JP2023097432A - 石綿の処理方法 - Google Patents

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Makoto Sadanaga
義典 吉田
Yoshinori Yoshida
雄平 松原
Yuhei Matsubara
尚機 岡本
Hisaki Okamoto
俊行 田中
Toshiyuki Tanaka
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Abstract

【課題】従来技術に比較し、より低温で、石綿を不可逆的に無害化することができ、無害化処理後に有害な副産物の生成が抑制された石綿の処理方法を提供する。【解決手段】石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を、400℃以上であり、且つ、処理対象である石綿の融点温度未満の温度で焼成する工程(a)、及び、石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を粉砕する工程(b)を含む、石綿の処理方法である。さらに、石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を、圧力1.5気圧~3気圧、温度100℃~150℃の条件下でオートクレーブ処理する工程(c)を含んでもよい。【選択図】なし

Description

本開示は、石綿の処理方法に関する。
石綿は、天然に産する繊維状鉱物の一種であり、蛇紋石、角閃石が繊維状に変形した無機繊維状鉱物の総称であり、アスベストとも称される。石綿は、ヒトへの健康被害、例えば、発がん性等のリスクを考えた世界保健機関(World Health Organization:WHO)の定義では、鉱物学の分類で蛇紋石族のクリソタイルと角閃石族のアモサイト、クロシドライト、アンソフィライト、トレモライト、及びアクチノライトの計6種類の天然ケイ酸塩鉱物であり、且つ、顕微鏡観察でアスペクト比が3以上の繊維状のものをいう。日本国内で建材に利用された石綿のほとんどが、クリソタイル、アモサイト、及びクロシドライトの3種類である。
石綿は、長さに比較して繊維径の極めて小さい繊維状の形状を有し、耐熱性、耐薬品性、絶縁性に優れていることから、1900年代の初頭から、断熱材、防火材等の建築資材、摩擦防止用としての機械部品、フィルター等に汎用されていた。しかしながら、1970年代頃には、石綿の人体及び環境への有害性が明らかとなり、特に、発がん性が問題となり、使用及び製造の削減、禁止規制が厳格になっており、2012年3月からは、石綿の製造は全面的に禁止されるに至った。
石綿の健康被害は、具体的には、石綿の粉塵が吸入により肺に取り込まれ、微細な繊維状であることで、肺、胸膜等に突き刺さり、肺がん、胸膜中皮腫の原因になることに起因する。
石綿は、現在では新規の製造及び使用は禁止されているが、建造物のなかには、従来使用されていた石綿を含む建築資材が存在するため、建造物の改修、解体に際しては、石綿の安全な処理方法が求められている。
石綿を含む建築資材の廃棄に際しては、石綿を環境に露出させないことが重要となる。例えば、建造物の改修に際しては、石綿を完全に除去する方法に加え、石綿を含む建築資材に薬剤を浸み込ませて表層部又は全層を被覆又は固着する方法、石綿を含む部分を非石綿製の板状材料で覆う方法等により、石綿を封じ込め、飛散防止を図ることが試みられている。
除去された石綿を含む建築資材の廃棄物は、産業廃棄物として管理型埋め立地に埋め立てて処理する方法、加熱、焼成等により、廃棄物に含まれる石綿を非石綿化して無害化処理する方法等により処理される。
石綿の上記処理方法のうち、管理型埋め立て処理は、コストが低いために汎用されてはいるが、管理可能な埋め立て地に限りがあること、地震、大雨等による埋め立て地の土壌の不安定化により石綿が再露出する可能性があること等から好ましくない。
石綿は鉱物であるため、焼成等の加熱による無害化は、石綿の融点以上に加熱する必要があり、大がかりな加熱設備と、加熱のための高エネルギーを必要とするという問題がある。
このため、よりエネルギーの消費量が少なく、石綿を無害化する石綿の処理方法が望まれている。
石綿の処理方法、無害化方法については、種々の検討がなされている。
石綿等の被処理物にSi、Ca及びAlからなる群より選択される1種以上の物を、所定のモル比となる量、添加し、混合し、得られた混合物を微粉砕し、400℃~1200℃にて、X線解析にて石綿のピークが消失するまで加熱する石綿の処理方法が提案されて
いる(特許文献1参照)。
アスベスト等の被処理物を過熱蒸気の雰囲気下で、アスベスト中の結晶水を脱水させて無害化する方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、アスベストを含む建材廃棄物の処理方法として、アスベストを含む建材廃棄物と無機系廃棄物とを粉砕、混合し、さらに、700℃~1500℃の温度にて反応、焼結させて反応焼結体を得ることでアスベストを無害化する方法が提案されている(特許文献3参照。)
特許第4694065号公報 特許第5095193号公報 特許第4554768号公報
特許文献1に記載の方法では、石綿に添加する無機材料として、ケイ素を含む廃ガラス、シリカフューム、生石灰、酸化アルミニウムの有無等に加え、Si、Ca及びAlのうち2種以上を含むゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰、コンクリート廃材等が使用できるとされている。しかし、上記無機材料を用いる場合には、無機材料に含まれるSi、Ca及びAlの含有量をまず測定し、正しく所定のモル比で石綿に混合する必要があり、工程が複雑である。また、例えば、フォルステライトを含む被処理物を用いた場合、非石綿化した処理後であっても、添加材料のモル比が規定の範囲外となった場合等には、処理後の材料をコンクリート硬化体の添加剤として用い、オートクレーブ養生を行った場合には、材料が水と反応して再度クリソタイル化、即ち、石綿化し、有害化される懸念がある。
特許文献2に記載の方法では、石綿類に過熱蒸気を供給し、800℃~1100℃の温度に加熱し、過熱蒸気雰囲気下で所定時間処理することでアスベスト中の結晶水を脱水させて無害化する方法である。実施例によれば、高温の過熱水蒸気下で1時間保持する等、エネルギーの消費量が大きいため、改良が望まれている。
特許文献3に記載の方法では、アスベスト含有建材と、ガラス相を生成する成分が多く含まれる無機系廃棄物、例えば、下水汚泥焼却灰、一般廃棄物焼却灰、窯業廃材等とを粉砕し、混合した混合物を高温で反応、焼結されるが、アスベストとの反応を十分に行わせるために、無機系廃棄物において反応の進行に有用な成分を配合し、且つ、反応を阻害する鉄、リン等の含有量を考慮しなければならず、無機系廃棄物に含まれる成分及びその含有量を予め測定した上で、所定の比率に配合する必要がある。しかし、下水汚泥焼却灰、一般廃棄物焼却灰等は、一定の成分比率で排出されるものではないため、使用前に事前の測定が必須となり、工程が煩雑である。さらに、加熱温度も700℃以上の高温となるため、省エネルギーの観点からも改良が望まれている。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、従来技術に比較し、より低温で、石綿を不可逆的に無害化することができ、無害化処理後に有害な副産物の生成が抑制された石綿の処理方法を提供することにある。
上記課題の解決手段は、以下の構成を含む。
<1> 石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を、400℃以上であり、且つ、処理対象である石綿の融点温度未満の温度で焼成する工程(a)、及び、石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を粉砕する工程(b)、を含む、石綿の処理方法。
本開示では、以下、「石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種」を、「石綿類」と称することがある。
本開示の石綿の処理方法の第一の態様では、石綿類を焼成する工程(a)による石綿類の熱分解、加熱、焼成による物性の変化、併存する他の無機成分との反応による無害化、及び、石綿類を粉砕する工程(b)による石綿のアスペクト比低下、粒状化、表面積の拡張等を、組み合わせることで、従来公知の技術よりも低エネルギーで、石綿を効率よく無害化することができる。さらに、本開示の石綿の処理方法の第一の態様では石綿類以外の成分を添加する必要がないため、副反応による所望されない有害な副産物の生成が抑制されると考えられる。
<2> 石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を粉砕する工程(b)、及び、石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を、圧力1.5気圧~3気圧、温度100℃~150℃の条件下でオートクレーブ処理する工程(c)、を含む、石綿の処理方法。
本開示の石綿の処理方法の第二の態様では、石綿類を粉砕する工程(b)による石綿のアスペクト比低下、粒状化、表面積の拡張等、及び、石綿類をオートクレーブ処理する工程(c)による石綿類の加熱、加圧条件下における水との反応等を、組み合わせることで、従来公知の技術よりも低エネルギーで、石綿を効率よく無害化することができる。本開示の石綿の処理方法の第二の態様では石綿類及び水以外の成分を添加する必要がないため、副反応による所望されない有害な副産物の生成が抑制されると考えられる。
<3> 石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を、400℃以上であり、且つ、処理対象である石綿の融点温度未満の温度で焼成する工程(a)、石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を粉砕する工程(b)、及び、石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を、圧力1.5気圧~3気圧、温度100℃~150℃の条件下でオートクレーブ処理する工程(c)、を含む、石綿の処理方法。
本開示の石綿の処理方法の第三の態様では、石綿類を焼成する工程(a)による石綿類の熱分解、加熱、焼成による物性及び組織の変化、併存する他の無機成分との反応による無害化、石綿類を粉砕する工程(b)による石綿のアスペクト比低下、粒状化、表面積の拡張等、及び、石綿類をオートクレーブ処理する工程(c)による石綿類の加熱、加圧条件下における水との反応を、適宜、組み合わせることで、従来公知の技術よりも低エネルギーで、石綿を効率よく無害化することができる。石綿の処理方法の第三の態様では、上記第一の態様において、焼成処理、粉砕処理に加え、さらに、水蒸気と加圧条件とを適用するオートクレーブ処理がさらに行われるため、第一の態様に対して、無害化し難い石綿類に対しても、より低エネルギーの条件で、より効果的な無害化が達成できると考えている。
本開示の石綿の処理方法では、第一の態様、第二の態様及び第三の態様のいずれにおいても、石綿の処理方法において、石綿類及び水以外の成分を添加する必要がないため、副反応による所望されない有害な副産物の生成が抑制されると考えられる。
<4> 前記工程(a)の後に、前記工程(b)を行う、<1>又は<3>に記載の石綿の処理方法である。
本開示の石綿の処理方法の第一の態様及び第三の態様においては、石綿類をまず加熱し、焼成することで、石綿類の熱による分解反応が促進され、且つ、石綿の結晶構造が脆化するため、まず焼成する工程(a)を行い、その後、焼成した石綿類を粉砕する工程(b)を行うことで、効率よく石綿を微粉砕することができる。石綿は、無機繊維状鉱物としての形状に起因する有害性が指摘されているが、焼成後の粉砕により、粉砕に要するエネルギー及び粉砕時間をより低く抑えながら、繊維状の石綿の形状を効率よく粒状化することができる。
<5> 前記工程(b)の後に、前記工程(c)を行う、<2>に記載の石綿の処理方法である。
本開示の石綿の処理方法の第二の態様においては、石綿類を粉砕する工程(b)を行うことにより、石綿類の粒子径が減少し、粒子の表面積がより拡大するため、引き続き行われるオートクレーブ処理により、表面積が拡張され、結晶が微小化した石綿類とオートクレーブ中の蒸気に含まれる水との反応がより効率よく行われる。さらに、石綿類にセメント廃材が含まれる場合には、セメント由来の酸化カルシウム反応物(例えば、3CaO・SiO等)が水と反応して、アルカリ状態となり、アルカリとの反応により、石綿の無害化が促進されると考えられる。
<6> 前記工程(a)の後に、前記工程(c)を行う、<3>に記載の石綿の処理方法である。
本開示の石綿の処理方法の第三の態様においては、石綿類を焼成する工程(a)により、石綿類の熱による分解反応及び石綿の結晶構造の脆化を行った後、工程(c)のオートクレーブ処理することにより、表面積が拡張され、結晶が脆化した石綿類とオートクレーブ中の水蒸気に含まれる水との反応がより効率よく行われる。さらに、石綿類にセメント廃材が含まれる場合には、セメント由来の酸化カルシウム反応物(例えば、3CaO・SiO等)が水と反応して、アルカリ状態となり、アルカリとの反応により、石綿の無害化が促進されると考えられる。
<7> 前記工程(a)、前記工程(b)及び前記工程(c)の少なくともいずれかを2回以上含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載の石綿の処理方法である。
本開示の石綿の処理方法の第一の態様では、前記工程(a)、及び前記工程(b)をそれぞれ1回ずつ含めば特に制限はなく、第二の態様では、前記工程(b)、及び前記工程(c)をそれぞれ1回ずつ含めば特に制限はなく、本開示の石綿の処理方法の第三の態様では、前記工程(a)、及び前記工程(b)及び前記工程(c)をそれぞれ1回ずつ含めば特に制限はなく、各工程の実施順も任意である。なお、必要に応じて前記工程(a)、前記工程(b)及び前記工程(c)のうち任意の工程を2回以上含んでもよい。
それぞれの工程の少なくともいずれかを2回以上含むことで、所望の粉砕条件、加熱条件、加圧条件等を選択する際の自由度がより向上し、さらに、工程を実施する順の自由度もより向上する。このため、石綿類の無害化の観点から、より効果的な条件を容易に調整することができる。
<8> 前記工程(b)は、石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種に対し、機械的粉砕及び化学的粉砕の少なくともいずれかを行って、アスペクト比が3未満の粒子を得る工程である、<1>、<3>、<4>、<6>及び<7>のいずれか1つに記載の石綿の処理方法である。
石綿は、JIS A 1481-2:2016にて、アスペクト比が3以上の繊維状粒子と定義されており、形状に起因して人体に影響を及ぼしやすいことから、本開示の石綿の処理方法における石綿類を粉砕する工程(b)は、アスペクト比3未満の粒子、より好ましくはアスペクト比が1に近い粒状の形状に石綿類を粉砕することが好ましい。
石綿類を粉砕する工程(b)により、石綿類のアスペクト比を3未満とすることで、石綿類の人体に与える影響をより低減し、且つ、表面積の拡張により、その他の工程における石綿類の反応性をより向上させることができ、石綿の無害化をより効率よく行うことができる。
<9> 石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種が、セメントを含む石綿含有材料であり、前記石綿含有材料を平均粒子径500μm~15mmのサイズに粗粉砕する工程(d)をさらに含む、<1>~<8>のいずれか1つに記載の石綿の処理方法である。
石綿は、単独のみならず、セメント等のバインダー成分と混合されて吹きつけにより断熱材、防火材として使用され、また、セメント組成物に含有させて建材等として用いられることが多い。このような石綿とセメントとを含む石綿含有材料では、廃材として回収された場合、そのまま微粉砕することは困難である。
セメントを含む石綿含有材料は、石綿含有材料を平均粒子径500μm~5mmのサイズに粗粉砕する工程(d)を行うことで、石綿含有材料の体積をより小さく、表面積をより大きくすることができる。工程(d)を行うことにより、被処理物である石綿類の取り扱い性が向上し、石綿の処理方法に対して実施される他の工程、具体的には、前記工程(a)、前記工程(b)及び前記工程(c)の各工程のうち少なくとも1工程をより効率よく行うことができる。
本開示に係る作用は明確ではないが、以下のように推定される。
本開示の石綿類の処理方法では、石綿類を焼成する工程(a)(以下、工程(a)と称することがある)により、石綿類を熱分解して無害化し、石綿類に含まれる他の無機成分との反応を熱により促進させて無害化することができる。石綿類を粉砕する工程(b)(以下、工程(b)と称することがある)により、繊維状の石綿を粉砕により粒状化して、より人体に影響を与え難い形状とすることができる。また、石綿類を、より微細な粒状とすることにより石綿の表面積を拡張して反応性を向上させたうえで、さらに、石綿類をオートクレーブ処理する工程(c)(以下、工程(c)と称することがある)を行うことにより、石綿類を加熱、加圧条件下において水と反応させてより効率よく無害化することができる。
従って、本開示の石綿の処理方法では、前記工程(a)、工程(b)及び工程(c)のうち、工程(a)と工程(b)、工程(b)と工程(c)、及び工程(a)と工程(b)と工程(c)とを、適宜、組み合わせることにより、低エネルギーで、石綿を効率よく無害化することができると考えている。
一例を挙げれば、例えば、本開示の第三の態様に係る石綿の処理方法では、まず、焼成により石綿類を脆化させ、且つ、結晶構造を弱体化させ、その後、粉砕することで、粉砕が効率よく行なわれ、石綿類の形状をより微細な粒状とすることができる。その上で、オートクレーブ処理して水と反応させ、結晶構造自体を変化させて無害化をより完全なものとする例が挙げられる。
本開示の石綿の処理方法では、処理に先立って、被処理物である石綿類に対し、石綿及び水以外の成分を添加する必要はなく、このため、石綿に含まれる成分と他の成分との副反応による所望されない有害な副産物の生成が抑制されると推定される。
また、他の好ましい態様として、工程(a)、工程(b)及び工程(c)から選ばれる工程のうち、必要に応じて、1以上の工程を複数回行うことにより、より効率的な石綿粒子の微細化と反応性の向上による無害化を達成できると考えている。
本発明の一実施形態によれば、従来技術に比較し、より低温で、石綿を不可逆的に無害化することができ、無害化処理後に有害な副産物の生成が抑制された石綿の処理方法を提供することができる。
図1(A)は、未処理の白石綿含有吹付材試料を走査型電子顕微鏡(SEM)にて500倍で撮影した写真であり、図1(B)は、図1(A)と同条件で撮影した未処理の茶石綿含有吹付材試料のSEM写真であり、図1(C)は、未処理の青石綿含有吹付材試料のSEM写真である。 図2(A)は、図1(A)に示す白石綿含有吹付材試料を950℃で10分間加熱、焼成処理し、乳鉢で粉砕した後の状態を示すSEM写真であり、図2(B)は、図2(A)と同条件で撮影した焼成及び粉砕処理後の茶石綿含有吹付材試料のSEM写真であり、図2(C)は、焼成及び粉砕処理後の青石綿含有吹付材試料のSEM写真である。 図3(A)は実施例1-1及び実施例1-2の石綿の処理方法において、被処理物である白石綿含有綿状吹付材(石綿含有材料A)の未処理材のX線回折の分析結果を示すグラフであり、図3(B)は工程(a)により焼成処理した石綿含有材料AのX線回折の分析結果を示すグラフであり、図3(C)はさらに工程(b)により粉砕処理した石綿含有材料AのX線回折の分析結果を示すグラフであり、図3(D)は工程(c)によりオートクレーブ処理した石綿含有材料AのX線回折の分析結果を示すグラフである。 図4(A)は実施例2の石綿の処理方法において、被処理物である白石綿含有スレート波板(石綿含有材料B)を工程(d)で9.5mm~12mmに粗粉砕した粗粉砕後の粒子のX線回折の分析結果を示すグラフであり、図4(B)は工程(a)により焼成処理した石綿含有材料BのX線回折の分析結果を示すグラフであり、図4(C)はさらに工程(b)により粉砕処理した石綿含有材料BのX線回折の分析結果を示すグラフであり、図4(D)は工程(c)によりオートクレーブ処理した石綿含有材料BのX線回折の分析結果を示すグラフである。 図5(A)は実施例3-1及び実施例3-2の石綿の処理方法において、被処理物である茶石綿含有綿状吹付材(石綿含有材料C)のX線回折の分析結果を示すグラフであり、図5(B)は工程(a)により焼成処理した石綿含有材料CのX線回折の分析結果を示すグラフであり、図5(C)はさらに工程(b)により粉砕処理した石綿含有材料CのX線回折の分析結果を示すグラフであり、図5(D)はさらに工程(c)によりオートクレーブ処理した石綿含有材料CのX線回折の分析結果を示すグラフである。 図6(A)は実施例4-1及び実施例4-2の石綿の処理方法において、被処理物である青石綿含有綿状吹付材(石綿含有材料D)のX線回折の分析結果を示すグラフであり、図6(B)は工程(a)により焼成処理した石綿含有材料DのX線回折の分析結果を示すグラフであり、図6(C)はさらに工程(b)により粉砕処理した石綿含有材料DのX線回折の分析結果を示すグラフであり、図6(D)はさらに工程(c)によりオートクレーブ処理した石綿含有材料DのX線回折の分析結果を示すグラフである。 図7(A)は、実施例5の石綿の処理方法において、被処理物である石綿類を工程(d)により粗粉砕した未処理の白石綿含有吹付材粒子のSEM写真(500倍で撮影)であり、図7(B)は、図7(A)で撮影した粒子を、工程(a)により640℃で30分間焼成した粒子のSEM写真であり、図7(C)は、焼成後の粒子をさらに工程(b)によりハイスピードミルにて10分間粉砕処理した後の粒子のSEM写真であり、図7(D)は、粉砕処理後の粒子を工程(c)でオートクレーブ処理した後の粒子のSEM写真である。 図8は実施例6の石綿の処理方法において、被処理物である石綿含有材料Aを、工程(b)により粉砕処理し、工程(c)によりオートクレーブ処理し、さらに工程(a)により焼成処理した後の、石綿含有材料AのX線回折の分析結果を示すグラフである。 図9(A)は、実施例7の石綿の処理方法に用いた未処理の石綿含有材料AのX線回折の分析結果を示すグラフであり、図9(B)は、石綿含有材料Aを、工程(b)にて粉砕処理し、さらに、工程(c)にてオートクレーブ処理した後のX線回折の分析結果を示すグラフである。
以下、本開示の石綿の処理方法について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されない。
なお、本開示において、数値範囲を示す「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において「アスペクト比」とは、固体の縦横比を表す。例えば、矩形の固体では、最短辺の長さに対する最長辺の長さの比、紡錘形の固体では、最小径に対する最大径の比を表す。繊維状石綿又は針状石綿を例に挙げれば、石綿の投影図における幅に対する長さの比を表す。
各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。各図面において同一の符号を用いて示される化合物は、同一の化合物であることを示す。
本開示は、石綿及び石綿含有材料を処理して石綿を無害化する石綿の処理方法に関するものである。
<石綿の処理方法>
本開示の石綿の処理方法は、石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を、400℃以上であり、且つ、処理対象である石綿の融点温度未満の温度で焼成する工程(a)、石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を粉砕する工程(b)、及び、石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を、圧力1.5気圧~3気圧、温度100℃~150℃の条件下でオートクレーブ処理する工程(c)から選ばれる複数の工程、具体的には、前記工程(a)と工程(b)(第一の態様)、前記工程(b)と工程(c)(第二の態様)、及び前記工程(a)と工程(b)と工程(c)(第三の態様)を含む。
(石綿及び石綿含有材料)
本開示における石綿とは、JIS A 1481:2016にて定義される石綿及び当該石綿を含む石綿含有材料を指す。JIS A 1481:2016の規格群には以下に示す部編成がある。

JIS A 1481-1 第1部:市販バルク材からの試料採取及び定性的判定方法
JIS A 1481-2 第2部:試料採取及びアスベスト含有の有無を判定するための定性分析方法
JIS A 1481-3 第3部:アスベスト含有率のX線回折定量分析方法
JIS A 1481-4 第4部:質量法及び顕微鏡法によるアスベストの定量分析方法
石綿とは、岩石を形成する鉱物のうち、蛇紋石の群に属する繊維状のケイ酸塩鉱物のクリソタイル〔MgSi(OH):白石綿とも称する〕及び角閃石の群に属する繊維状のケイ酸塩鉱物アモサイト〔(Mg,Fe2+Si22(OH):茶石綿とも称する〕、クロシドライト〔3HO・2NaO・6(Fe、Mg)O・2FeO・17SiO:青石綿とも称する〕、トレモライト〔CaMgSi22(OH)〕、アクチノライト〔Ca(Mg,Fe2+Si22(OH)〕、及びアンソフィライト〔MgSi22(OH)〕が含まれる。
石綿は、上記6種の天然ケイ酸塩鉱物で、且つ、顕微鏡観察でアスペクト比が3以上の繊維状のものを指す。石綿は、過去には、断熱材、防火材等の建築資材、摩擦防止用としての機械部品、フィルター等に汎用されていたが、現在では、使用が禁止されている。
上記石綿のなかでも、建築資材等として、長期に亘り、クリソタイル(白石綿)、アモサイト(茶石綿)、及びクロシドライト(青石綿)が汎用されていたので、本開示では、上記3種の石綿及び石綿を含む石綿含有材料に着目して検討している。
石綿含有材料は、石綿とセメント等の他の成分との混合物及びその成形物を指す。
石綿とバインダーとしてのセメントとを混合し、鉄骨等に吹き付けて使用される耐火被覆吹付材、セメント組成物に石綿を添加して成形される人工スレート材、セメントボード、石綿含有断熱ボード、耐火性パッキン等の成形物として使用されている建築資材、石綿、バインダー成分及び溶剤の混合物である外装用塗料で外装された建築資材等が含まれる。なお、石綿含有材料は上記態様には制限されず、石綿を含有する材料であれば、石綿の含有量、併用される他の成分に拘わらず本開示の石綿含有材料に含まれる。
以下、本開示では、クリソタイル(白石綿)含有吹付材試料をCw、アモサイト(茶石綿)含有吹付材試料をCbr、クロシドライト(青石綿)含有吹付材試料をCblと、それぞれ略記することがある。
また、クリソタイル含有材料の一態様であるスレート波板試料をSwと略記することがある。
図1(A)は、Cwを走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:以下、SEMと称する)にて500倍で撮影した写真である。石綿のサイズは、写真の右下に記載のスケールを参照のこと。スケールは、11個のドットで区画された範囲の距離が100μmを表す。図1(A)より、Cwは、太さ(投影図の最短長)が、1μm以下の綿状組織を含み、綿状組織のアスペクト比は3以上であることが分かる。
図1(B)は、図1(A)のCwと同条件で撮影したCbrのSEM写真であり、図1(C)は、CblのSEM写真である。図1(B)及び図1(C)からは、Cbr及びCblのいずれも、太さ1μm以下の針状組織を含み、針状組織のアスペクト比は3以上であることが分かる。
以下、本開示の石綿の無害化方法の各工程を説明する。
(工程(a))
工程(a)は、石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を、400℃以上であり、且つ、処理対象である石綿の融点温度未満の温度で焼成する工程である。
石綿の融点は、例えば、クリソタイル(白石綿)は1521℃、アモサイト(茶石綿)は1309℃、クロシドライト(青石綿)は1193℃であり、種類によって異なる。従来の方法では、融点以上に加熱し、焼成して石綿の結晶構造を破壊するため、1500℃程度の加熱を行わないと無害化は困難と言われており、加熱に特殊な装置と高いエネルギーが必要であった。
本開示の石綿類の処理方法では、後述の工程(b)及び工程(c)の少なくとも1方と組み合わせることから、工程(a)において、石綿類に含まれる石綿の融点以上の加熱は必要なく、400℃以上であり、且つ、処理対象である石綿の融点温度未満の温度にて加熱し、焼成することで石綿の無害化が達成されると考えている。
融点以上の温度にて加熱することにより、石綿が無害化されることは下記文献により確認されている。例えば、クリソタイルは800℃で2時間の加熱により、フォルステライト(MgSiO)に、クロシドライトは800℃で2時間の加熱により、エジリン(NaFe3+Si)、クリストバライト(SiO)、及びヘマタイト(Fe)に、アモサイトは、1100℃で2時間の加熱により、エンスタタイト(MgSi)及びクリストバライトに、それぞれ変成することが報告されている。さらに、加熱により、繊維形状の粒子が減少して、アスペクト比のより小さい形状に変化し、有害性が低下することが知られている。なお、クリソタイルでは、600℃の加熱により結晶構造がフォルステライトに再配列される途上で毒性が強くなることが確認されている(https://www.nies.go.jp/risk_health/hiroba/hiroba02_13.html)。上記文献の記載より、加熱処理については、加熱温度、加熱時間等の条件を検討し、最終的に無害化を確認することが重要であることが分かる。
工程(a)における加熱条件としては、焼成温度は、400℃以上であり、石綿の融点温度未満の温度であれば、石綿類に使用される石綿の種類、石綿類において、石綿と併用されるセメント等の添加物の種類及び量等により、最適な条件を選択して加熱条件を選択することができる。
従来、石綿の分解に必要とされた被処理物である石綿の融点以上の加熱温度にて焼成する必要がないことも本開示の石綿の処理方法の特徴の一つである。
焼成温度は、400℃以上であり、且つ、石綿の融点温度未満の温度であり、500℃以上が好ましく、600℃以上がより好ましい。加熱時間は、焼成温度との相関により選択することができ、例えば、上記温度条件にて10分間~60分間が好ましく、15分間~45分間がより好ましい。
なかでも、石綿類が、石綿以外の成分、例えば、モルタル等を50質量%以上含む石綿含有材料である場合には、焼成温度は、600℃以上が好ましく、700℃以上がより好ましい。加熱時間は、上記温度条件にて15分間~45分間が好ましく、20分間~40分間がより好ましい。
上記温度条件による焼成は、汎用される石綿類の全てに有効であり、さらに、石綿含有材料に有機物が混在している場合でも、上記焼成条件にて加熱することにより、有機物を焼成により除去することができる。従って、本開示の石綿の処理方法によれば、例えば、クリソタイルを含有するスレート波板(Sw)に付着した木片、Swの破砕物を収納するハードコート紙の袋又は麻袋等の有機物を予め除去することなく、焼成により除去することができるという利点をも有する。
即ち、焼成工程により、石綿類に含まれる石綿自体の組織が変性し、脆化することに加え、石綿類に含まれるモルタル等の併用成分についても、分解、脆化等が生じ、石綿類の粒子が、焼成工程を経ることより微細化されやすくなる。即ち、焼成工程では、石綿類の化学的変化による脆化が進行すると考えている。
なお、工程(a)における焼成温度は上記好ましい範囲に限定されない。例えば、石綿含有材料に含まれる石綿の種類、石綿類の含有量、石綿含有材料における石綿以外の成分、例えば、セメント類、有機物等の影響を考慮することで、焼成条件は、より低い焼成温度、より短い加熱時間とすることが可能であることはいうまでもない。
(工程(b))
工程(b)は、石綿類を粉砕する工程である。
工程(b)における粉砕は、機械的粉砕及び化学的粉砕の少なくともいずれかにより、行うことができる。
機械的粉砕を行う場合の粉砕装置としては、公知の機械的粉砕装置を適宜選択して使用することができる。
工程(b)に使用しうる粉砕装置としては、石綿類の飛散を防止するため密閉型の装置が好ましく、より具体的には、例えば、高速カッターミル、ハイスピードミル、ハンマークラッシャーミル、イクシードミル、ローラーミル、ジェットミル等が好ましく挙げられる。
粉砕を行う際には、石綿類の破砕物が環境に及ぼす影響を抑制するため、密閉空間内にて行うか、又は、密閉が可能な粉砕機、例えば、高速カッターミル等を用いることが好ましい。
工程(b)で機械的粉砕装置にて粉砕する時間は、粉砕後の石綿のサイズの目標値に応じて適宜選択される。通常は、公知の機械的粉砕装置で5分間~30分間粉砕することが好ましい。
例えば、粉砕装置として高速カッターミルを用いる場合には、粉砕条件は、20000rpm(回転/分)~30000rpmが好ましく、25000rpm~29000rpmであることがより好ましい。
化学的粉砕、即ち、石綿類を、化学的分解を適用して粉砕する態様としては、前記焼成工程よりも低い温度、具体的には400℃未満の加熱温度で加熱して石綿類を脆化させ微細化させる態様、酸又はアルカリによって石綿類に含まれる成分を化学的に分解させ微細化させる態様等が挙げられる。
工程(b)では、石綿類を無害化するという観点からは、石綿類の長径が1μm~100μmの範囲となるまで粉砕することが好ましい。
また、石綿自体が繊維状の形状を有することで人体に影響を及ぼすことを考慮すれば、工程(b)は、石綿類を機械的に粉砕し、アスペクト比が3未満の粒子を得る工程であることが好ましい。
工程(b)を経た後の石綿類粒子のアスペクト比は、3未満が好ましく、アスペクト比が1、即ち、正方形又は球形に近い形状とすることがより好ましい。
なお、工程(b)のみでアスペクト比が3未満の粒子を得ることが達成されなくても、例えば、既述の工程(a)、さらには後述の工程(c)を併用することで、最終的にアスペクト比が3未満の粒子を得られれば、石綿類の無害化には有用であると言える。
石綿類の平均粒子径は、以下の方法で測定することができる。
SEM又は光学顕微鏡にて100倍~500倍で観察し、視野角内の石綿類の長径と短径を測定する。1試料について1000個の粒子を確認し、投影図としての長径及び短径を測定してアスペクト比を算出する。上記操作を3回行い、合計3000個の粒子において、測定した長径の算術平均を当該試料の粒子の平均粒子径とし、アスペクト比についても同様に算出を行う。なお、測定の結果、アスペクト比が3以上の粒子が4繊維以上観察される場合、石綿類が存在すると認定する。即ち、3回測定した結果、視野角内における
アスペクト比が3以上の粒子が4繊維未満であれば、石綿類を含有しないと認定する。
機械的粉砕を行う場合、処理対象となる石綿類の物性によって、好適な粉砕条件を適宜、選択することができる。
本発明者らの検討によれば、例えば、同じ条件で、高速カッターミル(ハイスピードユニバーサルグラインダー(HC-150):黄城社(中国メーカー)製)により機械的粉砕を行った場合、より硬質なCbl(青石綿含有吹付材試料)の平均粒子径が75.5μmであることに比較して、Cw(白石綿含有吹付材試料)の平均粒子径は、Cblの50%程度の29.1μmであり、より小さい平均粒子径となり、軟質なCbl(茶石綿含有吹付材試料)の平均粒子径は、Cblの12%程度の9.4μmであり、さらに小さい平均粒子径となったことが確認できている。
また、石綿を含むスレート波板(Sw)等の石綿含有材料では、同じ条件の機械的粉砕では、粉砕後の粒子の平均粒子径は、青石綿の7.5倍程度の557.9μmとなった。
工程(b)の粉砕処理は、前述の工程(a)における焼成処理の前に行ってもよく、後に行ってもよい。例えば、工程(a)にて焼成処理を行った後、工程(b)にて粉砕処理を行う場合、焼成により石綿類が脆化することにより、粉砕処理における応力、粉砕時間等をより低減できる可能性がある。
石綿類を粉砕することで、石綿類のサイズが小さくなり、表面積が拡張され、反応性が向上する。また、機械的粉砕により、石綿結晶の脆化による破壊も期待できると考えている。
次に、図1(A)、図1(B)及び図1(C)でSEM写真により観察した未処理の石綿類を、950℃で10分加熱し、焼成した後、乳鉢で200回すりつぶし、図1(A)と同様の条件でSEM写真を撮影した。結果を図2(A)、図2(B)及び図2(C)に示す。これら図2(A)、図2(B)及び図2(C)に示す石綿類は、工程(a)の焼成処理及び工程(b)の粉砕処理を施した状態に相当する石綿類のSEM写真である。
図2(A)は、Cwを加熱、焼成し、乳鉢ですりつぶした後の石綿類をSEMにて500倍で撮影した写真である。図1(A)との対比により、図2(A)では、図1(A)で観察されたCwの綿状組織が消失し、粒状組織を含むことが分かる。なお、図2(A)では、僅かであるがアスペクト比が3以上のCwの粒状固体の残存が観察される。
図2(B)は、図2(A)のCwと同条件で撮影した、焼成、すりつぶし後のCbrのSEM写真であり、図2(C)は、焼成、すりつぶし後のCblのSEM写真である。図2(B)及び図2(C)からは、Cbr及びCblのいずれも、針状組織が殆ど消失し、短冊状組織を含むことが分かる。図2(B)及び図2(C)では、僅かであるがCbr及びCblのアスペクト比が3以上の短冊状組織の残存が確認される。
(工程(c))
工程(c)は、石綿類を、圧力1.5気圧~3気圧、温度100℃~150℃の条件下でオートクレーブ処理する工程である。
工程(c)においてオートクレーブ処理することで、石綿類は、水蒸気、即ち、水の存在下、高圧で加熱処理されることで、石綿類の分解が促進され、形状がより微細化され、アスペクト比がより小さくなるという形状の変化に加え、水との反応により、石綿の結晶構造が破壊されるものと考えている。
特に、建築資材として用いられるスレート材はセメント成分を多く含み、オートクレーブ処理することで、セメントに含まれる酸化カルシウム反応物(例えば、3CaO・SiO等)が水と反応して、雰囲気がアルカリ状態となる。従って、強アルカリ雰囲気下で、石綿類の結晶構造がより脆化し、加圧雰囲気と相俟って温度100℃~150℃という比較的低い温度条件にて石綿類の無害化が促進されると考えられる。
よって、大量に排出されるセメント成分を含む石綿含有材料の処理に、本開示の石綿の処理方法において、工程(c)を有することは特に有効であるといえる。
オートクレーブ処理に用いる装置には特に制限は無く、公知のオートクレーブ装置はいずれも本開示の工程(c)に適用することができる。例えば、プレキャストコンクリート硬化体の製造時に使用されるオートクレーブ養生用の装置が、本開示の工程(c)に好適に用いられる。
オートクレーブ処理の処理条件としては、圧力が1.5気圧~3気圧であり、オートクレーブ内の気圧と飽和蒸気圧の関係で、温度は127℃~143℃であることが好ましく、オートクレーブ内の気圧は、1.5気圧~2.5気圧が好ましく、このとき、温度は127℃~139℃がより好ましい。
(各工程の実施順)
本開示の石綿の処理方法は、第一の態様では、前記工程(a)、及び前記工程(b)をそれぞれ1回ずつ含めば特に制限はなく、第二の態様では、前記工程(b)、及び前記工程(c)をそれぞれ1回ずつ含めば特に制限はなく、本開示の石綿の処理方法の第三の態様では、前記工程(a)、及び前記工程(b)及び前記工程(c)をそれぞれ少なくとも1回含む以外には、特に制限はない。各工程の実施順も目的に応じて適宜決定することができる。
なかでも、本開示の石綿の処理方法の第一の態様、及び第三の態様において、石綿の無害化処理における機械的粉砕のエネルギーをより低減しうるという観点からは、工程(a)の後に、工程(b)を行うことが好ましい。
石綿類をまず工程(a)で焼成することにより、石綿類の熱分解反応、石綿の結晶構造の脆化が生じる。その後、工程(b)を行って石綿類を機械的又は化学的に粉砕することで、石綿類を容易に破砕することができ、機械的又は化学的粉砕における粉砕条件及び粉砕時間の少なくともいずれかを、より低減することができる。
他の好ましい態様として、本開示の石綿の処理方法の第二の態様において、工程(b)の後に、工程(c)を行う態様が挙げられる。
本開示の石綿の処理方法において、工程(b)にて石綿類を機械的又は化学的に粉砕することにより、石綿類の粒子径が減少し、表面積が拡大する。その後に、オートクレーブ処理を行うことで、石綿類に含まれる石綿成分が、高圧下、水蒸気に暴露される面積が拡張され、水蒸気との反応効率が向上して、石綿の無害化がより効率よく完了すると考えられる。
他の好ましい態様として、本開示の石綿の処理方法の第三の態様において、工程(a)の後に、工程(c)を行う態様が挙げられる。
本開示の石綿の処理方法において、まず、工程(a)にて石綿類を加熱し、焼成することにより、石綿類の熱分解反応、石綿の結晶構造の脆化が生じる。石綿類が熱分解し、結晶構造が脆化した後に、石綿類をオートクレーブ処理することで、焼成処理によって分解されなかった石綿類に含まれる石綿成分が、高圧下、水蒸気に暴露されることで、残存する石綿成分が、アルカリ条件下でさらに分解される、水と反応して無害成分に添加される等の反応が生じて、石綿の無害化がより効率よく完了すると考えられる。
本開示の石綿の処理方法においては、工程(a)、工程(b)及び工程(c)は、それぞれ1回含めばよいが、目的に応じて、工程(a)、工程(b)及び工程(c)の少なくともいずれかを2回以上含んでもよい。
それぞれの工程のいずれかを2回以上含むことで、工程を実施する自由度がより向上し、所望の粉砕条件、焼成条件、加圧条件等をより広範囲で選択することができる。
任意の工程を2回含む態様としては、例えば、以下に示す態様が挙げられるが、以下に示す態様に限定されるものではない。
(1)石綿類を粉砕する工程(b)、及び石綿類を焼成する工程(a)をこの順で実施した後、焼成後の石綿類を粉砕する工程(b)を行い、その後、石綿類をオートクレーブ処理する工程(c)を行う態様。
(2)石綿類を焼成する工程(a)及び石綿類を粉砕する工程(b)をこの順で行った後、再度、石綿類を焼成する工程(a)を行い、その後、焼成した石綿類をオートクレーブ処理する工程(c)を行う態様。
(3)石綿類を粉砕する工程(b)を行った後、粉砕条件を変えて、再度石綿類を粉砕する工程(b)を行い、その後、石綿類を焼成する工程(a)、石綿類をオートクレーブ処理する工程(c)を行う態様等。
上記工程のうち少なくともいずれかを2回以上含む場合、各工程の実施条件は互いに同じであっても異なっていてもよい。
被処理物である石綿類の特性に応じて、処理工程の順、処理工程の繰り返し回数等は適宜選択することができる。
(石綿類の無害化の確認)
本開示の石綿の処理方法により無害化された石綿類(以下、無害化石綿類と称することがある)について、無害化されたか否かは、上記JIS A 1481-3に準拠したX線回折法による定量分析で確認する。
まず、X線回折装置による分析を行い、得られた回折線パターンが石綿の回折線パターンと一致するかを確認し、石綿特有のピークが消失していることを確認する。
定量的には、互いに異なる3つの試料を用いて計数した合計3000個の粒子中、石綿繊維、即ち、アスペクト比が3以上の繊維が4繊維未満の場合、「石綿を含有しない」と評価する。
法令(環境省告示第99号)によると、石綿無害化判定のための分析法は、粉末X線回折装置によるX線回折分析法と位相差顕微鏡による分散染色法が定められている。これまでの石綿無害化試料の分析経験から、本発明者らが行ったX線回折分析法により無害化が認められた試料については、いずれの試料も、位相差顕微鏡による分散染色法(外部機関委託)によっても無害化が確認されたため、本開示では、無害化判定のための分析結果資料では、X線回折分析法で得られたデータ又はアスペクト比による確認の少なくともいずれかを提示する。
(他の工程)
本開示の石綿の処理方法は、上記工程(a)、工程(b)及び工程(c)以外の他の工程を含んでいてもよい。
他の工程としては、石綿含有材料を粗粉砕する工程、無害化した石綿類を再利用に適した状態に加工する工程等が挙げられる。
(工程(d))
本開示の石綿の処理方法は、被処理物である石綿類が、セメントを含む石綿含有材料である場合、工程(a)、工程(b)及び工程(c)に先だって、石綿含有材料を平均粒子径500μm~15mmのサイズに粗粉砕する工程(d)を含むことができる。
上記工程(a)の石綿を粉砕する処理の項にて説明したように、同じ条件にて石綿類を粉砕した場合、石綿単独、又は、僅かなバインダー成分を含む石綿含有吹付材等では、1回の粉砕で所望のサイズの微細な粒子が得られる。しかし、人工スレート材、セメントボード、石綿含有断熱ボード等では、石綿以外の成分、例えば、セメント等が大量に含まれるため、既述のように、1回の機械的粉砕により所望の平均粒子径の微粉末を得ることが困難である。
石綿含有吹付材は、吹付材の使用場所、単位面積当たりの吹付量等の目的に応じて、石綿含有吹付材の全質量に対し、20質量%~70質量%の石綿を含む場合がある。また、人工スレート材では、人工スレート材の全質量に対する石綿の含有量は一般的には、30質量%以下である。
例えば、後述の実施例で使用した石綿含有吹付材では、Cw(白石綿含有吹付材)における石綿の含有量は65質量%であり、Cbr(茶石綿含有吹付材)では、27質量%、Cbl(青石綿含有吹付材)では、44質量%であり、白石綿含有スレート波板(Sw)は、白石綿をSwの全質量に対し5.4質量%含んでいる。残余はセメント、モルタル等の成形性材料である。
上記の如く、石綿類では、石綿含有材料における石綿の含有量は一定ではなく、例えば、石綿以外の成形性材料等を多く含む石綿含有材料の処理に際しては、前処理として、石綿含有材料を粗粉砕する工程(d)を行うことが好ましい。石綿含有材料を、平均粒子径500μm~15mmに予め粗粉砕することで、引き続き行われる各工程をより効率よく実施することができる。
粗粉砕の目標値としては、例えば、工程(d)の後に工程(b)を行う場合には、石綿含有材料の平均粒子径は、5mm~15mmが好ましく、9mm~12mmがより好ましい。工程(d)の後に工程(a)を行う場合には、石綿含有材料の平均粒子径は、500μm~10mmが好ましく、1mm~10mmがより好ましい。
石綿含有材料を粗粉砕する工程は、引き続き行われる石綿類を焼成する工程(a)、石綿類を粉砕する工程(b)等の実施に際して、効率よく微粉砕し、加熱による石綿の分解等をし易くするための前処理である。従って、粗粉砕後の平均粒子径の厳密な管理までは必要としない。目的に応じて、粗粉砕後の石綿含有材料の平均粒子径を調整すればよい。
粗粉砕後の石綿含有材料の平均粒子径は、既述の石綿類の平均粒子径の測定方法により測定してもよいが、より簡易な測定方法、例えば、メッシュによる篩い分け法等の方法により測定してもよい。
粗粉砕は、通常、廃建築資材の処理に用いられる粉砕装置等を用いて行うことができる。工程(d)にて用いられる粉砕装置としては、ハンマーミル、ジョークラッシャーミル、インパクトクラッシャー、コーンクラッシャー等が挙げられる。
(工程(e))
本開示の石綿の処理方法により無害化された石綿類(以下、無害化石綿類と称することがある)は、ケイ素、カルシウム、マグネシウム等を含むことから、スラグ状の無害化石綿類は、路盤材料として用いることができる。また、無機粉体として、セメント組成物の
添加物等に使用することができる。
このため、再利用の目的に応じて、本開示の石綿の処理方法により得られた無害化石綿類を後処理する工程(e)(以下、後処理工程(e)とも称する)を行うことができる。
後処理工程(e)の例としては、無害化石綿類から不純物を除去する工程、無害化石綿類の粒径を目的に応じて調整する工程、無害化石綿類を所定量計量して包装する工程、無害化石綿類をセメント組成物に添加して硬化体を作製する工程等が挙げられる。後処理工程(e)は上記の例に限定されない。
無害化石綿類を後処理工程に付して、路盤材料、セメント組成物の添加剤等の有価物に加工し、再利用に有償にて提供することで、石綿類の処理方法におけるコストがより削減される。
(石綿類を含む廃材の回収)
本開示の石綿の処理方法に供する石綿類を含む廃材を回収する場合には、廃材由来の石綿類の飛散を防止し、作業者の健康被害を防止することが重要となる。
建造物の解体に伴い、石綿類を含有する建築資材を回収する場合には、まず、作業エリアを被覆材で覆い、解体した建築資材を容器に入れる際には、二重包装として、搬送中の飛散を防止することが好ましい。
建築資材の回収には、遠隔操作によりアスベストを処理することができる「クローズ型アスベスト処理ロボットシステム(https://www.takenaka.co.jp/news/pr0811/m0811_03.html)」、掻き取り装置とサイクロン式分離装置を備えた「吹付けアスベスト除去システム(https://www.takenaka.co.jp/news/2012/04/01/index.html)」等を使用することも好ましい態様の一つである。
本開示の石綿の処理方法によれば、従来技術に比較し、より低温で、石綿を不可逆的に無害化することができ、且つ、処理に際し、添加物を必要としないことから、無害化処理後においても、有害な副産物の生成が抑制されることから、その応用範囲は広い。
本開示の石綿の処理方法により得られた無害化石綿類は、石綿類が残存せず、有害な副産物も生成されないため、そのまま特段の管理をすることなく、埋め立て処理等により廃棄することができる。また、無害化石綿類は、ケイ素、カルシウム、マグネシウム等の有用な成分を含むことから、路盤材料、セメント組成物の添加剤等として再利用することが期待できる。
以下、本開示の石綿の処理方法について、実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本開示はこれら具体例に限定されない。
〔実施例1-1〕
(石綿含有材料A)
実施例1-1及び実施例1-2では、処理対象物として白石綿含有綿状吹付材(Cw:以下、石綿含有材料A)を用いた。石綿含有材料Aは、組成物の全質量中、白石綿を65質量%含み、廃材として解体した建築物より回収したものを用いた。
石綿含有材料Aの平均粒子径を既述の方法で測定した結果、平均粒子径は、29.14μmであり、且つ、アスペクト比が3以上の粒子が多数存在することが確認された。
図3(A)は、被処理物である白石綿含有綿状吹付材の未処理の状態のX線回折の分析結果を示すグラフである。
グラフ中、Chはクリソタイルを示すピークである。Caはカルサイトを、Bはブルサイトを示すピークである。図3(A)のグラフより、石綿含有材料Aにおける分析結果では、12.1°及び24.4°に白石綿であるクリソタイル(Ch)の特徴的なピークが観察され、さらに、セメント由来の成分であるカルサイト(CaCO)と、不純物としてのブルサイトを含むことが分かる。
(工程(a))
石綿含有材料A 2gを加熱炉(電気炉:ポータブル電気炉:AMF-10型(商品名:(株)アサヒ理化製作所)内で、950℃の温度で30分間加熱、焼成した。
図3(B)は工程(a)により焼成処理した石綿含有材料AのX線回折の分析結果を示すグラフである。
図3(B)のグラフより、工程(a)の加熱処理により、図3(A)で観察されたクリソタイルの12.1°及び24.4°の高いピークは消失していることが確認された。一方で、新たなピークが確認されており、クリソタイルが加熱により変成したフォルステライト由来のピーク(Fo)であると推定される。
(工程(b))
工程(a)で焼成処理された石綿含有材料Aを、高速カッターミル(HC-150:黄城社製)を用いて、28000rpmの条件で10分間粉砕した。
工程(b)を経た石綿含有材料Aの平均粒子径を既述の方法で測定した結果、平均粒子径は、29.14μmであり、且つ、アスペクト比が3以上の粒子は観察されなかった。
図3(C)は、工程(a)の後、さらに工程(b)を行って粉砕処理した石綿含有材料AのX線回折の分析結果を示すグラフである。
図3(C)のグラフより、工程(a)の焼成処理及び工程(b)の粉砕処理を行った石綿含有材料Aにおいてもクリソタイルの12.1°及び24.4°のピークは確認されないことが分かる。
〔実施例1-2〕
(工程(c))
実施例1-1で焼成(工程(a))及び粉砕(工程(b))処理された石綿含有材料Aを、オートクレーブ装置内に配置し、2気圧、132℃にて30分間処理した。
図3(D)は、工程(c)によりオートクレーブ処理した石綿含有材料AのX線回折の分析結果を示すグラフである。
図3(D)のグラフより、工程(a)の焼成処理、工程(b)の粉砕処理及び工程(c)のオートクレーブ処理を行った石綿含有材料Aは、クリソタイルの12.1°及び24.4°のピークは確認されず、クリソタイルの無害化が達成されたことが分かる。
実施例1-1及び実施例1-2に明らかなように、白石綿含有綿状吹付材(Cw)では、本開示の第一の態様及び第三の態様のいずれの石綿の処理方法も石綿の無害化に有効であった。
〔実施例2〕
(石綿含有材料B)
実施例2では、処理対象物として白石綿含有スレート波板(Sw:以下、石綿含有材料B)を用いた。石綿含有材料Bは、コンクリート組成物の全質量中クリソタイル(白石綿)を5.4質量%含み、廃材として解体した建築物より回収したものを用いた。
(工程(d))
石綿含有材料Bは、板状の形状であり、石綿類の処理に先立って、任意の工程である粗粉砕処理(工程(d))を行った。
石綿含有材料B 1kgを、粗破砕機により粉砕した。
工程(d)を経た石綿含有材料Bの平均粒子径を既述の方法で測定した結果、平均粒子径は、9.5mm~12mmであった。得られた粗粉砕後の石綿含有材料Bを、実施例2の処理対象試料とした。
図4(A)は、被処理物であるSw(石綿含有材料B)の粗粉砕物のX線回折の分析結果を示すグラフである。
グラフ中、Chはクリソタイルを示すピークである。Caはカルサイト(CaCO)を、Siは二酸化ケイ素(SiO)を示すピークである。図4(A)のグラフより、石綿含有材料Bにおける分析結果では、12.1°及び24.4°に白石綿であるクリソタイル(Ch)の特徴的なピークが観察された。石綿含有材料Bは、さらに、セメント由来の成分であるカルサイトと、二酸化ケイ素とを含むことが分かる。
(工程(a))
石綿含有材料Bの粗粉砕物 2gを、実施例1-1で用いたのと同じ加熱炉内で、950℃の温度で30分間加熱、焼成した。
図4(B)は工程(a)により焼成処理した石綿含有材料Bの粗粉砕物のX線回折の分析結果を示すグラフである。
図4(B)のグラフより、工程(a)の焼成処理により、図4(A)で観察されたクリソタイルの12.1°及び24.4°の高いピークは低減されたが、完全に消失するには至っていないことが確認された。
一方で、新たなピークが確認されており、セメント成分を多く含む石綿含有材料Bでは、セメント由来のカルサイトが、酸化カルシウムと二酸化炭素に分解し、生成した酸化カルシウム(CaO)のピーク(図4(B)中、COで示す)及び水酸化カルシウム(Ca(OH))のピーク(図4(B)中、CHで示す)が観察された。
(工程(b))
工程(a)で焼成処理された石綿含有材料Bを、高速カッターミルを用いて、実施例1と同じ条件にて10分間粉砕した。
工程(b)を経た石綿含有材料Bの平均粒子径を既述の方法で測定した結果、平均粒子径は、29.14μmであり、且つ、アスペクト比が3以上の粒子は観察されなかった。アスペクト比が3以上の石綿の粒子が観察されないことにより、工程(a)及び工程(b)の実施により、定量的には石綿の無害化が進行していることが分かった。
図4(C)は、工程(a)の後、さらに工程(b)を行って粉砕処理した石綿含有材料BのX線回折の分析結果を示すグラフである。
図4(C)のグラフより、工程(a)の焼成処理及び工程(b)の粉砕処理を行った石綿含有材料Bでは、クリソタイルの12.1°及び24.4°のピークはほぼ確認されず、焼成後、粉砕処理を行い、微粉末とすることで、クリソタイルが減少し、酸化カルシウムと水酸化カルシウムのピークも減少していることが分かる。
(工程(c))
工程(b)で粉砕処理された石綿含有材料Bを、オートクレーブ装置内に配置し、2気圧、132℃にて30分間処理した。
図4(D)は、工程(c)によりオートクレーブ処理した石綿含有材料BのX線回折の分析結果を示すグラフである。
図4(D)のグラフより、工程(d)の粗粉砕処理、工程(a)の焼成処理、工程(b)の粉砕処理及び工程(c)のオートクレーブ処理を行った石綿含有材料Bは、クリソタイルの12.1°及び24.4°のピークは確認されず、クリソタイルの無害化が達成されたことが分かる。
実施例2に明らかなように、白石綿含有スレート波板(Sw)の如く石綿以外の成分を多く含む石綿類では、本開示の第三の態様の石綿の処理方法が石綿の無害化により有効であった。
〔実施例3-1〕
(石綿含有材料C)
実施例3-1では、処理対象物として茶石綿含有綿状吹付材(Cbr:以下、石綿含有材料C)を用いた。石綿含有材料Cは、コンクリート組成物の全質量中茶石綿を27質量%含み、廃材として解体した建築物より回収したものを用いた。
石綿含有材料Cの平均粒子径を既述の方法で測定した結果、平均粒子径は、9.38μ
mであり、且つ、アスペクト比が3以上の粒子が多数存在することが確認された。
図5(A)は、被処理物である茶石綿含有綿状吹付材(石綿含有材料C)の未処理の状態のX線回折の分析結果を示すグラフである。
グラフ中、Amはアモサイトを示すピークである。Caはカルサイトを示すピークである。図5(A)のグラフより、石綿含有材料Cにおける分析結果では、10.3°及び29.1°に茶石綿であるアモサイト(Am)の特徴的なピークが観察され、さらに、セメント由来の成分であるカルサイト(CaCO)を含むことが分かる。
(工程(a))
石綿含有材料C 2gを、実施例1-1と同様の条件で、加熱炉内で、加熱、焼成した。
図5(B)は工程(a)により焼成処理した石綿含有材料CのX線回折の分析結果を示すグラフである。
図5(B)のグラフより、工程(a)の焼成処理により、図5(A)で観察されたアモサイトの10.3°及び29.1°の高いピークは消失していることが確認された。一方で、新たなケイ素化合物(SiO)のピーク(図5(B)では、Siと記載)が確認されている。このピークは、アモサイトが変成し、生成された、アモサイトに由来する二酸化ケイ素等の無害な副産物由来のピークであると推定される。
(工程(b))
工程(a)で焼成処理された石綿含有材料Cを、実施例1-1と同様の条件にて、高速カッターミルで10分間粉砕した。
工程(b)を経た石綿含有材料Cの平均粒子径を既述の方法で測定した結果、平均粒子径は、9.38μmであり、且つ、アスペクト比が3以上の粒子は観察されなかった。
図5(C)は、工程(a)の後、さらに工程(b)を行って粉砕処理した石綿含有材料CのX線回折の分析結果を示すグラフである。
図5(C)のグラフより、工程(a)の焼成処理及び工程(b)の粉砕処理を行った石綿含有材料Cにおいてもアモサイトの10.3°及び29.1°のピークは確認されなかった。一方、副産物としての二酸化ケイ素のピーク(Si)が増加していることが分かる。
〔実施例3-2〕
(工程(c))
実施例3-1で得た、工程(a)で焼成処理され、工程(b)で粉砕処理された石綿含有材料Cを、オートクレーブ装置内に配置し、実施例1-2と同様にして、2気圧、132℃にて30分間処理した。
図5(D)は、工程(c)によりオートクレーブ処理した石綿含有材料CのX線回折の分析結果を示すグラフである。
図5(D)のグラフより、工程(a)の焼成処理、工程(b)の粉砕処理及び工程(c)のオートクレーブ処理を行った石綿含有材料Cは、アモサイトの10.3°及び29.1°のピークは確認されず、副産物としての二酸化ケイ素の生成が促進され、アモサイトの無害化が達成されたことが分かる。
実施例3-1及び実施例3-2に明らかなように、茶石綿含有綿状吹付材(Cbr)では、本開示の第一の態様及び第三の態様のいずれの石綿の処理方法も石綿の無害化に有効であった。
〔実施例4-1〕
(石綿含有材料D)
実施例4-1では、処理対象物として青石綿含有綿状吹付材Cbl(以下、石綿含有材料D)を用いた。石綿含有材料Dは、コンクリート組成物の全質量中青石綿を44質量%含み、廃材として解体した建築物より回収したものを用いた。
石綿含有材料Dの平均粒子径を既述の方法で測定した結果、平均粒子径は、75.53μmであり、且つ、アスペクト比が3以上の粒子が多数存在することが確認された。
図6(A)は、被処理物である青石綿含有綿状吹付材(石綿含有材料D)の未処理の状態のX線回折の分析結果を示すグラフである。
グラフ中、Crはクロシドライトを示すピークである。Caはセメント成分由来のカルサイトを示すピークである。図6(A)のグラフより、石綿含有材料Dにおける分析結果では、10.5°、19.4°及び28.5°に青石綿であるクロシドライト(Cr)の特徴的な高いピークが観察され、その他にもCrの弱いピークが複数観察された。さらに、セメント由来の成分であるカルサイト(CaCO)のピーク(Ca)が確認されている。
(工程(a))
石綿含有材料D 2gを、実施例1と同様の条件にて加熱炉内で、950℃の温度で30分間加熱、焼成した。
図6(B)は工程(a)により焼成処理した石綿含有材料DのX線回折の分析結果を示すグラフである。
図6(B)のグラフより、工程(a)の焼成処理により、図6(A)で観察されたクロシドライト(Cr)の10.5°、19.4°及び28.5°の強いピーク及び複数観察された弱いピークは殆ど消失していることが確認された。一方で、新たなピークが確認されており、セメント由来のカルサイトが焼成により分解した酸化カルシウム由来のピーク(CO)及び酸化ケイ素鉱物であるエンスタタイト由来のピーク(En)であると推定される。
(工程(b))
工程(a)で焼成処理された石綿含有材料Dを、実施例1と同じ条件にて、高速カッターミルで10分間粉砕した。
工程(b)を経た石綿含有材料Dの平均粒子径を既述の方法で測定した結果、平均粒子径は、75.53μmであり、且つ、アスペクト比が3以上の粒子は観察されなかった。
図6(C)は、工程(a)の後、さらに工程(b)を行って粉砕処理した石綿含有材料DのX線回折の分析結果を示すグラフである。
図6(C)のグラフより、工程(a)の焼成処理及び工程(b)の粉砕処理を行った石綿含有材料Dにおいてもクロシドライトの強いピーク、弱いピークともに確認されないことが分かる。
〔実施例4-2〕
(工程(c))
実施例4-1で得た、工程(a)で焼成処理され、工程(b)で粉砕処理された石綿含有材料Dを、オートクレーブ装置内に配置し、実施例1-2と同じ条件にて30分間処理した。
図6(D)は、工程(c)によりオートクレーブ処理した石綿含有材料DのX線回折の分析結果を示すグラフである。
図6(D)のグラフより、工程(a)の焼成処理、工程(b)の粉砕処理及び工程(c)のオートクレーブ処理を行った石綿含有材料Dは、クロシドライトのピークは確認されず、クロシドライトの無害化が達成されたことが分かる。
クロシドライト(青石綿)は、石綿類の中でも人体への影響が強いとされ、早い段階で使用が禁止された石綿であるが、実施例4-1及び実施例4-2に明らかなように、青石綿含有綿状吹付材(Cbl)に対して、本開示の第一の態様及び第三の態様のいずれの石綿の処理方法も石綿の無害化に有効であった。
〔実施例5〕
実施例1-1で用いた処理対象物としての白石綿含有綿状吹付材(Cw:以下、石綿含有材料A)を、工程(d)を実施して粗粉砕し、得られた未処理の石綿含有材料Aの粗粉砕物から1.0mm~2.0mmの粒子を選択し、分散して走査型電子顕微鏡(SEM)にて500倍で撮影した。粗粉砕後の粒子のSEM写真を図7(A)に示す。
その後、粗粉砕物を640℃で30分間焼成した〔工程(a)〕。得られた粒子のSEM写真を図7(B)に示す。図7(B)に明らかなように、Cwの針状組織が全般に直径20μm程度の球状に変わっているのがわかる。
その後、工程(b)にて、工程(a)にて焼成後の粒子をさらに、ハイスピードミル(High-speed multifunction GRINDER、HC-150、メーカー:永康市緑可食品机機有限公司社製)により10分間粉砕処理した。工程(b)の粉砕処理後の粒子のSEM写真を図7(C)に示す。工程(a)により粒状化していた結晶粒が、工程(b)の粉砕処理により、さらに小粒径の状態に変化したことが観察された。
さらに、粉砕処理後の粒子に対し、実施例1-2と同じ条件にて工程(c)のオートクレーブ処理を行った。工程(c)を行った後の粒子のSEM写真を図7(D)に示す。
図7(D)では、アスペクト比3以上の粒子は観察されず、白石綿が無害化されたことがわかる。
〔実施例6〕
(石綿含有材料A)
実施例1-1及び実施例1-2で用いた白石綿含有綿状吹付材(Cw:石綿含有材料A)を処理対象物として用いた。
石綿含有材料Aは繊維状組織であり、アスペクト比が3以上の粒子が多数存在することが確認された。
(工程(b))
石綿含有材料Aを、高速カッターミル(ハイスピードユニバーサルグラインダー(HC-150:黄城社製)を用いて、28000rpmの条件で10分間粉砕した。
工程(b)を経た石綿含有材料Aの平均粒子径を既述の方法で測定した結果、平均粒子径は、29.14μmであり、アスペクト比が3以上の粒子が減少してはいるが、消失には至ってなかった。
(工程(c))
粉砕(工程(b))処理された石綿含有材料Aを、オートクレーブ装置内に配置し、2気圧、132℃にて30分間処理した。
(工程(a))
工程(b)で粉砕され、工程(c)でオートクレーブ処理された石綿含有材料Aを、加熱炉(電気炉:ポータブル電気炉:AMF-10型(商品名:(株)アサヒ理化製作所))内で、750℃の温度で30分間加熱、焼成した。
図8は、工程(b)により粉砕し、工程(c)によりオートクレーブ処理し、その後、工程(a)により焼成処理した石綿含有材料AのX線回折の分析結果を示すグラフである。なお、未処理の石綿含有材料AのX線回折の分析結果を示すグラフは図3(A)におけるものと同じである。
図8のグラフより、工程(b)、工程(c)及び工程(a)を行うことにより、図3(A)で観察されたクリソタイルの12.1°及び24.4°の高いピークは消失していることが確認された。一方で、新たなピークが確認されており、クリソタイルが加熱により変成したフォルステライト由来のピーク(Fo)であると推定される。
図8と、図3(D)との対比より、本開示の第三の態様において、工程順を(工程(a))、工程(b)及び工程(c)(:実施例1-2)から、工程(b)、工程(c)及び工程(a)(:実施例6)に変えた場合でも、クリソタイルの無害化が達成されたことが分かる。
〔実施例7〕
(石綿含有材料A)
実施例1-1及び実施例1-2で用いたものと同じ、白石綿含有綿状吹付材(Cw:石綿含有材料A)を処理対象物として用いた。
石綿含有材料Aは繊維状組織であり、アスペクト比が3以上の粒子が多数存在することが確認された。
図9(A)は、実施例7の石綿の処理方法に用いた未処理の石綿含有材料AのX線回折の分析結果を示すグラフである。実施例1-1及び実施例1-2の石綿の処理方法において用いた石綿含有材料Aの未処理材のX線回折の分析結果を示す図3(A)のグラフと同様に、白石綿のクリソタイルに起因する12.1°及び24.4°の高いピークが確認された。また、白石綿中の不純物であるブルサイト(B)及びカルサイト(Ca)のピークが認められた。
(工程(b))
石綿含有材料Aを、高速カッターミル(ハイスピードユニバーサルグラインダー(HC-150:黄城社製)を用いて、28000rpmの条件で10分間粉砕した。
(工程(c))
粉砕(工程(b))処理された石綿含有材料Aを、オートクレーブ装置内に配置し、2気圧、132℃にて4時間処理した。
工程(b)及び工程(c)を経た石綿含有材料Aを、既述の方法でX線回折により分析した。図9(B)は、工程(b)にて、粉砕処理した後、さらに工程(c)にてオートクレーブ処理された後の石綿含有材料AのX線回折の分析結果を示すグラフである。
図9(B)のグラフによれば、白石綿のクリソタイルに起因する12.1°及び24.4°の高いピークは消失していることが確認された。
図9(A)と図9(B)との対比より、本開示の第二の態様において、工程(b)及び工程(c)を行うことで、クリソタイルの無害化が達成されたことが分かる。
上記各実施例の結果より、本開示の石綿の処理方法によれば、石綿の種類に拘わらず、無害化が達成できることが分かる。処理後の無害化石綿類は、未管理地への埋め立て処理が可能であり、さらに、カルシウム、シリカ等の有用成分を含むことから、路盤材料、セメント組成物の添加剤等に適用することが期待できる。

Claims (9)

  1. 石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を、400℃以上であり、且つ、処理対象である石綿の融点温度未満の温度で焼成する工程(a)、及び、
    石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を粉砕する工程(b)、
    を含む、石綿の処理方法。
  2. 石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を粉砕する工程(b)、及び、
    石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を、圧力1.5気圧~3気圧、温度100℃~150℃の条件下でオートクレーブ処理する工程(c)、
    を含む、石綿の処理方法。
  3. 石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を、400℃以上であり、且つ、処理対象である石綿の融点温度未満の温度で焼成する工程(a)、
    石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を粉砕する工程(b)、及び、
    石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種を、圧力1.5気圧~3気圧、温度100℃~150℃の条件下でオートクレーブ処理する工程(c)、
    を含む、石綿の処理方法。
  4. 前記工程(a)の後に、前記工程(b)を行う、請求項1又は請求項3に記載の石綿の処理方法。
  5. 前記工程(b)の後に、前記工程(c)を行う、請求項2に記載の石綿の処理方法。
  6. 前記工程(a)の後に、前記工程(c)を行う、請求項3に記載の石綿の処理方法。
  7. 前記工程(a)、前記工程(b)及び前記工程(c)の少なくともいずれかを2回以上含む、請求項3に記載の石綿の処理方法。
  8. 前記工程(b)は、石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種に対し、機械的粉砕及び化学的粉砕の少なくともいずれかを行って、アスペクト比が3未満の粒子を得る工程である、請求項1又は請求項3に記載の石綿の処理方法。
  9. 石綿及び石綿含有材料から選ばれる少なくとも1種が、セメントを含む石綿含有材料であり、前記石綿含有材料を平均粒子径500μm~15mmのサイズに粗粉砕する工程(d)をさらに含む、請求項1又は請求項3に記載の石綿の処理方法。
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