JP2023102859A - 次亜塩素酸水生成スプレー - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間で必要量の電解液を次亜塩素酸水に電気分解でき、電気分解前の電解液状態で長期間保存できる次亜塩素酸水生成スプレーを提供する。【解決手段】次亜塩素酸水生成スプレー1は、電解液L1を貯留する容器2と、容器2の開口端2aに接続された噴射ユニット10と、容器2内に挿入され、一端が容器2内に開口し、他端が噴射ユニット10に接続された導管17と、導管17内の電解液L1を次亜塩素酸水L2に電気分解する次亜塩素酸水生成ユニット20とを備えており、次亜塩素酸水生成ユニット20は、導管17内に挿入された一対の電極25a,25bと、電極25a,25bに電圧を印加する制御基板23と、電気分解用の電気を電極25a,25bに供給するバッテリー21と、電極25a,25bへの電気供給をオンとオフの間で切り換えるスイッチ22とを備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、電解液から次亜塩素酸水を生成し、噴射する次亜塩素酸水生成スプレーに関する。
次亜塩素酸水は、細菌、ウイルス、真菌等の滅菌、殺菌、又は消毒に利用されているが、不安定で分解しやすく、経時劣化が早いという特性を有している。工場で製造業者が次亜塩素酸水を量産する場合には、製造業者から消費者に至るまでの流通過程で一定以上の時間を経るため、消費者が使用する時には、濃度品質及び性能が低下していることが多い。したがって、生成時の濃度品質及び性能を維持するためには、消費者自身が次亜塩素酸水を生成して、使用することが好ましい。
特許文献1は消費者が生成できる次亜塩素酸水生成スプレーを開示している。図4は、特許文献1の次亜塩素酸水生成スプレー100を示しており、容器101の上側開口端101aに噴射ケース104が着脱自在に接続され、容器101の下端部に次亜塩素酸水生成ユニット103が設けられている。噴射ケース104には噴射レバー105及び噴射ノズル106等からなる噴射装置102が設けられ、噴射装置102の入口はリザーバー110を介して導管107に接続されている。導管107は容器101の下端部近傍で開口している。
次亜塩素酸水生成ユニット103は、電気分解用の一対の電極を内蔵しており、電源ボタン108を押すことにより通電し、容器101内のすべての食塩水を電気分解して次亜塩素酸水を生成し、容器101内に貯留する。
しかしながら、特許文献1の次亜塩素酸水生成スプレー100では、容器101内に収納されるすべての電解液(食塩水)を電気分解して次亜塩素酸水にするため、電気分解に時間がかかるという問題があった。
また、特許文献1の次亜塩素酸水生成スプレー100では、容器101内の次亜塩素酸水を短期間で使い切れない場合には、残留した次亜塩素酸水を長期保存することとなり、次回、使用する時には、経時劣化により、次亜塩素酸水の濃度品質及び性能が低下するという問題があった。
本発明の目的は上記の問題点を解決し、消費者自身が短時間で電解液から次亜塩素酸水を生成できるとともに、容器内の電解液を電気分解前の状態で長期保存可能な次亜塩素酸水生成スプレーを提供することにある。
本発明に係る次亜塩素酸水生成スプレーは、電解液を貯留する容器と、前記容器の開口端に接続された噴射ユニットと、一端が前記容器内に開口し、他端が前記噴射ユニットに接続された導管と、前記導管内の前記電解液を次亜塩素酸水に電気分解する次亜塩素酸水生成ユニットと、を備え、前記次亜塩素酸水生成ユニットは、前記導管内に配置された一対の電極と、前記電極に電圧を印加する制御部と、前記制御部及び前記電極に電気分解用の電気を供給する電源と、前記電源からの電気供給をオンとオフの間で切り換えるスイッチと、を備えている。
この構成によれば、容器内に収納された電解液のうち、導管内に流入している電解液だけを電気分解して次亜塩素酸水を生成するので、使用現場において消費者が短時間で必要量の次亜塩素酸水を生成することができる。
また、少なくとも導管内を除いた容器の領域には、電気分解前の状態の電解液が残留するので、濃度品質及び性能の低下を心配することなく、長期保存が可能となる。
本発明は、前記構成に加え、次の要件を備えることができる。
(a)前記スイッチのオン動作後、一定時間経過後にオフに切り換えるタイマーを備えている。
この構成によれば、電源の無駄な電力消費を防止し、省エネに寄与できる。
(b)前記導管の前記一端は、前記容器の底壁近傍で開口している。
この構成によれば、容器内の電解液を、無駄なく噴射に利用することができる。
(c)一対の前記電極は、前記導管の前記他端から前記一端近傍に至るまで、前記導管とほぼ平行に延びている。
この構成によれば、導管のほぼ全長を電解液の電気分解用の領域として利用でき、電気分解の時間を短縮できる。
(d)前記次亜塩素酸水生成ユニットの前記制御部及び前記電源は、前記噴射ユニットを収納する噴射ケースに収納されている。
この構成によれば、次亜塩素酸水生成スプレー全体を、コンパクトな構造とすることができる。
本発明に係る次亜塩素酸水生成スプレーによれば、消費者は、容器内に収納された電解液のうち、導管内の部分だけを電気分解して次亜塩素酸水とするので、次亜塩素酸水を生成する時間を短縮できる。また、少なくとも容器内の導管以外の領域では、電気分解前の電解液の状態で残留するので、濃度品質及び性能の低下を心配することなく長期保存可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る次亜塩素酸水生成スプレー1の概略縦断面図である。この図1において、次亜塩素酸水生成スプレー1の外殻は、電解液L1を収納する容器2と、容器2の上側の開口端2aにねじ式に接続された蓋3と、この蓋3の上面に一体的に設けられた噴射ケース4と、を備えて構成されている。噴射ケース4は、隔壁5により下側の噴射ユニット収納室4aと、上側の次亜塩素酸水生成ユニット収納室4bとに区切られている。容器2の材質は、たとえば、耐酸化性及び対腐食性のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂である。
次亜塩素酸水生成スプレー1の前記外殻に取り付けられる装置は、次亜塩素酸水L2を噴射するための噴射ユニット10と、電気分解により電解液L1から次亜塩素酸水L2を生成する次亜塩素酸水生成ユニット20である。
噴射ユニット10は、周知のトリガー式の噴射装置又は噴射機構と同様の基本構成を有しており、噴射ユニット収納室4aに収納された噴射管12と、噴射管12の先端に接続された噴射ノズル13と、噴射管12内の吐出用スリーブ15を作動させる噴射レバー16と、噴射管12に接続されると共に容器2内に延び、容器2の底壁2b近傍に至る円筒状の導管17と、噴射レバー16を待機位置に戻すリターンばね19等を備えて構成されている。噴射レバー16を図示の待機位置から矢印A方向に回動することにより、噴射管12内の次亜塩素酸水を噴射ノズル13から噴霧状又は直線状に噴射する。噴射と同時又は噴射後に噴射レバー16がリターンばね19により戻る時に、容器2内の電解液L1を導管17内に吸い込むように構成されている。なお、図1における噴射ユニット10の表示は、その概略を模式的に示したものである。
次亜塩素酸水生成ユニット20は、次亜塩素酸水生成ユニット収納室4b内に配置されたバッテリー21と、このバッテリー21に電源スイッチ22を介して接続された制御基板(制御部)23と、この制御基板23に接続されると共に導管17内に挿入された一対の電極、すなわち陽極25a及び陰極25bとから構成されている。陽極25a及び陰極25bは、白金又は白金とイリジウムの合金等の貴金属電極、又は白金又は白金とイリジウムの合金を被覆した貴金属被覆電極である。電気分解の際には、陽極25aに制御基板23から正電圧が印加され、陰極25bに制御基板23から負電圧が印加される。陽極25a及び陰極25bは、導管17の上端から導管17とほぼ平行に導管17内を下方に延び、導管17の下端近傍に至っている。
また、次亜塩素酸水生成ユニット収納室4bには、電源スイッチ22をオンにした後、一定時間経過後に自動的にオフに切り換えるタイマー27と、バッテリー21を充電するための充電用接続端子28が設けられている。バッテリー21は充電式に限定されず、乾電池を利用することもできる。電源スイッチ22はたとえば押しボタン式であり、下方に押すことにより、バッテリー21と制御基板23とを電気的に接続し、制御基板23をオン状態とする。これにより、陽極25aと陰極25bに電圧を印加し、導管17内での電気分解を実行する。
容器2に収納される電気分解前の電解液L1は、塩素イオンを含む電解質溶液であり、たとえば、家庭で容易に入手可能な食塩(塩化ナトリウムNaCl)を水に溶解した食塩水(塩化ナトリウム溶液)が好ましい。水は水道水を利用できる。
図2は図1のII-II線断面図であり、陽極25a及び陰極25bは帯板状に形成されると共に、互いに対向するように配置されている。
以上のように構成された次亜塩素酸水生成スプレー1の取り扱い、操作及び動作を以下に説明する。
消費者は、準備段階として、蓋3及び噴射ケース4を容器2から取り外し、上側の開口端2aから食塩水等の塩素イオンを含む電解液L1を容器2内に注入し、蓋3を装着する。そして、噴射レバー16を数回操作することにより、容器2内の電解前の電解液L1を導管17内に充填する。
本実施形態の次亜塩素酸水生成スプレー1は、小型で携帯可能なので、滅菌、殺菌又は消毒が必要な所望の場所まで持ち歩くことができる。たとえば、病院、介護施設、劇場等の公共施設だけでなく、いずれの一般家庭でも自由に利用することができる。
消費者は、現場における使用前に、電源スイッチ22を押すことにより、制御基板23を通電させ、陽極25aに正電圧を印加すると共に陰極25bに負電圧を印加する。これにより、導管17内で電解液L1が電気分解され、導管17内に次亜塩素酸水L2が生成される。導管17内での電気分解の過程では、陽極25a及び陰極25bでそれぞれ下記の反応が起こる。
陽極25aでは、2Cl-→Cl2+2e- の反応が起こる。
陰極25bでは、2Na++2H2O+2e-→2NaOH+H2の反応が起こる。
陰極25bでは、2Na++2H2O+2e-→2NaOH+H2の反応が起こる。
ところが本実施の形態では、同一の導管17内に陽極25aと陰極25bとを一緒に収納しているので、導管17内全体として、次の反応が起こる。
Cl2+2NaOH→NaClO+NaCl+H2O
すなわち、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)と水が生じる。すなわち、次亜塩素酸水L2が生成される。
すなわち、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)と水が生じる。すなわち、次亜塩素酸水L2が生成される。
電気分解開始後、所定時間経過して、導管17内の電解液L1のほぼすべてが電気分解されて次亜塩素酸水L2になると、タイマー27により電源スイッチ22がオフ状態に戻り、電気分解は終了する。電気分解する量は、導管17内の電解液L1だけなので、従来のように容器内の全部の電解液を分解する場合に比べ、所要時間が十数分の1から数十分の1まで短くなる。
次亜塩素酸水L2を噴射する場合には、噴射ノズル13を消毒等が必要な目的個所に向け、噴射レバー16を回動操作する。噴射と同時又は噴射後にリターンばね19で元の状態に戻る時に、容器2内の電気分解前の電解液L1が導管17内に吸い込まれる。
次に使用する際は、前回と同様、電源スイッチ22をオンとして、導管17内の電解液L1を電気分解して次亜塩素酸水L2とし、噴射レバー16の操作により噴射する。
(実施形態の効果)
本実施形態による効果をまとめると次の通りである。
本実施形態による効果をまとめると次の通りである。
(1)容器2内に収納された電解液L1のうち、導管17内に流入している電解液L1だけを電気分解して次亜塩素酸水L2を生成するので、従来のように容器内の電解液を一度にすべて電気分解する構成に比べ、消費者が短時間で次亜塩素酸水L2を生成することができる。
また、少なくとも導管17内を除いた容器2の領域には、電気分解前の状態の電解液L1が残留するので、濃度品質及び性能の低下を心配することなく、長期保存が可能となる。
(2)電源スイッチ22のオン動作により電気分解が開始されるが、タイマー27により一定時間経過後にオフに切り換えるので、バッテリー21の無駄な電力消費を防止し、省エネに寄与できる。
(3)導管17の一端は容器2の底壁2bの近傍で開口しているので、容器2内の電解液L1を、無駄なく噴射に利用することができる。
(4)陽極25aと陰極25bは、導管17の上端から下端近傍に至るまで、導管17とほぼ平行に延びているので、導管17内のほぼ全長を電解液L1の電気分解用の領域として利用でき、電気分解の時間を短縮できる。
(5)次亜塩素酸水生成ユニット20制御基板(制御部)23及びバッテリー21は、噴射ユニット10を収納する噴射ケース4に収納されているので、次亜塩素酸水生成スプレー1の全体を、コンパクトな構造とすることができる。
(6)長期間保存する場合には、少なくとも導管17内を除く容器2内の電解液L1は電気分解の状態で保存されるので、経時劣化により濃度品質及び性能が低下することがない。すなわち、長期保存が可能である。
(他の実施の形態)
図3は、陽極25a及び陰極25bの変形例であり、丸棒状に形成されている。
図3は、陽極25a及び陰極25bの変形例であり、丸棒状に形成されている。
(2)前述の実施形態では電解液として塩化ナトリウム(NaCl)の溶液を使用したが、塩素イオンを含む塩化カリウム(KCl)又は塩化水素(HCl)の溶液を使用することも可能である。
(3)噴射ユニット10として、前述の実施形態では噴射レバー16を有するトリガー式の噴射装置を備えているが、噴射ユニットのヘッドを押し下げることにより次亜塩素酸水を噴射するプッシュ式の装置に適用することもできる。
本発明に係る次亜塩素酸水生成スプレーは、病院、介護施設、学校等の公共施設の各所の殺菌、滅菌等の消毒用又は手洗い用に限定されず、一般家庭の殺菌、消毒又は手洗い用にも利用できる。
本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施しうるものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 次亜塩素酸水生成スプレー
2 容器
2a 開口端
2b 底壁
4 噴射ケース
10 噴射ユニット
13 噴射ノズル
16 噴射レバー
17 導管
19 リターンばね
20 次亜塩素酸水生成ユニット
21 バッテリー(電源の一例)
22 電源スイッチ(スイッチの一例)
23 制御基板(制御部)
25a 陽極(電気分解用の電極)
25b 陰極(電気分解用の電極)
27 タイマー
2 容器
2a 開口端
2b 底壁
4 噴射ケース
10 噴射ユニット
13 噴射ノズル
16 噴射レバー
17 導管
19 リターンばね
20 次亜塩素酸水生成ユニット
21 バッテリー(電源の一例)
22 電源スイッチ(スイッチの一例)
23 制御基板(制御部)
25a 陽極(電気分解用の電極)
25b 陰極(電気分解用の電極)
27 タイマー
Claims (5)
- 電解液を貯留する容器と、
前記容器の開口端に接続された噴射ユニットと、
一端が前記容器内に開口し、他端が前記噴射ユニットに接続された導管と、
前記導管内の前記電解液を次亜塩素酸水に電気分解する次亜塩素酸水生成ユニットと、を備え、
前記次亜塩素酸水生成ユニットは、前記導管内に配置された一対の電極と、前記電極に電圧を印加する制御部と、前記制御部及び前記電極に電気分解用の電気を供給する電源と、前記電源からの電気供給をオンとオフの間で切り換えるスイッチと、
を備えた次亜塩素酸水生成スプレー。 - 前記スイッチのオン動作後、一定時間経過後にオフに切り換えるタイマーを備えた請求項1記載の次亜塩素酸水生成スプレー。
- 前記導管の前記一端は、前記容器の底壁近傍で開口する請求項1又は2記載の次亜塩素酸水生成スプレー。
- 一対の前記電極は、前記導管の前記他端から前記一端近傍に至るまで、前記導管とほぼ平行に延びている請求項1~3のうちのいずれか1つに記載の次亜塩素酸水生成スプレー。
- 前記次亜塩素酸水生成ユニットの前記制御部及び前記電源は、前記噴射ユニットを収納する噴射ケースに収納されている、請求項1~4のうちのいずれか1つに記載の次亜塩素酸水生成スプレー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022003565A JP2023102859A (ja) | 2022-01-13 | 2022-01-13 | 次亜塩素酸水生成スプレー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022003565A JP2023102859A (ja) | 2022-01-13 | 2022-01-13 | 次亜塩素酸水生成スプレー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023102859A true JP2023102859A (ja) | 2023-07-26 |
Family
ID=87377514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022003565A Pending JP2023102859A (ja) | 2022-01-13 | 2022-01-13 | 次亜塩素酸水生成スプレー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023102859A (ja) |
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2022
- 2022-01-13 JP JP2022003565A patent/JP2023102859A/ja active Pending
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