JP2023105371A - ジグリシジルエーテルおよびエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

ジグリシジルエーテルおよびエポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】低温保管時にも白濁が生じず、また、硬化物のタック性が低く、低温硬化時での硬化物の屈曲密着性に優れるエポキシ樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】下記式(1)で示されるジグリシジルエーテル。
【化1】
Figure 2023105371000005
(式(1)中、mはオキシトリメチレン基の平均付加モル数を表し2~90の実数である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリトリメチレングリコール構造を有するジグリシジルエーテルおよび当該ジグリシジルエーテルを含有するエポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ化合物は、耐熱性や接着性、機械的物性および電気特性に優れていることから塗料、接着剤などの熱硬化型バインダーの主剤として多岐にわたって用いられている。これらエポキシ化合物の中でもポリエチレングリコールジグリシジルエテール又はポリテトラメチレンジグリシジルエーテルの末端にグリシジルエーテル基を含有するエポキシ化合物は、一般的に、低粘度且つ柔軟性に優れるといった特徴を有しており、汎用のバインダーに添加することで、バインダーの粘度調整や硬化物への柔軟性付与を目的として良く用いられている。例えば、特許文献1には、金属との密着に優れ、且つ、柔軟性に優れたポリテトラメチレングリコールを主骨格にもつエポキシ化合物とフェノール樹脂からなる樹脂組成物が開示されている。樹脂組成物を硬化させて得られる硬化膜は柔軟性に優れることが開示されている。
近年、ウェラブルデバイスなど向けに開発されているバインダーでは、基材への追従性を高めることから従来よりも屈曲した際の基材への密着性が高いことと併せて、用いられる基材は耐熱性が低くものが多いため、基材のガラス転移温度よりも低い温度で硬化すること(低温硬化)が要求されている。一方、低温硬化型のバインダーは、一般的にポッドライフが短くなるため低温保管が必要になる。しかし、ポリテトラメチレングリコールを主骨格に持つようなエポキシ化合物は、結晶性が高いことから低温保管では白濁してしまい硬化後の塗膜が白く濁るといった課題があった。
また、柔軟性の高いバインダーは、タック性が上昇しやすく粉塵の付着問題や取扱い性に劣る場合がある。特許文献2では、環状シロキサン骨格を有するエポキシ化合物を含む樹脂組成物が柔軟性を損なわずに低タック性を達成できることを開示しているが、硬化温度が高く、屈曲密着性が十分に発現しないことが問題であった。
特開2007-203670号公報 特開2021-42340号公報
上述した背景から、本発明の目的は、低温保管時にも白濁が生じず、また、硬化物のタック性が低く、低温硬化時での硬化物の屈曲密着性に優れるエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は上述した課題を鑑み、種々検討した結果、エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ化合物として、特定のポリトリメチレングリコール構造を有するジグリシジルエーテルを採用することにより、上記課題を解決することができることを見出した。
すなわち本発明は以下の特定のジグリシジルエーテル及びエポキシ樹脂組成物に関するものである。
[1]下記式(1)で示されるジグリシジルエーテル。
Figure 2023105371000001
(式(1)中、mはオキシトリメチレン基の平均付加モル数を表し2~90の実数である。)
[2]前記ジグリシジルエーテルを10~90質量%、およびフェノール樹脂を10~90質量%含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
本発明によれば、低温保管時にも白濁が生じず、硬化物のタック性が低く、低温硬化時での硬化物の屈曲密着性に優れるエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されない。
1.ジグリシジルエーテル
本発明の実施形態に係るジグリシジルエーテルは、下記式(1)で示される。
Figure 2023105371000002
式(1)中、mは、オキシトリメチレン基の平均付加モル数を表し、2~90の実数である。後述するエポキシ樹脂組成物の硬化物のタック性の低さの観点からは、mは5~30の実数が好ましく、5~15の実数がさらに好ましい。一方、低温硬化時におけるエポキシ樹脂組成物の硬化物の密着性をさらに向上させたい場合は、mは30~50の実数が好ましく、40~50の実数がより好ましい。硬化物の平均付加モル数は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定し、算出することができる。
式(1)で示されるジグリシジルエーテル(以下、ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルと称する場合がある。)のエポキシ当量は、低温硬化時におけるエポキシ樹脂組成物の硬化物の密着性の観点から、1100~1700g/eq.が好ましく、1400~1700g/eq.がより好ましい。一方、硬化物のタック性をさらに抑えたい場合は、200~1100g/eq.が好ましく、200~600g/eq.がさらに好ましい。
ここでエポキシ当量とは、1当量のエポキシ基を含む化合物の質量を示しており、JIS K7236に準拠した方法で測定し、算出することが可能である。
ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルの粘度は、ハンドリング性の観点から、25℃において1~100000mPa・sが好ましく、25~10000mPa・sがより好ましく、50~1000mPa・sがさらに好ましい。粘度は、JIS Z 8803に準拠して測定することができる。また、ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルの重量平均分子量は、タック性の低さの観点から、200~6000が好ましい。重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を展開溶媒とするGPCにより、ポリエチレングリコール換算で測定することができる。
[ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルの製造方法]
前述のポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルは、例えば所定のポリトリメチレングリコールへのエピクロロヒドリンの付加閉環反応によって得ることができる。
具体的には、所定の平均付加モル数のポリトリメチレングリコールとエピクロロヒドリンを、硫酸、三フッ化ホウ素エチルエーテル、四塩化錫などの酸性触媒、または第四級アンモニウム塩類、第四級ボスホニウム塩類、クラウンエーテル類などの相関移動触媒の存在下で反応させることでクロルヒドリンエーテルの中間体を形成させたのち、次いで、このクロルヒドリンエーテル体を水酸化ナトリウム等の脱ハロゲン化水素剤と反応させて閉環する二段階法と呼ばれる方法などで、式(1)で示されるポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルを得ることができる。所定の平均付加モル数のポリトリメチレングリコールは、定法に従って調製することができるが、市販品を用いることもできる。
ポリトリメチレングリコールは、重量平均分子量が3000程度までは室温では液体であることから、無溶剤で行うこともできるが、溶剤を使用することで粘度を下げることができるため、撹拌機の性能にあわせて行うことも可能である。しかし、溶剤が入っている場合、最終生成物中に溶剤が若干残る可能性があるため無溶剤で実施することが好ましい。
溶剤は、反応を阻害しないものでない限りは、特に制限されない。使用可能な溶剤としては、例えば、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素溶媒やノルマルヘキサンやシクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素溶媒;ジクロロメタンやクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;アセトン、エチルメチルケトン、4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン系溶媒;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒;水などを挙げることができる。
反応温度や反応時間は適宜決定すればよい。例えば、反応温度は高めれば反応を促進することができるが、高すぎると付加反応等によるゲル化が生じるおそれがある。そのため、具体的な反応温度としては20℃以上、120℃以下程度とすることができる。溶媒を用いる場合は、還流操作を行ってもよく、ディーンスターク装置を用いても良い。
反応時間に関しては、反応が終了するまで行えばよく、具体的には1時間以上40時間程度とすることができる。反応の進行は、薄層クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーなどで追跡することができる。
反応終了後には触媒残渣、塩類、不純物等が含まれているため、通常の後処理をすればよい。具体的には、ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルと混和しない水や、トルエンなどの溶剤を加えたうえで、溶剤側へ不純物の抽出除去を行い精製した後、溶媒の留去を行えばよい。その他にもカラムクロマトグラフィーなどの一般的な精製法での除去も可能である。
得られたポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルは、例えば、エポキシ当量と重量平均分子量により特定が可能である。
以上のようにして得られるポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルは、例えば、後述するエポキシ樹脂組成物として、フレキシブルデバイスやウェアラブルデバイス等の構成部材の製造に好適である。
2.エポキシ樹脂組成物
本発明の実施形態に係るエポキシ樹脂組成物は、前述の式(1)で示されるジグリシジルエーテル(ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル、(A)成分)を10~90質量%、およびフェノール樹脂((B)成分)を10~90質量%含む。以下、各成分について説明する。
[ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル((A)成分)]
ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルは前述の式(1)で示されるジグリシジルエーテルを用いる。このポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルは式(1)で示される特定のmの値のものを単独で用いても良く、また、mの値の異なる2種類以上を併用しても良い。
ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルの含有量は、低温硬化時での硬化物の屈曲密着性と硬化物のタック性の低さの観点から、エポキシ樹脂組成物中、不揮発分基準で、10~90質量%であり、好ましくは20~70質量%であり、より好ましくは25~50質量%である。
[フェノール樹脂((B)成分)]
フェノール樹脂は、フェノール性水酸基を含有する化合物を酸又はアルカリ触媒下でホルムアルデヒドなどのアルデヒド類と反応させて得られる樹脂であればよい。分子量は、特に限定はないが、重量平均分子量で2000~20000であるのが好ましい。重量平均分子量がこの範囲であれば、硬化後の膜強度が十分に得られ、また硬化速度も適度な範囲であり、ハンドリング性も良好である。また、硬化速度と粘度のバランスの観点からは、フェノール樹脂の重量平均分子量は、3000~15000が好ましく、より好ましくは3500~12000である。なお、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリエチレン換算で求めることができる。
フェノール性水酸基化合物にはフェノール、ピラゾール、ハイドロキノンなど様々あるが、フェノール構造のものが架橋性の観点から好ましい。アルデヒド類は、ホルムアルデヒドが好ましい。フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
フェノール樹脂は、低温硬化時での硬化物の屈曲密着性の観点から、エポキシ樹脂組成物中、不揮発分基準で、10~90質量%が好ましく、より好ましくは30~80質量%であり、さらに好ましくは、50~75質量%である。フェノール樹脂の含有量が90質量%を超えると、低温硬化時での硬化物の屈曲密着性が低下する。
[硬化促進剤((C)成分)]
エポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤を含んでいてもよい。硬化促進剤は、公知のエポキシ樹脂をフェノール系硬化剤により硬化させるための公知の硬化促進剤を用いることができ、例えば3級アミン化合物、4級アンモニウム塩、イミダゾール類、尿素化合物、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩などを挙げることができる。具体的には、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)又はその塩(より具体的にはフェノール塩、オクチル酸塩(2-エチルヘキサン酸塩)、p-トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩など)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)又はその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩(2-エチルヘキサン酸塩)、p-トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩など)、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラ(p-トリル)ボレートなどのホスホニウム化合物、オクチル酸亜鉛やオクチル酸スズなどの有機金属塩、金属キレートなどが挙げられる。硬化促進剤は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
硬化促進剤(C)を用いる場合、その含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部(不揮発分基準)に対して、0.05~10質量部が好ましく、より好ましくは0.1~5質量部であり、0.1~2.5質量部がさらに好ましい。硬化促進剤の含有量が上記範囲であれば、硬化促進効果が十分であり、硬化物の経時的な色相変化が起こらない。
[溶剤((D)成分)]
エポキシ樹脂組成物は、揮発性成分として、溶剤を含有してもよい。溶剤としては、例えば、本技術分野において通常用いられる有機溶剤を用いることができる。例えば、エーテル系アルコール類、非エーテル系アルコール類、エステル類、ケトン類、テルペン類、その他炭化水素類等が挙げられる。エーテル系アルコール類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどが挙げられる。非エーテル系アルコール類としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノールが挙げられる。エステル類としては、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネート、エチルエトキシプロピオネート、シュウ酸ジエチル、およびマロン酸ジエチル等が挙げられる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、およびシクロヘキサノン等が挙げられる。テルペン類としては、テレピン油、テレピネオール、ボルネオール、およびα-ピネンなどが挙げられる。また、溶剤はハンドリング性の観点から、希釈剤として樹脂に含有させて使用しても良い。溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いることができる。
溶剤の含有量は(A)成分と(B)成分の合計100質量部(不揮発分基準)に対して、0~250質量部が好ましく、より好ましくは20~100質量部である。尚、前述の(A)~(C)成分及び後述する任意成分であるその他の成分に溶剤が含まれる場合は、これを考慮する。
[その他]
エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて各種公知の界面活性剤、分散剤、充填剤、導電性粒子、難燃剤、カップリング剤、消泡剤、滑剤などのその他添加剤を、エポキシ樹脂組成物の透明性が確保可能な範囲で配合してもよい。
エポキシ樹脂組成物は、加熱することで硬化して硬化物となる熱硬化性樹脂組成物である。エポキシ樹脂組成物は、液状であり、ダイコーター、インクジェットプリンタ、スクリーン印刷機、グラビアオフセット印刷機、パッド印刷機など各種塗工機を用いて容易にパターニングすることができる。この場合のエポキシ樹脂組成物の25℃における粘度は、例えば5mPa・s以上300mPa・s以下であるものが好ましい。25℃で液状且つ均一であることが好ましく、冬季の使用や冷蔵保管から取り出してすぐ使用することを想定した場合、0℃程度で白濁や固化が生じると使用できないため、低温(例えば、-10~20℃)でも透明性を保つことが好ましく、流動性及び透明性を保つことがより好ましい。
エポキシ樹脂組成物の硬化物に白化などが生じると、外観を損なうことと併せて硬化物の機械的特性、例えば硬化物の屈曲密着性も損なう。そのため、エポキシ樹脂組成物の外観は均一な透明液体であることが好ましく、低温保管後も均一な透明液体であることがより好ましい。エポキシ樹脂組成物の硬化物は、基材のガラス転移温度(例えばウェアラブルデバイスで汎用される基材のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのガラス転移温度である130度)より低温で硬化が可能で、かつ、基材に対して高い屈曲密着性を示し、折り曲げてもひび割れや曲げた部分の変色が生じないのが好ましい。折り曲げ耐性(屈曲密着性)は、例えば、直径10mmのステンレス(SUS)製の棒に所定の大きさの硬化膜を巻き付けて、外観の変化を目視で観察することにより行うことができる。また、硬化物の表面のタック性は、例えばアルミナ粉など粉体をまぶした後、粉体を落とす操作で残留する粉体の割合を算出することで確認することができる。尚、前述の特性(低温保管後の外観、屈曲密着性、タック性)は、例えば、後述する方法で評価することができる。
以下、実施例と比較例により本発明の実施形態をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔ジグリシジルエーテルのエポキシ当量の測定〕
実施例1~4、比較例1~4で得られたジグリシジルエーテル3gをジメチルホルムアミド(DMF)で希釈溶解させた後、0.2N塩酸DMF溶液を加え1時間放置した。その後、ブロモフェノールブルー指示薬を加えた後に、0.2N水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、オキシラン酸素量からエポキシ当量を算出した。
〔ジグリシジルエーテルの粘度の測定〕
実施例1~4、比較例1~4で得られたジグリシジルエーテルについて、コーン・プレート型のE型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて25℃で5分後の粘度の値を読み取った。
〔ジグリシジルエーテルの平均付加モル数の測定〕
実施例1~4、比較例1~4で得られたジグリシジルエーテルについて、THF(テトラヒドロフラン)を展開溶媒とする、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー、島津製作所製)により測定を行い、ポリエチレングリコール換算で重量平均分子量を求め、平均付加モル数を算出した。
〔実施例1〕
<ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル((A-1)成分)の合成>
滴下漏斗、撹拌翼、温度計を付した5Lの5つ口フラスコに、ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-500〔分子量500〕]1500g、エピクロロヒドリン[ダイソー社製、エピクロロヒドリン]1650g、テトラメチルアンモニウムクロリド65%水溶液13.5gを仕込み、60℃まで昇温した。その後、48%水酸化ナトリウム水溶液560gを3時間かけて滴下した。その後、55℃で5時間加熱攪拌をおこなった。その後、常温まで冷却した後、水750gをフラスコに滴下し、10分間攪拌した後、5Lの分液漏斗に移送し30分間静置した。分層が確認できた後、下層の水層を排出させた。次に、水を300g添加し混和させた後30分間静置した。分層が確認できた後、上層の水層を分取した。同様の操作を追加で3回繰り返した。その後、フラスコに戻した後、水を減圧留去(80℃×50torr(6.7kPa)×6h)し、ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-1)を収率72%で得た。エポキシ当量は360g/eq.で、重量平均分子量は650で、25℃での粘度は137mPa・sであった。また、式(1)中の平均付加モル数mは、9であった。
<エポキシ樹脂組成物の調製>
得られたポリトリメチレンジグリシジルエーテル(A-1)を33質量部(不揮発分基準)、フェノール樹脂(群栄化学株式会社製、PSF-2803、ノボラック型フェノール樹脂、重量平均分子量:12000)を67質量部(不揮発分基準)、硬化促進剤として有機酸塩系塩基触媒である4級アンモニウム塩(サンアプロ株式会社製、U-CAT SA102、DBUの2-エチルヘキサン酸塩)を0.8質量部(不揮発分基準)、溶剤としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(EDGAc)を67質量部、配合した後(合計量167.8質量部)、容器攪拌型プラネタリーミキサーを用いて2000rpmで5分間攪拌し、エポキシ樹脂組成物を得た。
〔実施例2〕
<ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル((A-2)成分)の合成>
ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-500〔分子量500〕]1500gを、ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-1000〔分子量1000〕]750gに変えた以外は、(A-1)成分の場合と同様に合成し、収率69%でポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-2)を得た。エポキシ当量は620g/eq.で、重量平均分子量1100で、25℃での粘度は260mPa・sであった。また、式(1)中の平均付加モル数mは、17であった。
<エポキシ樹脂組成物の調製>
ポリトリメチレンジグリシジルエーテル(A-1)に替えて、ポリトリメチレンジグリシジルエーテル(A-2)を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
〔実施例3〕
<ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル((A-3)成分)の合成>
ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-500〔分子量500〕]1500gを、ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-2000〔分子量2000〕]375gに変えた以外は、(A-1)成分の場合と同様に合成し、収率71%でポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-3)を得た。エポキシ当量は1160g/eq.で、重量平均分子量は2100で、25℃での粘度は415mPa・sであった。また、式(1)中の平均付加モル数mは、34であった。
<エポキシ樹脂組成物の調製>
ポリトリメチレンジグリシジルエーテル(A-1)に替えて、ポリトリメチレンジグリシジルエーテル(A-3)を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
〔実施例4〕
<ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル((A-4)成分)の合成>
ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-500〔分子量500〕]1500gを、ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-2700〔分子量2700〕]278gに変えた以外は、(A-1)成分の場合と同様に合成し、収率74%でポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-4)を得た。エポキシ当量は1570g/eq.で、重量平均分子量は2850で、25℃での粘度は555mPa・sであった。また、式(1)中の平均付加モル数mは、47であった。
<エポキシ樹脂組成物の調製>
ポリトリメチレンジグリシジルエーテル(A-1)に替えて、ポリトリメチレンジグリシジルエーテル(A-4)を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
〔比較例1〕
<エポキシ樹脂組成物の調製>
ポリトリメチレンジグリシジルエーテル(A-1)に替えて、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(A’-1)[日油株式会社製、エピオール E-1000]を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。尚、(A’-1)のエポキシ当量は580g/eq.で、重量平均分子量は1300で、25℃での粘度は58mPa・sであり、オキシエチレン単位の平均付加モル数は23であった。
〔比較例2〕
<ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル((A’-2)成分)の合成>
ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-500〔分子量500〕]1500gをポリプロピレングリコール[日油製、ユニオールD-1000〔分子量1000〕]750gに変えた以外は、(A-1)成分の場合と同様に合成し、収率65%でポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(A’-2)を得た。エポキシ当量は600g/eq.で、25℃での粘度は190mPa・sであった。また、A’-2中のプロピレングリコールに基づく構成単位の平均付加モル数は17であった。
<エポキシ樹脂組成物の調製>
ポリトリメチレンジグリシジルエーテル(A-1)に替えて、ポリプロピレンジグリシジルエーテル(A’-2)を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
〔比較例3〕
<ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル((A’-3)成分)の合成>
ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-500〔分子量500〕]1500gをポリテトラメチレングリコール[三菱化学製、PTMG1000〔分子量1000〕]750gに変えた以外は、(A-1)成分の場合と同様に合成し、収率66%でポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル(A’-3)を得た。エポキシ当量は610g/eq.で、25℃での粘度は390mPa・sであった。また、A-7中のオキシテトラメチレン単位の平均付加モル数は14であった。
<エポキシ樹脂組成物の調製>
ポリトリメチレンジグリシジルエーテル(A-1)に替えて、ポリテトラメチレンジグリシジルエーテル(A’-3)を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
〔比較例4〕
<エポキシ樹脂組成物の調製>
ポリトリメチレンジグリシジルエーテル(A-1)に替えて、ジグリシジルエーテル(A’-4)[三菱ケミカル株式会社製、jER(登録商標)828、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:190g/eq.、粘度:13Pa・s(25℃)、重量平均分子量:370]を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
〔評価〕
[低温保管性]
硬化前の実施例1~4及び比較例1~4で得られた各エポキシ樹脂組成物を5℃の恒温槽に入れ、24時間静置し、エポキシ樹脂組成物の状態を目視により以下の基準で評価した。
○:析出物または白濁がなく透明
×:析出物または白濁が観察される
[低温硬化屈曲密着性]
実施例1~4及び比較例1~4で得られた各エポキシ樹脂組成物をポリエチレンテレフタレート(PET)(ガラス転移温度:140℃)の基材(厚さ0.1mm、幅2.5cm、長さ10cm)の上に厚さ50μm、幅1cm、長さ3cmで塗布した後、PETのガラス転移温度より低い温度(低温)である130℃で15分間、オーブンで加熱して、PET表面にエポキシ樹脂組成物の硬化膜(硬化物)を接合させた評価用基板を得た。得られた評価用基板を、マンドレル屈曲試験器(BEVS社製、製品名BEVS1603)を用いて、φ10mmのマンドレルにて屈曲試験を行った。屈曲試験後の表面形状を顕微鏡にて観察し以下の基準で評価した。
◎:硬化物の基材からの剥離が見られず、また屈曲跡もみられない。
○:硬化物の剥離からの剥離が見られないが屈曲跡がみられる。
×:硬化物の基材からの剥離がみられる。
[タック性]
低温硬化屈曲密着性の評価の場合と同様にして作製した評価用基板を37℃に加温しながら基板表面にアルミナの粉体をまぶした後、逆さにして粉体を落とした。その後表面に残留するアルミナの粉体の残量により以下の基準で評価した。残量は、粉体をまぶした評価用基板の重量(M1)及び粉体を落とした後の評価用基板の重量(M2)を測定し、下記式により算出した。
残量(%)=(M1-M2)/M1×100
◎:残量が3%未満である
○:残量が3%以上10%以下である
×:残量が10%より多い
実施例1~4及び比較例1~4の配合及び評価結果を表1に示す。
Figure 2023105371000003
上記結果から、式(1)で示されるポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-1~A-4)を用いたエポキシ樹脂組成物は、組成物の低温保管時の白濁がなく、また、低温で硬化させた硬化物の屈曲密着性が良好で、かつ、タック性が低いことがわかった。

Claims (2)

  1. 下記式(1)で示されるジグリシジルエーテル。
    Figure 2023105371000004
    (式(1)中、mはオキシトリメチレン基の平均付加モル数を表し2~90の実数である。)
  2. 請求項1記載のジグリシジルエーテルを10~90質量%、およびフェノール樹脂を10~90質量%含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
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