JP5197400B2 - チップ形固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

チップ形固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、チップ形固体電解コンデンサの製造方法に関する。
一般に、弁作用金属からなる陽極体素子に陽極導出線を取り付け、陽極体素子の表面に誘電体酸化皮膜、固体電解質層および、カーボン層と銀層とからなる陰極引出層を順次形成することによってコンデンサ素子を構成し、当該コンデンサ素子を粉体外装樹脂で被覆した後、陰極引出層の一部を表出させて陰極金属層を形成し、さらに陽極導出線の一部を表出させて陽極金属層を形成して製造されるチップ形固体電解コンデンサが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載のチップ形固体電解コンデンサの陰極金属層および陽極金属層は、導電性ペーストを塗布することによって形成される。
特許文献2には、チップ本体を導電性ペーストに浸漬することによって、陰極金属層および陽極金属層が形成されるチップ形コンデンサが開示されている。
特公昭61-32807号公報 特開平6-260377号公報
ここで、チップ形固体電解コンデンサを製造する際に、陰極金属層および陽極金属層を形成すべく、上述の特許文献1に記載されているように導電性ペーストを塗布した後、又は上述の特許文献2に記載されているように導電性ペーストに浸漬した後に、室温で所定時間放置する。このとき、導電性ペーストは、時間の経過と共にその表面張力により粉体外装樹脂の表面に広がる。これにより、陰極金属層および陽極金属層の形状に個体差が生じることとなる。したがって、基板実装性能が著しく低下し、基板とはんだ接合するリフロー工程にてチップ立ち等の不具合が生じる。
本発明の目的は、陰極金属層および陽極金属層の寸法精度を向上させ、基板実装性能を向上させたチップ形固体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明のチップ形固体電解コンデンサの製造方法は、弁作用金属からなる陽極体素子に陽極導出線を取り付け、前記陽極体素子の表面に誘電体酸化皮膜、固体電解質層、および陰極引出層を順次形成して略直方体のコンデンサ素子を形成するコンデンサ素子形成工程と、前記陰極引出層および前記陽極導出線の一部がそれぞれ表出するように前記コンデンサ素子を被覆する粉体外装樹脂を形成する被覆工程と、前記陰極引出層の前記粉体外装樹脂から表出している部分に接続され、少なくとも陰極転写層と陰極無電解メッキ層との2つの層からなる陰極金属層を前記粉体外装樹脂における実装基板との対向面の一端部に形成する陰極金属層形成工程と、前記陽極導出線の前記粉体外装樹脂から表出している部分に接続され、少なくとも陽極転写層と陽極無電解メッキ層との2つの層からなる陽極金属層を前記対向面の他端部に形成する陽極金属層形成工程とを備えるチップ形固体電解コンデンサの製造方法であって、
前記陰極金属層形成工程および前記陽極金属層形成工程は、前記対向面が、前記陰極金属層が形成された陰極領域と、前記陽極金属層が形成された陽極領域と、両金属層がいずれも形成されていない中間領域とに区分されるように、凹版金型に設けられた略直方体の板状凹部に導電性材料を流し込んだ後、弾力性を有する転写体パッドへ前記導電性材料を当てて転写し、転写した前記導電性材料を前記転写体パッドの弾力性で撓ませつつ、前記粉体外装樹脂、前記陰極引出層および前記陽極導出線へ当てて転写することにより、前記陰極金属層および前記陽極金属層をそれぞれ構成する2つの層のうち、少なくとも前記陰極転写層および前記陽極転写層を形成すると共に、前記陰極転写層および前記陽極転写層の板厚が2〜9μmとなるように、前記板状凹部の板厚を設定することを特徴とする。
このような構成によれば、凹版金型に設けられた略直方体の板状凹部に流し込んだ導電性材料を、転写体パッドの弾力性で撓ませつつ転写して陰極金属層および陽極金属層を形成し、かつ同一形状の導電性材料を用いて両金属層を形成するため、両金属層の形状や厚みに個体差が生じることを抑制でき、基板実装性能を向上させることができる。
特に、対向面の端部を視認することにより各領域の位置を明確に把握可能にして、実装基板へ載置し易くするためには、前記陰極金属層形成工程および前記陽極金属層形成工程では、前記実装基板側から視て、それぞれ前記対向面の一端、他端との距離が同一である前記対向面上の直線部と、前記略直方体の導電性材料の一辺とを当接して、前記陰極金属層および前記陽極金属層を形成することが望ましい。
実装基板上に載置した際のぐらつきを防止して、基板実装性能を有効に向上させるためには、前記陰極金属層形成工程および前記陽極金属層形成工程では、前記対向面に形成された両金属層の板厚が同一となるように、同一の板厚の前記板状凹部を有する前記凹版金型を用いることが有効である。
本発明は、上記説明した構成であるから、実装基板上の配線と金属層とが誤接触することを低減させることができ、また、実装基板上に載置した際のぐらつきを防止することができ、また、同一形状の導電性材料を用いて両金属層を形成して両金属層の形状や厚みに個体差が生じることを抑制できるから、実装基板へ載置し易くなり、基板実装性能を向上させることができる。
本実施形態のチップ形固体電解コンデンサの断面図である。 同チップ形固体電解コンデンサを実装基板側から視た底面図である。 製造過程におけるチップ形固体電解コンデンサの断面図である。 陰極転写層および陽極転写層を形成する凹版転写方法を順に示す説明図である。 製造過程におけるチップ形固体電解コンデンサの断面図である。 製造過程におけるチップ形固体電解コンデンサの断面図である。 本発明の電解コンデンサの製造工程を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態のチップ形固体電解コンデンサを実装基板側から視た底面図である。
以下、本発明の好適な一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係るチップ形固体電解コンデンサの断面図である。図2は、同チップ形固体電解コンデンサを実装基板側から視た底面図である。本実施の形態のチップ形固体電解コンデンサ(以下、省略して「コンデンサ」と称する)10は、全体として略直方体形状であり、図1に示すように、コンデンサ素子1とコンデンサ素子1を被覆する粉体外装樹脂7とを備えている。なお、図1に記載のコンデンサの下部が、図示しない実装基板に実装される部分であり、図1の下方が実装基板側である。
コンデンサ素子1は、略直方体形状を有する多孔質焼結体の陽極体素子2と、陽極体素
子2の長手方向一端側(図1中の左側)に溶接で取り付けられた陽極導出線3と、陽極体素子2の短手方向の周表面に順次形成された誘電体酸化皮膜4、二酸化マンガンからなる固体電解質層5、および陰極引出層6とを有している。陰極引出層6は、固体電解質層5の表面に順次形成されたカーボン層6aおよび銀層6bによって構成されている。なお、本実施の形態においては、陽極体素子2としては、弁作用金属であるタンタルを使用する。
粉体外装樹脂7は、図1に示すように、陽極導出線3が外部に引き出されて表出すると共に、コンデンサ素子1における陰極引出層6の表面(すなわち、銀層6b)の一部分、より詳細には、陽極導出線3が取り付けられている側とは反対側である陽極体素子2の長手方向他端側(図1中の右側)の一部分が表出するように、コンデンサ素子1を被覆している。
コンデンサ10は、導電性材料からなる陰極金属層11および陽極金属層12を有している。陰極金属層11は、図2に示すように、粉体外装樹脂7における実装基板との対向面TFの長手方向の一端部BFに形成されている。陽極金属層12は、粉体外装樹脂7における対向面TFの長手方向の他端部AFに形成されている。陰極金属層11および陽極金属層12は、略直方体のチップ形固体電解コンデンサ10の長手方向両端部にそれぞれ形成されて、陰極金属層11は陰極引出層6の表出部分(銀層6b)に、陽極金属層12は陽極導出線3に接続されている。
粉体外装樹脂7の対向面TFは、陰極金属層11が形成された陰極領域BFと、陽極金属層12が形成された陽極領域AFと、陰極金属層11および陽極金属層12のいずれもが形成されていない中間領域CFとの3つに区分されている。中間領域CFは、陽極領域AFおよび陰極領域BFの間にあり、陽極領域AFと陰極領域BFとは隣接していない。陽極領域AFおよび陰極領域BFは、実装基板上の配線に電気的に接続される領域であり、中間領域CFは実装基板の配線に電気的に接続されない領域である。
陰極領域BFと中間領域CFとの境界11cは、実装基板側から視て、粉体外装樹脂7の対向面TFの一端7bと同一の距離となる位置(一端7bから距離L1の位置)に、略直線状に形成されている。同様に、陽極領域AFと中間領域CFとの境界12cは、図2に示すように、実装基板側から視て、粉体外装樹脂7の対向面TFの他端7aと同一の距離となる位置(他端7aから距離L2の位置)に、略直線状に形成されている。このように陽極領域AFおよび陰極領域BFと中間領域CFとの境界12c、11cが略直線状に形成されていることにより、コンデンサ10を実装基板上に載置する場合において、コンデンサ10の端を側方から視て、視認できないコンデンサ10の下方における各境界の領域を明確に把握することが可能になる。
さらに、本実施の形態においては、陰極金属層11および陽極金属層12は、陰極転写層9、陽極転写層8、陰極転写層9および陽極転写層8を被覆する導電金属層11a、12a、および導電金属層11a、12aを被覆するコート層11b、12bで構成されている。陰極転写層9、陽極転写層8、および導電金属層11a、12aは、いずれも銀を含有する導電性ペーストによって形成される。また、コート層11b、12bは、無電解ニッケルめっき層、およびはんだ層により形成される。
陽極転写層8および陰極転写層9は、後述する凹版転写法により所定の板厚(層厚)Wに形成されている。これにより、陽極転写層8および陰極転写層9の実装基板側の表面は、それぞれ同一平面上に位置するように形成されている。導電金属層11a、12a、およびコート層11b、12bも同様に凹版転写法により、陰極金属層11と陽極金属層12の実装基板側の表面が同一平面上に位置するように形成される。なお、導電金属層11a、12a、およびコート層11b、12bは、ローラー塗布や、無電解ニッケルめっき、およびはんだコーティングにより形成されるが、これらを陽極転写層8および陰極転写層9と同様に凹版転写法により形成した場合は、陰極金属層11と陽極金属層12の実装基板側の表面が同一平面上に位置するように形成されることになる。
なお、本実施の形態のコンデンサ10は、外形寸法が2.0mm×1.25mm×0.65mm(いわゆる2012サイズ)、定格電圧が6.3V、定格静電容量が22μFである。
次に、図3〜図7を参照しつつ、コンデンサ10の製造方法について説明する。図3、図5および図6は、いずれも製造過程におけるコンデンサ10の断面図である。図4は、陰極転写層9および陽極転写層8を形成する凹版転写法を、(a)〜(c)の順に示す説明図である。図7は、製造工程を示すフローチャートである。
本発明のチップ形固体電解コンデンサ10の製造方法は、図7に示すように、コンデンサ素子形成工程と、被覆工程と、陰極金属形成工程と、陽極金属形成工程とを有する。
まず、タンタルからなる弁作用金属粉末を加圧成形して、焼結後得られた陽極体素子2に陽極導出線3を溶接した後、陽極体素子2の表面に誘電体酸化皮膜4、固体電解質層5、および陰極引出層6を順次形成することによって、コンデンサ素子1を形成する(コンデンサ素子形成工程)。
続いて、陽極導出線3が外部に引き出されるように、粉体外装樹脂7によって、コンデンサ素子1の表面である陰極引出層6を被覆する。その後、図2に示すように、陰極引出層6の一部分(図中の右方部分)が表出するように、粉体外装樹脂7を部分的に除去する。さらに、陽極導出線3を覆っている粉体外装樹脂7の一部を除去することによって陽極導出線3を表出させた後、粉体外装樹脂7を熱硬化させる(被覆工程)。なお、この被覆工程では、粉体外装樹脂7の被覆後に、粉体外装樹脂7を部分的に除去することにより、陰極引出層6の一部分および陽極導出線3を表出させているが、これに限定されるものではなく、陰極引出層6の一部分および陽極導出線3を表出させるように陰極引出層6を被覆して除去工程を省略してもよい。
次に、図4の(a)に示すように、凹版金型PLには、所定の板厚Wの略直方体の板状凹部COが設けられており、導電性材料を板状凹部COに流し込み陰極転写層9を作製する。そして、弾力性を有する転写体パッドPDを板状凹部CO内の陰極転写層9に当接し、陰極転写層9を転写体パッドPDへ転写する。次に、図4の(b)に示すように、転写体パッドPDに転写した陰極転写層9を粉体外装樹脂7に当接する。ここで、図4の(b)において下方(実装基板側)から視て、粉体外装樹脂7の対向面TFの一端7bとの距離が同一である対向面TF上の直線部7cに、略直方体である陰極転写層9の一辺9aとを当接している。次に、図4の(c)に示すように、陰極転写層9を転写体パッドPDの弾力性を用いて撓ませつつ、粉体外装樹脂7の対向面の陰極領域BF及び陰極引出層6の表出している部分に当接して転写印刷し、さらに乾燥させて陰極転写層9を形成する(図5参照)。続いて、陰極転写層9に、銀を含有する導電性ペーストをローラー塗布することによって導電金属層11aを形成する(図6参照)。そして、室温で所定時間放置した後、焼付けを行う。その後、無電解ニッケルめっき、およびはんだコーティングにより、コート層11bを形成する(陰極金属層形成工程)。
陽極転写層8、導電金属層12a、コート層12bを有する陽極金属層12を形成する陽極金属層形成工程は、前記の陰極金属層形成工程と同様に行う。陰極金属層形成工程および陽極金属層形成工程は、時系列に独立して行っても良いが、時系列に並列に行って良いことはいうまでもない。
以上のように、本実施形態のチップ形固体電解コンデンサ10は、弁作用金属からなる陽極体素子2、陽極体素子2に取り付けられた陽極導出線3、並びに陽極体素子2の表面に順次形成された誘電体酸化皮膜4、固体電解質層5、および陰極引出層6を有する略直方体のコンデンサ素子1と、陰極引出層6および陽極導出線3の一部がそれぞれ表出するようにコンデンサ素子1を被覆する粉体外装樹脂7と、陰極引出層6の粉体外装樹脂7から表出している部分に接続されていると共に、粉体外装樹脂7における実装基板との対向面TFの一端部BFに形成された陰極金属層11と、陽極導出線3の粉体外装樹脂7から表出している部分に接続されていると共に、対向面TFの他端部AFに形成された陽極金属層12とを備え、対向面TFは、陰極金属層11が形成された陰極領域BFと、陽極金属層12が形成された陽極領域AFと、両金属層がいずれも形成されていない中間領域CFとに区分されており、陰極領域BFおよび陽極領域AFと中間領域CFとの境界は、実装基板側から視て、それぞれ対向面TFの一端7b、他端7aとの距離が同一となる位置に、略直線状に形成されている。
このような構成によれば、陰極領域BFおよび陽極領域AFと中間領域CFとの境界が略直線状に形成されているから、対向面TFの端部を視認することにより各領域の位置を明確に把握可能であり、コンデンサ10を実装基板上に載置する際に、各領域の位置が把握できず中間領域CFに対向する実装基板上の配線と金属層とが誤接触することを低減させることができ、実装基板へ載置し易くなり、基板実装性能を向上させることができる。
特に、対向面TFに形成された両金属層の実装基板側の表面は、それぞれ同一平面上に位置するように形成されているから、実装基板上に載置した際のぐらつきを防止することができ、基板実装性能を有効に向上させることができる。
また、本実施形態のチップ形固体電解コンデンサ10の製造方法は、弁作用金属からなる陽極体素子2に陽極導出線3を取り付け、陽極体素子2の表面に誘電体酸化皮膜4、固体電解質層5、および陰極引出層6を順次形成して略直方体のコンデンサ素子1を形成するコンデンサ素子形成工程と、陰極引出層6および陽極導出線3の一部がそれぞれ表出するようにコンデンサ素子1を被覆する粉体外装樹脂7を形成する被覆工程と、陰極引出層6の粉体外装樹脂7から表出している部分に接続されるように、粉体外装樹脂7における実装基板との対向面TFの一端部BFに陰極金属層11を形成する陰極金属層形成工程と、陽極導出線3の粉体外装樹脂7から表出している部分に接続されるように、対向面TFの他端部AFに陽極金属層12を形成する陽極金属層形成工程とを備えるチップ形固体電解コンデンサの製造方法であって、
陰極金属層形成工程および陽極金属層形成工程は、対向面TFが、陰極金属層11が形成された陰極領域BFと、陽極金属層12が形成された陽極領域AFと、両金属層がいずれも形成されていない中間領域CFとに区分されるように、凹版金型PLに設けられた略直方体の板状凹部COに導電性材料を流し込んだ後、弾力性を有する転写体パッドPDへ導電性材料を当てて転写し、転写した導電性材料を転写体パッドPDの弾力性で撓ませつつ、粉体外装樹脂7、陰極引出層6および陽極導出線3へ当てて転写することにより、陰極金属層11および前記陽極金属層12を形成している。
このような構成によれば、凹版金型PLに設けられた略直方体の板状凹部COに流し込んだ導電性材料を、転写体パッドPDの弾力性で撓ませつつ転写して陰極金属層11および陽極金属層12を形成するため、同一形状の導電性材料を用いて両金属層を形成するから、両金属層の形状や厚みに個体差が生じることを抑制でき、基板実装性能を向上させることができる。
特に、陰極金属層形成工程および陽極金属層形成工程では、実装基板側から視て、それぞれ対向面TFの一端7b、他端7aとの距離が同一である対向面TF上の直線部7cと、略直方体の導電性材料(陰極転写層9、陽極転写層8等)の一辺9aとを当接して、陰極金属層11および陽極金属層12を形成するから、対向面TFの端部を視認することにより各領域の位置を明確に把握可能にでき、実装基板へ載置し易くすることができる。
さらに、陰極金属層形成工程および陽極金属層形成工程では、対向面TFに形成された両金属層の板厚が同一となるように、同一の板厚の板状凹部COを有する凹版金型PLを用いるから、対向面TFに形成された両金属層の実装基板側の表面がそれぞれ同一平面上に位置するように形成されて、実装基板上に載置した際のぐらつきを防止して、基板実装性能を有効に向上させることができる。
以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。
例えば、上述の実施形態では、導電金属層11a、12a、およびコート層11b、12bは、ローラー塗布や、無電解ニッケルめっき、およびはんだコーティングにより形成されるが、これらを陽極転写層8および陰極転写層9と同様に凹版転写法により形成してもよく、この場合は、陰極金属層11と陽極金属層12の実装基板側の表面が同一平面上に位置するように形成されることが好ましい。
さらに、陰極金属層11における導電金属層11aおよびコート層11bは、ローラー塗布等により形成されている場合について説明したが、これらの一方または双方を凹版転写印刷法で形成してもよい。陽極金属層12についても同様である。
また、陰極金属層11は、陰極転写層9、導電金属層11a、コート層11bで構成されているが、導電金属層11aを任意に省略することは可能である。陽極金属層12についても同様である。
また、上述の実施形態では、実装基板側から視て、陽極領域AFおよび陰極領域BFと中間領域CFとの境界(11c、12c)が略直線状であると説明しているが、図8に示すように、陽極領域AFと中間領域CFの境界112cが、対向面TFの他端7aとの距離がほぼ一定の位置であれば、略直線状の曲線状(波状)であっても本発明の効果を奏する場合がある。同様に、陰極領域BFと中間領域CFの境界111cが、対向面TFの一端7bとの距離がほぼ一定の位置であれば、略直線状の曲線状(波状)であっても本発明の効果を奏する場合がある。
<比較試験>
ここで、本実施の形態のコンデンサ10とほぼ同一であり、板状凹部COの厚さを設定し、陽極転写層8および陰極転写層9の電極厚さを1μmとしたもの(比較例1)、電極厚さを2μmとしたもの(実施例1)、電極厚さを8μmとしたもの(実施例2)、電極厚さを9μmとしたもの(実施例3)、電極厚さを10μmとしたもの(比較例2)、導電性ペーストに浸漬する従来製法により製作した電極厚さが20μmの従来のコンデンサ(従来例)、これらを比較する比較実験を行った。
(チップ立ち不良発生率の比較試験)
比較例1〜2、実施例1〜3、および従来例のコンデンサを実装基板に実装し、チップ立ち不良が発生する率を比較する試験を行った。なお、実装基板への実装は、260℃で10秒間加熱するリフロー処理によって行った。かかる比較試験を、各条件につき300,000個/ロットの製品を用いて行った結果を表1に示す。
Figure 0005197400
(電極間寸法バラツキの比較試験)
比較例1〜2、実施例1〜3、および従来例のコンデンサの陰極金属層と陽極金属層との間の寸法バラツキを比較する試験を行った。かかる比較試験の結果を表2に示す。なお、表2の数値は、各条件につき100個/ロットの製品の平均値である。
Figure 0005197400
チップ立ち不良発生率の比較試験の結果である表1に示すように、従来例のコンデンサでは、チップ立ちが発生しているが、実施例1〜3および比較例1〜2のコンデンサではチップ立ちの発生はない。つまり、実施例1〜3および比較例1〜2のように、凹版金型PLを用いた凹版転写印刷法によると、従来例に比べて、基板実装精度が向上していることが分かる。なお、比較例1は、電極層厚みが薄いため、コート層の無電解メッキの生成率が悪くメッキ不良が発生した。
また、電極間寸法バラツキの比較試験の結果である表2に示すように、実施例1〜3および比較例1のコンデンサは、いずれも従来例のコンデンサに比べて、寸法バラツキが低減しており、個体差が大幅に減少している。なお、比較例2は、板状凹部COで作製される導電性材料の厚みが10μmとなるため、転写体パッドPDの圧力でつぶれてしまい、実施例1〜3に比べ悪化傾向が見られた。
以上の比較実験結果より、陽極転写層8および陰極転写層9の厚さは、2μm〜9μmであると、より好ましいことが分かった。
なお、上述の実施の形態では、弁作用金属からなる陽極体素子2がタンタルである場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。陽極体素子2を形成する弁作用金属としては、ニオブ、アルミニウム、チタン等を用いることもできる。
加えて、上述の実施の形態では、固体電解質として二酸化マンガンを使用する場合について説明したが、ポリチオフェン、ポリピロール、またはポリアニリン等の導電性高分子で公知のものも使用することができる。
また、上述の実施の形態では、銀を含有する導電性材料で陽極転写層8および陰極転写層9を形成する場合について説明したが、亜鉛、銅、およびニッケルの少なくとも1つを含有するような導電性材料で形成してもよい。
1 コンデンサ素子
2 陽極体素子
3 陽極導出線
4 誘電体酸化皮膜
5 固体電解質層
6 陰極引出層
6a カーボン層
6b 銀層
7 粉体外装樹脂
8 陽極転写層
9 陰極転写層
10 チップ形固体電解コンデンサ
11 陰極金属層
11a 導電金属層
11b コート層
12 陽極金属層
12a 導電金属層
12b コート層

Claims (3)

  1. 弁作用金属からなる陽極体素子に陽極導出線を取り付け、前記陽極体素子の表面に誘電体酸化皮膜、固体電解質層、および陰極引出層を順次形成して略直方体のコンデンサ素子を形成するコンデンサ素子形成工程と、
    前記陰極引出層および前記陽極導出線の一部がそれぞれ表出するように前記コンデンサ素子を被覆する粉体外装樹脂を形成する被覆工程と、
    前記陰極引出層の前記粉体外装樹脂から表出している部分に接続され、少なくとも陰極転写層と陰極無電解メッキ層との2つの層からなる陰極金属層を前記粉体外装樹脂における実装基板との対向面の一端部に形成する陰極金属層形成工程と、
    前記陽極導出線の前記粉体外装樹脂から表出している部分に接続され、少なくとも陽極転写層と陽極無電解メッキ層との2つの層からなる陽極金属層を前記対向面の他端部に形成する陽極金属層形成工程とを備えるチップ形固体電解コンデンサの製造方法であって、
    前記陰極金属層形成工程および前記陽極金属層形成工程は、前記対向面が、前記陰極金属層が形成された陰極領域と、前記陽極金属層が形成された陽極領域と、両金属層がいずれも形成されていない中間領域とに区分されるように、凹版金型に設けられた略直方体の板状凹部に導電性材料を流し込んだ後、弾力性を有する転写体パッドへ前記導電性材料を当てて転写し、転写した前記導電性材料を前記転写体パッドの弾力性で撓ませつつ、前記粉体外装樹脂、前記陰極引出層および前記陽極導出線へ当てて転写することにより、前記陰極金属層および前記陽極金属層をそれぞれ構成する2つの層のうち、少なくとも前記陰極転写層および前記陽極転写層を形成すると共に、前記陰極転写層および前記陽極転写層の板厚が2〜9μmとなるように、前記板状凹部の板厚を設定することを特徴とするチップ形固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記陰極金属層形成工程および前記陽極金属層形成工程では、前記実装基板側から視て、それぞれ前記対向面の一端、他端との距離が同一である前記対向面上の直線部と、前記略直方体の導電性材料の一辺とを当接して、前記陰極金属層および前記陽極金属層を形成することを特徴とする請求項1に記載のチップ形固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記陰極金属層形成工程および前記陽極金属層形成工程では、前記対向面に形成された両金属層の板厚が同一となるように、同一の板厚の前記板状凹部を有する前記凹版金型を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のチップ形固体電解コンデンサの製造方法。
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