JP2023108311A - 圧電素子及び圧電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】実装のための導電性の接合材が短絡する蓋然性を低減する。【解決手段】水晶素板3において、突出部15は、平面視において、主部13の-D1側の縁部13eのうちの中央側の一部から-D1側へ突出している。2つの励振電極7は、主部13の表裏に重なっている。2つの引出電極9は、2つの励振電極7から引き出されている。2つの接続電極11は、突出部15に位置しており、2つの引出電極9を介して2つの励振電極7と接続されている。突出部15は、水晶素板3の厚み方向の一方側に面している被実装面15mを有している。2つの接続電極11は、被実装面15mに位置している部分を有しているとともに被実装面15mにおいてD2方向に互いに離れている。被実装面15mの、2つの接続電極11の間に、凹部、凸部及び貫通孔の少なくとも1つを含む介在部17が位置している。【選択図】図1

Description

本開示は、圧電素子、及び当該圧電素子を有する圧電デバイスに関する。
水晶振動子及び水晶発振器等の圧電デバイスが知られている(例えば下記特許文献参照)。このような圧電デバイスは、水晶素子等の圧電素子と、圧電素子を保持しているパッケージとを有している。
圧電素子は、例えば、圧電素板(板状の圧電体)と、圧電素板の表裏に重なる2つの励振電極と、を有している。2つの励振電極によって圧電素板に電圧が印加されることによって圧電素板が振動する。この振動は、例えば、発振信号(例えば一定の周波数で信号強度が振動する信号)の生成に利用される。
また、圧電素子は、2つの励振電極から圧電素板の一端(例えば矩形状の圧電素板の1つの短辺)に向かって引き出されている2つの引出電極と、圧電素板の一端に位置し、2つの引出電極に接続されている2つの接続電極と、を有している。2つの接続電極は、例えば、パッケージが有している2つのパッドと導電性の接合材によって接合される。これにより、圧電素子は、パッケージに電気的に接続されるとともに、パッケージによって支持される。
特許文献1の図21(b)では、2つの励振電極が表裏に設けられる板状の振動部と、平面視において振動部から突出する突出部とを有している水晶素板が開示されている。突出部には、パッケージに接合される2つのマウント部が設けられている。2つのマウント部は、平面視において、突出部の突出方向に直交する方向に互いに離れている。
特開2013-42440号公報
例えば、実装のための導電性の接合材が短絡する蓋然性を低減できる圧電素子及び圧電デバイスが提供されることが待たれる。
本開示の一態様に係る圧電素子は、第1方向及び前記第1方向に直交する第2方向に広がっている板状の主部と、前記主部の平面視において、前記主部の前記第1方向の第1側の第1縁部のうちの中央側の一部から前記第1側へ突出している突出部と、を有している圧電素板と、前記主部の表裏に重なっている2つの励振電極と、前記2つの励振電極から引き出されている2つの引出電極と、前記突出部に位置しており、前記2つの引出電極を介して前記2つの励振電極と接続されている2つの接続電極と、を有しており、前記突出部は、前記圧電素板の厚み方向の一方側に面している被実装面を有しており、前記2つの接続電極は、前記被実装面に位置している部分を有しているとともに前記被実装面において前記第2方向に互いに離れており、前記被実装面の、前記2つの接続電極の間に、凹部、凸部又は貫通孔の少なくとも1つを含む介在部が位置している。
本開示の一態様に係る圧電デバイスは、上記圧電素子と、2つのパッドを有しているパッケージと、前記2つの接続電極と前記2つのパッドとを接合しているとともに導電性を有している2つの接合材と、を有している。
上記の構成によれば、例えば、実装のための導電性の接合材が短絡する蓋然性を低減できる。
第1実施形態に係る水晶素子を示す斜視図。 図1の水晶素子を示す他の斜視図。 図1の水晶素子の実装構造を示す斜視図。 図3のIV-IV線における断面図。 図4の一部を拡大した断面図 図1の水晶素子を有する水晶デバイスの分解斜視図。 図6のVII-VII線における断面図。 第2実施形態に係る水晶素子を示す断面図。 第3実施形態に係る水晶素子を示す断面図。 第4実施形態に係る水晶素子を示す斜視図。 図11(a)及び図11(b)は水晶素子が有する介在部の変形例を示す平面図。 水晶素子が有する突出部の断面形状に係る変形例を示す断面図。 図13(a)及び図13(b)は水晶素子が有する突出部の平面形状に係る変形例を示す平面図。 水晶素子の実装に係る変形例を示す斜視図。
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明で用いられる図は模式的なものである。従って、例えば、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。図面同士において同一の部材の寸法比率も必ずしも一致しない。また、細部の図示が省略されることがあり、一部の形状が誇張されて図示されることがある。ただし、上記は、実際の寸法比率が図面のとおりとされてもよいこと、及び図面から形状及び寸法比率等の特徴が抽出されてよいことを否定するものではない。
図面には、便宜上、直交座標系D1-D2-D3を付すことがある。実施形態に係る圧電素子及び圧電デバイスは、いずれの方向が上下方向又は水平方向とされてもよい。ただし、便宜上、+D3側を上方とした表現をすることがある。また、平面視又は平面透視は、特に断りが無い限り、D3方向に平行に見ることを指す。また、図面の理解を容易にするために、比較的薄い層(例えば導体層)の表面(すなわち断面でない面)にハッチングを付すことがある。
相対的に後に説明される態様(実施形態及び変形例)の説明においては、基本的に、先に説明された態様との相違点についてのみ述べる。特に言及が無い事項は、先に説明された態様と同様とされたり、先に説明された態様から類推されたりしてよい。先に説明された態様の説明は、矛盾等が生じない限り、後に説明される態様に援用されてよい。複数の態様において、互いに対応する部材については、便宜上、相違点があっても同一の符号を付すことがある。
平面形状の縁部を指す用語としての「辺」は、一般に、多角形の縁部(換言すれば直線)を指すが、実施形態の説明では、便宜上、多角形でなくてもよい形状の縁部(例えば曲線状であってもよい縁部)に用いられることがある。同様に、「長辺」及び「短辺」は、一般に、長方形の辺を指すが、実施形態の説明では、便宜上、長方形以外の縁部に用いられることがある。「平行」は、通常、直線同士の距離が一定である関係を指すが、実施形態の説明では、便宜上、直線でなくてよい線(例えば曲線)同士の距離が一定である関係に用いられることがある。
矩形又は矩形状というとき、特に断りが無い限り、角部が面取りされているなど、厳密に正方形又は狭義の長方形でなくてもよいものとする。矩形以外の多角形についても同様である。ここでいう面取りは、製造上の誤差(公差)によって生じる角部の丸みの大きさよりも大きいものである。公差が存在していてよいことは、面取りに限らず、いうまでもないことだからである。
<第1実施形態>
(水晶素子の概要)
図1は、第1実施形態に係る水晶素子1(圧電素子の一例)の斜視図である。図2は、図1とは反対側から水晶素子1を見た斜視図である。
水晶素子1は、例えば、交流電圧が印加されることによって振動を生じるものである。この振動は、例えば、一定の周波数で信号強度(例えば電圧及び/又は電流)が振動する発振信号の生成に利用される。このような水晶素子1は、例えば、水晶振動子又は水晶発振器に含まれる。発振信号の周波数は任意である。
水晶素子1は、例えば、水晶素板3(圧電素板の一例)と、水晶素板3に重なっている(少なくとも)2つの導体パターン5(図示の例では第1導体パターン5A及び第2導体パターン5B)と、を有している。2つの導体パターン5は、互いに短絡されていない。
水晶素板3は、板状の主部13と、平面視において主部13から突出している突出部15とを有している。主部13は、D1方向(第1方向)及びD2方向(第1方向に直交する第2方向)に広がっている。突出部15は、平面視において主部13の+D1側(第1方向の第1側)の縁部13eの中央側の一部から+D1側に突出している。
各導体パターン5は、例えば、励振電極7と、励振電極7から引き出されている引出電極9と、引出電極9に接続されている接続電極11と、を有している。すなわち、水晶素子1は、1対の励振電極7と、1対の引出電極9と、1対の接続電極11と、を有している。
1対の励振電極7は、主部13の表裏に重なっており、主部13に電圧(電界)を印加することに寄与する。1対の接続電極11は、突出部15に位置しており、水晶素子1の実装に寄与する。具体的には、例えば、後述する図7に示すように、接続電極11とパッケージ103とが導電性の接合材105によって接合される。これにより、水晶素子1がパッケージ103に電気的に接続されるとともに固定される。
なお、水晶素子1は、パッケージ103以外の部材(例えば回路基板)に実装されてもよい。ただし、実施形態の説明では、便宜上、パッケージ103に実装されることを前提とした表現をすることがある。
パッケージ103を介して1対の接続電極11に交流電圧が印加されると、その交流電圧は1対の引出電極9を介して1対の励振電極7に印加される。これにより、1対の励振電極7によって主部13に交流電圧(電界)が印加され、主部13が振動する。
突出部15の表面のうち、パッケージ103の水晶素子1が実装される面(図7に示す第1基板面111c)に対向する面(-D3側の面)を被実装面15mと称するものとする。図2に示すように、各接続電極11は、少なくとも被実装面15mに位置する部分(下面部11b)を有している。また、2つの接続電極11(下面部11b)は、被実装面15mにおいて、D2方向に互いに離れている。
被実装面15mは、2つの接続電極11(下面部11b)の間に位置する介在部17を有している。介在部17は、凹部、凸部及び貫通孔の少なくとも1つを有している。図2の例では、介在部17は、2つの凹部19を有している。
上記のとおり、本実施形態では、2つの接続電極11は、主部13の縁部13e(換言すれば1辺)の一部から突出する突出部15に位置している。従って、例えば、2つの接続電極11に加えられる力に起因する突出部15の歪は、縁部13eの全体を介して主部13に伝わるのではなく、縁部13eの一部のみを介して主部13に伝わる。これにより、突出部15の歪が主部13の振動に及ぼす範囲が限定的となる。その結果、振動特性の低下を低減したり、及び/又は振動特性の低下の予測を容易化したりできる。なお、2つの接続電極11に加えられて水晶素板3に歪を生じさせる力としては、例えば、水晶素子1(水晶素板3)とパッケージ103との熱膨張差によるもの、及び接合材105の硬化収縮によるものが挙げられる。
上記のような効果を得ることができる一方で、2つの接続電極11が突出部15に位置している態様では、2つの接続電極11の距離が短くなる蓋然性が高い。その結果、例えば、2つの接続電極11に接合される2つの接合材105が短絡する蓋然性が高くなる。しかし、2つの接続電極11の間に介在部17が位置していることによって、そのような蓋然性が低減される。例えば、図示の例のように、介在部17が凹部19を含んでいる態様においては、接合材105のうち、意図された領域よりも外側に広がる部分は、凹部19に入り込む。これにより、接合材105が更に広がる蓋然性が低減され、ひいては、2つの接合材105が短絡する蓋然性が低減される。
以上が第1実施形態に係る水晶素子1の概要である。以下において、第1実施形態の説明は、概略、下記の順に行う。
1.水晶素子1全般に係る事項
2.水晶素板3
2.1.主部13
2.2.突出部15
2.3.突出部15の側面(図5)
3.導体パターン5
3.1.励振電極7
3.2.接続電極11
3.3.引出電極9
4.介在部17(図2及び図4)
5.水晶素子1の実装構造(図3~図5)
6.水晶素子1の寸法の例
7.水晶素子1の利用例(図6及び図7)
8.第1実施形態についてのまとめ
(1.水晶素子全般に係る事項)
水晶素子1は、例えば、いわゆるATカット型の水晶素子とされている。ATカット型においては、1対の励振電極7によって水晶素板3に交流電圧が印加されることによって、いわゆる厚み滑り振動が生じる。水晶素子1は、厚み滑り振動以外の振動を利用するものであっても構わない。厚み滑り振動以外の振動としては、例えば、屈曲振動モード、捩じり振動モード、長さ縦振動モード、幅縦振動モード、幅・長さ縦結合振動モード及び輪郭すべり振動モードが挙げられる。また、厚み滑り振動を利用する水晶素子1は、ATカット以外のカット角のものであっても構わない。例えば、水晶素子1は、BTカット型のものであってもよい。
なお、本実施形態の説明では、便宜上、特に断り無く、水晶素子1がATカット型のものであることを前提とした説明及び表現をすることがある。
水晶素子1は、例えば、後に詳述するように、パッケージ103の凹部R1の底面(第1基板面111c)に対向するように実装される(図7参照)。水晶素子1は、+D3側及び-D3側のいずれが第1基板面111cに対向する側とされてもよいように構成されていてもよいし、そのように構成されていなくてもよい(図示の例)。例えば、水晶素子1は、D1方向に平行な不図示の対称軸(中心線)に関して180°回転対称の構成とされていてもよいし、そのような構成とされていなくてもよい(図示の例)。本実施形態の説明では、基本的に、-D3側が第1基板面111cに対向する側として想定されている態様を例にとる。
水晶素子1は、種々の方法によって作製されてよい。例えば、水晶素板3は、エッチング(例えばウェットエッチング)によって作製されてよい。
エッチングによって作製される水晶素板3は、後に図5を参照して説明するように、エッチングに対する水晶の異方性に起因して、側面等に傾斜面(別の観点では結晶面)を有していることがある。実施形態の説明では、そのような傾斜面の存在について無視することがある。寸法等の説明において、厳密性が要求される場合においては、その説明は、合理性を欠いたり、矛盾が生じたりしない限り、傾斜面を無視して適用されてもよいし、傾斜面を考慮して適用されてもよい。例えば、水晶素板3のD1方向の長さというとき、当該長さは、+D3側の面又は-D3側の面の長さ(結晶面を除いた長さ)であってもよいし、平面透視における最大長さ(結晶面を考慮した長さ)であってもよい。
(2.水晶素板)
上記の説明から理解されるように、水晶素板3のカット角は任意である。ATカットの水晶素板3においては、例えば、結晶のX軸はD1方向に平行であり、結晶のY’軸はD3方向に平行であり、結晶のZ’軸はD2方向に平行である。Y’軸及びZ’軸は、典型的には、Y軸及びZ軸をX軸回りに35°15′だけ回転させて得られる軸である。35°15′は、35°15′±10°とされてもよい。D1方向の正側とX軸の正側とは互いに同じ側であってもよいし、互いに逆側であってもよい。他の方向の正負と他の軸の正負との関係についても同様である。厚み滑り振動は、+D3側の面と-D3側の面とをD1方向(X軸方向)に相対移動させる振動である。
水晶素板3は、全体として、概略板状とされている。板状は、例えば、所定方向(D3方向)の長さ(厚さ)が上記所定方向に直交する平面に沿う方向(D1-D2平面に沿う方向)の長さに比較して十分に短い形状である。このような寸法に基づく板状であるか否かの判断は、合理的になされてよい。なお、板状といえる寸法の例については後述する(第6節参照)。板状の部位について表裏の語は、板状の最も広い面(-D3側の面及び+D3側の面)を指すことがあり、本実施形態の説明では、主面と称することがある。
水晶素板3の具体的な形状は、種々のものとされてよい。図示の例では、水晶素板3は、全体として平板状とされている。すなわち、水晶素板3の2つの主面は、互いに平行な平面状である。また、別の観点では、水晶素板3の厚さは一定である。
水晶素板3の形状は、平板状以外の形状であってもよい。そのような形状としては、例えば、以下のものを挙げることができる。1対の励振電極7と重なって励振される領域(メサ部。例えば、主部13の中央側の一部の領域)が、その外周の領域よりも厚い、いわゆるメサ型。上記とは逆に、1対の励振電極7と重なって励振される領域(逆メサ部。例えば、主部13の中央側の一部の領域)が外周の領域よりも薄い、いわゆる逆メサ型。1対の励振電極7と重なって励振される振動部(例えば主部13の全部又は一部)と、当該振動部の縁部の一部(例えば1辺、2辺又は3辺)に隣接し、振動部よりも厚く、1対の接続電極11が位置する固定部(突出部15の全部又は一部を含む部分)と、を有するもの。外周部(例えば主部13の外周部)において外周縁に近づくほど薄くなるベベル型。上記の振動部及び固定部を有する水晶素板においては、固定部が、振動部に対して、一方の面側(例えば-D3側)に厚くなるものと、両面側(-D3側及び+D3側)に厚くなるものとがある。
水晶素板3の形状は、対称性を有していてもよいし(図示の例)、有していなくてもよい。後者の例としては、例えば、既述の振動部及び固定部を有する水晶素板において、固定部が振動部に対して一方の面側(-D3側)にのみ厚くなっているもの、及び平面視において固定部が振動部の2辺に沿って位置しているもの(固定部がL字状を呈しているもの)を挙げることができる。
水晶素板3は、図示の例とは異なり、適宜な位置に、種々の目的で、介在部17に含まれない、凹部、凸部及び貫通孔を有していてもよい。例えば、水晶素板3は、主部13と突出部15との間に位置する凹部、凸部及び/又は貫通孔を有していてもよい。このような凹部、凸部及び/又は貫通孔は、例えば、接続電極11のパッケージ103に対する固定が励振電極7の領域における振動に及ぼす影響を低減することに寄与してよい。また、貫通孔は、例えば、導体パターン5の表裏の導通に寄与してよい。
水晶素板3(主部13及び突出部15を含む全体)の平面形状は、D1方向及びD2方向のいずれを長手方向としていてもよいし(換言すれば、いずれの方向の最大長さが他の方向の最大長さよりも長くてもよいし)、長手方向及び短手方向の区別ができなくてもよい。なお、D1方向は、主部13から突出部15への方向、及び突出部15の突出方向であり、また、別の観点では、厚み滑り振動の方向である。図示の例では、D1方向が長手方向とされている。
(2.1.主部)
主部13は、概略、板状を呈している。板状については既述のとおりである。また、既述の説明から理解されるように、図示の例では、主部13は、平板状である。
図示の例では、主部13の平面形状は、矩形状とされている。すなわち、主部13は、互いに平行な1対の辺と、互いに平行な他の1対の辺とを有している。前者の1対の辺と後者の1対の辺とは互いに直交している。別の観点では、主部13の平面形状は、互いに対向する1対の縁(直線とは限らない)と、互いに対向する他の1対の縁(直線とは限らない)とを有している。前者の1対の縁と後者の1対の縁とは互いに交差している(直交するとは限らない)。換言すれば、主部13の平面形状は、その輪郭が4つの縁によって構成されていると捉えることができる形状である。
主部13の平面形状は、矩形状以外の形状であってもよい。そのような形状としては、例えば、円形状、楕円状又は多角形状(矩形状以外)が挙げられる。また、主部13の平面形状は、多角形の任意の数の辺(例えば矩形状の1辺、2辺、3辺又は4辺)を外側に曲線状に膨らませた形状とされてもよい。なお、円形状及び楕円形状の例から理解されるように、主部13の平面形状は、互いに異なる方向に面している縁部(例えば-D1側の縁部及び+D2側の縁部)の境界が明瞭でない形状であっても構わない。矩形状の任意の数の辺を外側に曲線状に膨らませた形状は、4つの縁によって構成されていると捉えることができる主部13の平面形状の例である。
主部13の平面形状は、D1方向及びD2方向のいずれを長手方向としていてもよいし、長手方向及び短手方向の区別ができない形状(例えば正方形状又は円形状)であってもよい。図示の例では、主部13は、D1方向が長手方向とされている。なお、主部13と突出部15とはD1方向に並んでいるから、主部13の長手方向がD1方向である態様においては、水晶素板3の全体の長手方向もD1方向である。主部13の長手方向がD2方向である態様において、水晶素板3の全体の長手方向と、主部13の長手方向とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
(2.2.突出部)
突出部15は、既述のように、板状の主部13の平面視において、主部13の-D1側の縁部13eの中央側の一部から-D1側へ突出している。そのように捉えることができる限り、突出部15の形状及び寸法は、任意のものとされてよい。
上記にいう縁部13eの中央側の一部は、例えば、平面視において、縁部13eの長さの中央(例えば中点)を含み、縁部13eの両端を含まない部位である。縁部13eの中央側の一部は、縁部13eの全長よりも短い長さを有している。縁部13eの中央側の一部の中央(別の観点では突出部15の根元の中央)は、縁部13eの中央に一致していてもよいし(図示の例)、一致していなくてもよい。ここでいう一致は、両者のD2方向のずれが、縁部13eの中央側の一部のD2方向の長さ(突出部15の根元の幅)の1/5以下又は1/10以下である状態とされてよい。
図示の例では、主部13の平面形状は、矩形状であり、-D1側の縁部13eは、その両端(他の方向の縁部との境界)が明確である。ひいては、突出部15が縁部13eの中央側の一部から-D1側に突出しているか否かも明確である。主部13の形状が4つの縁部を概念できる他の形状(例えば矩形状の4つの縁部の少なくとも1つを外側に曲線状に膨らませた形状)である態様においても同様である。なお、縁部13eと側方(-D2側又は+D2側)の縁部との角部が比較的大きく面取りされている態様においては、面取りされていない状態の仮想的な縁部13eを基準として、突出部15が縁部13eの中央側の一部から突出しているか否かが特定されてもよい。
図示の例とは異なり、主部13が円形状又は楕円形状である態様のように、主部13において、-D1側の縁部13eと、他の縁部との境界が明瞭でない態様(別の観点では縁部13eが-D1側に突出している形状)においても、水晶素板3が縁部13eの中央側の一部から突出している突出部15を有しているか否かを把握することは可能である。その判断は、合理的になされてよい。例えば、水晶素板3が突出部15を有している場合においては、水晶素板3の平面形状は、数学でいう凸集合がなす形状でなくなる。別の観点では、水晶素板3が突出部15を有している場合、突出部15の根元の両側には曲線状又は角状の凹みが形成される。水晶素板の外周縁のうちの-D1側に多少なりとも面している範囲のうちの当該範囲の両端を除く部分にそのような2つの凹みが位置していることに基づいて、-D1側の縁部13eの中央側の一部から突出している突出部15が存在していることが確認されてよい。
突出部15は、例えば、概略、板状を呈している。板状については既述のとおりである。また、既述の説明から理解されるように、図示の例では、突出部15は、平板状である。図示の例とは異なり、突出部15は、その一部又は全部の厚さが相対的に厚くされることなどによって、板状とは捉えがたい形状とされていてもよい。また、突出部15は、その一部が厚くされることなどによって、平板状とは捉えがたい形状とされていてもよい。突出部15の厚さは、主部13の厚さに対して、同等であってもよいし(図示の例)、厚くてもよいし、薄くてもよい。
図示の例では、突出部15の平面形状は、矩形状とされている。図示の例とは異なり、突出部15の平面形状は、矩形状以外の形状であってもよい。そのような形状としては、例えば、主部13側を中心側とする半円状、主部13側を中心側とする半楕円状、主部13側を底辺側とする三角形状、主部13側を下底側とする台形状(後述する図13(a)参照)又は5角形以上の多角形状が挙げられる。また、突出部15の平面形状は、多角形の任意の数の辺(例えば矩形状の1辺、2辺又は3辺)を外側に曲線状に膨らませた形状とされてもよい。
別の観点では、突出部15の平面形状は、例えば、幅(D2方向の長さ)がD1方向において一定である形状とされてもよいし(図示の例)、D1方向の一部又は全部において、-D1側(先端側)ほど幅が狭くなる形状であってもよいし(後述する図13(a)参照)、D1方向の一部又は全部において、-D1側ほど幅が広くなる形状であってもよい。突出部15が、幅が狭く、及び/又は広くなる部分を有する態様において、幅の変化は、連続的なものであってもよいし、段階的なものであってもよい。別の観点では、平面視において、突出部15の-D2側及び/又は+D2側の側面は、例えば、その全体に亘ってD1方向に傾斜する直線状であってもよいし、その全体に亘って曲線状であってもよいし、1カ所以上の位置に段差及び/又は角部を有していてもよい。
突出部15の平面形状は、主部13の平面形状と類似していてもよいし、全く異なっていてもよい。前者としては、主部13及び突出部15が矩形状である態様が挙げられる(図示の例)。後者としては、主部13が円形状又は楕円形状で、突出部15が多角形状(例えば矩形状)である態様が挙げられる。
突出部15の平面形状は、D1方向及びD2方向のいずれを長手方向としていてもよいし(換言すれば、いずれの方向の最大長さが長くてもよいし)、長手方向及び短手方向の区別ができない形状(例えば正方形状)であってもよい。また、突出部15の長手方向は、主部13の長手方向及び/又は水晶素板3全体の長手方向と一致していてもよいし、異なっていてもよい。なお、突出部15のD1方向の長さ(後に具体的な値を例示する)は、例えば、主部13の-D1側の縁部13eと突出部15との境界線からの長さ(例えば最大長さ)とされてよい。境界線は、縁部13eの突出部15の両側の部分を仮想的に延長することによって特定されてよい。境界線の特定が困難な場合においては、突出部15の根元の両側(既述の2つの凹み)を結ぶ直線を基準としてもよい。
突出部15は、主部13の縁部13eの中央側の一部から突出しているから、突出部15の根元の幅(D2方向の長さ)は、主部13の-D3側の縁部13eの両端間の距離(D2方向)よりも小さい。この点を除いて、突出部15の主部13に対する相対的な大きさは任意である。
例えば、図示の例では、突出部15のD1方向の全体に亘って、突出部15の幅(D2方向)は、縁部13eの両端間の距離よりも小さくされており、ひいては、主部13の最大幅(D2方向)よりも小さくされている。換言すれば、突出部15の最大幅は、縁部13eの両端間の距離及び主部13の最大幅よりも小さい。図示の例とは異なり、突出部15の最大幅は、縁部13eの両端間の距離又は主部13の最大幅に対して、同等であってもよいし、大きくてもよい。例えば、突出部15は、概略T字状(-D1側がT字の上方)とされ、最大幅が縁部13eの両端間の距離及び/又は主部13の最大幅と同等とされてもよい。
また、例えば、突出部15のD1方向の長さ(例えば最大長さ)は、主部13のD1方向の長さ(例えば最大長さ又は平均長さ)よりも短い。図示の例とは異なり、前者は、後者に対して、同じであってもよいし、長くてもよい。また、突出部15のD1方向の長さは、主部13のD2方向の長さに対して、短くてもよいし(図示の例)、同等でもよいし、長くてもよい。
(2.3.突出部の側面)
図3は、パッケージ103に実装された状態の水晶素子1の一部(突出部15側の部分)を拡大して示す斜視図である。図4は、図3のIV-IV線における断面図である。図5は、図4の横方向(D2方向)の両側を拡大して示す断面図である。
既述のように、水晶素板3の側面は、エッチングに対する水晶の異方性に起因して現れた結晶面(別の観点ではD3方向に対して傾斜する傾斜面)を有していてよい。結晶面は、原子の配列(別の観点ではX軸、Y軸及びZ軸)に対して特定の向き(角度)を有している面である。図1~図4では、既に断り書きしたように、結晶面の存在を無視して水晶素板3の側面が描かれている。一方、図5では、水晶素板3(より詳細には突出部15)が有する結晶面の一例が示されている。
図5では、突出部15の-D2側又は+D2側に面している側面15cが図示されている。念のために記載すると、側面15cは、突出部15において、上面と下面(被実装面15m)とをつなぐ面である。また、既述のように、ATカット型において、D2方向は、Z’方向である。そして、側面15cは、結晶面の一例であるm面15caと、結晶面の他の一例である結晶面15cbとを有している。m面15caと結晶面15cbとは交差している。側面15cは、別の観点では、外側に膨らむ形状である。そして、側面15cは、下方(-D3側)ほど外側に位置するように傾斜している第1傾斜面(+D2側の側面15cにおいては結晶面15cb、-D2側の側面15cにおいてはm面15ca)と、第1傾斜面の下方に位置しており、下方ほど内側に位置するように傾斜している面(+D2側の側面15cにおいてはm面15ca、-D2側の側面15cにおいては結晶面15cb)とを有している。
m面15caは、Z軸を軸とする柱体(通常は六角柱)の側面(Z軸に平行な面)である。ATカット型においては、6個のm面のうち、Y軸に直交する2つのm面がZ’方向(D2方向)の両側の側面に現れる。D3方向に対するm面15caの傾斜角を角度θ1とする。このとき、ATカット型においては、ATカットの定義から明らかなように、角度θ1は、90°-35°15′=約55°(例えば53°以上57°以下)である。なお、m面15caは、比較的、エッチング条件によらずに現れやすい面である。m面15caのD2-D3断面(Y′Z′断面)における大きさは適宜に設定されてよい。例えば、m面15caのD3方向(Y′軸方向)に平行な長さは、突出部15の厚さに対して、30%以上70%以下、40%以上60%以下、又は50%(図示の例)とされてよい。
結晶面15cbは、エッチング条件(エッチング時間等)によって異なる。例えば、D2方向に対する結晶面15cbの傾斜角を角度θ2とする。このとき、ATカット型において、角度θ2は、例えば、約3°(図示の例)、約18°、又は約37°である。なお、上記に例示した角度θ2は、角度θ1よりも小さい。上記の例示とは異なり、角度θ2は、角度θ1よりも大きくてもよい。特に図示しないが、側面15cは、m面15caを含む3以上の結晶面を有していてもよい。例えば、側面15cは、1つのみの結晶面15cbに代えて、角度θ2が約3°の結晶面、角度θ2が約18°の結晶面及び角度θ2が約37°の結晶面の2つ以上の結晶面を有していてもよい。また、側面15cは、m面15caに対して結晶面15cbとは反対側に結晶面を有していてもよい。側面15cは、結晶面とは断定できない傾斜面(例えば曲面状の傾斜面)を有していてもよい。
(3.導体パターン)
図1及び図2に戻って、導体パターン5の材料は、例えば、金属とされてよい。金属としては、例えば、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、金(Au)若しくは銀(Ag)又はこれらの少なくとも1つを主成分とする合金を挙げることができる。導体パターン5は、単一の材料からなる1層の導体層によって構成されていてもよいし、互いに異なる材料からなる複数の導体層が積層されて構成されていてもよい。導体パターン5は、例えば、その面積全体に亘って材料の構成が同じであってもよいし、領域によって材料の構成が異なっていてもよい。導体パターン5の厚さは、例えば、その全体に亘って概ね一定である。
(3.1.励振電極)
1対の励振電極7は、既述のように主部13に電圧を印加すべく、主部13の両主面(表裏の面)に位置している。1対の励振電極7は、例えば、平面透視において概ね互いに過不足なく重なる。ただし、互いに重複しない部位が存在しても構わない。平面視における励振電極7の位置、形状及び大きさ等は適宜に設定されてよい。
例えば、励振電極7は、主部13の中央側の領域に位置している。別の観点では、励振電極7は、主部13の外縁から離れて位置している。励振電極7の幾何中心は、例えば、主部13(又は、既述のメサ部、逆メサ部若しくは振動部。本段落において以下同様。)の平面視における幾何中心とD2方向において概ね一致している。また、励振電極7の幾何中心は、主部13の幾何中心に対して、一致していてもよいし、+D1側(2つの接続電極11とは反対側)に位置していてもよいし(図示の例)、-D1側に位置していてもよい。
また、例えば、平面視において、励振電極7の形状は、主部13(又は、既述のメサ部、逆メサ部若しくは振動部。本段落において以下同様。)の形状と類似する形状であってもよいし、異なる形状であってもよい(図示の例)。前者としては、例えば、主部13の形状が矩形状であるのに対して、励振電極7の形状が主部13の長辺と平行な長辺を有する矩形状である(少なくとも一方は正方形であってもよい。)態様を挙げることができる。また、後者としては、図示の例のように、主部13の形状が矩形状であるのに対して、励振電極7の形状が円形状、楕円状又は多角形状(矩形状を除く)である態様を挙げることができる。
平面視において励振電極7の形状と主部13(又は、既述のメサ部、逆メサ部若しくは振動部。本段落において以下同様。)の形状とが類似するにせよ、類似しないにせよ、主部13の平面形状の説明は、矛盾等が生じない限り、励振電極7の平面形状に援用されてよい。また、励振電極7及び主部13が長手方向及び短手方向を特定できる形状である態様において、その長手方向は、主部13の長手方向と一致していてもよいし、一致していなくてもよい。
(3.2.接続電極)
2つの接続電極11は、既述のように、突出部15に位置している。なお、このようにいうとき、各接続電極11は、その全体が突出部15に位置していてもよいし(図示の例)、一部(例えば大部分)が突出部15に位置していてもよい。上記大部分は、例えば、接続電極11の面積の6割以上又は8割以上を有する部分であってよい(以下、同様。)。なお、ここでの説明とは異なり、導体パターン5のうち突出部15に位置する部分を接続電極として捉えてもよい。2つの接続電極11が共に突出部15に位置していることから、2つの接続電極11が接合材105によってパッケージ103に固定されると、主部13は、片持ち梁状に支持される(図7参照)。
2つの接続電極11は、既述のように、D2方向において互いに離れている。2つの接続電極11(位置、形状及び大きさ)は、例えば、水晶素板3及び/又は突出部15のD1方向に平行な中心線(不図示)に対して、概略、線対称とされてよい。ただし、両者の位置、形状及び/又は大きさは非対称であっても構わない。
各接続電極11は、例えば、以下の3つの部分を有していると捉えることができる。突出部15の上面に重なっている上面部11a。突出部15の下面(被実装面15m)に重なっている下面部11b。突出部15の側面に重なり、上面部11aと下面部11bとをつないでいる中間部11c。被実装面15mは、既述のように、パッケージ103の第1基板面111cに対向する面である。従って、下面部11bは、第1基板面111cに対向する部分である。
平面透視したとき、上面部11a及び下面部11bの位置、形状及び大きさは、互いに同一であってもよいし(図示の例)、互いに異なっていてもよい。別の観点では、既述のように、水晶素子1がパッケージ103に実装されるとき、第1基板面111cに対向する面は、+D3側の面及び-D3側の面の一方(ここでは-D3側の面)に限られていてもよいし(図示の例)、限られていなくてもよい。前者の態様において、接続電極11は、下面部11bのみ、又は下面部11b及び中間部11cのみを有していてもよい。
上記の各部の具体的な位置、形状及び大きさは適宜に設定されてよい。図示の例では、2つの接続電極11は、被実装面15mのD2方向の両側の縁部に重なっている。このようにいうとき、例えば、少なくとも、各下面部11bが、被実装面15mの-D2側又は+D2側の縁部にまで広がっている。図示の例では、下面部11bの-D2側又は+D2側の縁部の全体が、被実装面15mの-D2側又は+D2側の縁部に一致している。
また、図示の例では、各中間部11cが突出部15の-D2側又は+D2側の側面に重なっている。各上面部11aは、突出部15の上面の-D2側又は+D2側の縁部にまで広がっている。より詳細には、上面部11aの-D2側又は+D2側の縁部の全体が、被実装面15mの-D2側又は+D2側の縁部に一致している。
また、図示の例では、各接続電極11は、突出部15の-D1側の側面に位置する部分(-D1側の側面に位置する中間部11c)を有していない。さらに、各接続電極11は、突出部15の-D1側の側面から離れている。例えば、下面部11bは、被実装面15mの-D1側の縁部から離れている。上面部11aは、突出部15の上面の-D1側の縁部から離れている。中間部11cは、突出部15の-D2側又は+D2側の側面の、-D1側の縁部から離れている。
また、図示の例では、各接続電極11は、主部13に位置する部分を有していない。さらに、各接続電極11は、主部13から離れている。すなわち、下面部11b、上面部11a及び中間部11cは、突出部15(被実装面15m)と主部13との境界線(不図示)から離れている。
なお、接続電極11の位置は、上記(図示の例)とは異なっていてもよい。例えば、下面部11bは、被実装面15mの-D2側又は+D2側の縁部にまで広がっていなくてもよい。また、例えば、下面部11bが被実装面15mの-D2側又は+D2側の縁部にまで広がっている一方で、中間部11cが突出部15の-D2側又は+D2側の側面に位置していなかったり、及び/又は上面部11aが突出部15の上面の-D2側又は+D2側の縁部にまで広がっていなかったりしてもよい。下面部11b、上面部11a及び中間部11cの少なくとも1つが、突出部15の-D1側の縁部に到達していたり、及び/又は主部13に到達していたりしてもよい。また、例えば、突出部15の-D1側の側面に位置する中間部11c、及び/又は主部13に位置する部分(下面部11b、上面部11a及び/又は中間部11c)が存在してもよい。
図示の例では、上面部11a及び下面部11bそれぞれは、D1方向を長手方向とする矩形状とされている。その1辺は、図示の例では、突出部15の-D2側又は+D2側の1辺と一致している。なお、図示の例とは異なり、下面部11b及び/又は上面部11aは、矩形状以外の形状(例えば、円形状、楕円状又は多角形状(矩形状を除く))であってもよい。また、下面部11b及び/又は上面部11aにおいて、長手方向は他の方向(例えばD2方向)であってもよいし、長手方向及び短手方向の区別ができなくてもよい。
図示の例では、中間部11cは、D1方向を長手方向とする矩形状とされている。また、中間部11cのD1方向の長さは、下面部11b(より詳細には-D2側又は+D2側の縁部)のD1方向の長さ、及び上面部11a(より詳細には-D2側又は+D2側の縁部)のD1方向の長さと概ね同じである。そして、中間部11cは、D1方向において、下面部11b及び上面部11aの全長に亘って両者を接続している。図示の例とは異なり、中間部11cは、D1方向において、下面部11b及び/又は上面部11aに対して、短く、又は長くてもよい。
(3.3.引出電極)
各引出電極9の位置、形状及び寸法は、自己に対応する励振電極7及び接続電極11を相互に接続することができる限り、種々のものとされてよい。図示の例では、引出電極9は、まず、励振電極7の-D1側の縁部の-D2側又は+D2側(別の観点では自己に対応する接続電極11が位置する側)の端部からD1方向に平行に-D1側へ直線状に一定の幅で延びている。その後、引出電極9は、水晶素板3の+D3側又は-D3側の面上において、一定の幅を維持しつつ、主部13の-D1側(突出部15側)の縁部、及び突出部15の-D2側又は+D2側の縁部に沿って延び、接続電極11に至っている。引出電極9の幅(延びる方向に直交する方向の長さ)は、接続電極11のD2方向の長さと同等とされている。
特に図示しないが、引出電極9に関して、上記(図示の例)とは異なる態様の例をいくつか例示する。
例えば、引出電極9は、励振電極7の-D1側の縁部と、-D2側又は+D2側の縁部とがなす角部から延び出ていてもよいし、-D2側又は+D2側の縁部の-D1側の端部から延び出ていてもよい。また、引出電極9は、励振電極7からD1方向に平行に延び出るのではなく、-D1側ほど水晶素板3のD2方向の外側に位置するようにD1方向に対して傾斜する方向に延び出ていてもよい。そして、引出電極9は、適宜な位置でD2方向の内側に方向転換することなどにより、突出部15へ向かってよい。これらの態様においては、引出電極9は、励振電極7に対して-D1側に隣接する部分が低減される。その結果、例えば、ATカット型において、励振電極7の-D1側に隣接する領域における振動に引出電極9が及ぼす影響が低減される。
また、例えば、引出電極9は、水晶素板3の側面に位置する部分を有していてもよい。より詳細には、例えば、上記のように、引出電極9が励振電極7からD1方向に対して傾斜する方向に延び出ている態様において、引出電極9は、主部13の-D2側又は+D2側の側面に位置する部分を有していてもよい。また、例えば、引出電極9が励振電極7からD1方向又はD1方向に傾斜する方向に延び出ている態様において、引出電極9は、主部13の-D1側の側面に位置する部分を有していてもよい。また、例えば、引出電極9は、突出部15の-D2側又は+D2側の側面に位置する部分を有していてもよい。また、例えば、引出電極9の中途部分、又は引出電極9の接続電極11側の端部は、水晶素板3の側面のみに位置していてもよい(水晶素板3の主面に位置していなくてもよい。)。
また、例えば、引出電極9は、その全体が水晶素板3の主面上において直線状に延びていてもよい。より詳細には、例えば、引出電極9は、接続電極11の+D1側の縁部からD1方向に平行に励振電極7の-D1側の縁部へ延びていてよい。この場合、引出電極9が励振電極7から延び出る位置は、励振電極7の-D1側の縁部の端部(励振電極7の角部)から離れていてもよい。
また、例えば、引出電極9は、その幅が変化してもよい、例えば、図示の例において、引出電極9は、D2方向の内側(例えば+D3側の引出電極9においては-D2側)の縁部が励振電極7から接続電極11まで直線状になるように、励振電極7側の幅が接続電極11側の幅よりも広くされていてもよい。また、例えば、引出電極9の幅と、接続電極11のD2方向の長さとは、異なっていてもよい。この場合、前者と後者とのいずれが他方よりも大きくてもよい。
(4.介在部)
図2及び図4に示す介在部17は、本実施形態では、既述のように、2つの凹部19を有している。なお、実施形態の説明とは異なり、各凹部19が介在部の一例として捉えられても構わない。凹部19は、換言すれば、介在部17の構成要素であり、特に矛盾が生じない限り、本実施形態の説明における凹部19の語は、介在部17の構成要素の語に置換されてよい。凹部19以外の構成要素としては、既に触れたように、凸部及び貫通孔が挙げられる。
介在部17(別の観点では凹部19)は、被実装面15mにおいて、2つの接続電極11の間に位置している。このようにいうとき、介在部17は、接続電極11から離れていてもよいし、接続電極11と(縁部同士が)接していてもよいし、一部が接続電極11に重なっていてもよい。なお、ここでの説明とは異なり、介在部17の構成要素(例えば凹部19)の一部が接続電極11に重なっているとき、その一部を除いて介在部が定義されてもよい。
また、介在部17は、その全体(全ての凹部19の全面積)が突出部15(又は被実装面15m)のみに位置していてもよいし、突出部15及び主部13に跨っていてもよい。前者の態様において、介在部17(別の観点では凹部19)は、突出部15の縁部(例えば-D1側の縁部)から離れていてもよいし(図示の例)、離れていなくてもよい。後者の態様においては、例えば、介在部17の大部分(例えば全ての凹部19の面積の8割以上)が突出部15(又は被実装面15m)に位置してよい。なお、ここでの説明とは異なり、突出部15及び主部13に跨る凹部が存在するとき、当該凹部の被実装面15mに位置する部分のみを介在部17の構成要素として捉えてもよい。
凹部19の数は任意である。例えば、凹部19の数は、図2及び図4の例のように2つであってもよいし、図2及び図3の例とは異なり、1つのみであってもよいし(後述する図11(a)参照)、又は3以上であってもよい(後述する図11(b)参照)。なお、本実施形態の説明では、便宜上、凹部19が2つであることを前提とした説明及び表現をすることがある。
介在部17は、D1方向において、各接続電極11の全長に亘っていてもよいし(図示の例)、一部に亘っていてもよい。より詳細には、例えば、介在部17が含む全ての凹部19(又は任意の1つの凹部19若しくは接続電極11に最も近い凹部19)をD2方向にD1軸上に投影した第1範囲は、接続電極11をD2方向にD1軸上に投影した第2範囲の全体に亘っていてもよいし(両者が一致する態様を含む。)、第2範囲の一部のみに亘っていてもよい。後者の態様において、第2範囲に対する第1範囲の位置は任意であり、例えば、第1範囲は、第2範囲の中央側の一部に位置していてもよいし、第2範囲の+D1側又は-D1側の一部に位置していてもよい。また、介在部17が含む全ての凹部19の面積及び各凹部19の面積(又は幅)は任意である。
凹部19の形状は任意である。図示の例では、凹部19の平面視における形状は、D1方向を長手方向とする長方形状(別の観点ではD1方向に延びる凹溝状)とされている。図示の例とは異なり、凹部19の平面視における形状は、例えば、円形状、楕円状、又は多角形状(長方形状を除く)であってよい。また、例えば、凹部19の平面視における形状は、上記のような形状を組み合わせた形状であってもよい。そのような形状としては、例えば、L字状、T字状、U字状又は環状(円周状に限定されず、例えば、多角形の辺状であってもよい。)が挙げられる。また、例えば、凹部19は、D1方向以外の方向(例えばD2方向)を長手方向とする形状であってもよいし、長手方向及び短手方向を区別できない形状であってもよい。また、2以上の凹部19を含む介在部17全体としての形状も任意である。
また、凹部19のD2-D3断面(別の観点では凹部19の長手方向に直交する断面)の形状は、例えば、矩形状(図示の例)、台形状、三角形状又は半円状とされてよい。別の観点では、凹部19のD2-D3断面における幅(D2方向の長さ)は、深さ方向(D3方向)において、一定であってもよいし、変化していてもよい。後者の例としては、開口側(-D3側)ほど凹部19の幅が広くなるように凹部19の内面がD3軸に対して傾斜している態様が挙げられる。この傾斜面からなる内面は、エッチングに対する水晶の異方性に起因して現れる結晶面であってもよい。また、凹部19のD2-D3断面における形状は、底面を有する形状(例えば矩形状又は台形状)であってもよいし、底面を有さない形状(例えば三角形状)であってもよい。なお、D2-D3断面を例に取ったが、他の断面(例えばD1-D3断面)においても、矛盾等が生じない限り、上記の説明が援用されてよい。
2以上の凹部19の位置、形状及び/又は寸法は、水晶素板3(及び/又は突出部15)のD1方向に平行な中心線(不図示)に対して、線対称であってもよいし(図示の例)、線対称でなくてもよい。なお、線対称の場合においては、上記中心線上に位置する1つ以上の凹部19が存在しても構わない。
2以上の凹部19は、例えば、D2方向において並んでいる。換言すれば、2以上の凹部19は、D1方向の範囲に関して少なくとも一部同士が重複しており、かつD2方向に互いに離れている。図示の例では、既述のように、2つの凹部19は線対称の位置、形状及び寸法を有しており、ひいては、2つの凹部19は、D1方向の範囲が互いに一致している。
各凹部19のD2方向の位置は任意である。例えば、凹部19が2つの凹部19を有している態様において、-D2側の凹部19(その-D2側の縁部)と-D2側の接続電極11(その+D2側の縁部)との距離は、-D2側の凹部19(その+D2側の縁部)と突出部15の中心線との距離、又は2つの凹部19同士(互いに対向する縁部同士)の距離に対して、短くてもよいし(図示の例)、同等でもよいし、長くてもよい。-D2側の凹部19を例に取ったが、+D2側の凹部19についても同様である。
凹部19は、種々の方法によって形成されてよい。例えば、凹部19は、水晶素板3となる部分を含む水晶ウェハの-D3側の主面を覆い、凹部19が形成される領域に開口を有するマスクを介して、エッチング(例えばウェットエッチング)が行われることによって形成されてよい。このエッチングは、主部13の少なくとも一部を形成するエッチングと同時に行われるものであってもよいし、そうでなくてもよい。凹部19の深さは、例えば、マスクにおける凹部19に対応する開口の大きさ、及びエッチングの条件(例えばエッチングの時間長さ)等によって調整されてよい。また、凹部19は、レーザー加工によって形成されたり、工具による切削によって形成されたりしてもよい。
(5.水晶素子の実装構造)
図3~図5に示すように、水晶素子1は、接続電極11とパッケージ103のパッド113とが導電性の接合材105によって接合されることによってパッケージ103に実装される。パッド113については、後に水晶素子1の利用例の説明(第7節)において説明する。
接合材105の材料は任意である。例えば、接合材105は、導電性接着剤からなる。導電性接着剤は、金属からなるフィラーを混ぜ込んだ熱硬化性樹脂によって構成されている。接合材105は、接続電極11に対して、下面部11bのみに接合されていてもよいし、下面部11bに加えて中間部11cに接合されていてもよいし(図示の例)、さらに上面部11aに接合されていてもよい。
念のために記載すると、接合材105は、例えば、導体パターン5のうち接続電極11以外の部分(引出電極9及び励振電極7)に接合されておらず、また、水晶素板3の表面のうち導体パターン5から露出している領域に接合されていない。ただし、接合材105は、水晶素子1の特性が大きく低下しない量で、引出電極9の接続電極11側の一部、及び/又は水晶素板3の表面のうち接続電極11の周囲の領域に接合されていてもよい。
図3の例では、2つの接合材105のうち、-D2側の接合材105は、突出部15の被実装面15mに下面部11bを介して接合されているだけでなく、突出部15の-D2側の側面にも中間部11cを介して接合されている。なお、後者の接合は、中間部11cを介さない直接的なものであってもよい。一方で、-D2側の接合材105は、突出部15の-D1側の側面から離れている。換言すれば、-D2側の接合材105は、突出部15の-D1側の側面に直接的に又は間接的に接合されていない。さらに、-D2側の接合材105は、突出部15の-D2側の側面の-D1側の縁部から離れている。-D2側の接合材105を例に取ったが、+D2側の接合材105についても同様である(ただし、-D2を+D2に置換する。)。
既述のように、また、図5に示すように、突出部15の-D2側及び+D2側の側面15cは、D1方向に見たときに、D3方向に対して傾斜する2以上の傾斜面(15ca及び15cb)を有していてよく、また、2以上の傾斜面は、m面15caを有していてよい。図5に示す例では、2つの接合材105のいずれも、m面15caを含む2つの面(換言すれば2以上の面)に跨っている(換言すれば、2つの面の境界を越えて+D3側に広がっている。)。なお、念のために記載すると、接合材105が2つの面に跨っているというとき、接合材105は、2つの面に直接的に又は接続電極11を介して間接的に接合されている(換言すれば重なっている。)。
上記のように接合材105が側面15cの2つの面(15ca及び15cb)に跨っている態様において、各接合材105の上端(最も高い位置)は、2つの面のうち+D3側の面の任意の高さ(D3方向の位置)に位置してよい。例えば、接合材105の上端は、+D3側の面のD3方向の高さの中央の位置に対して、下方に位置していてもよいし、概ね一致していてもよいし、上方に位置していてもよい。また、例えば、接合材105の上端は、+D3側の面の上端に到達していなくてもよいし、+D3側の面の上端に概ね一致していてもよいし、+D3側の面の上端を超えて突出部15の上面にまで広がっていてもよい。
接合材105の形状は任意である。図示の例では、接合材105は、概略、半球状に対して突出部15の一部が食い込んだ形状とされている。図示の例以外の形状としては、例えば、概略円柱状に対して突出部15の一部が食い込んだ形状、又は半球状若しくは円柱状が上方から平面(被実装面15m)によって押し潰された形状が挙げられる。接合材105の体積、及び接合材105のうちパッド113と下面部11bとの間に介在する部分の厚さ(別の観点では水晶素子1とパッケージ103との間隔)も任意である。
(6.水晶素子の寸法の例)
以下に、水晶素子1の各部の寸法の例を示す。なお、ここでの寸法の例は、特に断りが無い限り、後述する実施形態又は変形例にも適用されてよいものである。逆に言えば、ここで例示される寸法の範囲は、本実施形態(図示の例)に係る水晶素子1に適用できない寸法を含むことがある。
また、例えば、主部13のD2方向の長さは、主部13の+D2側及び/又は-D2側の縁部が曲線状である態様において一定ではない。このように、所定の寸法が一定でない態様においては、以下に例示する寸法は、特に断りが無い場合は、最大寸法、最小寸法又は平均寸法のいずれに適用されてもよい。特異部分(例えば水晶素板3の比較的小さい突起部分)については、以下に例示する寸法の測定において、考慮されてもよいし、考慮外とされてもよい。
また、例えば、接続電極11において、下面部11b、上面部11a及び中間部11cは、D1方向(又はD2方向)の長さが互いに異なっていてもよい。以下の説明において、接続電極11の語は、矛盾等が生じない限り、下面部11b、上面部11a及び中間部11cのいずれかの語に置換されても構わない。
各種の寸法の範囲は、矛盾が生じないように適宜に組み合わされてよい。例えば、励振電極7のD1方向の長さの範囲の上限の例として、水晶素板3のD1方向の長さの範囲の下限の例よりも大きい値が示されるが、励振電極7のD1方向の長さの範囲の例と、水晶素板3のD1方向の長さの範囲の例とは、励振電極7のD1方向の長さが水晶素板3のD1方向の長さを超えないことを条件として、組み合わされてよい。矛盾が生じない条件は、論理的に明らかであることから、以下では特に説明しない。
主部13のD1方向における長さは、200μm以上1000μm以下とされてよい。主部13のD2方向における長さの範囲も、上記の主部13のD1方向における長さの範囲と同様とされてよい。主部13のD1方向における長さが、主部13のD2方向における長さよりも長くされる態様においては、前者は、後者に対して、1.1倍以上1.5倍以下とされてよい。主部13の厚さ(1対の励振電極7間の厚さ)は、3μm以上100μm以下とされてよい。
厚み滑り振動を利用する水晶素子1においては、水晶素板3の1対の励振電極7間の厚さは、発振信号の周波数を決定する因子となっている。例えば、公知のように、ATカットの水晶素子においては、基本的には、f=1.67×n/tの関係が成り立つ。ここで、fは周波数(MHz)、nは利用される振動の次数、t(mm)は厚さである。水晶素子1は、基本波モードを利用するものであってもよいし、オーバートーンモードを利用するものであってもよい。なお、基本波モードが利用されてよいこと、及び厚さtが3μm以上100μm以下とされてよいことから理解されるように、水晶素子1が利用する周波数は、例えば、16MHz以上500MHz以下とされてよい。
励振電極7のD1方向における長さは、100μm以上800μm以下とされてよい。また、励振電極7のD1方向における長さは、主部13のD1方向における長さに対して、1/3以上、1/2以上、2/3以上又は3/4以上とされてよく、また、9/10以下、4/5以下、3/4以下又は2/3以下とされてよい。上記の下限と上限とは、矛盾が生じないように、任意のもの同士が組み合わされてもよい。
前段落における励振電極7のD1方向における長さの説明は、励振電極7のD2方向における長さに援用されてよい。ただし、励振電極7及び主部13に関するD1方向の語はD2方向の語に置換する。また、励振電極7において、D1方向における長さをD2方向の長さよりも長くする場合は、前者は後者の1.1倍以上1.5倍以下とされてよい。
引出電極9の幅(引出電極9が延びる方向に直交する方向の長さ。例えば、主面上における幅)は、20μm以上200μm以下とされてよい。また、引出電極9の幅は、励振電極7の幅(D2方向の長さ)の1/10以上1/3以下とされてよい。
突出部15のD1方向における長さは、例えば、100μm以上500μm以下とされてよい。突出部15のD1方向における長さは、主部13のD1方向における長さに対して、1/5以上、1/3以上又は1/2以上とされてよく、また、2/3以下、1/2以下、1/3以下又は1/4以下とされてよい。上記の下限と上限とは、矛盾が生じないように、任意のもの同士が組み合わされてもよい。
前段落における突出部15のD1方向における長さの説明は、突出部15のD2方向における長さに援用されてよい。ただし、突出部15及び主部13に関するD1方向の語はD2方向の語に置換する。突出部15のD2方向における長さは、励振電極7のD2方向における長さに対して、1/5以上、1/3以上、1/2以上又は1倍以上とされてよく、また、2倍以下、1.5倍以下、1倍以下、2/3以下、1/2以下又は1/3以下とされてよい。上記の下限と上限とは、矛盾が生じないように、任意のもの同士が組み合わされてもよい。
突出部15のD1方向における長さは、突出部15のD2方向の長さに対して、1/3以上、1/2以上、1倍以上又は2倍以上とされてよく、3倍以下、2倍以下又は1倍以下、1/2以下、1/3以下とされてよい。上記の下限と上限とは、矛盾が生じないように、任意のもの同士が組み合わされてもよい。
接続電極11のD1方向における長さは、突出部15のD1方向における長さの1/2以上又は2/3以上とされてよく、また、1倍以下又は4/5以下とされてよい。上記の下限と上限とは、矛盾が生じないように、任意のもの同士が組み合わされてもよい。
接続電極11(その-D1側の縁部)と突出部15の-D1側の側面(その縁部)とのD1方向における距離は、接続電極11のD1方向の長さに対して、0倍以上又は1/5以上とされてよく、また、1/2以下又は1/3以下とされてよい。上記の下限と上限とは、矛盾が生じないように、任意のもの同士が組み合わされてもよい。
前段落における接続電極11と突出部15の-D1側の側面とのD1方向における距離の説明は、接続電極11(その+D1側の縁部)と主部13の-D1側の側面(縁部13e)との距離に援用されてよい。接続電極11と突出部15の-D1側の側面とのD1方向における距離と、接続電極11と主部13の-D1側の側面とのD1方向における距離とは、同等であってもよいし(図示の例)、いずれか一方が他方よりも大きくてもよい。
各接続電極11のD2方向における長さは、突出部15のD2方向における長さの1/5以上、1/4以上又は1/3以上とされてよく、また、4/9以下、2/5以下又は1/3以下とされてよい。上記の下限と上限とは、矛盾が生じないように、任意のもの同士が組み合わされてもよい。
2つの接続電極11同士(その互いに対向する縁部同士)のD2方向における距離(例えば最短距離)は、突出部15のD2方向における長さの1/9以上、1/5以上又は1/3以上とされてよく、また、3/5以下、1/2以下又は1/3以下とされてよい。上記の下限と上限とは、矛盾が生じないように、任意のもの同士が組み合わされてもよい。
介在部17の寸法として、例えば、平面視において全ての凹部19を包含する最小の領域の寸法が参照されてよい。この領域の外縁の形状は、例えば、数学でいう凸集合の境界線の形状とされてよい。既に述べたように、凹部19の一部は、接続電極11に重なってよい。従って、介在部17のD2方向の最大長さは、2つの接続電極11同士の距離よりも大きくてもよい。
介在部17のD2方向の長さは、例えば、2つの接続電極11同士の距離に対して、1/5以上、1/3以上、1/2以上、2/3以上、4/5以上又は1倍以上とされてよく、また、1倍以下、4/5以下、2/3以下、1/2以下又は1/3以下とされてよい。上記の下限と上限とは、矛盾が生じないように、任意のもの同士が組み合わされてもよい。
介在部17と1つの接続電極11との距離(その互いに対向する縁部同士の距離)の範囲の例は、2つの接続電極11同士の距離の例から上記の介在部17のD2方向の長さの例を引いた値の1/2とされてよい。念のために記載すると、介在部17と1つの接続電極11との距離は、2つの接続電極11同士の距離に対して、0以上、1/10以上、1/6以上、1/4以上又は1/3以上とされてよく、また、2/5以下、1/3以下、1/4以下、1/6以下又は0以下とされてよい。上記の下限と上限とは、矛盾が生じないように、任意のもの同士が組み合わされてもよい。上記の下限及び上限は、介在部17及び2つの接続電極11等がD1方向に平行な対称軸に対して線対称でない態様に適用されても構わない。
介在部17のD1方向の長さは、例えば、1つの接続電極11のD1方向の長さに対して、1/3以上、1/2以上、2/3以上、4/5以上又は1倍以上とされてよく、また、2倍以下、1.5倍以下、1倍以下、4/5以下、2/3以下又は1/2以下とされてよい。上記の下限と上限とは、矛盾が生じないように、任意のもの同士が組み合わされてもよい。
既述のように、介在部17が含む凹部19の数は、1つであってもよい。この場合、凹部19の寸法(D3方向において凹部19の形状が変化する場合は被実装面15mにおける寸法。以下、同様。)と、介在部17の寸法とは同じである。従って、上記の介在部17に関する寸法の例の説明は、平面視における凹部19に関する寸法の例に援用されてよい。
また、介在部17が2以上の凹部19を含む態様において、本実施形態のように、2以上の凹部19がD2方向に並んでおり、2以上の凹部19のD1方向における位置及び長さが互いに同じ態様においては、凹部19のD1方向の長さと、介在部17のD1方向の長とは同じである。従って、上記の介在部17のD1方向における長さの例の説明は、凹部19のD1方向における長さの例に援用されてよい。
介在部17がD2方向に並んでいる2つ(又は2以上)の凹部19を有している態様において、各凹部19のD2方向の長さは、2つの接続電極11同士の距離に対して、1/20以上、1/10以上、1/5以上、1/3以上又は1/2以上とされてよく、また、1/2以下、1/3以下、1/5以下又は1/10以下とされてよい。1/2以上は、2つの凹部19が互いに離れており、かつ少なくとも一方の凹部19の一部が、一方の接続電極11に重なっている態様を想定している。上記の下限と上限とは、矛盾が生じないように、任意のもの同士が組み合わされてもよい。
介在部17がD2方向に並んでいる2つ(又は2以上の)の凹部19を有している態様において、最も-D2側に位置する凹部19(その-D2側の縁部)と、-D2側の接続電極11(その+D2側の縁部)との距離は、介在部17と-D2側の接続電極11との距離と同じである。従って、介在部17と接続電極11との距離の例の説明は、最も-D2側に位置する凹部19と-D2側の接続電極11との距離の例に援用されてよい。-D2側を例に取ったが、+D2側についても同様である。
介在部17がD2方向に並んでいる2つの凹部19を有している態様において、両者(その互いに対向する縁部)の距離は、2つの接続電極11同士の距離に対して、1/20以上、1/10以上、1/5以上、1/3以上、1/2以上又は2/3以上とされてよく、また、4/5以下、2/3以下、1/2以下、1/3以下、1/5以下又は1/10以下とされてよい。上記の下限と上限とは、矛盾が生じないように、任意のもの同士が組み合わされてもよい。また、上記の下限及び上限は、介在部17がD2方向に並んでいる3以上の凹部19を有している態様において、互いに隣り合う凹部19同士の距離に援用されてもよい。
介在部17がD2方向に並んでいる2つ(又は2以上)の凹部19を有している態様において、図2に例示するように、凹部19は凹溝状(長尺状)であってよい。凹溝状の凹部19において、長さ(延びる方向の長さ。図示の例では、D1方向の長さ)は、幅(延びる方向に直交する方向の長さ。図示の例ではD2方向の長さ)は、2倍以上、3倍以上又は5倍以上とされてよい。
凹部19の深さ(D3方向)は、例えば、突出部15の厚さに対して、1/5以上、1/3以上又は1/2以上とされてよく、また、4/5以下、2/3以下又は1/2以下とされてよい。上記の下限と上限とは、矛盾が生じないように、任意のもの同士が組み合わされてもよい。
(7.水晶素子の利用例)
図6は、水晶素子1の利用例としての水晶デバイス101の分解斜視図である。図7は、図6のVII-VII線における断面図である。
水晶デバイス101は、例えば、全体として、概略、薄型の直方体形状を有している電子部品である。水晶デバイスの寸法は、適宜な大きさとされてよい。一例を挙げると、長辺又は短辺の長さは、0.6mm以上2.0mm以下であり、厚さ(D3方向)は、0.2mm以上1.5mm以下である。水晶デバイス101は、例えば、その下面を不図示の実装基体(例えば回路基板)の上面に対向させて表面実装される。
水晶デバイス101は、例えば、水晶振動子として構成されている。水晶デバイス101は、例えば、水晶素子1と、当該水晶素子1を保持しているパッケージ103とを有している。パッケージ103は、例えば、水晶素子1の保護に寄与するとともに、水晶素子1と上記の不図示の実装基体との電気的接続に寄与する。
パッケージ103は、例えば、水晶素子1を支持する基体107と、基体107に接合されて水晶素子1を気密に封止する蓋体109と、を有している。パッケージ103の内部空間は、例えば、真空とされ、又は適当なガス(例えば、窒素)が封入されている。基体107は、例えば、絶縁部材111と、絶縁部材111に位置している種々の導体とを有している。
絶縁部材111は、水晶素子1を収容する凹部R1を有している。別の観点では、絶縁部材111は、平板状の基板部111aと、基板部111aの上面の縁部に沿って設けられている枠部111bとを有している。基板部111a及び枠部111bの材料は任意であり、例えば、セラミックである。基板部111aは、凹部R1の底面を構成する第1基板面111cと、水晶デバイス101の下面を構成する第2基板面111dとを有している。
基体107が有している導体としては、例えば、以下のものが挙げられる。水晶素子1と電気的に接続される2つのパッド113。水晶デバイス101を実装基体に実装するための4つの外部端子115。2つのパッド113と、4つの外部端子115のうちの2つとを接続する2つの配線導体117(図7)。
2つのパッド113は、2つの接合材105によって2つの接続電極11と接合される。これにより、水晶素子1は、パッケージ103に固定されるとともにパッケージ103に電気的に接続される。すなわち、水晶素子1がパッケージ103に実装される。水晶素子1がパッケージ103に実装されると、2つの励振電極7は、2つの引出電極9、2つの接続電極11、2つの接合材105、2つのパッド113及び2つの配線導体117を介して、2つの外部端子115に対して電気的に接続される。そして、2つの外部端子115に交流電圧が印加されることによって、2つの励振電極7から水晶素板3に交流電圧が印加される。
2つのパッド113は、第1基板面111cに重なる導体層(例えば金属)によって構成されている。2つのパッド113は、例えば、基板部111aの長手方向の一端側(-D1側)において、基板部111aの短手方向(D2方向)に並んでいる。2つのパッド113と、2つの接続電極11(より詳細には下面部11b)とは、少なくとも一部同士が対向する。パッド113の形状及び寸法は任意である。
4つの外部端子115は、第2基板面111dに重なる導体層(例えば金属)によって構成されている。外部端子115の位置、形状及び寸法は任意である。例えば、4つの外部端子115は、第2基板面111dの4隅に位置している。2つのパッド113に接続される2つの外部端子115の位置も任意である。例えば、当該2つの外部端子115は、第2基板面111dの1対の対角に位置していてもよいし、-D1側の2隅に位置していてもよい。
2つの配線導体117の構成は種々のものとされてよい。例えば、配線導体117は、基板部111aを貫通するビア導体を有していてもよいし、第1基板面111c、第2基板面111d、基板部111aの内部、及び/又は基板部111aの側面(キャスタレーションの内面を含む)に重なる層状導体を有していてもよいし、ビア導体及び層状導体の双方を有していてもよい。なお、図7に例示されている配線導体117は、ビア導体のみによって構成されている。
蓋体109は、例えば、絶縁体又は金属からなる平板状の部材である。蓋体109の基体107に対する接合方法も任意である。例えば、両者は、シーム溶接によって接合されてよい。図示の例では、シーム溶接に利用される金属層119及び121が図示されている。蓋体109が金属からなる態様においては、2つのパッド113に接続されていない2つの外部端子115のうち1つ又は2つは、不図示の配線導体117を介して蓋体109と接続されていてもよい。
水晶素子1は、上記の利用例の他、種々の態様で利用されてよい。
例えば、水晶振動子(圧電振動子)は、水晶素子1以外の電子素子を有していてもよい。そのような電子素子としては、例えば、感温素子(例えばサーミスタ)が挙げられる。また、水晶デバイス(圧電デバイス)は、水晶素子1に加えて、水晶素子1に電圧を印加して発振信号を生成する集積回路素子(IC:Integrated Circuit)を有する水晶発振器(圧電発振器)であってもよい。
上記から理解されるように、水晶デバイスが有するパッドの数及び外部端子の数は任意であり、また、複数のパッド及び複数の外部端子の役割及び接続関係も任意である。例えば、発振器においては、水晶素子1が搭載される2つのパッド113は、外部端子115ではなく、当該発振器内のICに電気的に接続されてよい。
圧電デバイスにおいて、水晶素子1をパッケージングするパッケージの構造は、適宜な構成とされてよい。例えば、パッケージは、上面及び下面に凹部を有する断面H型のものであってもよい。この場合、下面の凹部には、例えば、上記の感温素子又はICが実装されてよい。また、パッケージは、基板状の基体(凹部を有していない基体)と、基体に被せられるキャップ状の蓋体とで構成されるものであってもよい。また、例えば、圧電デバイス(パッケージ)は、恒温槽を有するものであってもよい。
(8.第1実施形態についてまとめ)
以上のとおり、本実施形態に係る圧電素子(水晶素子1)は、圧電素板(水晶素板3)と、2つの励振電極7と、2つの引出電極9と、2つの接続電極11とを有している。水晶素板3は、主部13と、突出部15とを有している。主部13は、第1方向(D1方向)及びD1方向に直交する第2方向(D2方向)に広がっている板状である。突出部15は、主部13の平面視において、主部13のD1方向の第1側(-D1側)の第1縁部(縁部13e)のうちの中央側の一部から-D1側へ突出している。2つの励振電極7は、主部13の表裏に重なっている。2つの引出電極9は、2つの励振電極7から引き出されている。2つの接続電極11は、突出部15に位置しており、2つの引出電極9を介して2つの励振電極7と接続されている。突出部15は、水晶素板3の厚み方向の一方側(-D3側)に面している被実装面15mを有している。2つの接続電極11は、被実装面15mに位置している部分(下面部11b)を有しているとともに被実装面15mにおいてD2方向に互いに離れている。被実装面15mの、2つの接続電極11の間に、凹部、凸部及び貫通孔の少なくとも1つ(本実施形態では2つの凹部19)を含む介在部17が位置している。
別の観点では、本実施形態に係る圧電デバイス(水晶デバイス101)は、上記のような水晶素子1と、パッケージ103と、接合材105とを有している。パッケージ103は、2つのパッド113を有している。接合材105は、2つの接続電極11と2つのパッド113とを接合しているとともに導電性を有している。
従って、例えば、既述のように、2つの接続電極11に加えられる力に起因する歪が主部13における振動に及ぼす影響を低減しつつ、2つの接合材105が短絡する蓋然性を低減できる。また、例えば、凹部19に接合材105が入り込んでいる態様においては、水晶素板3が凹部19を有していない態様に比較して、接合材105の水晶素子1に対する接合面積が増加していることになる。その結果、接合強度が向上する。別の観点では、水晶素子1の小型化に有利である。
突出部15のD2方向の最大長さ(換言すれば突出部15の最大幅。本実施形態では、D1方向の任意の位置における突出部15の幅と同じ。)は、主部13の-D1側の縁部13eの両端間の距離(換言すれば主部13の-D1側の端部の幅。本実施形態では、D1方向の任意の位置における主部13の幅と同じ。)よりも短くされてよい。
この場合、例えば、全体が矩形状の水晶素板の2隅に2つの接続電極11が位置している態様に比較して、2つの接続電極11の距離が短くなる。従って、突出部15に生じる歪が低減される。その結果、例えば、突出部15の歪が主部13の振動に及ぼす影響を低減する効果が向上することが期待される。一方で、2つの接続電極11が互いに近づくことによって、2つの接合材105が短絡する蓋然性が高くなる。その結果、介在部17によって2つの接合材105が短絡する蓋然性を低減する効果の有用性が高くなる。
介在部17は、D2方向に並んでいる少なくとも2つの凹部19を有していてよい。
この場合、突出部15の一部を掘り下げることによって介在部17を実現できる。ここで、突出部15(凹部19の配置領域を除く)の厚さが既定であるものとする。この場合、凹部19に代えて凸部によって介在部17が実現される態様(当該態様も本開示に係る態様に含まれる)においては、既定の突出部15の厚みよりも大きい厚みの水晶ウェハを用意して、凸部を有する突出部15を形成しなければならない。しかし、本実施形態では、そのような突出部15の厚みよりも大きい厚みの水晶ウェハを用意しなくてもよい。また、凹部19が1つの態様(当該態様も本開示に係る技術に含まれる)においては、2つの接合材105の双方が1つの凹部19に入り込んだ場合に、1つの凹部19内で接合材105が短絡する可能性が生じる。しかし、D2方向に2つの凹部19が位置していることによって、凹部19内で2つの接合材105が短絡する蓋然性が低減される。
2つの接続電極11は、被実装面15mのD2方向の両側の縁部に重なっていてよい。
この場合、例えば、2つの接続電極11の距離を確保することが容易化される。その結果、例えば、2つの接合材105が短絡する蓋然性を低減できる。別の観点では、2つの接続電極11の距離を確保することが容易であることから、突出部15の幅(D2方向の長さ)を小さくすることができる。突出部15の幅を狭くすることによって、例えば、突出部15の歪が主部13の振動に及ぼす影響を低減する効果を向上させることができる。
突出部15の-D1側の側面は、水晶素子1が有する導体(導体パターン5。別の観点では接続電極11)の非配置領域となっていてよい。
この場合、例えば、2つの接合材105が突出部15の-D1側の側面に濡れ広がる蓋然性が低減される。ひいては、2つの接合材105が突出部15の-D1側の側面にて短絡する蓋然性が低減される。なお、全体が矩形状の水晶素板(一般的な水晶素板)においては、本実施形態とは異なり、-D1側の側面は、導体が配置されて、接合材105の接合領域として積極的に利用されていることが多い。
突出部15のD2方向の両側に位置している第1側面及び第2側面(-D2側の側面15c及び+D2側の側面15c)それぞれは、水晶素板3の厚み方向の位置が互いに異なる2つの面(15ca及び15cb)を有していてよい。2つの側面15cそれぞれの2つの面(15ca及び15cb)は、m面15caを含んでいてよい。2つの接合材105の第1接合材(-D2側の接合材105)は、-D2側の側面15cの2つの面(15ca及び15cb)に跨っていてよい。同様に、2つの接合材105の第2接合材(+D2側の接合材105)は、+D2側の側面15cの2つの面(15ca及び15cb)に跨っていてよい。
この場合、例えば、接合材105の側面15cに対する接合面積は比較的広くされているといえる。従って、まず、接合強度が向上する。また、突出部15の側面15cにおける輪郭振動が接合材105によって規制される。ひいては、突出部15における不要振動が主部13に及ぼす影響が低減される。
2つの接合材105の第1接合材(-D2側の接合材105)は、突出部15のD2方向の第2側(-D2側)の側面15cに接合されているとともに突出部15の第1側(-D1側)の側面から離れていてよい。同様に、2つの接合材105の第2接合材(+D2側の接合材105)は、突出部15のD2方向の第3側(+D2側)の側面15cに接合されているとともに突出部15の-D1側の側面から離れていてよい。
この場合、例えば、2つの接合材105が突出部15の-D1側の側面に接合されている態様(当該態様も本開示に係る技術に含まれる)に比較して、例えば、2つの接合材105から突出部15に加えられる力の向きがD2方向を中心とする方向に限定されやすくなり、ひいては、歪の態様が限定的となる。その結果、特性のばらつき又は変動を低減できる。なお、既述のように、全体が矩形状の水晶素板(一般的な水晶素板)においては、本実施形態とは異なり、-D1側の側面は、接合材105の接合領域として積極的に利用されていることが多い。
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態に係る水晶素子201の構成を示す断面図であり、第1実施形態の図4に対応している。
水晶素子201において、介在部217は、凹部19に代えて、凸部219を有している。凹部19の数、並びに平面視における凹部19の位置、形状及び寸法についての既述の説明は、凸部219の数、並びに平面視における凸部219の位置、形状及び寸法に援用されてよい。なお、次段落において述べるように、凸部219の断面形状は、矩形状でなくてもよい。この場合、凹部19の平面視における位置、形状及び寸法の説明は、矛盾等が生じない限り、凸部219の頂面(上端面)及び根元(裾野)のいずれに援用されてもよい。
凸部219のD2-D3断面(別の観点では突条状の凸部219の長手方向に直交する断面)の形状は、例えば、矩形状(図示の例)、台形状、三角形状又は半円状とされてよい。別の観点では、凸部219のD2-D3断面における幅(D2方向の長さ)は、突出方向(D3方向)において、一定であってもよいし、変化していてもよい。後者の例としては、先端側(-D3側)ほど凸部219の幅が狭くなるように凸部219の側面がD3軸に対して傾斜している態様が挙げられる。この傾斜面からなる内面は、エッチングに対する水晶の異方性に起因して現れる結晶面であってもよい。また、凸部219のD2-D3断面における形状は、頂面(上端面)を有する形状(例えば矩形状又は台形状)であってもよいし、頂面を有さない形状(例えば三角形状)であってもよい。なお、D2-D3断面を例に取ったが、他の断面(例えばD1-D3断面)においても、矛盾等が生じない限り、上記の説明が援用されてよい。
凸部219は、例えば、水晶素板3の一部である。このような凸部219は、例えば、水晶素板3となる部分を含む水晶ウェハの-D3側の主面のうち、凸部219となる領域を覆うマスクを介して、エッチング(例えばウェットエッチング)が行われることによって形成されてよい。このエッチングは、主部13の少なくとも一部を形成するエッチングと同時に行われるものであってもよいし、そうでなくてもよい。
図示の例とは異なり、凸部219は、水晶素板3の材料とは異なる絶縁材料が被実装面15mに配置されることによって実現されていてもよい。凸部219の具体的な材料は任意であり、例えば、SiO(ただし、水晶素板3と一体的な結晶ではない。)とされてよい。このような凸部219は、例えば、CVD(chemical vapor deposition)によって設けられてよい。
第1実施形態の2つの凹部19の間の部分は、凹部19の底面の高さ(D3方向の位置)を基準とすると、凸部と捉えることができる。本開示に係る説明では、基本的に、そのような捉え方はしない。被実装面15mに凹凸が存在する場合においては、例えば、被実装面15mのうちの接続電極11(下面部11bの全部又は大部分)が重なっている領域の高さを基準として、被実装面15mに凹部19及び凸部219のいずれが位置しているかが判定されてよい。ただし、既述のように、介在部17又は217の構成要素(凹部19又は凸部219)の一部は、下面部11bに重なっていてよい。従って、その重なりの態様によっては、凹部19と凸部219とのいずれが被実装面15mに位置しているかが明瞭でなくてもよい。
本実施形態においても、水晶素板3は、主部13と、突出部15とを有しており、2つの接続電極11は、突出部15の被実装面15mに位置している。そして、被実装面15mの、2つの接続電極11の間に、凹部、凸部(絶縁性のもの)及び貫通孔の少なくとも1つ(本実施形態では2つの凸部219)を含む介在部217が位置している。
従って、例えば、第1実施形態と同様の効果が奏される。例えば、2つの接続電極11に加えられる力に起因する歪が主部13における振動に及ぼす影響を低減しつつ、2つの接合材105が短絡する蓋然性を低減できる。ただし、第1実施形態では、接合材105が凹部19に入り込むことによって短絡の蓋然性が低減されるのに対して、本実施形態では、凸部219によって接合材105が堰き止められることによって短絡の蓋然性が低減される。
既述のように、凹部19の数が1つの態様においては、凹部19内で2つの接合材105が短絡する可能性が生じる。一方、凸部219の数が1つの態様においては、そのような不都合は生じない。すなわち、凸部219の数は、凹部19の数よりも少なくされてよい。また、凹部19は、接合材105を収容して接合材105の短絡の蓋然性を低減するから、凹部19の容積は、接合材105の短絡の蓋然性に影響する。凹部19の容積を大きくする場合、例えば、D2方向の長さが大きくされてよい。一方、凸部219のD2方向の長さは、接合材105を堰き止める効果に直接的には影響しない。従って、凸部219はD2方向において小さくされてよい。なお、凹部19は、凸部219に比較して、既述のように、形成が容易である。
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態に係る水晶素子301の構成を示す断面図であり、第1実施形態の図4に対応している。
水晶素子301において、介在部317は、凹部19に代えて、貫通孔319を有している。凹部19の数、並びに平面視における凹部19の位置、形状及び寸法についての既述の説明は、貫通孔319の数、並びに平面視における貫通孔319の位置、形状及び寸法に援用されてよい。ただし、凹部19は、水晶素板3の縁部から離れていなくてもよいが、貫通孔319は、水晶素板3の縁部から離れている。すなわち、ここでいう貫通孔319は、切欠きを含まない。次段落において述べるように、貫通孔319の断面形状は、矩形状でなくてもよい。この場合、凹部19の平面視における位置、形状及び寸法の説明は、矛盾等が生じない限り、貫通孔319の被実装面15mにおける位置、形状及び寸法に援用されてよい。
貫通孔319のD2-D3断面(別の観点ではスリット状の貫通孔319の長手方向に直交する断面)の形状は、例えば、矩形状(図示の例)、台形状、又は2つの台形の上底同士を重ねた形状とされてよい。別の観点では、貫通孔319のD2-D3断面における幅(D2方向の長さ)は、貫通方向(D3方向)において、一定であってもよいし、変化していてもよい。後者の例としては、貫通孔319のD3方向の中央側ほど貫通孔319の幅が狭くなるように貫通孔319の内面がD3軸に対して傾斜している態様が挙げられる。この傾斜面からなる内面は、エッチングに対する水晶の異方性に起因して現れる結晶面であってもよい。なお、D2-D3断面を例に取ったが、他の断面(例えばD1-D3断面)においても、矛盾等が生じない限り、上記の説明が援用されてよい。
貫通孔319は、例えば、凹部19と同様に形成されてよい。ただし、貫通孔319は、凹部19とは異なり、水晶ウェハの両面からのエッチングによって形成されてもよい。
本実施形態においても、水晶素板3は、主部13と、突出部15とを有しており、2つの接続電極11は、突出部15の被実装面15mに位置している。そして、被実装面15mの、2つの接続電極11の間に、凹部、凸部及び貫通孔の少なくとも1つ(本実施形態では2つの貫通孔319)を含む介在部317が位置している。
従って、例えば、第1実施形態と同様の効果が奏される。例えば、2つの接続電極11に加えられる力に起因する歪が主部13における振動に及ぼす影響を低減しつつ、2つの接合材105が短絡する蓋然性を低減できる。貫通孔319は、平面視における形状及び寸法が同じ凹部19に比較して、接合材105を収容できる量が多いから、短絡の蓋然性を低減する効果が高い。また、貫通孔319は、平面視における形状及び寸法が凹部19に比較して、接合材105を接合可能な面積が大きいから、接合強度を向上させる効果が高い。
なお、凹部19は、貫通孔319に比較して、突出部15の強度を維持することに有利である。その結果、例えば、凹部19は、平面視における位置、形状及び寸法の自由度が高い。また、凹部19は、貫通孔319に比較して形成が容易な場合がある。例えば、エッチングに対する水晶の異方性に起因して、被実装面15mを深く掘り下げることが困難な場合がある。このような場合に、凹部19(例えば、その深さが貫通孔319の貫通長さ(別の観点では突出部15の厚さ)の1/2未満のもの)は、貫通孔319に比較して、形成が容易である。
<第4実施形態>
図10は、第4実施形態に係る水晶素子401の構成を示す斜視図であり、第1実施形態の図2に対応している。
第1実施形態の説明において、水晶素板3は、一定の厚みの平板状でなくてもよく、例えば、振動部と、振動部よりも厚い固定部とを有してよいことを述べた。水晶素子401の水晶素板403は、そのような態様の一例となっている。具体的には、突出部415は、主部13よりも厚くなっている。すなわち、主部13は振動部に相当し、突出部415は固定部に相当する。
第1実施形態の説明でも触れたように、突出部415は、主部13に対して、厚さ方向の一方側(-D3側)にのみ厚くなっていてもよいし(図示の例)、厚さ方向の両側に厚くなっていてもよい。また、水晶素板403は、厚い部分(主部13)と薄い部分(突出部415)との間に、薄い部分から厚い部分へ近づくほど厚くなるように、D1-D2平面に対して傾斜する傾斜面を有していてもよいし(図示の例)、有していなくてもよい。
平面視における範囲に関して、薄い部分及び厚い部分と、主部13及び突出部415との具体的な関係は任意である。図示の例では、薄い部分と主部13とは概ね一致しており、厚い部分と突出部415とは概ね一致している。別の観点では、厚い部分の範囲は、突出部415内に収まっている。
図示の例とは異なり、平面視において、薄い部分と主部13とは一致していなくてもよいし、厚い部分と突出部415とは一致していなくてもよい。例えば、特に図示しないが、突出部415の全体と、主部13の励振電極7よりも-D1側の一部(例えば-D3側の1辺の全体又は一部)とが厚い部分とされていてもよい。また、突出部415の全体と、主部13の-D1側の1辺を含む2辺以上に亘る縁部(励振電極7よりも外側の領域)とが厚い部分とされていてもよい。逆に、突出部415の-D1側の一部(ただし、例えば、接続電極11の配置領域を含む。)のみが厚い部分とされていてもよい。
前段落に述べたような種々の態様も考慮すると、例えば、突出部415のうち被実装面415mに2つの接続電極11(2つの下面部11b)が重なっている部分が、主部13のうち2つの励振電極7が重なっている部分の厚みよりも厚くされていてよい。
励振電極7は、例えば、水晶素板403の相対的に薄い部分(振動部)に収まる。また、接続電極11は、水晶素板403の相対的に厚い部分(固定部)に収まっていてもよいし(図示の例)、収まっていなくてもよい。
接続電極11が相対的に厚い部分(固定部)に収まっていないような態様も考慮すると、突出部415のうち被実装面415mに2つの接続電極11が重なっている第1部分の厚みが、主部13のうち励振電極7が重なっている第2部分の厚みよりも厚いというとき、第1部分の大部分について、そのような厚みの関係が成立していればよい。大部分は、例えば、第1部分の面積の8割以上とされてよい。ただし、突出部15の薄い部分及び厚い部分に重なっている接続電極11のうち厚い部分に重なっている部分のみを接続電極として捉え、上記の関係が成立していると判定してもよい。
図示の例では、介在部17として、第1実施形態のものが例示されている。ただし、介在部の構成は、他の態様のもの(例えば第2実施形態の介在部217又は第3実施形態の317)であっても構わない。
相対的に薄い部分(主部13)及び厚い部分(突出部415)の具体的な厚さは任意である。例えば、第1実施形態の説明で述べた水晶素板3の厚さの説明は、薄い部分の厚さに援用されてよい。厚い部分の厚さ(-D3側のみに厚くなっている態様及び-D3側及び+D3側の双方に厚くなっている態様のいずれでもよい。)は、例えば、薄い部分の厚さに対して、1.2倍以上、1.5倍以上、2倍以上又は3倍以上とされてよく、5倍以下、4倍以下、3倍以下、2倍以下又は1.5倍以下とされてよい。上記の下限と上限とは、矛盾等が生じないように、任意のもの同士が組み合わされてもよい。
本実施形態においても、水晶素板403は、主部13と、突出部415とを有しており、2つの接続電極11は、突出部415の被実装面415mに位置している。そして、被実装面415mの、2つの接続電極11の間に、凹部、凸部及び貫通孔の少なくとも1つ(図示の例では2つの凹部19)を含む介在部17が位置している。従って、例えば、第1実施形態と同様の効果が奏される。
また、突出部415のうち被実装面415mに2つの接続電極11が重なっている部分の厚みは、主部13の2つの励振電極7が重なっている部分の厚みよりも厚くされてよい。
この場合、例えば、相対的に厚い部分が、突出部415から主部13に跨っている態様においては、突出部415と主部13との接続部が厚くされ、当該接続部の強度が向上する。一方、突出部415と主部13との接続部は、平面視において幅(D2方向の長さ)が変化する部分であるから、応力集中が生じやすい。従って、接続部の強度が向上することによって、水晶素板403全体として、破損が生じる蓋然性が低減される。また、例えば、介在部17が凹部19又は貫通孔319を有する態様においては、凹部19又は貫通孔319を深くすることができる。その結果、例えば、凹部19又は貫通孔319に接合材105が入り込むことによる種々の効果が向上する。ひいては、接合材105の塗布量のばらつきの影響が低減され、歩留りが向上する。また、例えば、接合材105が突出部415の-D2側又は+D2側の側面に接合される態様においては、接合面積を増加させることが容易化される。
<変形例>
凹部19の形状及び突出部15の形状等の変形例について述べる。以下の説明では、便宜上、第1実施形態を変形した例を示す。すなわち、水晶素板として平板状のもの(水晶素板3)が例示され、また、介在部として凹部19を有するもの(介在部17)が例示される。ただし、以下の変形例は、他の実施形態に適用されて構わない。すなわち、水晶素板は、平板状でないもの(水晶素板403)であってもよいし、介在部は、凸部219又は貫通孔319を有するもの(介在部217又は317)であっても構わない。凹部19の語は、凸部219又は貫通孔319の語に置換されてよい。
図11(a)及び図11(b)は、凹部19の位置、形状及び寸法に係る変形例(変形例に係る水晶素子1A及び1B)を示す平面図である。
第1実施形態の説明で説明したように、凹部19の数は、1つのみであってもよいし(図11(a))、3つ以上であってもよい(図11(b))。前者の態様における凹部19の平面視における寸法については第1実施形態の説明で述べた。また、後者の態様における凹部19の寸法も任意である。
図11(b)の例は、D2方向に並んでいる2つ以上の凹部19を有する介在部の一例となっている。より詳細には、図示の例では、8つの凹部19のうち4つがD2方向に並んでいると捉えることができる。
図11(b)の例では、1つの凹部19のD1方向の長さは、接続電極11のD1方向の長さよりも短い。ただし、D2方向において隣り合う凹部19同士は、D1方向の範囲の一部同士を重複させている(逆にいえば、他の一部同士を重複させていない。)。これにより、複数の凹部19の全体としては、D1方向の長さが、接続電極11のD1方向の長さよりも長くなっている。
より詳細には、図11(b)の例では、介在部は、-D2側に位置する2以上(図示の例では3つ)の凹部19からなる凹部群(符号省略)と、+D2側に位置する2以上(図示の例では3つ)の凹部19からなる凹部群(符号省略)と、を有していると捉えることができる。そして、各凹部群において、各凹部19のD1方向の長さは、接続電極11のD1方向の長さよりも短くされており、各凹部群のD1方向の長さは、接続電極11のD1方向の長さよりも長くされている。
このような構成においては、例えば、各凹部19のD1方向の長さの自由度が高い。その結果、例えば、凹部19のD1方向の長さが凹部19を形成するためのエッチングに影響を及ぼす場合にエッチングの調整が容易化される。
図12は、突出部15の断面形状に係る変形例(変形例に係る水晶素子1C)を示す断面図であり、第1実施形態の図4に対応している。
この図に示すように、突出部15は、介在部17を構成しない凹部21(又は凸部若しくは貫通孔)を有していてもよい。すなわち、突出部15は、2つの接続電極11(下面部11b)の間に位置する部分を有さない凹部21を有していてもよい。図示の例では、2つの凹部21が被実装面15mのD2方向の両側の縁部に位置している。なお、2つの凹部21は、被実装面15mのD2方向の両側の縁部から離れていてもよい。凹部21は、例えば、接合材105の接合面積の増大又は接合材105の余剰分の収容に寄与する。
図13(a)及び図13(b)は、突出部15の平面形状に係る変形例(変形例に係る水晶素子1D及び1E)を示す平面図である。
第1実施形態の説明でも述べたように、また、図13(a)に示すように、突出部15の平面形状は、台形状であってもよい。この場合、例えば、突出部15と主部13との接続部における応力集中を緩和することができる。突出部15の平面形状が台形状である態様において、その具体的な寸法は任意である。例えば、台形の脚のD1方向に対する傾斜角度は、45°未満であってもよいし、45°以上であってもよい。
図13(b)に示すように、突出部15は、平面視において、切欠き23(凹部)及び/又は凸部(不図示)を有していてもよい。切欠き23は、例えば、接合材105を収容して接合材105が必要以上に広がる蓋然性を低減したり、接合材105の接合面積を増大したりすることに寄与する。凸部は、例えば、接合材105を堰き止めて接合材105が必要以上に広がる蓋然性を低減したり、接合材105の接合面積を増大したりすることに寄与する。
切欠き23及び凸部の、数、並びに平面視における位置、形状及び寸法は任意である。図示の例では、切欠き23は、突出部15のD2方向の両側の縁部に位置しており、また、接続電極11に重なっている。ただし、切欠き23は、突出部15のD2方向の両側の縁部のうち接続電極11に重ならない領域に位置していてもよいし、突出部15の-D1側の縁部に位置していてもよい。切欠き23の位置について述べたが、凸部の位置についても同様である。
図14は、実装構造に係る変形例(変形例に係る水晶素子1F)を示す斜視図であり、第1実施形態の図3に対応している。
第1実施形態の説明でも述べたように、また、図14に示すように、接続電極11は、突出部15の-D1側の側面に位置する部分を有していても構わない。また、接合材105は、接続電極11を介して間接的に(図示の例)又は接続電極11を介さずに直接的に、突出部15の-D1側の側面に接合される部分を有していてもよい。これらの場合においては、例えば、第1実施形態よりも接合面積を確保することが容易である。
以上の実施形態において、水晶素子1、201、301、401及び1A~1Fは、それぞれ圧電素子の一例である。水晶デバイス101は圧電デバイスの一例である。水晶素板3及び403は、それぞれ圧電素板の一例である。D1方向は第1方向の一例である。D2方向は第2方向の一例である。-D1側は第1方向の第1側の一例である。主部13の-D1側の縁部13eは第1縁部の一例である。
本開示に係る技術は、以上の実施形態及び変形例に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
例えば、既述の実施形態は、適宜に組み合わされてよい。例えば、介在部は、1つ以上の凹部19と1つ以上の凸部219とを有していてもよいし、1つ以上の凹部19と1つ以上の貫通孔319とを有していてもよいし、1つ以上の凸部219と1つ以上の貫通孔319とを有していてもよい。また、例えば、水晶素子は、突出部の被実装面だけでなく、その反対側の面にも介在部を有していてもよい。
圧電体は、水晶に限定されない。例えば、圧電体は、他の単結晶であってもよいし、多結晶からなるもの(例えばセラミック)であってもよい。なお、水晶に適宜なドーパントが添加されたものは水晶の一種と捉えられてよい。
実施形態の説明では、便宜上、課題(別の観点では効果)として、接合材が短絡する蓋然性の低減を例示した。ただし、そのような課題が必ずしも解決されない態様で、本開示に係る技術が利用されても構わない。例えば、凹部又は貫通孔を有する介在部は、短絡の蓋然性の低減に寄与せずに、2つの接続電極間の歪を吸収することに寄与してよい。
本開示からは、実施形態の説明において主要な特徴として説明した構成を要件としない技術思想が抽出されてよい。例えば、実施形態の説明では、突出部が介在部を有していることを特徴の一つとして説明した。ただし、突出部が介在部を有していない態様の圧電素子の概念が抽出されてよい。例えば、接続電極が被実装面の第2方向の両側の縁部に重なっていることを特徴とする圧電素子の概念が抽出されたり、突出部の第1側(実施形態では-D1側)の側面が導体の非配置領域となっていることを特徴とする圧電素子の概念が抽出されたりしてよい。
1…水晶素子(圧電素子)、3…水晶素板(圧電素板)、7…励振電極、9…引出電極、11…接続電極、13…(水晶素板の)主部、15…(水晶素板の)突出部、17…介在部、19…(介在部の)凹部、101…水晶デバイス(圧電デバイス)。

Claims (9)

  1. 第1方向及び前記第1方向に直交する第2方向に広がっている板状の主部と、前記主部の平面視において、前記主部の前記第1方向の第1側の第1縁部のうちの中央側の一部から前記第1側へ突出している突出部と、を有している圧電素板と、
    前記主部の表裏に重なっている2つの励振電極と、
    前記2つの励振電極から引き出されている2つの引出電極と、
    前記突出部に位置しており、前記2つの引出電極を介して前記2つの励振電極と接続されている2つの接続電極と、
    を有しており、
    前記突出部は、前記圧電素板の厚み方向の一方側に面している被実装面を有しており、
    前記2つの接続電極は、前記被実装面に位置している部分を有しているとともに前記被実装面において前記第2方向に互いに離れており、
    前記被実装面の、前記2つの接続電極の間に、凹部、凸部又は貫通孔の少なくとも1つを含む介在部が位置している
    圧電素子。
  2. 前記突出部の前記第2方向の最大長さが、前記第1縁部の両端間の距離よりも短い
    請求項1に記載の圧電素子。
  3. 前記介在部は、
    前記第2方向に並んでいる少なくとも2つの凹部、及び
    前記第2方向に並んでいる少なくとも2つの貫通孔、
    の少なくとも一方を有している
    請求項1又は2に記載の圧電素子。
  4. 前記突出部のうち前記被実装面に前記2つの接続電極が重なっている部分の厚みが、前記主部のうち前記2つの励振電極が重なっている部分の厚みよりも厚い
    請求項1~3のいずれか1項に記載の圧電素子。
  5. 前記2つの接続電極は、前記被実装面の前記第2方向の両側の縁部に重なっている
    請求項2に記載の圧電素子。
  6. 前記突出部の前記第1側の側面は、当該圧電素子が有する導体の非配置領域となっている
    請求項5に記載の圧電素子。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の圧電素子と、
    2つのパッドを有しているパッケージと、
    前記2つの接続電極と前記2つのパッドとを接合しているとともに導電性を有している2つの接合材と、
    を有している圧電デバイス。
  8. 前記突出部の前記第2方向の両側に位置している第1側面及び第2側面それぞれは、前記圧電素板の厚み方向の位置が互いに異なる2つの面を有しており、
    前記第1側面及び前記第2側面それぞれの前記2つの面は、m面を含んでおり、
    前記2つの接合材の第1接合材は、前記第1側面の前記2つの面に跨っており、
    前記2つの接合材の第2接合材は、前記第2側面の前記2つの面に跨っている
    請求項7に記載の圧電デバイス。
  9. 前記2つの接合材の第1接合材は、前記突出部の前記第2方向の第2側の側面に接合されているとともに前記突出部の前記第1側の側面からは離れており、
    前記2つの接合材の第2接合材は、前記突出部の前記第2方向の第3側の側面に接合されているとともに前記突出部の前記第1側の側面からは離れている
    請求項7又は8に記載の圧電デバイス。
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