JP2011050807A - 電解水生成装置及びそれを備えた電解水噴霧装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気分解用の電極及び水位検知用の電極の両方の電極へのスケールの付着を抑制することで、電気分解性能と水位検出精度とを低下させることなく、長期間安定して使用できる電解水生成装置を提供することである。
【解決手段】水を貯めることができる貯水部と、貯水部に貯められた水を電気分解するための電解電極と、貯水部の水位を検知するための水位検知電極とを備えた電解水生成装置11において、電解電極と水位検知電極とになり得る第1〜第3電極18〜20が、所定時間毎に、切替スイッチ17の切り替えにより入れ替わる構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、水道水を電気分解して電解水を生成する電解水生成装置及び該装置を備え電解水を噴霧する電解水噴霧装置に関する。
空気清浄機、加湿器、エアコンなどの空気調和機には、殺菌機能や消臭機能を備えているものがある。この殺菌消臭機能を実現する手法の一つとして、水道水を電気分解した電解水を噴霧する方法が提案されている(特許文献1参照)。
水道水は塩素を含んでいるので、電気分解すれば次亜塩素酸を含んだ電解水が生成される。次亜塩素酸には殺菌消臭作用があるので、次亜塩素酸を含んだ電解水を噴霧することで、周囲の空気を殺菌消臭することができる。
特許文献1の電解水噴霧装置には、水を電気分解するための1対の電極板と、貯水タンクの水位を検出する水位検知用電極とを有する電解水生成装置が備えられている。そして、電解水生成装置は1対の電極板に互いに逆電極となるように所定の電圧を印加することで次亜塩素酸を含んだ電解水を生成している。
その際、陽極と陰極を固定したままであると、時間とともに水道水に含まれる不純物が電極表面にスケールとし析出する。そこで特許文献1では、1対の電極板への通電が1回行われる毎に、これらの電極板に印加する電圧の極性を切り替えることで、電極板へのスケールの付着を抑制している。
特開2005−305100号公報
上記の電解水生成装置によれば、1対の電極板へのスケールの付着は抑制されるが、水位検知用電極へのスケールの付着を防ぐことはできない。なぜなら、水位検知用電極と1対の電極板のうちの一方との通電状態によって渇水状態か否かを検知しているので、1対の電極板に印加する電圧極性の切り替えに関わらず、水位検知用電極には1対の電極間に掛かる電圧の間のほぼ一定の電圧が掛かることになるからである。
そのため、水位検知用電極にのみスケールが付着しやすく、時間とともにスケールの付着量が増し通電しにくくなって水位の検出精度が低下する。そして最終的には、常時、渇水状態渇と判定してしまい、満水であっても電気分解を停止してしまい、使用できなくなる。
本発明は、電気分解用の電極及び水位検知用の電極の両方の電極へのスケールの付着を抑制することで、電気分解性能と水位検出精度とを低下させることなく、長期間安定して使用できる電解水生成装置を提供することを目的とする。また、その電解水生成装置を備えた電解水噴霧装置を提供することも目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、水を貯めることができる貯水部と、前記貯水部に貯められた水を電気分解するための電解電極と、前記貯水部の水位を検知するための水位検知電極とを備えた電解水生成装置において、前記電解電極と前記水位検知電極とが、所定時間毎に、電気回路の切り替えにより入れ替わることを特徴とする。
この構成によれば、各電極が所定時間毎に入れ替わるので、各電極へのスケールの付着を抑制できる。
上記の電解水生成装置において、各電極の鉛直方向に長短がある場合、下端が最も高い位置にある電極が前記水位検知電極となるときのみ水位を検知し、下端が最も高い位置にある電極が前記電解電極となるときは、下端が最も高い位置にある電極が水位検知電極となるときよりも電解時間を短くすることが望ましい。
この構成によれば、下端が最も高い位置にある電極が離水した状態で通電してしまい電極が劣化することを防止できる。
また上記の電解水生成装置において、前記貯水部に水道水を貯めることで、電気分解した際に殺菌消臭作用のある次亜塩素酸を生成することができる。
また上記の電解水生成装置において、電気分解は断続的に行うことが望ましい。これは、貯水部内の次亜塩素酸の濃度が高くなりすぎないようにするためである。次亜塩素酸の濃度が高すぎると、発生したミストから塩素臭がして不快に感じる。
また本発明の電解水噴霧装置は、上記の電解水生成装置と、電解水を噴霧するための噴霧装置とを備えた構成とする。
この構成によれば、次亜塩素酸を含んだ電解水が噴霧されることになるので、周囲の空気を殺菌消臭することができる。
本発明によると、各電極へのスケールの付着を抑制することができるので、電解水生成装置の電気分解性能と水位検出精度とを低下させることなく、長期間安定して使用できる。
本発明の電解水噴霧装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の電解水生成装置における電極の配置を示す斜視図である。 本発明の電解水生成装置における電極の配置を示す側断面図である。 本発明の切替スイッチの回路図である。 本発明の電解水噴霧装置の動作を示すフローチャートである。 第1〜第3電極の切り替え順序を説明する図である。
図1は、本発明の電解水噴霧装置の概略構成を示すブロック図であり、図2は、電解水生成装置における電極の配置を示す斜視図、図3は、電解水生成装置における電極の配置を示す側断面図である。
図1に示すように、電解水噴霧装置10は、水道水の電気分解により電解水を生成する電解水生成装置11と、電解水を噴霧するための噴霧装置12とを備えている。
電解水生成装置11は、マイコン13と、電圧電源14と、プラス電圧電源15と、マイナス電圧電源16と、切替スイッチ17と、第1電極18と、第2電極19と、第3電極20とを備えている。
マイコン13は、電解水噴霧装置10全体を制御するものであり、切替スイッチ17や噴霧装置12を制御する。電圧電源14は、電解水噴霧装置10全体の電源であり、電解電極や噴霧装置12へ電圧を供給する。その際、プラス電圧電源15はプラス電圧を電解電極へ供給し、マイナス電圧電源16はマイナス電圧を電解電極へ供給する。
第1〜第3電極18〜20は、水を電気分解するための陽極及び陰極からなる電解電極か、水位を検知するための水位検知電極かになり得る電極であり、どの電極となるかは電気回路(切替スイッチ17)の切り替えにより入れ替わる。
図2又は図3に示すように、第1〜第3電極18〜20は、貯水部21に貯められた水道水に浸かるように配設されている。第1及び第2電極18、19は同じ大きさであり所定の間隔で対向している。第3電極20は、第2電極19に所定の間隔で対向しており、第1及び第2電極18、19よりも鉛直方向に短く、その下端は第1及び第2電極18、19の下端よりも高くなるように配設されている。
水位検知は水位検知電極の通電状態で判別できる。具体的には、電解電極に所定の電圧(例えば、陽極に24V、陰極に0V)を印加したときに、水位検知電極に電解電極に掛かる電圧の間のほぼ一定の電圧(例えば7〜9V)が掛かるか否かで検知できる。水位検知電極に電圧が掛かればその電極が水没しているということなので、渇水状態ではないと判別でき、一方、水位検知電極に電圧が掛からなければその電極が水没していないということなので、渇水状態であると判別できる。
第1〜第3電極18〜20は、例えば、チタン又はルテニウム系材料に白金をコーティングし、その外側にイリジウムをコーティングすることにより形成されている。
切替スイッチ17は、プラス電圧電源15とマイナス電圧電源16とマイコン13とが第1〜第3電極18〜20の何れかにそれぞれ接続するように切り替えるスイッチである。図4に、切替スイッチ17の回路図を示す。3つのスイッチ17a〜17cをそれぞれ適切に切り替えることにより、3つの電極が電解電極(陽極及び陰極)と水位検知電極とに振り分けられる。
このような構成の電解水生成装置11に水道水を入れて電解電極に通電すると、陽極、陰極及び電極間において以下のような化学反応が起こる。
(陽極側)
4H2O−4e-→4H++O2↑+2H2
2Cl-→Cl2+2e-
2H2O+Cl2⇔HClO+H++Cl-
(陰極側)
4H2O+4e-→2H2↑+4OH-
(電極間)
++OH-→H2
このような化学反応により、殺菌消臭作用のある次亜塩素酸を生成することができる。この生成された電解水を噴霧装置12でミスト状にして機外へ放出することにより、次亜塩素酸を含んだ電解水が噴霧されることになるので、周囲の空気を殺菌消臭することができる。
次に、電解水生成装置11の制御について詳しく説明する。図5は、電解水噴霧装置10の動作を示すフローチャートであり、図6は、第1〜第3電極18〜20の切り替え順序を説明する図である。
まず、電解水噴霧装置10の電源がオンにされると、ステップS10において、電極を切り替えるための内部変数Nを0にリセットする。そして、ステップS11へ進んで貯水部21内が渇水状態か否かを判別する。これには、第3電極20が水位検知電極に、第1及び第2電極18、19が電解電極になるように、マイコン13で切替スイッチ17を制御し、短時間だけ通電し、第3電極20に電圧が掛かれば渇水状態ではないと判別し、電圧が掛からなければ渇水状態であると判別する。第3電極20の下端の位置が最も高く、第3電極20が最も早く水没しなくなくなるので、ここでは水位検知電極として第3電極20を割り当てるのが望ましい。
ステップS11において、渇水状態であると判別した場合には、ステップS12へ進んで噴霧装置12を停止状態にし、処理を終了する。電源がオンにされた直後であれば、噴霧装置12は運転されないことになる。なお、渇水状態と判別した場合には、その旨をユーザに報知するために、ランプ(不図示)を点灯したり、警告音を鳴らすなどの動作を行うことが望ましい。
一方、ステップS11において、渇水状態でないと判別した場合には、ステップS13へ進んで噴霧装置12を運転状態にする。続いて、ステップS14へ進んでN=0か否かを判別する。N=0であれば、ステップS15へ進んで、切替スイッチ17を制御し、第1〜第3電極18〜20を図6に示す第1状態にする。第1状態とは、第1電極18を電解電極の陽極、第2電極19を電解電極の陰極、第3電極20を水位検知電極に割り当てた状態である。そしてステップS16へ進んで通電して電気分解を開始し、電解水を生成する。これにより、次亜塩素酸を含んだ電解水が噴霧される。
ステップS16からはステップS17へ進んで電気分解を所定時間(ここでは5分間)継続する。5分経過すると、ステップS18へ進んで貯水部21内が渇水状態か否かを判別する。ここでの渇水状態の判別は、現在の電極の割り当ての状態のまま水位検知電極となっている第3電極20の通電状態を検出すればよい。
そして、ステップS18において渇水状態であると判別した場合には、ステップS19へ進んで電解水生成装置11及び噴霧装置12を停止し、処理を終了する。一方、ステップS18において渇水状態でないと判別した場合には、ステップS24へ進んで電解水生成装置11を停止し、ステップS25へ進んで内部変数Nに1加算する。
続いてステップS26へ進んで、N>3であるか否かを判別する。N≦3であれば、ステップS27へ進んで、この状態(電解水生成装置11が停止状態、噴霧装置12が運転状態)を10分間継続する。これにより、次亜塩素酸を含んだ電解水が噴霧される。一方、ステップS26においてN>3であれば、ステップS28へ進んでN=0とした後、ステップS27へ進む。ステップS27からはステップS11に戻る。
そして、ステップS11において渇水状態でないと判別した場合はステップS13を介してステップS14へ進み、ステップS14においてN=0でない場合は、ステップS20へ進んでN=1か否かを判別する。N=1であれば、ステップS21へ進んで切替スイッチ17を制御し、第1〜第3電極18〜20を図6に示す第2状態にする。第2状態とは、第1電極18を水位検知電極、第2電極19を電解電極の陽極、第3電極20を電解電極の陰極に割り当てた状態である。そしてステップS22へ進んで通電して電気分解を開始し、電解水を生成する。これにより、次亜塩素酸を含んだ電解水が噴霧される。
ステップS22からはステップS23へ進んで電気分解を所定時間(ここでは30秒間)継続する。30秒経過すると、ステップS24へ進んで電解水生成装置11を停止し、ステップS25へ進む。
第2状態では、貯水部21の水が減った場合に最も早く水没しなくなる第3電極20を電解電極の陰極に割り当てているので、通電時間を短くすることによって、第3電極20が離水した状態で通電してしまい電極が劣化する状態を防止している。
上記で通電時間は、例えば30秒間としたが、貯水部21の水位がほとんど変わらない時間であれば電極が離水する心配がないので、貯水部21の形状や大きさによって適宜設計すればよい。
一方、ステップS20においてN=1でない場合は、ステップS29へ進んでN=2か否かを判別する。N=2であれば、ステップS30へ進んで、切替スイッチ17を制御し、第1〜第3電極18〜20を図6に示す第3状態にする。第3状態とは、第1電極18を電解電極の陰極、第2電極19を電解電極の陽極、第3電極20を水位検知電極に割り当てた状態である。そしてステップS16へ進んで通電して電気分解を開始し、電解水を生成する。これにより、次亜塩素酸を含んだ電解水が噴霧される。ステップS16からはステップS17へ進んで第1状態の場合と同様の処理を行う。
一方、ステップS29においてN=2でない場合、つまりN=3である場合は、ステップS31へ進んで切替スイッチ17を制御し、第1〜第3電極18〜20を図6に示す第4状態にする。第4状態とは、第1電極18を水位検知電極、第2電極19を電解電極の陰極、第3電極20を電解電極の陽極に割り当てた状態である。そしてステップS22へ進んで通電して電気分解を開始し、電解水を生成する。これにより、次亜塩素酸を含んだ電解水が噴霧される。ステップS22からはステップS23へ進んで第2状態の場合と同様の処理を行う。
上記の電解水噴霧装置10の動作によると、電解電極と水位検知電極とが、所定時間毎に、切替スイッチ17の切り替えにより入れ替わるので、第1〜第3電極18〜20へのスケールの付着を抑制することができる。その結果、電気分解性能と水位検出精度とを低下させることなく、長期間安定して使用できる。
また、下端が最も高い位置にある第3電極20が水位検知電極となるときのみ水位を検知し、第1及び第2電極18、19が電解電極となるときは、それらの電極が水位検知電極となるときよりも電解時間を長くしている。換言すれば、下端が最も高い位置にある第3電極20が水位検知電極とならないときは、第3電極20が水位検知電極となるときよりも電解時間を短くしている。この制御により、第3電極20が離水した状態で通電してしまい電極が劣化する状態を防止している。
また、渇水状態にならない限り噴霧装置12は運転を継続しているが、電気分解は断続的に行っている。この制御により、貯水部21内の次亜塩素酸の濃度が高くなりすぎないようにしている。次亜塩素酸の濃度が高すぎると、発生したミストから塩素臭がして不快に感じるからである。
なお、上記の実施形態においては、図6に示した順で電極を入れ替えているが、その順序に特に限定はなく、どのような順序で入れ替えても同様の効果が得られる。また、第1電極18を電解電極の陽極、第2電極19を水位検知電極、第3電極20を電解電極の陰極に割り当てる第5状態と、第1電極18を電解電極の陰極、第2電極19を水位検知電極、第3電極20を電解電極の陽極に割り当てる第6状態とを追加し、6つの状態間で電極の入れ替えを行ってもよい。
本発明の電解水噴霧装置又は電解水生成装置は、空気清浄機、加湿器、エアコンなどの空気調和機をはじめ、電気機器や自動車など様々な製品に付加的に搭載することができる。特に、本発明の電解水生成装置は水位検知のために電極を用いているので、フロートを採用するスペースのない小型の装置に有効に利用することができる。
10 電解水噴霧装置
11 電解水生成装置
12 噴霧装置
21 貯水部

Claims (5)

  1. 水を貯めることができる貯水部と、
    前記貯水部に貯められた水を電気分解するための電解電極と、
    前記貯水部の水位を検知するための水位検知電極とを備えた電解水生成装置において、
    前記電解電極と前記水位検知電極とが、所定時間毎に、電気回路の切り替えにより入れ替わることを特徴とする電解水生成装置。
  2. 各電極の鉛直方向に長短がある場合、
    下端が最も高い位置にある電極が前記水位検知電極となるときのみ水位を検知し、
    下端が最も高い位置にある電極が前記電解電極となるときは、下端が最も高い位置にある電極が水位検知電極となるときよりも電解時間を短くすることを特徴とする請求項1記載の電解水生成装置。
  3. 前記貯水部に貯められた水道水を電気分解して次亜塩素酸を生成することを特徴とする請求項1又は2記載の電解水生成装置。
  4. 電気分解は断続的に行うことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電解水生成装置。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の電解水生成装置と、
    電解水を噴霧するための噴霧装置とを備えた電解水噴霧装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10053380B2 (en) 2015-07-03 2018-08-21 Aquaecos Ltd. Electrolysis device and apparatus for producing electrolyzed ozonated water

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