JP2023097479A - 四角ボトル - Google Patents

Abstract

【課題】座屈変形を抑える。【解決手段】上下方向に延びる胴部１３は、パネル面部１５、１６とコーナー面部１７とが胴部の中心軸線Ｏ回りに沿う周方向に交互に配置されて構成され、胴部における上下方向の中央部に、周方向の全長にわたって連続して延びる周溝２１が形成され、周溝のうち、パネル面部に位置する部分に、周溝の深さより深い指当て用凹部２２が配設され、周溝を画成する内面のうちの上端部において、周方向で互いに隣接する指当て用凹部とコーナー面部との間に位置する部分、並びにこのコーナー面部に位置する部分に、周方向に延びる横条部２３が設けられ、これらの指当て用凹部とコーナー面部との間に位置する部分に、横条部から下方に向けて延びる縦条部２４が配設されている。【選択図】図１

Description

本発明は、四角ボトルに関する。

従来から、例えば下記特許文献１に示されるような、上下方向に延びる胴部に、パネル面部とコーナー面部とが胴部の中心軸線回りに沿う周方向に交互に配置され、胴部における上下方向の中央部に、周方向の全長にわたって連続して延びる周溝が形成され、周溝のうち、パネル面部に位置する部分に、周溝の深さより深い指当て用凹部が配設された四角ボトルが知られている。

特開２００７－２０４０６１号公報

しかしながら、前記従来の四角ボトルでは、上下方向の圧縮荷重が加えられたときに、軽量化に伴って、例えば、周溝のうち、指当て用凹部が設けられた部分が上下方向に潰れつつ、複数のパネル面部のうち、指当て用凹部が設けられていないパネル面部が、径方向の外側に向けて膨出するように、座屈変形しやすくなるおそれがあった。

そこで、本発明は、座屈変形を抑えることができる四角ボトルを提供することを目的とする。

本発明の一態様に係る四角ボトルは、上下方向に延びる胴部は、パネル面部とコーナー面部とが前記胴部の中心軸線回りに沿う周方向に交互に配置されて構成され、前記胴部における上下方向の中央部に、周方向の全長にわたって連続して延びる周溝が形成され、前記周溝のうち、前記パネル面部に位置する部分に、前記周溝の深さより深い指当て用凹部が配設され、前記周溝を画成する内面のうちの上端部において、周方向で互いに隣接する前記指当て用凹部と前記コーナー面部との間に位置する部分、並びにこのコーナー面部に位置する部分に、周方向に延びる横条部が設けられ、これらの指当て用凹部とコーナー面部との間に位置する部分に、前記横条部から下方に向けて延びる縦条部が配設されている。

周溝の内面のうちの上端部において、周方向で互いに隣接する指当て用凹部とコーナー面部との間に位置する部分、並びにこのコーナー面部に位置する部分（以下、これらをまとめて「段差部」という）に、周方向に延びる横条部が設けられているので、四角ボトルに上下方向の圧縮荷重が加えられたときに、横条部を上下方向に圧縮変形させることで、段差部に生ずる応力を緩和することが可能になり、段差部を座屈変形の起点になりにくくすることができる。
周方向で互いに隣接する指当て用凹部とコーナー面部との間に位置する部分に、横条部から下方に向けて延びる縦条部が配設されているので、四角ボトルに上下方向の圧縮荷重が加えられたときに段差部に生じた応力を、横条部および縦条部を介してパネル面部に伝達させることで抑制することができる。
以上より、座屈変形を抑えることができる。

前記横条部のうち、前記縦条部側と反対側の先端部は、前記縦条部と周方向で隣接する前記コーナー面部に位置してもよい。

横条部のうち、縦条部側と反対側の先端部が、縦条部と周方向で隣接するコーナー面部に位置しているので、このコーナー面部の周方向の両端部のうち、縦条部側と反対側の端部における上下方向の圧縮荷重に対する剛性を確保することが可能になり、四角ボトルの座屈強度を確保することができる。

周方向で互いに隣接する前記指当て用凹部と前記コーナー面部との間に位置する部分は、周方向に沿って前記コーナー面部から前記指当て用凹部に向かうに従い径方向の内側に向けて延びてもよい。

周方向で互いに隣接する指当て用凹部とコーナー面部との間に位置する部分が、周方向に沿ってコーナー面部から指当て用凹部に向かうに従い径方向の内側に向けて延びているので、この部分における上下方向の圧縮荷重に対する剛性を高めることが可能になり、座屈変形を確実に抑えることができる。

前記縦条部の下部は、下方に向かうに従い、前記指当て用凹部から周方向に離れる向きに延びてもよい。

縦条部の下部が、下方に向かうに従い、指当て用凹部から周方向に離れる向きに延びているので、四角ボトルに上下方向の圧縮荷重が加えられたときに段差部に生じた応力を、パネル面部の周方向の両端部における広範囲にわたって伝達させて確実に抑制することができる。

前記縦条部は、全長にわたって同一の前記パネル面部に位置してもよい。

縦条部が、全長にわたって同一のパネル面部に位置しているので、この縦条部に周方向で隣接するコーナー面部の周方向の両端部のうちの縦条部側の端部における上下方向の圧縮荷重に対する剛性を確保することが可能になり、四角ボトルの座屈強度を確保することができる。

この発明によれば、座屈変形を抑えることができる。

一実施形態として示した四角ボトルの側面図である。

以下、図面を参照し、一実施形態に係る四角ボトルを説明する。
四角ボトル１０は、図１に示されるように、口部１１、肩部１２、胴部１３、および底部１４が、上下方向に延びるボトル軸Ｏと同軸に配設されるとともに、上方から下方に向けてこの順に連設されて構成されている。
以下、上下方向から見て、ボトル軸Ｏに交差する方向を径方向といい、ボトル軸Ｏ回りに周回する方向を周方向という。

四角ボトル１０は、射出成形により有底筒状に形成されたプリフォームが、ブロー成形されて形成され、例えば、ポリエチレンテレフタレート、若しくはポリプロピレンなどの合成樹脂材料で一体に形成されている。口部１１には、図示しないキャップが装着される。
四角ボトル１０の内容積は、例えば２００ｍｌ以上４０００ｍｌ以下の液体が充填される大きさとなっている。図示の例では、四角ボトル１０の内容積は、２０００ｍｌの液体が充填される大きさとなっている。

胴部１３は、上下方向に延びるとともに、パネル面部１５、１６とコーナー面部１７とが周方向に交互に配置されて構成され、ボトル軸Ｏに直交する横断面視で四角形状を呈する。パネル面部１５、１６およびコーナー面部１７は、径方向の外側に向けて突の曲面状に形成された連結部を介して周方向に連結されている。

各パネル面部１５、１６は、前記横断面視でほぼ真直ぐ延びている。なお、各パネル面部１５、１６は、前記横断面視で径方向の外側に向けて凸となる曲線状を呈してもよい。
コーナー面部１７は、周方向に隣り合うパネル面部１５、１６における周方向の端部同士を連結する。コーナー面部１７は、周方向に幅を有し、上下方向に延びる帯状に形成されている。各コーナー面部１７は、前記横断面視でほぼ真直ぐ延びている。各コーナー面部１７の幅は、各パネル面部１５、１６の周方向の大きさより小さくなっている。なお、各コーナー面部１７は、前記横断面視で径方向の外側に向けて凸となる曲線状を呈してもよい。

胴部１３は、前記横断面視で長方形状を呈し、長辺なす第１パネル面部１５と、短辺をなす第２パネル面部１６と、がコーナー面部１７を介して周方向に連設されて構成されている。なお、胴部１３は、前記横断面視で正方形状を呈してもよい。
図示の例では、第２パネル面部１６における周方向の大きさは、第１パネル面部１５における周方向の大きさの半分より長くなっている。肩部１２および底部１４も、胴部１３と同様に、前記横断面視で長方形状を呈する。

２つの第１パネル面部１５は、ボトル軸Ｏを挟んで径方向で対向している。２つの第１パネル面部１５の形状は、互いに同等になっている。２つの第２パネル面部１６は、ボトル軸Ｏを挟んで径方向で対向している。２つの第２パネル面部１６の形状は、互いに同等になっている。第１パネル面部１５、および第２パネル面部１６の各形状は、互いに異なっている。

ここで、２つの第１パネル面部１５が互いに同等の形状であることは、２つの第１パネル面部１５の外縁形状などが互いに同等であることのみならず、外周面に形成された窪みなども含めた全体から視認される形状が互いに同等であることを意味する。このことは、２つの第２パネル面部１６についても同じとなっている。

胴部１３における上下方向の中央部には、周方向の全長にわたって連続して延びる周溝２１が形成されている。周溝２１のうち、第１パネル面部１５に位置する部分に、周溝２１の深さより深い指当て用凹部２２が配設されている。指当て用凹部２２は、第１パネル面部１５における中央部に配設されている。指当て用凹部２２は、径方向の外側から見た正面視で、周方向に長い長方形状を呈する。指当て用凹部２２は、周溝２１のうち、第１パネル面部１５に位置する部分に、周方向の両端部を除く周方向の全長にわたって設けられている。周溝２１の底面のうち、コーナー面部１７に位置する部分は、下方に向かうに従い径方向の外側に向けて延びている。

そして、本実施形態では、周溝２１を画成する内面のうちの上端部において、周方向で互いに隣接する指当て用凹部２２とコーナー面部１７との間に位置する部分、並びにこのコーナー面部１７に位置する部分に、周方向に延びる横条部２３が設けられている。

周方向で互いに隣接する指当て用凹部２２とコーナー面部１７との間に位置する部分に、横条部２３から下方に向けて延びる縦条部２４が配設されている。周方向で互いに隣接する指当て用凹部２２とコーナー面部１７との間に位置する部分は、周方向に沿ってコーナー面部１７から指当て用凹部２２に向かうに従い径方向の内側に向けて延びている。縦条部２４は、コーナー面部１７から周方向に離れ、指当て用凹部２２と周方向に近接している。縦条部２４および横条部２３は、中空の突条状に形成されている。縦条部２４は、横条部２３における周方向の両端部のうち、指当て用凹部２２側の端部から下方に向けて延びている。

横条部２３のうち、縦条部２４側と反対側の先端部２３ａは、縦条部２４と周方向で隣接するコーナー面部１７に位置している。つまり、横条部２３の先端部２３ａは、第２パネル面部１６に達していない。横条部２３の先端部２３ａは、縦条部２４から周方向に離れるに従い、幅が狭くなり、かつ突出量が低くなるように形成されている。
なお、横条部２３の先端部２３ａは、縦条部２４と周方向で隣接するコーナー面部１７を周方向に超えて第２パネル面部１６に達してもよい。

縦条部２４の下部２４ｂは、下方に向かうに従い、指当て用凹部２２から周方向に離れる向きに延びている。縦条部２４の上部は、上下方向に真直ぐ延びている。縦条部２４と横条部２３との接続部分は、上方に向かうに従い、指当て用凹部２２から周方向に離れる向きに延びている。縦条部２４は、全長にわたって同一の第１パネル面部１５に位置している。縦条部２４の下端部２４ａは、下方に向かうに従い、幅が狭くなり、かつ突出量が低くなるように形成されている。
なお、縦条部２４の下端部２４ａは、第１パネル面部１５を周方向に超えてコーナー面部１７に達してもよい。

指当て用凹部２２の上端部は、横条部２３の上端部より下方で、かつ横条部２３の下端部より上方に位置している。指当て用凹部２２の下端部は、縦条部２４の下端部２４ａより上方で、かつ縦条部２４の上部より下方に位置している。
なお、横条部２３および縦条部２４に対する指当て用凹部２２における上端部および下端部それぞれの上下方向の位置は、図示の例に限らず適宜変更してもよい。

以上説明したように、本実施形態による四角ボトル１０によれば、周溝２１の内面のうちの上端部において、周方向で互いに隣接する指当て用凹部２２とコーナー面部１７との間に位置する部分、並びにこのコーナー面部１７に位置する部分（以下、これらをまとめて「段差部」という）に、周方向に延びる横条部２３が設けられているので、四角ボトル１０に上下方向の圧縮荷重が加えられたときに、横条部２３を上下方向に圧縮変形させることで、段差部に生ずる応力を緩和することが可能になり、段差部を座屈変形の起点になりにくくすることができる。
周方向で互いに隣接する指当て用凹部２２とコーナー面部１７との間に位置する部分に、横条部２３から下方に向けて延びる縦条部２４が配設されているので、四角ボトル１０に上下方向の圧縮荷重が加えられたときに段差部に生じた応力を、横条部２３および縦条部２４を介して第１パネル面部１５に伝達させることで抑制することができる。
以上より、座屈変形を抑えることができる。

横条部２３のうち、縦条部２４側と反対側の先端部２３ａが、縦条部２４と周方向で隣接するコーナー面部１７に位置しているので、このコーナー面部１７の周方向の両端部のうち、縦条部２４側と反対側の端部における上下方向の圧縮荷重に対する剛性を確保することが可能になり、四角ボトル１０の座屈強度を確保することができる。

周方向で互いに隣接する指当て用凹部２２とコーナー面部１７との間に位置する部分が、周方向に沿ってコーナー面部１７から指当て用凹部２２に向かうに従い径方向の内側に向けて延びているので、この部分における上下方向の圧縮荷重に対する剛性を高めることが可能になり、座屈変形を確実に抑えることができる。

縦条部２４の下部２４ｂが、下方に向かうに従い、指当て用凹部２２から周方向に離れる向きに延びているので、四角ボトル１０に上下方向の圧縮荷重が加えられたときに段差部に生じた応力を、第１パネル面部１５の周方向の両端部における広範囲にわたって伝達させて確実に抑制することができる。

縦条部２４が、全長にわたって同一の第１パネル面部１５に位置しているので、この縦条部２４に周方向で隣接するコーナー面部１７の周方向の両端部のうちの縦条部２４側の端部における上下方向の圧縮荷重に対する剛性を確保することが可能になり、四角ボトル１０の座屈強度を確保することができる。

なお、本発明の技術範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。

例えば、縦条部２４は、指当て用凹部２２から周方向に離れ、コーナー面部１７と周方向に近接してもよい。
縦条部２４の下部２４ｂは、上下方向に真直ぐ延びてもよい。

その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記実施形態および前記変形例を適宜組み合わせてもよい。

１０ 四角ボトル
１３ 胴部
１５、１６ パネル面部
１７ コーナー面部
２１ 周溝
２２ 指当て用凹部
２３ 横条部
２３ａ 横条部の先端部
２４ 縦条部
２４ａ 縦条部の下端部
２４ｂ 縦条部の下部
Ｏ ボトル軸（中心軸線）

Claims (5)

1. 上下方向に延びる胴部は、パネル面部とコーナー面部とが前記胴部の中心軸線回りに沿う周方向に交互に配置されて構成され、
   前記胴部における上下方向の中央部に、周方向の全長にわたって連続して延びる周溝が形成され、
   前記周溝のうち、前記パネル面部に位置する部分に、前記周溝の深さより深い指当て用凹部が配設され、
   前記周溝を画成する内面のうちの上端部において、周方向で互いに隣接する前記指当て用凹部と前記コーナー面部との間に位置する部分、並びにこのコーナー面部に位置する部分に、周方向に延びる横条部が設けられ、
   これらの指当て用凹部とコーナー面部との間に位置する部分に、前記横条部から下方に向けて延びる縦条部が配設されている、四角ボトル。
2. 前記横条部のうち、前記縦条部側と反対側の先端部は、前記縦条部と周方向で隣接する前記コーナー面部に位置している、請求項１に記載の四角ボトル。
3. 周方向で互いに隣接する前記指当て用凹部と前記コーナー面部との間に位置する部分は、周方向に沿って前記コーナー面部から前記指当て用凹部に向かうに従い径方向の内側に向けて延びている、請求項１または２に記載の四角ボトル。
4. 前記縦条部の下部は、下方に向かうに従い、前記指当て用凹部から周方向に離れる向きに延びている、請求項１から３のいずれか１項に記載の四角ボトル。
5. 前記縦条部は、全長にわたって同一の前記パネル面部に位置している、請求項４に記載の四角ボトル。

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