JP2023104808A - 樹脂成形品解析方法、プログラム、記録媒体、および、樹脂成形品解析装置 - Google Patents

樹脂成形品解析方法、プログラム、記録媒体、および、樹脂成形品解析装置 Download PDF

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Yuji Okada
耕平 末吉
Kohei Sueyoshi
智司 古川
Tomoji Furukawa
宣隆 田中
Noritaka Tanaka
広之 鈴木
Hiroyuki Suzuki
慶和 田中
Yoshikazu Tanaka
元伸 石田
Motonobu Ishida
大輔 黒川
Daisuke Kurokawa
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Abstract

【課題】樹脂成形品の厚み方向における繊維配向の分布を合成することによって、合成された繊維配向に基づいて樹脂成形品の収縮量を解析する場合に、樹脂成形品の収縮量を正確に解析することが可能な樹脂成形品解析方法、プログラム、記録媒体、および、樹脂成形品解析装置を提供する。【解決手段】この樹脂成形品解析方法は、繊維の配向を解析することによって解析配向Qを取得する。そして、樹脂成形品1の表層側から順に解析配向Qを補正する計算を行うことによって補正配向Rを算出する。そして、算出された補正配向Rに基づいて、樹脂成形品1の収縮量を解析する。また、補正配向Rの算出は、仮想節点Pの各々において、自身よりも表層側の仮想節点Pにおける補正結果に基づいて解析配向Qを補正する計算を行うことによって、補正配向Rを算出する。【選択図】図7

Description

この発明は、繊維を含む樹脂材料によって成形される樹脂成形品の収縮量を解析する樹脂成形品解析方法、プログラム、記録媒体、および、樹脂成形品解析装置に関する。
従来、繊維強化樹脂を用いた射出成形品の形状予測を行う形状予測装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、樹脂に混入された繊維の繊維配向を解析することによって、繊維強化樹脂を用いた射出成形品の形状を予測する形状予測装置が開示されている。この形状予測装置では、入力された射出成形品の形状に対応する樹脂流動解析モデルが、有限個の樹脂流動解析要素に分割される。そして、この形状予測装置は、分割された樹脂流動解析要素ごとに樹脂流動解析を実行することによって、樹脂内に混入された繊維の繊維配向データを取得する。そして、この形状予測装置は、樹脂流動解析要素よりも大きい構造解析用要素ごとの繊維配向データを取得するために、複数の樹脂流動解析要素の繊維配向データの合成ベクトルを求めることによって繊維配向データを変換する。上記特許文献1に記載されている形状予測装置は、合成された繊維配向データを用いて構造解析を実行することによって、射出成形品の形状予測を行う。
特開2008-120089号公報
ここで、上記特許文献1には明記されていないが、上記特許文献1に記載の形状予測装置のように、比較的細かい要素に分割した状態で解析された繊維配向を合成することによって射出成形品(樹脂成形品)の形状予測を行う場合に、樹脂成形品の厚み方向に沿って比較的細かい要素(仮想節点)に分割して繊維配向の分布を取得するとともに、樹脂成形品の厚み方向における繊維配向の分布を合成することによって処理負担を軽減しながら収縮量を解析することが考えられる。しかしながら、樹脂成形品は、金型内において冷却されることによって厚み方向の表層側から順に固化していくため、厚み方向における中心部分が冷却されて固化する場合には、すでに先に固化した表層側の樹脂からの影響を受けながら固化する。そのため、樹脂成形品の厚み方向における繊維配向の分布を合成することによって、合成された繊維配向に基づいて樹脂成形品の収縮量を解析する場合には、厚み方向の表層側から順に固化することによる影響が考慮されていないため、繊維配向に基づいて解析された収縮量が実際の収縮量とは異なるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、樹脂成形品の厚み方向における繊維配向の分布を合成することによって、合成された繊維配向に基づいて樹脂成形品の収縮量を解析する場合に、樹脂成形品の収縮量を正確に解析することが可能な樹脂成形品解析方法、プログラム、記録媒体、および、樹脂成形品解析装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による樹脂成形品解析方法は、繊維を含む樹脂材料によって成形される樹脂成形品の収縮量を解析する樹脂成形品解析方法であって、樹脂成形品を複数の微小要素に分割するステップと、複数の微小要素の各々、もしくは、各微小要素の頂点を構成する複数の節点の各々において、樹脂成形品の厚み方向に沿って複数の仮想節点を設定するステップと、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において、繊維の配向を解析することによって解析配向を取得するステップと、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において、樹脂成形品の表層側から順に解析配向を補正する計算を行うことによって、収縮量を解析するための補正配向を算出するステップと、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において算出された補正配向に基づいて、複数の微小要素もしくは複数の節点の各々の収縮量を解析するとともに、解析された複数の微小要素もしくは複数の節点の各々における収縮量に基づいて、樹脂成形品の収縮量を解析するステップと、を備え、補正配向を算出するステップは、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において、自身よりも表層側の仮想節点における補正結果に基づいて解析配向を補正する計算を行うことによって、補正配向を算出するステップを含む。
この第1の局面による樹脂成形品解析方法は、上記のように、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において、樹脂成形品の表層側から順に解析配向を補正する計算を行うことによって、収縮量を解析するための補正配向を算出する。そして、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において、自身よりも表層側の仮想節点における補正結果に基づいて解析配向を補正する計算を行うことによって、補正配向を算出する。これにより、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において解析された繊維配向である解析配向に対して、樹脂成形品の表層側から順に、自身よりも表層側の仮想節点における補正結果に基づいて補正する計算を行うため、表層側から順に樹脂材料が固化することによる影響を考慮して、解析された繊維配向(解析配向)を補正することができる。そのため、表層側から順に樹脂材料が固化することによる影響を考慮して補正された繊維配向の分布を合成することによって、樹脂成形品の収縮量を解析することができる。その結果、樹脂成形品の厚み方向における繊維配向の分布を合成することによって、合成された繊維配向に基づいて樹脂成形品の収縮量を解析する場合に、樹脂成形品の収縮量を正確に解析することができる。
上記第1の局面による樹脂成形品解析方法において、好ましくは、解析配向を取得するステップは、複数の仮想節点のうちの一の仮想節点である対象仮想節点において、対象仮想節点における解析配向である対象解析配向を取得するステップを含み、補正配向を算出するステップは、複数の仮想節点のうちの対象仮想節点の表層側に隣接する隣接仮想節点において算出された補正配向である隣接補正配向に基づいて、対象解析配向を補正する計算を行うことによって、対象仮想節点における補正配向である対象補正配向を算出するステップと、対象補正配向を算出するステップを、複数の仮想節点の各々において、樹脂成形品の表層側から順に繰り返すステップとを含む。このように構成すれば、生成される樹脂成形品の厚み方向において設定された複数の仮想節点の各々において、表層側に隣り合う仮想節点における補正結果を用いて、1層ずつ順に表層側から内側に向かって補正配向を算出することができる。そのため、複数の仮想節点の各々において、自身よりも表層側の全ての仮想節点における補正結果を用いる場合に比べて、補正配向の算出に用いる仮想節点の数を少なくすることができるので、収縮量を解析するための解析配向に対する補正を容易に行うことができる。その結果、表層側に隣り合う仮想節点における補正結果を用いることによって、合成された補正後の繊維配向に基づいて樹脂成形品の収縮量を容易にかつ正確に解析することができる。
この場合、好ましくは、対象補正配向を算出するステップは、隣接補正配向と隣接仮想節点における樹脂材料の弾性率とに基づいて、対象解析配向を補正する計算を行うことによって、対象補正配向を算出するステップを含む。ここで、表層側に隣接する層が先に冷却されて固化した場合には、すでに固化した隣接する層との弾性率の差異に起因して、実際の収縮量と解析された繊維配向に基づいて算出された収縮量とに差が生じると考えられる。これを考慮して、本発明では、隣接補正配向と隣接仮想節点における樹脂材料の弾性率とに基づいて、対象解析配向を補正する計算を行うことによって、対象補正配向を算出する。このように構成すれば、表層側に隣り合う仮想節点における補正配向に加えて、表層側に隣り合う仮想節点における弾性率をも考慮にいれて、解析配向を補正することができる。そのため、収縮量を解析するために解析された繊維配向である解析配向をより精度よく補正することができる。その結果、補正された繊維配向である補正配向に基づいて収縮量を解析する場合に、収縮量をより精度よく正確に解析することができる。
上記隣接補正配向と隣接仮想節点における樹脂材料の弾性率とに基づいて、対象解析配向を補正する計算を行うことによって、対象補正配向を算出する樹脂成形品解析方法において、好ましくは、対象補正配向を算出するステップは、隣接仮想節点における樹脂材料の弾性率と、対象仮想節点と隣接仮想節点との間の温度差とに基づいて、補正係数を算出するステップと、隣接補正配向と補正係数とに基づいて、対象解析配向を補正する計算を行うステップとを含む。このように構成すれば、樹脂材料の弾性率は温度に依存して変化するため、表層側に隣接する仮想節点との温度差と隣接する仮想節点における弾性率とに基づいて算出された補正係数を用いることによって、すでに固化した隣接する層との弾性率の差異に起因する影響を考慮しながら、収縮量を解析するために解析配向をより一層精度よく補正することができる。その結果、補正された繊維配向である補正配向を合成することによって収縮量を解析する場合に、収縮量をより一層精度よく正確に解析することができる。
この場合、好ましくは、対象解析配向を補正する計算を行うステップは、対象解析配向と、補正係数によって重み付けされた隣接補正配向との平均を計算することによって、対象解析配向を補正する計算を行うステップを含む。このように構成すれば、補正係数によって重み付けされた隣接補正配向との平均を計算することによって、解析配向を補正する計算をより容易に行うことができる。その結果、補正された解析配向である補正配向に基づいて、収縮量をより容易に解析することができる。
上記第1の局面による樹脂成形品解析方法において、好ましくは、収縮量を解析するステップは、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において算出された補正配向の平均に基づいて、複数の微小要素もしくは複数の節点の各々の収縮量を解析するとともに、解析された複数の微小要素もしくは複数の節点の各々における収縮量に基づいて、樹脂成形品の収縮量を解析するステップを含む。このように構成すれば、仮想節点の各々において算出された補正配向の平均を取得することによって、厚み方向において合成された繊維配向を容易に取得することができる。そのため、補正配向に基づいて、各微小要素もしくは各節点ごとに合成された補正配向を容易に取得することができるので、各微小要素もしくは各節点ごとの収縮量を容易に解析することができる。その結果、表層側から順に樹脂材料が固化することによる影響を考慮して、樹脂成形品の収縮量を容易に正確に解析することができる。
上記第1の局面による樹脂成形品解析方法において、好ましくは、複数の仮想節点を設定するステップは、複数の微小要素もしくは複数の節点の各々において、樹脂成形品の厚み方向に沿って偶数個の複数の仮想節点を設定するステップを含む。このように構成すれば、偶数個の仮想節点が設定されるため、厚み方向における一方側からの計算と他方側からの計算とを同じ回数ずつ行うことによって、複数の仮想節点の全体において補正配向の算出を表層側から順に行うことができる。その結果、奇数個の仮想節点が設定されている場合とは異なり、余りがでることなく全ての仮想節点において一方側と他方側との両方から順に同様の補正の計算を行うことができるので、全ての仮想節点において補正の計算をより容易に行うことができる。
上記第1の局面による樹脂成形品解析方法において、好ましくは、収縮量を解析するステップは、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において算出された補正配向に基づいて、複数の微小要素もしくは複数の節点の各々において、樹脂材料の流動方向と、樹脂成形品の表面に沿う面内において流動方向と直交する直交方向との収縮量を解析するとともに、解析された複数の微小要素もしくは複数の節点の各々における流動方向と直交方向との収縮量に基づいて、樹脂成形品の流動方向と直交方向との収縮量を解析するステップを含む。このように構成すれば、樹脂材料の流動方向と直交方向との2つの方向における繊維配向を補正する計算を行うため、流動方向および直交方向に厚み方向をも加えた3つの方向における繊維配向の補正を行う場合に比べて、補正の計算に要する処理負担を軽減することができる。その結果、算出された補正配向に基づいて流動方向と直交方向との2つの方向における収縮量の解析を行うことによって、樹脂成形品における収縮量を解析する場合における処理負担を軽減することができる。
この発明の第2の局面によるプログラムは、第1の局面による樹脂成形品解析方法をコンピュータに実行させる。
この発明の第2の局面によるプログラムでは、上記第1の局面による樹脂成形品解析方法をコンピュータに実行させることにより、樹脂成形品の厚み方向における繊維配向の分布を合成することによって、合成された繊維配向に基づいて樹脂成形品の収縮量を解析する場合に、樹脂成形品の収縮量を正確に解析することができる。
この発明の第3の局面による記憶媒体は、第2の局面によるプログラムが記録され、コンピュータにより読み取り可能である。
この発明の第3の局面による記憶媒体は、上記第2の局面によるプログラムが記録され、コンピュータにより読み取り可能であることにより、樹脂成形品の厚み方向における繊維配向の分布を合成することによって、合成された繊維配向に基づいて樹脂成形品の収縮量を解析する場合に、樹脂成形品の収縮量を正確に解析することができる。
この発明の第4の局面による樹脂成形品解析装置は、繊維を含む樹脂材料によって成形される樹脂成形品の収縮量を解析する樹脂成形品解析装置であって、樹脂成形品を複数の微小要素に分割する微小要素分割部と、複数の微小要素の各々、もしくは、各微小要素の頂点を構成する複数の節点の各々において、樹脂成形品の厚み方向に沿って複数の仮想節点を設定する仮想節点設定部と、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において、繊維の配向を解析することによって解析配向を取得する解析配向取得部と、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において、樹脂成形品の表層側から順に解析配向を補正する計算を行うことによって、収縮量を解析するための補正配向を算出する補正配向算出部と、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において算出された補正配向に基づいて、複数の微小要素もしくは複数の節点の各々の収縮量を解析するとともに、解析された複数の微小要素もしくは複数の節点の各々における収縮量に基づいて、樹脂成形品の収縮量を解析する収縮量解析部と、を備え、補正配向算出部は、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において、自身よりも表層側の仮想節点における補正結果に基づいて解析配向を補正する計算を行うことによって、補正配向を算出するように構成されている。
この発明の第4の局面による樹脂成形品解析装置は、上記のように、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において、樹脂成形品の表層側から順に解析配向を補正する計算を行うことによって、収縮量を解析するための補正配向を算出する。そして、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において、自身よりも表層側の仮想節点における補正結果に基づいて解析配向を補正する計算を行うことによって、補正配向を算出する。これにより、各微小要素もしくは各節点の複数の仮想節点の各々において解析された繊維配向である解析配向に対して、樹脂成形品の表層側から順に、自身よりも表層側の仮想節点における補正結果に基づいて補正する計算を行うため、表層側から順に樹脂材料が固化することによる影響を考慮して、解析された繊維配向(解析配向)を補正することができる。そのため、表層側から順に樹脂材料が固化することによる影響を考慮して補正された繊維配向の分布を合成することによって、樹脂成形品の収縮量を解析することができる。その結果、樹脂成形品の厚み方向における繊維配向の分布を合成することによって、合成された繊維配向に基づいて樹脂成形品の収縮量を解析する場合に、樹脂成形品の収縮量を正確に解析することが可能な樹脂成形品解析装置を提供することができる。
本発明によれば、上記のように、樹脂成形品の厚み方向における繊維配向の分布を合成することによって、合成された繊維配向に基づいて樹脂成形品の収縮量を解析する場合に、樹脂成形品の収縮量を正確に解析することができる。
本発明の一実施形態における解析装置の構成を示したブロック図である。 樹脂成形品の微小要素の分割を示した模式図である。 1つの微小要素における仮想節点の設定を説明するための模式図である。 樹脂成形品における繊維配向を示した模式図である。 解析配向と補正配向とを説明するための図である。 補正配向の算出を説明するための図である。 一実施形態による樹脂成形品解析方法を説明するためのフローチャート図である。 一実施形態による解析配向の補正方法の詳細を説明するためのフローチャート図である。 本発明の変形例による1つの節点における仮想節点の設定を説明するための模式図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(解析装置の構成)
図1~図6を参照して、本実施形態による解析装置100の構成について説明する。なお、解析装置100は、特許請求の範囲における「樹脂成形品解析装置」および「コンピュータ」の一例である。
解析装置100は、繊維(強化繊維)を含む樹脂材料によって成形される樹脂成形品1(図2参照)の収縮量を解析することによって、樹脂成形品1の形状(そり変形)の解析を行うことが可能であるように構成されている。樹脂成形品1を成形する樹脂材料は、たとえば、PP樹脂およびABS樹脂などの熱可塑性樹脂に対して、ガラス繊維および炭素繊維などの繊維を複合させた繊維強化樹脂である。そして、樹脂成形品1は、金型内に樹脂材料を充填させる射出成形により成形される。なお、樹脂成形品1は、金属部品などと一体成形されたインサート成形品などを含んでいてもよい。
図1に示すように、解析装置100は、CPU(Central Processing Unit)などからなる1または複数のプロセッサ10と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)および記憶装置などを含んだ記憶部20とを備える。記憶部20は、たとえば、ハードディスクドライブや半導体記憶装置などである。解析装置100は、樹脂成形品1の収縮量を解析する作業者に用いられるPC(パーソナルコンピュータ)である。なお、解析装置100にプログラム21を実行させることにより行われる処理の一部または全部が、専用の演算回路等のハードウェアによって行われてもよい。
解析装置100は、記憶部20に記憶されたプログラム21をプロセッサ10に実行させることにより、樹脂成形品1の収縮量の解析を行う。プログラム21は、樹脂材料の成形をシミュレートすることによって解析するためのCAE(Computer Aided Engineering)ソフトウェアである。また、プログラム21は、記録媒体101から読み出される他、インターネットなどのネットワークやLAN(Local Area Network)などの伝送経路を介して外部サーバなどから提供されてもよい。記録媒体101は、光学ディスク、磁気ディスク、不揮発性半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、プログラム21が記録されている。
記憶部20には、プログラム21の他、収縮量の解析を行うために用いられる各種の解析用データ22が記憶される。解析用データ22は、たとえば、樹脂材料の粘度、弾性率、熱伝導率などの熱物性、および、状態線図などの材料物性データを含む。また、解析用データ22は、収縮量の解析を行う際の各種パラメータを含む。解析用データ22の各種パラメータは、たとえば、図示しない操作部に対する作業者の入力操作に基づいて取得される境界条件を含む。境界条件は、ゲート位置、射出速度、樹脂温度、および、金型温度などである。
また、解析装置100は、液晶表示装置などの表示部30と、記録媒体101からプログラム21や各種データを読み取るための読取部40とを備えている。読取部40は、記録媒体101の種類に応じたリーダ装置などである。また、記憶部20に記憶される解析用データ22は、作業者が作成した記録媒体101から読取部40により読み出されたり、作業者が外部サーバなどに作成しておいて、伝送経路を介して外部サーバから取得されたりしてもよい。
(プロセッサの構成)
本実施形態では、プロセッサ10は、微小要素分割部11、仮想節点設定部12、解析配向取得部13、補正配向算出部14、および、収縮量解析部15を含んでいる。具体的には、ハードウェアとしてのプロセッサ10は、ソフトウェア(プログラム21)の機能ブロックとして、微小要素分割部11、仮想節点設定部12、解析配向取得部13、補正配向算出部14、および、収縮量解析部15を含むように構成されている。
図2に示すように、本実施形態では、プロセッサ10の微小要素分割部11は、樹脂成形品1を複数の微小要素に分割する。具体的には、解析装置100は、樹脂成形品1の解析を行う作業者による入力操作などに基づいて、樹脂成形品1の3次元CAD情報などを取得することによって、樹脂成形品1の形状データを取得する。そして、微小要素分割部11は、樹脂成形品1の解析モデルを生成するために、樹脂成形品1の3次元の形状データを複数の微小要素(メッシュ)に分割する。また、微小要素分割部11は、樹脂成形品1の各部分の厚み方向において、微小要素の個数が1つとなるように樹脂成形品1を分割する。また、1つの微小要素は、直方体形状を有する。
たとえば、樹脂成形品1の各部分のうちXY平面に沿って延びるような形状の部分(図2の部分a)では、厚み方向はZ方向となる。したがって、微小要素分割部11は、Z方向における個数が少なくとも1つ(1層)となるように樹脂成形品1を複数の微小要素に分割する。なお、本実施形態の樹脂成形品1は、1つのスプルー部Sから樹脂材料が流動されることにより成形される。したがって、部分aでは、樹脂材料は、X1方向に沿うように流動しながら、樹脂成形品1を成形する金型内に充填される。
なお、樹脂成形品1の各部において、樹脂の流動方向をMD(Machine Direction)、樹脂成形品1の表面に沿う面内(厚み方向に対して直交する面内)においてMDに直交する直交方向をTD(Transverse Direction)とする。たとえば、図2の部分aでは、MDは図中のX方向であり、TDは図中のY方向となる。また、プロセッサ10によって、取得された樹脂成形品1の形状データに基づいて、複数の微小要素の各々においてMDおよびTDと、厚み方向とが設定される。
そして、図3に示すように、本実施形態では、プロセッサ10の仮想節点設定部12は、微小要素分割部11によって分割された複数の微小要素の各々において、樹脂成形品1の厚み方向に沿って複数の仮想節点Pを設定する。具体的には、仮想節点設定部12は、樹脂成形品1の複数の微小要素の各々において、樹脂成形品1の厚み方向に沿って偶数個(例えば20個)の仮想節点Pを設定する。たとえば、図2の部分aに含まれる複数の微小要素のうちの1つの微小要素1aでは、仮想節点設定部12によって、Z方向に沿うように20個の仮想節点P~P20が設定される。ここで、仮想節点Pは、樹脂成形品1においてZ2方向側の表面に位置するように設定される。そして、仮想節点P20は、樹脂成形品1においてZ1方向側の表面に位置するように設定される。
〈繊維配向(解析配向)の取得〉
本実施形態では、プロセッサ10の解析配向取得部13は、仮想節点設定部12によって設定された各微小要素の複数の仮想節点Pの各々において、樹脂材料に含まれる繊維の配向を解析する。具体的には、解析配向取得部13は、プログラム21を実行することによって、記憶部20に記憶された解析用データ22に基づいて、複数の仮想節点Pの各々における樹脂材料の流動状態をシミュレートする。そして、解析配向取得部13は、複数の仮想節点Pの各々において、3次元繊維配向テンソルを算出する。MD、TD、および、厚み方向における繊維の配向は、3次元繊維配向テンソルより算出する。詳細には、解析配向取得部13は、プログラム21を実行することによって、射出成形中の樹脂温度、樹脂圧力、樹脂材料の流動速度などの流動データを算出することによって、複数の仮想節点Pの各々において繊維の配向を算出(解析)する。そして、解析配向取得部13は、解析された繊維配向を解析配向Q(図5参照)として取得する。解析された繊維配向である解析配向Qは、実際の樹脂成形品1における繊維配向がシミュレートされたものである。
なお、図4に示すように、繊維を含む樹脂成形品1は、樹脂材料の流動方向(MD)、直交方向(TD)、および、厚み方向において、繊維の配向に偏りが生じる。樹脂成形品1に含まれる繊維(強化繊維)は、細長形状を有しており、金型内を流動する際に樹脂材料の剪断力によりMDに配向する比率が高くなる。また、樹脂成形品1において、厚み方向の表層側(表面側)では、MDの配向が大きく(強く)なるとともに、厚み方向における中心側(内側)では、繊維の向き(繊維配向)がランダムな配向となる。たとえば、図3の微小要素1aにおける繊維の配向(繊維配向)では、表層側(表面付近側)においてMDであるX方向に沿うように配置されている繊維の割合が比較的多くなる。
図5に示すように、本実施形態では、解析配向取得部13により取得される解析配向Qは、3次元繊維配向テンソルで表される。MD、TD、および、厚み方向の繊維配向ベクトルは、3次元繊維配向テンソルから計算される。図5の縦軸の値は、樹脂材料における繊維配向ベクトル(MD)の大きさの値を示している。繊維配向テンソルでは、数値が1.0に近づくほどMD(X方向)に沿うように配置されている繊維の割合(確率)が大きいことを示している。そして、数値が0.0に近づくほど、TD(Y方向)、もしくは厚み方向に沿うように配置されている繊維の割合(確率)が大きいことを示している。
〈解析配向の補正〉
ここで、樹脂成形品1の成形において、樹脂成形品1の樹脂材料は、金型内において厚み方向の表層側から順に徐々に冷却されて固化していく。したがって、樹脂成形品1の成形において、表層側の部分が先に冷却されて固化することに起因して、厚み方向における中心側(内側)の部分は、表層側の部分からの影響を受けながら収縮する。そのため、繊維配向(解析配向Q)に基づいて樹脂成形品1の収縮量を解析する場合には、樹脂成形品1の各部における繊維配向を解析することのみならず、表層側から順に樹脂材料が固化することによる影響を考慮して、収縮量を解析する必要がある。
そこで、図5および図6に示すように、プロセッサ10の補正配向算出部14は、樹脂成形品1の収縮量を解析するために、解析配向取得部13によって取得された解析配向Qに対して補正を行うことによって、補正された繊維配向である補正配向Rを複数の仮想節点Pの各々において算出するように構成されている。具体的には、本実施形態では、補正配向算出部14は、各微小要素の複数の仮想節点Pの各々において、樹脂成形品1の表層側から順に解析配向Qを補正する計算を行うことによって、収縮量を解析するための補正配向Rを算出する。また、本実施形態では、補正配向算出部14は、各微小要素の複数の仮想節点Pの各々において、自身よりも表層側の仮想節点Pにおける補正結果に基づいて解析配向Qを補正する計算を行う。
図6に示すように、一例として、図3の微小要素1aにおいて、表層からn番目の仮想節点Pにおいて取得された解析配向Qを補正することによって補正配向Rを算出する場合について説明する。なお、n番目の仮想節点Pは、Z2方向から数えて1番目から10番目までの仮想節点P~P10のうちの1つである。すなわち、n-1番目の仮想節点Pn-1は、n番目の仮想節点Pの表層側に隣接する。また、n-1番目の仮想節点Pn-1における解析配向Qを解析配向Qn-1、補正配向Rを補正配向Rn-1とする。なお、仮想節点Pおよび仮想節点Pn-1は、それぞれ、特許請求の範囲における「対象仮想節点」および「隣接仮想節点」の一例である。そして、解析配向Qは、特許請求の範囲における「対象解析配向」の一例である。また、補正配向Rおよび補正配向Rn-1は、それぞれ、特許請求の範囲における「対象補正配向」および「隣接補正配向」の一例である。
補正配向算出部14は、仮想節点Pにおける補正配向Rを算出する場合には、仮想節点P自身よりも表層側に隣接する仮想節点Pn-1における補正結果である補正配向Rn-1に基づいて、仮想節点Pにおける解析配向Qを補正する計算を行う。仮想節点Pにおける補正配向Rの算出は、補正係数kと、表層側に隣接する仮想節点Pn-1における補正配向Rn-1とによって、式(1)のように表される。
Figure 2023104808000002

すなわち、本実施形態では、補正配向算出部14は、解析配向Qと、補正係数kによって重み付けされた補正配向Rn-1との平均を計算することによって、解析配向Qを補正する計算を行うことによって、補正配向Rを算出する。
なお、本実施形態では、補正配向算出部14は、解析配向取得部13による流動データ(樹脂材料の解析結果)に基づいて、仮想節点Pn-1と仮想節点Pとの温度差と、仮想節点Pn-1における樹脂材料の弾性率とに基づいて補正係数kを算出するように構成されている。具体的には、本実施形態では、補正係数kは、式(2)の計算によって算出される。
Figure 2023104808000003

固化温度弾性率は、樹脂材料の固化温度における弾性率を示す。また、隣接層弾性率は、樹脂材料の固化温度と隣接層温度差との差の温度における樹脂材料の弾性率を示す。隣接層温度差は、複数の仮想節点Pのうちの隣り合う2つの仮想節点P同士の間の温度差を示す。すなわち、隣接層温度差は、仮想節点Pと仮想節点Pn-1との間の温度差を示す。したがって、補正係数kは、仮想節点Pにおいて樹脂材料が固化する時点での弾性率と、その時点においてすでに固化している仮想節点Pn-1における樹脂材料の弾性率との比率を模擬的に示した値である。
詳細には、解析配向取得部13は、プログラム21を実行することによって、複数の仮想節点Pの各々において、樹脂成形品1の射出成形をシミュレートすることにより成形プロセス中において、保圧が完了した時点、充填工程から保圧工程へと切り替えるVP(velocity pressure)が切り替えられた時点、または、離型した時点、のいずれかにおける樹脂温度を解析(算出)する。そして、複数の仮想節点Pの各々において算出された樹脂温度に基づいて、仮想節点Pと仮想節点Pn-1との間の温度差が隣接層温度差として取得される。また、固化温度は、樹脂材料の特有の固有値であって、記憶部20に記憶されている解析用データ22に含まれる材料物性データに基づいて取得される。また、樹脂材料の弾性率は、同様に、記憶部20に記憶されている解析用データ22に含まれる材料物性データに基づいて算出される。記憶部20に記憶されている解析用データ22には、樹脂成形品1の樹脂材料の弾性率を算出するための条件式が含まれている。なお、樹脂成形品1を形成する樹脂材料の弾性率は、温度の低下に比例して略線形に増加するように値が変化する。したがって、補正係数kは、1よりも大きい値となり、仮想節点Pと仮想節点Pn-1との温度差が大きいほど(弾性率の差が大きいほど)大きい値となる。このように、補正係数kは、仮想節点Pと仮想節点Pn-1との温度差と、隣接層(仮想節点Pn-1)の弾性率を考慮した大きさとなるように算出される。
なお、仮想節点Pは、仮想節点P~P10のうちの1つとしたが、仮想節点P11~P20においても、仮想節点Pと同様の計算が行われる。その場合には、表層側に隣接する仮想節点は仮想節点Pn+1となる。そして、本実施形態では、補正配向算出部14は、仮想節点Pにおける補正配向Rの算出と同様の計算を、各微小要素ごとの複数の仮想節点Pの各々において、樹脂成形品1の表層側から順に繰り返すことによって、複数の仮想節点Pの各々において補正配向Rを算出するように構成されている。たとえば、補正配向算出部14は、微小要素1aに含まれる20個の仮想節点P~P20に対して、仮想節点P、P、P、・・・、P10の順に解析配向Q~Q10を補正する計算を行うことによって補正配向R~R10を算出するとともに、仮想節点P20、P19、P18、・・・、P11の順に解析配向Q20~Q11を補正する計算を行うことによって、補正配向R20~R11を算出する。なお、仮想節点Pおよび仮想節点Pは、一番表層側であるため、解析配向QおよびQ20が、それぞれ、そのまま補正配向RおよびR20として算出される。そして、表層側から2番目以降の仮想節点Pにおいて、式(1)に示した計算によって、補正配向Rが算出される。
〈収縮量の解析〉
そして、本実施形態では、プロセッサ10の収縮量解析部15は、各微小要素の複数の仮想節点Pの各々において算出された補正配向Rの平均に基づいて、複数の微小要素の各々の収縮量を解析する。また、収縮量解析部15は、複数の微小要素の各々において、樹脂材料の流動方向(MD)、直交方向(TD)、および、厚み方向のうちの少なくとも2方向における収縮量をそれぞれ解析するように構成されている。
たとえば、収縮量解析部15は、微小要素1aにおける20個の仮想節点P~P20の各々における補正配向R~R20の平均値(平均の繊維配向テンソル)を算出する。そして、収縮量解析部15は、算出された平均値を流動方向(MD)と、直交方向(TD)との収縮量(収縮率)の比率として微小要素1aにおける収縮量を算出する。たとえば、算出された補正配向R~R20の平均値が0.8である場合には、MDにおける収縮量と、TDにおける収縮量との比率が、0.8:0.2となるように微小要素1aにおける収縮量が算出される。
そして、収縮量解析部15(プロセッサ10)は、解析された複数の微小要素の各々における流動方向(MD)と直交方向(TD)との収縮量に基づいて、樹脂成形品1の流動方向(MD)と直交方向(TD)と収縮量を解析する。上記のようにして、解析装置100のプロセッサ10(収縮量解析部15)は、樹脂材料の流動による繊維配向と、表層側から順に樹脂材料が固化することによる影響(弾性率の差異)とを考慮した樹脂成形品1の収縮量を解析することによって、樹脂成形品1の形状(そり変形)の解析を行う。
また、プロセッサ10は、樹脂成形品1の解析結果を表示部30に表示させるように構成されている。たとえば、プロセッサ10は、解析結果として、解析後の形状(変形後の形状)の樹脂成形品1を表示部30に表示させる。また、プロセッサ10は、補正配向算出部14によって算出された補正配向Rを視認可能なように表示部30に表示させるように構成されている。
(樹脂成形品解析方法)
次に、図7を参照して、本実施形態の解析装置100による樹脂成形品解析方法について説明する。本実施形態の樹脂成形品解析方法は、繊維を含む樹脂材料によって成形される樹脂成形品1の収縮量を解析する方法である。また、本実施形態による樹脂成形品解析方法は、解析装置100のプロセッサ10にプログラム21を実行させることにより実施される。
まず、ステップS1において、樹脂成形品1の形状データが取得されるとともに、収縮量の解析を行うために用いられる各種の解析用データ22が取得(記憶)される。
次に、ステップS2において、樹脂成形品1が複数の微小要素(メッシュ)に分割される。具体的には、樹脂成形品1の形状データが複数の微小要素に分割されることによって、樹脂成形品1の解析モデルが生成される。
次に、ステップS3において、複数の微小要素の各々において、樹脂成形品1の厚み方向に沿って複数の仮想節点Pが設定される。たとえば、微小要素1aにおいて、偶数個(20個)の仮想節点P~P20が設定される。
次に、ステップS4において、各微小要素の複数の仮想節点Pの各々において、繊維の配向を解析することによって、解析配向Qが取得される。たとえば、微小要素1aにおいて、20個の仮想節点P~P20のうちの1の仮想節点Pにおける解析配向Qが取得される。
次に、ステップS5において、各微小要素の複数の仮想節点Pの各々において、樹脂成形品1の表層側から順に解析配向Qを補正する計算を行うことによって、収縮量を解析するための補正配向Rが算出される。具体的には、各微小要素の複数の仮想節点Pの各々において、自身よりも表層側の仮想節点Pにおける補正結果に基づいて解析配向Qを補正する計算を行うことによって、補正配向Rが算出される。なお、解析配向Qの補正方法(補正配向Rの算出方法)の詳細は後述する。
次に、ステップS6において、各微小要素の複数の仮想節点Pの各々において算出された補正配向Rの平均に基づいて、複数の微小要素の各々の流動方向(MD)と直交方向(TD)とにおける収縮量が解析される。そして、解析された複数の微小要素の各々におけるMDとTDとの収縮量に基づいて、樹脂成形品1のMDとTDとの収縮量が解析される。
次に、ステップS7において、樹脂成形品1の収縮量の解析結果が表示部30に表示される。具体的には、解析後の形状(変形後の形状)の樹脂成形品1が表示部30に表示される。また、算出された補正配向Rが視認可能なように表示部30に表示される。
〈解析配向の補正方法〉
次に、図8を参照して、解析配向Qの補正方法の詳細について説明する。一例として、複数の微小要素のうちの一の微小要素1a(図3参照)における仮想節点Pの解析配向Qの補正方法について説明する。なお、n=1~20である。
まず、ステップS51において、微小要素1aの20個の仮想節点P~P20のうちの一番表層側(最も外側)の仮想節点PおよびP20において(n=1および20の場合)、取得された解析配向QおよびQ20が、そのまま、それぞれ補正配向RおよびR20として取得される。
次に、ステップS52において、n=2として、20個の仮想節点P~P20のうちの表層側から2番目の仮想節点Pにおいて、仮想節点Pの表層側に隣接する仮想節点Pn-1における樹脂材料の弾性率と、仮想節点Pと仮想節点Pn-1との間の温度差とに基づいて、補正係数kが算出される。同様にn=19として、仮想節点Pにおける補正係数kが算出される。なお、n=11~19の場合には、隣接する仮想節点は仮想節点Pn+1となる。
次に、ステップS53において、仮想節点Pn-1において算出された補正配向Rn-1と、補正係数kとに基づいて、解析配向Qを補正する計算が行われる。具体的には、解析配向Qと、算出された補正係数kによって重み付けされた補正配向Rn-1との平均を計算することによって、解析配向Qを補正する計算が行われる。これにより、補正配向Rn-1と、仮想節点Pn-1における樹脂材料の弾性率とに基づいて、解析配向Qを補正する計算が行われることによって補正配向Rが算出される。
次に、ステップS54において、複数の仮想節点Pの各々において、樹脂成形品1の表層側から順に(nの値を変更しながら)、ステップS52およびステップS53が繰り返される。具体的には、仮想節点P以降、仮想節点P、P、・・・P10の順にステップS52およびステップS53が繰り返されることによって、補正配向R~R10が算出される。また、反対側の表層からも同様に、仮想節点P19以降、仮想節点P18、P17、・・・、P11の順にステップS52およびステップS53が繰り返されることによって、補正配向R11~R19が算出される。
上記のように、ステップS51~ステップS54が実行されることによって、微小要素1aにおける20個の仮想節点P(仮想節点P~P20)の各々における解析配向Q(解析配向Q~Q20)が補正されて、補正配向R(補正配向R~R20)が算出される。樹脂成形品1の複数の微小要素の各々において、同様の処理が実行される。
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態の樹脂成形品解析方法では、上記のように、各微小要素の複数の仮想節点Pの各々において、樹脂成形品1の表層側から順に解析配向Qを補正する計算を行うことによって、収縮量を解析するための補正配向Rを算出する。そして、各微小要素の複数の仮想節点Pの各々において、自身よりも表層側の仮想節点Pにおける補正結果(補正配向R)に基づいて解析配向Qを補正する計算を行うことによって、補正配向Rを算出する。これにより、各微小要素の複数の仮想節点Pの各々において解析された繊維配向である解析配向Qに対して、樹脂成形品1の表層側から順に、自身よりも表層側の仮想節点Pにおける補正結果に基づいて補正する計算を行うため、表層側から順に樹脂材料が固化することによる影響を考慮して、解析された繊維配向(解析配向Q)を補正することができる。そのため、表層側から順に樹脂材料が固化することによる影響を考慮して補正された繊維配向の分布を合成することによって、樹脂成形品1の収縮量を解析することができる。その結果、樹脂成形品1の厚み方向における繊維配向の分布を合成することによって、合成された繊維配向に基づいて樹脂成形品1の収縮量を解析する場合に、樹脂成形品1の収縮量を正確に解析することができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の仮想節点Pのうちの一の仮想節点P(対象仮想節点)において、仮想節点Pにおける解析配向Q(対象解析配向)を取得する。そして、複数の仮想節点Pのうちの仮想節点Pの表層側に隣接する仮想節点Pn-1(隣接仮想節点)において算出された補正配向Rn-1(隣接補正配向)に基づいて、解析配向Qを補正する計算を行うことによって、仮想節点Pにおける補正配向R(対象補正配向)を算出する。そして、補正配向Rの算出を、複数の仮想節点Pの各々において、樹脂成形品1の表層側から順に繰り返す。これにより、生成される樹脂成形品1の厚み方向において設定された複数の仮想節点Pの各々において、表層側に隣り合う仮想節点Pにおける補正結果(補正配向R)を用いて、1層ずつ順に表層側から内側に向かって補正配向Rを算出することができる。そのため、複数の仮想節点Pの各々において、自身よりも表層側の全ての仮想節点Pにおける補正結果を用いる場合に比べて、補正配向Rの算出に用いる仮想節点Pの数を少なくすることができるので、収縮量を解析するための解析配向Qに対する補正を容易に行うことができる。その結果、表層側に隣り合う仮想節点Pにおける補正結果を用いることによって、合成された補正後の繊維配向に基づいて樹脂成形品1の収縮量を容易にかつ正確に解析することができる。
また、本実施形態では、上記のように、補正配向Rn-1(隣接補正配向)と仮想節点Pn-1(隣接仮想節点)における樹脂材料の弾性率とに基づいて、解析配向Q(対象解析配向)を補正する計算を行うことによって、補正配向R(対象補正配向)を算出する。ここで、表層側に隣接する層が先に冷却されて固化した場合には、すでに固化した隣接する層との弾性率の差異に起因して、実際の収縮量と解析された繊維配向に基づいて算出された収縮量とに差が生じると考えられる。これを考慮して、本実施形態では、補正配向Rn-1と仮想節点Pn-1における樹脂材料の弾性率とに基づいて、解析配向Qを補正する計算を行うことによって、補正配向Rを算出する。これにより、表層側に隣り合う仮想節点Pにおける補正配向Rに加えて、表層側に隣り合う仮想節点Pにおける弾性率をも考慮にいれて、解析配向Qを補正することができる。そのため、収縮量を解析するために解析された繊維配向である解析配向Qをより精度よく補正することができる。その結果、補正された繊維配向である補正配向Rに基づいて収縮量を解析する場合に、収縮量をより精度よく正確に解析することができる。
また、本実施形態では、上記のように、仮想節点Pn-1(隣接仮想節点)における樹脂材料の弾性率と、仮想節点P(対象仮想節点)と仮想節点Pn-1との間の温度差とに基づいて、補正係数kを算出する。そして、補正配向Rn-1(隣接補正配向)と補正係数kとに基づいて、解析配向Q(対象解析配向)を補正する計算を行う。これにより、樹脂材料の弾性率は温度に依存して変化するため、表層側に隣接する仮想節点Pとの温度差と隣接する仮想節点Pにおける弾性率とに基づいて算出された補正係数kを用いることによって、すでに固化した隣接する層との弾性率の差異に起因する影響を考慮しながら、収縮量を解析するために解析配向Qをより一層精度よく補正することができる。その結果、補正された繊維配向である補正配向Rを合成することによって収縮量を解析する場合に、収縮量をより一層精度よく正確に解析することができる。
また、本実施形態では、上記のように、解析配向Q(対象解析配向)と、補正係数kによって重み付けされた補正配向Rn-1(隣接補正配向)との平均を計算することによって、解析配向Qを補正する計算を行う。これにより、補正係数kによって重み付けされた補正配向Rn-1との平均を計算することによって、解析配向Qを補正する計算をより容易に行うことができる。その結果、補正された解析配向Q(解析配向Q)である補正配向R(補正配向R)に基づいて、収縮量をより容易に解析することができる。
また、本実施形態では、上記のように、各微小要素の複数の仮想節点Pの各々において算出された補正配向Rの平均に基づいて、複数の微小要素の各々の収縮量を解析するとともに、解析された複数の微小要素の各々における収縮量に基づいて、樹脂成形品1の収縮量を解析する。これにより、仮想節点Pの各々において算出された補正配向Rの平均を取得することによって、厚み方向において合成された繊維配向を容易に取得することができる。そのため、補正配向Rに基づいて、各微小要素ごとに合成された補正配向Rを容易に取得することができるので、各微小要素ごとの収縮量を容易に解析することができる。その結果、表層側から順に樹脂材料が固化することによる影響を考慮して、樹脂成形品1の収縮量を容易に正確に解析することができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の微小要素の各々において、樹脂成形品1の厚み方向に沿って偶数個(例えば20個)の複数の仮想節点Pを設定する。これにより、偶数個の仮想節点Pが設定されるため、厚み方向における一方側からの計算と他方側からの計算とを同じ回数ずつ行うことによって、複数の仮想節点Pの全体において補正配向Rの算出を表層側から順に行うことができる。その結果、奇数個の仮想節点Pが設定されている場合とは異なり、余りがでることなく全ての仮想節点Pにおいて一方側と他方側との両方から順に同様の補正の計算を行うことができるので、全ての仮想節点Pにおいて補正の計算をより容易に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、各微小要素の複数の仮想節点Pの各々において算出された補正配向Rに基づいて、複数の微小要素の各々において、樹脂材料の流動方向(MD)と、樹脂成形品1の表面に沿う面内において流動方向と直交する直交方向(TD)との収縮量を解析するとともに、解析された複数の微小要素の各々における流動方向と直交方向との収縮量に基づいて、樹脂成形品1の流動方向と直交方向との収縮量を解析する。これにより、樹脂材料の流動方向と直交方向との2つの方向における繊維配向(解析配向Q)を補正する計算を行うため、流動方向および直交方向に厚み方向をも加えた3つの方向における繊維配向の補正を行う場合に比べて、補正の計算に要する処理負担を軽減することができる。その結果、算出された補正配向Rに基づいて流動方向と直交方向との2つの方向における収縮量の解析を行うことによって、樹脂成形品1における収縮量を解析する場合における処理負担を軽減することができる。
また、本実施形態では、プログラム21、記録媒体101および、解析装置100は、上記の樹脂成形品解析方法と同様に、樹脂成形品1の厚み方向における繊維配向の分布を合成することによって、合成された繊維配向に基づいて樹脂成形品1の収縮量を解析する場合に、樹脂成形品1の収縮量を正確に解析することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、複数の微小要素の各々において、樹脂成形品1の厚み方向に沿って複数の仮想節点Pを設定する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図9に示す変形例による仮想節点Paのように、複数の微小要素の頂点を構成する複数の節点201の各々において、樹脂成形品1厚み方向(Z方向)に沿って複数の仮想節点Paを設定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、仮想節点P(対象仮想節点)における解析配向Q(対象解析配向)を補正する場合に、表層側に隣接する仮想節点Pn-1(隣接仮想節点)において算出された補正配向Rn-1(隣接補正配向)に基づいて補正の計算が行われる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表層側に隣接する仮想節点Pのみならず、自身より表層側の複数の仮想節点Pにおける補正結果(補正配向R)に基づいて、解析配向Qを補正する計算を実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、仮想節点P(対象仮想節点)と仮想節点Pn-1(隣接仮想節点)との温度差に基づいて算出された仮想節点Pn-1における樹脂材料の弾性率に基づいて補正係数kを算出する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、補正係数kを、弾性率を算出せず、仮想節点Pと仮想節点Pn-1との温度差に基づいて算出するようにしてもよい。また、補正係数kを、複数の仮想節点Pの各々ごとに算出せずに、1つの微小要素において共通の値を用いるようにしてもよい。また、補正係数kを、樹脂成形品1の全体において、樹脂材料の特性ごとに予め設定された一定の固有値を用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、解析配向Q(対象解析配向)と、補正係数kによって重み付けされた補正配向Rn-1(隣接補正配向)との平均を計算することによって、解析配向Qを補正する計算を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、補正係数kを用いずに解析配向Qと補正配向Rn-1との平均を計算することによって、解析配向Qを補正するようにしてもよい。すなわち、仮想節点P(対象仮想節点)の解析配向Qを補正する場合には、仮想節点P自身よりも表層側の仮想節点Pにおける弾性率、または、温度などの物性値に基づいて表層側から順に補正の計算を行うように構成されていれば、具体的な計算式はどのような形態であってもよい。
また、上記実施形態では、1つの微小要素において、20個の仮想節点Pを設定するとともに、20個の仮想節点Pの各々において、算出された補正配向Rの平均に基づいて微小要素の収縮量を解析する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、20個より少ない10個の仮想節点Pの各々において算出された補正配向Rの平均に基づいて微小要素の収縮量を解析してもよい。また、仮想節点Pを20個より多く設定してもよい。また、複数の微小要素の各々における厚み方向の大きさに応じて、複数の微小要素の各々における仮想節点Pの個数を異ならせるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、複数の微小要素の各々において偶数個の仮想節点Pを設定する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、奇数個の仮想節点Pを設定するようにしてもよい。その場合に、表層側の両側から順に解析配向Qを補正する計算を行った場合には、中心の1つの仮想節点Pが余ることとなる。余った中心の1つの仮想節点Pにおいて解析配向Qを補正する計算を行う場合には、いずれか一方側に隣接する仮想節点Pにおける補正配向Rに基づいて解析配向Qを補正する計算を行うようにしてもよいし、両側に隣接する2つの仮想節点Pにおける補正配向Rに基づいて解析配向Qを補正する計算を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、複数の微小要素の各々において、算出された補正配向Rに基づいて、樹脂材料の流動方向(MD)と直交方向(TD)との2つの方向における収縮量を解析する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、厚み方向を加えた3つの方向における繊維配向を解析するとともに、3つの方向における配向を補正することによって、3つの方向における収縮量を解析するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、樹脂成形品1の解析モデルとして、樹脂成形品1を六面体(直方体)である複数の微小要素に分割する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、微小要素は、四面体であってもよい。また、微小要素は、三角形または四角形などの二次元の要素であってもよい。
また、上記実施形態では、樹脂成形品1の各部分の厚み方向において分割される微小要素の個数が1つ(1層)となるように、樹脂成形品1を複数の微小要素に分割する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、樹脂成形品1の厚み方向において、分割される微小要素の個数が複数個となるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、解析配向Q(対象解析配向)の補正の計算を行うために、対象の仮想節点P(対象仮想節点)と、隣接する仮想節点Pn-1(隣接仮想節点)との温度差を算出する場合に、金型の保圧が完了した時点における樹脂温度をシミュレートすることによって補正係数kを算出する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、金型から樹脂成形品1を取り出す時点における樹脂温度をシミュレートすることによって、補正係数kを算出するようにしてもよい。
1 樹脂成形品
11 微小要素分割部
12 仮想節点設定部
13 解析配向取得部
14 補正配向算出部
15 収縮量解析部
21 プログラム
100 解析装置(樹脂成形品解析装置、コンピュータ)
101 記録媒体

Claims (11)

  1. 繊維を含む樹脂材料によって成形される樹脂成形品の収縮量を解析する樹脂成形品解析方法であって、
    前記樹脂成形品を複数の微小要素に分割するステップと、
    前記複数の微小要素の各々、もしくは、各前記微小要素の頂点を構成する複数の節点の各々において、前記樹脂成形品の厚み方向に沿って複数の仮想節点を設定するステップと、
    各前記微小要素もしくは各前記節点の前記複数の仮想節点の各々において、前記繊維の配向を解析することによって解析配向を取得するステップと、
    各前記微小要素もしくは各前記節点の前記複数の仮想節点の各々において、前記樹脂成形品の表層側から順に前記解析配向を補正する計算を行うことによって、前記収縮量を解析するための補正配向を算出するステップと、
    各前記微小要素もしくは各前記節点の前記複数の仮想節点の各々において算出された前記補正配向に基づいて、前記複数の微小要素もしくは前記複数の節点の各々の前記収縮量を解析するとともに、解析された前記複数の微小要素もしくは前記複数の節点の各々における前記収縮量に基づいて、前記樹脂成形品の前記収縮量を解析するステップと、を備え、
    前記補正配向を算出するステップは、各前記微小要素もしくは各前記節点の前記複数の仮想節点の各々において、自身よりも表層側の前記仮想節点における補正結果に基づいて前記解析配向を補正する計算を行うことによって、前記補正配向を算出するステップを含む、樹脂成形品解析方法。
  2. 前記解析配向を取得するステップは、前記複数の仮想節点のうちの一の前記仮想節点である対象仮想節点において、前記対象仮想節点における前記解析配向である対象解析配向を取得するステップを含み、
    前記補正配向を算出するステップは、
    前記複数の仮想節点のうちの前記対象仮想節点の表層側に隣接する隣接仮想節点において算出された前記補正配向である隣接補正配向に基づいて、前記対象解析配向を補正する計算を行うことによって、前記対象仮想節点における前記補正配向である対象補正配向を算出するステップと、
    前記対象補正配向を算出するステップを、前記複数の仮想節点の各々において、前記樹脂成形品の表層側から順に繰り返すステップとを含む、請求項1に記載の樹脂成形品解析方法。
  3. 前記対象補正配向を算出するステップは、前記隣接補正配向と前記隣接仮想節点における前記樹脂材料の弾性率とに基づいて、前記対象解析配向を補正する計算を行うことによって、前記対象補正配向を算出するステップを含む、請求項2に記載の樹脂成形品解析方法。
  4. 前記対象補正配向を算出するステップは、
    前記隣接仮想節点における前記樹脂材料の弾性率と、前記対象仮想節点と前記隣接仮想節点との間の温度差とに基づいて、補正係数を算出するステップと、
    前記隣接補正配向と前記補正係数とに基づいて、前記対象解析配向を補正する計算を行うステップとを含む、請求項3に記載の樹脂成形品解析方法。
  5. 前記対象解析配向を補正する計算を行うステップは、前記対象解析配向と、前記補正係数によって重み付けされた前記隣接補正配向との平均を計算することによって、前記対象解析配向を補正する計算を行うステップを含む、請求項4に記載の樹脂成形品解析方法。
  6. 前記収縮量を解析するステップは、各前記微小要素もしくは各前記節点の前記複数の仮想節点の各々において算出された前記補正配向の平均に基づいて、前記複数の微小要素もしくは前記複数の節点の各々の前記収縮量を解析するとともに、解析された前記複数の微小要素もしくは前記複数の節点の各々における前記収縮量に基づいて、前記樹脂成形品の前記収縮量を解析するステップを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂成形品解析方法。
  7. 前記複数の仮想節点を設定するステップは、前記複数の微小要素もしくは前記複数の節点の各々において、前記樹脂成形品の厚み方向に沿って偶数個の前記複数の仮想節点を設定するステップを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂成形品解析方法。
  8. 前記収縮量を解析するステップは、各前記微小要素もしくは各前記節点の前記複数の仮想節点の各々において算出された前記補正配向に基づいて、前記複数の微小要素もしくは前記複数の節点の各々において、前記樹脂材料の流動方向と、前記樹脂成形品の表面に沿う面内において前記流動方向と直交する直交方向との前記収縮量を解析するとともに、解析された前記複数の微小要素もしくは前記複数の節点の各々における前記流動方向と前記直交方向との前記収縮量に基づいて、前記樹脂成形品の前記流動方向と前記直交方向との前記収縮量を解析するステップを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂成形品解析方法。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載された樹脂成形品解析方法をコンピュータに実行させる、プログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムが記録され、前記コンピュータにより読み取り可能な、記録媒体。
  11. 繊維を含む樹脂材料によって成形される樹脂成形品の収縮量を解析する樹脂成形品解析装置であって、
    前記樹脂成形品を複数の微小要素に分割する微小要素分割部と、
    前記複数の微小要素の各々、もしくは、各前記微小要素の頂点を構成する複数の節点の各々において、前記樹脂成形品の厚み方向に沿って複数の仮想節点を設定する仮想節点設定部と、
    各前記微小要素もしくは各前記節点の前記複数の仮想節点の各々において、前記繊維の配向を解析することによって解析配向を取得する解析配向取得部と、
    各前記微小要素もしくは各前記節点の前記複数の仮想節点の各々において、前記樹脂成形品の表層側から順に前記解析配向を補正する計算を行うことによって、前記収縮量を解析するための補正配向を算出する補正配向算出部と、
    各前記微小要素もしくは各前記節点の前記複数の仮想節点の各々において算出された前記補正配向に基づいて、前記複数の微小要素もしくは前記複数の節点の各々の前記収縮量を解析するとともに、解析された前記複数の微小要素もしくは前記複数の節点の各々における前記収縮量に基づいて、前記樹脂成形品の前記収縮量を解析する収縮量解析部と、を備え、
    前記補正配向算出部は、各前記微小要素もしくは各前記節点の前記複数の仮想節点の各々において、自身よりも表層側の前記仮想節点における補正結果に基づいて前記解析配向を補正する計算を行うことによって、前記補正配向を算出するように構成されている、樹脂成形品解析装置。
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