施形態の説明において、本発明の第一実施形態と同等又は類似の構成には、同一の符号を用い、説明を省略する場合がある。
図8に示すように、第二実施形態に係る荷置台30は、荷置台30を移動可能とさせる荷置台移動手段30Wを有している点で、第一実施形態に係る荷置台30と異なる。
より具体的には、第二実施形態に係る荷置台30は、略直方体状の筐体であって、その下部に車輪より成る荷置台移動手段30Wを備えており、上面である荷置面32にパレット70を2つ並べて載せたまま移動することが可能とされている。なお、本発明では、これに限らず、移動手段は、例えば、車輪での移動が困難な雪面などで使用するために底部に設けた摺動が容易な橇などでもよく、また、荷置面に載置されるパレット等の荷物載置部材の個数は、荷置面のスペースに載置できる範囲で、任意である。
その他の構成は、本発明の第一実施形態と同様である。
(荷物積卸作業及び作業手順)
図面を適宜参照しながら、第二実施形態に係る荷物積卸システム10において、引張手段40により、パレット70を引張ることで、荷物Cを移動させ、作業者が荷積み又は荷卸しを行う作業手順について説明する。
(荷積作業の手順)
まず、第二実施形態に係る荷物積卸システム10において、荷物Cを荷置台30の荷置面32から、荷物輸送用車両20の荷台22に荷積みする作業手順について説明する。
作業者は、図9(A)に示すように、荷物輸送用車両20の右側に、荷物Cが載置されたパレット70が前後方向に並んで予め2つ載置された荷置台30を、荷置台移動手段30Wを利用して近接配置する。なお、本発明では、これに限らず、例えば、荷物が載置された任意の個数の荷物載置部材を荷置台に予め載置しておくことができ、また、一緒に配置される引張手段の前後を反転させて牽引方向を合わせることにより、荷置台を荷物輸送用車両の左側に近接配置するようにもできる。
次に、作業者は、図9(B)に示すように、移動台42を荷物輸送用車両20の左側に移動させ、図9(C)に示すように、荷積を行うパレット70に相対する位置に近接配置する。すなわち、図8に示すように、移動台42は、荷物輸送用車両20を間に挟んで荷置台30の反対側に近接配置される。
以降の作業手順は、上述の第一実施形態における荷積作業の手順と同様とする。
(荷卸作業の手順)
次に、第二実施形態に係る荷物積卸システム10において、荷物Cを荷物輸送用車両20の荷台22から、荷置台30の荷置面32に荷卸しする作業手順について説明する。
作業者は、図11(A)に示すように、荷台22に荷物Cが載置されたパレット70が前後方向に並んで予め2つ載置された荷物輸送用車両20の左側に、荷置台30を、荷置台移動手段30Wを利用して近接配置する。なお、本発明では、これに限らず、例えば、荷物が載置された任意の個数の荷物載置部材を荷台に予め載置しておくことができ、また、一緒に配置される引張手段の前後を反転させて牽引方向を合わせることにより、荷置台を荷物輸送用車両の右側に近接配置するようにもできる。
次に、作業者は、図11(B)に示すように、移動台42を荷置台30の左側に移動させ、図11(C)に示すように、荷卸しを行うパレット70に相対する位置に近接配置する。すなわち、図10に示すように、移動台42は、荷置台30を間に挟んで荷物輸送用車両20の反対側に近接配置される。
以降の作業手順は、上述の第一実施形態における荷卸作業の手順と同様とする。
(効果)
第二実施形態についての上述の説明に示されるように、本発明に係る荷物積卸システムを用いることで、次に示す効果を得ることができる。
本発明に係る荷物積卸システムによれば、荷置台が移動手段を備えることによって、施設の一部として設けられているプラットフォーム等とは異なり、移動することができるため、作業者は、空き地や駐車場等のように、荷物輸送用車両と、荷置台と、移動台とを並べられるスペースを有する場所であれば、プラットフォーム等の固定設備がある場所に限られずに荷物積卸作業ができる。
また、本発明に係る荷物積卸システムによれば、移動手段が付設された荷置台は、荷置面に荷物を載置した状態で移動可能であり、荷置台を用いて荷物を搬送することができるため、作業者は、フォークリフトのような比較的高価な運搬装置を用いることなく、荷積みする荷物を倉庫等の保管場所から荷物輸送用車両お側まで搬送すること、また、荷物輸送用車両から荷卸しした荷物をそのまま倉庫等の保管場所まで搬送することができる。
<第三実施形態>
続いて、本発明の第三実施形態に係る荷物積卸システムを、図面を適宜参照しながら説明する。なお、第三実施形態の説明において、本発明の第一実施形態又は第二実施形態と同等又は類似の構成には、同一の符号を用い、説明を省略する場合がある。
図12及び図13に示すように、第三実施形態に係る荷物載置部材は、パレット70に代えてシートパレット70とされ、また、パレット連結具60に代えてシートパレット連結具60が用いられる点で、第一実施形態及び第二実施形態と異なる。
(シートパレット70)
第三実施形態に係るシートパレット70は、PP製であり、厚みは、約2.0mmであり、平面サイズは、その上面に載置される荷物Cの底面より大きい面積を有する矩形状である。なお、本発明では、これに限らず、その上面に載置される荷物Cの底面より大きい面積を有する限り、如何なる材質、厚さ、面積のものでもよく、また、市販品であれカスタム品であれ、流通市場で用いられているシートパレットに対応可能である。
(シートパレット70の連結方法)
第三実施形態では、作業者は、移動台42からロープ46を引き出して、ロープ46の先端をシートパレット連結具60に連結し、続いて、図12又は図13に示すように、荷置台30の荷置面32又は荷台22に載置されているシートパレット70の端部をシートパレット連結具60で把持することによって、シートパレット70とロープ46とを連結する。なお、本発明では、これに限らず、例えば、先にパレット連結具をシートパレットに連結し、そのシートパレット連結具にロープ先端を連結することもできる。
(荷積作業の手順)
まず、第三実施形態に係る荷物積卸システム10において、荷物Cを荷置台30の荷置面32から、荷物輸送用車両20の荷台22に荷積みする作業手順について説明する。
作業者は、図12に示すように、第一実施形態に係る荷積作業の場合と同様の手順で、荷置台に予め載置されているシートパレット70と移動台42とを、ロープ46を介し、荷物輸送用車両20の荷台22を跨いで連結する。
次に、作業者は、第一実施形態に係る荷積作業の場合と同様の手順により、巻取装置44を作動させることにより、荷物Cを荷置台30から荷物輸送用車両20の荷台22に移動させ、荷積みをする。
(荷卸作業の手順)
次に、第三実施形態に係る荷物積卸システム10において、荷物Cを荷物輸送用車両20の荷台22から、荷置台30の荷置面32に荷卸しする作業手順について説明する。
作業者は、図13に示すように、第一実施形態に係る荷卸作業の場合と同様の手順で、荷物輸送用車両20の荷台22に予め積載されているシートパレット70と移動台42とを、ロープ46を介し、荷置台30を跨いで連結する。
次に、作業者は、第一実施形態に係る荷卸作業の場合と同様の手順で、巻取装置44を作動させることにより、荷物Cを荷物輸送用車両20の荷台22から荷置台30に移動させ、荷卸しをする。
(効果)
第三実施形態についての上述の説明に示されるように、本発明に係る荷物積卸システムを用いることで、次に示す効果を得ることができる。
本発明に係る荷物積卸システムによれば、シートパレットに載置された荷物を、荷置台から荷台へ又は荷台から荷置台へと引張手段を用いて移動させることができるため、作業者は、一般的に荷物載置部材としてシートパレットを用いた荷卸作業に用いられるプッシュプル型フォークリフトを必要とせず、また、プッシュプル型フォークリフトは通常のフォークリフトと同様にフォークの長さの範囲内にある荷物しか扱えず、例えば荷台の奥にある荷物は扱えないというような距離的制約が大きいが、本発明に係る引張手段のロープは任意の長さとすることができるため、プッシュプル型フォークリフトに比べ距離的制約を受けることなく、シートパレットに載置された荷物の荷物積卸作業を行うことができる。
<第四実施形態>
続いて、本発明の第四実施形態に係る荷物積卸システムを、図面を適宜参照しながら説明する。なお、第四実施形態の説明において、本発明の第一実施形態、第二実施形態又は第三実施形態と同等又は類似の構成には、同一の符号を用い、説明を省略する場合がある。
図14及び図15に示すように、第四実施形態に係る引張手段40は、引張手段40を構成する各部材を装備する筐体の固定台42及び駆動装置44M並びに駆動装置44Mに接続された駆動シャフト44Sによって連結された複数のドラム44D及びロープ46とを有する点で、同じく筐体の移動台42、巻取装置44、駆動装置及び単一のドラム(図示せず)が一体化され内蔵されている巻取装置44、及びロープ46を有する第一実施形態、第二実施形態及び第三実施形態に係る引張手段40と異なる。
第四実施形態に係る引張手段40の筐体となる固定台42は、略直方体形状の台型を有する設備であり、地面Gに固定された状態で設置されている。なお、本発明では、これに限らず、引張手段の各部材を装備する筐体は移動台であってもよく、筐体としての形状も、駆動装置、駆動シャフト、ドラムを設置することができ、荷物を牽引する場合の安定性を有する限り、任意の形状とすることが出来る。
駆動装置44Mは、駆動シャフト44Sに出力軸が接続されたモータであり、駆動シャフト44Sに回転トルクを与える。
また、第四実施形態に係る駆動装置44Mは、固定台42の上面前方に配置されている。なお、本発明では、駆動装置は、引張手段筐体の上面後方に配置してもよく、また、中間部に配置し、駆動シャフトを前方及び後方に延伸するよう設置してもよく、更に、適切な動力伝達機構を設けることにより、駆動装置を引張手段筐体の内部に設備することもできる。
第四実施形態に係る駆動シャフト44Sは、駆動装置44Mの出力軸に接続されると共に、後方に延伸し、2つのドラム44Dが間隔を開けて固定されており、末端部が軸受け(図示せず)で回転自由に支持されている。なお、本発明では、これに限らず、駆動シャフトに取り付けるドラムの数は、引張手段の筐体上面のスペースが許す限り、任意である。
この構成により、駆動装置44Mが始動することにより、回転トルクが駆動シャフト44Sに与えられ、駆動シャフト44Sを介してドラム44Dがロープ46の巻取を開始する。
なお、第四実施形態に係るドラム44Dは、駆動シャフト44Sを介して回転駆動力を得ることを除き、第一実施形態~第三実施形態に係る引張手段40が有している巻取装置44が内蔵するドラムと同様の機能を有する。すなわち、ロープ46は、2つのドラム44Dからそれぞれ引き出され、2つのパレット70にそれぞれ連結され、また、ドラム44Dが回転することにより、ロープ46が引っ張られて2つのパレット70を同時に移動させる。なお、本発明では、これに限らず、同時に移動できる荷物載置部材の数は、駆動装置の駆動能力、駆動シャフトの耐力及び移動した荷物を置くスペースが許す限り、駆動シャフトに取り付けられたドラム数に応じ、任意である。
(荷積作業の手順)
まず、第四実施形態に係る荷物積卸システム10において、荷物Cを荷置台30の荷置面32から、荷物輸送用車両20の荷台22に荷積みする作業手順について説明する。
作業者は、図14(A)に示すように、荷物輸送用車両20と荷物Cが載置されたパレット70が前後方向に並んで2つ載置された荷置台30とを移動させ、左から引張手段40の固定台42、荷物輸送用車両20及び荷置台30の順に並べて互いに近接配置する。なお、本発明では、これに限らず、例えば、荷物が載置された任意の個数の荷物載置部材を荷置台に予め載置しておくことができ、また、一緒に配置される引張手段の前後を反転させて牽引方向を合わせることにより、荷置台及び荷物輸送用車両を引張手段の左側に近接配置するようにもできる。
次に、作業者は、第一実施形態に係る荷積作業と同様の手順で、図14(B)に示すように、荷置台30の荷置面32に載置されている2つ並んだパレット70に、固定台42上の2つ並んだドラム44Dから引き出されたロープ46を連結する。
次に、作業者は、第一実施形態に係る荷積作業の場合と同様の手順により、駆動装置44Mを作動させることにより、図14(C)に示すように、荷物Cを荷置台30から荷物輸送用車両20の荷台22に移動させ、荷積みをする。
(荷卸作業の手順)
次に、第四実施形態に係る荷物積卸システム10において、荷物Cを荷物輸送用車両20の荷台22から、荷置台30の荷置面32に荷卸しする作業手順について説明する。
作業者は、図15(A)に示すように、荷置台30と荷物Cが載置されたパレット70が前後方向に並んで2つ載置された荷物輸送用車両20とを移動させ、左から引張手段40の固定台42、荷置台30及び荷物輸送用車両20の順に並べて互いに近接配置する。なお、本発明では、これに限らず、例えば、荷物が載置された任意の個数の荷物載置部材を荷物輸送用車両の荷台に予め載置しておくことができ、また、一緒に配置される引張手段の前後を反転させて牽引方向を合わせることにより、荷置台及び荷物輸送用車両を引張手段の左側に近接配置するようにもできる。
次に、作業者は、第一実施形態に係る荷卸作業と同様の手順で、図15(B)に示すように、荷物輸送用車両20の荷台22に載置されている2つ並んだパレット70に、固定台42上の2つ並んだドラム44Dから引き出されたロープ46をそれぞれ連結する。
次に、作業者は、第一実施形態に係る荷積作業の場合と同様の手順により、駆動装置44Mを作動させることにより、図15(C)に示すように、荷物Cを荷物輸送用車両20の荷台22から荷置台30に移動させ、荷卸しをする。
(効果)
第四実施形態についての上述の説明に示されるように、本発明に係る荷物積卸システムを用いることで、次に示す効果を得ることができる。
本発明に係る荷物積卸システムによれば、引張手段として駆動装置によって駆動される駆動シャフトに複数のドラムを設けた引張手段を用いることにより、複数のドラムから引き出されたロープを荷物が載置された複数の荷物載置部材にそれぞれ連結し、駆動装置により駆動シャフトを介して複数のドラムを回転させてロープを巻き取ることで、荷物載置部材を一括して移動させることができるため、作業者は、荷積作業及び荷卸作業に要する時間を短縮でき、荷物積卸作業の効率化を図ることができる。
<第五実施形態>
続いて、本発明の第五実施形態に係る荷物積卸システムを、図面を適宜参照しながら説明する。なお、第五実施形態の説明において、本発明の第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態又は第四実施形態と同等又は類似の構成には、同一の符号を用い、説明を省略する場合がある。
図16、図17及び図18に示すように、第五実施形態に係る引張手段40は、その筐体を成す荷置面付き移動台42Xの上面32が十分な広さを有し、荷置台30の上面32に代わって上面32が荷物Cを載置したパレット70を載せるために用いられ、すなわち、引張手段40と荷置台30を一体化し、一つの筐体に纏めて用いている点で、第一実施形態、第二実施形態及び第三実施形態に係る引張手段40及び荷置台30の構成と異なる。なお、第五実施形態においては、第一実施形態、第二実施形態及び第三実施形態に係る引張手段40に示されるように、単一のドラム及びロープにより一度に一つのパレット70を牽引するとしているが、本発明では、これに限らず、第四実施形態に係わる引張手段40に示されているように、複数のドラム及びロープで一度に複数の荷物載置手段を牽引するものであってもよい。
より具体的には、第五実施形態に係る引張手段40は、荷置面付き移動台42Xの上面32が板材で形成されており、荷物Cが載置されたパレット70を上面32に載せることが可能な台状の筐体を有しており、また、上面32に荷物Cが載置されたパレット70が配置された状態で、荷置面付き移動台42Xが移動可能とされている。
すなわち、第五実施形態に係る引張手段40は、荷物Cが載置されたパレット70を荷置面付き移動台42Xの上面32に載せて移動可能であり、上記した他の実施形態における荷置台30を兼ねた装置とされている。
その他の構成は、本発明の第二実施形態と同様である。
なお、以下の説明において、第一移動台42XA及び第二移動台42XBは、それぞれを区別するために名称及び符号を使い分けているが、第一移動台42XAの上面32に荷物Cが載置されたパレット70が配置されていること以外は、それぞれ上述の荷置面付き移動台42Xと同じ構成である。
作業者は、図17(A)に示すように、荷物輸送用車両20の左側に、上面32にパレット70が配置された第一移動台42XAを移動して近接配置し、また、荷物輸送用車両20の右側に、第二移動台42XBを移動して近接配置する。なお、本発明では、これに限らず、いずれか一方の荷置面付き移動台を動かさず、他方の荷置面付き移動台と荷物輸送用車両を移動して近接配置してもよく、また、この場合、動かさない方の荷置面付き移動台に代わって、移動手段を有さない荷置面付き固定台を用いてもよい。
次に、作業者は、図17(B)に示すように、第二移動台42XBの内部に設けられた巻取装置44からロープ46を引き出し、荷物輸送用車両の荷台22を跨いで、第一実施形態と同様に、第一移動台42XAの上面32に載置されているパレット70にロープ46を連結する。
次に、作業者は、第一実施形態に係る荷積作業の場合と同様の手順で、第二移動台42XBの巻取装置44を作動させることにより、図17(C)に示すように、荷物Cが載置されたパレット70を第一移動台42XAの上面32から荷物輸送用車両20の荷台22へ移動させ、荷積みをする。
(荷卸作業の手順)
まず、第五実施形態に係る荷物積卸システム10において、荷物Cを荷物輸送用車両20の荷台22から荷置面付き移動台42Xの上面32に荷卸しする作業手順について説明する。
作業者は、図16(A)に示すように、荷物Cが載置されたパレット70が前後方向に並んで2つ載置された荷物輸送用車両20の左側に、荷置面付き移動台42Xを移動して近接配置する。なお、本発明では、これに限らず、荷物輸送用車両の方を移動して荷置面付き移動台に近接配置してもよく、また、この場合、移動手段を有する荷置面付き移動台に代わって、移動手段を有さない荷置面付き固定台を用いてもよい。
次に、作業者は、第一実施形態に係る荷卸作業と同様の手順で、図16(B)に示すように、荷物輸送用車両20の荷台22に載置されている2つ並んだパレット70のうちの後方のパレット70に、巻取装置44から引き出されたロープ46を連結する。
次に、作業者は、第一実施形態に係る荷卸作業の場合と同様の手順で、巻取装置44を作動させることにより、図16(C)に示すように、荷物Cが載置されたパレット70を荷物輸送用車両20の荷台22から荷置台30に移動させ、荷卸しをする。
(荷積作業の手順)
続いて、第五実施形態に係る荷物積卸システム10において、前述の荷卸作業によって荷物輸送用車両20の荷台22から荷置面付き移動台42Xの上面32に荷卸しされたパレット70に載置された荷物Cを、別の荷物輸送用車両20の荷台22に積み替える作業手順について説明する。なお、本発明では、これに限らず、荷物Cは、例えばシートパレット等のその他の荷物載置部材に載置されたものでもよく、また、荷物輸送用車両から荷卸しされたものでなく、例えばフォークリフト等の別の手段により載置されたものでもよい。
(搬送作業)
続いて、第五実施形態に係る荷物積卸システム10において、荷置台30の荷置面32に予め置かれているパレット70に載置された荷物Cを、荷置面付き移動台42Xの上面32に移載し、荷置面付き移動台42Xを荷物輸送用車両20として用いて、荷物Cを近距離搬送する作業手順について説明する。なお、本発明では、これに限らず、荷物Cは、例えばシートパレット等のその他の荷物載置部材に載置されたものでもよい。
作業者は、図18(A)に示すように、荷物Cが載置されたパレット70が前後方向に並んで2つ載置された荷置台30の左側に、荷置面付き移動台42Xを移動して近接配置する。なお、本発明では、これに限らず、荷置面付き移動台の前後を反転させて牽引方向を合わせることにより、荷置台の右側に近接配置するようにもできる。
次に、作業者は、第一実施形態に係る荷積み作業と同様の手順で、図18(B)に示すように、荷置台30の荷置面32に載置されている2つ並んだパレット70のうちの後方のパレット70に、巻取装置44から引き出されたロープ46を連結する。
次に、作業者は、第一実施形態に係る荷積み作業と同様の手順で、荷置面付き移動台42の巻取装置44を作動させ、図18(C)に示すように、2つ並んだパレット70のうちの後方のパレット70を荷置面32から荷置面付き移動台42の上面32へ移動し、移載する。
次に、作業者は、パレット70が荷置面付き移動台42の上面32に配置された状態で、荷置面付き移動台42を移動させることにより、パレット70に載置された荷物Cを搬送する。
(効果)
第五実施形態についての上述の説明に示されるように、本発明に係る荷物積卸システムを用いることで、次に示す効果を得ることができる。
本発明に係る荷物積卸システムによれば、荷置面付き移動台は、荷置台の荷置面と同様に、その上面に荷物が載置されたパレット等の荷物載置部材を載せることが可能になるよう、十分な広さを有することにより、荷置台30を兼ねことができるため、装置のサイズは大きくなるものの、荷置台と移動台を別々に配置する場合に比べ、更に作業効率が向上する。
また、本発明に係る荷物積卸システム10によれば、荷置台を兼ねることが可能な荷置面付き移動台のみを複数用意することにより荷物積卸作業を可能に出来るため、荷置台と移動台とを別々に用意する場合に比べ、荷物積卸システムの構成部材の種類を削減でき、荷物積卸システムを設計するコスト、保守コスト等を更に低減することができる。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明したが、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 荷物積卸システム
20 荷物輸送用車両
22 荷台
24 荷台側壁
30 荷置台
30W 荷置台移動手段
32 荷置面、上面
40 引張手段
42 移動台、固定台
42W 移動手段
42X 荷置面付き移動台、荷置面付き固定台
44 巻取装置
44D ドラム
44M 駆動装置
44S 駆動シャフト
46 ロープ
48 滑車
50 制御器
52 エンコーダ
54 操作盤
60 パレット連結具、シートパレット連結具
62 フック本体
64 連結部
68 連結部材
70 パレット、シートパレット
90 支持台
92 土台部
94 伸縮部
100 突っ張り具
102 土台部
104 上下伸縮部
106 水平伸縮部
108 当接部
C 荷物
G 地面

Claims (5)

  1. 両側面が開放可能な荷物輸送用車両の荷台に近接配置され、荷置面が前記荷台の荷台面と略同一高さの荷置台と、
    前記荷台を挟んで前記荷置台と反対側に配置され、前記荷置台に載置された荷物が積まれた荷物載置部材を、前記荷台を跨いで引張り前記荷台へ移動させる引張手段と、
    を有する荷物積卸システム。
  2. 少なくとも一方側面が開放可能な荷物輸送用車両の荷台の開放側面に近接配置され、荷置面が前記荷台の荷台面と略同一高さの荷置台と、
    前記荷置台を挟んで前記荷台と反対側に配置され、前記荷台に載置された荷物が積まれた荷物載置部材を、前記荷置台を跨いで引張り前記荷置台へ移動させる引張手段と、
    を有する荷物積卸システム。
  3. 前記引張手段は、
    移動台又は固定台と、
    前記移動台又は前記固定台に設けられた巻取装置と、
    前記荷物載置部材に連結され前記巻取装置に巻き取られる紐状部材と、
    を備えた請求項1又は請求項2に記載の荷物積卸システム。
  4. 前記引張手段は、
    移動台又は固定台に設けられ、前記荷台の車長方向に沿って配置された駆動シャフトと、
    前記駆動シャフトに間隔をあけて固定された複数のドラムと、
    前記駆動シャフトに回転力を伝達する駆動装置と、
    前記荷物載置部材にそれぞれ連結され前記ドラムに巻き取られる複数の紐状部材と、
    を備えている請求項1又は請求項2に記載の荷物積卸システム。
  5. 前記荷台の荷台面、荷置台の荷置面に敷かれ、荷物載置部材が載置される滑り手段を更に備える、
    請求項1~4の何れか1項に記載の荷物積卸システム。
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