JP2023104658A - 炭化珪素半導体装置 - Google Patents

炭化珪素半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023104658A
JP2023104658A JP2022005787A JP2022005787A JP2023104658A JP 2023104658 A JP2023104658 A JP 2023104658A JP 2022005787 A JP2022005787 A JP 2022005787A JP 2022005787 A JP2022005787 A JP 2022005787A JP 2023104658 A JP2023104658 A JP 2023104658A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
insulating film
silicon carbide
thickness
semiconductor device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022005787A
Other languages
English (en)
Inventor
雄 斎藤
Takeshi Saito
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2022005787A priority Critical patent/JP2023104658A/ja
Publication of JP2023104658A publication Critical patent/JP2023104658A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】電界強度の緩和とクラックの抑制とを両立できる炭化珪素半導体装置を提供する。【解決手段】炭化珪素半導体装置は、第1主面を有する炭化珪素基板と、前記第1主面の上に設けられた第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜の上に設けられ、前記第1絶縁膜よりも密度が高い第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜の上に設けられ、前記第2絶縁膜よりも比誘電率が小さい第3絶縁膜と、を有し、前記炭化珪素基板は、複数の半導体素子が形成される素子領域と、前記第1主面に垂直な方向から見たときに、前記素子領域の周囲に設けられた環状の1又は2以上の保護領域を含む終端領域と、を有し、前記保護領域は、終端接合拡張又はガードリングであり、前記第1主面に垂直な方向から見たときに、前記第3絶縁膜は、前記終端領域の上方において、前記保護領域の前記素子領域から離れる側の縁と重なる第1領域と、前記第1領域に隣接する第2領域と、を有し、前記第1領域の第1厚さは、前記第2領域の第2厚さよりも大きい。【選択図】図2

Description

本開示は、炭化珪素半導体装置に関する。
終端領域における電界強度の緩和のために炭化珪素基板の一方の主面の上に窒化珪素膜が形成された炭化珪素半導体装置が開示されている(例えば、特許文献1、2)。
国際公開第2011/027523号 特開2016-15482号公報
炭化珪素半導体装置がより高い電圧で使用されるようになると、より高い耐圧が要求される。窒化珪素膜を厚くすることで終端領域における電界強度を高めることができるが、窒化珪素膜を厚くすると窒化珪素膜等にクラックが生じやすくなる。
本開示は、電界強度の緩和とクラックの抑制とを両立できる炭化珪素半導体装置を提供することを目的とする。
本開示の炭化珪素半導体装置は、第1主面を有する炭化珪素基板と、前記第1主面の上に設けられた第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜の上に設けられ、前記第1絶縁膜よりも密度が高い第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜の上に設けられ、前記第2絶縁膜よりも比誘電率が小さい第3絶縁膜と、を有し、前記炭化珪素基板は、複数の半導体素子が形成される素子領域と、前記第1主面に垂直な方向から見たときに、前記素子領域の周囲に設けられた環状の1又は2以上の保護領域を含む終端領域と、を有し、前記保護領域は、終端接合拡張又はガードリングであり、前記第1主面に垂直な方向から見たときに、前記第3絶縁膜は、前記終端領域の上方において、前記保護領域の前記素子領域から離れる側の縁と重なる第1領域と、前記第1領域に隣接する第2領域と、を有し、前記第1領域の第1厚さは、前記第2領域の第2厚さよりも大きい。
本開示によれば、電界強度の緩和とクラックの抑制とを両立できる。
図1は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置を示す上面図である。 図2は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置を示す断面図である。 図3は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。 図4は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。 図5は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面図(その3)である。 図6は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面図(その4)である。 図7は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面図(その5)である。 図8は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面図(その6)である。 図9は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面図(その7)である。 図10は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面図(その8)である。 図11は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面図(その9)である。 図12は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面図(その10)である。 図13は、第2実施形態に係る炭化珪素半導体装置を示す断面図である。 図14は、第3実施形態に係る炭化珪素半導体装置を示す断面図である。
実施するための形態について、以下に説明する。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。本明細書及び図面中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また結晶学上の指数が負であることは、通常、"-"(バー)を数字の上に付すことによって表現されるが、本明細書中では数字の前に負の符号を付している。
〔1〕 本開示の一態様に係る炭化珪素半導体装置は、第1主面を有する炭化珪素基板と、前記第1主面の上に設けられた第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜の上に設けられ、前記第1絶縁膜よりも密度が高い第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜の上に設けられ、前記第2絶縁膜よりも比誘電率が小さい第3絶縁膜と、を有し、前記炭化珪素基板は、複数の半導体素子が形成される素子領域と、前記第1主面に垂直な方向から見たときに、前記素子領域の周囲に設けられた環状の1又は2以上の保護領域を含む終端領域と、を有し、前記保護領域は、終端接合拡張又はガードリングであり、前記第1主面に垂直な方向から見たときに、前記第3絶縁膜は、前記終端領域の上方において、前記保護領域の前記素子領域から離れる側の縁と重なる第1領域と、前記第1領域に隣接する第2領域と、を有し、前記第1領域の第1厚さは、前記第2領域の第2厚さよりも大きい。
第2絶縁膜の密度が第1絶縁膜の密度よりも高く、第3絶縁膜の比誘電率が第2絶縁膜の比誘電率よりも低い。また、第3絶縁膜が第1領域及び第2領域を有し、第1主面に垂直な方向から見たときに、第1領域は保護領域の素子領域から離れる側の縁と重なり、第1領域の第1厚さが第2領域の第2厚さよりも大きい。このため、第3絶縁膜の表面における電界強度を緩和しながら、クラックを抑制できる。
〔2〕 〔1〕において、前記第1絶縁膜は、珪素及び酸素を含み、前記第2絶縁膜は、窒化珪素膜であり、前記第3絶縁膜は、ポリイミド膜であってもよい。この場合、第1絶縁膜、第2絶縁膜及び第3絶縁膜を形成しやすく、良好なパッシベーション性能を得やすい。
〔3〕 〔1〕又は〔2〕において、前記第1厚さは、前記第2厚さの1.5倍以上であってもよい。この場合、電界強度の緩和とクラックの抑制とを両立しやすい。
〔4〕 〔1〕~〔3〕において、前記第2絶縁膜の厚さは、0.1μm以上1.0μm以下であってもよい。第2絶縁膜が薄すぎる場合、電界強度を緩和しにくくなるおそれがあり、第2絶縁膜が厚すぎる場合、クラックを抑制しにくくなるおそれがある。
〔5〕 〔1〕~〔4〕において、前記第1厚さは、6.0μm以上20.0μm以下であってもよい。第1厚さが小さすぎる場合、電界強度を緩和しにくくなるおそれがあり、第1厚さが大きすぎる場合、クラックを抑制しにくくなるおそれがある。
〔6〕 〔1〕~〔5〕において、前記第2厚さは、3.0μm以上10.0μm以下であってもよい。第2厚さが小さすぎる場合、電界強度を緩和しにくくなるおそれがあり、第2厚さが大きすぎる場合、クラックを抑制しにくくなるおそれがある。
〔7〕 〔1〕~〔6〕において、前記第3絶縁膜の前記素子領域の上方での厚さは、3.0μm以上10.0μm以下であってもよい。素子領域の上方においても、第3厚さが小さすぎる場合、電界強度を緩和しにくくなるおそれがあり、第3厚さが大きすぎる場合、クラックを抑制しにくくなるおそれがある。
〔8〕 〔1〕~〔7〕において、前記第1領域は、前記保護領域の前記縁毎に設けられていてもよい。この場合、電界強度の緩和とクラックの抑制とを両立しやすい。
〔9〕 〔1〕~〔7〕において、2以上の前記保護領域の前記縁にわたって設けられた前記第1領域を有してもよい。保護領域の幅が狭い場合等では、2以上の保護領域の縁にわたって第1領域が設けられていても、電界強度の緩和とクラックの抑制とを両立できる。
[本開示の実施形態]
以下、本開示の実施形態について詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。本明細書及び図面において、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。X1-X2方向及びY1-Y2方向を含む面をXY面と記載し、Y1-Y2方向及びZ1-Z2方向を含む面をYZ面と記載し、Z1-Z2方向及びX1-X2方向を含む面をZX面と記載する。なお、便宜上、Z1-Z2方向を上下方向とし、Z1側を上側、Z2側を下側とする。また、平面視とは、Z1側から対象物を視ることをいい、平面形状とは、対象物をZ1側から視た形状のことをいう。
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。第1実施形態は、いわゆる縦型のMOSFET(炭化珪素半導体装置)に関する。図1は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置を示す上面図である。図2は、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置を示す断面図である。図2は、図1中のII-II線に沿った断面図に相当する。
図1~図4に示されるように、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置100は、炭化珪素基板10と、ゲート絶縁膜81と、ゲート電極82と、ソース電極60と、ドレイン電極70と、層間絶縁膜83と、バリアメタル膜84と、第1パッシベーション膜32と、第2パッシベーション膜33とを主に有する。
炭化珪素基板10は、炭化珪素単結晶基板50と、炭化珪素単結晶基板50上にある炭化珪素エピタキシャル層40とを含む。炭化珪素基板10は、第1主面1と、第1主面1とは反対側の第2主面2とを有する。炭化珪素エピタキシャル層40は第1主面1を構成し、炭化珪素単結晶基板50は第2主面2を構成する。炭化珪素単結晶基板50及び炭化珪素エピタキシャル層40は、例えばポリタイプ4Hの六方晶炭化珪素から構成されている。炭化珪素単結晶基板50は、例えば窒素(N)等のn型不純物を含み、n型の導電型(第1導電型)を有する。炭化珪素基板10に半導体素子が形成されている。
第1主面1は、{0001}面又は{0001}面がオフ方向に8°以下のオフ角だけ傾斜した面である。好ましくは、第1主面1は、(000-1)面又は(000-1)面がオフ方向に8°以下のオフ角だけ傾斜した面である。オフ方向は、例えば<11-20>方向であってもよいし、<1-100>方向であってもよい。オフ角は、例えば1°以上であってもよいし、2°以上であってもよい。オフ角は、6°以下であってもよいし、4°以下であってもよい。
MOSFET100は、第1主面1に垂直な方向から平面視したときに、素子領域6と、素子領域6の周囲に設けられた終端領域7とを有する。
炭化珪素エピタキシャル層40は、ドリフト領域11と、ボディ領域12と、ソース領域13と、第1コンタクト領域14と、第2コンタクト領域15と、シールド領域16と、第1埋込接合終端拡張(junction termination extension:JTE)領域21と、第2JTE領域22とを主に有する。ボディ領域12、ソース領域13、第1コンタクト領域14、第2コンタクト領域15及びシールド領域16は素子領域6内に設けられている。第1JTE領域21及び第2JTE領域22は終端領域7に設けられている。ドリフト領域11は素子領域6及び終端領域7にわたって設けられている。
ドリフト領域11は炭化珪素単結晶基板50上に設けられている。ドリフト領域11は炭化珪素単結晶基板50よりも第1主面1側にある。ドリフト領域11は炭化珪素単結晶基板50に連なっていてもよい。ドリフト領域11は、例えば窒素又はリン(P)等のn型不純物を含み、n型の導電型を有する。ドリフト領域11が第1主面1側の面の近傍に電流拡散領域を含んでいてもよい。
ボディ領域12はドリフト領域11上に設けられている。ボディ領域12は、例えばアルミニウム(Al)等のp型不純物を含み、p型の導電型(第2導電型)を有する。ボディ領域12はドリフト領域11よりも第1主面1側にある。ドリフト領域11はボディ領域12よりも第2主面2側にある。ボディ領域12はドリフト領域11に接している。
ソース領域13はボディ領域12上に設けられている。ソース領域13はボディ領域12によってドリフト領域11から隔てられている。ソース領域13は、例えば窒素又はリン等のn型不純物を含み、n型の導電型を有する。ソース領域13はボディ領域12よりも第1主面1側にある。ボディ領域12はソース領域13よりも第2主面2側にある。ソース領域13はボディ領域12に接している。ソース領域13は第1主面1を構成する。ソース領域13はゲート絶縁膜81に覆われている。ソース領域13はゲート絶縁膜81に直接接している。
第1コンタクト領域14は、ソース領域13を貫通し、ボディ領域12に接する。第1コンタクト領域14は第1主面1を構成する。第1コンタクト領域14は、例えばアルミニウム等のp型不純物を含み、p型の導電型を有する。第1コンタクト領域14のp型不純物の実効濃度は、例えばボディ領域12のp型不純物の実効濃度よりも高い。
シールド領域16は素子領域6の終端領域7の近傍でドリフト領域11上に設けられている。例えば、第1主面1に垂直な方向から平面視したときに、シールド領域16は環状の平面形状を有する。シールド領域16は、例えばアルミニウム等のp型不純物を含み、p型の導電型を有する。シールド領域16におけるp型不純物の実効濃度は、例えば1.0×1018cm-3~4.0×1018cm-3程度である。シールド領域16はドリフト領域11よりも第1主面1側にある。ドリフト領域11はシールド領域16よりも第2主面2側にある。シールド領域16はドリフト領域11に接している。シールド領域16の一部が第1主面1を構成してもよい。
第2コンタクト領域15はシールド領域16上に設けられている。第2コンタクト領域15は第1主面1を構成する。第2コンタクト領域15の終端領域7側の縁がシールド領域16の終端領域7側の縁よりも内側にあってもよい。第2コンタクト領域15は、例えばアルミニウム等のp型不純物を含み、p型の導電型を有する。第2コンタクト領域15のp型不純物の実効濃度は、例えばシールド領域16のp型不純物の実効濃度よりも高い。第2コンタクト領域15のp型不純物の実効濃度が第1コンタクト領域14のp型不純物の実効濃度と同程度であってもよい。第2コンタクト領域15におけるp型不純物の実効濃度は、例えば1.0×1019cm-3~4.0×1019cm-3程度である。
第1JTE領域21は第1主面1に平行な方向でシールド領域16に接している。例えば、第1主面1に垂直な方向から平面視したときに、第1JTE領域21は環状の平面形状を有する。第1JTE領域21は、例えばアルミニウム等のp型不純物を含み、p型の導電型を有する。第1JTE領域21のp型不純物の実効濃度は、例えばシールド領域16のp型不純物の実効濃度よりも低い。第1JTE領域21におけるp型不純物の実効濃度は、例えば6.0×1017cm-3~9.0×1017cm-3程度である。第1JTE領域21は第1主面1を構成する。第1JTE領域21は保護領域の一例である。
第2JTE領域22は第1主面1に平行な方向で第1JTE領域21に接している。例えば、第1主面1に垂直な方向から平面視したときに、第2JTE領域22は環状の平面形状を有する。第1JTE領域21がシールド領域16と第2JTE領域22との間にある。第2JTE領域22の下端面は、例えば第1JTE領域21の下端面よりも第1主面1側にある。第2JTE領域22の下端面が、第1JTE領域21の下端面と面一であってもよい。第2JTE領域22は、例えばアルミニウム等のp型不純物を含み、p型の導電型を有する。第2JTE領域22のp型不純物の実効濃度は、第1JTE領域21のp型不純物の実効濃度よりも低い。第2JTE領域22におけるp型不純物の実効濃度は、例えば1.0×1017cm-3~4.0×1017cm-3程度である。第2JTE領域22は第1主面1を構成する。第2JTE領域22は保護領域の他の一例である。
第1主面1には、側面3と底面4とにより規定されるゲートトレンチ5が設けられている。側面3は、ソース領域13、ボディ領域12及びドリフト領域11の一部を貫通する。底面4は、側面3と連なる。側面3に、ソース領域13、ボディ領域12及びドリフト領域11が接している。底面4は、ドリフト領域11に位置する。底面4は、例えば第2主面2と平行な平面である。底面4を含む平面に対する側面3の角度θ1は、例えば45°以上65°以下である。角度θ1は、例えば50°以上であってもよい。角度θ1は、例えば60°以下であってもよい。側面3は、好ましくは、{0-33-8}面を有する。{0-33-8}面は、優れた移動度が得られる結晶面である。
ゲート絶縁膜81は、例えば酸化膜である。ゲート絶縁膜81は、例えば二酸化珪素を含む材料により構成されている。ゲート絶縁膜81は、側面3及び底面4に接する。ゲート絶縁膜81は、底面4においてドリフト領域11と接する。ゲート絶縁膜81は、側面3においてソース領域13、ボディ領域12及びドリフト領域11の各々と接している。ゲート絶縁膜81は、第1主面1においてソース領域13、第1コンタクト領域14、第2コンタクト領域15、シールド領域16、第1JTE領域21及び第2JTE領域22と接している。
ゲート電極82は、ゲート絶縁膜81上に設けられている。ゲート電極82は、例えば導電性不純物を含むポリシリコン(ポリSi)から構成されている。ゲート電極82は、ゲートトレンチ5の内部に配置されている。ゲート電極82の一部は、第1主面1上に配置されていてもよい。
層間絶縁膜83は、ゲート電極82及びゲート絶縁膜81に接して設けられている。層間絶縁膜83は、例えば酸化膜である。層間絶縁膜83は、例えば二酸化珪素を含む材料から構成されている。層間絶縁膜83は、ゲート電極82とソース電極60とを電気的に絶縁している。層間絶縁膜83の一部は、ゲートトレンチ5の内部に設けられていてもよい。
層間絶縁膜83及びゲート絶縁膜81には、コンタクトホール86が形成されている。コンタクトホール86を通じて、ソース領域13、第1コンタクト領域14及び第2コンタクト領域15が層間絶縁膜83及びゲート絶縁膜81から露出している。ゲート絶縁膜81及び層間絶縁膜83から絶縁膜31が構成されている。絶縁膜31は第1絶縁膜の一例である。
バリアメタル膜84は、層間絶縁膜83の上面及び側面と、ゲート絶縁膜81の側面とを覆う。バリアメタル膜84は、層間絶縁膜83及びゲート絶縁膜81の各々と接している。バリアメタル膜84は、例えば窒化チタン(TiN)を含む材料から構成されている。
ソース電極60は、第1主面1に接する。ソース電極60は、コンタクト電極61と、ソースパッド電極62とを有する。コンタクト電極61は、第1主面1において、ソース領域13、第1コンタクト領域14及び第2コンタクト領域15に接していてもよい。コンタクト電極61は、例えばニッケルシリサイド(NiSi)を含む材料から構成されている。コンタクト電極61が、チタンと、アルミニウムと、シリコンとを含む材料から構成されていてもよい。コンタクト電極61は、ソース領域13、第1コンタクト領域14及び第2コンタクト領域15とオーミック接合している。ソースパッド電極62は、バリアメタル膜84の上面及び側面と、コンタクト電極61の上面とを覆う。ソースパッド電極62は、バリアメタル膜84及びコンタクト電極61の各々と接している。ソースパッド電極62は、例えばアルミニウムを含む材料から構成されている。
第1パッシベーション膜32はソースパッド電極62及び層間絶縁膜83を覆う。第1パッシベーション膜32はソースパッド電極62及び層間絶縁膜83上に設けられている。第1パッシベーション膜32はソースパッド電極62及び層間絶縁膜83と接している。第1パッシベーション膜32の密度が絶縁膜31の密度よりも高い。第1パッシベーション膜32は、例えば窒化珪素を含む材料から構成されている。第1パッシベーション膜32が窒化珪素膜であってもよい。第1パッシベーション膜32には、ソースパッド電極62の上面の一部を露出する第1開口部34が形成されている。第1パッシベーション膜32は第2絶縁膜の一例である。
第2パッシベーション膜33は、第1パッシベーション膜32を覆う。第2パッシベーション膜33は第1パッシベーション膜32上に設けられている。第2パッシベーション膜33は第1パッシベーション膜32と接している。第2パッシベーション膜33の比誘電率は第1パッシベーション膜32の比誘電率よりも低い。第2パッシベーション膜33は、例えばポリイミドを含む材料から構成されている。第2パッシベーション膜33がポリイミド膜であってもよい。第2パッシベーション膜33には、ソースパッド電極62の上面の一部を露出する第2開口部35が形成されている。第2開口部35は第1開口部34につながる。第2パッシベーション膜33は第3絶縁膜の一例である。
第2パッシベーション膜33は、凸状領域36Aと、凸状領域36Bと、凹状領域37Aと、凹状領域37Bと、凹状領域37Cとを有する。平面視で、凸状領域36A、凸状領域36B、凹状領域37A、凹状領域37B及び凹状領域37Cは環状に設けられている。平面視で、凸状領域36Aは第1JTE領域21の素子領域6から離れる側の縁21Eと重なり、凸状領域36Bは第2JTE領域22の素子領域6から離れる側の縁22Eと重なる。
平面視で、凸状領域36Aは凸状領域36Bの素子領域6側にある。また、平面視で、凹状領域37Aは凸状領域36Aの素子領域6側にあり、凹状領域37Bは凸状領域36Aと凸状領域36Bとの間にあり、凹状領域37Cは凸状領域36Bの素子領域6から離れる側にある。平面視で、凸状領域36Aは凹状領域37Aと凹状領域37Bとの間にあり、凸状領域36Bは凹状領域37Bと凹状領域37Cとの間にある。凸状領域36Aは凹状領域37Aに隣接し、凹状領域37Bは凸状領域36Aに隣接し、凸状領域36Bは凹状領域37Bに隣接し、凹状領域37Cは凸状領域36Bに隣接する。凸状領域36A及び凸状領域36Bは第1領域の一例である。凹状領域37A、凹状領域37B及び凹状領域37Cは第2領域の一例である。
凸状領域36A及び凸状領域36Bの第1厚さT1は、凹状領域37A、凹状領域37B及び凹状領域37Cの第2厚さT2よりも大きい。第1厚さT1は、例えば第2厚さT2の1.5倍以上である。例えば、第1厚さT1は6.0μm~20.0μm程度であり、第2厚さT2は3.0μm~10.0μm程度である。
凸状領域36Aの、直近の素子領域6と終端領域7との境界に垂直な方向の寸法(幅)は、例えば5.0μm~10.0μm程度である。平面視で、第1JTE領域21の縁21Eは凸状領域36Aの幅方向の中心と重なることが好ましく、第2JTE領域22の縁22Eは凸状領域36Bの幅方向の中心と重なることが好ましい。
ドレイン電極70は、第2主面2に接する。ドレイン電極70は、第2主面2において炭化珪素単結晶基板50と接している。ドレイン電極70は、ドリフト領域11と電気的に接続されている。ドレイン電極70は、例えばニッケルシリサイドを含む材料から構成されている。ドレイン電極70がチタンと、アルミニウムと、シリコンとを含む材料から構成されていてもよい。ドレイン電極70は、炭化珪素単結晶基板50とオーミック接合している。
炭化珪素単結晶基板50とドリフト領域11との間に、例えば窒素等のn型不純物を含み、n型の導電型を有するバッファ層が設けられていてもよい。
次に、第1実施形態に係る炭化珪素半導体装置(MOSFET100)の製造方法について説明する。図3~図12は、第1実施形態に係るMOSFET100の製造方法を示す断面図である。図3~図12は、図2と同様に、図1中のII-II線に沿った断面図に相当する。
まず、図3に示されるように、炭化珪素単結晶基板50が準備される。例えば昇華法によって製造された炭化珪素インゴット(図示せず)がスライスされることにより、炭化珪素単結晶基板50が準備される。炭化珪素単結晶基板50上にバッファ層(図示せず)が形成されてもよい。バッファ層は、例えば原料ガスとしてシラン(SiH)とプロパン(C)との混合ガスを用い、キャリアガスとして例えば水素(H)を用いた化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法により形成することができる。バッファ層のエピタキシャル成長の際に、例えば窒素等のn型不純物がバッファ層に導入されてもよい。
次に、同じく図3に示されるように、ドリフト領域11としてエピタキシャル層が形成される。例えば原料ガスとしてシランとプロパンとの混合ガスを用い、キャリアガスとして例えば水素を用いたCVD法により、炭化珪素単結晶基板50上にドリフト領域11が形成される。エピタキシャル成長の際、例えば窒素等のn型不純物がドリフト領域11に導入される。ドリフト領域11は、n型の導電型を有する。
次に、図4に示されるように、ボディ領域12、ソース領域13、第1コンタクト領域14、第2コンタクト領域15、シールド領域16、第1JTE領域21及び第2JTE領域22が形成される。例えば、これら領域は、形成しようとする領域上に開口部を有するマスク層(図示せず)を用いたn型不純物又はp型不純物のイオン注入により形成される。
次に、炭化珪素基板10に注入された不純物イオンを活性化するために活性化アニールが実施される。活性化アニールの温度は、好ましくは1500℃以上1900℃以下であり、例えば1700℃程度である。活性化アニールの時間は、例えば30分程度である。活性化アニールの雰囲気は、好ましくは不活性ガス雰囲気であり、例えばアルゴン(Ar)雰囲気である。
次に、図5に示されるように、ゲートトレンチ5が形成される。例えば、第1主面1上に、ゲートトレンチ5が形成される位置上に開口を有するマスク層(図示せず)が形成される。マスク層を用いて、ソース領域13の一部と、ボディ領域12の一部と、ドリフト領域11の一部とがエッチングにより除去される。エッチングの方法としては、例えば反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)、特に誘導結合プラズマ反応性イオンエッチングを用いることができる。具体的には、例えば反応ガスとして六フッ化硫黄(SF)又はSFと酸素(O)との混合ガスを用いた誘導結合プラズマ反応性イオンエッチングを用いることができる。エッチングにより、ゲートトレンチ5が形成されるべき領域に、第1主面1に対してほぼ垂直な側部と、側部と連続的に設けられ、かつ第1主面1とほぼ平行な底部とを有する凹部(図示せず)が形成される。
次に、凹部において熱エッチングが行われる。熱エッチングは、第1主面1上にマスク層が形成された状態で、例えば、少なくとも1種類以上のハロゲン原子を有する反応性ガスを含む雰囲気中での加熱によって行い得る。少なくとも1種類以上のハロゲン原子は、塩素(Cl)原子及びフッ素(F)原子の少なくともいずれかを含む。当該雰囲気は、例えば、塩素(Cl)、三塩化ホウ素(BCl)、SF又は四フッ化炭素(CF)を含む。例えば、塩素ガスと酸素ガスとの混合ガスを反応ガスとして用い、熱処理温度を、例えば800℃以上900℃以下として、熱エッチングが行われる。なお、反応ガスは、上述した塩素ガスと酸素ガスとに加えて、キャリアガスを含んでいてもよい。キャリアガスとしては、例えば窒素ガス、アルゴンガス又はヘリウムガス等を用いることができる。
上記熱エッチングにより、炭化珪素基板10の第1主面1にゲートトレンチ5が形成される。ゲートトレンチ5は、側面3と、底面4とにより規定される。側面3は、ソース領域13と、ボディ領域12と、ドリフト領域11とにより構成される。底面4は、ドリフト領域11により構成される。側面3と、底面4を含む平面との間の角度θ1は、例えば45°以上65°以下である。次に、マスク層が第1主面1から除去される。
次に、図6に示されるように、ゲート絶縁膜81が形成される。ゲート絶縁膜81の厚さは、例えば50nm以上70nm以下である。例えば炭化珪素基板10を熱酸化することにより、ソース領域13、ボディ領域12、ドリフト領域11、第1コンタクト領域14、第2コンタクト領域15、シールド領域16、第1JTE領域21及び第2JTE領域22に接するゲート絶縁膜81が形成される。具体的には、炭化珪素基板10が、酸素を含む雰囲気中において、例えば1300℃以上1400℃以下の温度で加熱される。これにより、第1主面1と、側面3及び底面4に接するゲート絶縁膜81が形成される。なお、ゲート絶縁膜81が熱酸化により形成された場合、厳密には、炭化珪素基板10の一部がゲート絶縁膜81に取り込まれる。このため、以降の処理では、熱酸化後のゲート絶縁膜81と炭化珪素基板10との間の界面に第1主面1、側面3及び底面4が若干移動したものとする。
次に、一酸化窒素(NO)ガス雰囲気中において炭化珪素基板10に対して熱処理(NOアニール)が行われてもよい。NOアニールにおいて、炭化珪素基板10が、例えば1100℃以上1400℃以下の条件下で1時間程度保持される。これにより、ゲート絶縁膜81とボディ領域12との界面領域に窒素原子が導入される。その結果、界面領域における界面準位の形成が抑制されることで、チャネル移動度を向上させることができる。
NOアニール後、雰囲気ガスとしてアルゴン(Ar)を用いるArアニールが行われてもよい。Arアニールの加熱温度は、例えば上記NOアニールの加熱温度以上である。Arアニールの時間は、例えば1時間程度である。これにより、ゲート絶縁膜81とボディ領域12との界面領域における界面準位の形成がさらに抑制される。なお、雰囲気ガスとして、Arガスに代えて窒素ガス等の他の不活性ガスが用いられてもよい。
次に、図7に示されるように、ゲート電極82が形成される。ゲート電極82は、ゲート絶縁膜81上に形成される。ゲート電極82は、例えば減圧CVD(Low Pressure - Chemical Vapor Deposition:LP-CVD)法により形成される。ゲート電極82は、ソース領域13と、ボディ領域12と、ドリフト領域11との各々に対面するように形成される。
次に、図8に示されるように、層間絶縁膜83が形成される。層間絶縁膜83の厚さは、例えば300nm以上1000nm以下である。具体的には、ゲート電極82を覆い、かつゲート絶縁膜81と接するように層間絶縁膜83が形成される。層間絶縁膜83は、例えば、CVD法により形成される。層間絶縁膜83は、例えば二酸化珪素を含む材料から構成される。層間絶縁膜83の一部は、ゲートトレンチ5の内部に形成されてもよい。このようにして、ゲート絶縁膜81と層間絶縁膜83とを有する絶縁膜31が形成される。
次に、同じく図8に示されるように、層間絶縁膜83及びゲート絶縁膜81にコンタクトホール86が形成される。コンタクトホール86にソース領域13、第1コンタクト領域14及び第2コンタクト領域15が層間絶縁膜83及びゲート絶縁膜81から露出する。
次に、図9に示されるように、バリアメタル膜84、コンタクト電極61及びソースパッド電極62が形成される。例えば、層間絶縁膜83の上面及び側面と、ゲート絶縁膜81の側面とを覆うバリアメタル膜84が形成される。バリアメタル膜84は、例えば窒化チタンを含む材料から構成される。バリアメタル膜84は、例えばスパッタリング法による成膜及びRIEより形成される。
コンタクト電極61の形成では、まず、第1主面1において第1コンタクト領域14又は第2コンタクト領域15に接するコンタクト電極61用の金属膜(図示せず)が形成される。コンタクト電極61用の金属膜は、例えばスパッタリング法により形成される。コンタクト電極61用の金属膜は、例えばニッケルを含む材料から構成される。次に、合金化アニールが実施される。コンタクト電極61用の金属膜が、例えば900℃以上1100℃以下の温度で5分程度保持される。これにより、コンタクト電極61用の金属膜の少なくとも一部が、炭化珪素基板10が含む珪素と反応してシリサイド化し、第1コンタクト領域14又は第2コンタクト領域15とオーミック接合するコンタクト電極61が形成される。コンタクト電極61の厚さは、例えば10nm以上100nm以下である。
ソースパッド電極62の形成では、まず、ソースパッド電極62用の金属膜(図示せず)が形成される。具体的には、コンタクト電極61及びバリアメタル膜84を覆うように、ソースパッド電極62用の金属膜が形成される。ソースパッド電極62用の金属膜の厚さは、例えばフィールド絶縁膜88の厚さは、例えば3000nm以上5000nm以下である。ソースパッド電極62用の金属膜は、例えばスパッタリング法により形成される。ソースパッド電極62用の金属膜は、例えばアルミニウムを含む材料から構成される。次に、ソースパッド電極62用の金属膜上に、ソースパッド電極62が形成される領域を覆うマスク層(図示せず)が形成される。マスク層を用いて、ソースパッド電極62用の金属膜の一部がエッチングにより除去される。エッチングの方法としては、例えばRIEを用いることができる。このようにして、コンタクト電極61とソースパッド電極62とを有するソース電極60が形成される。次に、マスク層がソースパッド電極62から除去される。
次に、図10に示されるように、第1パッシベーション膜32が形成される。第1パッシベーション膜32の厚さは、例えば100nm以上800nm以下である。具体的には、ソースパッド電極62を覆う第1パッシベーション膜32が形成される。第1パッシベーション膜32は、例えば窒化珪素を含む材料から構成される。次に、第1パッシベーション膜32に第1開口部34が形成される。
次に、図11に示されるように、第2パッシベーション膜33の一部となる絶縁膜33Xが形成される。絶縁膜33Xは第1パッシベーション膜32の上に形成される。絶縁膜33Xは、平面視で、第1JTE領域21の縁21Eと重なる領域と、第2JTE領域22の縁22Eと重なる領域とに形成される。つまり、絶縁膜33Xは、凸状領域36Aが形成される領域と、凸状領域36Bが形成される領域とに形成される。絶縁膜33Xは、形成しようとする凸状領域36A及び凸状領域36Bの第1厚さT1の半分程度の厚さを有する。例えば、絶縁膜33Xの厚さは3.0μm~10.0μm程度とする。絶縁膜33Xは、例えばポリイミドを含む材料から構成される。絶縁膜33Xは、例えば感光性材料の塗布、現像及び露光を通じて形成される。
次に、図12に示されるように、絶縁膜33Xを一部に含む第2パッシベーション膜33が第1パッシベーション膜32の上に形成される。第2パッシベーション膜33は、絶縁膜33Xが形成されていた領域に凸状領域36A及び凸状領域36Bを含む。また、第2パッシベーション膜33は、凸状領域36Aの素子領域6側に凹状領域37Aを含み、凸状領域36Aと凸状領域36Bとの間に凹状領域37Bを含み、凸状領域36Bの素子領域6から離れる側に凹状領域37Cを含む。例えば、凸状領域36A及び凸状領域36Bの第1厚さT1は6.0μm~20.0μm程度とし、凹状領域37A、凹状領域37B及び凹状領域37Cの第2厚さT2は3.0μm~10.0μm程度とする。第2パッシベーション膜33は、例えばポリイミドを含む材料から構成される。第2パッシベーション膜33は、例えば感光性材料の塗布、現像及び露光を通じて形成される。第2パッシベーション膜33には、第1開口部34につながる第2開口部35が形成される。
次に、同じく図12に示されるように、ドレイン電極70が形成される。例えば、第2主面2において炭化珪素単結晶基板50に接するドレイン電極70用の金属膜(図示せず)が形成される。ドレイン電極70用の金属膜は、例えばスパッタリング法により形成される。ドレイン電極70用の金属膜は、例えばニッケルを含む材料から構成される。次に、合金化アニールが実施される。ドレイン電極70用の金属膜が、例えば900℃以上1100℃以下の温度で5分程度保持される。これにより、ドレイン電極70用の金属膜の少なくとも一部が、炭化珪素基板10が含む珪素と反応してシリサイド化し、炭化珪素単結晶基板50とオーミック接合するドレイン電極70とが形成される。コンタクト電極61用の金属膜の形成とソースパッド電極62用の金属膜62Aの形成との間の合金化アニールを省略し、ドレイン電極70用の金属膜の形成後のアニールでコンタクト電極61用の金属膜をシリサイド化してもよい。
このようにして、実施形態に係るMOSFET100が完成する。
次に、本実施形態に係るMOSFETの作用効果について説明する。
本実施形態に係るMOSFET100では、第1パッシベーション膜32の密度が絶縁膜31の密度よりも高い。このため、外部からの水分の侵入等を抑制できる。また、第2パッシベーション膜33の比誘電率が第1パッシベーション膜32の比誘電率よりも低い。このため、第2パッシベーション膜33の表面における電界強度を緩和し、金属イオンの付着による特性の変動等を抑制しやすい。なお、ポリイミドの比誘電率は3.0~3.5程度であり、窒化珪素の比誘電率は7.3~10.0程度である。
更に、第2パッシベーション膜33が凸状領域36A及び凸状領域36Bを有する。このため、電界が強くなりやすい縁21E及び縁22Eの上方での第2パッシベーション膜33の表面における電界強度を緩和できる。また、第2パッシベーション膜33の全体が厚い場合には、動作時の熱応力等により第2パッシベーション膜33等にクラックが生じやすくなるおそれがあるが、第2パッシベーション膜33が凹状領域37A、凹状領域37B及び凹状領域37Cを有するため、クラックを抑制できる。
このように、第1実施形態によれば、電界強度の緩和とクラックの抑制とを両立できる。特に、凸状領域36A及び凸状領域36Bが縁21E及び縁22E毎に設けられているため、電界強度の緩和とクラックの抑制とを両立しやすい。
なお、絶縁膜31、第1パッシベーション膜32及び第2パッシベーション膜33の材料は特に限定されないが、絶縁膜31が珪素及び酸素を含み、第1パッシベーション膜32が窒化珪素膜であり、第2パッシベーション膜33がポリイミド膜であることが好ましい。成膜しやすく、良好なパッシベーション性能が得られるためである。絶縁膜31の材料は、例えば二酸化珪素、酸窒化珪素等である。絶縁膜31にリンがドーピングされていてもよく、絶縁膜31にリン及び硼素がドーピングされていてもよい。
第1厚さT1は第2厚さT2の、好ましくは1.5倍以上であり、より好ましくは1.7倍以上であり、更に好ましくは2.0倍以上である。この倍率が低い場合、電界強度の緩和とクラックの抑制とを両立しにくくなるおそれがあるためである。なお、凸状領域36A及び凸状領域36Bの表面が平坦でない場合、凸状領域36A及び凸状領域36Bの第1厚さT1とは、それぞれ最も厚い部分における厚さである。また、凹状領域37A、凹状領域37B及び凹状領域37Cの表面が平坦でない場合、凹状領域37A、凹状領域37B及び凹状領域37Cの第2厚さT2とは、それぞれ最も薄い部分の厚さである。
第1厚さT1は、好ましくは6.0μm以上20.0μm以下であり、より好ましくは8.0μm以上18.0μm以下であり、更に好ましくは10.0μm以上16.0μm以下である。凸状領域36A及び凸状領域36Bが薄すぎる場合、電界強度を緩和しにくくなるおそれがあり、凸状領域36A及び凸状領域36Bが厚すぎる場合、クラックを抑制しにくくなるおそれがあるためである。
第2厚さT2は、好ましくは3.0μm以上10.0μm以下であり、より好ましくは4.0μm以上9.0μm以下であり、更に好ましくは5.0μm以上18.0μm以下である。凹状領域37A、凹状領域37B及び凹状領域37Cが薄すぎる場合、電界強度を緩和しにくくなるおそれがあり、凹状領域37A、凹状領域37B及び凹状領域37Cが厚すぎる場合、クラックを抑制しにくくなるおそれがあるためである。
第2パッシベーション膜33の素子領域6の上方での厚さT3は、好ましくは3.0μm以上10.0μm以下であり、より好ましくは4.0μm以上9.0μm以下であり、更に好ましくは5.0μm以上18.0μm以下である。厚さT3が凹状領域37A、凹状領域37B及び凹状領域37Cの厚さと同程度であると第2パッシベーション膜33を成膜しやすいためである。また、素子領域6の上方においても、第2パッシベーション膜33が薄すぎる場合、電界強度を緩和しにくくなるおそれがあり、第2パッシベーション膜33が厚すぎる場合、クラックを抑制しにくくなるおそれがある。
第1パッシベーション膜32の厚さは、好ましくは0.1μm以上1.0μm以下であり、より好ましくは0.2μm以上0.9μm以下であり、更に好ましくは0.3μm以上0.8μm以下である。第1パッシベーション膜32が薄すぎる場合、電界強度を緩和しにくくなるおそれがあり、第1パッシベーション膜32が厚すぎる場合、クラックを抑制しにくくなるおそれがあるためである。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、主として、第2パッシベーション膜33の構成の点で第1実施形態と相違する。図13は、第2実施形態に係る炭化珪素半導体装置を示す断面図である。図13は、図2と同様に、図1中のII-II線に沿った断面図に相当する。
図13に示されるように、第2実施形態に係る炭化珪素半導体装置200では、第2パッシベーション膜33が、凸状領域36A、凸状領域36B及び凹状領域37Bに代えて凸状領域36Cを有する。平面視で、凸状領域36Cは第1JTE領域21の縁21E及び第2JTE領域22の縁22Eと重なる。つまり、凸状領域36Cが第1JTE領域21の縁21E及び第2JTE領域22の縁22Eにわたって設けられている。平面視で、凸状領域36Cは第2JTE領域22の全体と重なる。
他の構成は第1実施形態と同様である。
第2実施形態によっても、第1実施形態と同様に、電界強度の緩和とクラックの抑制とを両立できる。第2実施形態は、特に縁21Eと縁22Eとの間の距離が小さい場合に有効である。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第3実施形態は、主として、保護領域及び第2パッシベーション膜33の構成の点で第1実施形態と相違する。図14は、第3実施形態に係る炭化珪素半導体装置を示す断面図である。図14は、図2と同様に、図1中のII-II線に沿った断面図に相当する。
図14に示されるように、第3実施形態に係る炭化珪素半導体装置300では、第2JTE領域22に代えて、第1ガードリング(guard ring:GR)領域23と、第2GR領域24と、第3GR領域25とが設けられている。第1GR領域23、第2GR領域24及び第3GR領域25は終端領域7に設けられている。例えば、第1主面1に垂直な方向から平面視したときに、第1GR領域23、第2GR領域24及び第3GR領域25は環状の平面形状を有する。平面視で、第2GR領域24は第3GR領域25の素子領域6側にあり、第1GR領域23は第2GR領域24の素子領域6側にある。第1GR領域23、第2GR領域24及び第3GR領域25は互いに離れている。
第1GR領域23は第1主面1に平行な方向で第1JTE領域21に接している。第1JTE領域21がシールド領域16と第1GR領域23との間にある。第1GR領域23、第2GR領域24及び第3GR領域25の下端面は、例えば第1JTE領域21の下端面よりも第1主面1側にある。第1GR領域23、第2GR領域24及び第3GR領域25は、例えばアルミニウム等のp型不純物を含み、p型の導電型を有する。第1GR領域23、第2GR領域24及び第3GR領域25のp型不純物の実効濃度は、第1JTE領域21のp型不純物の実効濃度よりも低い。第1GR領域23、第2GR領域24及び第3GR領域25におけるp型不純物の実効濃度は、例えば5×1016cm-3~1×1018cm-3程度である。第1GR領域23、第2GR領域24及び第3GR領域25のp型不純物の実効濃度は互いに等しくてもよい。第1GR領域23、第2GR領域24及び第3GR領域25は第1主面1を構成する。第1GR領域23、第2GR領域24及び第3GR領域25は保護領域の他の一例である。
また、第2パッシベーション膜33が、凸状領域36A、凸状領域36B及び凹状領域37Bに代えて凸状領域36Dを有する。平面視で、凸状領域36Dは、第1JTE領域21の縁21Eと、第1GR領域23の素子領域6から離れる側の縁23Eと、第2GR領域24の素子領域6から離れる側の縁24Eと、第3GR領域25の素子領域6から離れる側の縁25Eと重なる。つまり、凸状領域36Dが第1JTE領域21の縁21E、第1GR領域23の縁23E、第2GR領域24の縁24E及び第3GR領域25の縁25Eにわたって設けられている。平面視で、第1GR領域23、第2GR領域24及び第3GR領域25の全体と重なる。
他の構成は第1実施形態と同様である。
第3実施形態によっても、第1実施形態と同様に、電界強度の緩和とクラックの抑制とを両立できる。第3実施形態は、特に縁21Eと縁23Eとの間の距離、縁23Eと縁24Eとの間の距離、及び縁24Eと縁25Eとの間の距離が小さい場合に有効である。
なお、第3実施形態において、縁21E、縁23E、縁24E及び縁25Eごとに凸状領域が設けられていてもよい。
各実施形態において、終端領域にJTE領域が設けられているが、JTE領域が設けられずにGR領域が設けられていてもよい。また、JTE領域及びGR領域の数は特に限定されない。
以上、実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
1 第1主面
2 第2主面
3 側面
4 底面
5 ゲートトレンチ
6 素子領域
7 終端領域
10 炭化珪素基板
11 ドリフト領域
12 ボディ領域
13 ソース領域
14 第1コンタクト領域
15 第2コンタクト領域
16 シールド領域
21 第1JTE領域
21E、22E、23E、24E、25E 縁
22 第2JTE領域
23 第1GR領域
24 第2GR領域
25 第3GR領域
31 絶縁膜
32 第1パッシベーション膜
33 第2パッシベーション膜
33X 絶縁膜
34 第1開口部
35 第2開口部
36A、36B、36C、36D 凸状領域
37A、37B、37C 凹状領域
40 炭化珪素エピタキシャル層
50 炭化珪素単結晶基板
60 ソース電極
61 コンタクト電極
62 ソースパッド電極
62A 金属膜
70 ドレイン電極
81 ゲート絶縁膜
82 ゲート電極
83 層間絶縁膜
84 バリアメタル膜
86 コンタクトホール
88 フィールド絶縁膜
100、200、300 MOSFET(炭化珪素半導体装置)

Claims (9)

  1. 第1主面を有する炭化珪素基板と、
    前記第1主面の上に設けられた第1絶縁膜と、
    前記第1絶縁膜の上に設けられ、前記第1絶縁膜よりも密度が高い第2絶縁膜と、
    前記第2絶縁膜の上に設けられ、前記第2絶縁膜よりも比誘電率が小さい第3絶縁膜と、
    を有し、
    前記炭化珪素基板は、
    複数の半導体素子が形成される素子領域と、
    前記第1主面に垂直な方向から見たときに、前記素子領域の周囲に設けられた環状の1又は2以上の保護領域を含む終端領域と、
    を有し、
    前記保護領域は、終端接合拡張又はガードリングであり、
    前記第1主面に垂直な方向から見たときに、前記第3絶縁膜は、前記終端領域の上方において、
    前記保護領域の前記素子領域から離れる側の縁と重なる第1領域と、
    前記第1領域に隣接する第2領域と、
    を有し、
    前記第1領域の第1厚さは、前記第2領域の第2厚さよりも大きい炭化珪素半導体装置。
  2. 前記第1絶縁膜は、珪素及び酸素を含み、
    前記第2絶縁膜は、窒化珪素膜であり、
    前記第3絶縁膜は、ポリイミド膜である請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
  3. 前記第1厚さは、前記第2厚さの1.5倍以上である請求項1又は請求項2に記載の炭化珪素半導体装置。
  4. 前記第2絶縁膜の厚さは、0.1μm以上1.0μm以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
  5. 前記第1厚さは、6.0μm以上20.0μm以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
  6. 前記第2厚さは、3.0μm以上10.0μm以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
  7. 前記第3絶縁膜の前記素子領域の上方での厚さは、3.0μm以上10.0μm以下である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
  8. 前記第1領域は、前記保護領域の前記縁毎に設けられている請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
  9. 2以上の前記保護領域の前記縁にわたって設けられた前記第1領域を有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
JP2022005787A 2022-01-18 2022-01-18 炭化珪素半導体装置 Pending JP2023104658A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022005787A JP2023104658A (ja) 2022-01-18 2022-01-18 炭化珪素半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022005787A JP2023104658A (ja) 2022-01-18 2022-01-18 炭化珪素半導体装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023104658A true JP2023104658A (ja) 2023-07-28

Family

ID=87379662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022005787A Pending JP2023104658A (ja) 2022-01-18 2022-01-18 炭化珪素半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023104658A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5994604B2 (ja) 炭化珪素半導体装置およびその製造方法
US9691891B2 (en) Wide band gap semiconductor device
JP6277623B2 (ja) ワイドバンドギャップ半導体装置
JP7156314B2 (ja) 炭化珪素半導体装置
WO2018088063A1 (ja) 炭化珪素半導体装置
WO2015012009A1 (ja) 炭化珪素半導体装置およびその製造方法
JP2015076592A (ja) 炭化珪素半導体装置およびその製造方法
JP2019057629A (ja) 炭化珪素半導体装置
JP2014232838A (ja) 炭化珪素半導体装置
JP2014127660A (ja) 炭化珪素ダイオード、炭化珪素トランジスタおよび炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2023104658A (ja) 炭化珪素半導体装置
JP7395972B2 (ja) 炭化珪素半導体装置
JP7156313B2 (ja) 炭化珪素半導体装置
WO2023026803A1 (ja) 炭化珪素半導体装置及び炭化珪素半導体装置の製造方法
CN114503283A (zh) 碳化硅半导体装置
WO2023167147A1 (ja) 炭化珪素半導体装置
WO2023100500A1 (ja) 炭化珪素半導体装置
WO2023058377A1 (ja) 炭化珪素半導体装置
WO2022102262A1 (ja) 炭化珪素半導体装置
US20230395664A1 (en) Silicon carbide semiconductor device
WO2020166326A1 (ja) 炭化珪素半導体チップおよび炭化珪素半導体装置
US20220359666A1 (en) Silicon carbide semiconductor device
WO2022131084A1 (ja) 炭化珪素半導体装置
JP2023031664A (ja) 炭化珪素半導体装置
JP2022146601A (ja) 炭化珪素半導体装置及び炭化珪素半導体装置の製造方法