JP2023098301A - 電子部品及び電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023098301000001
【課題】金属膜に導電性部材を接触する際、金属膜と導電性部材との接触抵抗を抑制可能である電子部品を提供する。
【解決手段】電子部品1は、第1面3及び第2面4を有する素体2と、素体内に設けられ、第1面から露出する第1部分8及び第2面から露出する第2部分9を含む電気素子と、第1面に設けられ、第1部分に接続される第1外部電極11と、第2面に設けられ、第2部分に接続される第2外部電極とを備える。第1外部電極は、第1金属膜13を含む。第1金属膜は、第1部分の少なくとも一部を覆う第1金属層14と、第1金属層上に設けられた第2金属層15と、を有する。第1金属層は、遷移金属を主成分とし、第2金属層は、貴金属を主成分とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子部品及び電子部品の製造方法に関する。
従来、電気特性を発現する素子とそれを封止する外装体とからなり、外装体の端面に電気素子の一部が引き出されている構造の電子部品が広く知られている。
特許文献1(WO19/087692号公報)には、陽極と陰極を備えるコンデンサ素子を外装体によって封止し、外装体の端面から引き出された陽極及び陰極に金属層を形成した後に、導電性ペーストを塗布することで外部電極を形成した電子部品が示されている。
WO19/087692号公報
ところで、特許文献1に記載された構造では、外部電極の形成のために金属膜に導電性ペーストを塗布している。また、金属膜の例として、ニッケルなどの金属が記載されている。このような構造では接触抵抗を低減させるには不十分であり、ESR(Equivalent series resistance:等価直列抵抗)を低減させる余地があることが分かった。
そこで、本発明は、導電性ペーストを金属膜に塗布する際、導電性ペーストと金属膜との接触抵抗を抑制することで、ESRを低減した電子部品及びその電子部品の製造方法を提供する。
上記目的を達成するために本発明の一態様では、第1面及び第2面を有する素体と、素体内に設けられ、第1面から露出する第1部分及び第2面から露出する第2部分を含む電気素子と、第1面に設けられ、第1部分に接続される第1外部電極と、第2面に設けられ、第2部分に接続される第2外部電極とを備え、第1外部電極は、金属膜を含み金属膜は、第1部分の少なくとも一部を覆う第1金属層と、第1金属層上に設けられた第2金属層と、を有し、第1金属層は、遷移金属を主成分とし、第2金属層は、貴金属を主成分とする、電子部品が提供される。
また、上記目的を達成するために本発明の一態様では、素体の外面から電気素子の第1部分および第2部分が露出するように、素体内に電気素子を設ける、電気素子形成工程と、前記第1部分に接続するように、素体の外面に第1外部電極を設ける、第1外部電極形成工程と、第2部分に接続するように、素体の外面に第2外部電極を設ける、第2外部電極形成工程と、を備え、第1外部電極形成工程は、第1部分を覆うように第1金属膜を設ける、第1金属膜形成工程を有し第1金属膜形成工程は、第1部分の少なくとも一部を覆うように遷移金属を主成分とする第1金属層を設ける、第1金属層形成工程と、第1金属層上に貴金属を主成分とする第2金属層を設ける、第2金属層形成工程とを有する、電子部品の製造方法が提供される。
本発明の一態様に係る電子部品によれば、金属膜に導電性部材を接触する際、金属膜と導電性部材との接触抵抗を抑制可能である。
本発明の一態様に係る電子部品の製造方法によれば、金属膜に導電性部材を接触する際、金属膜と導電性部材との接触抵抗を抑制した電子部品のコストを低減できる。
図1は、本発明に係る電子部品の一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1のII-II線断面図である。 図3は、図2のA部の拡大図である。 図4は、図2のB部の拡大図である。 図5は、第1外部電極の変形例を示した一部拡大図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。各々の実施形態では、その実施形態以前に説明した点と異なる点について主に説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態ごとには逐次言及しない。以下の実施形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさ及び大きさの比は、必ずしも厳密ではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する場合がある。
本発明の実施形態では、本発明に係る電子部品は、固体電解コンデンサを例として説明する。なお、本発明に係る電子部品は固体電解コンデンサに限定されない。素体内部に電気素子を備え、両端面から電気素子の一部が露出している電子部品であってもよい。
図1は、本発明に係る電子部品の一例を模式的に示す斜視図である。図2は、図1のII-II線断面図である。
また、以下の説明では、電子部品1の有する各方向について電子部品1の長さ方向、幅方向、高さ方向として説明するが、それぞれ図1に示したX方向、Y方向、Z方向に対応する。また、素体2も長さ方向、幅方向、高さ方向を有し、素体2の各方向は、電子部品1の各方向と一致する。
図1と図2に示すように、電子部品1は第1面3及び第2面4を有する素体2と、素体2内に設けられ、第1面3から露出する第1部分8及び第2面4から露出する第2部分9を含むコンデンサ素子5と、第1面3に設けられ、第1部分8に接続される第1外部電極11と、第2面4に設けられ、第2部分9に接続される第2外部電極12とを備える。なお、コンデンサ素子5は、本発明における「電気素子」の一例である。
素体2は長さ方向、幅方向、高さ方向のそれぞれの両端部が面となる直方体形状である。このうち、素体2の長さ方向の両端部に位置する面を第1面3及び第2面4とする。図1に示すように、第1面3は第1外部電極11と接触し、第2面4は第2外部電極12と接触する。なお、第1面3と第2面4を、長さ方向に対向する位置に配置されている面としたが、対向しないで交差する位置に配置されている面としてもよい。
なお、素体2は直方体状には限定されない。また、第1面3や第2面4は、平坦面であるが、曲面であってもよく、または、凹部や凸部を有する形状であってもよく、または、複数の面から構成されていてもよい。これらの場合、長さ方向の端部の少なくとも一部と、第1外部電極11又は第2外部電極12とが接していればよい。また、素体2は、部分的に又は全体にテーパー形状を有していてもよく、角が面取りされていてもよい。
素体2は、コンデンサ素子5の周囲を封止する封止樹脂から構成される。素体2は、好ましくは樹脂及びフィラーを含む。樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、液晶ポリマー等の絶縁性樹脂を用いることが好ましい。封止樹脂の形態は、固形樹脂、液状樹脂いずれも使用可能である。また、フィラーとしては、例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子、金属粒子等の無機粒子を用いることが好ましい。固形エポキシ樹脂とフェノール樹脂にシリカ粒子を含む材料を用いることがより好ましい。などの樹脂から構成される
樹脂成形体の成形方法としては、固形封止材を用いる場合は、コンプレッションモールド、トランスファーモールド等の樹脂モールドを用いることが好ましく、コンプレッションモールドを用いることがより好ましい。また、液状封止材を用いる場合は、ディスペンス法や印刷法等の成形方法を用いることが好ましい。
コンデンサ素子5は複数組の第1内部電極6と第2内部電極7と誘電体10と有し、複数組の第1内部電極6と第2内部電極7と誘電体10とが、Z方向に積層されている。なお、コンデンサ素子5は1組の第1内部電極6と第2内部電極7と誘電体10とから構成されていてもよい。
図3は、図2のA部の拡大図である。図2と図3に示すように、本実施形態では、電子部品1として固体電解コンデンサを例として説明しているため、第1内部電極6は芯部6aと芯部6aの表面にそって形成される多孔質部6bを有する弁作用金属基体である。
弁作用金属基体を構成する作用金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、ケイ素等の金属単体、又は、これらの金属を含む合金等が挙げられる。これらの中では、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
弁作用金属基体の形状は特に限定されないが、平板状であることが好ましく、箔状であることがより好ましい。また、多孔質部6bは塩酸等によりエッチング処理されたエッチング層であることが好ましい。
また、エッチング前の弁作用金属基体の厚さが60μm以上であることが好ましく、180μm以下であることが好ましい。また、エッチング処理後にエッチングされていない弁作用金属基体(芯部6a)の厚さが10μm以上であることが好ましく、70μm以下であることが好ましい。多孔質部6bの厚さは電解コンデンサに要求される耐電圧、静電容量に合わせて設計されるが、弁作用金属基体の両側の多孔質部6bを合わせて10μm以上であることが好ましく、120μm以下であることが好ましい。
また、第1内部電極6は第1面3から第1部分8が露出している。なお、「第1部分8が露出する」とは、図2に示すような第1部分8と第1面3とが面一になっている形状に限定されない。素体2の外部から、第1外部電極11が第1部分8に接触できるような構造であればよい。具体的には、第1面3から第1部分8が突出していてもよいし、第1外部電極11の一部が、素体2に入り込み接続されていてもよい。つまり、「内部電極が第1面から露出する」とは、内部電極が第1面に覆われておらず第1面に対して露出することをいい、内部電極および第1面が他の部材に覆われて内部電極が外部に露出していなくてもよく、第1面を基準として内部電極が露出していればよい。また、実際の製品では、外部端子を取り除くことで若しくは当該部分の断面において、内部電極が第1面から露出しているか否かを判断することができる。
換言すれば、第1部分8は、第1外部電極11と接続する部分である。すなわち、図2に示したような面に限定されない。先述したような、第1部分8が第1面3から突出している場合、突出している部分が第1部分8となる。なお、図2に示したようにコンデンサ素子5が、複数の第1内部電極6を備える場合、第1部分8も複数存在することとなる。
図4は、図2のB部の拡大図である。図2と図4に示すように、第2内部電極7は、固体電解質層7aと、固体電解質層7a上に形成される導電層7bと、導電層7b上に配置される陰極引き出し層7cとを含む。また、図4に示すように固体電解質層7aと導電層7bと、陰極引き出し層7cとが積層されていることが好ましい。
固体電解質層7aを構成する材料としては、例えば、ピロール類、チオフェン類、アニリン類等を骨格とした導電性高分子等が挙げられる。チオフェン類を骨格とする導電性高分子としては、例えば、PEDOT[ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)]が挙げられ、ドーパントとなるポリスチレンスルホン酸(PSS)と複合化させたPEDOT:PSSであってもよい。
固体電解質層7aは、例えば、3,4-エチレンジオキシチオフェン等のモノマーを含む処理液を用いて、誘電体層の表面にポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)等の重合膜を形成する方法や、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)等のポリマーの分散液を誘電体層の表面に塗布して乾燥させる方法等によって形成される。なお、細孔(凹部)を充填する内層用の固体電解質層7aを形成した後、誘電体10全体を被覆する外層用の固体電解質層7aを形成することが好ましい。
固体電解質層7aは、上記の処理液または分散液を、スポンジ転写、スクリーン印刷、スプレー塗布、ディスペンサ、インクジェット印刷等によって誘電体層上に塗布することにより、所定の領域に形成することができる。固体電解質層7aの厚さは2μm以上であることが好ましく、20μm以下であることが好ましい
導電層7bは、固体電解質層7aと陰極引き出し層7cとを電気的におよび機械的に接続させるために設けられている。例えば、カーボンペースト、グラフェンペースト、銀ペーストのような導電性ペーストを付与することによって形成されてなるカーボン層、グラフェン層又は銀層であることが好ましい。また、カーボン層やグラフェン層の上に銀層が設けられた複合層や、カーボンペーストやグラフェンペーストと銀ペーストを混合する混合層であってもよい。
導電層7bは、カーボンペースト等の導電性ペーストをスポンジ転写、スクリーン印刷、スプレー塗布、ディスペンサ、インクジェット印刷等によって固体電解質層7a上に形成することにより形成することができる。なお、導電層7bが乾燥前の粘性のある状態で、次工程の陰極引き出し層7cを積層することが好ましい。導電層7bの厚みは2μm以上であることが好ましく、20μm以下であることが好ましい。
陰極引き出し層7cは、金属箔により形成することができる。金属箔の場合は、Al、Cu、Ag及びこれらの金属を主成分とする合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属からなることが好ましい。金属箔が上記の金属からなると、金属箔の抵抗値を低減させることができ、ESRを低減させることができる。
また、金属箔として、表面にスパッタや蒸着等の成膜方法によりカーボンコートやチタンコートがされた金属箔を用いてもよい。カーボンコートされたAl箔を用いることがより好ましい。金属箔の厚みは特に限定されないが、製造工程でのハンドリング、小型化、およびESRを低減させる観点からは、20μm以上であることが好ましく、50μm以下であることが好ましい。
また、第2内部電極7は第2面4から第2部分9が露出している。なお、「第2部分9が露出する」とは、図2に示すような第2部分9と第2面4とが面一になっている形状に限定されない。素体2の外部から、第2外部電極12が第2部分9に接触できるような構造であればよい。具体的には、第2面4から第2部分9が突出していてもよいし、第2外部電極12の一部が素体2に入り込み、第2部分9と接続されていてもよい。「内部電極が第2面から露出する」とは、「内部電極が第1面から露出する」と同様に、内部電極が第2面に覆われておらず第2面に対して露出することをいう。実際の製品の判断方法についても同様である。
同様に、第2部分9は、第2外部電極12と接続する部分である。すなわち、図2に示したような面に限定されない。先述したような、第2部分9が第2面4から突出している場合、突出している部分が第2部分9となる。なお、図2に示したようにコンデンサ素子5が、複数の第2内部電極7を備える場合、第2部分9も複数存在することとなる。
図2と図3に示すように、誘電体10は、第1内部電極6に使用された弁作用金属の酸化被膜からなることが好ましい。例えば、弁作用金属基体としてアルミニウム箔が用いられる場合、ホウ酸、リン酸、アジピン酸、又は、それらのナトリウム塩、アンモニウム塩等を含む水溶液中で陽極酸化することにより、誘電体層となる酸化皮膜を形成することができる。
誘電体10は第1内部電極6の多孔質部6bの表面に沿って形成されることにより細孔(凹部)が形成されていることが好ましい。誘電体10の厚さは電解コンデンサに要求される耐電圧、静電容量に合わせて設計されるが、3nm以上であることが好ましく、200nm以下であることが好ましい。
図2、図3、図4に示すように、第1外部電極11は、前述したように第1部分8と電気的に接続される。なお、第1外部電極11は少なくとも第1部分8と接触していればよいが、図2に示したように第1面3の全体を覆っていることが好ましい。
第2外部電極12は、前述したように第2部分9と電気的に接続される。なお、第2外部電極12は少なくとも第2部分9と接触していればよいが、図2に示したように第2面4の全体を覆っていることが好ましい。
第1外部電極11は、第1金属膜13を含む。第1金属膜13は、第1部分8の少なくとも一部を覆う第1金属層14と、第1金属層上に設けられた第2金属層15と、を有する。第1金属層14は、遷移金属を主成分とし、第2金属層15は、貴金属を主成分とする。ここで、「遷移金属を主成分とする」とは、実質的に、不純物以外の遷移金属と異なる他の成分は含まないことをいう。また、「貴金属属を主成分とする」とは、実質的に、不純物以外の貴金属と異なる他の成分は含まないことをいう。
第1金属膜13は図3に示すように、第1部分8に接触している。なお、第2金属層15と第1部分8とが接触しないような構造が採られることを前提として、第1金属層14は第1部分8の少なくとも一部を覆っていればよい。
なお、本明細書でいう「第1金属層が第1部分の少なくとも一部を覆う」とは、第1部分8と第2金属層15との間に、第1金属層14が配置されていることを示す。具体的には、図2に示したように第1金属層14と第1部分8とが直接接触する形で覆っていてもよいし、第1金属層14と第1部分8との間に異なる金属層が配置されていてもよい。
また、第1金属層14は図2で示したような配置に限定されない。具体的には、第1金属層14は、第1面3の全体を覆っていてもよく、第1金属層14の一部が、素体2の上面又は下面を覆っていてもよい。また、第1金属層14は、第1部分8のみを覆うように配置されていてもよい。
第2金属層15は、第1金属層14上に設けられる。なお、第1金属層14上とは、第1金属層14に対して、第1内部電極6と反対側のことを指す。第2金属層15は図3に示すように、第1金属層14と接触していてもよいし、第1金属層14と第2金属層15との間に中間層が配置されていてもよい。
本実施形態では、第1金属層14に対して、第1内部電極6の反対側には第1導電性部材19が配置されている。第1導電性部材の例としてはAgやCuなどの金属フィラーを含有させ導電性を持たせた樹脂ペーストや、金属端子などが挙げられる。
第1金属層14の主成分となる遷移金属の例としては、TiやCr,Niなどが挙げられる。第2金属層15の主成分となる貴金属としては、AuやAg,Ptなどが挙げられる。このような構成にすることで、第1外部電極11の接触抵抗を低減し、ESRの上昇を抑制できる。
上記の効果について詳細に説明する。コンデンサのESRを低減するためには、接触抵抗を低減することが好ましい。第1外部電極11の接触抵抗には、第1導電性部材19と接触する部分及び第1内部電極6と接触する部分の影響が大きい。例えば、第1金属膜13を第1導電性部材19と第1内部電極6との間に配置した場合、第1金属膜13のうち第1導電性部材19と接触する部分と第1導電性部材19との間の接触抵抗及び第1金属膜13のうち第1内部電極6と接触する部分と第1内部電極6との間の接触抵抗の影響が大きい。
本発明の発明者は、上記のように第1金属膜13を設けた構造でも第1金属膜13のうち、導電性部材と接触する部分と、導電性部材との間の接触抵抗が電子部品のESRを上昇させる虞がある、という課題を見出した。
上記課題を解決するために、第1金属膜13のうち導電性部材と接触する部分である第2金属層15を、導電性部材との接触抵抗が低い貴金属を主成分とすることで、導電性部材と第1金属膜13との間に発生する接触抵抗を抑制することができる。
貴金属を主成分とする層は、第1内部電極6に弁作用金属としてアルミニウムを用いた場合、第1内部電極6との間に相互拡散が生じる虞がある。相互拡散が生じた場合、貴金属が第1内部電極6に拡散し、第1内部電極6と導電性部材が接触しESRが上昇する虞がある。また、第1金属膜13の全てが貴金属を主成分とすると、当然ながらコスト面の上昇が避けられない。
したがって、第1内部電極6との相互拡散が生じない遷移金属を主成分とする第1金属層14を、第1内部電極6を覆うように設けることで、第1内部電極6と第2金属層15との相互拡散を抑制することができ、第1金属膜13の必要な厚みを確保することができる。
すなわち、第1外部電極11が遷移金属を主成分とする第1金属層14と、貴金属を主成分とする第2金属層15とを有することで、接触抵抗を低減し、かつ、コストの増加を抑制した電子部品を提供することができる。
第1金属層14は図3で示した形状に限定されない。前述したように、第1内部電極6と第2金属層15との間に配置されていればよく、例えば第1内部電極6と第1金属層14との間に空隙を有していてもよい。また、第1金属層14は、第1部分8にのみ接触していてもよいが、図3で示したように、第1部分8の周囲に配置された第1面3に接触していることが好ましい。位置ずれによる、第1内部電極6と第2金属層15との接触を防止することができる。
第2金属層15は第1導電性部材19と接触していることが好ましく、第1導電性部材19の全体と接触していることがより好ましい。このようにすることで、第1導電性部材19と第1金属層14又は第1内部電極6との接触を抑制することができる。上述したように、第1導電性部材19と第1金属層14又は第1内部電極6とが接触すると、接触抵抗が増加する。すなわち、上記のような構造にすることで接触抵抗を低減し、ESRの上昇を抑制できる。
第2金属層15は、電極ペーストのスクリーン印刷により第1金属層14の全体に重なるように形成された印刷樹脂電極層であることが好ましい。電極ペーストをディップで形成する場合と比べて、第1外部電極11を平坦にすることができる。すなわち、第1外部電極11の膜厚均一性が向上する。
また、電極ペーストは有機溶媒を含んでいてもよく、有機溶媒としてはグリコールエーテル系の溶媒を使用することが好ましい。例えばジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。また、必要に応じて添加剤を用いてもよい。添加剤は電極ペーストのレオロジー、特にチクソ性の調整に有用である。添加剤の含有量は、電極ペーストの重量に対して5重量%未満であることが好ましい。
また、第1導電性部材19上にめっき層21を備えていることが好ましい。なお、第1導電性部材19上とは、第1導電性部材に対して、第1内部電極6と反対側を指す。めっき層21を設けることで、はんだを用いた部品実装を行う際、めっき層21に半田が濡れひろがり実装が容易となる。
めっき層21は、Niめっき層又はSnめっき層であることが好ましい。また、Niめっき層と、Snめっき層の多層構造であってもよい。その場合、Snめっき層がNiめっき層上に設けられることが好ましい。なお、Niめっき層上とは、Niめっき層に対して、第1内部電極6と反対側のことを指す。
また、第1金属膜13の厚みは100nm以上2000nm以下であることが好ましい。第1金属膜13の厚みが100nm以下の場合、第1金属膜13の厚みにムラが生じやすくなる。第1金属膜13の厚みを100nm以上とすることで、第1金属膜13の厚みを均一に近づけることができる。また、第1金属膜13の厚みを2000nm以上とすることで第1外部電極11の厚みを低減することができる。
第1金属膜13の厚みを100nm以上2000nm以下にすることで、第1外部電極11と第1内部電極6との間の接触抵抗を十分に抑制し、かつ第1外部電極11の厚みを低減することができる。なお、第1金属膜13の厚み、とは電子部品1の長さ方向(X方向)における寸法を指す。また、厚みが一定でない場合、長さ方向の寸法における平均値を厚みとする。実際には、第1金属膜13のY方向の中心におけるXZ断面を研磨によって露出させ電子顕微鏡によって測定する。以下、厚みの測定は同様とする。
また、第1金属膜13の層数は限定されない。第1金属層14と第2金属層15によって構成されていてもよいし、上述したように、第1金属層14と第2金属層15との間に中間層を備えていてもよい。なお、第1金属層14と第2金属層15によって構成されていることで、印刷時の形成を容易にすることができる。
また、第2金属層15の厚みは、第1金属層14の厚みより薄いことが好ましい。
貴金属を主成分とする第2金属層15の厚みを、遷移金属を主成分とする第1金属層14の厚みより薄くすることで、第1内部電極6との間の接触抵抗を抑制し、かつコストを低減した第1外部電極11を実現できる。なお、第1金属層14及び第2金属層15の厚み、とは電子部品1の長さ方向(X方向)における寸法を指す。また、厚みが一定でない場合、長さ方向の寸法における平均値を厚みとする。
また、第2金属層15の厚みは、50nm以上270nm以下であることが好ましい。第2金属層15の厚みが50nm以下の場合、第2金属膜15の厚みにムラが生じやすくなる。第2金属層15の厚みを50nm以上とすることで、第2金属膜15の厚みを均一に近づけることができる。また、第2金属膜15の厚みを270nm以上とすることで第1外部電極11の厚みを低減することができる。
第2金属層15の厚みを50nm以上270nm以下にすることで、1金属膜13の厚みを100nm以上2000nm以下にすることで、第1外部電極11と第1内部電極6との間の接触抵抗を十分に抑制し、かつ第1外部電極11の厚みを低減することができる。
第2外部電極12は第1外部電極11と同様の構成効果を有する。つまり、第2金属膜16は、第1金属膜13と同様の構成効果を有する。さらに、第3金属層17は、第1金属層14と同様の構成効果を有し、第4金属層18は、第2金属層15と同様の構成効果を有する。
具体的には、第2外部電極12は、第2金属膜16を含む。第2金属膜16は、第2部分9の少なくとも一部を覆う第3金属層17と、第3金属層17上に設けられた第4金属層18とを有する。第3金属層17は、遷移金属を主成分とし、第4金属層18は、貴金属を主成分とすることが好ましい。以下、図4を参照して第2外部電極12について説明する。図4は、第2内部電極7及び第2外部電極12の一部拡大図である。
図4に示すように、第2金属膜16は、第2部分9に接触している。なお、第3金属層17は第2部分9の少なくとも一部を覆っていればよく、第4金属層18と第1部分8が接触しないような構造であれば良い。具体的には、図2に示したように第3金属層17と第2部分9とが直接接触する形で覆っていてもよいし、第3金属層17と第2部分9との間に異なる金属層が配置されていてもよい。
第4金属層18は、第3金属層17上に設けられる。なお、第3金属層17上とは、第3金属層17に対して、第2内部電極7と反対側のことを指す。第4金属層18は図4に示すように、第3金属層17と接触していてもよいし、第3金属層17と第4金属層18との間に中間層が配置されていてもよい。本実施形態では、第3金属層17に対して、第2内部電極7と反対側に第2導電性部材20が配置されている。
第2外部電極12の接触抵抗は、第1外部電極11と同様に第2導電性部材20と接触する部分及び第2内部電極7と接触する部分の影響が大きい。なお、第1外部電極11と第2外部電極12は同一の構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。
第1金属膜13と同様に、第2金属膜16を設けた構造でも第2金属膜16のうち、導電性部材と接触する部分と、導電性部材との間の接触抵抗が増加する虞がある。
上記課題を解決するために、第1金属膜13と同様に、第2金属膜16のうち導電性部材と接触する部分である第4金属層18を、導電性部材との接触抵抗が低い貴金属を主成分とすることで、導電性部材と第2金属膜16との間に発生する接触抵抗を抑制することができる。
また、第1金属膜13と同様に、第2内部電極7との相互拡散が生じない遷移金属を主成分とする第3金属層17を、第2内部電極7を覆うように設けることで、第2金属膜16の必要な厚みを確保するとともに、第2内部電極7と第4金属層18との相互拡散を抑制することができる。
すなわち、第2外部電極12が遷移金属を主成分とする第3金属層17と、貴金属を主成分とする第4金属層18とを有することで、接触抵抗を低減し、かつ、コストの増加を抑制した電子部品を提供することができる。
第3金属層17は、第1金属層14と同様に図2で示した形状に限定されない。前述したように、第2内部電極7と第4金属層18との間に配置されていればよい。例えば第2内部電極7と第3金属層17との間に空隙を有していてもよい。また、第3金属層17は、第2部分9にのみ接触していてもよいが、図2で示したように、第2部分9の周囲に配置された封止樹脂に接触していることが好ましい。位置ずれによる、第2内部電極7と第4金属層18との接触を防止することができる。なお、第1金属層14と第3金属層17とは同一の金属を主成分としていてもよいし、異なる金属を主成分としていてもよい。
第4金属層18は図2で示した形状に限定されない。導電性部材と接触する部分に配置されていればよい。具体的には、電極ペーストのスクリーン印刷により第2外部電極12の全体に重なるように形成された印刷樹脂電極層であることが好ましい。電極ペーストをディップで形成する場合と比べて、第2外部電極12を平坦にすることができる。すなわち、第2外部電極12の膜厚均一性が向上する。なお、第2金属層15と第4金属層18とは同一の金属を主成分としていてもよいし、異なる金属を主成分としていてもよい。
また、その全体が第4金属層18と接触するように第2導電性部材20を備えていることが好ましい。上述したように、第2導電性部材20が、第3金属層17や第2内部電極7に接触すると接触抵抗が増加してしまう。
第2導電性部材20の例としてはAgやCuなどの金属フィラーを含有させ導電性を持たせた樹脂ペーストや、金属端子などが挙げられる。また、第2導電性部材20と第1導電性部材19とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、第1導電性部材19上のめっき層21と同様に、第2導電性部材20上にめっき層21を備えていることが好ましい。なお、第2導電性部材20上とは、第1導電性部材に対して、第2内部電極7と反対側を指す。
めっき層21は、Niめっき層又はSnめっき層であることが好ましい。また、Niめっき層と、Snめっき層の多層構造であってもよい。その場合、Snめっき層がNiめっき層上に設けられることが好ましい。なお、Niめっき層上とは、Niめっき層に対して、第2内部電極7と反対側のことを指す。なお、第1導電性部材19上に設けられためっき層21と、第2導電性部材20上に設けられためっき層21とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、第2金属膜16の厚みは100nm以上2000nm以下であることが好ましい。第1金属膜13の厚みと同様に、100nm以上2000nm以下にすることで、第2金属膜16の厚みを均一にし、かつ、第2外部電極12の厚みを低減することができる。
第2金属膜16の厚みを100nm以上2000nm以下にすることで、第2外部電極12と第2内部電極7との間の接触抵抗を十分に抑制し、かつ第2外部電極12の厚みを低減することができる。なお、第2金属膜16の厚み、とは電子部品1の長さ方向(X方向)における寸法を指す。また、厚みが一定でない場合、長さ方向の寸法における平均値を厚みとする。第1金属膜13の厚みと第2金属膜16の厚みは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、第2金属膜16の層数は限定されない。第3金属層17と第4金属層18によって構成されていてもよいし、上述したように、第3金属層17と第4金属層18との間に中間層を備えていてもよい。なお、第3金属層17と第4金属層18によって構成されていることで、印刷時の形成を容易にすることができる。
また、第4金属層18の厚みは、第3金属層17の厚みより薄いことが好ましい。
貴金属を主成分とする第4金属層18の厚みを、遷移金属を主成分とする第3金属層17の厚みより薄くすることで、第2内部電極7との間の接触抵抗を抑制し、かつコストを低減した第2外部電極12を実現できる。なお、第3金属層17及び第4金属層18の厚み、とは電子部品1の長さ方向(X方向)における寸法を指す。また、厚みが一定でない場合、長さ方向の寸法における平均値を厚みとする。
また、第4金属層18の厚みは、50nm以上270nm以下であることが好ましい。
第2金属層15の厚みと同様に、第4金属層18の厚みを50nm以上270nm以下にすることで第4金属層18の厚みを均一にし、かつ、第2外部電極12の厚みを低減することができる。
上述したように、第1金属層14や第3金属層17は遷移金属を主成分としているため弁作用金属基体(アルミニウム)との相互拡散が生じない。言い換えれば、第1金属層14や第3金属層17を、遷移金属を主成分として設けることで、第1内部電極6及び第2内部電極7に弁作用金属基体(アルミニウム)を、相互拡散の発生を抑制しながら、設けることができる。
また、第1金属層14は、第1部分8のうち第1金属層14と対向する面の全体と接触していることが好ましい。
前述したように、第1金属層14は第1内部電極6と第2金属層15とが接触しないような構造であれば良いが、図3に示したように、第1金属層14が、第1部分8の全体と接していることで、より確実に第1内部電極6と第2金属層15との接触を防止できる。すなわち、第2金属層15と第1内部電極6との相互拡散を抑制し、接触抵抗を低減することができる。
図3に示したように、第1内部電極6と第1面3とが面一になっている場合、第1部分8は面となるが、第1内部電極6が第1面3から突出している場合、第1部分8は略直方体形状となる。第1金属層14は第1部分8のうち第1金属層14と対向する面の全体と接触していることが好ましく、第1部分8の全体と接触していることがより好ましい。このようにすることで、より確実に第1内部電極6と第2金属層15との接触を防止できる。すなわち、第2金属層15と第1内部電極6との相互拡散を抑制し、接触抵抗を低減することができる。
同様に、第2金属層15は、第2部分9のうち第2金属層15と対向する面の全体と接触していることが好ましく、第2部分9の全体と接触していることが好ましい。
また、第1部分8のうち第1金属層14と対向する面は、第1金属層14と接触する部分と、第1金属層14から離隔対向している部分とを有していてもよい。
第1金属層14が、第1部分8と接触していなくてもよいことは前述したとおりであるが、一部が接触していて一部が離隔していてもよい。以下、図5を参照して第1外部電極11の変形例について説明する。図5は、第1外部電極11の変形例を示した一部拡大図である。
図5で示したように、第1金属層14は第1部分8と接触している部分と、第1部分8と離隔している部分を備えている。
なお、第1金属層14が第1部分8と直接接触していなくてもよく、例えば金属層を介して接触していてもよく、あるいは第1金属層14と第1部分8との間に空隙を有していてもよい。また、接触する部分と、離隔する部分の大小関係は特に限定されない。
また、さらに酸化膜23を備え、酸化膜23は第1金属層14と、第1部分8のうち第1金属層14と対向する面との間に配置されることが好ましい。
言い換えれば、第1金属層14と第1部分8とが、酸化膜23を介して接触している。なお、酸化膜23の大きさは特に限定されない。
同様に、第2部分9のうち第2金属層15と対向する面は、第2金属層15と接触する部分と、第2金属層15から離隔対向している部分とを有していてもよい。接触する部分と、離隔する部分の大小関係は特に限定されない。
同様に、酸化膜23が第2金属層15、と第2部分9のうち第2金属層15と対向する面との間に配置されることが好ましい。なお、酸化膜23の大きさは特に限定されない。
なお、ここまで説明してきたコンデンサの構造はあくまで一例であって、本発明の構造を限定するものではない。コンデンサ素子が素体内部に封入され、第1内部電極との一部が素体から露出しているような構造であればよい。
具体的には、第2金属膜16や第4金属層18は本発明に必須の構成ではない。また、絶縁マスクなど、そのほかの構成要素を備えていてもよい。
また、ここまで実施例として固体電解コンデンサを用いて説明を行ったが、本発明に係る電子部品はコンデンサに限定されない。素体内部に電気素子を備え、両端面から電気素子の一部が露出しているサーミスタやコイルなどの電子部品であってもよい。
[製造方法]
次に、電子部品1の製造方法について図2から図4を参照して説明する。
まず、素体2の第1面3および第2面4からコンデンサ素子5の第1部分8および第2部分9が露出するように、素体2内部にコンデンサ素子5を設ける(以下、電気素子形成工程という)。そして、第1部分8に接続するように、素体2の第1面3に第1外部電極11を設ける(以下、第1外部電極形成工程という)。また、第2部分9に接続するように、素体2の第2面4に第2外部電極12を設ける(以下、第2外部電極形成工程という)。第1外部電極形成工程と第2外部電極形成工程は、どちらを先に行ってもよい。
第1外部電極形成工程では、第1部分8を覆うように第1金属膜13を設ける(以下、第1金属膜形成工程という)。第1金属膜形成工程では、第1部分8の少なくとも一部を覆うように遷移金属を主成分とする第1金属層14を設け(以下、第1金属層形成工程という)、その後、第1金属層14上に貴金属を主成分とする第2金属層15を設ける(以下、第2金属層形成工程という)。
なお、第1面3及び第2面4は、特許請求の範囲に記載の素体の「外面」に相当する。
上記のような製造方法で電子部品1を製造することで、第1外部電極11が、遷移金属を主成分とする第1金属層14と貴金属を主成分とする第2金属層15とを有する、第1金属膜13を含むこととなる。これにより、前述したように第1外部電極11と第1内部電極6との接触抵抗を抑制し、ESRを低減した電子部品を製造することができる。
また、第1金属層形成工程は少なくとも第1部分8に対して逆スパッタリングを行う、逆スパッタリング工程と、第1部分8にスパッタリングによって第1金属層14を設ける、スパッタリング工程と、を有することが好ましい。なお、本明細書中における「逆スパッタリング」とは不活性ガスイオン等を用いた所定部材(内部電極端部に相当)のクリーニングを指し、プラズマクリーニングとも呼ぶことができる。
逆スパッタリング工程を行うことで、第1部分8の酸化膜を除去し、第1部分8と第1金属層14との接触抵抗をさらに低減することができる。なお、酸化膜をすべて除去する必要は無く、逆スパッタを行う面積は必要に応じて調整できる。
また、前述したような第1面3及び第2面4に封止樹脂を備える場合、逆スパッタリングを行うことで樹脂表面の微小な脂分などを除去して封止樹脂と、第1金属膜14との密着性を向上することができる。
さらに、逆スパッタリングを行った後に、連続してスパッタリングにより第1金属層14を設けることで、逆スパッタリングによって除去された酸化膜が大気中で再形成されることを防止できる。
第2外部電極12が第3金属層17を備える場合、同様に第2部分9に対して逆スパッタリングを行い、第2部分9に対してスパッタリングによって第1金属層14を設けることが好ましい。
また、第2金属層形成工程は、第1金属層14上に、スパッタリング又は蒸着によって第2金属層15を形成することが好ましい。
このように第2金属層を形成することにより、第1金属層14と第2金属層15の両方を真空状態で連続的に形成可能であるため、大気中に露出されることによる低分子の吸着を低減でき、より均質な膜質を得ることができる。
第2外部電極12が第4金属層18を備える場合、同様に第3金属層17上に、スパッタリング又は蒸着によって第4金属層18を形成することが好ましい。
なお、各実施形態および製造方法は例示であり、本発明は各実施形態および製造方法に限定されるものではない。また、実施形態及び変形例で示した構成の部分的な置換が可能である。
1 電子部品
2 素体
3 第1面
4 第2面
5 コンデンサ素子
6 第1内部電極
6a 芯部
6b 多孔質部
7 第2内部電極
7a 固体電解質層
7b 導電層
7c 陰極引き出し層
8 第1部分
9 第2部分
10 誘電体
11 第1外部電極
12 第2外部電極
13 第1金属膜
14 第1金属層
15 第2金属層
16 第2金属膜
17 第3金属層
18 第4金属層
19 第1導電性部材
20 第2導電性部材
21 めっき層
23 酸化膜

Claims (20)

  1. 第1面及び第2面を有する素体と、
    前記素体内に設けられ、前記第1面から露出する第1部分及び前記第2面から露出する第2部分を含む電気素子と、
    前記第1面に設けられ、前記第1部分に接続される第1外部電極と、
    前記第2面に設けられ、前記第2部分に接続される第2外部電極と
    を備え、
    前記第1外部電極は、第1金属膜を含み、
    前記第1金属膜は、前記第1部分の少なくとも一部を覆う第1金属層と、第1金属層
    上に設けられた第2金属層と、を有し、
    前記第1金属層は、遷移金属を主成分とし、前記第2金属層は、貴金属を主成分とする、電子部品。
  2. 前記第1外部電極は、さらに、前記第1金属膜に接触する第1導電性部材を含む、請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記第1金属膜の厚みは、100nm以上2000nm以下である、請求項1または2に記載の電子部品。
  4. 前記第2金属層の厚みは、前記第1金属層の厚みよりも薄い、請求項1から3の何れか一つに記載の電子部品。
  5. 前記第2金属層の厚みは、50nm以上270nm以下である、請求項1から4の何れか一つに記載の電子部品。
  6. 前記第1金属膜は、前記第1面の全体を覆う、請求項1から5の何れか一つに記載の電子部品。
  7. 前記第2外部電極は、第2金属膜を含み、
    前記第2金属膜は、前記第2部分の少なくとも一部を覆う第3金属層と、前記第3金属層上に設けられた第4金属層とを有し、
    前記第3金属層は、遷移金属を主成分とし、前記第4金属層は、貴金属を主成分とする、請求項1から6の何れか一つに記載の電子部品。
  8. 前記第2外部電極は、さらに、前記第2金属膜に接する第2導電性部材を含む、請求項1から7の何れか一つに記載の電子部品。
  9. 前記第2金属膜の厚みは、100nm以上2000nm以下である、請求項7または8に記載の電子部品。
  10. 前記第4金属層の厚みは、前記第3金属層の厚みよりも薄い、請求項7から9の何れか一つに記載の電子部品。
  11. 前記第4金属層の厚みは、50nm以上270nm以下である、請求項7から10の何れか一つに記載の電子部品。
  12. 前記第2金属膜は、前記第2面の全体を覆う、請求項7から11の何れか一つに記載の電子部品。
  13. 前記電気素子はコンデンサ素子であり、
    前記コンデンサ素子は前記第1部分を含む前記第1内部電極と、前記第2部分を含む前記第2内部電極と、前記第1内部電極と前記第2内部電極との間に配置される誘電体とを有する、請求項1から12の何れか一つに記載の電子部品。
  14. 前記第1内部電極及び前記第2内部電極のうち、少なくとも一方は、弁作用金属基体である、請求項13に記載の電子部品。
  15. 前記第1金属層は、前記第1部分のうち前記第1金属層と対向する面の全体と接する、請求項13または14に記載の電子部品。
  16. 前記第1部分のうち前記第1金属層と対向する面は、前記第1金属層と接触する部分と、前記第1金属層から離隔している部分とを有する、請求項13または14に記載の電子部品。
  17. さらに、酸化膜を備え、
    前記酸化膜は、前記第1金属層と前記第1部分のうち前記第1金属層と対向する面との間に配置される、請求項16に記載の電子部品。
  18. 素体の外面から電気素子の第1部分および第2部分が露出するように、素体内に電気素子を設ける、電気素子形成工程と、
    前記第1部分に接続するように、素体の外面に第1外部電極を設ける、第1外部電極形成工程と、
    前記第2部分に接続するように、素体の外面に第2外部電極を設ける、第2外部電極形成工程と
    を備え、
    前記第1外部電極形成工程は、前記第1部分を覆うように第1金属膜を設ける、第1金属膜形成工程を有し、
    前記第1金属膜形成工程は、前記第1部分の少なくとも一部を覆うように遷移金属を主成分とする第1金属層を設ける、第1金属層形成工程と、
    前記第1金属層上に貴金属を主成分とする第2金属層を設ける、第2金属層形成工程とを有する、電子部品の製造方法。
  19. 前記第1金属層形成工程は、
    少なくとも前記第1部分に対して逆スパッタリングを行う、逆スパッタリング工程と、
    第1部分にスパッタリングによって第1金属層を設ける、スパッタリング工程と
    を有する、請求項18に記載の電子部品の製造方法。
  20. 前記第2金属層形成工程は、前記第1金属層上に、スパッタリング又は蒸着によって第2金属層を形成する、請求項18または19に記載の電子部品の製造方法。
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