JP2023107719A - 折り曲げ装置、これを用いた構造部材の製造方法、及び構造部材 - Google Patents

折り曲げ装置、これを用いた構造部材の製造方法、及び構造部材 Download PDF

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Abstract

【課題】ウェブと、ウェブの側縁に連続するフランジとを含む素材をスペース効率よく折り曲げることができる折り曲げ装置を提供する。【解決手段】折り曲げ装置(10)は、ウェブ(21)と、ウェブ(21)の側縁に連続するフランジ(22,23)とを含む素材(20)を折り曲げるための折り曲げ装置である。折り曲げ装置(10)は、外型(11)と、内型(12)と、折り曲げ機(13)とを備える。内型(12)は、外型(11)と対向して配置される。内型(12)は、外型(11)とともにウェブ(21)を挟持可能なように構成されている。折り曲げ機(13)は、外型(11)の隣に配置される。折り曲げ機(13)は、外型(11)側から内型(12)側に向かってウェブ(21)を押すことができるように構成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、折り曲げ装置に関し、より詳細には、ウェブと、ウェブの側縁に連続するフランジとを含む素材を折り曲げるための折り曲げ装置に関する。また、本開示は、折り曲げ装置を用いた構造部材の製造方法、及び構造部材に関する。
例えば、住宅の外壁フレーム等に用いられる構造部材として、溝形鋼や山形鋼が知られている。これらの構造部材は、一般に、当該部材の長手方向に延びるウェブと、ウェブの側縁に連続するフランジとを含む。
構造部材の中には、L字状に折り曲げられたものがある。L字状の構造部材は、例えば、溝形鋼又は山形鋼である素材を2つ準備し、これらの素材をL字状に配置して端部同士を接合することで製造される。素材の端部同士は、例えば、溶接法、リベット接合法、かしめ接合法等によって接合される。
あるいは、溝形鋼又は山形鋼である素材に対して折り曲げ加工を施すことで、L字状の構造部材を製造することもできる。この場合、素材のフランジに切り欠きを形成し、切り欠きの部分で素材を折り曲げた後、切り欠きの両端面を溶接によって接合する。
しかしながら、これらの製造方法の場合、素材に切り欠きを形成する工程や、素材同士又は切り欠き部分の接合工程が必要であるため、構造部材の製造プロセスが複雑化し、それに伴って構造部材の製造コストが増大する。また、接合方法として溶接を採用した場合、溶接ヒュームの発生によって作業環境が悪化する可能性がある。さらに、素材がめっき鋼板で構成されている場合、溶接によってめっきが消失し、構造部材の防錆性を確保できなくなる可能性もある。そのため、溶接した後に補修工程が必要となる場合もある。
これに対して、特許文献1及び2では、素材に塑性加工を施すことによってL字状の構造部材を製造する方法が提案されている。特許文献1及び2の製造方法では、例えば溝形鋼である素材に塑性加工を施すため、前後一対の回転ダイと、回転ダイの上方に配置された曲げパンチと、回転ダイの側方に配置された左右一対の予備曲げパンチとを含む金型が使用される。特許文献1及び2では、回転ダイに載置された素材の両フランジに予備曲げパンチを押し当てることで、各フランジに予備曲げ加工を施す。そして、回転ダイ上の素材に対して所定角度のV溝を有する曲げパンチを上方から押し込む。このとき、回転ダイが曲げパンチのV溝に沿うように回転し、予備曲げ加工によって形成された折り曲げ線に沿って各フランジの一部が素材の内側に折り込まれる。これにより、L字状の構造部材が成形される。
特許文献3では、溝形鋼である素材の各フランジに穴を形成した後、素材を折り曲げることでL字状の構造部材を製造する方法が提案されている。特許文献3の製造方法では、素材の各フランジのうちウェブに近接する部分に穴が形成される。そして、素材内外の金型でフランジを挟持した状態で、突き金型によってフランジの穴部分を素材の外側から内側に押すことで、フランジの一部を素材の内側に折り込みながら素材をL字状に折り曲げる。
特開2009-167787号公報 特開2017-170473号公報 特開平6-262267号公報
例えば、特許文献1及び2の製造方法によって素材を折り曲げる場合、V溝を有する曲げパンチ及び前後一対の回転ダイは、プレス装置に取り付けられる必要がある。特許文献1及び2では、曲げパンチの下降に伴って各回転ダイが回転し、曲げパンチのV溝及び各回転ダイに沿って素材が折り曲げられる。このとき、回転ダイによって素材の折り曲げ部が持ち上げられ、素材が全体的に移動する。例えば、素材のうち折り曲げ部の両側の部分は、水平状態から斜め下方に延びる状態へと変化し、プレス装置に干渉するおそれがある。特に折り曲げ対象の素材が長い場合、プレス装置への干渉が生じやすい。そのため、プレス装置において素材の折り曲げ加工を行うためのスペースを広く確保する必要があり、折り曲げ加工の際のスペース効率が悪いという問題がある。また、素材に対して折り曲げ加工を複数回施す場合、プレス装置への干渉を回避することは困難である。
本開示は、ウェブと、ウェブの側縁に連続するフランジとを含む素材をスペース効率よく折り曲げることができる折り曲げ装置を提供することを課題とする。
本開示に係る折り曲げ装置は、ウェブと、ウェブの側縁に連続するフランジとを含む素材を折り曲げるための折り曲げ装置である。折り曲げ装置は、外型と、内型と、折り曲げ機とを備える。内型は、外型と対向して配置される。内型は、外型とともにウェブを挟持可能なように構成されている。折り曲げ機は、外型の隣に配置される。折り曲げ機は、外型側から内型側に向かってウェブを押すことができるように構成されている。
本開示に係る折り曲げ装置によれば、ウェブと、ウェブの側縁に連続するフランジとを含む素材をスペース効率よく折り曲げることができる。
図1は、第1実施形態に係る折り曲げ装置の斜視図である。 図2は、第1実施形態に係る折り曲げ装置の平面図である。 図3Aは、図1及び図2に示す折り曲げ装置を用いて構造部材を製造する方法を説明するための図である。 図3Bは、図1及び図2に示す折り曲げ装置を用いて構造部材を製造する方法を説明するための図である。 図3Cは、図1及び図2に示す折り曲げ装置を用いて構造部材を製造する方法を説明するための図である。 図3Dは、図1及び図2に示す折り曲げ装置を用いて構造部材を製造する方法を説明するための図である。 図3Eは、図1及び図2に示す折り曲げ装置を用いて構造部材を製造する方法を説明するための図である。 図3Fは、図1及び図2に示す折り曲げ装置を用いて構造部材を製造する方法を説明するための図である。 図3Gは、図1及び図2に示す折り曲げ装置を用いて構造部材を製造する方法を説明するための図である。 図4は、図1及び図2に示す折り曲げ装置を用いて製造される構造部材の例を示す図である。 図5は、第2実施形態に係る折り曲げ装置の部分平面図である。 図6は、図5に示す折り曲げ装置の内型の部分拡大図である。 図7は、図5に示す折り曲げ装置の動作を説明するための図である。 図8は、図5に示す折り曲げ装置を用いて製造される構造部材の例を示す側面図である。 図9は、図5に示す折り曲げ装置を用いて製造される構造部材の例を示す正面図である。 図10は、実施例及び参考例の構造部材において発生したヒケの深さを示すグラフである。
実施形態に係る折り曲げ装置は、ウェブと、ウェブの側縁に連続するフランジとを含む素材を折り曲げるための折り曲げ装置である。折り曲げ装置は、外型と、内型と、折り曲げ機とを備える。内型は、外型と対向して配置される。内型は、外型とともにウェブを挟持可能なように構成されている。折り曲げ機は、外型の隣に配置される。折り曲げ機は、外型側から内型側に向かってウェブを押すことができるように構成されている(第1の構成)。
第1の構成に係る折り曲げ装置を用いて素材を折り曲げる際には、まず、外型と内型とによってウェブを挟持する。そして、折り曲げ機により、ウェブのうち外型及び内型に挟持されていない部分を外型側から内型側に向かって押すことで、フランジの一部を素材の内側に折り込んで素材を折り曲げることができる。このとき、素材のうち折り曲げ部の一方側に位置する部分は外型及び内型によって固定された状態であり、素材のうち折り曲げ部の他方側に位置する部分のみが折り曲げ機に押されて移動する。そのため、従来の製造方法と比較して、小さいスペースで折り曲げ加工を実施することができる。すなわち、第1の構成に係る折り曲げ装置によれば、スペース効率よく素材を折り曲げることが可能となる。
第1の構成に係る折り曲げ装置では、例えば、素材を水平面に沿って折り曲げることができる。この場合、素材のウェブを床面に対して起立させた状態で外型と内型とで挟持し、折り曲げ機を水平方向に動かしてウェブのうち外型及び内型に挟持されていない部分を内型側に押せばよい。これにより、上下方向のスペースの確保が難しい場合でも、素材を折り曲げることができる。
第1の構成に係る折り曲げ装置では、素材のウェブを折り曲げ機で外型側から内型側に向かって押すことにより、素材を簡易に折り曲げることができる。この折り曲げ装置は、プレス装置等の大規模な設備に設置される必要はない。そのため、折り曲げられた素材が設備に干渉するという問題を解消することができる。
第1の構成に係る折り曲げ装置において、折り曲げ機は、曲げ型を含んでいてもよい。曲げ型は、回転軸周りに回転可能に構成されている。回転軸は、外型及び内型が載置される面に対して垂直な方向に延びている(第2の構成)。
第2の構成によれば、折り曲げ機の曲げ型を回転軸周りに回転させ、この曲げ型によって素材のウェブを内型側に押すことができる。この場合、曲げ型の回転角度によって素材の折り曲げ角度を容易に変更することができる。よって、1つの折り曲げ装置で様々な折り曲げ角度に対応することができる。
第1又は第2の構成に係る折り曲げ装置は、さらに、押さえ型を備えることができる。押さえ型は、外型及び内型に積み重ねられるように配置される(第3の構成)。
第3の構成によれば、素材の折り曲げ加工に際し、押さえ型によって素材のフランジを押さえることができる。この場合、折り曲げ機によって素材が曲げられたとき、フランジが素材の外側に広がる変形を抑制することができる。
第1から第3のいずれかの構成に係る折り曲げ装置において、内型は、当接面と、傾斜面とを含んでいてもよい。当接面は、ウェブに当接するための面であり、外型に対向する。傾斜面は、当接面の折り曲げ機側の端部に連続する。傾斜面は、当接面と鋭角を形成するように当接面に対して傾斜している(第4の構成)。
第4の構成によれば、内型のうち素材のウェブに当接する当接面と、この当接面に対して傾斜する傾斜面との間の角部に沿ってウェブを屈曲させることができる。また、フランジのうち素材の内側に折り込まれた部分を内型の傾斜面に沿わせることができる。これにより、シャープな形状の折り曲げ部を素材に形成することができる。
第4の構成に係る折り曲げ装置において、内型は、さらに、肉盛り部を含んでいてもよい。肉盛り部は、傾斜面上に形成されている。肉盛り部は、素材が折り曲げられたときにウェブを支持するための支持面を含む。支持面は、当接面よりも折り曲げ機側において当接面と非平行に設けられる(第5の構成)。
フランジの一部を素材の内側に折り込んで素材を折り曲げる際、素材の折り曲げ部にヒケが発生する場合がある。より具体的には、素材が折り曲げられるとき、折り曲げ加工のエネルギーを低減させようとして材料が流動し、折り曲げ部においてウェブが内側に凹んでしまうことがある。しかしながら、第5の構成によれば、外型と内型の当接面とでウェブを挟持するだけでなく、内型に設けられた肉盛り部の支持面により、ウェブのうち折り曲げ機によって内型側に折り曲げられてきた部分を支持することができる。すなわち、第5の構成によれば、外型及び内型による素材の拘束領域を増大させることができる。これにより、折り曲げ加工時の材料の流動が低減され、折り曲げ部におけるヒケの発生を抑制することができる。
実施形態に係る製造方法は、構造部材の製造方法である。製造方法は、ウェブと、ウェブの側縁に連続するフランジとを含む素材を準備する準備工程と、素材の内側に凹む予成形部をフランジに形成する予成形工程と、予成形工程後に、第1から第5のいずれかの構成に係る折り曲げ装置によって素材を折り曲げる折り曲げ工程とを備える。予成形部は、第1稜線部と、第2稜線部とを含む。第1稜線部は、予成形部の底部である。第1稜線部は、ウェブの側縁からフランジのウェブと反対側の端部に向かって延びている。第2稜線部は、予成形部の両縁部である。第2稜線部は、それぞれ、フランジの端部に近づくにつれて第1稜線部から離間するように第1稜線部のウェブ側の端部からフランジの端部に向かって延びている。折り曲げ工程は、第1稜線部に対して一方側で、外型と内型とによってウェブを挟持する工程と、第1稜線部に対して他方側で、ウェブを折り曲げ機によって外型側から内型側に向かって押すことで、第1稜線部及び第2稜線部に沿って予成形部を素材の内側に折り込みながら素材を折り曲げる工程とを含む(第6の構成)。
実施形態に係る構造部材は、ウェブと、フランジと、複数の折り曲げ部とを備える。フランジは、ウェブの側縁に連続する。折り曲げ部の各々では、フランジの一部が構造部材の内側に折り込まれることによって構造部材が折り曲がった状態となっている(第7の構成)。
実施形態に係る構造部材は、ウェブと、フランジと、折り曲げ部とを備える。フランジは、ウェブの側縁に連続する。折り曲げ部は、構造部材において、フランジの一部が内側に折り込まれることによって折り曲げられた部分である。折り曲げ部に生じている凹みの深さは、ウェブに対して垂直な方向に沿って構造部材を見たときに折り曲げ部においてウェブの幅方向の両端部に接する直線を基準として、1.0mm以下である(第8の構成)。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各図において同一又は相当の構成については同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
<第1実施形態>
[折り曲げ装置の構成]
図1は、第1実施形態に係る折り曲げ装置10の斜視図である。図2は、折り曲げ装置10の平面図である。折り曲げ装置10は、図1及び図2において二点鎖線で示す素材20を折り曲げるための装置である。本実施形態において、素材20は溝形鋼である。素材20は、ウェブ21と、フランジ22,23とを含む。
図1及び図2を参照して、折り曲げ装置10は、外型11と、内型12と、折り曲げ機13と、押さえ型14とを備える。折り曲げ装置10は、さらに、支持部材15と、ベース16とを備えている。図2では、図面の煩雑化を回避するため、押さえ型14を省略した状態で折り曲げ装置10を示している。
外型11は、素材20のウェブ21を内型12とともに挟持可能なように構成されている。外型11は、支持部材15によって背面から支持されている。外型11の背面とは、内型12及び素材20のウェブ21と反対側の面である。外型11は、例えば、支持部材15と一体的に形成されている。本実施形態の例において、外型11及び支持部材15は、長尺形状を有している。
外型11は、ベース16上に載置される。外型11は、ベース16に対して着脱可能となっている。外型11は、素材20の折り曲げ加工に際し、例えばボルト等の締結部材17によってベース16に取り付けられる。外型11は、支持部材15を介してベース16に取り付けられてもよい。より具体的には、支持部材15が1つ以上の締結部材17によってベース16と締結されることにより、支持部材15に支持された外型11がベース16に固定されてもよい。
外型11は、当接面111を含む。当接面111は、外型11において支持部材15の反対側に設けられている。当接面111は、素材20のウェブ21に当接するための面である。特に限定されるものではないが、当接面111は、例えば、実質的に矩形状を有する。
内型12は、外型11に対向して配置される。内型12は、当接面121と、傾斜面122とを含む。当接面121は、外型11の当接面111に対向する。当接面121は、外型11の反対側から素材20のウェブ21に当接するための面である。傾斜面122は、当接面121の折り曲げ機13側の端部に連続している。傾斜面122は、当接面121と鋭角を形成するように当接面121に対して傾斜する。当接面121及び傾斜面122は、それぞれ、実質的に矩形状を有していてもよい。ただし、当接面121及び傾斜面122の形状は、これに限定されるものではない。
内型12は、ベース16上に載置される。内型12は、ベース16に対して着脱可能となっている。内型12は、素材20の折り曲げ加工に際し、例えば締結部材17によってベース16に取り付けられる。内型12は、1つ以上の締結部材17によってベース16と締結される。
折り曲げ機13は、外型11の隣に配置されている。折り曲げ機13は、外型11側から内型12側に向かって素材20のウェブ21を押すことができるように構成されている。折り曲げ機13は、曲げ型131と、駆動装置132とを含む。
曲げ型131は、ベース16上に載置されている。曲げ型131は、回転軸133周りに回転可能に構成されている。回転軸133は、外型11及び内型12が載置される面に対して実質的に垂直な方向に延びている。本実施形態において、回転軸133は、ベース16の表面に対して実質的に垂直な方向に延びている。曲げ型131は、ベース16に対して着脱可能となっている。
曲げ型131は、長尺形状を有する。曲げ型131は、素材20の折り曲げ加工を開始する際、外型11と直列に配置される。曲げ型131は、外型11と直列の状態から回転軸133周りに回転することにより、素材20のウェブ21を押すことができる。曲げ型131のうち素材20側の表面には、ウェブ21に当接するための当接面131aが設けられている。当接面131aは、曲げ型131が外型11と直列の状態において、外型11の当接面111と実質的に又は概ね同一の平面上に位置することができる。
駆動装置132は、曲げ型131を作動させるように構成されている。駆動装置132は、曲げ型131を素材20側に向かって押すことができるように構成されている。駆動装置132は、典型的には、直線運動を行うアクチュエータである。駆動装置132は、例えば、油圧シリンダやエアシリンダ等の流体圧シリンダであってもよいし、電動シリンダであってもよい。駆動装置132は、支持部材15を貫通して曲げ型131に当接する。
押さえ型14は、素材20の折り曲げ加工に際し、外型11及び内型12に積み重ねられるように配置される。押さえ型14は、ベース16に対して着脱可能となっている。押さえ型14は、例えば締結部材17により、ベース16に取り付けられる。本実施形態において、押さえ型14は、外型11を介してベース16に取り付けられる。例えば、1つ以上の締結部材17によって押さえ型14及び外型11をベース16と締結することにより、押さえ型14をベース16に固定することができる。
[構造部材の製造方法]
以下、折り曲げ装置10を用いて構造部材を製造する方法について、図3A~図3Gを参照しつつ説明する。構造部材の製造方法は、準備工程と、予成形工程と、折り曲げ工程とを備える。
(準備工程)
図3Aを参照して、準備工程では、例えば溝形鋼である素材20を準備する。素材20は、ウェブ21と、フランジ22,23とを含む。ウェブ21は、平板状であり、長尺形状の素材20の長手方向に延びている。フランジ22は、ウェブ21の一方の側縁に連続している。フランジ23は、ウェブ21の他方の側縁に連続している。フランジ22,23は、それぞれ平板状であり、素材20の幅方向において互いに対向している。フランジ22,23は、ウェブ21と同様、それぞれ素材20の長手方向に延びている。
(予成形工程)
予成形工程では、準備された素材20に予成形が施される。まず、図3Bを参照して、予成形工程で使用する金型30について説明する。金型30は、ダイ31と、パンチ32,33とを含んでいる。
ダイ31は、例えば、概ね直方体状を有する。ダイ31は、頂面311と、側面312,313とを含む。頂面311は、ダイ31の平面視で例えば矩形状であり、ダイ31の長手方向に延びている。側面312は、頂面311の一方の側縁に連続している。側面313は、頂面311の他方の側縁に連続している。側面312,313は、頂面311と同様、それぞれダイ31の長手方向に延びている。
側面312,313の各々には、凹部314が設けられている。凹部314は、ダイ31の側面視で実質的に三角形状を有する。凹部314は、稜線部314a,314b,314cを含む。稜線部314aは、凹部314の底部であり、谷折り線状となっている。稜線部314aは、実質的に又は概ねダイ31の高さ方向に延びている。稜線部314aは、ダイ31の側面視で、頂面311の側縁に対して垂直であってもよいし、頂面311の側縁に対して傾斜していてもよい。
稜線部314b,314cは、凹部314の両縁部であり、それぞれ山折り線状となっている。稜線部314b,314cは、概ねダイ31の高さ方向に延びている。ただし、稜線部314b,314cは、凹部314の底部である稜線部314aに対して傾斜している。稜線部314bが稜線部314aとなす角度は、稜線部314cが稜線部314aとなす角度と等しい。稜線部314b,314cの各々が稜線部314aとなす角度は、例えば45°である。しかしながら、稜線部314b,314cの各々と稜線部314aとの角度は、45°未満であってもよいし、45°よりも大きくてもよい。
パンチ32,33は、ダイ31の両側方に配置されている。パンチ32は、ダイ31の一方の側面312に対向するように配置されている。パンチ33は、ダイ31の他方の側面313に対向するように配置されている。
パンチ32,33の各々において、ダイ31側の表面には凸部34が設けられている。凸部34は、ダイ31の側面312,313に設けられた凹部314に対応した形状を有する。凸部34は、ダイ31側から見て実質的に三角形状を有する。凸部34は、稜線部34a,34b,34cを含む。稜線部34aは凸部34の頂部であり、稜線部34b,34cは凸部34の基部である。稜線部34aは、ダイ31の凹部314の稜線部314aと実質平行に延びている。稜線部34b,34cは、それぞれ、ダイ31の凹部314の稜線部314b,314cと実質平行に延びている。
図3Cを参照して、素材20に予成形を施す際には、まず、パンチ32,33をダイ31から離間させた状態で、素材20をダイ31上に載置する。このとき、素材20のウェブ21は、ダイ31の頂面311上に配置され、素材20のフランジ22,23は、それぞれ、ダイ31の側面312,313に沿って配置される。この状態でパンチ32,33をダイ31に接近させて、素材20のフランジ22,23に押し付ける。これにより、フランジ22,23の一部がダイ31の凹部314とパンチ32,33の凸部34との間でプレスされる。その結果、図3Dに示すように、フランジ22,23の各々に予成形部24が形成される。
予成形部24は、フランジ22,23のうち、素材20の内側に凹んだ部分である。予成形部24は、ダイ31の凹部314(図3B)に対応して、素材20の側面視で実質的に三角形状を有する。予成形部24は、稜線部24a,24b,24cを含む。稜線部24aは、凹状の予成形部24の底部であり、谷折り線状となっている。稜線部24aは、ウェブ21の側縁から、フランジ22又は23の端部(ウェブ21と反対側)に向かって延びている。稜線部24aは、素材20の側面視で、ウェブ21の側縁に対して垂直であってもよいし、ウェブ21の側縁に対して傾斜していてもよい。
稜線部24b,24cは、予成形部24の両縁部であり、それぞれ山折り線状となっている。稜線部24b,24cは、稜線部24aのウェブ21側の端部から、フランジ22又は23の端部(ウェブ21と反対側)に向かって延びている。ただし、稜線部24b,24cは、予成形部24の底部である稜線部24aに対して傾斜している。稜線部24b,24cは、フランジ22又は23の端部に近づくにつれて稜線部24aから離間している。稜線部24b,24cは、例えば、ウェブ21の側縁に対する稜線部24aの接続点からフランジ22又は23の端部へと延びている。
稜線部24bが稜線部24aとなす角度は、稜線部24cが稜線部24aとなす角度と等しい。稜線部24b,24cの各々が稜線部24aとなす角度は、例えば45°である。しかしながら、稜線部24b,24cの各々と稜線部24aとの角度は、45°未満であってもよいし、45°よりも大きくてもよい。稜線部24bが稜線部24aとなす角度と、稜線部24cが稜線部24aとなす角度との合計、すなわち稜線部24bと稜線部24cとの間の角度が素材20の折り曲げ角度となる。
予成形工程は、続く折り曲げ工程で素材20を折り曲げやすくするため、折り曲げ線としての稜線部24a,24b,24cを含む予成形部24をフランジ22,23に形成する工程である。折り曲げ工程において素材20を複数箇所で折り曲げる場合、予成形工程を複数回繰り返し、フランジ22,23のそれぞれに複数の予成形部24を形成することができる。例えば、折り曲げ工程において素材20を複数箇所で折り曲げて枠状に変形させたい場合、フランジ22,23のそれぞれに4つの予成形部24を形成することができる。フランジ22の予成形部24は、フランジ23の予成形部24と対応する位置に形成される。
(折り曲げ工程)
図3E及び図3Fを参照して、折り曲げ工程では、折り曲げ装置10によって予成形工程後の素材20を折り曲げる。本実施形態では、ベース16を床面に配置し、実質的に水平面に沿って素材20を折り曲げる例について説明する。
図3Eに示すように、折り曲げ工程では、まず、折り曲げ装置10に素材20を配置する。より詳細には、予成形部24の谷折り線である稜線部24aに対して一方側で、外型11と内型12とによって素材20のウェブ21を挟持する。外型11及び内型12は、ウェブ21をしっかりと挟んだ状態で、締結部材17によってベース16に固定される。
折り曲げ装置10に素材20が配置された状態で、ウェブ21はベース16に対して起立している。一方のフランジ22は、ベース16の表面に接触している。他方のフランジ23は、フランジ22の上方に配置されている。外型11は、内型12側の当接面111によって、素材20の外側からウェブ21に当接している。内型12は、フランジ22,23の間に入り込み、外型11側の当接面121によって素材20の内側からウェブ21に当接している。内型12のうち当接面121と傾斜面122との間の角部は、予成形部24の稜線部24aと稜線部24bとの交点の位置に配置されている。傾斜面122は、折り曲げ装置10の平面視で、予成形部24の稜線部24bに沿うように配置されている。
素材20が折り曲げ装置10に配置されたとき、折り曲げ機13の曲げ型131の当接面131aもウェブ21に当接することができる。曲げ型131は、例えば、素材20の外側からウェブ21に接触する。折り曲げ装置10では、予成形部24の谷折り線である稜線部24aを挟んで外型11及び内型12と反対側に曲げ型131の回転軸133が位置するように、素材20が配置されている。押さえ型14は、外型11及び内型12によってウェブ21を挟持させた後に配置される。押さえ型14は、外型11及び内型12に積み重ねられるように配置され、素材20の外側(上方)からフランジ23を押さえる。押さえ型14は、締結部材17によって外型11及びベース16に固定される。
図3Fを参照して、折り曲げ装置10に素材20を配置したら、折り曲げ機13によって素材20を折り曲げる。より詳細には、予成形部24の谷折り線である稜線部24a(図3E)に対して外型11及び内型12とは反対側で、折り曲げ機13によってウェブ21を内型12側に押すことで、稜線部24a,24b,24c(図3E及び図3F)に沿って予成形部24を素材20の内側に折り込みながら素材20を折り曲げる。なお、図面の煩雑化を回避するため、図3F、及び後述の図3Gでは押さえ型14を省略している。
折り曲げ機13の駆動装置132は、例えば、曲げ型131に向かって伸長する。これにより、駆動装置132に押されて曲げ型131が回転軸133周りに回転する。曲げ型131が回転すると、素材20が曲げ型131に押されて折れ曲がり始める。ウェブ21は、内型12の当接面121と傾斜面122との間の角部(図3E)に沿って屈曲する。フランジ22,23のそれぞれの予成形部24は、稜線部24a,24b,24c(図3E及び図3F)に沿って素材20の内側に折りたたまれる。フランジ22,23のうち素材20の内側に折りたたまれた部分は、内型12の傾斜面122(図3E)に接触する。
素材20を所定の折り曲げ角度に折り曲げた後、駆動装置132及び曲げ型131を停止させ、初期位置に戻す。素材20に予成形部24が残っていない場合、素材20を折り曲げ装置10から取り外す。素材20に予成形部24が残っている場合、図3Gに示すように、予成形部24が曲げ型131の近傍に位置するように素材20をずらし、折り曲げ工程を繰り返す。
フランジ22,23に複数の予成形部24が設けられている場合、素材20の長手方向における内型12の長さは、素材20の長手方向に隣り合う予成形部24間の距離よりも短いことが好ましい。内型12の長さが予成形部24間の距離と同等以上である場合、折り曲げ加工を繰り返した後、素材20内から内型12を取り外すことが困難になるためである。素材20の長手方向における外型11の長さは、素材20の長手方向における内型12の長さよりも長くてもよいし、内型12の長さと同等であってもよい。
[構造部材]
図4は、折り曲げ装置10を用いて製造される構造部材40の例を示す図である。構造部材40は、ウェブ41と、フランジ42,43と、複数の折り曲げ部44とを備えている。
図4に示す構造部材40は、4つの折り曲げ部44を備えている。すなわち、構造部材40は、4箇所で折り曲げられている。この構造部材40は、全体として四角形の枠状を有する。
折り曲げ部44の各々では、フランジ42,43の一部421,431が構造部材40の内側に折り込まれている。より具体的には、フランジ42,43のうち、素材20のフランジ22,23に形成された予成形部24(図3D)であった部分421,431が折りたたまれ、構造部材40の内側に配置されている。フランジ42,43は、ウェブ41の両側縁に連続している。そのため、折り曲げ部44の各々では、フランジ42,43の折り込みに伴ってウェブ41が屈曲している。
構造部材40の一端部45は、他端部46と接合されていなくてもよいし、接合されていてもよい。構造部材40の端部45,46は、例えば、かしめ等によって機械的に接合することができる。
[効果]
本実施形態に係る折り曲げ装置10を用いて素材20を折り曲げる際には、まず、外型11と内型12とによってウェブ21を挟持する。そして、折り曲げ機13により、ウェブ21のうち外型11及び内型12に挟持されていない部分を外型11側から内型12側に向かって押すことで、フランジ22,23の一部を素材20の内側に折り込んで素材20を折り曲げることができる。このとき、素材20のうち予成形部24の稜線部24aを挟んで外型11及び内型12側に位置する部分は、外型11及び内型12によって拘束され、静止した状態である。素材20の折り曲げ加工では、素材20のうち予成形部24の稜線部24aを挟んで折り曲げ機13側に位置する部分のみが折り曲げ機13に押されて移動する。そのため、小さいスペースで効率よく素材20を折り曲げることができる。よって、比較的長尺の素材20であっても、周囲への干渉を懸念することなく折り曲げ加工を行うことができる。また、素材20に対して複数回の折り曲げ加工を施すことも可能である。
本実施形態に係る折り曲げ装置10では、素材20を水平面に沿って折り曲げることができる。例えば、ベース16を床面に設置し、折り曲げ機13を水平方向に動かすことが可能である。そのため、上下方向のスペースの確保が難しい場合でも、素材20を折り曲げることができる。
本実施形態に係る折り曲げ装置10では、例えば流体圧シリンダ等である駆動装置132で曲げ型131を内型12側に動かすことにより、素材20を簡易に折り曲げることができる。この折り曲げ装置10は、プレス装置等の大規模な設備に設置される必要がない。よって、折り曲げられた素材20が設備に干渉するという問題を解消することができる。
本実施形態に係る折り曲げ装置10において、折り曲げ機13は、曲げ型131を含んでいる。この曲げ型131が回転軸133周りに回転することにより、素材20のウェブ21を内型12側に押すことができる。曲げ型131の回転角度は、例えば駆動装置132のストロークを変更することによって容易に調整することができる。曲げ型131の回転角度を調整することにより、1つの折り曲げ装置10で様々な折り曲げ角度の構造部材40を製造することができる。
本実施形態に係る折り曲げ装置10は、押さえ型14を備えている。この押さえ型14は、素材20の折り曲げ加工を行う際、フランジ23を押さえることができる。また、フランジ22は、ベース16によって押さえられる。そのため、フランジ22,23の予成形部24が折り込まれて素材20が折り曲げられたとき、フランジ22,23の他の部分が外側に開く変形を抑制することができる。すなわち、素材20の断面形状を維持しながら、折り曲げ加工を行うことができる。
本実施形態に係る折り曲げ装置10において、内型12は、素材20のウェブ21に当接する当接面121と、当接面121に連続する傾斜面122とを含んでいる。この場合、当接面121と傾斜面122との間の角部に沿ってウェブ21を屈曲させることができる。また、フランジ22,23のうち素材20の内側に折り込まれた部分を傾斜面122に沿わせることができる。これにより、素材20においてシャープな形状の折り曲げ部を形成することができる。
本実施形態に係る折り曲げ装置10を用いた場合、複数の折り曲げ部44を備えた構造部材40を製造することができる。各折り曲げ部44は、素材20のフランジ23,22の予成形部24が塑性加工で折り込まれて形成されている。この場合、各折り曲げ部44が加工硬化で硬くなるため、構造部材40全体としての強度を高めることができる。
<第2実施形態>
図5は、第2実施形態に係る折り曲げ装置10Aの部分平面図である。折り曲げ装置10Aは、第1実施形態に係る折り曲げ装置10とほとんど同様に構成されている。ただし、折り曲げ装置10Aは、第1実施形態に係る折り曲げ装置10とは異なる内型12Aを備えている。
図5を参照して、内型12Aは、当接面121及び傾斜面122に加え、肉盛り部123を含んでいる。肉盛り部123は、傾斜面122上に形成されている。より具体的には、肉盛り部123は、傾斜面122において折り曲げ機13側の端部に設けられている。肉盛り部123は、延長面123aと、支持面123bとを含む。
延長面123aは、内型12Aの当接面121を折り曲げ機13側に延長する面である。延長面123aは、当接面121の先端から折り曲げ機13側に延在している。延長面123aは、例えば、当接面121と面一となるように当接面121に連続する。ただし、延長面123aと当接面121との境界にはわずかに段差が生じていてもよいし、延長面123aが当接面121に対して若干傾いていてもよい。
支持面123bは、折り曲げ装置10によって素材が折り曲げられたときにウェブを支持するための面である。支持面123bは、当接面121よりも折り曲げ機13側に配置されている。支持面123bは、延長面123aを介して当接面121に接続される。支持面123bは、当接面121と非平行に設けられる。当接面121と支持面123bとの間の角度は、90°であってもよいし、90°超又は90°未満であってもよい。当接面121と支持面123bとの間の角度は、素材の折り曲げ角度に応じて決定することができる。
図6は、内型12Aの部分拡大図であり、内型12Aを傾斜面122側から見た状態を示す。図6を参照して、肉盛り部123は、傾斜面122の端部から内側に向かうにつれて幅狭となる形状を有している。肉盛り部123のうち支持面123b(図5)に連続する部分は、例えば、略三角すい状(ピラミッド状)に形成されている。肉盛り部123は、内型12Aを傾斜面122側から見たときに実質的に左右対称となるように傾斜面122上に設けられている。
本実施形態において、内型12Aの肉盛り部123側の両角部124には、R面取り加工が施されている。すなわち、内型12Aの各角部124は、傾斜面122側から見て実質的に円弧状となるように形成されている。
図7は、折り曲げ装置10Aの動作を説明するための図である。図7は、素材20を折り曲げたときの平面視での折り曲げ装置10Aを示す。図7を参照して、素材20が折り曲げられるとき、ウェブ21のうち内型12Aの当接面121に対向する部分211は、外型11と内型12Aとによって挟持される。一方、ウェブ21のうち外型11と内型12Aとで挟持されない部分212は、回転軸133周りに回転した曲げ型131によって折り曲げられる。このとき、ウェブ21のうち曲げ型131に押されて折り曲げられた部分212は、内型12Aに設けられた肉盛り部123の支持面123bによって支持される。肉盛り部123の支持面123bは、素材20の内側からウェブ21を支持して拘束する。これにより、折り曲げ工程における材料の流動が抑制され、素材20の折り曲げ側でウェブ21に凹み(ヒケ)が生じるのを抑制することができる。
内型12Aの肉盛り部123は、傾斜面122側から見て、傾斜面122の内側に向かうにつれて幅狭となる形状を有している。これにより、素材20の折り曲げに伴ってフランジ22,23の予成形部24(図3E及び図3F)が素材20の内側に折り込まれたとき、予成形部24と肉盛り部123との干渉を回避することができる。さらに、内型12Aの両角部124がR面取り加工によって丸められているため、折り込まれた予成形部24と内型12Aとの干渉を回避することもできる。
図8及び図9は、折り曲げ装置10Aを用いて製造される構造部材50の例を示す図である。図8は、構造部材50の側面図である。図9は、構造部材50の正面図である。
図8を参照して、構造部材50は、ウェブ51と、フランジ52と、折り曲げ部53とを備えている。第1実施形態に係る構造部材40(図4)と同様、フランジ52は、ウェブ51の2つの側縁各々に連続して設けられる。折り曲げ部53は、構造部材50のうち、フランジ52の一部が内側に折り込まれることによって折り曲げられた部分である。
図9は、構造部材50をウェブ51に対して垂直な方向に沿って見た図であり、ウェブ51のうち、素材20のウェブ21の折り曲げ側の部分212(図7)に相当する部分を示すものである。図9では、本実施形態に係る折り曲げ装置10Aを用いて製造した構造部材50を実線で示し、ヒケが発生した構造部材を二点鎖線で示す。
図9において二点鎖線で示すように、例えば溝形鋼である素材を折り曲げて構造部材を製造した場合、通常、構造部材の折り曲げ部にはヒケが発生する。すなわち、構造部材の折り曲げ部には、基準線Sに対して顕著な凹みが発生する。一方、本実施形態に係る構造部材50の折り曲げ部53には、実質的にヒケが発生しない。すなわち、構造部材50の折り曲げ部53において、基準線Sに対する凹みの深さ(最大深さ)は、1.0mm以下である。基準線Sは、ウェブ51に対して垂直な方向に沿って構造部材50を見たときに、折り曲げ部53においてウェブ51の幅方向の両端部に接する仮想直線である。
以上、本開示に係る実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態に係る折り曲げ装置10,10Aでは、折り曲げ機13が曲げ型131及び駆動装置132を含んでいる。しかしながら、折り曲げ機13は、例えば曲げ型131を含まなくてもよい。折り曲げ機13は、直線運動を行うアクチュエータである駆動装置132により、素材20のウェブ21を直接押すこともできる。折り曲げ機13は、外型11側から内型12,12A側に向かってウェブ21を押すことができるように構成されていればよい。
上記実施形態に係る折り曲げ装置10,10Aは、押さえ型14を備えている。しかしながら、折り曲げ装置10,10Aは、必ずしも押さえ型14を備えている必要はない。押さえ型14によって素材20のフランジ23を押さえずに折り曲げ加工を行うことも可能である。
上記実施形態において、素材20の予成形工程では、両側のフランジ22,23に同時に予成形部24を形成している。しかしながら、フランジ22,23の一方に予成形部24を形成した後、フランジ22,23の他方に予成形部24を形成することもできる。
上記実施形態において、素材20は溝形鋼である。しかしながら、素材20の材料及び形状は、これに限定されるものではない。素材20の材料は、塑性加工可能な金属であればよい。素材20の材料として、鋼以外に、例えば、アルミニウム、銅、及びチタン、並びにそれらの合金を用いることができる。素材20は、めっき層を備えていてもよい。素材20は山形状であってもよい。すなわち、素材20は、フランジ22,23の一方を含んでいなくてもよい。あるいは、素材20は、溝形状であり、フランジ22,23にリップが付与されたものであってもよい。同様に、素材20から製造される構造部材40,50も、山形状であってもよいし、リップ付きの溝形状であってもよい。
上記第1実施形態において例示した構造部材40は、4つの折り曲げ部44を備え、全体として四角形の枠状を有する。しかしながら、構造部材40において、折り曲げ部44の数は3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。各折り曲げ部44の折り曲げ角度を調整することで、構造部材40は、四角形以外の形状を有することもできる。
上記第2実施形態において例示した構造部材50は、単一の折り曲げ部53を備える。しかしながら、構造部材50には、複数の折り曲げ部53が設けられていてもよい。構造部材50は、例えば、第1実施形態に係る構造部材40と同様に多角形状を有することもできる。
第2実施形態に係る折り曲げ装置10Aによる効果を確認するため、折り曲げ装置10Aを用いて素材20に折り曲げ加工を施し、構造部材50を形成した(実施例)。また、第1実施形態に係る折り曲げ装置10を用いて素材20に折り曲げ加工を施し、実施例と同様の構造部材50を形成した(参考例)。そして、実施例及び参考例の各々に関し、構造部材50の折り曲げ部53において生じたヒケの深さを測定した。ヒケの深さは、折り曲げ加工によって折り曲げ部53に生じた凹みの深さであり、第2実施形態で説明した基準線Sに対する凹みの最大深さである。
実施例及び参考例の構造部材50において発生したヒケの深さを図10に示す。図10を参照して、参考例の構造部材50では、折り曲げ部53に発生したヒケの深さが約3.0mmとなった。一方、実施例の構造部材50では、折り曲げ部53に発生したヒケの深さが1.0mm以下となっている。したがって、肉盛り部123を設けた内型12Aを備える折り曲げ装置10Aを用いることにより、構造部材50におけるヒケの発生が抑制されることが確認された。
10,10A:折り曲げ装置
11:外型
12,12A:内型
121:当接面
122:傾斜面
123:肉盛り部
123b:支持面
13:折り曲げ機
131:曲げ型
133:回転軸
14:押さえ型
20:素材
21:ウェブ
22,23:フランジ
24:予成形部
24a,24b,24c:稜線部
40,50:構造部材
41,51:ウェブ
42,43,52:フランジ
44,53:折り曲げ部

Claims (8)

  1. ウェブと、前記ウェブの側縁に連続するフランジとを含む素材を折り曲げるための折り曲げ装置であって、
    外型と、
    前記外型と対向して配置され、前記外型とともに前記ウェブを挟持可能なように構成された内型と、
    前記外型の隣に配置され、前記外型側から前記内型側に向かって前記ウェブを押すことができるように構成された折り曲げ機と、
    を備える、折り曲げ装置。
  2. 請求項1に記載の折り曲げ装置であって、
    前記折り曲げ機は、
    前記外型及び前記内型が載置される面に対して垂直な方向に延びる回転軸周りに回転可能に構成された曲げ型、
    を含む、折り曲げ装置。
  3. 請求項1に記載の折り曲げ装置であって、さらに、
    前記外型及び前記内型に積み重ねられるように配置される押さえ型、
    を備える、折り曲げ装置。
  4. 請求項1に記載の折り曲げ装置であって、
    前記内型は、
    前記外型に対向し、前記ウェブに当接するための当接面と、
    前記当接面の前記折り曲げ機側の端部に連続し、前記当接面と鋭角を形成するように前記当接面に対して傾斜する傾斜面と、
    を含む、折り曲げ装置。
  5. 請求項4に記載の折り曲げ装置であって、
    前記内型は、さらに、
    前記傾斜面上に形成された肉盛り部、
    を含み、
    前記肉盛り部は、
    前記当接面よりも前記折り曲げ機側において前記当接面と非平行に設けられ、前記素材が折り曲げられたときに前記ウェブを支持するための支持面、
    を含む、折り曲げ装置。
  6. 構造部材の製造方法であって、
    ウェブと、前記ウェブの側縁に連続するフランジとを含む素材を準備する準備工程と、
    前記素材の内側に凹む予成形部を前記フランジに形成する予成形工程と、
    前記予成形工程後に、請求項1から5のいずれか1項に記載の折り曲げ装置によって前記素材を折り曲げる折り曲げ工程と、
    を備え、
    前記予成形部は、
    前記予成形部の底部であって、前記ウェブの前記側縁から前記フランジの前記ウェブと反対側の端部に向かって延びる第1稜線部と、
    前記予成形部の両縁部であって、それぞれ、前記フランジの前記端部に近づくにつれて前記第1稜線部から離間するように前記第1稜線部の前記ウェブ側の端部から前記フランジの前記端部に向かって延びる第2稜線部と、
    を含み、
    前記折り曲げ工程は、
    前記第1稜線部に対して一方側で、前記外型と前記内型とによって前記ウェブを挟持する工程と、
    前記第1稜線部に対して他方側で、前記ウェブを前記折り曲げ機によって前記外型側から前記内型側に向かって押すことで、前記第1稜線部及び前記第2稜線部に沿って前記予成形部を前記素材の内側に折り込みながら前記素材を折り曲げる工程と、
    を含む、製造方法。
  7. 構造部材であって、
    ウェブと、
    前記ウェブの側縁に連続するフランジと、
    複数の折り曲げ部と、
    を備え、
    前記折り曲げ部の各々では、前記フランジの一部が前記構造部材の内側に折り込まれることによって前記構造部材が折り曲がった状態となっている、構造部材。
  8. 構造部材であって、
    ウェブと、
    前記ウェブの側縁に連続するフランジと、
    前記構造部材において、前記フランジの一部が内側に折り込まれることによって折り曲げられた部分である折り曲げ部と、
    を備え、
    前記折り曲げ部に生じている凹みの深さは、前記ウェブに対して垂直な方向に沿って前記構造部材を見たときに前記折り曲げ部において前記ウェブの幅方向の両端部に接する直線を基準として、1.0mm以下である、構造部材。
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