JP2023108907A - シール材用シリコーンゴム積層体、シール材および電池 - Google Patents

シール材用シリコーンゴム積層体、シール材および電池 Download PDF

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勇志 安福
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竜雄 片山
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Abstract

【課題】従来よりも難燃性を向上させ、かつ燃焼後でも伸びを維持できるシール材用シリコーンゴム積層体を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係るシール材用シリコーンゴム積層体(1)は、第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドを含んでいる第1層(1a)と、第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドおよび繊維系難燃剤を含んでいる第2層(1b)と、を備えており;第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、繊維系難燃剤の含有量は5~60重量部であり;第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、シール材用シリコーンゴム積層体、シール材および電池に関する。
従来、工業的に望ましい物性を付与するために、シリコーンゴムに様々な添加物を添加した組成物が提案されている(例えば、特許文献1~3を参照)。
特開昭48-080656号 特開昭57-209980号 特開昭60-182199号
例えば、電池に用いられるシール材にシリコーンゴムを採用する際には、シリコーンゴムに難燃性を持たせることが好ましい。本発明者らが検討したところ、既存の難燃性シリコーンゴムコンパウンドには、難燃性を向上させ、かつ燃焼後の伸びを維持させる余地が依然として残されていることが判明した。
本発明の一態様は、従来よりも難燃性を向上させ、かつ燃焼後でも伸びを維持できるシール材用シリコーンゴム積層体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るシール材用シリコーンゴム積層体は、
第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドを含んでいる第1層と、
第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドと、繊維系難燃剤と、を含んでいる第2層と、
を備えており、
上記第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、上記繊維系難燃剤の含有量は5~60重量部であり、
上記第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である。
本発明の一態様によれば、従来よりも難燃性を向上させ、かつ燃焼後でも伸びを維持できるシール材用シリコーンゴム積層体が提供される。
本発明の一態様に係るシール材用シリコーンゴム積層体の概略構造の例を示す模式図である。 本発明の一態様に係るシール材用シリコーンゴム積層体の概略構造の他の例を示す模式図である。 本発明の一態様に係るシール材用シリコーンゴム積層体の概略構造の他の例を示す模式図である。 本発明の一態様に係るシール材用シリコーンゴム積層体の概略構造の他の例を示す模式図である。 本発明の一態様に係るシール材を用いた電池の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組合せた実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
本明細書において、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。
≪1.シール材用シリコーンゴム積層体≫
図1は、本発明の一態様に係るシール材用シリコーンゴム積層体の概略構造の一例を示す模式図である。シール材用シリコーンゴム積層体10(シール材10)は、第1層1および第2層2を備えている。以下、第2層2、第1層1の順に説明する。
〔1.1.第2層〕
第2層は、第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドおよび繊維系難燃剤を含んでいる。以下、各成分について説明する。
[1.1.1.第2難燃性シリコーンゴムコンパウンド]
第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドとは、シリコーンゴムに各種の添加物を配合し、難燃性を付与した組成物である。第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上の難燃性を有している。
UL94規格とは、プラスチック製品の難燃性を評価する規格であり、世界的に広く採用されている。UL94規格の等級には、難燃性の高い順に、5VA、5VB、V-0、V-1、V-2およびHBが存在する。したがって、第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格において5VA、5VBまたはV-0である。一実施形態において、第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0である。UL94規格の試験方法は、当業者の間で周知であるため、説明を省略する。
第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドに含まれているシリコーンゴムの例としては、メチルシリコーンゴム、ビニルメチルシリコーンゴム、フェニルメチルシリコーンゴム、フッ化シリコーンゴムが挙げられる。これらのシリコーンゴムは、1種類のみが含まれていてもよいし、2種類以上が含まれていてもよい。一実施形態において、第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、ビニルメチルシリコーンゴムを含んでいる。第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドに含まれている添加物の例としては、白金、白金化合物、酸化鉄、トリアゾール系化合物、水酸化アルミニウムが挙げられる。これらの添加物は、1種類のみが含まれていてもよいし、2種類以上が含まれていてもよい。第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドに該当するシリコーンゴムコンパウンドは、多くの商品が上市されており、また多くの関連特許文献が存在する。そのため、第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの詳細な組成については、説明を省略する。
第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドに該当する市販品の例としては、SILASTIC (TM) SH502U、SH502U A/B、SH1447 U A(以上、いずれもダウ・東レ株式会社);KE-5620W-U、KE-5620BL-U、KE-5612E-U、KE-3494、KE3490、KE3467、KE-4890、KE-40RTV、KE-1831、KE-1867、KE-1891、KE-1204-LTV、KE-1292、KE-1800、KE-1802(以上、いずれも信越化学工業株式会社);ELASTOSIL (R) LR 3011/50 FR、LR 3001/55 FR、LR 3001/60 FR、LR 3170/40(以上、いずれも旭化成ワッカーシリコーン株式会社);TSE2186U、TSE2183U、TSE2187U、TSE2184U、TCM5406U、XE20-A7016(以上、いずれもモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)が挙げられる。
第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドに該当するシリコーンゴムコンパウンドについて開示している特許文献の例としては、特開2004-149693号、特開2006-182911号、特開2009-144024号が挙げられる。
[1.1.2.繊維系難燃剤]
繊維系難燃剤とは、繊維状の形態をとる難燃剤を表す。本明細書において、「繊維状の形態」とは、アスペクト比(長さ/直径)が3以上である形状を意図する。
本発明者らが見出したところによると、第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドと繊維系難燃剤とを組合せた第2層を設けたシリコーンゴム積層体は、第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドそのものよりも難燃性が向上する。しかし、難燃性の向上効果は、繊維系難燃剤以外の難燃剤(リン系難燃剤など)を配合しても見られなかった(詳細は本願実施例を参照)。すなわち、様々な種類がある難燃剤の中でも繊維系難燃剤を選択したことにより、本発明の効果が表れるようになったと言える。
繊維系難燃剤の平均繊維長の下限は、50μm以上が好ましく、70μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。繊維系難燃剤の平均繊維長の上限は、1500μm以下が好ましく、1000μm以下がより好ましく、800μm以下がさらに好ましい。繊維系難燃剤の平均直径の下限は、0.05μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましく、0.15μm以上がさらに好ましく、0.2μm以上が特に好ましい。繊維系難燃剤の平均直径の上限は、10.0μm以下が好ましく、5.0μm以下がより好ましく、3.0μm以下がさらに好ましく、1.0μm以下が特に好ましい。アスペクト比の下限は、5以上が好ましく、50以上がより好ましく、100以上がさらに好ましく、150以上が特に好ましい。アスペクト比の上限は、5000以下が好ましく、4000以下がより好ましく、1000以下がさらに好ましく、500以下が特に好ましく、250以下がより一層好ましい。
繊維系難燃剤の例としては、人造鉱物繊維および天然鉱物繊維が挙げられる。人造鉱物繊維の例としては、ロックウール、ストーンウール、スラグウール、ミネラルウール、グラスウール、ミネラルグラスウールが挙げられる。天然鉱物繊維の例としては、ウォラストナイト、チタン酸カリウム繊維が挙げられる。これらの中では、人造鉱物繊維が好ましい。人造鉱物繊維の中では、ロックウールが好ましい。一実施形態において、繊維系難燃剤は、無機物質である。一実施形態において、繊維系難燃剤は、石綿ではない。
[1.1.3.その他の成分]
第2層は、上述した以外の成分を含んでいてもよい。そのような成分の例としては、硬化剤が挙げられる。
硬化剤は、第2層にゴム弾性を与える成分である。当業者であれば、ゴム弾性を与えるための反応機構に応じて、硬化剤を適宜選択できる。硬化剤による反応機構の例としては、架橋反応、縮合反応、付加反応が挙げられる。
架橋反応によりゴム弾性を与える場合は、有機過酸化物を用いることができる。有機過酸化物の例としては、ベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、クミル-t-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルペルオキシヘキサン、ジ-t-ブチルペルオキシドが挙げられる。
縮合反応によりゴム弾性を与える場合は、ケイ素含有架橋剤および硬化触媒を用いることができる。ケイ素含有架橋剤の例としては、アルコキシシラン、アセトキシシラン、環状シロキサンが挙げられる。硬化触媒の例としては、カルボン酸金属塩、有機スズ化合物が挙げられる。
付加反応によりゴム弾性を与える場合は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび白金系触媒を用いることができる。オルガノハイドロジェンポリシロキサンとは、1分子あたり平均2個以上の水素原子がケイ素原子に結合しているポリオルガノシロキサンである。
シリコーンゴム組成物は、オイルを含んでいてもよい。オイルの中でも、シリコーンオイルが好ましく、変性シリコーンオイルがより好ましい。シリコーンオイルとは、ポリオルガノシロキサンを主成分とするオイルを表す。変性シリコーンオイルとは、ジメチルシリコーンオイルに含まれているメチル基の一部を、他の官能基に置換したシリコーンオイルを表す。変性シリコーンオイルの例としては、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、(メタ)アクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイルが挙げられる。変性シリコーンオイルには、非反応性の変性シリコーンオイルと、反応性の変性シリコーンオイルとがある。これらの中では、非反応性の変性シリコーンオイルが好ましい。
第2層は、本技術分野で公知の種々の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤の例としては、補強性充填剤(シリカ、珪藻土、石英粉末、マイカ、酸化チタンなど);増量充填剤(珪藻土、石英粉末、マイカ、クレイ、ガラスビーズ、酸化アルミニウムなど);耐熱性向上剤(カーボンブラック、ベンガラ、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物など);顔料が挙げられる。
[1.1.4.第2層の組成]
第2層の全重量を基準とすると、第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有率の下限は、50重量%以上が好ましく、55重量%以上がより好ましい。第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有率の上限は、例えば、98重量%以下でありうる。
第2層の全重量を基準とすると、シリコーンゴムポリマー(ポリオルガノシロキサン)の含有率の下限は、10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましく、18重量%以上がさらに好ましい。シリコーンゴムポリマーの含有率の上限は、例えば、98重量%以下でありうる。
第2層がシリコーンゴム以外のゴム成分を含んでいる場合、ゴム成分の全体に占めるシリコーンゴムの割合は、50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。一実施形態において、第2層は、シリコーンゴム以外のゴム成分を含んでいない。シリコーンゴム以外のゴム成分の例としては、フッ素ゴム(FKM)、天然ゴム(NR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン・プロピレンゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴム(U)、エチレンアクリルゴム(AEM)、アクリルゴム(ACM)が挙げられる。
第2層における繊維系難燃剤の含有量の下限は、第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、5重量部以上であり、15重量部以上が好ましく、20重量部以上がより好ましく、25重量部以上がさらに好ましく、30重量部以上が特に好ましい。含有量の下限が上記の範囲であれば、シリコーンゴム積層体に充分な難燃性を与えられる傾向にある。第2層における繊維系難燃剤の含有量の上限は、第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、60重量部以下であり、50重量部以下が好ましく、45重量部以下がより好ましく、40重量部以下がさらに好ましい。含有量の上限が上記の範囲であれば、燃焼後におけるシリコーンゴム積層体の伸びを維持できる傾向にある。
第2層におけるオイルの含有量の下限は、第2層の全重量を基準として、0.1重量%以上が好ましく、0.3重量%以上がより好ましく、0.5重量%以上がさらに好ましい。オイルの含有量が0.1質量%未満の場合には、加工性が低下することがある。第2層におけるオイルの含有量の上限は、第2層の全重量を基準として、15重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、5重量%以下がさらに好ましい。オイルの含有量が15質量%を超える場合には、過剰に柔らかくなったり、ブリードが生じたりすることがある。
第2層におけるその他の成分の配合量は、当業者であれば、技術常識に従って適宜設定できる。例えば、硬化剤の含有量は、第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、0.2~5.0重量部でありうる。
〔1.2.第1層〕
第1層は、第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドを含んでいる。以下、第2層と同様に説明する。
[1.2.1.第1難燃性シリコーンゴム組成物]
第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドとは、シリコーンゴムに各種の添加物を配合し、難燃性を付与した組成物である。第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドと同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
一実施形態において、第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてHB以上である。すなわち、第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格において5VA、5VB、V-0、V-1、V-2またはHBである。一実施形態において、第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である。すなわち、第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格において5VA、5VBまたはV-0である。一実施形態において、第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0である。
第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドに該当する市販品の例としては、第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドに該当する市販品が挙げられる。それに加えて、XIAMETER (TM) RBB-6630-30、RBB-6640-40、RBB-6650-50、RBB-6660-60、RBB-6670-70、RBB-6680-80、RBB-6671-70(以上、いずれもダウ・東レ株式会社);SILASTIC (TM) SE 4704 U、SE 4705 U、SE 4706 U、SE 4708 U、DY 32-6014 U、DY 32-7040 U、DY 32-8013 U、SRX 495 U、DY 32-502 U(以上、いずれもダウ・東レ株式会社);KE-5634-U、KE-941-U、KE-951-U、KE-961-U、KE-971-U、KE-981-U、KE-971T-U(以上、いずれも信越化学株式会社);ELASTOSIL (R) LR 3003/(x)、LR 3004/(y)、LR 3005/(y)、LR 3065/(e)、LR 3092/65 BK(以上、いずれも旭化成ワッカーシリコーン株式会社);TSE221-3U、TSE221-4U、TSE221-5U、TSE221-6U、TSE221-7U、TSE221-8U、TSE2277U、XE20-523-4U、XE20-523-5U、TSE2181U、TCM5417U、TSE2911U、TSE2971U(以上、いずれもモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)も例示される。
第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドに関するその他の説明には、[1.1.1]節の説明が援用される。そのため、本節では再度の説明を省略する。
[1.2.2.その他の成分]
第1層は、上述した以外の成分を含んでいてもよい。そのような成分の例としては、硬化剤および種々の添加剤が挙げられる。これらの成分に関する説明には、[1.1.3]節の説明が援用される。そのため、本節では再度の説明を省略する。
[1.2.3.第1層の組成]
第1層の全重量を基準とすると、第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有率の下限は、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有率の上限は、例えば、99.9重量%以下でありうる。
第1層の全重量を基準とすると、シリコーンゴムポリマー(ポリオルガノシロキサン)の含有率の下限は、10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましく、18重量%以上がさらに好ましい。シリコーンゴムポリマーの含有率の上限は、例えば、99.9重量%以下でありうる。
第1層がシリコーンゴム以外のゴム成分を含んでいる場合、ゴム成分の全体に占めるシリコーンゴムの割合は、50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。一実施形態において、第1層は、シリコーンゴム以外のゴム成分を含んでいない。シリコーンゴム以外のゴム成分の例としては、[1.1.4]節で例示したゴム成分が挙げられる。
一実施形態において、第1層は、繊維状難燃剤を実質的に含んでいない。第1層における繊維状難燃剤の含有量は、第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、1重量部以下が好ましく、0.5重量部以下がより好ましく、0.1重量部以下がさらに好ましい。一実施形態において、第1層は、繊維状難燃剤を含んでいない。繊維状難燃剤の含有量が上記の範囲である時、シリコーンゴム積層体は、繊維状難燃剤を実質的に含んでいない第1層と、繊維状難燃剤を含んでいる第2層と、を備えるようになる。このような構造のシリコーンゴム積層体は、燃焼後においても伸びを維持できる傾向にある。
〔1.3.シリコーンゴム積層体の構造および物性〕
本発明の一態様に係るシール材用シリコーンゴム積層体は、第1層および第2層を備えている。一実施形態において、第1層および第2層は、他の層(接着層など)を介さずに接している。一実施形態において、第1層および第2層は、他の層(接着層など)を介して接している。難燃性の観点からは、他の層を介さずに接していることが好ましい。ただし、第1層と第2層との界面には、第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドと第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドとが混合した混合層が形成される場合がある。本明細書においては、このような混合層が形成される場合も、他の層を介さずに接している態様に含める。第1層および第2層が他の層を介して接している場合は、当該他の層は難燃性に優れていることが好ましい。
一実施形態において、シリコーンゴム積層体は、第1層および/または第2層を2つ以上備えている。一実施形態において、シリコーンゴム積層体は、1つの第1層と、2つの第2層とを備えている。一実施形態において、シリコーンゴム積層体は、2つの第1層と、1つの第2層とを備えている。これらの実施形態について、図2~4を参照しながら説明する。
図2は、第1層1および第2層2a、2bを備えているシール材用シリコーンゴム積層体10aの概略構造を示す模式図である。シール材用シリコーンゴム積層体10aにおいては、第1層1の両面に第2層2aおよび第2層2bが設けられている。第2層2aおよび第2層2bの組成は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図3は、第1層1および第2層2を備えているシール材用シリコーンゴム積層体10bの概略構造を示す模式図である。シール材用シリコーンゴム積層体10bにおいて、第1層1は、第1層1aおよび第1層1bをさらに備えている。第1層1aおよび第1層1bは、組成が互いに異なっている。
図4は、第1層1および第2層2を備えているシール材用シリコーンゴム積層体10cの概略構造を示す模式図である。シール材用シリコーンゴム積層体10cにおいて、第2層2は、第2層2cおよび第2層2dをさらに備えている。第2層2cおよび第2層2dは、組成が互いに異なっている。
シリコーンゴム積層体のショアA硬さは、85以下が好ましく、80以下がより好ましい。ショアA硬さが上記の範囲であれば、シール材として好適な軟らかさを有していると言える。本明細書において、ショアA硬さとは、第2層の表面を測定面として、JIS K6253に基づくタイプAデュロメータで測定する。より具体的な測定方法の例は、本願実施例を参照。なお、シリコーンゴム積層体のショアA硬さは、常態(燃焼試験を課していない状態)における硬化後のシリコーンゴム積層体を測定対象とする。
シリコーンゴム積層体は、第1難燃性シリコーンゴムコンパウンド単独よりも、難燃性が向上している。本明細書において、「難燃性が向上している」とは、下記の3つの条件のうち1つ以上(好ましくは2つ以上、より好ましくは全て)を満たしていることを意図する。難燃性試験の実施方法は、本願実施例を参照。
・煙発生時刻が遅くなっている。
・炎発生時刻が遅くなっている。
・炎持続時間が短くなっている。
≪2.シール材および電池≫
本発明の一態様に係るシール材は、上述のシール材用シリコーンゴム積層体を含んでいる。本明細書において、シール材とは、2つ以上の部材の間に介装されて用いられる成形品を意図する。2つ以上の部材は、相対的な位置が変化する部材であってもよいし、相対的に静止している部材であってもよい。シール材は、例えば、流体(気体、液体、またはこれらの混合物)の移動を封止する機能を有している。
シール材の用途は、特に限定されない。本発明の一実施形態に係るシール材は、難燃性が向上しているため、難燃性が求められる製品に用いることが好ましい。このような製品の例としては、電池、車両、住宅建材、家電、携帯端末が挙げられる。
以下、図5を参照しながら、本発明の一実施形態に係るシール材を電池に応用する場合の使用例を説明する。電池100は、シール材10(シール材用シリコーンゴム積層体10)、セル20、断熱材30および容器40を備えている。電池100は、2つ以上のセル20(図5では12個のセル20)から電力を取り出すように構成されている。なお、図5では、セル20から電力を取り出すための部材は省略している。電池100の具体例としては、非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池など)が挙げられる。
シール材10は、本発明の一態様に係るシール材である。セル20は、正極、負極、セパレータ、電解液などがパッケージ化されている発電素子である。断熱材30は、セル20の発熱が伝わるのを防止する部材である。容器40は、シール材10、セル20および断熱材30を格納する部材である。
容器40の内部は、断熱材30により、2つ以上の区画に分割されている。図5では、区画A、区画B、区画Cおよび区画Dの4つの区画に分割されている。2つ以上存在するセル20は、2つ以上の区画のうち、2つ以上に分かれて配置されている。図5では、区画A~Dの4区画全てにセル20が配置されているが、セル20が配置されていない区画があってもよい。シール材10は、断熱材30と容器40との空隙を閉塞するように配置されている。このとき、シール材10は、第1層1が断熱材30と接するように配置される。第1層1は第2層2よりも比較的軟らかいので、断熱材30の位置変化にも追従でき、シール性が向上する。一方、第2層2は、空間A~Dと第1層1とを遮断するように配置されるので、第1層1が炎と接触することを防止できる。
例えば、区画Aに配置されているセル20が故障し発火したときには、シール材10および断熱材30は、区画Bへの延焼を阻止する。シール材10は、本発明の一態様に係るシール材であるから、従来品のシール材よりも難燃性が向上しており、さらに燃焼後の伸びも維持されている。それゆえ、電池100は、従来の電池よりも安全性が向上している。
≪3.第1層、第2層およびシリコーンゴム積層体の製造方法≫
第1層および第2層の製造方法は、特に限定されない。例えば、〔1.2〕節で説明した成分を含んでいる第1組成物を混練および硬化させることにより、第1層が製造できる。また、〔1.1〕節で説明した成分を含んでいる第2組成物を混練および硬化させることにより、第2層が製造できる。成分の混練には、混練機を用いることができる。混練機の例としては、オープンロール、ニーダー、プラネタリウムミキサー、バンバリーミキサー、エクストルーダーが挙げられる。混練温度は、25~200℃であってもよい。混練時間は、1分間~1時間であってもよい。硬化温度は、25~200℃であってもよい。硬化時間は、10秒間~120分間であってもよい。
第1層および第2層を積層する方法は、特に限定されない。一実施形態においては、インサート成形により、第1層および第2層を積層する。一実施形態においては、2色成形により、第1層および第2層を積層する。具体的には、異なるノズルにより、それぞれ第1層の材料と第2層の材料とを射出して、第1層および第2層を積層する。
第1層および第2層の積層および硬化の順序は、特に限定されない。硬化した第1層に、未硬化の第2層を積層した後、第2層を硬化させてもよい。硬化した第2層に、未硬化の第1層を積層した後、第1層を硬化させてもよい。硬化した第1層および硬化した第2層を積層してもよい。未硬化の第1層および未硬化の第2層を積層した後、第1層および第2層を硬化させてもよい。
硬化した第1層、第2層またはシリコーンゴム積層体を、さらに二次硬化させてもよい。二次硬化温度は、25~250℃であってもよい。二次硬化時間は、30分間~4時間であってもよい。
≪4.まとめ≫
本発明には、下記の構成が含まれている。
<1>
第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドを含んでいる第1層と、
第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドと、繊維系難燃剤と、を含んでいる第2層と、
を備えており、
上記第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、上記繊維系難燃剤の含有量は5~60重量部であり、
上記第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である、
シール材用シリコーンゴム積層体。
<2>
上記第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、上記繊維系難燃剤の含有量は25~45重量部である、<1>に記載のシール材用シリコーンゴム積層体。
<3>
上記第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である、<1>または<2>に記載のシール材用シリコーンゴム積層体。
<4>
上記繊維系難燃剤は、人造鉱物繊維および天然鉱物繊維からなる群より選択される1つ以上を含んでいる、<1>~<3>のいずれかに記載のシール材用シリコーンゴム積層体。
<5>
上記繊維系難燃剤は、上記人造鉱物繊維を含んでおり、
上記人造鉱物繊維は、ロックウールを含んでいる、
<4>に記載のシール材用シリコーンゴム積層体。
<6>
上記第1層における上記第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有率は、50重量%以上であり、
上記第2層における上記第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有率は、50重量%以上である、
<1>~<5>のいずれかに記載のシール材用シリコーンゴム積層体。
<7>
上記第1層と上記第2層とは、インサート成形によって一体に成形されている、<1>~<6>のいずれかに記載のシール材用シリコーンゴム積層体。
<8>
上記第1層と上記第2層とは、2色成形にて一体に成形されている、<1>~<6>のいずれかに記載のシール材用シリコーンゴム積層体。
<8a>
下記条件(i)または(ii)のいずれかを満たしている、<1>~<8>のいずれかに記載のシール材用シリコーンゴム積層体。
(i)上記第1層および上記第2層を1つずつ備えている。
(ii)上記第1層および上記第2層のうち少なくとも一方を、2つ以上備えている。
<9>
<1>~<8a>のいずれかに記載のシール材用シリコーンゴム積層体を備えている、シール材。
<10>
2つ以上のセルと、断熱材と、容器と、<9>に記載のシール材と、を備えている電池であって、
上記2つ以上のセル、上記断熱材および上記シール材は、上記容器に格納されており、
上記断熱材は、上記容器内を2つ以上の区画に分割するように配置されており、
上記2つ以上のセルは、上記2つ以上の区画のうち2つ以上に分かれて配置されており、
上記シール材は、上記断熱材と上記容器との間隙を閉塞するとともに、上記第1層が上記断熱材と接するように配置されている、
電池。
<11>
第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドを含んでいる第1組成物を提供する、第1提供工程と、
第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドおよび繊維系難燃剤を含んでいる第2組成物を提供する、第2提供工程と、
上記第1組成物および上記第2組成物を成形して、第1層および第2層を備えているシール材用シリコーンゴム積層体を得る、成形工程と、
を含む、シール材用シリコーンゴム積層体の製造方法であって、
上記成形工程において、
上記第1層は、上記第1組成物を成形することにより得られ、
上記第2層は、上記第2組成物を成形することにより得られ、
上記第2組成物において、
上記第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、上記繊維系難燃剤の含有量は5~60重量部であり、
上記第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である、
シール材用シリコーンゴム積層体の製造方法。
<12>
上記成形工程においては、インサート成形により上記第1層および上記第2層を一体に成形する、<11>に記載のシール材用シリコーンゴム積層体の製造方法。
<13>
上記成形工程においては、2色成形により上記第1層および上記第2層を一体に成形する、<11>記載のシール材用シリコーンゴム積層体の製造方法。
以下に、本発明の一実施形態を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔使用した材料〕
●難燃性シリコーンゴムコンパウンド
・難燃性シリコーンゴムコンパウンド(KE-5612E-U、信越化学工業株式会社、ビニルメチルシリコーンゴム系コンパウンド、UL94規格:V-0)
●難燃剤
・繊維系難燃剤(ロックウール、RS490ELS-Roxul1000、Rapinus)
・リン系難燃剤(ファイヤガードFCX-210、帝人株式会社)
●硬化剤
・硬化剤(C-3、信越化学工業株式会社、ジクミルペルオキシド)
〔実施例1~5、比較例5、6〕
下記の手順に沿って、インサート成形により加硫ゴムシート積層体を作製した。加硫ゴムシート積層体は、後述する試験において試験片を作製する材料となる。
1. 表1に記載の第2層の成分を、オープンロールにて混練した。混練時の温度は、20~100℃であった。混練時間は、10~30分間であった。
2. 得られた混練物から、第2層の未加硫ゴムシートを作製した。
3. 第2層の未加硫ゴムシートを、165℃にて10分間プレス加硫した。このようにして、厚さ1mmの加硫ゴムシートを得た。
4. 工程1、2と同様の手順で、第1層の成分から未加硫ゴムシートを作製した。
5. 深さ2mmのシート金型に、第2層の加硫ゴムシートを入れ、その上に第1層の未加硫ゴムシートを重ねて入れた。
6. 第1層の未加硫ゴムシートを、165℃にて10分間プレス加硫した。
7. さらに、200℃にて4時間二次加硫した。このようにして、厚さ2mmの加硫ゴムシート積層体を得た。
〔比較例1~4〕
下記の手順に沿って、加硫ゴムシートを作製した。加硫ゴムシートは、後述する試験において試験片を作製する材料となる。
1. 表1に記載の第1層または第2層の成分を、オープンロールにて混練した。混練時の温度は、20~100℃であった。混練時間は、10~30分間であった。
2. 得られた混練物から、未加硫ゴムシートを作製した。
3. 未加硫ゴムシートを、165℃にて10分間プレス加硫した。
4. さらに、200℃にて4時間二次加硫した。このようにして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
〔試験方法〕
[1.常態における硬さ]
JIS K6253に基づき、耐熱試験または燃焼試験を課す前の試験片のショアA硬さを測定した。具体的な手順は、下記の通りである。
1. 厚さ2mmの加硫ゴムシート積層体または加硫ゴムシートを3枚重ねて、試験片とした。
2. タイプAデュロメータを用いて、23℃、相対湿度50%にて測定を行った。デュロメータのピーク値をショアA硬さとした。加硫ゴムシート積層体を測定する際には、第2層の表面を測定面とした。
[2.燃焼試験]
試験片に燃焼試験を課し、難燃性を評価した。具体的な手順は、下記の通りである。
1. 厚さ2mmの加硫ゴムシート積層体または加硫ゴムシートから、幅15mm×長さ100mmのシートを切り出して試験片とした。
2. 試験片を治具に固定し、燃焼部位の温度が800℃になるようにバーナーの炎を調節した。
3. 試験片に炎を2分間当てた。このとき、炎を当てはじめた時刻を0秒として、煙の発生した時刻(秒)および炎が発生した時刻(秒)を記録した。また、炎が発生してから消火するまでの持続時間(秒)も記録した。
[3.引張試験]
燃焼試験前または燃焼試験後のサンプルから、JIS K6251に基づく引張試験用のダンベル試験片を切り出し、引張試験を課した。燃焼試験前の破断時伸び(X1)および燃焼試験後の破断時伸び(X2)を測定した。また、下記式により伸び変化率を求めた。
伸び変化率(%)={(X2-X1)÷X1}×100
〔結果〕
試験結果を表1に示す。実施例1~5と比較例1とを比較すると、繊維系難燃剤を含有する第2層を設けることにより、難燃性が向上していることが分かる。すなわち、煙発生時刻および炎発生時刻は、実施例1~5の方が比較例1よりも遅かった。また、炎持続時間は、実施例1~5の方が比較例1よりも短かった。
難燃性の向上は、繊維系難燃剤以外の難燃剤を含有する第2層を設けた場合には認められなかった。リン系難燃剤を含有する第2層を設けた比較例5、6では、逆に難燃性が低下する結果となった。
また、実施例1~5と比較例2~4とを比較すると、繊維系難燃剤を含有しない第1層を設けることにより、燃焼後の伸びが維持されていることが分かる。すなわち、伸びの変化は、実施例1~5の方が比較例2~4よりも減少度合いが少なかった。
実施例同士を比較すると、実施例1よりも実施例2~5の方が、難燃性の向上の程度が大きかった。したがって、難燃性の観点からは、繊維状難燃剤の含有量は実施例1よりも多くすることが好ましい(例えば、難燃性シリコーンゴムコンパウンド100重量部に対して15重量部以上)。
また、常態における伸びを比較すると、実施例1~4が優れていた。したがって、この観点からは、繊維状難燃剤の含有量は実施例5よりも少なくすることが好ましい(例えば、難燃性シリコーンゴムコンパウンド100重量部に対して45重量部以下)。
さらに、燃焼後の伸びが維持されている程度を比較すると、実施例3~5が優れていた。したがって、この観点からは、繊維状難燃剤の含有量は、実施例2よりも多くすることが好ましい(例えば、難燃性シリコーンゴムコンパウンド100重量部に対して25重量部以上)。
〔想定製造例〕
2色成形による加硫ゴムシート積層体の製造例を下記に示す。本製造例によって作製された加硫ゴムシート積層体は、実施例1~5に係る加硫ゴムシート積層体と同様の物性を有しており、同様の試験結果を示すと考えられる。
1. 第2層の成分を、オープンロールにて混練する。混練時の温度は、20~100℃とする。混練時間は、10~30分間とする。
2. 工程1と同様に、第1層の成分を混練する。
3. 工程1、2で得られた混練物を、成形機の別々のシリンダ内にそれぞれ充填する。
4. 金型温度を165℃とした状態で、厚さ1mmのシート状のキャビティに、第1層の成分の混練物を射出する。その後、5分間保持する。
5. 工程4に引き続いて、厚さ1mmのシート状のキャビティに第2層の成分の混練物を射出する。その後、5分間保持する。
6. 第1層および第2層が積層されたゴムシートを成形機から取り出し、200℃にて4時間二次加硫する。このようにして、加硫ゴムシート積層体を得た。
本発明は、例えば、電池などのシール材に利用することができる。
1、1a、1b:第1層
2、2a、2b、2c、2d:第2層
10、10a、10b、10c:シール材(シール材用シリコーンゴム積層体)
20:セル
30:断熱材
40:容器
100:電池

Claims (13)

  1. 第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドを含んでいる第1層と、
    第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドと、繊維系難燃剤と、を含んでいる第2層と、
    を備えており、
    上記第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、上記繊維系難燃剤の含有量は5~60重量部であり、
    上記第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である、
    シール材用シリコーンゴム積層体。
  2. 上記第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、上記繊維系難燃剤の含有量は25~45重量部である、請求項1に記載のシール材用シリコーンゴム積層体。
  3. 上記第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である、請求項1または2に記載のシール材用シリコーンゴム積層体。
  4. 上記繊維系難燃剤は、人造鉱物繊維および天然鉱物繊維からなる群より選択される1つ以上を含んでいる、請求項1~3のいずれか1項に記載のシール材用シリコーンゴム積層体。
  5. 上記繊維系難燃剤は、上記人造鉱物繊維を含んでおり、
    上記人造鉱物繊維は、ロックウールを含んでいる、
    請求項4に記載のシール材用シリコーンゴム積層体。
  6. 上記第1層における上記第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有率は、50重量%以上であり、
    上記第2層における上記第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有率は、50重量%以上である、
    請求項1~5のいずれか1項に記載のシール材用シリコーンゴム積層体。
  7. 上記第1層と上記第2層とは、インサート成形によって一体に成形されたものである、請求項1~6のいずれか1項に記載のシール材用シリコーンゴム積層体。
  8. 上記第1層と上記第2層とは、2色成形にて一体に成形されたものである、請求項1~6のいずれか1項に記載のシール材用シリコーンゴム積層体。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載のシール材用シリコーンゴム積層体を備えている、シール材。
  10. 2つ以上のセルと、断熱材と、容器と、請求項9に記載のシール材と、を備えている電池であって、
    上記2つ以上のセル、上記断熱材および上記シール材は、上記容器に格納されており、
    上記断熱材は、上記容器内を2つ以上の区画に分割するように配置されており、
    上記2つ以上のセルは、上記2つ以上の区画のうち2つ以上に分かれて配置されており、
    上記シール材は、上記断熱材と上記容器との間隙を閉塞するとともに、上記第1層が上記断熱材と接するように配置されている、
    電池。
  11. 第1難燃性シリコーンゴムコンパウンドを含んでいる第1組成物を提供する、第1提供工程と、
    第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドおよび繊維系難燃剤を含んでいる第2組成物を提供する、第2提供工程と、
    上記第1組成物および上記第2組成物を成形して、第1層および第2層を備えているシール材用シリコーンゴム積層体を得る、成形工程と、
    を含む、シール材用シリコーンゴム積層体の製造方法であって、
    上記成形工程において、
    上記第1層は、上記第1組成物を成形することにより得られ、
    上記第2層は、上記第2組成物を成形することにより得られ、
    上記第2組成物において、
    上記第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、上記繊維系難燃剤の含有量は5~60重量部であり、
    上記第2難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である、
    シール材用シリコーンゴム積層体の製造方法。
  12. 上記成形工程においては、インサート成形により上記第1層および上記第2層を一体に成形する、請求項11に記載のシール材用シリコーンゴム積層体の製造方法。
  13. 上記成形工程においては、2色成形により上記第1層および上記第2層を一体に成形する、請求項11に記載のシール材用シリコーンゴム積層体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024101135A1 (ja) * 2022-11-09 2024-05-16 内山工業株式会社 シール材用積層体、シール材および電池

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