JP2023103567A - 密封装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】密封装置が接触する面に加工目が残っていても、密封装置が与えるトルク抵抗の変動の発生を抑制する。【解決手段】密封装置1は、補強環10と、弾性体部20とを備えている。弾性体部20は、サイドリップ21と、中間リップ22と、グリースリップ23とを有している。サイドリップ21にはグリースGが塗布される。サイドリップ21は、サイドリップ21を厚さ方向に貫通する貫通孔24を少なくとも1つ有している。サイドリップ21の貫通孔24は、使用状態におけるサイドリップ21の変形によっても貫通孔24の貫通が維持される位置に設けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、ハブベアリングの密封装置に関する。
車両、例えば自動車において、車輪を回転自在に支持するハブベアリングは、雨水、泥水及びダスト等の異物に直接曝される環境にある。このため、従来から、ハブベアリングには、軸線について相対回転可能な外輪とハブとの間に形成された空間の密封を図るために密封装置が取り付けられている。この密封装置は、ハブベアリングの内部の潤滑剤の密封を図ると共に内部に異物が進入することの防止を図っている。また、このような密封装置には、低燃費化の要求等から、密封装置のシールリップがハブベアリングに加える摺動抵抗(トルク抵抗)の低減が求められるようになっている。このため、従来の密封装置には、シールリップとハブベアリングのハブの外周面との夫々の接触面の間にグリースが塗布されて、トルク抵抗の低減を図っているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
一方、ハブベアリングのハブの外周面は加工により形成されており、このため、ハブの外周面には加工の仕上痕(加工目)が残る場合がある。ハブベアリングによっては、この加工目が一定の方向性を有しており、つまり、螺旋状や直線状等の回転軸線周りや回転軸線に沿って延びる溝状の痕が複数形成されて成る加工目がハブベアリングの外周面に形成されている場合がある。ハブの外周面にこのような加工目が形成されている場合、加工目の方向性や面粗度の度合いによっては、ハブベアリングの回転時に加工目に基づくポンプ作用が発生し、接触面間のグリースが互いに隣接するシールリップにより形成される密閉空間の外側に排出されてしまうことがある。また、ポンプ作用が発生した場合、この互いに隣接するシールリップにより形成される密閉空間内の空気が外側に排出されてしまうことがある。グリースや空気が密閉空間の外側に排出されると、密閉空間内の圧力が大気の圧力よりも低くなって負圧になり、シールリップとハブの外周面との間の接触幅(締め代)が大きくなり、または、接触幅が増減し、シールリップがハブに与えるトルク抵抗が増加、または、増減する。これにより、ハブベアリングの回転トルクに乱れが生じ、車両の走行安定性が低下する場合がある。
このため、従来のハブベアリングには、上述のような車両の走行安定性の低下につながるような加工目をハブの外周面に残さないように加工がなされているが、このような加工をなくし、ハブベアリングの製造コストを低減する要望がある。このように、従来のハブベアリングの密封装置には、シールリップが接触するハブの外周面に加工目が残っていても、シールリップがハブに与えるトルク抵抗の変動の発生を防止することができる構成が求められている。
本発明の課題は、密封装置が接触する面に加工目が残っていても、密封装置が与えるトルク抵抗の変動の発生を抑制することができる密封装置を提供することにある。
本発明に係る密封装置は、ハブベアリングに用いられる密封装置であって、軸線周りに環状の補強環と、前記補強環に取り付けられ、前記軸線周りに環状の弾性体から形成された弾性体部とを備え、前記弾性体部は、前記軸線方向において一方の側に向かって延びるサイドリップと、前記サイドリップよりも内周側において前記一方の側に向かって延びる中間リップと、グリースリップとを有しており、前記サイドリップにはグリースが塗布され、前記サイドリップは、前記サイドリップを厚さ方向に貫通する貫通孔を少なくとも1つ有しており、前記サイドリップの貫通孔は、使用状態における前記サイドリップの変形によっても前記貫通孔の前記貫通が維持される位置に設けられていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記貫通孔は、前記グリースが塗布される前記サイドリップの位置と重ならない位置に設けられている。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記貫通孔は、前記グリースによって前記貫通孔が塞がれる位置に設けられていない。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記貫通孔は、前記サイドリップ内に前記ハブベアリングのハブが通される前に、前記グリースによって前記貫通孔が塞がれる位置に設けられていない。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記貫通孔は、前記弾性体部が外周側において前記ハブベアリングの外輪に取り付けられた際に、前記グリースによって前記貫通孔が塞がれる位置に設けられていない。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記貫通孔は、気体を通し、異物を通し難くなっている。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記貫通孔は、前記サイドリップの根元に設けられている。
本発明に係る密封装置によれば、密封装置が接触する面に加工目が残っていても、密封装置が与えるトルク抵抗の変動の発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る密封装置1の軸線xに沿う断面における断面図であり、図2は、密封装置1の平面図である。本発明に係る密封装置は、ハブベアリングに用いられる密封装置である。また、本発明に係る密封装置は、相対回転可能な外周側部材とこの外周側部材に少なくとも部分的に包囲された内周側部材との間の空間の密封を図るために用いることもできる。本願発明の実施の形態に係る密封装置1は、後述するように、ハブベアリング50に用いられ、軸線について相対回転可能な外周側部材としての外輪51と内周側部材としてのハブ52との間の空間を密封するために用いられる(図5参照)。
以下、説明の便宜上、軸線x方向において矢印a(図1参照)方向の側(軸線方向において一方の側)を外側とし、軸線x方向において矢印b(図1参照)方向の側(軸線方向において他方の側)を内側とする。より具体的には、外側とは、軸線x方向において、密封対象空間である外輪51とハブ52との間の空間から離れる方向の側であり、内側とは、軸線x方向において、この密封対象空間に近づく方向の側である。また、軸線xに垂直な方向(以下、「径方向」ともいう。)において、軸線xから離れる方向(図1の矢印c方向)の側を外周側とし、軸線xに近づく方向(図1の矢印d方向)の側を内周側とする。なお、軸線xは仮想の線である。
密封装置1は、図1,2に示すように、軸線x周りに環状の補強環10と、補強環10に取り付けられ、軸線x周りに環状の弾性体から形成された弾性体部20とを備えている。弾性体部20は、サイドリップ21と、中間リップ22と、グリースリップ23とを有している。サイドリップ21は、後述する密封装置1がハブベアリング50に取り付けられた使用状態において、ハブ52に内側(矢印b方向側)から接触するように形成された外側(矢印a方向側)に向かって延びるシールリップである。中間リップ22は、使用状態においてハブ52に内側から接触するように形成された、サイドリップ21よりも内周側において外側に向かって延びるシールリップである。グリースリップ23は、使用状態においてハブ52に外周側から接触するように形成されたシールリップである。サイドリップ21にはグリースGが塗布される。サイドリップ21は、サイドリップ21を厚さ方向に貫通する貫通孔24を少なくとも1つ有している。サイドリップ21の貫通孔24は、使用状態におけるサイドリップ21の変形によっても貫通孔24の貫通が維持される位置に設けられている。以下、密封装置1について具体的に説明する。
補強環10は、例えば図1に示すように、軸線xを中心軸又は略中心軸とする環状の金属製の部材であり、後述するハブベアリング50の外輪51の貫通孔に圧入されて嵌合されるように形成されており、補強環10が外輪51に圧入されることにより、密封装置1は、外輪51に固定される。補強環10は、例えば、図1に示すように、筒状の嵌合部11と、嵌合部11の内側の端部から内周側に曲がって外側に延びる位置調整部12と、嵌合部11の外側の端部から外周側に延びる円盤状のフランジ部13とを有している。
嵌合部11は、例えば、軸線xを中心軸又は略中心軸とする円筒状又は略円筒状の部分であり、外周側の周面である外周面11aにおいて、後述するように、外輪51の外側開口部に圧入されてその内周面に嵌合されるように形成されている。位置調整部12は、サイドリップ21、中間リップ22、及びグリースリップ23が密封装置1において所望の位置に配置されるような形状となっている。位置調整部12は、例えば図1に示すように、戻り部12aと、接続フランジ部12bと、戻り部12cと、リップフランジ部12dとを有している。戻り部12aは、例えば、嵌合部11の内側の端から曲がって外側に戻る略円錐筒状又は略円筒状の部分を有する部分である。接続フランジ部12bは、例えば、戻り部12aの外側の端から内周側に延びる中空の円盤状又は略円盤状の部分である。戻り部12cは、例えば、接続フランジ部12bの内周側の端から内側及び内周側に向かって斜めに延びる円錐筒状又は略円錐筒状の部分である。リップフランジ部12dは、例えば、戻り部12cの内周側の端から内周側に延びる中空の円盤状又は略円盤状の部分である。フランジ部13は、例えば図1に示すように、軸線xを中心又は略中心とする径方向に広がる中空の円盤状又は略中空円盤状の部分である。補強環10は、金属板からプレス加工や鍛造によって一体の部材として形成されており、嵌合部11、位置調整部12、及びフランジ部13は、同一の材料から一体に形成された補強環10の各部分であり、一体的に連続している。補強環10の金属材としては、例えば、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)がある。
弾性体部20は、上述のように補強環10に取り付けられており、例えば図1に示すように、補強環10を外側から覆うように補強環10と一体的に形成されている。弾性体部20は、例えば基体部25を有しており、中間リップ22及びグリースリップ23は、基体部25の内周側の端部から夫々延びている。また、サイドリップ21は、例えば、中間リップ22よりも外周側において、中間リップ22から径方向に離間されて、基体部25から延びている。基体部25は、補強環10のフランジ部13、嵌合部11、及び位置調整部12に亘って、補強環10の外側の表面に広がっている弾性体部20の部分であり、弾性体部20は、基体部25において、補強環10に一体的に取り付けられている。
図3は、密封装置1のサイドリップ21、中間リップ22、及びグリースリップ23の近傍を拡大して示す部分拡大断面図である。サイドリップ21は、図1,3に示すように、軸線xを中心軸又は略中心軸として環状に基体部25から外側に向かって延びており、後述する密封装置1の使用状態において、先端部が所定の締め代を持ってハブ52に接触するように形成されている。サイドリップ21は、例えば、軸線x方向において外側に向かうに連れて拡径する円錐筒状又は略円錐筒状の形状を有している。
中間リップ22は、図1,3に示すように、軸線xを中心軸又は略中心軸として環状に基体部25から外側に向かって延びており、後述する密封装置1の使用状態において、先端部が所定の締め代を持ってハブ52に接触するように形成されている。中間リップ22は、例えば、軸線x方向において外側に向かうに連れて拡径する円錐筒状又は略円錐筒状の形状を有している。中間リップ22はサイドリップ21と平行に外側に向かって延びていてもよく、図1に示すように、サイドリップ21よりも軸線xに対する傾きが緩くなっていてもよい。またその逆であってもよい。グリースリップ23は、例えば図1,3に示すように、軸線xを中心軸又は略中心軸として環状に基体部25から内側及び内周側に向かって延びている。グリースリップ23は、後述する密封装置1の使用状態において、先端部が所定の締め代を持ってハブ52に外周側から接触するように形成されている。
また、弾性体部20には、外周環突起26が形成されている。外周環突起26は、サイドリップ21よりも外周側に設けられた外側に突出する軸線x周りに環状の突起であり、後述する使用状態において、外側の先端である外側端26aにおいてハブ52との間に環状の隙間を形成するように形成されている。外周環突起26は、例えば、基体部25の外周側の端部から外側及び外周側に向かって斜めに突出しており、軸線xを中心軸又は略中心軸とする円錐筒状又は略円錐筒状に延びている。
また、弾性体部20は、例えば図1に示すように、外周環突起26よりも外周側に、外周側に向かって突出する環状の部分である堰部27を有している。堰部27は、後述するように、密封装置1が外輪51に取り付けられた状態において、外輪51の外側端面よりも外周側に突出するように形成されている。堰部27は、例えば図1に示すように、補強環10のフランジ部13の外周側の端部を覆うように形成されている。また、弾性体部20は、例えば図1に示すように、補強環10のフランジ部13の内側の表面を少なくとも部分的に覆うガスケット部28を有している。ガスケット部28は、軸線x周りに環状に広がっており、堰部27の内周側の端に続いている。
弾性体部20は、補強環10に一体的に取り付けられており、上述のサイドリップ21、中間リップ22、グリースリップ23、基体部25、外周環突起26、堰部27、及びガスケット部28は、同一材料から一体に形成された弾性体部20の各部分であり、一体的に連続している。弾性体部20の弾性体としては、例えば、各種ゴム材がある。各種ゴム材は、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H-NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムである。
図3に示すように、サイドリップ21、中間リップ22、及びグリースリップ23の夫々の内周側に面する面である内周側面21a,22a,23aには、潤滑剤としてのグリースGが塗布されている。サイドリップ21、中間リップ22、及びグリースリップ23の夫々の内周側面21a,22a,23aには、例えば図3に示すように、グリースGが塗布されている。
上述のように、サイドリップ21には、サイドリップ21を厚さ方向に貫通する貫通孔24が少なくとも1つ設けられている。本実施の形態に係る密封装置1においては、複数の貫通孔24が設けられているものとする。なお、サイドリップ21の厚さ方向とは、図3に示すように、サイドリップ21の内周側面21aと外周側面21bとの間を貫通する方向である。なお、外周側面21bとは、サイドリップ21の外周側に面する面である。サイドリップ21において、複数の貫通孔24は、例えば図1,2に示すように、周方向に等角度間隔又は略等角度間隔に設けられている。また、複数の貫通孔24は、例えば図1,2に示すように、軸線xを中心とする円上に並ぶように設けられている。複数の貫通孔24は、周方向に等角度間隔に設けられていなくてもよく、また、軸線xを中心とする円上に並ぶように設けられていなくてもよい。複数の貫通孔24は、例えば、軸線xを中心とする円に沿ってジグザグに並ぶように設けられていてもよい。
各貫通孔24は、密封装置1の使用状態においてサイドリップ21がハブ52に接触して変形しても、貫通孔24の貫通が維持されるようなサイドリップ21の位置に設けられている。つまり、密封装置1の使用状態においてサイドリップ21がハブ52に接触して撓むと、貫通孔24の延び方向に直交する断面の形状も変化し得る。このように、貫通孔24の断面形状が変化しても、貫通孔24の各断面における面積が維持され、貫通孔24が閉塞されることがないようなサイドリップ21の位置に貫通孔24は設けられている。
また、各貫通孔24は、グリースGが塗布されるサイドリップ21の位置と重ならない位置に設けられている。例えば、上述した図3に示すサイドリップ21の内周側面21aのグリースGが塗布された部分ではない位置に、各貫通孔24は設けられている。これにより、サイドリップ21に塗布されたグリースGによって各貫通孔24が閉塞されることの防止が図られている。サイドリップ21の内周表面21aには、例えば密封装置1の製造工程において、グリースGが塗布される。具体的には例えば、納品先への出荷前に、グリースGは密封装置1に塗布され、その後、密封装置1は納品先へ出荷される。密封装置1においてサイドリップ21に塗布されたグリースGは、時間の経過に伴って移動し、グリースGの塗布位置は、経年変化することが考えられる。このため、グリースGの位置が経年変化しても、移動したグリースGによって貫通孔24が閉塞されないようなサイドリップ21の位置に貫通孔24が設けられていることが好ましい。従って、各貫通孔24は、グリースGによって貫通孔24が塞がれるような位置に設けられていないことが好ましい。
また、各貫通孔24は、弾性体部20内に、つまり各シールリップ21,22,23の先端が囲む空間内にハブ52が通される前に、塗布位置が経時変化したグリースGによって貫通孔24が塞がれる位置に設けられていないことが好ましい。ハブ52が弾性体部20内に通されると、サイドリップ21とハブ52との夫々の接触面の間にグリースGは挟まれて保持されるため、ハブ52が密封装置1に取り付けられた後は、グリースGの塗布位置の経時変化によって貫通孔24が閉塞される可能性は減る。このため、グリースGの塗布位置の経時変化を考慮した場合、上述のように、ハブ52が弾性体部20内に通される前に、塗布位置が経時変化したグリースGによって貫通孔24が塞がれる位置に各貫通孔24は設けられていないことが好ましい。
密封装置1のハブベアリング50への組み付けは、密封装置1の補強環10をハブベアリング50の外輪51に圧入して密封装置1を外輪51に取り付けた後に、ハブ52を弾性体部20内に挿入して行われる。このため、例えば、補強環10が外周側において外輪51に取り付けられる時に、時間の経過に伴って移動したグリースGが貫通孔24を塞ぐことがないような位置に、貫通孔24は設けられている。また、例えば、外輪51に取り付けられた密封装置1の弾性体部20内にハブ52を挿入する時に、時間の経過に伴って移動したグリースGが貫通孔24を塞ぐことがないような位置に、貫通孔24は設けられている。また、例えば、外輪51に密封装置1を取り付けた後、弾性体部20内にハブ52を挿入する前の間のいずれかの時に、時間の経過に伴って移動したグリースGが貫通孔24を塞ぐことがないような位置に、貫通孔24は設けられている。グリースGの塗布位置の経時変化については、例えば、グリースGの塗布位置の経時変化を観察してまとめた統計データ等によって予測することができる。
密封装置1の使用状態において、サイドリップ21は撓むが、サイドリップ21が基体部25に接続するサイドリップ21の端(接続端21c)の近傍の部分である根本部21dは、サイドリップ21が撓んでも大きく変形しない部分若しくは変形しない部分である。また、図3に示されたサイドリップ21におけるグリースGの塗布位置は、サイドリップ24の先端24e側に位置しており、サイドリップ21において根本部21dは、グリースGの塗布位置から最も離れた位置である。このため、本実施の形態に係る密封装置1においては、サイドリップ21の根本部21dに貫通孔24は設けられている。これにより、サイドリップ21の変形によって貫通孔24は変形し難く、サイドリップ21の変形によって貫通孔24が閉塞することが抑制されている。また、時間の経過に伴って移動するグリースGによって貫通孔24が塞がれることが抑制されている。なお、根本部21dは、サイドリップ21が撓んでも根本部21dに形成された貫通孔24が閉塞するまで変形しないような位置である。
なお、図4に示すように、サイドリップ21の根本部21dは、根本部21dに続くサイドリップ21の部分よりも厚さが厚くなっていてもよい。例えば図4に示すように、根本部21dにおいて、内周側面21aが内周側に突出する環状の環突起21fを形成していてもよい。また、環突起21fは、内周側面21aに形成されておらず外周側面21bに形成されていてもよく、また、内周側面21a及び外周側面21bの両方に形成されていてもよい。この場合、根本部21dの剛性を高くすることができ、使用状態においてサイドリップ21が撓んでも根本部21dは変形せず若しくは大きく変形せず、貫通孔24の変形を抑制することができ、貫通孔24が閉塞されることをより確実に抑制することができる。また、内周側面21aに環突起21fが設けられている場合、環突起21fによって、上述のグリースGの塗布位置の経時変化によって貫通孔24がグリースGにより閉塞されることを防止することができる。
貫通孔24は、気体を通し、雨水、泥水及びダスト等の、液体、固体、及び液体と固体が混じったものである異物を通し難くなっている。具体的には、貫通孔24の断面の大きさは、気体を通し、液体や固体及びそれらの混じったものである異物を通し難い大きさとなっている。貫通孔24の断面形状は、例えば円形であり、断面の大きさは、例えば直径1.5mm以下である。なお、貫通孔24の断面の形状は円形に限られない。貫通孔24の断面の形状は、サイドリップ21が撓んでも断面形状が変化し難い形状に、または、断面が閉塞され難い形状にしてもよい。例えば、貫通孔24の断面形状を、サイドリップ21の延び方向(軸線x方向)の幅が長く且つ周方向の幅が短い、細長い形状としてもよい。このような断面形状としては、例えば、楕円形(長円形)、長方形、ひし形、台形、二等辺三角形、星形、細長い多角形等、種々の形状がある。
また、使用状態において、サイドリップ21は、内周側に凸に撓む。このため、使用状態において、サイドリップ21の外周側面21bは圧縮され、サイドリップ21の内周側面21aは膨張する。このため、サイドリップ21が撓んでも貫通孔24が閉塞し難くするために、貫通孔24の外周側面21b側の断面積が貫通孔24の内周側面21a側の断面積よりも大きくなるような貫通孔24としてもよい。例えば、図3示す断面において、貫通孔24が内周側から外周側に向かって拡径していくような形状の貫通孔24であってもよい。また、貫通孔24は、サイドリップ21が撓んでも閉塞し難くい又は変形し難い他の形状であってもよい。また、サイドリップ21は、直線に沿って延びていなくてもよく、曲線に沿って延びていてもよい。また、サイドリップ21は、径方向に延びていなくてもよく、径方向に対して斜めに延びていてもよい。
なお、複数の貫通孔24は、互いに同じ又は同様の形状や大きさであってもよく、互いに異なる大きさや形状であってもよい。また、複数の貫通孔24の一部が、互いに同じ又は同様の形状や大きさであってもよい。複数の貫通孔24は、互いに同じ形状や大きさでなくてもよい。
次いで、上述の構成を有する密封装置1の作用について説明する。図5は、ハブベアリング50に取り付けられた密封装置1の使用状態を示すための軸線xに沿う断面におけるハブベアリング50の断面図であり、図6は、図5における密封装置1の近傍の部分拡大断面図である。図5に示すように、ハブベアリング50は従来公知のハブベアリングであり、自動車等の車両等に設けられ、アクスル又は懸架装置において車輪を回転自在に支持する。ハブベアリング50は、具体的には、図5に示すように、外周側部材としての軸線xを中心軸又は略中心軸とする環状の外輪51と、外輪51に対して相対回転可能であり外輪51に部分的に包囲された軸線xを中心軸又は略中心軸とする内周側部材としてのハブ52と、外輪51とハブ52との間に配設された複数のベアリングボール53とを備えている。車両等に取り付けられたハブベアリング50の使用状態において、外輪51は固定され、ハブ52が外輪51に対して相対回動可能になる。ハブ52は、具体的には、内輪54とハブ輪55とを有しており、ハブ輪55は、軸線xに沿って延びる筒状又は略円筒状の軸部55aと、車輪取付フランジ55bとを有している。車輪取付フランジ55bは、軸部55aの外側の一端から外周側に向かって円盤状に広がる部分であり、図示しない車輪が複数本のハブボルトによって取り付けられる部分である。軸部55aと車輪取付フランジ55bとは、内周側において滑らかに繋がっており、軸部55aと車輪取付フランジ55bとが内周側において繋がっている部分である移行部55cは、軸線xに沿う断面において円弧状の又は弧状の滑らかな曲線を描く輪郭を有している。内輪54は、外輪51と内輪54との間の空間内にベアリングボール53を保持するために、ハブ輪55の軸部55aの内側の端部に嵌合されている。外輪51とハブ52との間の空間内において、ベアリングボール53は保持器56によって保持されている。
外輪51は、軸線x方向に延びる貫通孔57を有しており、この貫通孔57には、ハブ52のハブ輪55の軸部55aが挿入されており、軸部55aと貫通孔57との間に軸線xに沿って延びる環状の空間が形成されている。この空間内には、上述のようにベアリングボール53が収容されて保持器56によって保持されており、また、潤滑剤が塗布又は注入されている。軸部55aと貫通孔57との間の空間が外側において開放された開口を形成する外輪51の外側開口部51aには、密封装置1が取り付けられ、軸部55aと貫通孔57との間の空間が内側において開放された開口を形成する外輪51の内側開口部51bには、他の密封装置58が取り付けられている。密封装置1,58によって、軸部55a及び内輪54と貫通孔57との間の空間の密封が図られており、内部の潤滑剤が外部に漏れ出ることの防止が図られており、外部から雨水や泥水、ダスト等の異物が内部に侵入することの防止が図られている。密封装置58は、従来公知の密封装置であり、詳細な説明は省略する。なお、密封装置58として、密封装置1を適用することもできる。密封装置1が適用されるハブベアリングの構成は、上述のハブベアリング50の構成に限られない。
図5,6に示すように、密封装置1は、外輪51の外側開口部51aに取り付けられている。具体的には、密封装置1は、補強環10の嵌合部11が外輪51の外側開口部51a内に圧入されて嵌着されることにより、外輪51に固定されている。補強環10の嵌合部11の外周面11aは、外輪51の外側開口部51aの内周面51cに接触しており、補強環10と外輪51との間の密封が図られている。また、使用状態において、図5,6に示すように、補強環10は、そのフランジ部13が、内側に広がる弾性体部20のガスケット部28を外側開口部51aの外側に面する環状の面を形成する外側端面51dに押し付けるように、外輪51に取り付けられている。これにより、外側端面51dとフランジ部13との間において、ガスケット部28は圧縮されて、外輪51と密封装置1と間の密封性の向上が図られている。また、弾性体部20の堰部27によっても、異物の進入の防止が図られている。
使用状態において、サイドリップ21は、その先端部が上述の所定の締め代に対応する部分(接触幅)においてハブ輪55の表面、例えば、車輪取付フランジ55bの内側に面する面(内側面55d)にハブ輪55が摺動可能に接触している。また、中間リップ22は、その先端部が上述の所定の締め代に対応する部分(接触幅)においてハブ輪55の表面、例えば、移行部55cにハブ輪55が摺動可能に接触している。また、グリースリップ23は、その先端部が上述の所定の締め代に対応する部分(接触幅)においてハブ輪55の表面、例えば、軸部55aの外周側の面である外周面55eにハブ輪55が摺動可能に接触している。サイドリップ21及び中間リップ22によって、貫通孔57内への異物の進入の防止が図られており、グリースリップ23によって、貫通孔57内からの潤滑剤の流出の防止が図られている。また、外周環突起26の外側端26aは、軸線x方向において微小な隙間を空けてハブ輪55の車輪取付フランジ55bの内側面55dに対向しており、ラビリンスシールを形成している。
上述のように、密封装置1は、使用状態において、サイドリップ21が所定の締め代でハブ輪55の車輪取付フランジ55bの内側面55dに接触し、中間リップ22が所定の締め代で車輪取付フランジ55bの移行部55cに接触し、また、グリースリップ23が所定の締め代でハブ輪55の軸部55aの外周面55eに接触して、密封装置1は、外輪51とハブ52との間の空間の密封を図っている。また、上述のように、密封装置1において、サイドリップ21の内周側面21a、中間リップ22の内周側面22a、及びグリースリップ23の内周側面23aには夫々グリースGが塗布されている。このため、使用状態において、図6に示すように、サイドリップ21と車輪取付フランジ55bの内側面55dとの夫々の接触面の間にはグリースGが介在している。同様に、中間リップ22と車輪取付フランジ55bの移行部55cとの夫々の接触面の間にはグリースGが介在し、また、グリースリップ23と軸部55aの外周面55eとの夫々の接触面の間にはグリースGが介在している。
サイドリップ21が接触するハブ輪55の車輪取付フランジ55bの内側面55dにハブベアリング50の製造の際の加工によって形成された加工目が残っている場合がある。この加工目が例えば一定の方向性を有している溝を形成していると、また、この加工面の面粗度の度合いによって、ハブ52の回転時にこの加工目に基づいてポンプ作用が発生することがある。このポンプ作用によって、サイドリップ21と、ハブ輪55の車輪取付フランジ55bと、中間リップ22と、基体部25とによって囲まれた空間S内のグリースG及び空気が、サイドリップ21の外周側の空間(大気側)に吐き出されると、空間S内の圧力が空間S外の大気の圧力より低下して負圧となることが考えらえる。
しかしながら、密封装置1のサイドリップ21の根元部21dには、上述したように、貫通孔24が形成されており、空間Sは、貫通孔24を介して大気側に連通している。従って、上述のようなポンプ作用が発生しても、空間Sは貫通孔24を介して大気側に連通しているので、空間S内が負圧となることが抑制される。このため、負圧によって、サイドリップ21と車輪取付フランジ55bの内側面55dとの間の接触幅が大きくなり、または、接触幅が増減し、サイドリップ21がハブ52に与えるトルク抵抗が増加、または、増減すことが抑制される。これにより、ハブベアリング50の回転トルクに乱れが生じ、車両の走行安定性が低下することが抑制される。
また、上述したように、サイドリップ21の各貫通孔24は、気体を通し、液体、固体、及び液体と固体とが混じったもの(異物)を通し難い大きさの断面を有している。このため、雨水、泥水等の異物は、貫通孔24を介して空間S内に進入し難くなっている。また、ダスト等の異物であっても、粒径の大きい異物が貫通孔24を介して空間S内に進入し難くなっている。また、たとえ異物が貫通孔24を介して空間S内に進入してきたとしても、中間リップ22によって、異物が更に貫通孔57側に進入することが防止されている。例えば、粒径の大きな粒子が含まれる泥水は、貫通孔24を通過できず、サイドリップ21によって空間S内への進入が防止され、粒径の小さな粒子が含まれる泥水は、貫通孔24を通って空間S内へ進入する場合があるが、貫通孔24を通って空間S内に進入した泥水は、中間リップ22によって内部への更なる進入が防止される。このように、密封装置1においては、貫通孔24によって空間Sを大気側に連通させつつも、密封装置1のシール性能の低下の抑制がなされている。
また、上述したように、貫通孔24は、使用状態においてサイドリップ21が撓んでも、貫通孔24が変形して閉塞しないような位置に設けられている。具体的には、本例においては、貫通孔24は、サイドリップ21が撓んでも変形が少ない又は変形がないサイドリップ21の部分である根元部21dに設けられている。このため、使用状態においても、貫通孔24が塞がることがなく、上述の貫通孔24の作用が阻害されることがない。
また、上述したように、貫通孔24は、グリースGの塗布位置の経時変化も考慮して、サイドリップ21に塗布されたグリースGによって塞がれることがないように設けられている。このため、グリースGによって貫通孔24が塞がることが防止され、グリースGによって上述の貫通孔24の作用が阻害されることが防止されている。
上述したように、本発明の実施の形態に係る密封装置1によれば、密封装置1が接触する面に加工目が残っていても、密封装置1が与えるトルク抵抗の変動を抑制することができる。
次いで、本発明の実施の形態に係る密封構造2ついて説明する。図7は、本発明の実施の形態に係る密封構造2を軸線xに沿って外側から見た図である。なお、図7において、ハブ52の図示は省略されている。
本発明の実施の形態に係る密封構造2は、ハブベアリングの密封構造である。また、密封構造2は、相対回動可能な外周側部材とこの外周側部材に少なくとも部分的に包囲された内周側部材との間の空間の密封を図るための密封構造であってもよい。本発明に係る密封構造は、本発明に係る密封装置を有している。また、本発明に係る密封構造は、本発明に係る密封装置が取り付けられた内周側部材と外周側部材とにおける密封構造であってもよい。また、本発明に係る密封構造は、本発明に係る密封装置が取り付けられた、内周側部材と外周側部材とが用いられる取付対象に取り付けられた内周側部材と外周側部材とにおける密封構造であってもよい。例えば、密封構造2は、車両のハブベアリングにおける密封構造である。
具体的には、例えば、密封構造2は、図7に示すように、車両等のハブベアリング50の取付対象に取り付けられたハブベアリング50と、上述の本発明の実施の形態に係る密封装置1とを有している。密封構造2において、密封装置1は、後述する取付方法によってハブベアリング50に取り付けられている。以下、密封構造1について具体的に説明すする。
図7において、下側がハブベアリング50の取付対象である車両等の接地面側、例えば路面側であり、矢印E方向は、重力の方向を示している。なお、本発明の実施の形態においては、ハブベアリング50の取付対象は自動車とする。図7に示すように、密封装置1の貫通孔24の1つが、接地面Bに向かって開放するように、密封装置1はハブベアリング50に取り付けられている。つまり、自動車において、密封装置1の貫通孔24の1つが、接地面Bに向かって開放するような外輪51に対する姿勢で、密封装置1は外輪51の外側開口部51aに圧入されている。なお、図7においては、1つの貫通孔24のみが示されている。
例えば、水平な接地面上の自動車において、貫通孔24が延びる方向である延び方向Lが、重力方向Eに平行又は略平行となるように、または、重力方向Eに沿って延びるように、密封装置1は、外輪51に取り付けられている。このため、図7に示すように、水平な接地面上の自動車において、密封装置1の1つの貫通孔24は、重力方向Eに平行又は略平行に延びている。なお、水平な接地面上の自動車において、密封装置1の1つの貫通孔24は、重力方向Eに平行ではなく、重力方向Eに対して傾いて延びていてもよい。例えば、水平な接地面上の自動車において、貫通孔24が延びる方向である延び方向Lが、重力方向成分を有するように、密封装置1は、外輪51に取り付けられていてもよい。例えば、貫通孔24の延び方向Lと重力方向Eとがなす角が90°よりも小さくなるような姿勢で、密封装置1は、外輪51に取り付けられていてもよい。
上述のように、密封構造2においては、密封装置1の貫通孔24の1つの延び方向Lが、水平な接地面上の自動車において、重力方向Eに沿って延びている、または、重力方向成分を有しており、貫通孔24の開口24aが接地面側の範囲(接地面側範囲B)に向いている(図7参照)。このため、サイドリップ21の貫通孔24を通って異物が進入したとしても、重力の作用により、この異物を接地面側範囲Bに向いている貫通孔24を介して大気側に排出することができる。
密封構造2によれば、サイドリップ21を越えて異物が空間Sに進入したとしても、異物を接地面側範囲Bに向いている貫通孔24を介して大気側に排出することができる。異物が空間S内に入ると、この異物の噛み込み等によって中間リップ22が損傷を受け、中間リップ22のシール性能が低下する虞がある。これに対し、密封構造2は、貫通孔24によって空間Sを大気側に連通させつつも、接地面側範囲Bに向いている貫通孔24を介して空間S内の異物を大気側に排出することができ、密封装置1のシール性能の低下を更に抑制することができる。
また、上述のように、密封装置1において、各貫通孔24は、グリースGの塗布位置の経時変化も考慮して、サイドリップ21に塗布されたグリースGによって塞がれることがないような位置に設けられている。上述の例においては、各貫通孔24は、サイドリップ21の根本部21dに設けられている。このため、密封構造2においては、接地面側範囲Bに向いている貫通孔24を介して空間S内の異物を大気側に排出することはできるが、サイドリップ21に塗布されたグリースGがこの接地面側範囲Bに向いている貫通孔24を介して大気側に排出されることが抑制されている。このように、密封構造2においては、シールリップに設けられた貫通孔を介してグリースが排出されることの防止が図られている。
なお、密封構造2においては、図7に示すように密封装置1は貫通孔24を1つのみ有していてもよく、上述の密封装置1のように複数の貫通孔24を有していてもよい。また、密封構造2において、密封装置1は、接地面側範囲Bに向いている貫通孔24を複数有していてもよい。また、密封構造2において、複数の貫通孔24は夫々、同じ大きさの断面を有するものに限らず、例えば、複数の貫通孔24の一部の断面の大きさは、他の貫通孔24の断面の大きさと異なっていてもよい。例えば、図7に示す、延び方向Lが重力方向Eに平行又は略平行に延びる貫通孔24の断面の大きさを、接地面側範囲Bに向いていない他の貫通孔24の断面の大きさよりも大きくしてもよい。また、断面の形状についても同様に、密封構造2において、複数の貫通孔24は夫々、同じ形状の断面を有するものに限らず、例えば、複数の貫通孔24の一部の断面の形状は、他の貫通孔24の断面の形状と異なっていてもよい。また、複数の貫通孔24の断面の大きさは、夫々異なっていてもよく、複数の貫通孔24の断面の形状は、夫々異なっていてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に係る密封装置1及び密封構造2に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
例えば、本願発明は、車両のハブベアリングに適用されるものに限られず、産業用のベアリング等、他のベアリングに適用されるものであってもよい。また、上述の密封装置1は、外周環突起26及び堰部27を有しているが、密封装置1は、外周環突起26や堰部27を有していなくてもよい。
1…密封装置、2…密封構造、10…補強環、11…嵌合部、11a…外周面、12…位置調整部、12a…戻り部、12b…接続フランジ部、12c…戻り部、12d…リップフランジ部、13…フランジ部、20…弾性体部、21…サイドリップ、21a,22a,23a…内周側面、21b…外周側面、21c…接続端、21d…根本部、21e…先端、21f…環突起、22…中間リップ、23…グリースリップ、24…貫通孔、25…基体部、26…外周環突起、26a…外側端、27…堰部、28…ガスケット部、50…ハブベアリング、51…外輪、51a…外側開口部、51b…内側開口部、51c…内周面、51d…外側端面、52…ハブ、53…ベアリングボール、54…内輪、55…ハブ輪、55a…軸部、55b…車輪取付フランジ、55c…移行部、55d…内周面、55e…外周面、56…保持器、57…貫通孔、58…他の密封装置、B…接地面側範囲、E…重力方向、G…グリース、L…延び方向、S…空間、x…軸線
Claims (7)
- ハブベアリングに用いられる密封装置であって、
軸線周りに環状の補強環と、
前記補強環に取り付けられ、前記軸線周りに環状の弾性体から形成された弾性体部とを備え、
前記弾性体部は、前記軸線方向において一方の側に向かって延びるサイドリップと、前記サイドリップよりも内周側において前記一方の側に向かって延びる中間リップと、グリースリップとを有しており、
前記サイドリップにはグリースが塗布され、
前記サイドリップは、前記サイドリップを厚さ方向に貫通する貫通孔を少なくとも1つ有しており、
前記サイドリップの貫通孔は、使用状態における前記サイドリップの変形によっても前記貫通孔の前記貫通が維持される位置に設けられていることを特徴とする密封装置。 - 前記貫通孔は、前記グリースが塗布される前記サイドリップの位置と重ならない位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
- 前記貫通孔は、前記グリースによって前記貫通孔が塞がれる位置に設けられていないことを特徴とする請求項2に記載の密封装置。
- 前記貫通孔は、前記サイドリップ内に前記ハブベアリングのハブが通される前に、前記グリースによって前記貫通孔が塞がれる位置に設けられていないことを特徴とする請求項3に記載の密封装置。
- 前記貫通孔は、前記弾性体部が外周側において前記ハブベアリングの外輪に取り付けられた際に、前記グリースによって前記貫通孔が塞がれる位置に設けられていないことを特徴とする請求項3又は4に記載の密封装置。
- 前記貫通孔は、気体を通し、異物を通し難くなっていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の密封装置。
- 前記貫通孔は、前記サイドリップの根元に設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の密封装置。
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