JP2023105667A - 非接触給電装置 - Google Patents

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和峰 木村
Kazutaka Kimura
俊哉 橋本
Toshiya Hashimoto
眞 橋本
Makoto Hashimoto
恵亮 谷
Keisuke Tani
宜久 山口
Yoshihisa Yamaguchi
正樹 金▲崎▼
Masaki Kanezaki
和良 大林
Kazuyoshi Obayashi
優一 竹村
Yuichi Takemura
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Abstract

【課題】磁性体の効果が小さくなることを抑制することができる非接触給電装置を提供すること。【解決手段】送電コイルから受電コイルに非接触で給電する非接触給電装置であって、受電コイルは、巻き回し軸線の周囲を囲むように巻き線を巻き回して形成されており、巻き回し軸線と交差するように、受電コイルに対して送電コイル側とは反対側に配置された第1磁性体と、受電コイル及び第1磁性体とは非接触で配置され、且つ、巻き回し軸線と直交する方向で、受電コイルの内周と外周との間のコイル幅の半分の位置よりも外側に受電コイルに対して配置された第2磁性体と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、非接触給電装置に関する。
特許文献1には、非接触給電装置において、送電コイルと受電コイルとがスパイラルコイルで、受電コイルが直接的または間接的に金属製部材に取り付けられており、金属製部材の表面の、受電コイルの取り付け位置を中心とする一定の範囲に非導電性磁性薄膜が形成されており、非導電性磁性薄膜の形状が送電コイルの形状を車幅方向へ引き延ばした形状とした技術が開示されている。
特開2017-076653号公報
磁性体薄膜がコイルの背面でコイルを覆うように配置されていると、磁束密度が高くなり、磁性体の効果が小さくなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、磁性体の効果が小さくなることを抑制することができる非接触給電装置を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る非接触給電装置は、送電コイルから受電コイルに非接触で給電する非接触給電装置であって、前記受電コイルは、巻き回し軸線の周囲を囲むように巻き線を巻き回して形成されており、前記巻き回し軸線と交差するように、前記受電コイルに対して前記送電コイル側とは反対側に配置された第1磁性体と、前記受電コイル及び前記第1磁性体とは非接触で配置され、且つ、前記巻き回し軸線と直交する方向で、前記受電コイルの内周と外周との間のコイル幅の半分の位置よりも外側に前記受電コイルに対して配置された第2磁性体と、を備えることを特徴とするものである。
これにより、第2磁性体が無い場合よりもコイル間の伝送効率を向上させつつ、第2磁性体の磁束密度を低減させることができ、磁性体の効果が小さくなることを抑制することができる。
また、上記において、前記第2磁性体は、前記第1磁性体に対して前記受電コイル側とは反対側に配置されていてもよい。
これにより、第1磁性体に対して受電コイル側とは反対側に第2磁性体を配置した構成で、磁性体の効果が小さくなることを抑制することができる。
また、上記において、前記第2磁性体は、前記受電コイルに対して前記第1磁性体側とは反対側に配置されていてもよい。
これにより、受電コイルに対して第1磁性体側とは反対側に第2磁性体を配置した構成で、磁性体の効果が小さくなることを抑制することができる。
また、上記において、前記巻き回し軸線と同方向に延在し、一端部が前記第1磁性体と接触または非接触で、他端部が前記第2磁性体と非接触で配置された中継磁性体を備えるようにしてもよい。
これにより、中継磁性体が無い場合よりも、第2磁性体の最大磁束密度を、より低減させることができる。
また、上記において、前記巻き回し軸線と直交する方向で、前記中継磁性体の前記他端部から前記第2磁性体に沿って伸長する伸長部を有するようにしてもよい。
これにより、伸長部が無い場合よりも、コイル間の伝送効率が向上するとともに、第2磁性体の最大磁束密度を低減させることができる。
本発明に係る非接触給電装置は、磁性体の効果が小さくなることを抑制することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る非接触給電装置の概略構成を示した図である。 図2は、非接触受電装置と非接触送電装置とを示した図である。 図3(a)は、受電コイルの下面視を示した図である。図3(b)は、受電コイルの上面視を示した図である。 図4(a)は、受電コイルに対して100[%]のオーバーラップ率で第2磁性体を配置した場合を示した図である。図4(b)は、受電コイルに対して50[%]のオーバーラップ率で第2磁性体を配置した場合を示した図である。図4(c)は、受電コイルに対して0[%]のオーバーラップ率で第2磁性体を配置した場合を示した図である。 図5は、受電コイルに対する第2磁性体のオーバーラップ率と、コイル間の伝送効率との関係を示したグラフである。 図6は、受電コイルに対する第2磁性体のオーバーラップ率と、第2磁性体の最大磁束密度との関係を示したグラフである。 図7は、実施形態2に係る非接触受電装置と非接触送電装置とを示した図である。 図8は、受電コイルの端部と第2磁性体の端部との位置関係を説明するための図である。 図9は、第2磁性体の端部位置と磁束密度との関係を示したグラフである。 図10は、第2磁性体の端部位置と伝送効率との関係を示したグラフである。 図11は、第1磁性体と第2磁性体との間に中継磁性体を設けた場合を示した図である。 図12は、中継磁性体の有無と、コイル間の伝送効率との関係を示したグラフである。 図13は、中継磁性体の有無と、第2磁性体の最大磁束密度との関係を示したグラフである。 図14は、受電コイルの端部と第2磁性体の端部と中継磁性体の端部との位置関係を説明するための図である。 図15は、第2磁性体の端部位置と、コイル間の伝送効率との関係を示したグラフである。 図16は、第2磁性体の端部位置と、第2磁性体の最大磁束密度との関係を示したグラフである。 図17は、中継磁性体を第2磁性体に沿って伸長させた場合を示した図である。 図18(a)は、径方向で伸長部の第2磁性体に沿った伸長量が0[mm]の場合を示した図である。図18(b)は、径方向で伸長部の第2磁性体に沿った伸長量が20[mm]の場合を示した図である。図18(c)は、径方向で伸長部の第2磁性体に沿った伸長量が40[mm]の場合を示した図である。 図19は、径方向で伸長部の第2磁性体に沿った伸長量と、コイル間の伝送効率との関係を示したグラフである。 図20は、径方向で伸長部の第2磁性体に沿った伸長量と、第2磁性体の最大磁束密度との関係を示したグラフである。 図21(a)は、第2磁性体に対する伸長部のオーバーラップ量が0[mm]の場合を示した図である。図21(b)は、第2磁性体に対する伸長部のオーバーラップ量が20[mm]の場合を示した図である。図21(c)は、第2磁性体に対する伸長部のオーバーラップ量が40[mm]の場合を示した図である。図21(d)は、第2磁性体に対する伸長部のオーバーラップ量が60[mm]の場合を示した図である。図21(e)は、第2磁性体に対する伸長部のオーバーラップ量が80[mm]の場合を示した図である。 図22は、第2磁性体に対する伸長部のオーバーラップ量と、第2磁性体の最大磁束密度との関係を示したグラフである。 図23は、第2磁性体に対する伸長部のオーバーラップ量と、コイル間の伝送効率との関係を示したグラフである。 図24(a)は、第1磁性体の対向する二辺に対応させて第2磁性体を設けた場合を示した図である。図24(b)は、第1磁性体の四辺に対応させて第2磁性体を設けた場合を示した図である。図24(c)は、第1磁性体の対向する二辺に対応させて、第1磁性体の辺の長さよりも長い第2磁性体を設けた場合を示した図である。図24(d)は、第1磁性体の周りを囲むように第2磁性体を設けた場合を示した図である。 図25(a)は、口型の第2磁性体を50[%]伸長で設けた場合を示した図である。図25(b)は、口型の第2磁性体を100[%]伸長で設けた場合を示した図である。図25(c)は、口型の第2磁性体を200[%]伸長で設けた場合を示した図である。 図26(a)は、十型の第2磁性体を50[%]伸長で設けた場合を示した図である。図26(b)は、十型の第2磁性体を100[%]伸長で設けた場合を示した図である。図26(c)は、十型の第2磁性体を200[%]伸長で設けた場合を示した図である。 図27(a)は、I型の第2磁性体を50[%]伸長で設けた場合を示した図である。図27(b)は、I型の第2磁性体を100[%]伸長で設けた場合を示した図である。図27(c)は、I型の第2磁性体を200[%]伸長で設けた場合を示した図である。 図28(a)は、工型の第2磁性体を50[%]伸長で設けた場合を示した図である。図28(b)は、工型の第2磁性体を100[%]伸長で設けた場合を示した図である。図28(c)は、工型の第2磁性体を200[%]伸長で設けた場合を示した図である。 図29は、送電コイルに対する受電コイルユニットの位置ずれ条件の一部を示した図である。 図30は、第2磁性体の伸長割合と平均伝送効率との関係を示したグラフである。 図31は、第2磁性体の面積と平均伝送効率との関係を示したグラフである。
(実施形態1)
以下に、本発明に係る非接触給電装置の実施形態1について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態1に係る非接触給電装置10の概略構成を示した図である。実施形態1に係る非接触給電装置10は、モータジェネレータ2及びバッテリ3を搭載した車両1に設けられた、車両側コイルである受電コイル41を有する非接触受電装置4と、車両1が走行可能な走行路である道路6に車両進行方向に沿って複数設置された、地上側コイルである送電コイル51を有する非接触送電装置5とによって構成されている。なお、非接触受電装置4及び非接触送電装置5の基本的な構成としては、周知の構成を採用することができる。非接触受電装置4は、送電コイル51を有する非接触送電装置5の送電コイル52から送電(供給)される電力を、受電コイル41によって非接触で受電することができる。そして、非接触送電装置5から非接触受電装置4が受電した電力は、モータジェネレータ2及びバッテリ3に供給される。
図2は、図2は、非接触受電装置4と非接触送電装置5とを示した図である。図3(a)は、受電コイル41の下面視を示した図である。図3(b)は、受電コイル41の上面視を示した図である。
非接触受電装置4は、図2、図3(a)及び図3(b)に示すように、巻き回し型の受電コイル41、第1磁性体42、及び、第2磁性体43などを有している。また、本実施形態においては、少なくとも、受電コイル41、第1磁性体42、及び、第2磁性体43によって受電コイルユニットが構成されている。
本実施形態において、受電コイル41は、巻き回し軸線AXの周囲を囲むように巻き線を同一平面上で正方形状に巻き回すことにより形成された平板状の渦巻きコイルであり、巻き線により囲まれた空芯部を有する。なお、図2中の「径方向」は、巻き線を巻き回して形成された渦巻きコイルである受電コイル41の径方向を示している。また、図2中の「軸線方向」は、受電コイル41の巻き回し軸線の延びる方向を示している。そして、以下の説明おいて、特に断りのない限り、「径方向」は受電コイル41の径方向とし、「軸線方向」は受電コイル41の巻き回し軸線の延びる方向とする。
第1磁性体42は、例えば、フェライトなどの強磁性体により形成された板状のベースコアであって正方形状を有する。第1磁性体42は、巻き回し軸線AXと交差するように、軸線方向で受電コイル41の上面側(受電コイル41に対して送電コイル51側とは反対側)に、少なくとも受電コイル41の投影面上に位置する(少なくとも受電コイル41を覆う)ように配置されている。また、受電コイル41と第1磁性体42とは、空隙または樹脂を介して直接接触しないように配置されている。
第2磁性体43は、例えば、フェライトなどの強磁性体により形成された板状の複数の部材により構成された追加コアである。第2磁性体43は、軸線方向で第1磁性体42に対して受電コイル41側とは反対側(第1磁性体42の上面側)に、空隙または樹脂を介して受電コイル41及び第1磁性体42と直接接触しないように配置されている。また、第2磁性体43は、正方形状の受電コイル41における一辺の径方向の幅(太さ)をwとしたとき、径方向で受電コイル41における一辺の幅半分w/2の位置よりも径方向外側に位置するように配置されている。言い換えると、第2磁性体43は、受電コイル41及び第1磁性体42とは非接触で配置され、且つ、巻き回し軸線AXと直交する方向で、受電コイル41の内周と外周との間のコイル幅の半分の位置よりも外側に受電コイル41に対して配置されている。なお、受電コイル41の一辺の幅半分w/2の位置よりも径方向内側は、前記空芯部も含めて第2磁性体43を配置してはいけない禁止領域となっている。
非接触送電装置5は、図2に示すように、巻き回し型の送電コイル51などを有している。本実施形態において、送電コイル51は、巻き線を同一平面上で正方形状に巻き回すことにより形成された平板状の渦巻きコイルであり、巻き線により囲まれた空芯部を有する。また、送電コイル51の平面方向の大きさは、受電コイル41の平面方向の大きさよりも大きい。
図4(a)は、受電コイル41に対して100[%]のオーバーラップ率で第2磁性体43を配置した場合を示した図である。図4(b)は、受電コイル41に対して50[%]のオーバーラップ率で第2磁性体43を配置した場合を示した図である。図4(c)は、受電コイル41に対して0[%]のオーバーラップ率で第2磁性体43を配置した場合を示した図である。なお、受電コイル41に対する第2磁性体43のオーバーラップ率とは、径方向で受電コイル41における一辺を第2磁性体43が覆っている割合を表している。例えば、オーバータップ率が100[%]とは、図4(a)に示すように、径方向で受電コイル41における一辺の全てを第2磁性体43が覆っている状態を表している。また、オーバーラップ率が50[%]とは、図4(b)に示すように、径方向で受電コイル41における一辺の外側から幅半分の位置までを第2磁性体43が覆っている状態を表している。また、オーバーラップ率が0[%]とは、図4(b)に示すように、径方向で受電コイル41における一辺を第2磁性体43が覆っておらず、受電コイル41の端面と第2磁性体43の端面とが径方向で同じ位置に位置する状態を表している。
図5は、受電コイル41に対する第2磁性体43のオーバーラップ率と、コイル間の伝送効率との関係を示したグラフである。図6は、受電コイル41に対する第2磁性体43のオーバーラップ率と、第2磁性体43の最大磁束密度との関係を示したグラフである。なお、解析条件としては、第1磁性体42の厚みを5[mm]とし、第2磁性体43の厚みを1[mm]としている。
図5に示すように、受電コイル41に対する第2磁性体43のオーバーラップ率と、コイル間(送電コイル51と受電コイル41との間)の伝送効率との関係は、第2磁性体43が有ることによって、オーバーラップ率によらず第2磁性体43が無い場合よりもコイル間の伝送効率が向上し、その伝送効率はオーバーラップ率によらず同等であることがわかる。
また、図6に示すように、受電コイル41に対する第2磁性体43のオーバーラップ率と、第2磁性体43の最大磁束密度との関係は、オーバーラップ率が50[%]よりも小さいと第2磁性体43の最大磁束密度を低減させることができ、オーバーラップ率が0[%]では第2磁性体43の最大磁束密度を15[%]低減させることができるのがわかる。
よって、実施形態に係る非接触給電装置10においては、径方向で受電コイル41における一辺の幅半分の位置よりも外側に位置するように、言い換えると、受電コイル41に対する第2磁性体43のオーバーラップ率が50[%]よりも小さくなるように、第2磁性体43を配置している。これにより、第2磁性体43が無い場合よりもコイル間の伝送効率を向上させつつ、第2磁性体43の磁束密度を低減させることができ、磁性体の効果が小さくなることを抑制することができる。
(実施形態2)
次に、本発明に係る非接触給電装置の実施形態2について説明する。なお、実施形態2に係る非接触給電装置10において、実施形態1と同様の部分については説明を適宜省略する。
図7は、実施形態2に係る非接触受電装置4と非接触送電装置5とを示した図である。
実施形態2に係る非接触給電装置10においては、図7に示すように、軸線方向で受電コイル41の上面側に第1磁性体42が配置されており、軸線方向で受電コイル41の下面側(受電コイル41に対して第1磁性体42側とは反対側)に第2磁性体43が配置されている。第2磁性体43は、空隙または樹脂を介して受電コイル41及び第1磁性体42と直接接触しないように設けられている。また、本実施形態において、第2磁性体43は、径方向で受電コイル41における一辺を覆わずに(受電コイル41の投影面上を外して)、受電コイル41の端面と第2磁性体43の端面とが径方向で同じ位置に位置する状態、すなわち、オーバーラップ率が0[%]の状態で配置されている。
図8は、受電コイル41の端部と第2磁性体43の端部との位置関係を説明するための図である。図9は、第2磁性体43の端部位置と磁束密度との関係を示したグラフである。図10は、第2磁性体43の端部位置と伝送効率との関係を示したグラフである。
本実施形態においては、図8に示すように、受電コイル41の端面の位置を基準0[mm]とし、径方向で受電コイル41の端面よりも受電コイル41から遠ざかる側を正側とし、径方向で受電コイル41の端面よりも受電コイル41に近づく側を負側としている。そして、本実施形態では、受電コイル41の端面から第2磁性体43の端面がどれだけ離れた距離にあるかによって、第2磁性体43の端部位置を規定している。そして、ここでは、径方向で受電コイル41における一辺の幅wを40[mm]としたとき、径方向で基準0[mm]から負側へ20[mm](-20[mm])の位置が、径方向で受電コイル41における一辺の幅半分の位置となる。
図9及び図10に示すように、第2磁性体43の端部位置が負側に位置し、径方向で受電コイル41における一辺の幅半分の位置(-20[mm])よりも、さらに負側に第2磁性体43の端部位置が位置すると、急激に第2磁性体43の磁束密度が上昇し、且つ、コイル間の伝送効率が下がることがわかる。
よって、実施形態2に係る非接触給電装置10のように、第2磁性体43を受電コイル41の下面側に配置した構成であっても、径方向で受電コイル41における一辺の幅半分の位置よりも外側に、第2磁性体43の端部を位置させることによって、第2磁性体43が無い場合よりもコイル間の伝送効率を向上させつつ、第2磁性体43の磁束密度を低減させることができ、磁性体の効果が小さくなることを抑制することができる。
(実施形態3)
次に、本発明に係る非接触給電装置10の実施形態3について説明する。なお、実施形態3に係る非接触給電装置10において、実施形態1及び2と同様の部分については説明を適宜省略する。
図11は、第1磁性体42と第2磁性体43との間に中継磁性体44を設けた場合を示した図である。
実施形態3に係る非接触給電装置10の非接触受電装置4においては、図11に示すように、軸線方向で受電コイル41の上面側に第1磁性体42が配置されており、軸線方向で受電コイル41の下面側(受電コイル41に対して第1磁性体42側とは反対側)に第2磁性体43が配置されている。第2磁性体43は、径方向で受電コイル41における一辺を覆わずに(受電コイル41の投影面上を外して)、受電コイル41の端面と第2磁性体43の端面とが径方向で同じ位置に位置する状態、すなわち、オーバーラップ率が0[%]の状態で配置されている。
また、本実施形態においては、軸線方向(巻き回し軸線AXと同方向)に延在しており、第1磁性体42の端面と一端部の側面が接触し、他端部の端面が第2磁性体43と対向する板状の中継磁性体44が設けられている。中継磁性体44は、空隙または樹脂を介して第2磁性体43と直接接触しないように配置されている。なお、中継磁性体44は、第1磁性体42に対して接触していても良いし、離れていても良い。また、実施形態3に係る非接触給電装置10では、少なくとも、受電コイル41と第1磁性体42と第2磁性体43と中継磁性体44とによって受電コイルユニットが構成されている。
図12は、中継磁性体44の有無と、コイル間の伝送効率との関係を示したグラフである。図12に示すように、中継磁性体44が有る場合のほうが、中継磁性体44が無い場合よりもコイル間の伝送効率が向上することがわかる。
図13は、中継磁性体44の有無と、第2磁性体43の最大磁束密度との関係を示したグラフである。図13に示すように、第2磁性体43の最大磁束密度は、中継磁性体44が有る場合のほうが、中継磁性体44が無い場合よりも低減することがわかる。
よって、実施形態3に係る非接触給電装置10においては、第1磁性体42と第2磁性体43とに加えて中継磁性体44を設けることにより、中継磁性体44を設けない場合よりもコイル間の伝送効率を向上させつつ、第2磁性体43の最大磁束密度を低減させることができ、磁性体の効果が小さくなることを抑制することができる。
図14は、受電コイル41の端部と第2磁性体43の端部と中継磁性体44の端部との位置関係を説明するための図である。
本実施形態においては、図14に示すように、受電コイル41の端面の位置を基準0[mm]とし、径方向で受電コイル41の端面よりも受電コイル41から遠ざかる側を正側とし、径方向で受電コイル41の端面よりも受電コイル41に近づく側を負側としている。そして、本実施形態では、受電コイル41の端面から第2磁性体43の端面がどれだけ離れた距離にあるかによって、第2磁性体43の端部位置を規定している。そして、ここでは、径方向で受電コイル41における一辺の幅wを40[mm]としたとき、径方向で基準0[mm]から負側へ20[mm](-20[mm])の位置が、径方向で受電コイル41における一辺の幅半分の位置となる。また、第1磁性体42の端面が、径方向で基準0[mm]から正側へ10[mm](+10[mm])の位置に位置している。また、この第1磁性体42の端面と接触して設けられた中継磁性体44の端部位置は、径方向で基準0[mm]から正側へ15[mm](+15[mm])の位置に位置している。
図15は、第2磁性体43の端部位置と、コイル間の伝送効率との関係を示したグラフである。図16は、第2磁性体43の端部位置と、第2磁性体43の最大磁束密度との関係を示したグラフである。
図15及び図16に示すように、第2磁性体43の端部位置を中継磁性体44の端部位置よりも正側(径方向で外側)に位置させることによって、コイル間の伝送効率は若干下がるが、第2磁性体43の最大磁束密度を、より低減させることができるのがわかる。
(実施形態4)
次に、本発明に係る非接触給電装置10の実施形態4について説明する。なお、実施形態4に係る非接触給電装置10において、実施形態1、2及び3と同様の部分については説明を適宜省略する。
図17は、中継磁性体44を第2磁性体43に沿って伸長させた場合を示した図である。
実施形態4に係る非接触給電装置10においては、図17に示すように、第2磁性体43が軸線方向で受電コイル41に対して送電コイル51側に配置されている。また、第1磁性体42は、軸線方向で受電コイル41に対して送電コイル51側とは反対側に配置されている。また、第2磁性体43は、受電コイル41に対してオーバーラップせずに配置、言い換えると、受電コイル41の投影面上を外して第2磁性体43が配置されている。
また、実施形態4に係る非接触給電装置10においては、軸線方向で第1磁性体42と第2磁性体43との間に、第1磁性体42と第2磁性体43とを中継する中継磁性体44を備えている。中継磁性体44は、空隙または樹脂を介して、受電コイル41と直接接触しないように配置されている。さらに、中継磁性体44は、空隙または樹脂を介して、第2磁性体43と直接接触しないように配置されている。例えば、中継磁性体44と第2磁性体43との接触の有無以外の条件を同じにして解析を行った結果、中継磁性体44と第2磁性体43とを直接接触させた場合には、磁束密度が300[mT]となり、中継磁性体44と第2磁性体43とを接触させない場合には、磁束密度が199[mT]となった。なお、第1磁性体42と中継磁性体44とは、接触しても良いし、離れていても良い。
また、実施形態4に係る非接触給電装置10においては、図17に示すように、中継磁性体44の第2磁性体43側の端部から、径方向で第2磁性体43に沿って伸長する伸長部45を有している。なお、中継磁性体44と伸長部45とは、一体で形成されていても良いし、別体で形成されていてもよい。また、実施形態4に係る非接触給電装置10では、少なくとも、受電コイル41と第1磁性体42と第2磁性体43と中継磁性体44と伸長部45とによって受電コイルユニットが構成されている。
受電コイル41の周辺は磁束密度が上がりやすいため、図17に示すように、中継磁性体44の第2磁性体43側の端部から、径方向で伸長部45を第2磁性体43に沿って受電コイル41から遠ざかる方向へ伸長させることによって、磁束密度を下げることが可能である。そのため、本実施形態では、中継磁性体44と第2磁性体43との位置関係を固定にした状態で、中継磁性体44の第2磁性体43側の端部から、径方向で伸長部45を第2磁性体43に沿って伸長したときにおける、磁束密度と、コイル間の伝送効率との解析を行った。
なお、径方向で伸長部45の第2磁性体43に沿った伸長量の条件としては、0[mm]、20[mm]、40[mm]、60[mm]、80[mm]、100[mm]とした。また、各伸長量の条件に対し、軸線方向での中継磁性体44(伸長部45)と第2磁性体43との間の隙間(GAP)の大きさの条件として、1[mm]、2[mm]、3[mm]、4[mm]、5[mm]とした。
図18(a)は、径方向で伸長部45の第2磁性体43に沿った伸長量が0[mm]の場合を示した図である。図18(b)は、径方向で伸長部45の第2磁性体43に沿った伸長量が20[mm]の場合を示した図である。図18(c)は、径方向で伸長部45の第2磁性体43に沿った伸長量が40[mm]の場合を示した図である。
図19は、径方向で伸長部45の第2磁性体43に沿った伸長量と、コイル間の伝送効率との関係を示したグラフである。図20は、径方向で伸長部45の第2磁性体43に沿った伸長量と、第2磁性体43の最大磁束密度との関係を示したグラフである。
図19及び図20に示すように、中継磁性体44と第2磁性体43との間の隙間(GAP)の大きさによらず、径方向で伸長部45の第2磁性体43に沿った伸長量が大きくなるほど、コイル間の伝送効率が向上するとともに、第2磁性体43の最大磁束密度が低減することがわかる。
また、本実施形態では、中継磁性体44の側面から径方向で20[mm]離れた位置で、中継磁性体44の端部と第2磁性体43の端部との位置を一致させた点を0と置き、第2磁性体43の位置を固定したまま、径方向で伸長部45を第2磁性体43に沿って伸長していき、第2磁性体43に対する伸長部45のオーバーラップ量に応じた、コイル間の伝送効率と、第2磁性体43の最大磁束密度の解析を行った。
図21(a)は、第2磁性体43に対する伸長部45のオーバーラップ量が0[mm]の場合を示した図である。図21(b)は、第2磁性体43に対する伸長部45のオーバーラップ量が20[mm]の場合を示した図である。図21(c)は、第2磁性体43に対する伸長部45のオーバーラップ量が40[mm]の場合を示した図である。図21(d)は、第2磁性体43に対する伸長部45のオーバーラップ量が60[mm]の場合を示した図である。図21(e)は、第2磁性体43に対する伸長部45のオーバーラップ量が80[mm]の場合を示した図である。
図22は、第2磁性体43に対する伸長部45のオーバーラップ量と、第2磁性体43の最大磁束密度との関係を示したグラフである。図23は、第2磁性体43に対する伸長部45のオーバーラップ量と、コイル間の伝送効率との関係を示したグラフである。
図22に示すように、軸線方向での中継磁性体44(伸長部45)と第2磁性体43との間の隙間(GAP)の大きさによらず、径方向で伸長部45を第2磁性体43に沿って伸長させて、一旦、第2磁性体43に対して伸長部45がオーバーラップすると、オーバーラップ量が20[mm]までは、第2磁性体43の最大磁束密度は増加する。そして、さらに径方向で伸長部45を第2磁性体43に沿って伸長してオーバーラップさせていき、オーバーラップ量が20[mm]を超えると、第2磁性体43の最大磁束密度は低減していくことがわかる。
また、図23に示すように、軸線方向での中継磁性体44(伸長部45)と第2磁性体43との間の隙間(GAP)の大きさによらず、第2磁性体43に対して伸長部45をオーバーラップさせない配置(オーバーラップ量が0[mm])に比べて、径方向で中継磁性体44の伸長部45を第2磁性体43に沿って伸長し、第2磁性体43に対して伸長部45をオーバーラップさせるほど、コイル間の伝送効率は高くなることがわかる。
(実施形態5)
次に、本発明に係る非接触給電装置10の実施形態5について説明する。なお、実施形態5に係る非接触給電装置10において、実施形態1、2、3及び4と同様の部分については説明を適宜省略する。
次に、図24(a)~図24(d)に示すように軸線方向で受電コイル41の上面側に異なる形状で第2磁性体43を設けた場合について、第2磁性体43の最大磁束密度の解析を行った。図24(a)は、第1磁性体42の対向する二辺に対応させて第2磁性体43を設けた場合を示した図である。図24(b)は、第1磁性体42の四辺に対応させて第2磁性体43を設けた場合を示した図である。図24(c)は、第1磁性体42の対向する二辺に対応させて、第1磁性体42の辺の長さよりも長い第2磁性体43を設けた場合を示した図である。図24(d)は、第1磁性体42の周りを囲むように第2磁性体43を設けた場合を示した図である。
図24(a)に示すように第1磁性体42に対して第2磁性体43を設けた場合には、第2磁性体43の最大磁束密度が344[mT]であった。また、図24(b)に示すように第1磁性体42に対して第2磁性体43を設けた場合には、第2磁性体43の最大磁束密度が260[mT]であった。また、図24(c)に示すように第1磁性体42に対して第2磁性体43を設けた場合には、第2磁性体43の最大磁束密度が1754[mT]であった。また、図24(d)に示すように第1磁性体42に対して第2磁性体43を設けた場合には、第2磁性体43の最大磁束密度が269[mT]であった。これにより、第1磁性体42に対する第2磁性体43の設けかたとして、図24(b)、図24(d)、図24(a)、図24(c)の順で、第2磁性体43の最大磁束密度が低くなることがわかる。また、図24(b)に示すように第1磁性体42に対して第2磁性体43の設けかたが、第2磁性体43の最大磁束密度が最も低くなる設けかたであると言える。
次に、本実施形態においては、口型、十型、I型、工型のそれぞれの第2磁性体43の形状と、第2磁性体43のサイズとをパラメータとして条件を振って、第2磁性体43の形状別の伝送効率向上の効果の検証を実施した。
図25(a)は、口型の第2磁性体43を50[%]伸長で設けた場合を示した図である。図25(b)は、口型の第2磁性体43を100[%]伸長で設けた場合を示した図である。図25(c)は、口型の第2磁性体43を200[%]伸長で設けた場合を示した図である。
図26(a)は、十型の第2磁性体43を50[%]伸長で設けた場合を示した図である。図26(b)は、十型の第2磁性体43を100[%]伸長で設けた場合を示した図である。図26(c)は、十型の第2磁性体43を200[%]伸長で設けた場合を示した図である。
図27(a)は、I型の第2磁性体43を50[%]伸長で設けた場合を示した図である。図27(b)は、I型の第2磁性体43を100[%]伸長で設けた場合を示した図である。図27(c)は、I型の第2磁性体43を200[%]伸長で設けた場合を示した図である。
図28(a)は、工型の第2磁性体43を50[%]伸長で設けた場合を示した図である。図28(b)は、工型の第2磁性体43を100[%]伸長で設けた場合を示した図である。図28(c)は、工型の第2磁性体43を200[%]伸長で設けた場合を示した図である。
図25~図28では、受電コイル41の寸法(第1磁性体42の寸法)を400[mm]×400[mm]とし、送電コイル51の寸法を700[mm]×700[mm]として、受電コイル41の端部から第2磁性体43を伸長させて、送電コイル51の寸法と同じ寸法になる条件を100[%]伸長とし、100[%]伸長の半分の長さを50[%]伸長、100[%]伸長の二倍の長さを200[%]伸長とした。
図29は、送電コイル51に対する受電コイルユニットの位置ずれ条件の一部を示した図である。なお、図29に示した受電コイルユニットは、少なくとも、受電コイル41、第1磁性体42、及び、第2磁性体43によって構成されている。また、送電コイル51に対する受電コイルユニットの位置ずれは、送電コイル51の中心点Oに対する受電コイルユニット(受電コイル41)の中心点OのX方向とY方向とのずれ量である。
送電コイル51に対する受電コイルユニットの位置ずれの解析条件として、Y方向は0[mm]、175[mm]、350[mm]、X方向は0[mm]、87.5[mm]、175[mm]、262.5[mm]、350[mm]を位置ずれ条件として設定し、X方向とY方向との位置ずれの組み合わせをそれぞれ解析し、全ての解析条件の平均値(平均伝送効率)をグラフにまとめて示した。
図30及び図31に解析結果を示す。図30は、第2磁性体43の伸長割合と平均伝送効率との関係を示したグラフである。なお、図30中、(1)は工型の第2磁性体43であり、(2)はI型の第2磁性体43であり、(3)は十型の第2磁性体43であり、(4)は口型の第2磁性体である。また、図30では、横軸を第2磁性体43の伸長割合としたときの伝送効率カーブを示している。
図31は、第2磁性体43の面積と平均伝送効率との関係を示したグラフである。なお、図31中、(1)は工型の第2磁性体43であり、(2)はI型の第2磁性体43であり、(3)は十型の第2磁性体43であり、(4)は口型の第2磁性体である。また、図31では、横軸を第2磁性体43の面積としたときの伝送効率カーブを示している。
図30から分かるように、第2磁性体43の形状が口型の場合に伸長割合に対して最も平均伝送効率が良くなり、十型、工型、I型と続く結果となった。また、伸長割合=受電コイルユニットの1辺の長さとも言えるため、車両1へ搭載する際に受電コイルユニットの1辺の長さが取れない条件下では、口型が好適な形状と言える。
また、図31から分かるように、第2磁性体43の形状が口型の場合に解析条件上(伸長割合~225[%])では到達する伝送効率が最も高いが、同様に第2磁性体43の面積も必要となる。そのため、車両1に搭載する際の受電コイルユニットのサイズに余裕があるのであれば、第2磁性体43の形状として、十型、I型、工型、特にI型及び工型は効果的であると言える。
1 車両
2 モータジェネレータ
3 バッテリ
4 非接触受電装置
5 非接触送電装置
6 道路
10 非接触給電装置
41 受電コイル
42 第1磁性体
43 第2磁性体
44 中継磁性体
45 伸長部
51 送電コイル

Claims (5)

  1. 送電コイルから受電コイルに非接触で給電する非接触給電装置であって、
    前記受電コイルは、巻き回し軸線の周囲を囲むように巻き線を巻き回して形成されており、
    前記巻き回し軸線と交差するように、前記受電コイルに対して前記送電コイル側とは反対側に配置された第1磁性体と、
    前記受電コイル及び前記第1磁性体とは非接触で配置され、且つ、前記巻き回し軸線と直交する方向で、前記受電コイルの内周と外周との間のコイル幅の半分の位置よりも外側に前記受電コイルに対して配置された第2磁性体と、
    を備えることを特徴とする非接触給電装置。
  2. 前記第2磁性体は、前記第1磁性体に対して前記受電コイル側とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の非接触給電装置。
  3. 前記第2磁性体は、前記受電コイルに対して前記第1磁性体側とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の非接触給電装置。
  4. 前記巻き回し軸線と同方向に延在し、一端部が前記第1磁性体と接触または非接触で、他端部が前記第2磁性体と非接触で配置された中継磁性体を備えることを特徴とする請求項3に記載の非接触給電装置。
  5. 前記巻き回し軸線と直交する方向で、前記中継磁性体の前記他端部から前記第2磁性体に沿って伸長する伸長部を有することを特徴とする請求項4に記載の非接触給電装置。
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