JP2023101097A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関と、当該内燃機関の出力軸に切り離し不能に連結された電動機と、リレーを介して当該電動機に接続される蓄電装置とを含む車両において、内燃機関の始動後にリレーの閉成が要求されたときに当該リレーを良好に保護する。
【解決手段】本開示の車両の制御装置は、内燃機関と、内燃機関の出力軸に切り離し不能に連結された電動機と、リレーを介して電動機に接続される蓄電装置とを含む車両の制御装置であって、運転中の内燃機関の出力軸に電動機が連れ回っており、かつ蓄電装置の電圧が所定値以上であるときに、リレーの閉成を許可すると共に、運転中の内燃機関の出力軸に電動機が連れ回っており、かつ蓄電装置の電圧が所定値未満であるときに、リレーの閉成を禁止する。
【選択図】図3
【解決手段】本開示の車両の制御装置は、内燃機関と、内燃機関の出力軸に切り離し不能に連結された電動機と、リレーを介して電動機に接続される蓄電装置とを含む車両の制御装置であって、運転中の内燃機関の出力軸に電動機が連れ回っており、かつ蓄電装置の電圧が所定値以上であるときに、リレーの閉成を許可すると共に、運転中の内燃機関の出力軸に電動機が連れ回っており、かつ蓄電装置の電圧が所定値未満であるときに、リレーの閉成を禁止する。
【選択図】図3
Description
本開示は、内燃機関と、当該内燃機関の出力軸に切り離し不能に連結された電動機と、リレーを介して当該電動機に接続される蓄電装置とを含む車両の制御装置に関する。
従来、エンジン(内燃機関)と、エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に配置されるクラッチと、動力伝達経路におけるクラッチと駆動輪との間に配置されるモータジェネレータ(電動機)と、動力伝達経路におけるモータジェネレータと駆動輪との間に配置される自動変速機と、バッテリと、バッテリとモータジェネレータとの間に配置されるパワーコントロールユニットと、バッテリとパワーコントロールユニットとの間に配置されるシステムリレーとを含むハイブリッド車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド車両の制御装置は、運転者により電源オフ操作が行われた場合、モータジェネレータの回転数が規定回転数以下であるときにシステムリレーを遮断する。これにより、モータジェネレータで発生する逆起電力が大きい状態でシステムリレーが遮断されることに起因した当該システムリレーの溶着が抑制される。また、当該制御装置は、エンジンが運転されている状況下で電源オフ操作が行われたときに当該エンジンの運転を停止させ、電源オフ操作が行われた時点でモータジェネレータが回転している場合にクラッチを係合させる。これにより、モータジェネレータがクラッチを介して運転停止されたエンジンに連結され、エンジンのイナーシャの分だけモータジェネレータに加えられる負荷が大きくなるので、モータジェネレータの回転数が早期に低下する。この結果、モータジェネレータで発生する逆起電力が早期に減少することから、電源オフ操作が行われた時点からシステムリレーが遮断されるまでの期間の長期化が抑制される。
ところで、上記従来のハイブリッド車両からエンジンとモータジェネレータとの間のクラッチが省略された構成を有する車両では、リレーが開成されてモータジェネレータとバッテリとの電気的接続が解除されたい状態でエンジンが始動されることもある。このような場合、エンジンの始動後にモータジェネレータが運転中のエンジンに連れ回り(空転し)、当該モータジェネレータで逆起電力が発生する。このため、運転中のエンジンにモータジェネレータが連れ回っている状態でモータジェネレータとバッテリとの間のリレーが閉成されると、逆起電力に基づく過大な電流(逆起電流)が印加されてリレーが故障してしまうおそれがある。
そこで、本開示は、内燃機関と、当該内燃機関の出力軸に切り離し不能に連結された電動機と、リレーを介して当該電動機に接続される蓄電装置とを含む車両において、内燃機関の始動後にリレーの閉成が要求されたときに当該リレーを良好に保護することを主目的とする。
本開示の車両の制御装置は、内燃機関と、前記内燃機関の出力軸に切り離し不能に連結された電動機と、リレーを介して前記電動機に接続される蓄電装置とを含む車両の制御装置であって、運転中の前記内燃機関の前記出力軸に前記電動機が連れ回っており、かつ前記蓄電装置の電圧が所定値以上であるときに、前記リレーの閉成を許可すると共に、運転中の前記内燃機関の前記出力軸に前記電動機が連れ回っており、かつ前記蓄電装置の電圧が前記所定値未満であるときに、前記リレーの閉成を禁止するものである。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の制御装置により制御される車両1を示す概略構成図である。同図に示す車両1は、エンジン10と、エンジン10からの動力を駆動輪DWに伝達する動力伝達装置20と、モータジェネレータMGとを含むハイブリッド車両である。更に、車両1は、モータジェネレータMGを駆動するインバータ30と、インバータ30を介してモータジェネレータMGに接続される蓄電装置としての高電圧バッテリ40と、各種補機に供給される電力を蓄える他の蓄電装置としての低電圧バッテリ50と、インバータ30、高電圧バッテリ40および低電圧バッテリ50に接続される電圧変換装置としてのDC/DCコンバータ60と、エンジン10を制御するエンジン電子制御装置(以下、「エンジンECU」という。)70と、動力伝達装置20を制御する変速電子制御装置(以下、「変速ECU」という。)80と、インバータ30(モータジェネレータMG)およびDC/DCコンバータ60を制御するモータ電子制御装置(以下、「MGECU」という。)90とを含む。
エンジン10は、ガソリンや軽油、LPGといった炭化水素系の燃料等と空気との混合気の爆発燃焼により動力を発生する内燃機関であり、図示しない複数の気筒(燃焼室)や、各気筒内に配置されるピストン(図示省略)に連結されたクランクシャフト(出力軸)11、図示しない電子制御式のスロットルバルブ、それぞれ複数の燃料噴射弁および点火プラグ、クランクシャフト11の回転位置(クランク角)を検出するクランク角センサ等を含む。更に、エンジン10は、クランクシャフト11にクランキングトルクを出力して当該エンジン10を始動させるスタータ15を含む。スタータ15は、クランクシャフト11と一体に回転するリングギヤと噛合可能なピニオンギヤ、当該ピニオンギヤを回転駆動する直流モータ、ピニオンギヤをリングギヤとの噛合位置と退避位置との間で進退移動させるアクチュエータ等を含み、エンジンECU70により制御される。
動力伝達装置20は、エンジン10のクランクシャフト11に連結される発進装置や、当該発進装置に連結された変速機構(自動変速機)、変速ECU80により制御されて発進装置や変速機構に油圧を供給する油圧制御装置等(何れも図示省略)を含む。発進装置は、クランクシャフト11に連結されるフロントカバー、ポンプインペラ、タービンランナおよびステータ等を有するトルクコンバータ(流体伝動装置)や、エンジン10からの振動を減衰するダンパ機構、ダンパ機構を介してフロントカバーと変速機構とを連結可能なクラッチ(ロックアップクラッチ)等を含む。変速機構は、例えば4段~10段変速式の自動変速機構であり、入力軸、出力軸、少なくとも1つの遊星歯車機構、それぞれ複数のクラッチおよびブレーキ(油圧係合要素)等を含む。変速機構は、発進装置(ダンパ機構)から入力軸に伝達された動力を複数段階に変速して出力軸に出力する。変速機構の出力軸に出力された動力は、デファレンシャルギヤDFおよびドライブシャフトDSを介して駆動輪DWに伝達される。なお、変速機構は、例えばベルト式の無段変速機構(CVT)やデュアルクラッチトランスミッション等であってもよい。
モータジェネレータMGは、図示しないステータおよびロータRを含む同期発電電動機(三相交流電動機)である。モータジェネレータMGのロータRは、伝動機構17を介してエンジン10のクランクシャフト11の動力伝達装置20側とは反対側の端部に切り離し不能に連結される。本実施形態において、伝動機構17は、クランクシャフト11に固定されるプーリと、モータジェネレータMGのロータRに固定されるプーリと、両プーリに巻き掛けられるベルトとを含む巻掛け伝動機構である。なお、伝動機構17は、ギヤ機構やチェーン機構であってもよい。また、モータジェネレータMGは、直流電動機であってもよく、エンジン10と動力伝達装置20との間に配置(直結)されてもよい。
インバータ30は、例えば、6つのトランジスタと、各トランジスタに逆向きに並列接続された6つのダイオードとを含むものであり、MGECU90により制御される。高電圧バッテリ40は、例えば40-50Vの定格出力電圧を有するリチウムイオン二次電池またはニッケル水素二次電池等である。低電圧バッテリ50は、例えば12Vの定格出力電圧を有する鉛蓄電池等の二次電池である。図2に示すように、高電圧バッテリ40には、システムメインリレーSMRを介して高圧電力ラインLHが接続されており、インバータ30は、当該高圧電力ラインLHに接続される。本実施形態において、システムメインリレーSMRは、例えばMGECU90により開閉制御される半導体リレーである。これにより、システムメインリレーSMRを小型化すると共に、長寿命化することが可能となる。また、高電圧バッテリ40とシステムメインリレーSMRとを結ぶ電力ラインには、電圧検出回路45が接続されている。電圧検出回路45は、高電圧バッテリ40の出力電圧(高圧電力ラインLHの電圧)であるバッテリ電圧Vb(実電圧)を検知してMGECU90に出力(送信)する。
DC/DCコンバータ60は、図2に示すように、高圧電力ラインLH(システムメインリレーSMR)に接続されると共に、低圧電力ラインLLおよび出力側リレーRoを介して負荷としての低電圧バッテリ50や上述のスタータ15等を含む各種補機に並列に接続される。本実施形態において、出力側リレーRoは、MGECU90により開閉制御される半導体リレーである。また、図示するように、DC/DCコンバータ60は、それぞれトランジスタおよびダイオードを有する第1および第2スイッチング素子と、コイル(リアクトル)と、MGECU90からの電圧指令値に基づいて第1および第2スイッチング素子をスイッチング制御する制御IC(制御回路)とを含むものである(何れも図示省略)。また、低圧電力ラインLL(コイルと出力側リレーRoとの間)には、平滑コンデンサ64と、電圧検出回路65とが接続されている。電圧検出回路65は、低圧電力ラインLLにおける電圧(平滑コンデンサ64の端子間電圧)すなわちDC/DCコンバータ60の出力電圧Voを検知してMGECU90に出力(送信)する。
エンジンECU70は、図示しないCPU,ROM,RAM、入出力装置等を有するマイクロコンピュータを含み、共用および専用通信線を介して変速ECU80やMGECU90と相互に情報をやり取りする。また、エンジンECU70は、車両1のシステム起動を指示するためのスタートスイッチや、シフトレバーのシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ、アクセルペダルの踏み込み量(操作量)を検出するアクセルペダルポジションセンサ、車速センサ、スロットルバルブのスロットル開度を検出するスロットル開度センサ、吸入空気量を検出するエアフローメータ、可変バルブタイミング機構のカムポジションセンサ(何れも図示省略)、上記クランク角センサ等からの信号を取得する。エンジンECU70は、これらのセンサや変速ECU80、MGECU90等から信号等に基づいてエンジン10やスタータ15等の関連する補機を制御する。
MGECU90は、図示しないCPU,ROM,RAM、入出力装置等を有するマイクロコンピュータを含み、共用および専用通信線を介してエンジンECU70や変速ECU80と相互に情報をやり取りする。また、MGECU90は、モータジェネレータMGのロータRの回転位置を検出する図示しない回転位置センサや、モータジェネレータMGに印加される相電流を検出する電流センサ、バッテリ電圧Vbを検出する電圧検出回路45、低圧電力ラインLLの出力電圧Voを検出する電圧検出回路65等からの信号を取得する。MGECU90は、専用通信線等を介してインバータ30の駆動回路やDC/DCコンバータ60の制御ICと接続されており、エンジンECU70からの指令信号や各種センサからの信号等に基づいてインバータ30およびDC/DCコンバータ60を制御する。なお、エンジンECU70、変速ECU80およびMGECU90の機能は、単一の電子制御装置に集約されてもよく、エンジンECU70および変速ECU80の機能、あるいはエンジンECU70およびMGECU90の機能が単一の電子制御装置に集約されてもよい。また、インバータ30(モータジェネレータMG)およびDC/DCコンバータ60の制御、高電圧バッテリ40の管理、並びにシステムメインリレーSMRの開閉制御等を実行する統合ECUが例えばDC/DCコンバータ60と一体化されてもよい。
上述のように構成される車両1では、運転者によりスタートスイッチがオンされた時点ではエンジン10が始動されず、エンジンECU70は、運転者の発進要求(例えば図示しないブレーキペダルの踏み込み解除等)に応じてモータジェネレータMGからのクランキングトルクによりエンジン10を始動させるようにMGECU90に指令信号を送信する。エンジンECU70からの指令信号を受信したMGECU90は、システムメインリレーSMRを閉成(オン)させた後、モータジェネレータMGがクランクシャフト11にクランキングトルクを出力するようにインバータ30をスイッチング制御する。これにより、伝動機構17を介してモータジェネレータMGからクランクシャフト11にクランキングトルクが出力され、エンジン10がクランキングされて始動させられる。
更に、エンジンECU70は、車両1の走行に際し、運転者により要求されたトルクと、車両1の状態に応じてモータジェネレータMGにより生成または消費される電力とに応じたパワーがエンジン10から出力されるように、各種センサ等からの信号に基づいて、当該エンジン10の吸入空気量制御や燃料噴射制御、点火制御等を実行する。この際、MGECU90は、要求される電力をモータジェネレータMGが生成または消費するようにインバータ30およびDC/DCコンバータ60をスイッチング制御する。本実施形態において、車両1の走行中、モータジェネレータMGは、主に、負荷運転されるエンジン10からの動力の一部を用いて電力を生成する発電機として動作すると共に、高電圧バッテリ40からの電力により適宜駆動されて駆動トルク(アシストトルク)をエンジン10のクランクシャフト11に出力する。更に、車両1の制動に際して、モータジェネレータMGは、回生制動トルクをエンジン10のクランクシャフト11に出力する。
また、エンジンECU70は、上記スタートスイッチがオンされた直後に予め定められたスタータ始動条件が成立した場合、システムメインリレーSMRを開成させたまま、クランクシャフト11にクランキングトルクを出力するようにスタータ15を制御してエンジン10を始動させる。この際、スタータ15は、低電圧バッテリ50からの電力により駆動される。本実施形態において、スタータ始動条件は、エンジン10を始動させるタイミングでの電池温度(あるいは外気温度)が所定温度未満であるとき、エンジン10を始動させるタイミングでのバッテリ電圧Vbが所定電圧未満であるとき、スタートスイッチがオンされた直後に実行される各種動作チェックが所定時間経過しても完了していないとき、スタータ15の劣化防止のために予め定められたスタータ15を強制的に使用するタイミングが到来したとき等に成立する。
このようにエンジン10がスタータ15により始動された場合、モータジェネレータMG(ロータR)は、高圧バッテリ40からの電力の供給を受けることなく運転中すなわち始動後のエンジン10のクランクシャフト11に連れ回り(空転し)、当該モータジェネレータMGでは、ロータRの回転に伴って逆起電力(逆起電圧)が発生する。このため、エンジン10の始動後にモータジェネレータMG等を作動させるべくシステムメインリレーSMRを閉成させた場合、モータジェネレータMGで発生した逆起電力に基づく過大な電流(逆起電流)が印加されてリレーが故障(オン故障またはオフ故障)してしまうおそれがある。
これを踏まえて、車両1では、スタートスイッチがオンされると、システムメインリレーSMRの閉成の許否を判定すべく図3に示すリレー閉成許否ルーチンが制御装置としてのMGECU90により所定時間(微小時間)おきに繰り返し実行される。図3のルーチンの開始に際して、MGECU90は、モータジェネレータMGの回転数Nmや、高電圧バッテリ40のバッテリ電圧Vb、フラグFsmrの値といったシステムメインリレーSMRの閉成の許否判定に必要な情報を取得する(ステップS100)。回転数Nmは、図示しない回転位置センサ(レゾルバ)により検出されるモータジェネレータMGのロータRの回転位置に基づいてMGECU90により別途算出されるものである。バッテリ電圧Vbは、電圧検出回路45により検出されるものである。フラグFsmrは、スタートスイッチがオンされた直後等にシステムメインリレーSMRが開成(オフ)されているときに“0”に設定されると共に、システムメインリレーSMRが閉成(オン)されているときに“1”に設定されるものである。
ステップS100の処理の後、MGECU90は、フラグFsmrの値に基づいてシステムメインリレーSMRが開成されているか否かを判定し(ステップS110)、システムメインリレーSMRが開成されていると判定した場合(ステップS110:YES)、モータジェネレータMGの回転数Nmが予め定められた閾値Nrefを上回っているか否かを判定する(ステップS120)。ステップS120にて用いられる閾値Nrefは、モータジェネレータMG(ロータR)が回転しているか否かを判定するためのものであり、ゼロまたはアイドル回転数未満のゼロに近い正の値に定められている。
システムメインリレーSMRが開成されており、かつモータジェネレータMGの回転数Nmが閾値Nrefを上回っている場合、スタータ15によりエンジン10が始動され、モータジェネレータMGが運転中のエンジン10(クランクシャフト11)に連れ回っていることになる。この場合、バッテリ電圧VbとモータジェネレータMGで発生した逆起電圧との関係によっては、モータジェネレータMGからの逆起電流がインバータ30を介して高電圧バッテリ40側に流れるおそれがある。このため、回転数Nmが閾値Nrefを上回っていると判定した場合(ステップS120:YES)、MGECU90は、バッテリ電圧Vbが予め定められたリレー閉成許可電圧Vref未満であるか否かを判定する(ステップS130)。ステップS130にて閾値として用いられるリレー閉成許可電圧Vrefは、モータジェネレータMGがエンジン10に連れ回る際に生じる逆起電圧および逆起電流の範囲や、システムメインリレーSMRの耐電流等に基づいて予め適合される一定値である。
バッテリ電圧Vbがリレー閉成許可電圧Vref未満であると判定した場合(ステップS130:YES)、MGECU90は、逆起電流がモータジェネレータMGから高電圧バッテリ40側に流れるおそれがあるとみなしてシステムメインリレーSMRの閉成すなわちモータジェネレータMGの作動(DC/DCコンバータ60による電力変換)を禁止し(ステップS140)、次の実行タイミングの到来に応じてステップS100以降の処理を実行する。これに対して、バッテリ電圧Vbがリレー閉成許可電圧Vref以上であると判定した場合(ステップS130:NO)、MGECU90は、逆起電流がモータジェネレータMGから高電圧バッテリ40側に流れるおそれがないとみなしてシステムメインリレーSMRの閉成を許可し(ステップS150)、次の実行タイミングの到来に応じてステップS100以降の処理を実行する。
一方、モータジェネレータMGの回転数Nmが閾値Nref以下である場合、モータジェネレータMGまたはスタータ15によりエンジン10が始動されておらず、エンジン10およびモータジェネレータMGの回転が停止していることになる。このため、MGECU90は、モータジェネレータMGの回転数Nmが閾値Nref以下であると判定した場合(ステップS120:NO)、その後のモータジェネレータMGによるエンジン10の始動(クランキング)を許容すべくシステムメインリレーSMRすなわちモータジェネレータMGの作動(およびDC/DCコンバータ60による電力変換)の閉成を許可し(ステップS150)、次の実行タイミングの到来に応じてステップS100以降の処理を実行する。そして、MGECU90は、フラグFsmrの値に基づいてシステムメインリレーSMRが閉成されたと判定した時点で、図3のルーチンを終了させる。
なお、本実施形態において、スタータ15によりエンジン10が始動された場合、車両1の駐車後にスタートスイッチがオフされるまでエンジン10の運転停止が禁止され、ステップS120にて肯定判断がなされることになる。また、ステップS140にてシステムメインリレーSMRの閉成が一旦禁止されると、モータジェネレータMGにより発電された電力で高電圧バッテリ40を充電し得なくなることから、バッテリ電圧Vb(SOC)を高くすることができなくなる。従って、スタートスイッチがオンされた後、ステップS140にてシステムメインリレーSMRの閉成が一旦禁止されると、車両1の駐車後にスタートスイッチがオフされるまで、ステップS140にてシステムメインリレーSMRの閉成が継続して禁止されることになる。
上述のように、車両1の制御装置の1つであるMGECU90は、スタータ15により始動されて運転中のエンジン10のクランクシャフト11にモータジェネレータMGが連れ回っており(ステップS120:YES)、かつ高電圧バッテリ40のバッテリ電圧Vbがリレー閉成許可電圧Vref(所定値)以上であるときに(ステップS130:NO)、システムメインリレーSMRの閉成を許可する(ステップS150)。すなわち、高電圧バッテリ40のバッテリ電圧Vbが十分に高いときには、運転中すなわち始動後のエンジン10のクランクシャフト11に連れ回るモータジェネレータMGで逆起電力が発生しても、逆起電流がモータジェネレータMGから高電圧バッテリ40側に流れないことから、システムメインリレーSMRの閉成を許可することができる。
これに対して、MGECU90は、スタータ15により始動されて運転中のエンジン10のクランクシャフト11にモータジェネレータMGが連れ回っており(ステップS120:YES)、かつ高電圧バッテリ40のバッテリ電圧Vbがリレー閉成許可電圧Vref未満であるときに(ステップS130:YES)、システムメインリレーSMRの閉成を禁止する(ステップS140)。これにより、高電圧バッテリ40の電圧が低下しているときには、運転中のエンジン10のクランクシャフト11に連れ回るモータジェネレータMGで逆起電力が発生しても、システムメインリレーSMRを開成させて逆起電流がシステムメインリレーSMRに流れてしまうのを抑制することができる。この結果、エンジン10と、クランクシャフト11に切り離し不能に連結されたモータジェネレータMGと、システムメインリレーSMRを介して当該モータジェネレータMGに接続される高電圧バッテリ40とを含む車両1において、スタータ15によるエンジン10の始動後にシステムメインリレーSMRの閉成が要求されたときに当該システムメインリレーSMRを良好に保護することが可能となる。
なお、車両1では、モータジェネレータMGがエンジン10のクランクシャフト11に切り離し不能に連結されていることから、図3のステップS120では、エンジン10の回転数Neと予め定められた閾値とを比較してモータジェネレータMGがクランクシャフト11に連れ回っているか否かを判定してもよい。また、高電圧バッテリ40のSOCは、バッテリ電圧Vbやバッテリ温度等に基づいて算出され、当該バッテリ電圧Vbと相関を有する。従って、図3のステップS130では、高電圧バッテリ40のSOCと予め定められた閾値とを比較して逆起電流がモータジェネレータMGから高電圧バッテリ40側に流れるおそれがあるか否かを判定してもよい。
更に、スタータ15によりエンジン10が正常に始動させられた場合には、モータジェネレータMGが必ずクランクシャフト11に連れ回ることになる。従って、車両1において、図4に示すリレー閉成許否ルーチンがMGECU90により実行されてもよい。車両1に図4のリレー閉成許否ルーチンが適用される場合、MGECU90は、スタータ15によりエンジン10が正常に始動させられたことが確認された時点で、高電圧バッテリ40のバッテリ電圧Vbを取得し(ステップS105)、バッテリ電圧Vbがリレー閉成許可電圧Vref未満であるか否かを判定する(ステップS130)。そして、MGECU90は、バッテリ電圧Vbがリレー閉成許可電圧Vref未満であると判定した場合(ステップS130:YES)、システムメインリレーSMRの閉成を禁止して(ステップS140)、図4のルーチンを終了させる。これに対して、バッテリ電圧Vbがリレー閉成許可電圧Vref以上であると判定した場合(ステップS130:NO)、MGECU90は、システムメインリレーSMRの閉成を許可して(ステップS150)、図4のルーチンを終了させる。
また、上記実施形態において、システムメインリレーSMRおよび出力側リレーRoとして半導体リレーが採用されているが、これに限られるものではない。すなわち、システムメインリレーSMRおよび出力側リレーRoの双方または何れか一方は、有接点リレー(メカニカルリレー)であってもよい。
以上説明したように、本開示の車両の制御装置は、運転中の内燃機関の出力軸に電動機が連れ回っており、かつ蓄電装置の電圧が所定値以上であるときに、リレーの閉成を許可する。すなわち、蓄電装置の電圧が十分に高いときには、運転中すなわち始動後の内燃機関の出力軸に連れ回る電動機で逆起電力が発生しても、逆起電流が電動機から蓄電装置側に流れないことから、リレーの閉成を許可することができる。これに対して、当該制御装置は、運転中の内燃機関の出力軸に電動機が連れ回っており、かつ蓄電装置の電圧が所定値未満であるときに、リレーの閉成を禁止する。これにより、蓄電装置の電圧が低下しているときには、運転中の内燃機関の出力軸に連れ回る電動機で逆起電力が発生しても、リレーを開成させて当該逆起電力に基づく電流(逆起電流)がリレーに流れてしまうのを抑制することができる。この結果、内燃機関と、当該内燃機関の出力軸に切り離し不能に連結された電動機と、リレーを介して当該電動機に接続される蓄電装置とを含む車両において、内燃機関の始動後にリレーの閉成が要求されたときに当該リレーを良好に保護することが可能となる。
また、前記制御装置は、前記電動機の回転数または前記内燃機関の前記出力軸の回転数に基づいて運転中の前記内燃機関の前記出力軸に前記電動機が連れ回っているか否か判定すると共に、前記蓄電装置の実電圧またはSOCに基づいて前記蓄電装置の電圧が所定値未満であるか否かを判定するものであってもよい。
更に、前記内燃機関は、前記蓄電装置とは異なる他の蓄電装置からの電力により駆動されると共に前記出力軸にクランキングトルクを出力して前記内燃機関を始動させるスタータを含み、前記電動機または前記スタータによりクランキングされて始動されるものであってもよい。
また、前記制御装置は、前記スタータにより前記内燃機関が始動された後に前記蓄電装置の電圧が所定値以上であるときに、リレーの閉成を許可すると共に、前記スタータにより前記内燃機関が始動された後に前記蓄電装置の電圧が所定値未満であるときに、リレーの閉成を禁止するものであってもよい。
更に、前記リレーは、半導体リレーであってもよく、有接点リレーであってもよい。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記実施形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本開示の発明は、車両の製造産業等において利用可能である。
1 車両、10 エンジン、15 スタータ、17 伝動機構、20 動力伝達装置、30 インバータ、40 高電圧バッテリ、45 電圧検出回路、70 エンジン電子制御装置(エンジンECU)、90 モータ電子制御装置(MGECU)、MG モータジェネレータ、R ロータ、SMR システムメインリレー。
Claims (1)
- 内燃機関と、前記内燃機関の出力軸に切り離し不能に連結された電動機と、リレーを介して前記電動機に接続される蓄電装置とを含むハイブリッド車両の制御装置であって、
運転中の前記内燃機関の前記出力軸に前記電動機が連れ回っており、かつ前記蓄電装置の電圧が所定値以上であるときに、前記リレーの閉成を許可すると共に、運転中の前記内燃機関の前記出力軸に前記電動機が連れ回っており、かつ前記蓄電装置の電圧が前記所定値未満であるときに、前記リレーの閉成を禁止するハイブリッド車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022001471A JP2023101097A (ja) | 2022-01-07 | 2022-01-07 | 車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2022001471A JP2023101097A (ja) | 2022-01-07 | 2022-01-07 | 車両の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023101097A true JP2023101097A (ja) | 2023-07-20 |
Family
ID=87201773
Family Applications (1)
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JP2022001471A Pending JP2023101097A (ja) | 2022-01-07 | 2022-01-07 | 車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023101097A (ja) |
-
2022
- 2022-01-07 JP JP2022001471A patent/JP2023101097A/ja active Pending
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