JP2023108920A - 石英コート膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基材上に、ナノシリカ粒子を使用せずに、低コストに、表面平滑かつ高密度な石英コート膜を製造する方法を提供する。【解決手段】シリカキセロゲル、水、及び焼結シリカ粉を含む塗布液を基材上にコーティングして塗膜を形成するコーティング工程と、前記塗膜を乾燥させて乾燥膜とする乾燥工程と、該乾燥膜を溶融して成膜する溶融成膜工程とを有する石英コート膜の製造方法。コーティング工程、乾燥工程及び溶融成膜工程を、この順で繰り返し行ってもよい。【選択図】なし
Description
本発明は、表面平滑な石英コート膜を低コストに製造する方法に関する。
半導体製造工程で使用される機械、装置、容器等は、使用される工程において、耐熱性とともに化学的純度が要求される。即ち、どのような状況下ないし環境下であっても、半導体材料と反応したり、痕跡といえども、どのような元素も転移したりすることは避けられるべきである。
石英ガラスは、現状、これら全ての条件を満たす唯一の材料であると言える。
このような石英ガラスを基材表面上にコーティングする際には、不純物が少なく平滑なコーティング面を得ることが求められている。
このような石英ガラスを基材表面上にコーティングする際には、不純物が少なく平滑なコーティング面を得ることが求められている。
特許文献1には、100nm未満の粒径を有するSiO2ナノ粒子を含むスラリーをコーティングし、排出される分散液の作用を受けて微細区分が粒状物層の外側で富化し、注入膜を形成するようにすることにより、石英ガラス構成部材のコーティング面上に、低コストかつ再現可能に100μmを上回る層厚で製造可能な平滑で密度の高い表面層を製造する方法が提案されている。この方法では、コーティングに用いる分散系がバインダーを含まないために、スラリー中に不純物が入り込むことが回避され、汚染又は結晶化のリスクが解消される。
しかしながら、100nm未満の粒径を有するSiO2ナノ粒子は大量に合成することが難しく、決して安価とは言い難い。このため、この方法では、材料コストに課題があった。
しかしながら、100nm未満の粒径を有するSiO2ナノ粒子は大量に合成することが難しく、決して安価とは言い難い。このため、この方法では、材料コストに課題があった。
本発明の課題は、基材上に、ナノシリカ粒子を使用せずに、低コストに、表面平滑かつ高密度な石英コート膜を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、シリカキセロゲル及び焼結シリカ粉を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は以下の通りである。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1] シリカキセロゲル、水、及び焼結シリカ粉を含む塗布液を基材上にコーティングして塗膜を形成するコーティング工程と、前記塗膜を乾燥させて乾燥膜とする乾燥工程と、該乾燥膜を溶融して成膜する溶融成膜工程とを有することを特徴とする石英コート膜の製造方法。
[2] 前記コーティング工程、前記乾燥工程及び前記溶融成膜工程を、この順で繰り返し行うことを特徴とする[1]に記載の石英コート膜の製造方法。
本発明によれば、基材上に、ナノシリカ粒子を使用せずに、低コストに、表面平滑かつ高密度な石英コート膜を製造することができる。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形して実施することができる。
本発明の石英コート膜の製造方法は、シリカキセロゲル、水、及び焼結シリカ粉を含む塗布液を基材上にコーティングして塗膜を形成するコーティング工程と、前記塗膜を乾燥させて乾燥膜とする乾燥工程と、該乾燥膜を溶融して成膜する溶融成膜工程とを有することを特徴とする。
[コーティング工程]
<塗布液>
(シリカキセロゲル)
シリカキセロゲルは、三次元的な網目構造をもつシリカであり、水ガラスや、テトラメトキシシランのようなアルコキシシラン化合物をゲル原料とし、水やアルコール等の溶媒と必要に応じて触媒を混合して溶媒中でゲル原料を反応させて湿潤ゲルを形成させた後、湿潤ゲル内部の溶媒を蒸発乾燥することで得られる。
原料テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等を使用することができる。
<塗布液>
(シリカキセロゲル)
シリカキセロゲルは、三次元的な網目構造をもつシリカであり、水ガラスや、テトラメトキシシランのようなアルコキシシラン化合物をゲル原料とし、水やアルコール等の溶媒と必要に応じて触媒を混合して溶媒中でゲル原料を反応させて湿潤ゲルを形成させた後、湿潤ゲル内部の溶媒を蒸発乾燥することで得られる。
原料テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等を使用することができる。
(焼結シリカ紛)
焼結シリカ紛は、例えば、特開2009-114058号公報に記載の方法で製造することができる。
焼結シリカ紛の平均粒子径(D50)は、10~120μmであることが好ましく、特に40~90μmであることが好ましい。焼結シリカ紛の平均粒子径(D50)が上記下限以上であれば混合時に粘度が高くなりすぎず、焼結シリカ粉の割合を増やすことができ、上記上限以下であれば焼結粉が塗布液中に均一に分散され易く、特に薄膜塗布時に凹凸なく均一成膜が可能となり易い。
ここで、平均粒子径(D50)は湿式粒度分布測定装置により求められたメジアン径(50%径)である。
焼結シリカ紛は、例えば、特開2009-114058号公報に記載の方法で製造することができる。
焼結シリカ紛の平均粒子径(D50)は、10~120μmであることが好ましく、特に40~90μmであることが好ましい。焼結シリカ紛の平均粒子径(D50)が上記下限以上であれば混合時に粘度が高くなりすぎず、焼結シリカ粉の割合を増やすことができ、上記上限以下であれば焼結粉が塗布液中に均一に分散され易く、特に薄膜塗布時に凹凸なく均一成膜が可能となり易い。
ここで、平均粒子径(D50)は湿式粒度分布測定装置により求められたメジアン径(50%径)である。
(塗布液の調製方法)
上記シリカキセロゲルと水、および焼成シリカ粉を混合して塗布液を調製する。混合の順序は特に問わない。
シリカキセロゲル、水、焼成シリカ紛の混合割合は、通常、シリカキセロゲル:10~20質量%、水:40~60質量%、焼結シリカ粉:30~50質量%である。
上記シリカキセロゲルと水、および焼成シリカ粉を混合して塗布液を調製する。混合の順序は特に問わない。
シリカキセロゲル、水、焼成シリカ紛の混合割合は、通常、シリカキセロゲル:10~20質量%、水:40~60質量%、焼結シリカ粉:30~50質量%である。
特にシリカキセロゲルは焼結シリカ紛に対して10~40質量%用いることが好ましく、とりわけ20~30質量%用いることが好ましい。シリカキセロゲルの使用量が上記下限以上であれば水と加えた際にバインダーの役割を持ち適度に粘性を高められる効果があり、上記上限以下であれば焼結シリカ粉が塗布時に隙間なく膜面に分散され易い。
塗布液の粘度は、水と粉体成分(シリカキセロゲルと焼結シリカ紛)の比率で調整可能である。
<基材>
基材としては、例えば天然石英板を用いることができ、塗布液中の焼成シリカ粉と線膨張率が近いものが望ましい。具体的には被コーティング表面の平均線膨張率が0.5~0.6×10-6[K-1]であるものが好ましく、このような線膨張率のものであれば、成膜後における線膨張率差による応力発生を防ぐことができる。
例えば、プライマリー層を形成するなどして、被コーティング表面が上記平均線膨張率に近い状態としたものであれば、基材そのものの材質は石英に必ずしも限定されない。また、基材として厚みの薄いフィルムを用いることで、コーティング後の割れ発生を防ぐこともできる。
基材としては、例えば天然石英板を用いることができ、塗布液中の焼成シリカ粉と線膨張率が近いものが望ましい。具体的には被コーティング表面の平均線膨張率が0.5~0.6×10-6[K-1]であるものが好ましく、このような線膨張率のものであれば、成膜後における線膨張率差による応力発生を防ぐことができる。
例えば、プライマリー層を形成するなどして、被コーティング表面が上記平均線膨張率に近い状態としたものであれば、基材そのものの材質は石英に必ずしも限定されない。また、基材として厚みの薄いフィルムを用いることで、コーティング後の割れ発生を防ぐこともできる。
<コーティング方法>
上記塗布液のコーティング方法には特に制限はなく、噴霧塗布、静電援用噴霧塗布、流し塗り、遠心塗布、浸し塗り又は刷毛塗りなどの中から適宜選択して採用することができる。
上記塗布液のコーティング方法には特に制限はなく、噴霧塗布、静電援用噴霧塗布、流し塗り、遠心塗布、浸し塗り又は刷毛塗りなどの中から適宜選択して採用することができる。
[乾燥工程]
コーティング工程で形成された塗膜の乾燥は、通常、常温下で10分以上例えば10~30分程度行われる。
コーティング工程で形成された塗膜の乾燥は、通常、常温下で10分以上例えば10~30分程度行われる。
[溶融成膜工程]
乾燥工程で得られた乾燥膜(「グリーン層」とも称される。)の溶融成膜(焼結)は、炉内での加熱によって行うか、又は燃焼火炎、プラズマ若しくはアークを用いて、若しくはCO2およびCOレーザーを用いて行うことができる。前記焼結は段階的行ってもよい。例えば、レーザー照射を数回に分けて行ってもよい。
乾燥工程で得られた乾燥膜(「グリーン層」とも称される。)の溶融成膜(焼結)は、炉内での加熱によって行うか、又は燃焼火炎、プラズマ若しくはアークを用いて、若しくはCO2およびCOレーザーを用いて行うことができる。前記焼結は段階的行ってもよい。例えば、レーザー照射を数回に分けて行ってもよい。
焼結条件は、焼結手段によっても異なるが、例えば炉内での加熱であれば1700~2000℃で1~5時間程度であり、CO2レーザーを用いる場合は、出力80~200W、加工速度1~10mm/sec程度の条件が採用される。
[繰り返し工程]
本発明においては、前記コーティング工程、前記乾燥工程、及び前記溶融成膜工程を、この順で繰り返し行ってもよい。即ち、シリカキセロゲル、水、及び焼結シリカ粉を含む塗布液を基材上にコーティングし、形成された塗膜を乾燥させた後、溶融成膜し、次いで得られた溶融成膜上に、更に、前記塗布液をコーティングし、形成された塗膜を乾燥させた後溶融成膜を行ってもよく、更に同様の工程を繰り返してもよい。繰り返し行うことで、溶融成膜の厚みを大きくすることができる。前記コーティング工程、前記乾燥工程、及び前記溶融成膜工程をこの順で繰り返す回数は、特に制限はないが、通常2又は3回である。
本発明においては、前記コーティング工程、前記乾燥工程、及び前記溶融成膜工程を、この順で繰り返し行ってもよい。即ち、シリカキセロゲル、水、及び焼結シリカ粉を含む塗布液を基材上にコーティングし、形成された塗膜を乾燥させた後、溶融成膜し、次いで得られた溶融成膜上に、更に、前記塗布液をコーティングし、形成された塗膜を乾燥させた後溶融成膜を行ってもよく、更に同様の工程を繰り返してもよい。繰り返し行うことで、溶融成膜の厚みを大きくすることができる。前記コーティング工程、前記乾燥工程、及び前記溶融成膜工程をこの順で繰り返す回数は、特に制限はないが、通常2又は3回である。
[石英コート膜]
本発明により製造される石英コート膜の厚さには特に制限はないが、5~100μmであることが好ましく、特に20~50μmであることが好ましい。石英コート膜の厚さが上記下限以上であれば下地を確実に覆うことができ、上記上限以下であれば溶融処理の際に30μm以上の気泡が膜内に残りにくく高密度の膜となる。溶融前のグリーン体には微小の水分が製法上残留するが、この水分がシリカ粉が溶融する温度帯までに温められると気化して、気泡を形成してしまう。コート膜が厚いとこの気泡が抜けにくい。
なお、コート膜の厚さはレーザー顕微鏡により測定される。
本発明により製造される石英コート膜の厚さには特に制限はないが、5~100μmであることが好ましく、特に20~50μmであることが好ましい。石英コート膜の厚さが上記下限以上であれば下地を確実に覆うことができ、上記上限以下であれば溶融処理の際に30μm以上の気泡が膜内に残りにくく高密度の膜となる。溶融前のグリーン体には微小の水分が製法上残留するが、この水分がシリカ粉が溶融する温度帯までに温められると気化して、気泡を形成してしまう。コート膜が厚いとこの気泡が抜けにくい。
なお、コート膜の厚さはレーザー顕微鏡により測定される。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
テトラメトキシシランと水とを重量比1:6で混合し、テトラメトキシシランの濃度が1ppm以下となるまで加水分解させ湿潤ゲルを得た。この湿潤ゲルを乳鉢で粉砕して、自然乾燥させシリカキセロゲルを得た。
このシリカキセロゲルと焼結シリカ紛(D50:60μm)および水を質量基準でシリカキセロゲル:焼結シリカ紛:水=1:4:5の割合で混合して塗布液を調製し、平均線膨張率が0.5×10-6[K-1]の石英基材上にバーコーティングを実施した。
その後10分自然乾燥させ、石英基材上に均一な乾燥膜(粉体付着膜)を成形した。
この乾燥膜に対して、CO2レーザーにて、出力179W、加工速度5mm/secで溶融焼結処理を行って透明で表面平滑な成膜面を得た。レーザー顕微鏡での観察結果では、30μm以上の泡は確認されず高密度であり、また、形成された石英コート膜の厚さは40μmであり、石英基板の変形、割れは認められなかった。
テトラメトキシシランと水とを重量比1:6で混合し、テトラメトキシシランの濃度が1ppm以下となるまで加水分解させ湿潤ゲルを得た。この湿潤ゲルを乳鉢で粉砕して、自然乾燥させシリカキセロゲルを得た。
このシリカキセロゲルと焼結シリカ紛(D50:60μm)および水を質量基準でシリカキセロゲル:焼結シリカ紛:水=1:4:5の割合で混合して塗布液を調製し、平均線膨張率が0.5×10-6[K-1]の石英基材上にバーコーティングを実施した。
その後10分自然乾燥させ、石英基材上に均一な乾燥膜(粉体付着膜)を成形した。
この乾燥膜に対して、CO2レーザーにて、出力179W、加工速度5mm/secで溶融焼結処理を行って透明で表面平滑な成膜面を得た。レーザー顕微鏡での観察結果では、30μm以上の泡は確認されず高密度であり、また、形成された石英コート膜の厚さは40μmであり、石英基板の変形、割れは認められなかった。
[実施例2]
実施例1で得られた成膜面に対して、さらに実施例1と同様の塗布液をコーティングして10分間自然乾燥させ、実施例1と同等条件でCO2レーザー処理することで、透明で表面平滑な成膜面を得た。レーザー顕微鏡での観察結果では30μm以上の泡は確認されず高密度であり、また、形成された石英コート膜の厚さは80μmであった。
実施例1で得られた成膜面に対して、さらに実施例1と同様の塗布液をコーティングして10分間自然乾燥させ、実施例1と同等条件でCO2レーザー処理することで、透明で表面平滑な成膜面を得た。レーザー顕微鏡での観察結果では30μm以上の泡は確認されず高密度であり、また、形成された石英コート膜の厚さは80μmであった。
[比較例1]
シリカキセロゲルを用いず、焼結シリカ紛(D50:60μm)と水を質量基準1:1の割合で混合して調製した塗布液を、実施例1と同様の石英基材上にバーコーティングした。
その後10分自然乾燥させ、石英基材上に乾燥膜を成形した。
この乾燥膜に対して、CO2レーザーにて、出力179W、加工速度5mm/secで溶融処理を行ったが、均一な成膜面は得られなかった。
シリカキセロゲルを用いず、焼結シリカ紛(D50:60μm)と水を質量基準1:1の割合で混合して調製した塗布液を、実施例1と同様の石英基材上にバーコーティングした。
その後10分自然乾燥させ、石英基材上に乾燥膜を成形した。
この乾燥膜に対して、CO2レーザーにて、出力179W、加工速度5mm/secで溶融処理を行ったが、均一な成膜面は得られなかった。
これらの結果から、シリカキセロゲルと焼結シリカ紛を含む塗布液を用いることで、高価なナノシリカ粒子を必要とすることなく、表面平滑で均一な石英コート膜を形成することができることが分かる。
Claims (2)
- シリカキセロゲル、水、及び焼結シリカ粉を含む塗布液を基材上にコーティングして塗膜を形成するコーティング工程と、前記塗膜を乾燥させて乾燥膜とする乾燥工程と、該乾燥膜を溶融して成膜する溶融成膜工程とを有することを特徴とする石英コート膜の製造方法。
- 前記コーティング工程、前記乾燥工程及び前記溶融成膜工程を、この順で繰り返し行うことを特徴とする請求項1に記載の石英コート膜の製造方法。
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