JP2023097679A - 包装袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】被包装物の加熱後の開封操作が容易な包装袋を提供すること。【解決手段】包装袋1は、袋状のシート本体10と、シート本体10に形成され、シート本体10の内側と外側を連通する蒸気抜け部30と、シート本体10に形成され、シート本体10の内側と外側を連通する開封部40と、蒸気抜け部30を覆うようにシート本体10の外面11bに貼り付けられる蒸気用シール50と、開封部40を覆うように外面11bに貼り付けられ、蒸気用シール50とは別個に剥離可能な開封用シール60と、を備え、シート本体10における蒸気抜け部30が形成される蒸気側領域13と、開封部40が形成される開封側領域14とが隣り合う。【選択図】図1
Description
本発明は、包装袋に関する。
従来、食品等の被包装物を密閉して衛生的に包装する包装袋が使用されている。この種の技術が記載されているものとして例えば特許文献1がある。特許文献1には、側縁シール部の上縁寄りに開封用のノッチが形成され、ノッチの内端を突出シール内に位置させるとともに、ノッチ周囲の側縁シール部と突出シール部に易剥離性フィルムを挟み込ませた電子レンジ用包装袋が記載されている。
しかしながら特許文献1の技術では、電子レンジ等で被包装物を温めている間にノッチを介して蒸気が放出されるので、加熱後に蒸気の熱によってノッチが加熱される。ユーザは加熱されたノッチの周囲を摘まんで包装袋を開封することになるので、被包装物の加熱後の開封操作を容易にするという点で改善の余地があった。
そこで本発明は、被包装物の加熱後の開封操作が容易な包装袋を提供することを目的とする。
(1)本発明の包装袋は、袋状のシート本体と、前記シート本体に形成され、前記シート本体の内側と外側を連通する蒸気抜け部と、前記シート本体に形成され、前記シート本体の内側と外側を連通する開封部と、前記蒸気抜け部を覆うように前記シート本体の外面に貼り付けられる蒸気用シールと、前記開封部を覆うように前記外面に貼り付けられ、前記蒸気用シールとは別個に剥離可能な開封用シールと、を備え、前記蒸気用シールと前記開封用シールとが隣り合う。
(2)(1)において、前記蒸気抜け部と前記開封部とは、前記シート本体における同一面に形成される。
(3)(1)又は(2)において、前記蒸気用シールと前記開封用シールとは、1枚のシール部材によって形成され、該シール部材は前記蒸気用シールと前記開封用シールとに2分するための弱線部を有する。
(4)(3)において、前記弱線部は、前記シール部材を貫通する貫通部及び前記シール部材を貫通しない非貫通部が交互に配置されて形成されたミシン目又は前記シール部材の厚み方向の一部を削除して形成されるハーフカットである。
(5)(1)~(4)のいずれかにおいて、前記蒸気抜け部は平面視で略U字状の切り込みによって形成され、前記開封部は平面視で略逆U字状の切り込みによって形成される。
なお、本明細書での「略」は厳密にその状態を特定するものではなく、それらの機能や効果を達成可能な範囲で近似する状態を含むという意味である。
なお、本明細書での「略」は厳密にその状態を特定するものではなく、それらの機能や効果を達成可能な範囲で近似する状態を含むという意味である。
(6)(1)~(5)のいずれかにおいて、前記蒸気用シールと前記開封用シールとが並ぶ方向に直交する方向に延在し、前記シート本体における前記開封用シールが貼り付けられる領域を通過する開封テープを更に備える。
本発明によれば、被包装物の加熱処理後の開封操作が容易な包装袋を提供できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態に係る包装袋1の平面図、図2は包装袋1を右斜上から見た斜視図、図3は包装袋1のシール部材5及びその周辺の拡大平面図、図4は包装袋1の展開図、図5は包装袋1の分解斜視図である。図6A~図6Cは包装袋1に被包装物2を包装した状態を示す斜視図である。包装袋1は、1枚のシート状の包材1aを折り返して形成された平袋である。包装袋1は、平面視が縦長の長方形状に形成される。本発明に係る包装袋1の外形形状は長方形状に制限されず、正方形状、多角形状、あるいは外形線に曲線が含まれる形状であってもよい。また、包装袋1は、平袋の他に、例えば、ガゼット袋等の立体形状の袋にも適用できる。
ここで、本明細書において長手方向Lとは包装袋1の長手方向を意味する。短手方向Wとは包装袋1の短手方向を意味する。長手方向一側L1は図1において包装袋1の上側を意味し、長手方向他側L2は図1において包装袋1の下側を意味する。短手方向一側W1は図1において包装袋1の左側を意味し、短手方向他側W2は図1において包装袋1の右側を意味する。
図1に示す包装袋1は、その長手方向一側L1の端部が開封されている。包装袋1は、例えば液体状、粉状、粒状あるいは固形状等の食品等の被包装物2を密閉して収容するための袋である。包装袋1に収容される固形状の被包装物2としては、例えばおにぎりやパン等が挙げられる。
包装袋1は、シート本体10と、蒸気抜け部30と、開封部40と、蒸気用シール50と、開封用シール60と、開封テープ70と、帯状シート部80と、を備える。
シート本体10は、図2に示すように、その内側に被包装物2を収容する収容部3を有する縦長の長方形状である。シート本体10は、図4に示すような1枚のシート状の樹脂フィルムが背貼り部21及び第1のシール部22により、袋状に形成されてシート本体10が構成される。
背貼り部21は、図2及び図4に示すように、シート状の樹脂フィルムを折り返した状態で対向する折り返し先端部15,16どうしが合掌接合されて形成される。第1のシール部22は、背貼り部21の延在方向である包装袋1の長手方向他側L2において、対向する樹脂フィルムの縁部17どうしが接合されて形成される。背貼り部21及び第1のシール部22は、樹脂フィルムを、例えば、熱溶着(ヒートシール)や超音波溶着等の手段で接合して形成される。
本実施形態の包装袋1においては、食品等の被包装物2がシート本体10の開放された長手方向一側L1の端部から収容部3に収容された後、図6Aに示すように長手方向一側L1の端部を後述する第2のシール部23で封止される。包装袋1内の被包装物2は、シート本体10の表面11を上にし、裏面12を下にした状態で収容される。なお、本実施形態では、背貼り部21が形成される面がシート本体10の裏面12となる。
シート本体10の表面11には、被包装物2と対面する内面11aと内面11aとは反対側の外面11bが形成され、シート本体10の裏面12には被包装物2と対面する内面12aと内面12aとは反対側の外面12bが形成される。
蒸気抜け部30は、シート本体10の内側の蒸気を外部に排出するための部位である。蒸気抜け部30は、シート本体10の表面11に形成され、シート本体10の内側と外側を連通する。より具体的には、図1に示すように蒸気抜け部30は、シート本体10の長手方向Lの中央部であり、短手方向一側W1寄りの表面11の外面11bから内面11aに貫通する。なお、蒸気抜け部30は、その全てがシート本体10の内側と外側を連通している構成であってもよく、ミシン目のようにその一部のみがシート本体10の内側と外側を連通している構成であってもよい。シート本体10における蒸気抜け部30が形成される領域を蒸気側領域13とする。
開封部40は、密封された包装袋1を開封するための部位である。開封部40は、シート本体10の表面11に形成され、シート本体10の内側と外側を連通する。より具体的には、図1に示すように開封部40は、シート本体10の長手方向Lの中央部であり、短手方向他側W2寄りの表面11の外面11bから内面11aに貫通する。即ち、開封部40は、シート本体10における蒸気抜け部30と同一面に形成される。なお、蒸気抜け部30は、その全てがシート本体10の内側と外側を連通している構成であってもよく、ミシン目のようにその一部のみがシート本体10の内側と外側を連通している構成であってもよい。シート本体10における開封部40が形成される領域を開封側領域14とする。図1~図3に示すように、シート本体10において蒸気側領域13と開封側領域14とは隣り合う。
蒸気用シール50は、矩形状のフィルムである。蒸気用シール50は、その一部が蒸気抜け部30を覆うようにシート本体10の外面11bに貼り付けられる。蒸気用シール50は、蒸気用保護部51と蒸気用把持部52とを含む。
蒸気用保護部51は、シート本体10の蒸気側領域13における外面11bに接着されており、蒸気抜け部30を覆っている。蒸気用保護部51は、その全領域が外面11bに接着されており、この蒸気用保護部51により、蒸気抜け部30が塞がれている。したがって、蒸気抜け部30は蒸気用保護部51により外部から隔てられる。蒸気用把持部52は、蒸気用保護部51の長手方向一側L1に連続する部分であって、外面11bに接着されていない。蒸気用把持部52は、手指で摘まんで外面11b側にめくることが可能となっている。なお、蒸気側領域13は、シート本体10における蒸気抜け部30が形成される領域であるとともに、蒸気用シール50が貼り付けられる領域でもある。
開封用シール60は、矩形状のフィルムである。開封用シール60は、その一部が開封部40を覆うようにシート本体10の外面11bに貼り付けられる。開封用シール60は、開封用保護部61と開封用把持部62とを含む。
開封用保護部61は、シート本体10の開封側領域14における外面11bに接着されており、開封部40を覆っている。開封用保護部61は、その全領域が外面11bに接着されており、この開封用保護部61により、開封部40が塞がれている。したがって、開封部40は開封用保護部61により外部から隔てられる。開封用把持部62は、開封用保護部61の長手方向一側L1に連続する部分であって、外面11bに接着されていない。開封用把持部62は、手指で摘まんで外面11b側にめくることが可能となっている。なお、開封側領域14は、シート本体10における開封部40が形成される領域であるとともに、開封用シール60が貼り付けられる領域でもある。
次に、蒸気側領域13と開封側領域14における包装袋1の詳細な構成について説明する。図3に示すように蒸気抜け部30は、平面視で略U字状の切り込みによって形成される。即ち、蒸気抜け部30は、その略U字状の分岐したそれぞれの端部31,32が長手方向一側L1に向かって延びるように形成される。
蒸気抜け部30によってシート本体10の一部に蒸気抜け片24が形成される。蒸気抜け片24は、シート本体10における蒸気抜け部30の略U字状の切り込みで囲まれた部分である。蒸気抜け片24は、その面積がシート本体10と接着されていない蒸気用把持部52側から長手方向他側L2に向かって小さくなるように形成される。即ち、蒸気用把持部52を摘まんで蒸気用シール50を剥がす場合、蒸気用シール50が引っ張られる方向に向かうに従って、シート本体10に接着する蒸気抜け片24の面積が小さくなる。これにより、蒸気抜け部30を起点として形成される開口33を小さく抑えることができる。
図3に示すように開封部40は、平面視で略逆U字状の切り込みによって形成される。即ち、開封部40は、その略逆U字状の分岐したそれぞれの端部41,42が長手方向他側L2に向かって延びるように形成される。
開封部40によってシート本体10の一部に開封片25が形成される。開封片25は、シート本体10における開封部40の略逆U字状の切り込みで囲まれた部分であって、シート本体10の一部を外面11b側にめくることができるようにした部分である。開封片25は、その面積がシート本体10と接着されていない開封用把持部62側から長手方向一側L1に向かって大きくなるように形成される。開封用把持部62を摘まんで開封用シール60を剥がした場合、開封用シール60が引っ張られる方向に向かうに従って、シート本体10に接着する開封片25の面積が大きくなる。これにより、開封部40の端部41,42を起点として、シート本体10が長手方向他側L2に切り裂かれることが可能なようになっている。
蒸気用シール50と開封用シール60とは隣り合って配置される。本実施形態では、蒸気用シール50と開封用シール60とは、1枚のシール部材5によって形成される。図3に示すように、シール部材5は短手方向Wに長い長方形状であり、包装袋1の短手方向Wの略中央側から短手方向一側W1が蒸気用シール50を形成し、短手方向他側W2が開封用シール60を形成する。シール部材5は、スリット5aと、蒸気用シール50と開封用シール60とに2分するための弱線部5bを有する。
スリット5aと弱線部5bは、シール部材5における蒸気用シール50と開封用シール60との間に長手方向Lに延びている。スリット5aは、シール部材5の表面と裏面を貫通した状態で連続的に延び、蒸気用シール50と開封用シール60が接続されていない線である。スリット5aは、蒸気用把持部52と開封用把持部62との間に形成される。
弱線部5bは、少なくとも一部において蒸気用シール50と開封用シール60が接続される線である。弱線部5bは、蒸気用保護部51と開封用保護部61との間に形成される。弱線部5bは、例えば、シール部材5を貫通する貫通部及びシール部材5を貫通しない非貫通部が交互に配置されて形成されたミシン目であってもよく、シール部材5の厚み方向の一部を削除して形成されるハーフカットであってもよい。本実施形態では、弱線部5bとしてミシン目が形成されている。なお、本明細書におけるミシン目には、マイクロミシンも含まれる。
図1~図5に示すように、シート本体10の表面11の内面11aには開封テープ70が配置される。開封テープ70は、シート本体10の内面11aに、超音波シール、ヒートシールあるいは接着剤塗布等の手段で貼着される。
図1~図3に示すように、開封テープ70は、蒸気用シール50と開封用シール60とが並ぶ方向に直交する方向(長手方向L)に延在し、シート本体10における開封用シール60が貼り付けられる領域を通過する。本実施形態では、開封テープ70は、開封部40を通過するように配置される。より具体的には、開封テープ70は、短手方向Wにおける開封部40の略中心部を通過するように配置される。
上述したようにシート本体10が開封片25を介して引き裂かれるとき、シート本体10には開封部40の端部41,42の延長上に切れ目44が生じ、これら一対の切れ目44が進展してシート本体10が引き裂かれる。開封テープ70は、各切れ目44の内側に配置されることになる。このため、切れ目44が内側の開封テープ70側によれて進展しても、その切れ目44は開封テープ70に当たってそれ以上内側に切れ込むことなく、開封テープ70に沿って進展する。このため、各開封テープ70の両側に形成される一対の切れ目44は、消滅することなく確保される。なお、開封テープ70は、シート本体10の外面11bに配置されてもよく、内面11aと及び外面11bの双方に配置されてもよい。
図1~図5に示すように、シート本体10の裏面12の内面12aには、長手方向に延びる一対の帯状シート部80が配置される。帯状シート部80は、シート本体10の内面11aに、超音波シール、ヒートシールあるいは接着剤塗布等の手段で貼着される。帯状シート部80は、開封テープ70と略平行である。一対の帯状シート部80のそれぞれは、開封テープ70よりも短手方向外側に開封テープ70から所定距離をおいて配置されている。なお、帯状シート部80は、シート本体10の外面12bに配置されてもよく、内面12aと及び外面12bの双方に配置されてもよい。
シート本体10、蒸気用シール50、開封用シール60、開封テープ70、及び帯状シート部80のそれぞれは、可撓性を有する合成樹脂製の透明もしくは半透明のフィルムで構成される。当該樹脂フィルムは、ヒートシールを容易とする点で、熱溶着性を有すると好ましい。当該樹脂フィルムとしては、単層あるいは多層の合成樹脂フィルムが用いられる。単層の場合は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂フィルムである。多層の場合は、例えば、湿気を遮断するバリア層となるPVDC(ポリ塩化ビニリデン)コートを含んだポリプロピレン等の合成樹脂フィルムが使用でき、具体的には、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)、CPP(無延伸ポリプロピレン)等が好適に使用される。なお、シート本体10、蒸気用シール50、及び開封用シール60については、紙で構成されていてもよく、紙とフィルムをラミネートしたもので構成されていてもよい。
シート本体10、蒸気用シール50、開封用シール60、開封テープ70、及び帯状シート部80を形成する樹脂フィルムの厚みは、同じであってもよい。しかし、蒸気用シール50及び開封用シール60は、それらを剥がす際に手指で摘まむ蒸気用把持部52及び開封用把持部62がちぎれないようにする点から、比較的厚みが大きいものが用いられることが望ましい。シート本体10は、包装状態が保持される厚みを有し、かつ、開封の際には容易に引き裂かれる厚みを有することが望ましい。
次に、包装袋1の使用例について図6A~図6Cを参照しながら説明する。図6Aに示す包装袋1には、シート本体10の表面11を上にし、裏面12を下にした状態で被包装物2が収容されている。被包装物2は電子レンジで温めてから食される惣菜パンである。
まず、使用者が蒸気用シール50の蒸気用把持部52をめくり、その蒸気用把持部52を長手方向他側L2に引っ張ると、弱線部5bが開裂しながら蒸気用保護部51がシート本体10の外面11bから剥離される。弱線部5bが開裂しながら蒸気用シール50が剥離されるので、開封用保護部61はシート本体10の外面11bに貼り付けられたままの状態である。このとき、蒸気用保護部51から剥がされた蒸気抜け片24がめくれ、図6Bに示すように蒸気抜け部30に囲まれた部位に開口33が形成される。そして電子レンジで包装袋1に収容された被包装物2を温めると、蒸気抜け部30や開口33を介して収容部3内の蒸気が外部に排出される。
被包装物2を温めた後に、使用者が開封用把持部62をめくり、その開封用把持部62を長手方向他側L2に引っ張ると、平面視において開封部40よりも外側の開封用保護部61が外面11bから剥離する。このとき、開封用シール60は蒸気抜け部30から排出された蒸気に直接当たらないので、蒸気の熱が伝わり難い。このため、使用者は電子レンジ等による加熱後に容易に包装袋1の開封操作を行うことができる。
図6Cに示すように、引き続き開封部40を引っ張ると、開封用保護部61に接着されて重なっている開封片25が開封用保護部61に追従して外面11b側にめくられ、長手方向他側L2に引っ張られる。これにより、シート本体10は、開封部40の端部41,42の延長線上に切れ目44が入り、短手方向Wの両側の一対の切れ目44の間に、長手方向Lに延びる帯状の開口43が形成される。この開口43により、包装袋1は左右に分離され、被包装物2を手掴みした状態で、開口43から被包装物2を食することができる。あるいは、開口43から被包装物2を取り出すことができる。
包装袋1を形成する包材1aは、図7に示す実施形態に係る包材原反ロール1Rから、多数を連続的に得ることができる。
実施形態に係る包材原反ロール1Rは、多数の包材1aが長さ方向に沿って連続するように一体化された長尺な包材原反1Gが、ロール状に巻かれたものである。包材原反ロール1Rに設けられる切断境界1cを切断することにより、多数の包材1aを順次得ることができる。
包材原反1Gは、樹脂フィルムからなる長尺帯状のシート本体原反10Gを主体とする。シート本体原反10Gには、1枚1枚のシート本体10となる多数のシート本体部10Aを区画する切断境界1cが設けられる。シート本体部10Aの1つ1つに、蒸気抜け部30及び開封部40がそれぞれ設けられているとともに、蒸気抜け部30及び開封部40を塞ぐシール部材5が外面11bに設定される側の面にそれぞれ接着されている。シール部材5は、蒸気用保護部51及び開封用保護部61がシート本体原反10Gに接着剤、ヒートシール、パートコート等により剥離可能に接着される。
包材原反ロール1Rにおいては、シート本体原反10Gの、包装袋1における外面11bに設定される側に配置されるシール部材5は、シート本体原反10Gに接着されない蒸気用把持部52及び開封用把持部62がロール巻元側に配置され、シート本体原反10Gに接着される蒸気用保護部51及び開封用保護部61がロール巻き出し側に配置されることが好ましい。
開封テープ70となる原反、すなわち開封テープ原反70Gが、包装袋1の内面11aに設定される側の面に貼着されている。また、一対の帯状シート部80となる原反、すなわち帯状シート部原反80Gが、包装袋1の内面12aに設定される側の面に貼着されている。包材原反ロール1Rは、シール部材5が貼着される外面11bが外周面の側に配置されるようにロール状に巻かれることが好ましい。したがって、開封テープ原反70G及び帯状シート部原反80Gは内周面の側に配置されることが好ましい。
包材原反ロール1Rから包材原反1Gを巻き出しつつ、切断境界1cを順次切断していくことにより、包材1aを1枚ずつ得ることができる。また、包材原反ロール1Rから包材原反1Gを巻き出す使用時には、シール部材5はシート本体原反10Gに接着される蒸気用保護部51及び開封用保護部61から先に巻き出され、接着されていない蒸気用把持部52及び開封用把持部62は後から出てくる。このため、蒸気用把持部52及び開封用把持部62がめくれたり折れて重なったりするおそれが生じず、作業を円滑に行うことができる。
上記包材原反ロール1R及び包材1aは、例えば図8に示す製造ライン100により製造される。製造ライン100により、本発明の製造方法の一例を実施することができる。
図7に示す製造ライン100は、シート本体原反ロール10Rから上記シート本体原反10Gが概ねH方向に巻き出されて搬送される。シート本体原反ロール10Rから巻き出された直後のシート本体原反10Gの外面側に、開封テープ原反ロール70Rから巻き出された上記開封テープ原反70Gと、帯状シート部原反ロール80Rから巻き出された上記帯状シート部原反80Gとが、所定箇所にそれぞれ重ねられる。次に、シール部110で、開封テープ原反70Gと帯状シート部原反80Gとがシート本体原反10Gに貼着される。シール部110は、超音波シールやヒートシール等の貼着手段を有するが、貼着された部分及びその周辺に皺が生じにくい点で、超音波シールが好ましい。
次いで、切り込み形成部120で、シート本体原反10Gに蒸気抜け部30及び開封部40が形成される。蒸気抜け部30及び開封部40は、それぞれの形状を有する図示しないカッターでシート本体原反10Gを打ち抜くことによって形成される。蒸気抜け部30及び開封部40は、上記切断境界1cによってシート本体原反10Gに区画される1つ1つの包材1aの領域の所定箇所に間欠的に形成される。
次に、シール貼着部130で、シート本体原反10Gの内面側にシール部材5が接着される。シール部材5は、シール部材5が一定間隔おきに台紙に貼られているシール部材5原反ロール5Rから、1枚1枚剥離されて、シート本体原反10Gの蒸気抜け部30及び開封部40を塞ぐ所定箇所に間欠的に接着される。
以上のようにしてシート本体原反10Gに開封テープ原反70G及び帯状シート部原反80Gが貼着されるとともに、蒸気抜け部30及び開封部40が形成されてその蒸気抜け部30及び開封部40にシール部材5が接着された図8に示す包材原反1Gが製造され、さらに包材原反1Gが巻き取られて包材原反ロール1Rを得る。そして、包材原反ロール1Rから包材原反1Gを巻き出し、シート本体部10Aを切断境界1cで切断することにより、包材1aを1枚ずつ得ることができる。そして、1枚の包材1aを折り返し、背貼り部21及び第1のシール部22を形成することで包装袋1を得ることができる。
本実施形態に係る包材原反1Gは、幅方向両端部近傍に、長さ方向に延びる一対の帯状シート部原反80Gが貼着されている。これにより、開封テープ原反70Gやシール部材5によって幅方向中央部の厚みが大きくなる厚みの偏りが抑えられ、幅方向の厚みを全体的に均一化することができる。その結果、包材原反1Gを巻き取って包材原反ロール1Rを得る場合、厚みの偏りによるヨレが生じて巻き取り不良が起こることが抑えられる。
以下、実施形態で奏される効果について説明する。
本実施形態に係る包装袋1は、袋状のシート本体10と、シート本体10に形成され、シート本体10の内側と外側を連通する蒸気抜け部30と、シート本体10に形成され、シート本体10の内側と外側を連通する開封部40と、蒸気抜け部30を覆うようにシート本体10の外面11bに貼り付けられる蒸気用シール50と、開封部40を覆うように外面11bに貼り付けられ、蒸気用シール50とは別個に剥離可能な開封用シール60と、を備え、蒸気用シール50と開封用シール60とが隣り合う。
これにより、蒸気抜け部30と開封部40のそれぞれを覆うシールが隣り合う領域に配置されているとともに別個に剥離可能であるで、加熱後の開封用シール60に伝わる熱量を低減できるとともに加熱後の開封部40の開封操作を容易にすることができる。また、包装袋1は、蒸気用シール50と開封用シール60が隣り合う領域に配置されるので、生産し易い形状である。よって、高い生産性を維持しつつ、被包装物2の加熱後の開封操作を容易にすることができる。
本実施形態に係る包装袋1において、蒸気抜け部30と開封部40とは、シート本体10における同一面に形成される。
これにより、蒸気抜け部30と開封部40が同一面に形成されるので、蒸気用シール50を剥離して蒸気抜け部30を開放した後に、包装袋1の向きを変えずに開封用シール60を剥離でき、収容部3に収容された被包装物2が漏れ難くなる。
本実施形態に係る包装袋1において、蒸気用シール50と開封用シール60とは、1枚のシール部材5によって形成され、シール部材5は蒸気用シール50と開封用シール60とに2分するための弱線部5bを有する。
これにより、1枚のシール部材5から2つの機能を有し、別個に剥がすことができるシールを製造できるので、包装袋1の生産性を向上できる。
本実施形態に係る包装袋1において、弱線部5bは、シール部材5を貫通する貫通部及びシール部材5を貫通しない非貫通部が交互に配置されて形成されたミシン目又はシール部材5の厚み方向の一部を削除して形成されるハーフカットである。
これにより、容易に2分できるシール部材5をより容易に製造できる。
本実施形態に係る包装袋1において、蒸気抜け部30は略U字状の切り込みであり、開封部40は略逆U字状の切り込みである。
これにより、蒸気側領域13と開封側領域14が隣り合って配置されていても蒸気抜け部30と開封部40の形状が異なるので、それぞれを区別することが容易になる。また例えば、蒸気抜け部30を、その略U字状の分岐したそれぞれの端部31,32が蒸気用シール50を剥離するために引っ張る方向とは逆方向に延びるように形成することで蒸気抜け部30を起点として形成される開口33を小さく抑えることができる。よって、蒸気用シール50の剥離によって生じるシート本体10の破損を防止できる。また例えば、開封部40を、その略逆U字状の分岐したそれぞれの端部41,42が開封用シール60を剥離するために引っ張る方向に延びるように形成することで、端部41,42から生じる切れ目44を容易に発生させることができる。よって、包装袋1をよりスムーズに開封することができる。
本実施形態に係る包装袋1において、蒸気用シール50と開封用シール60とが並ぶ方向に直交する方向に延在し、シート本体10における開封用シール60が貼り付けられる領域を通過する開封テープ70を更に備える。
これにより、開封部40の端部41,42の長手方向他側L2の端部の延長上で生じ、延びる切れ目44が、開封テープ70側によれて進展しても、その切れ目44が開封テープ70に当たってそれ以上内側に切れ目が入ることなく、開封テープ70に沿って進展する。よって、切れ目44を消滅することなく確保できる。
本発明は上記実施形態の態様に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
上記実施形態では、蒸気抜け部30はU字状に形成され、開封部40は逆U字状に形成されていたが、蒸気抜け部30及び開封部40の形状は特に限定されない。例えば蒸気抜け部30及び開封部40はV字状であっても逆V字状であってもよく、コ字状であってもよく、シート本体10の表面11を貫通する貫通孔であってもよく、パンチ穴であってもよく、単なる切れ目であってもよい。
上記実施形態では、蒸気用シール50と開封用シール60とは1枚のシール部材5によって形成されていたが、蒸気用シール50と開封用シール60はそれぞれ別々のシール部材によって形成されていてもよい。
上記実施形態では、1枚の開封テープ70が長手方向Lに延在し、開封側領域14を通過するように形成されていたが、開封テープ70の枚数は2枚以上形成されていてもよい。
上記実施形態では、蒸気用シール50及び開封用シール60が矩形状であったが、その形状は特に限定されない。例えば、蒸気用シール50及び開封用シール60の形状は、円形状であってもよく、楕円形状であってもよい。
上記実施形態では、蒸気用保護部51はその全領域が外面11bに接着されていたが、少なくとも蒸気抜け部30の周囲を覆うように接着されていればよい。例えば蒸気用保護部51の外周のみを枠状に接着してもよい。
上記実施形態では、開封用保護部61はその全領域が外面11bに接着されていたが、少なくとも開封片25の一部に接着されているとともに開封部40の周囲を覆うように接着されていればよい。例えば開封用保護部61の外周のみを枠状に接着してもよい。
上記実施形態では、蒸気抜け部30及び開封部40が表面11に形成されていたが、蒸気抜け部30及び開封部40が裏面12に形成され、シール部材5が蒸気抜け部30及び開封部40を覆うように裏面12に貼り付けられる構成であってもよい。
上記実施形態では、シート本体10の長手方向Lの中央部に蒸気抜け部30及び開封部40が形成されていたが、シート本体10における蒸気抜け部30及び開封部40の位置は特に限定されない。例えば、蒸気抜け部30及び開封部40をシート本体10の長手方向一側L1の端部付近に形成してもよく、長手方向他側L2の端部付近に形成してもよい。開封部40をシート本体10の長手方向一側L1の端部付近に形成することで、開封後に広い開口43を得ることができる。
上記実施形態では、蒸気側領域13と開封側領域14とが短手方向Wに隣り合うように形成されていたが、蒸気側領域13と開封側領域14とが長手方向Lに隣り合うように形成されていてもよい。このとき、例えば開封部40をコ字状又は逆コ字状とするとともに、開封テープ70をシート本体10の短手方向Wに延在し、開封部40を覆う開封用シール60が貼り付けられる領域を通過するように配置してもよい。
上記実施形態では、蒸気抜け部30と開封部40がシート本体10の同一面に形成されていたが、それぞれがシート本体10の異なる面に形成されていてもよい。この変形例についての詳細について図9及び図10を参照しながら説明する。図9は変形例の包装袋1Aの平面図であり、図10は変形例の包装袋1Aの背面図である。なお、図9及び図10では、帯状シート部80の図示を省略している。
変形例の包装袋1Aは、蒸気抜け部30、開封部40、蒸気用シール50、開封用シール60、及び開封テープ70の位置が上記実施形態の包装袋1とは異なる。
図9に示すように、包装袋1Aでは、蒸気抜け部30が表面11における短手方向他側W2の端部付近に形成され、蒸気用シール50が蒸気抜け部30を覆うように外面11bに貼り付けられる。また図10に示すように、包装袋1Aでは、開封部40が裏面12における短手方向他側W2の端部付近に形成され、開封用シール60が開封部40を覆うように外面12bに貼り付けられる。また開封テープ70は、長手方向Lに延在し、開封用シール60が貼り付けられる領域を通過するように内面12aに貼り付けられる。シール部材5は、表面11と裏面12を跨いで外面11b,12bの両方に貼り付けられる。即ち、包装袋1Aは、蒸気用シール50と開封用シール60とが隣り合うように貼り付けられるものの、蒸気抜け部30と開封部40とがシート本体10の異なる面に形成される。
1 包装袋
10 シート本体
11b 外面
30 蒸気抜け部
40 開封部
50 蒸気用シール
60 開封用シール
10 シート本体
11b 外面
30 蒸気抜け部
40 開封部
50 蒸気用シール
60 開封用シール
Claims (6)
- 袋状のシート本体と、
前記シート本体に形成され、前記シート本体の内側と外側を連通する蒸気抜け部と、
前記シート本体に形成され、前記シート本体の内側と外側を連通する開封部と、
前記蒸気抜け部を覆うように前記シート本体の外面に貼り付けられる蒸気用シールと、
前記開封部を覆うように前記外面に貼り付けられ、前記蒸気用シールとは別個に剥離可能な開封用シールと、を備え、
前記蒸気用シールと前記開封用シールとが隣り合う包装袋。 - 前記蒸気抜け部と前記開封部とは、前記シート本体における同一面に形成される請求項1に記載の包装袋。
- 前記蒸気用シールと前記開封用シールとは、1枚のシール部材によって形成され、
該シール部材は前記蒸気用シールと前記開封用シールとに2分するための弱線部を有する請求項1又は2に記載の包装袋。 - 前記弱線部は、前記シール部材を貫通する貫通部及び前記シール部材を貫通しない非貫通部が交互に配置されて形成されたミシン目又は前記シール部材の厚み方向の一部を削除して形成されるハーフカットである請求項3に記載の包装袋。
- 前記蒸気抜け部は平面視で略U字状の切り込みによって形成され、
前記開封部は平面視で略逆U字状の切り込みによって形成される請求項1から4のいずれかに記載の包装袋。 - 前記蒸気用シールと前記開封用シールとが並ぶ方向に直交する方向に延在し、前記シート本体における前記開封用シールが貼り付けられる領域を通過する開封テープを更に備える請求項1から5のいずれかに記載の包装袋。
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