JP2023109314A - コイル及びそれを用いた電磁誘導加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板に形成されたコイルパターンで構成されたコイルにおいて、導体パターン間の間隙の増加を抑制しながら、局所的な温度上昇の抑制を図る。【解決手段】本発明のコイル1は、基板10に形成されたコイルパターン100で構成される。コイルパターン100は径方向に巻回された複数のコイルターン(第1コイルターン110~第8コイルターン180)を備える。複数のコイルターン(第1コイルターン110~第8コイルターン180)は、コイル1の径方向に分割された複数の導体パターン111~184を備えて構成される。複数のコイルターン(第1コイルターン110~第8コイルターン180)は、コイルパターン100の径方向の位置によって第1コイルターン110~第8コイルターン180が備える複数の導体パターン111~184の数が異なる。【選択図】 図1
Description
本発明は、平面導体によるコイルパターンを基板上に形成したコイル及びそれを用いた電磁誘導加熱装置に関する。
火を使わずに鍋などの被加熱物を加熱し調理を行う装置として、インバータ方式のIHクッキングヒータ(以下、「電磁誘導加熱装置」とも称する)が広く用いられるようになってきている。IHクッキングヒータは、ガラス製のトッププレートの直下に配置した加熱コイルに高周波電流を流し、トッププレート上に載置した金属鍋に渦電流を発生させ、鍋自体の電気抵抗により発熱させるものである。このように、IHクッキングヒータは、火を使わずに調理でき、安全性や調理環境の快適性が高いため、ガスレンジに代わって普及が急速に進んでいる。
IHクッキングヒータでは、インバータから加熱コイルに数十kHzの高周波電流が供給されるため、高周波磁界の影響により表皮効果や近接効果に起因した高周波交流損失が発生する。加熱コイルは導体をスパイラル状に巻回して構成されており、内周側及び外周側に位置するコイルは磁界の影響を強く受ける。このため、加熱コイルを形成する導体には高周波交流損失の抑制を目的に,絶縁された素線を複数撚り合わせたリッツ線が用いられている。しかし、リッツ線を用いたコイルは、撚り加工、巻回、端子処理など複数の製造工程が必要となるため、量産時において電気特性のバラつきの管理が難しいといった課題がある。
コイルなど磁性部品の電気特性のバラつきを抑制する手段として、プリント基板上にコイルパターンを形成する手法が提案されている。プリント基板を用いることで、撚り加工などの製造工程が不要となるため電気特性のバラつきを低減することが可能となる。しかし、単純な平面導体パターンによりスパイラル状のコイルを形成した場合、磁界が集中する内周側及び外周側に位置する導体パターンの損失が大きくなるといった課題がある。
この課題を解決する手段として、例えば特許文献1及び特許文献2に記載の技術がある。
特許文献1では、平面導体を複数のコイルターンに亘ってスパイラル状に巻回すると共に、内周側及び外周側に位置する導体パターン幅を狭くすることで、磁界が集中する内周側及び外周側に位置するコイルの高周波交流損失の低減を図っている。
特許文献2では、複数の導体パターンによりコイルパターンを形成し、最内周コイルターンの導体パターン幅及び最外周コイルターンの導体パターン幅よりも、中心位置における導体パターン幅の方を大きくすると共に、最内周コイルターンから中間コイルターンまでの各コイルターンの導体パターン幅の合計値又は平均値よりも、最外周コイルターンから中間コイルターンまでの各コイルターンの導体パターン幅の合計値又は平均値を大きくしている。特許文献2では、上記のように構成することにより、コイルパターンの導体パターン幅を内周側と外周側で単純に対称とした場合と比べてさらなる高周波交流損失の低減を図っている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、内周側及び外周側に位置する導体パターンの幅が狭くなるため、中央部に位置する導体パターンに比べて導体の断面積が小さくなることで放熱性が低下し、局所的な温度上昇が発生する可能性がある。
また、特許文献2に記載の技術では、複数の導体パターンを用いた例が記載されているが、導体パターンの数を径方向に位置する全てのコイルパターンで同じとしているため、内周側及び外周側に位置する導体パターンの合計断面積は、中央に位置する導体パターンの合計断面積に比べて小さくなる。このため、内周側及び外周側に位置するコイルパターンの放熱性向上を目的に導体パターンの断面積を増加させる場合には、全てのコイルパターンの導体パターン数を増加させる必要がある。この場合、導体パターン間の間隙が増加し、導体の占積率が低下するため、所定の寸法内に所望のコイルターン数を確保することが難しい課題がある。
本発明の目的は、上記課題を解決し、導体パターン間の間隙の増加を抑制しながら、局所的な温度上昇の抑制を図ることができるコイル及びこれを用いた電磁誘導加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、基板に形成されたコイルパターンで構成されたコイルにおいて、前記コイルパターンは径方向に巻回された複数のコイルターンを備え、前記複数のコイルターンは前記コイルの径方向に分割された複数の導体パターンを備えて構成され、前記複数のコイルターンは、前記コイルパターンの径方向の位置によって前記コイルターンが備える前記複数の導体パターンの数が異なることを特徴とする。
本発明によれば、基板に形成されたコイルパターンで構成されたコイルにおいて、導体パターン間の間隙の増加を抑制しながら、局所的な温度上昇の抑制を図ることができる。
以下、本発明の実施例について添付の図面を参照しつつ説明する。同様の構成要素には同様の符号を付し、同様の説明は繰り返さない。
本発明の各種の構成要素は必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、一の構成要素が複数の部材から成ること、複数の構成要素が一の部材から成ること、或る構成要素が別の構成要素の一部であること、或る構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複すること、などを許容する。
本発明の実施例1について、図1~図8を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係るコイルパターン100を上方から見た平面図である。図2は、コイルパターン100及び基板10を取り除いた状態でコイルパターン200を上方から見た平面図である。図3は、本発明の実施例1に係るIHクッキングヒータを上下方向に断面した概略構成図である。図4は、図3からトッププレート7及び鍋8を取り除いた状態における上面図である。図5は、図1のV-V’線断面図である。図6は、図2のVI-VI’線断面図である。なお、図6では、基板10を取り付けた状態で示している。
実施例1のコイル1は、図3及び図4に示すように、基板10と、基板10の一方の表面に形成されたコイルパターン100と、基板10の他方の表面に形成されたコイルパターン200とを備えている。基板10は、紙やガラス布にフェノール樹脂やエポキシ樹脂などを含侵した材料が用いられる。IHクッキングヒータ(電磁誘導加熱装置)は、調理器具である鍋8を載置するトッププレート7を備え、このトッププレートの下方には鍋8を加熱するコイル1を備えている。コイル1は、コイル1から生じる磁束の磁路となるフェライトコア5の上面に配置される。トッププレート7の上面に載置された鍋8は、コイル1から発生した磁束により誘導加熱される。コイル1及びフェライトコア5は支持部材6により支持される。図4に示すように、フェライトコア5は、コイル1の中心から放射状に配置される。
図1に示すように、コイルパターン100は、複数のコイルターンに亘って径方向にスパイラル状に巻回された平面導体パターンによって構成される。図1のコイルパターン100は、第1コイルターン110~第8コイルターン180からなる8コイルターンで構成され、第1コイルターン110が最内周コイルターンを構成し、第8コイルターン180が最外周コイルターンを構成する。すなわち、内周側から外周側に向かって第1コイルターン110~第8コイルターン180が構成されている。また、第4コイルターン140~第7コイルターン170は、最内周コイルターン(第1コイルターン110)と最外周コイルターン(第8コイルターン180)との間に位置する中間コイルターンを構成している。
第1コイルターン110~第4コイルターン140、第7コイルターン170及び第8コイルターン180は、図5に示すように、スリットW01によって径方向に分割された複数の導体パターンで構成されている。すなわち、第1コイルターン110~第4コイルターン140、第7コイルターン170及び第8コイルターン180には、径方向に隣り合う導体パターン同士の間にスリットW01が形成されている。
第1コイルターン110は4つの導体パターン111~114に分割され、第2コイルターン120は4つの導体パターン121~124に分割され、第3コイルターン130は4つの導体パターン131~134に分割され、第4コイルターン140は2つの導体パターン141、142に分割され、第7コイルターン170は2つの導体パターン171、172に分割され、第8コイルターン180は4つの導体パターン181~184に分割される。中央部に位置する第5コイルターン150及び第6コイルターン160は、1つの導体パターンで形成される。複数のコイルターンは、コイルパターン100の径方向の位置によって各コイルターンが備える複数の導体パターンの数が異なっている。
また、導体パターンは、最内周コイルターン(第1コイルターン110)から中間コイルターン(第4コイルターン140~第7コイルターン170)に向かって導体パターンの数が減少し、中間コイルターン(第4コイルターン140~第7コイルターン170)から最外周コイルターン(第8コイルターン180)に向かって導体パターンの数が増加する。
最内周に位置する第1コイルターン110の導体パターン111~114は、コイルパターン200の最内周に位置する第1コイルターン210の導体パターン211~214と接続するためのスルーホールH1~H4(図1)に接続される。
最外周に位置する第8コイルターン180の導体パターン181~184は、外部回路と接続するための端子電極4a(図1)に接続される。第3コイルターン130の導体パターン131~134と第4コイルターン140の導体パターン141、142は、接続部3a(図1)を介して接続される。第4コイルターン140の導体パターン141、142と第5コイルターン150の導体パターンは、接続部3b(図1)を介して接続される。第6コイルターン160の導体パターンと第7コイルターン170の導体パターン171、172は、接続部3c(図1)を介して接続される。第7コイルターン170の導体パターン171、172と第8コイルターン180の導体パターン181~184は、接続部3d(図1)を介して接続される。このように各コイルターンには径方向に隣接するコイルターン同士を電気的に接続する接続部3a~3dを備えている。
図2に示すように、コイルパターン200は、コイルパターン100と同様に複数コイルターンに亘って径方向にスパイラル状に巻回された平面導体パターンによって構成される。図2のコイルパターン200は、第1コイルターン210~第8コイルターン280からなる8コイルターンで構成され、第1コイルターン210が最内周コイルターンを構成し、第8コイルターン280が最外周コイルターンを構成する。すなわち、内周側から外周側に向かって第1コイルターン210~第8コイルターン280が構成されている。また、第5コイルターン250及び第6コイルターン260は、最内周コイルターン(第1コイルターン210)と最外周コイルターン(第8コイルターン280)との間に位置する中間コイルターンを構成している。
第1コイルターン210~第4コイルターン240、第7コイルターン270及び第8コイルターン280は、図6に示すように、スリットW02によって径方向に分割された複数の導体パターンで構成されている。すなわち、第1コイルターン210~第4コイルターン240、第7コイルターン270及び第8コイルターン280には、径方向に隣り合う導体パターン同士の間にスリットW02が形成されている。
第1コイルターン210は4つの導体パターン211~214に分割され、第2コイルターン220は4つの導体パターン221~224に分割され、第3コイルターン230は4つの導体パターン231~234に分割され、第4コイルターン240は2つの導体パターン241、242に分割され、第7コイルターン270は2つの導体パターン271、272に分割され、第8コイルターン280は4つの導体パターン281~284に分割される。第5コイルターン250及び第6コイルターン260は、1つの導体パターンで形成される。複数のコイルターンは、コイルパターン200の径方向の位置によって各コイルターンが備える複数の導体パターンの数が異なっている。
また、導体パターンは、最内周コイルターン(第1コイルターン210)から中間コイルターン(第4コイルターン240~第7コイルターン270)に向かって導体パターンの数が減少し、中間コイルターン(第4コイルターン240~第7コイルターン270)から最外周コイルターン(第8コイルターン280)に向かって導体パターンの数が増加する。
導体パターンの厚みは、コイルに供給される電流の周波数により決まる表皮深さ以下とすることが好ましい。表皮深さdは下記式で表すことができる。
d=√(2ρ/ωμ)
上記式中のρは電気抵抗率、ωはコイルに流れる電流の角周波数を示し、μはコイルパターンの絶対透磁率を示している。各周波数ωはコイルに流れる電流の周波数をfとした場合、2πfで表される。
上記式中のρは電気抵抗率、ωはコイルに流れる電流の角周波数を示し、μはコイルパターンの絶対透磁率を示している。各周波数ωはコイルに流れる電流の周波数をfとした場合、2πfで表される。
上記式より、例えばコイルパターンの材料に銅を用いた場合の電流の周波数が20kHzにおける表皮深さは約0.46mmとなるため、導体パターンの厚みは表皮深さ以下となる0.4mmとするのが好ましい。
図6に示すように、最内周に位置する第1コイルターン210の導体パターン211~214は、コイルパターン100の最内周に位置する第1コイルターン110の導体パターン111~114と接続するためのスルーホールH1~H4(図2)に接続される。最外周に位置する第8コイルターン280の導体パターン281~284は外部回路と接続するための端子電極4a(図2)に接続される。第3コイルターン230の導体パターン231~234と第4コイルターン240の導体パターン241、242は、接続部3a(図2)を介して接続される。第4コイルターン240の導体パターン241、242と第5コイルターン250の導体パターンは、接続部3b(図2)を介して接続される。第6コイルターン260の導体パターンと第7コイルターン270の導体パターン271、272は接続部3c(図2)を介して接続される。第7コイルターン270の導体パターン271,272と第8コイルターン280の導体パターン281~284は接続部3d(図2)を介して接続される。このように各コイルターンには径方向に隣接するコイルターン同士を電気的に接続する接続部3a~3dを備えている。
コイルパターン100の端子電極4bとコイルパターン200の端子電極4aはスルーホールを介して接続され、コイルパターン100の端子電極4aとコイルパターン200の端子電極4bはスルーホールを介して接続される。このようにコイルパターン100とコイルパターン200は直列接続されることで合計16コイルターンのコイルを構成することができる。
図7は、コイルパターン100における第1コイルターン110~第8コイルターン180の径方向の位置と導体パターンを貫く磁束密度、導体パターン幅、導体分割数、導体断面積、およびコイル幅の関係を示す図である。以下説明は省略するが、コイルパターン200も同様である。
図7の横軸に記載の110~180はコイルパターン100の第1コイルターン110~第8コイルターン180の位置を示している。図7は、第1コイルターン110~第8コイルターン180の径方向の幅を意味するコイル幅W1a~W8aが等しくなるように構成した場合の例を示している。図7では、第1コイルターン110のコイル幅W1に対し、第2コイルターン120~第8コイルターン180のコイル幅W2a~W8aが横一直線上に表示されている。なお、コイル幅W1a~W4a、コイル幅W7a及びコイル幅W8aはスリットW01を含んだ幅としている。
図7中に記載の分割数N11~N18は、第1コイルターン110~第8コイルターン180を構成する導体パターンの分割数を示しており、導体断面積S11~S18は、第1コイルターン110~第8コイルターン180を構成する複数の導体パターンの合計断面積を示している。
図7に示すように、本実施例のコイルパターン100は、導体パターン幅を最内周に位置する第1コイルターン110から所定の位置における第5コイルターン150に向かって段階的に拡大し、第5コイルターン150及び第6コイルターン160の導体パターン幅W51a、W61aが最大となる。第6コイルターン160から最外周に位置する第8コイルターン180に向かって段階的に導体パターン幅を縮小し、最外周コイルターンの第8コイルターン180では導体パターン幅W81となる。所定の径方向位置において、第1コイルターン110~第8コイルターン180を構成する導体パターンの数、パコイルターン幅、導体断面積の関係はそれぞれ以下のようになる。
N11=N12=N13=N18>N14=N17>N15=N16
W11a=W21a=W31a=W81a<W41a=W71a<W51a=W61a
S11=S12=S13=S18<S14=S17<S15=S16
W1a=W2a=W3a=W4a=W5a=W6a=W7a=W8a
複数のコイルターンは所定の径方向位置において径方向幅(コイル幅)が異なっており、複数のコイルターンのそれぞれにおける複数の導体パターンの合計断面積(導体断面積)は、所定の径方向位置において等しくなっている。
W11a=W21a=W31a=W81a<W41a=W71a<W51a=W61a
S11=S12=S13=S18<S14=S17<S15=S16
W1a=W2a=W3a=W4a=W5a=W6a=W7a=W8a
複数のコイルターンは所定の径方向位置において径方向幅(コイル幅)が異なっており、複数のコイルターンのそれぞれにおける複数の導体パターンの合計断面積(導体断面積)は、所定の径方向位置において等しくなっている。
また、最内周導体パターン(第1コイルターン110)及び最外周導体パターン(第8コイルターン180)の径方向幅は、中間導体パターン(第4コイルターン140~第7コイルターン170)の径方向幅よりも小さくなっている。
実施例1におけるコイルパターン100では、図7に示すように、予め電磁界解析ソフトウェアなどを用いて求めた径方向の位置における磁束密度の分布を参考に、各コイルターンを貫く磁束密度がBm1未満の場合と、Bm1以上Bm2未満の場合と、Bm2以上の3つの領域に分類し、各領域に位置するコイルターン毎にスリットの数すなわちパコイルターン幅を変更した例を示している。実験的にコイルパターンの径方向の温度分布を測定した結果を基に、スリット数又はパコイルターン幅を決定してもよい。
図8は、実施例1のコイル1を用いた場合のスリット数と、比較例のコイルを用いた場合のスリット数を示す図である。比較例では、径方向に位置する全てのコイルターン(第1コイルターン~第8コイルターン)において導体の分割数を4分割に固定した場合を示している。1つのコイルターンを4分割した場合、1つのコイルターンのスリット数は3となる。比較例では、コイルターン数が8個あるので、スリット数は全部で24(=3×8)となる。
これに対し、実施例1では、第1コイルターン110~第3コイルターン130及び第8コイルターン180の4つのコイルターンが4分割されているので、スリット数は12(=3×4)となり、第4コイルターン140と第7コイルターン170が2分割されているので、スリット数は2(=1×2)となり、スリット数は全部で14(=12+2)となる。
実施例1では、比較例と比較してスリット数を24から14にでき、約40%低減することができる。
このように、実施例1に記載のコイルでは、コイルコイルターンの径方向の幅を一定とし、コイルコイルターンの径方向の位置に応じて導体パターンの分割数を変えることで、磁界の影響が大きいコイルの内周側及び外周側に位置するコイルターンのパコイルターン幅を縮小しながら、スリット数を低減することが可能となる。これにより、磁界の影響により生じる高周波交流損失を効果的に抑制しながら、導体パターンの占積率の向上を図ることができる。
なお、実施例1では、最も内周側に位置する第1コイルターン110を構成する導体パターンと、最も外周側に位置する第8コイルターン180を構成する導体パターンの幅が等しくなるように構成しているが、第1コイルターン110の導体パターンと第8コイルターン180を構成する導体パターンの幅が異なるようにしてもよい。
図9~図11を用いて本発明の実施例2について説明する。図9は、本発明の実施例2に係るコイルパターン300を上方から見た平面図である。図10は、図9のX-X’線断面図である。実施例1と共通する構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。図10に示すように、実施例2のコイル1は、基板10と、基板10の一方の表面に形成されたコイルパターン300とを備えている。
図9に示すように、コイルパターン300は、実施例1と同様に複数コイルターンに亘って径方向にスパイラル状に巻回された平面導体パターンによって構成される。図9のコイルパターン300は、第1コイルターン110~第8コイルターン180からなる8コイルターンで構成され、第1コイルターン110が最内周コイルターンを構成し、第8コイルターン180が最外周コイルターンを構成する。
すなわち、内周側から外周側に向かって第1コイルターン110~第8コイルターン180が構成されている。また、第4コイルターン140~第7コイルターン170は、最内周コイルターン(第1コイルターン110)と最外周コイルターン(第8コイルターン180)との間に位置する中間コイルターンを構成している。
第1コイルターン110~第4コイルターン140、第7コイルターン170及び第8コイルターン180は、図10に示すように、スリットW03によって径方向に分割された複数の導体パターンで構成されている。
第1コイルターン110は5つの導体パターン111~115に分割され、第2コイルターン120は5つの導体パターン121~125に分割され、第3コイルターン130は5つの導体パターン131~135に分割され、第4コイルターン140は2つの導体パターン141、142に分割され、第7コイルターン170は2つの導体パターン171、172に分割され、第8コイルターン180は5つの導体パターン181~185に分割される。第5コイルターン150及び第6コイルターン160は、1つの導体パターン151、161で形成される。複数のコイルターンは、コイルパターン300の径方向の位置によって各コイルターンが備える複数の導体パターンの数が異なっている。
また、導体パターンは、最内周コイルターン(第1コイルターン110)から中間コイルターン(第4コイルターン140~第7コイルターン170)に向かって導体パターンの数が減少し、中間コイルターン(第4コイルターン140~第7コイルターン170)から最外周コイルターン(第8コイルターン180)に向かって導体パターンの数が増加する。
最内周に位置する第1コイルターン110の導体パターン111~115と最外周に位置する第8コイルターン180の導体パターン181~185は、外部回路と接続するための端子電極4a、4bに接続される。第3コイルターン130の導体パターン131~135と第4コイルターン140の導体パターン141、142は、接続部3a(図9)を介して接続される。第4コイルターン140の導体パターン141、142と第5コイルターン150の導体パターンは、接続部3b(図9)を介して接続される。第6コイルターン160の導体パターンと第7コイルターン170の導体パターン171、172は接続部3c(図9)を介して接続される。第7コイルターン170の導体パターン171、172と第8コイルターン180の導体パターン181~184は接続部3d(図9)を介して接続される。
図11は、コイルパターン300における第1コイルターン110~第8コイルターン180の径方向の位置と導体パターンを貫く磁束密度、導体パターン幅、導体分割数、導体断面積、およびコイル幅の関係を示す図である。
図11の横軸に記載の110~180はコイルパターン300の第1コイルターン110~第8コイルターン180の位置を示している。
図11中に記載の分割数N11~N18は、第1コイルターン110~第8コイルターン180を構成する導体パターンの分割数を示しており、導体断面積S11~S18は、第1コイルターン110~第8コイルターン180を構成する複数の導体パターンの合計断面積を示している。コイル幅W1a~W4a、コイル幅W7a及びコイル幅W8aはスリットW03を含んだ幅としている。
第1コイルターン110~第8コイルターン180を構成する導体パターンの数、パコイルターン幅、コイル幅の関係はそれぞれ以下のようになる。
N11=N12=N13=N18>N14=N17>N15=N16
W11a=W21a=W31a=W81a<W41a=W71a<W51a=W61a
S11=S12=S13=S14=S15=S16=S17=S18
W1a=W2a=W3a=W8a>W4a=W7a>W5a=W6a
実施例2では、コイルパターン(導体パターン)の径方向の位置に応じて導体パターンの分割数及びコイル幅が異なっている。
W11a=W21a=W31a=W81a<W41a=W71a<W51a=W61a
S11=S12=S13=S14=S15=S16=S17=S18
W1a=W2a=W3a=W8a>W4a=W7a>W5a=W6a
実施例2では、コイルパターン(導体パターン)の径方向の位置に応じて導体パターンの分割数及びコイル幅が異なっている。
実施例2に記載のコイルでは、コイルパターン(導体パターン)の径方向の位置に応じて導体パターンの分割数及びコイル幅を変えることで第1コイルターン110~第8コイルターン180を形成する導体パターンの合計断面積を等しくすることが可能となる。
このように、実施例2に記載のコイルでは、コイルコイルターンの径方向の位置に応じて、コイルコイルターンの径方向の幅と、導体パターンの分割数を変えることで、磁界の影響が大きいコイルの内周側及び外周側に位置するコイルターンのパコイルターン幅を縮小しながら、各コイルターンの導体の断面積を一定とすることができる。これにより、実施例2では、実施例1に記載のコイルと比較して、高周波交流損失が大きい内周側及び外周側に位置するコイルターンの放熱性を向上できるため、局所的な温度上昇を抑制することが可能となる。
図12及び図13を用いて本発明の実施例3について説明する。実施例3では、実施例2の変形例を説明する。
[変形例1]
図12は、図9及び図10に示す第1コイルターン110を構成する導体パターン111~115の変形例1を示す図である。図13は、導体パターンの径方向の位置と、導体パターンの幅の関係を示す図である。実施例1及び2と同様の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図12は、図9及び図10に示す第1コイルターン110を構成する導体パターン111~115の変形例1を示す図である。図13は、導体パターンの径方向の位置と、導体パターンの幅の関係を示す図である。実施例1及び2と同様の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
実施例3に記載のコイルは、図9及び図10に記載のコイルと同様に、複数コイルターンに亘って径方向にスパイラル状に巻回された平面導体パターンによって構成される。図12及び図13に示すように、実施例3に記載のコイルにおける第1コイルターン110の導体パターン111~115は、最も内周側に位置する最内周導体パターン(導体パターン111)と、最も外周側に位置する最外周導体パターン(導体パターン115)と、最内周導体パターン(導体パターン111)と最外周導体パターン(導体パターン115)との間に位置する中間導体パターン(導体パターン112~114)とから構成されている。導体パターンの幅W11a~W15aの関係は以下のようになる。
W11a=W15a<W12a=W14a<W13a
変形例1では、最内周導体パターン(導体パターン115)及び最外周導体パターン(導体パターン115)の径方向幅を、中間導体パターン(導体パターン112~114)の径方向幅よりも小さくしている。
変形例1では、最内周導体パターン(導体パターン115)及び最外周導体パターン(導体パターン115)の径方向幅を、中間導体パターン(導体パターン112~114)の径方向幅よりも小さくしている。
このように、実施例3の変形例1に記載のコイルでは、コイルターンを構成する複数の導体パターンの幅を径方向の位置に応じて変えた構造としている。このような構造とすることで、各コイルターンを構成する導体パターンの合計断面積を確保しながら、内周側と外周側に位置する導体パターンの幅を中央部に位置する導体パターン幅に比べて小さくすることができる。これにより、実施例3では、実施例1及び実施例2に記載のコイルと比較して、さらなる高周波交流損失の低減が期待できる。
[変形例2]
図14は、図9及び図10に示す第1コイルターン110を構成する導体パターン111~115の変形例2を示す図である。図14の変形例2では、導体パターンの幅W11を導体パターンの幅W15よりも小さくしている。導体パターンの幅W11~W15の関係は以下のようになる。
図14は、図9及び図10に示す第1コイルターン110を構成する導体パターン111~115の変形例2を示す図である。図14の変形例2では、導体パターンの幅W11を導体パターンの幅W15よりも小さくしている。導体パターンの幅W11~W15の関係は以下のようになる。
W11a<W15a<W12a=W14a<W13a
変形例2では、変形例1の構成に加え、最内周導体パターン(導体パターン115)の径方向幅を、最外周導体パターン(導体パターン115)の径方向幅よりも小さくしている。
変形例2では、変形例1の構成に加え、最内周導体パターン(導体パターン115)の径方向幅を、最外周導体パターン(導体パターン115)の径方向幅よりも小さくしている。
変形例2によれば、変形例1の効果に加え、導体パターンの設計自由度を確保することができる。
図15~図17を用いて本発明の実施例4について説明する。図15は、本発明の実施例4に係るIHクッキングヒータを上下方向に断面した概略構成図である。図16は、図15に示すXVI―XVI´線に沿ったコイルパターン400、500の断面図を示している。図17は、コイルパターン400における第1コイルターン110~第8コイルターン180、及びコイルパターン500における第1コイルターン210~第7コイルターン270の導体パターン幅、導体分割数、導体断面積、およびコイル幅の関係を示す図である。
実施例4のコイル1は、実施例1と同様に、基板10と、基板10の一方の表面に形成されたコイルパターン400と、基板10の他方の表面に形成されたコイルパターン500とを備えている。コイル1はフェライトコア5の上面に配置され、コイル1の上面にはトッププレート7が配置される。トッププレート7の上面には鍋8が配置され、コイル1から発生した磁束により鍋8が誘導加熱される。コイル1及びフェライトコア5は支持部材6により固定される。
実施例4のIHクッキングヒータでは、図中の矢印の方向から冷却風が供給される。冷却風はフェライトコア5とコイル1との間の間隙D2、及びトッププレート7とコイル1との間の間隙D1を流れることでコイル1を冷却する。実施例4では、風路を形成する間隙D1及び間隙D2の関係がD1>D2となる場合の例について説明する。
間隙D1及び間隙D2の関係がD1>D2となった場合、一般的にフェライトコア5に近い面となるコイルパターン500を冷却するための風路の抵抗が大きくなり、コイルパターン400に比べて冷却条件が低下することが考えられる。そこで、実施例4では、以下のようにしてコイルパターン500の発熱量を低下させるようにしている。
図16に示すようにコイルパターン400(第1コイルパターン)は、第1コイルターン110~第8コイルターン180からなる8コイルターンで構成され、第1コイルターン110が最内周コイルターンを構成し、第8コイルターン180が最外周コイルターンを構成する。
コイルパターン500(第2コイルパターン)は、第1コイルターン210~第7コイルターン270からなる7コイルターンで構成され、第1コイルターン210が最内周コイルターンを構成し、第7コイルターン270が最外周コイルターンを構成する。
このように、実施例4に記載のコイル1では、基板10の一方の面と他方の面でコイルターン数が異なるように構成される。また、コイルパターン500を構成する内周側に位置する第1コイルターン210~第3コイルターン230と、最外周に位置する第7コイルターン270における導体パターンの分割数N21~N23、N27及びコイル幅W1b~W3b、W7bが、コイルパターン400の内周側に位置する第1コイルターン110~第3コイルターン130と最外周に位置する第8コイルターン180における導体パターンの分割数N11~N13、N18及びコイル幅W1a~W3a、W8aよりも大きくなるように構成される。このとき、図17に示すように各コイルターンにおける導体パターン幅、コイル幅及び導体パターンの分割数の関係は以下のようになる。
W11a=W21a=W31a=W81a=W11b=W21b=W31b=W71b<W41a=W71a=W61b<W51a=W61a=W41b=W51b
W1a=W2a=W3a=W4a=W5a=W6a=W7a=W8a=W4b=W5b=W6b<W1b=W2b=W3b=W7b
N21=N22=N23=N27>N11=N12=N13=N18>N14=N17=N26>N15=N16=N24=N25
W11a~W81aは基板10の上方に位置する第1コイルターン110~第8コイルターン180を構成する導体パターン111~184の各導体パターンの幅を示している。W11b~W71bは基板10の下方に位置する第1コイルターン210~第7コイルターン270を構成する導体パターン211~275の各導体パターンの幅を示している。なお、1つのコイルターンに配置された複数の導体パターン幅は同じ幅としている。
W1a=W2a=W3a=W4a=W5a=W6a=W7a=W8a=W4b=W5b=W6b<W1b=W2b=W3b=W7b
N21=N22=N23=N27>N11=N12=N13=N18>N14=N17=N26>N15=N16=N24=N25
W11a~W81aは基板10の上方に位置する第1コイルターン110~第8コイルターン180を構成する導体パターン111~184の各導体パターンの幅を示している。W11b~W71bは基板10の下方に位置する第1コイルターン210~第7コイルターン270を構成する導体パターン211~275の各導体パターンの幅を示している。なお、1つのコイルターンに配置された複数の導体パターン幅は同じ幅としている。
N11~N18はコイルパターン400の第1コイルターン110~第8コイルターン180を構成する導体パターンの分割数を示しており、N21~N27はコイルパターン500の第1コイルターン210~第7コイルターン270を構成する導体パターンの分割数を示している。
このように、実施例4に記載のコイルでは、基板10の一方の面と他方の面でコイルターンを構成する導体パターンの数を変えた構造としている。具体的には、冷却風路が広いトッププレート側に配置された面の導体パターンの数よりも、冷却風路が狭いコア側に配置された面の導体パターンの数を増加させるとともに、コイルターン数を低減している。これにより、コア側に配置されたコイルの発熱量を抑制するとともに、放熱性の向上が期待できるため、冷却条件が悪いコイルの局所的な温度上昇を抑制する効果が期待できる。
図18~図22を用いて本発明の実施例5について説明する。図18は、本発明の実施例5に係るコイルパターン600の断面図である。図19は、図18に示すコイルパターン600における第1コイルターン110~第8コイルターン180の導体パターン幅、導体分割数、導体断面積、およびコイル幅の関係を示す図である。
実施例5のコイルパターン600は、実施例2と同様に複数コイルターンに亘ってスパイラル状に巻回された平面導体パターンによって構成される。コイルパターン600は、第1コイルターン110~第8コイルターン180からなる8コイルターンで構成され、第1コイルターン110が最内周コイルターンを構成し、第8コイルターン180が最外周コイルターンを構成する。第1コイルターン110~第8コイルターン180の導体パターンは、基板10の両面に配置され、基板10の両面に配置された複数の導体パターンにより撚り構造の1コイルターンを形成する。
例えば、第1コイルターン110は7つに分割された導体パターン111~117から構成される。第2コイルターン120は7つに分割された導体パターン121~127から構成される。第3コイルターン130は7つに分割された導体パターン131~137から構成される。第4コイルターン140は7つに分割された導体パターン141~147から構成される第7コイルターン170は7つに分割された導体パターン171~177から構成される。第8コイルターン180は7つに分割された導体パターン181~187から構成される。第5コイルターン150は3つに分割された導体パターン151~153から構成される。第6コイルターン160は3つに分割された導体パターン161~163から構成される。
図19において、W11~W81は第1コイルターン110~第8コイルターン180を構成する導体パターン111~187の各導体パターンの幅を示している。N11~N18はコイルパターン600の第1コイルターン110~第8コイルターン180を構成する導体パターンの分割数を示している。S11~S18は第1コイルターン110~第8コイルターン180の各導体パターンの導体断面積を示している。W1~W8は第1コイルターン110~第8コイルターン180のコイル幅を示している。
図19に示すように各コイルターンにおける導体パターン幅、コイル幅及び導体パターンの分割数の関係は以下のようになる。
W11=W21=W31=W41=W71=W81<W51=W61
W1=W2=W3=W4=W5=W7=W8>W5=W6
N11=N12=N13=N14=N17=N18>N15=N16
第1コイルターン110~第8コイルターン180の導体断面積S11~S18は同一である。
W1=W2=W3=W4=W5=W7=W8>W5=W6
N11=N12=N13=N14=N17=N18>N15=N16
第1コイルターン110~第8コイルターン180の導体断面積S11~S18は同一である。
第1コイルターン110の導体パターン111~117は、1コイルターン中にコイルの円周方向の位置に応じて平面方向に位置を遷移し、さらに基板10の一方の面と他方の面の間をビアもしくはスルーホールを介して遷移することにより撚り線構造を構成する。
次に、図20A~図22を用いて、第1コイルターン110を一例として撚り線構造の詳細を説明する。図20Aは、基板10の一方(上方)の面に位置する第1コイルターン110aを上方から見た平面図である。図20Bは、基板10の他方(下方)の面に位置する第1コイルターン110bを下方から見た平面図である。図21は、第1コイルターン110の導体パターンの位置を定義する図である。図22は、導体パターン111に着目した場合における導体パターンの位置の遷移を示す図である。
実施例5の第1コイルターン110は、図20A及び図20Bに示すように導体パターン111~117が周方向に分割して形成され、基板10の一方の面と他方の面にそれぞれ分割して形成された導体パターンを、スルーホールH11~H71、H12~H72を介して接続することで1コイルターンのコイルを構成する。
ここでは、図21に示すように第1コイルターン110を構成する導体パターンの位置を、基板10の上側の最内周側から外周側に向かって、レーンA、レーンB、レーンC、レーンDと定義し、基板10の下側の最外周側から内周側に向かってレーンE、レーンF、レーンG、レーンHと定義する。
次に、図22を用いて第1コイルターン110を構成する導体パターンの遷移を導体パターン111に着目して説明する。
<State1~State4>
導体パターン111は、最内周側に位置するレーンAを始点として、コイルパターン600の中心軸から所定の角度θ毎に外周側に向かって順次レーンを遷移する。すなわち、導体パターン111はState2でレーンBに遷移し、State3でレーンCに遷移し、State4でレーンDに遷移する。
導体パターン111は、最内周側に位置するレーンAを始点として、コイルパターン600の中心軸から所定の角度θ毎に外周側に向かって順次レーンを遷移する。すなわち、導体パターン111はState2でレーンBに遷移し、State3でレーンCに遷移し、State4でレーンDに遷移する。
導体パターン111が最外周側のレーンDに到達するとState5に移行する。このとき、所定の角度θは式1を参考に決定される。式1中のNstdは導体パターンの分割数を示している。
θ=180/Nstd・・・・式1
<State5>
導体パターン111は、最外周側に位置するレーンDに位置しており、スルーホールH11を介して他方の面のレーンEに接続される。
<State5>
導体パターン111は、最外周側に位置するレーンDに位置しており、スルーホールH11を介して他方の面のレーンEに接続される。
<State6~State9>
導体パターン111は、レーンEを始点として、所定の角度θ毎に内周側に向かって順次レーンを遷移する。すなわち、導体パターン111はState7でレーンFに遷移し、State8でレーンGに遷移し、State9でレーンHに遷移する。
導体パターン111は、レーンEを始点として、所定の角度θ毎に内周側に向かって順次レーンを遷移する。すなわち、導体パターン111はState7でレーンFに遷移し、State8でレーンGに遷移し、State9でレーンHに遷移する。
導体パターン111がレーンHに到達すると、スルーホールH12を介して第2コイルターン120に接続される。
詳細な説明は省略するが、導体パターン112~117も同様である。導体パターン112~117は、外周側に向かって順次レーンを遷移し、レーンDに到達後、スルーホールH21~H71を介して他方の面のレーンEに接続し、内周側に向かって順次レーンを推移し、レーンHに到達後、スルーホールH22~H72を介して第2コイルターン120に接続される。
このように、実施例5に記載のコイルでは、コイルターンを構成する導体パターンに撚り線構造を用いることで、コイルターンを構成する複数の導体パターン間でのインピーダンスを等しくすることができるため、実施例2に記載のコイルと比べて電流の集中を緩和することが可能となり、さらなる高周波交流損失の低減効果が期待できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…コイル、3a~3d…接続部、4a,4b…端子電極、5…フェライトコア、6…支持部材、7…トッププレート、8…鍋、10…基板、100~600…コイルパターン、110~180,210~280…コイルターン、111~117、121~127、131~137,141~147,151,152,161,162,171~177,181~187,211~214,221~224,231~234,241,242,251,261,262,271~275,281~284…導体パターン
Claims (11)
- 基板に形成されたコイルパターンで構成されたコイルにおいて、
前記コイルパターンは径方向に巻回された複数のコイルターンを備え、
前記複数のコイルターンは前記コイルの径方向に分割された複数の導体パターンを備えて構成され、
前記複数のコイルターンは、前記コイルパターンの径方向の位置によって前記コイルターンが備える前記複数の導体パターンの数が異なることを特徴とするコイル。 - 請求項1に記載のコイルにおいて、
前記複数のコイルターンには、径方向に隣接するコイルターン同士を電気的に接続する接続部を備えることを特徴とするコイル。 - 請求項1に記載のコイルにおいて、
前記コイルパターンの径方向の位置によって前記コイルターンの径方向の幅が異なることを特徴とするコイル。 - 請求項1乃至3の何れか1項に記載のコイルにおいて、
前記複数のコイルターンは、前記コイルパターンの最も内周側に位置する最内周コイルターンと、前記コイルパターンの最も外周側に位置する最外周コイルターンと、前記最内周コイルターンと前記最外周コイルターンとの間に位置する中間コイルターンを備え、
前記導体パターンは、前記最内周コイルターンから前記中間コイルターンに向かって前記導体パターンの数が減少し、前記中間コイルターンから前記最外周コイルターンに向かって前記導体パターンの数が増加することを特徴とするコイル。 - 請求項1乃至4の何れか1項に記載のコイルにおいて、
前記複数のコイルターンは所定の径方向位置において径方向幅が異なり、前記複数のコイルターンのそれぞれにおける前記複数の導体パターンの合計断面積は、前記所定の径方向位置において等しいことを特徴とするコイル。 - 請求項1乃至5の何れか1項に記載のコイルにおいて、
前記複数の導体パターンは、最も内周側に位置する最内周導体パターンと、最も外周側に位置する最外周導体パターンと、前記最内周導体パターンと前記最外周導体パターンとの間に位置する中間導体パターンとから構成され、
前記最内周導体パターン及び前記最外周導体パターンの径方向幅は、前記中間導体パターンの径方向幅よりも小さいことを特徴とするコイル。 - 請求項6に記載のコイルにおいて、
前記最内周導体パターンの径方向幅は、前記最外周導体パターンの径方向幅よりも小さいことを特徴とするコイル。 - 請求項1乃至6の何れか1項に記載のコイルにおいて、
前記コイルパターンは、前記基板の一方の面に形成された第1コイルパターンと、前記基板の他方の面に形成された第2コイルパターンで構成され、
前記第1コイルパターンが備えるコイルターンの数と前記第2コイルパターンが備えるコイルターンの数が異なることを特徴とするコイル。 - 請求項8に記載のコイルにおいて、
前記第2コイルパターンが備える最も内周側に位置する最内周コイルターンの径方向幅は、前記第1コイルパターンが備える最も内周側に位置する最内周コイルターンの径方向幅よりも大きいことを特徴とするコイル。 - 請求項1において、
前記複数の導体パターンは、前記コイルパターンの中心軸から所定の角度θ毎に外周側に向かって遷移することを特徴とするコイル。 - 鍋を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下方に位置し、前記鍋を加熱するコイルとを備えた電磁誘導加熱装置において、
前記コイルは請求項1乃至10の何れか1項であることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
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JP2022010754A JP2023109314A (ja) | 2022-01-27 | 2022-01-27 | コイル及びそれを用いた電磁誘導加熱装置 |
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