JP2023096482A - Clt耐震補強壁及びその組立方法 - Google Patents

Clt耐震補強壁及びその組立方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023096482000001
【課題】耐震性能が高く、建設現場に容易に持ち込め、建設現場で組み立て容易な耐震壁を提供する。
【解決手段】枠部15と、枠部15に支持される格子部30とを有し、格子部30は、枠部15に設置された枠部連結部33、34にロッド31を連結し、隣り合うロッド同士をロッド連結部32で連結して構成され、ロッド連結部32を取り囲む領域に、4つの開口部37、38が形成されてなり、前記4つの開口部のうち対角方向に位置する開口部を塞ぐように、CLTパネル35、36が取り付けられている、CLT耐震補強壁1により、前記課題を解決できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、CLT耐震補強壁及びその組立方法に関する。
耐震壁とは、S(鉄骨)造、RC(鉄筋コンクリート)造やSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造などの建築物において、4周を柱や梁に囲まれ、地震による揺れに対抗できるよう、強度と剛性が格段に高くなるように構造設計された耐力壁である。
耐震壁として、より耐震性能を向上させるために、格子構造を備えるものが開発されている。例えば、特許文献1には、ブレース材を斜め格子状に組み付けて、開口部に変形しがたい構造のブレースユニットを配置された耐震補強構造体が開示されている。ブレース材を斜め格子状に組み付ける構成により、引張耐性を備える。
しかし、開口部があるために、圧縮耐性に欠ける場合があった。そこで、開口部にガラス板やガラスブロックを嵌め込むものが開発されている。例えば、特許文献2には、斜め格子状鋼材の間にガラスが設置されたガラス壁が開示されている。また、特許文献3には、格子状に配設されたバーからなるブレース部材と、格子内に組み込まれる座屈補剛材となるガラスブロックを備えている耐震壁が記載されている。また、特許文献4には、ガラス板からなる座屈補剛材を配置した格子を有する耐震壁が記載されており、ガラス板の周囲には樹脂製の圧縮伝達部材と緩衝弾性材が配置されている。
しかし、ガラス板では、脆性的で、圧縮耐性が十分ではなかった。そこで、ガラスより圧縮耐性に優れたCLT(Cross Laminated Timber)を用いる壁が開発されている。例えば、特許文献5には、CLTからなる補剛材を対角配置した格子を有する耐力壁が記載されている。比較的簡易に形成することができ、施工時の手間と費用を削減することを可能とした耐力壁であり、交差する第一斜材と第二斜材とによって複数の開口部が形成された格子と、格子の周囲を囲う枠材と、複数の開口部の少なくとも一部に配設された補剛材とを備え、第一斜材および第二斜材は板状の鋼材からなり、補剛材は、第一斜材または第二斜材と面接触する木製部材である。
しかし、第一斜材および/または第二斜材が長く、第一斜材および/または第二斜材を建設現場組み立てのために建設現場に持ち込むのが容易ではなく、取り扱いの容易性に欠けるものであった。
そこで、耐震性能が高い耐震壁であって、建設現場に持ち込み容易で、かつ、建設現場で組み立て容易な耐震壁について検討するとともに、制振性も検討して、本願発明を完成するに至った。
特開2017-172278号公報 特開2020-29665号公報 特開2006-257654号公報 特開2012-041700号公報 特開2020-143502号公報
したがって、本発明の主たる目的は、耐震性能が高く、建設現場に容易に持ち込め、建設現場で組み立て容易な耐震壁を提供することにある。従たる目的は、前記耐震壁に、耐震性だけでなく制振性を付加することである。
上記課題を解決する手段として、以下の態様を含む。
<第1の態様>
枠部と、前記枠部に支持される格子部とを有し、
前記格子部は、前記枠部に設置された枠部連結部にロッドを連結し、隣り合うロッド同士をロッド連結部で連結して構成され、
前記ロッド連結部を取り囲む領域に4つの開口部が形成され、
前記4つの開口部のうち対角方向に位置する開口部を塞ぐように、CLTパネルが取り付けられていることを特徴とするCLT耐震補強壁。
<第2の態様>
前記ロッド連結部が、平面視十字状であり、4方に突出する腕部を備え、各腕部の先端に外側方向に向かって連結孔が設けられている、先に記載のCLT耐震補強壁。
<第3の態様>
前記ロッドの側部がパイプに挿入され、パイプの両端に接着剤が入らないような手法を施されて、座屈補剛(アンボンド)ロッドが形成され、制振壁となる、先に記載のCLT耐震補強壁。
<第4の態様>
前記CLTパネルの4辺に側面視U字状又は側面視矩形状にくり抜いた凹部が設けられ、長手方向に沿うように、前記ロッドの側部又は前記パイプを嵌合した、先に記載のCLT耐震補強壁。
<第5の態様>
前記凹部に蓋部を取り付け、前記凹部内に樹脂系接着剤を封入し、硬化させて、CLTパネルとロッドを一体化した、先に記載のCLT耐震補強壁。
<第6の態様>
先に記載のCLT耐震補強壁の組立方法であって、
柱及び梁からなる枠部を形成する枠部形成工程と、
前記枠部に枠部連結部を設置する連結部設置工程と、
複数のロッドを所定の位置に配置し、隣り合うロッド同士をロッド連結部で連結するロッド連結工程と、
連結されたロッドを凹部に嵌合させて、CLTパネルを取り付ける、CLTパネル取付工程と、を有することを特徴とするCLT耐震補強壁の組立方法。
<第7の態様>
ロッド連結後、CLTパネル取付を実行する工程を複数回含む、先に記載のCLT耐震補強壁の組立方法。
<第8の態様>
隣り合うロッドを連結するロッド連結部が、平面視十字状であり、4方に突出する腕部を備え、各腕部の先端に外側方向に向かって連結孔が設けられている、先に記載のCLT耐震補強壁の組立方法。
<第9の態様>
ネジからなるロッドの側部をパイプに挿入し、パイプの両端に接着剤が入らないような手法を施し、座屈補剛(アンボンド)ロッドを形成する座屈補剛(アンボンド)ロッド形成工程を有し、制振壁とする、先に記載のCLT耐震補強壁の組立方法。
<第10の態様>
前記CLTパネル取付工程が、前記CLTパネルの4辺に設けられた側面視U字状又は側面視矩形状にくり抜いた凹部の長手方向に沿うように、前記ロッドの側部又は前記パイプを嵌合する、CLTパネルへのロッド嵌合工程を有する、先に記載のCLT耐震補強壁の組立方法。
<第11の態様>
前記ロッドの側部又は前記パイプを嵌合してから、前記凹部に蓋部を取り付け、前記凹部内に樹脂系接着剤を封入し、硬化させて、CLTパネルとロッドを一体化するCLTパネルとロッドの一体化工程を有する、先に記載のCLT耐震補強壁の組立方法。
本発明によれば、耐震性能が高く、建設現場に容易に持ち込め、建設現場で組み立て容易な耐震壁を提供することができる。
本発明の耐震補強壁の一例を示す正面図である。 本発明の耐震補強壁の一例を示す正面図であって、CLTパネルを取り除いた図である。 本発明の耐震補強壁の一例を示すA部近傍拡大図であって、斜視分解図である。 本発明のCLT耐震補強壁の組立方法の一例を示す工程図である。 本発明の耐震補強壁のロッド連結工程の一例を示す図である。 本発明の耐震補強壁のCLTパネルへのロッド嵌合工程とCLTパネルとロッドの一体化工程の一例を示す図である。 本発明の耐震補強壁の別の一例を示す拡大図であって、斜視分解図である。 本発明の耐震補強壁の座屈補剛(アンボンド)ロッド形成工程の一例を示す図である。 本発明の耐震補強壁の更に別の一例を示す拡大図であって、座屈補剛(アンボンド)ロッド形成工程の別の一例を示す図である。 本発明の耐震補強壁の座屈補剛(アンボンド)ロッド形成工程の別の一例を示す図である。
(実施形態1)
(耐震補強壁)
(略壁部)
図1は、本発明の耐震補強壁の一例を示す正面図である。
図1に示すように、本発明の耐震補強壁1は、2本の柱10と、2本の梁20により形成された枠部15を備えている。柱10及び梁20は鉄骨を用いる。
枠部15内には、複数の平面視矩形状のCLTパネル35及び平面視三角形状のCLTパネル36が端部を連結されてなる略壁部39が形成されている。
略壁部39には、平面視矩形状の開口部37及び平面視三角形状の開口部38も形成されている。
(格子部)
図2は、本発明の耐震補強壁の一例を示す正面図であって、CLTパネルを取り除いた図である。
図2に示すように、本発明の耐震補強壁1は、枠部15に嵌合される格子部30を有する。
格子部30は、複数のロッド31の端部が、平面視十字状のロッド連結部32、平面視V字状の枠部連結部33又は平面視I字状の枠部連結部34のいずれかに連結されて形成されている。
ロッド連結部32、枠部連結部33、34としては、接合金物を挙げることができる。
ロッド31としては、棒状金物を挙げることができる。
本発明の耐震補強壁1は、格子部30のロッド31で引張力を処理することができ、引張耐性に優れた壁とすることができる。
図2に示すように、ロッド連結部32、枠部連結部33、34とロッド31で囲まれた領域に、平面視略矩形状の開口部37又は平面視三角形状の開口部38が形成されている。
図1、2に示すように、平面視十字状のロッド連結部32を取り囲む4つの開口部のうち一方の対角方向に位置する開口部を塞ぐように、CLTパネル35が取り付けられる。
図3は、本発明の耐震補強壁の一例を示す図であって、図1のA部近傍拡大図であって、斜視分解図である。
図3に示すように、ロッド31の側部31c及び両端部31a、31bは円柱状とされている。
隣り合うロッド31を連結するロッド連結部32は、平面視十字状であり、4方に突出した腕部32aを備え、各腕部32aの先端に外側方向に向かって連結孔(ネジ部)32bが設けられている。
連結孔32bは、ロッド31の両端部31a、31bが差し込み可能とされている。ロッド31の両端部31a、31bをロッド連結部32の連結孔32bに差し込んで格子部30を形成する。
両端部31a、31bの円柱状部分の外面にはネジ部が設けられている。ロッド連結部32の連結孔32bの内面にもネジ部が設けられている。これらのネジ部が噛み合うことにより、しっかり連結できるように構成されている。よって、ロッド連結部32の連結孔32bにネジ込み固定することにより、格子部30の安定性を高められる。
なお、平面視V字状の枠部連結部33又は平面視I字状の枠部連結部34にも、内面にネジ部が設けられた連結孔32bと同一の連結孔が設けられている。これにより、ロッド31の両端部31a、31bをネジ込み可能となっている。
側部31cは、円柱を基本とするが、他の多角柱としてもよい。
ロッド31の一端部31aが右ネジであり、他端部31bが左ネジであることが好ましい。これにより、ロッド31の一端部31aを一の連結部32の連結孔32bに一度奥まで差し込み、ネジ込んでから、反対に回して、ロッド31の他端部31bを他の連結部32の連結孔32bに差し込み、ネジ込む(この長さを「ネジ可動長さ」という。)ことができる。これにより狭い空間でもロッド31を差し込んでしっかりと固定できる。
なお、両端とも左ネジにして、一端部側又は両端部側に右ネジとネジ可動長さを考慮したロングナットの組み合わせを片側の左ネジに取り付ける方法で同等の施行方法にするのでもよい(後述の実施形態4参照)。
ロッド31が転造ネジであることが好ましい。転造ネジとは、加工物を型にはさんで転がして加工して作られたネジであり、切削ネジに比べ機械強度が強く、かつ、軸部がネジ部よりも先に降伏や破断するので、耐震性を上げることができる。
ただし、切削ネジでも軸部を切削して細くする等をして、軸部を先に降伏や破断するようにして、耐震性を上げることができる。
ロッド31とロッド連結部32の間には、接着剤もれ止め材53が配置される。
(CLTパネル)
CLTパネル35として、7層の板材のCLT(Cross Laminated Timber)からなる壁構造材が用いられていることを基本とする。また、ロッド31を2本並列にする場合は9層の板材のCLTを基本とする。7層や9層のCLTでもロッドの座屈拘束力が保たれるなら使用できる。本発明の耐震補強壁1は、CLTを用いることにより、圧縮耐性に優れた壁とすることができる。
板材は、例えば木材又は集成材からなる板状部材であり、集成材としては、複数の平面視略長方形状のひき板(ラミナ)が、長辺を互いに接触接合されてなる配向板が含まれる。板材は、配向板であることが好ましく、板材の配向の向きは互いに直交するように積層接着されてなることが好ましい。これにより、強度をより高められる。板材の厚さが1cm以上3.6cm以下であることが好ましい。1cm未満では、十分な強度が得られず、3.6cm超では、嵩張り過ぎて取り扱いが困難となることがある。
図3に示すように、CLTパネル35の2辺に側面視U字状又は側面視矩形状にくり抜いた凹部35bが設けられている。他方の側も同様の構成とされており、CLTパネル35の4辺に側面視U字状又は側面視矩形状にくり抜いた凹部35bが設けられている。
平面視三角形状のCLTパネル36には、平面視十字状の連結部32を端部とする2辺に側面視U字状又は側面視矩形状にくり抜いた凹部35bが設けられている。
(耐震補強壁の組立方法)
図4は、本発明のCLT耐震補強壁の組立方法の一例を示す工程図である。
本発明のCLT耐震補強壁の組立方法は、枠部形成工程S1と、連結部設置工程S2と、ロッド連結工程S3と、CLTパネル取付工程S4と、を有する。
(枠部形成工程S1)
枠部形成工程S1では、柱10及び梁20からなる枠部15を形成する。
柱10及び梁20は鉄骨を用いることを基本とするが、アンカーボルトやビス等による取り付け方を用いれば、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリート、木質材も使用可能である。
(連結部設置工程S2)
連結部設置工程S2では、枠部15に枠部連結部33、34を設置する。
枠部連結部33は、平面視V字状であり、枠部取り付け部分と、2方に突出した腕部を備え、各腕部の先端に連結孔が設けられている。
枠部連結部34は、平面視I字状であり、枠部取り付け部分と、1方に突出した腕部を備え、腕部の先端に連結孔が設けられている。
枠部連結部33の取り付け方法の一例としては、鉄骨梁、鉄骨柱にベースプレートをHTBまたはワンサイドボルトで取り付け、前記ベースプレートの一面に2枚の厚プレートを対面させて突き合わせ溶接してから、2枚の厚プレートの間に挟み込むようにして枠部連結部33を配置し、枠部連結部33と厚プレートを隅肉溶接する。
(ロッド連結工程S3)
ロッド連結工程S3は、枠部連結部33、34にロッド31を連結する(複数のロッドを所定の位置に配置する)とともに、隣り合うロッド31同士をロッド連結部32で連結する。
図4では、ロッド第1列形成工程S3-1、ロッド第2列形成工程S3-2、ロッド第3列形成工程S3-3、ロッド第4列形成工程S3-4、ロッド第5列形成工程S3-5がロッド連結工程S3である。
ロッド連結工程S3の各工程をすべて実行することにより、格子部30を隙間なく形成できる。
(CLTパネル取付工程S4)
CLTパネル取付工程S4は、連結されたロッド31を凹部に嵌合させて、CLTパネル35、36を取り付ける。
図4では、CLTパネル第1列形成工程S4-1、CLTパネル第2列形成工程S4-2、CLTパネル第3列形成工程S4-3がCLTパネル取付工程S4である。
図3から分かるように、CLTパネル35の縁に側面視U字状又は側面視矩形状にくり抜いた凹部35bを設け、凹部35bの中にロッド31を嵌合させる構成なので、最上段を除いて、ロッド31を先に組んで開口部37を完成させると、開口部37にCLTパネル35が入らず、凹部35bの中にロッド31を嵌合できない。従って、開口部37を完成させる前にCLTパネル35をロッド31に取り付ける。具体的には、下からロッド→CLTパネル→ロッド→CLTパネルという積み上げ方式をとる。
それで、本発明のCLT耐震補強壁の組立方法の一例では、ロッド連結後、CLTパネル取付を実行する工程を複数回含む。
枠部15やCLTパネル35の大きさにより、ロッド連結後、CLTパネル取付を実行する工程を何回とするかは異なるからである。
(ロッド第1列形成工程S3-1)
枠部連結部33、34にロッド31を連結する(複数のロッドを所定の位置に配置する)とともに、隣り合うロッド31同士をロッド連結部32で連結して、折線状につながるロッド第1列R1を形成する。
(CLTパネル第1列形成工程S4-1)
ロッド第1列R1のロッド31をCLTパネル34の凹部に嵌合させて、ロッド31にCLTパネル35を取り付け、CLTパネル35が頂点で連結されるCLTパネル第1列P1を形成する。
(ロッド第2列形成工程S3-2)
CLTパネル第1列P1のCLTパネル35の凹部にロッド31を嵌合させる(複数のロッドを所定の位置に配置する)とともに、隣り合うロッド31同士をロッド連結部32で連結して、折線状につながるロッド第2列R2を形成する。
(ロッド第3列形成工程S3-3)
ロッド連結部32にロッド31を連結する(複数のロッドを所定の位置に配置する)とともに、隣り合うロッド31同士をロッド連結部32で連結して、折線状につながるロッド第3列R3を形成する。
(CLTパネル第2列形成工程S4-2)
ロッド第3列R3のロッド31をCLTパネル35の凹部に嵌合させて、ロッド31にCLTパネル35を取り付け、CLTパネル35が頂点で連結されるCLTパネル第2列P2を形成する。
(ロッド第4列形成工程S3-4)
CLTパネル第2列P2のCLTパネル35の凹部にロッド31を嵌合させる(複数のロッドを所定の位置に配置する)とともに、隣り合うロッド31同士をロッド連結部32で連結して、折線状につながるロッド第4列R4を形成する。
(ロッド第5列形成工程S3-5)
ロッド連結部32にロッド31を連結する(複数のロッドを所定の位置に配置する)とともに、隣り合うロッド31同士をロッド連結部32で連結して、折線状につながるロッド第5列R5を形成する。
(CLTパネル第3列形成工程S4-3)
ロッド第5列R5のロッド31をCLTパネル36の凹部に嵌合させて、ロッド31にCLTパネル36を取り付け、CLTパネル36が頂点で連結されるCLTパネル第3列P3を形成する。
CLTパネル第3列P3は最上段の列である。
CLTパネル36は上向きの面がフラット面とされているので、開口部で少し隙間をとると、横からCLTパネル36を開口部に入れることができる。
図5は、本発明の耐震補強壁のロッド連結工程の一例を示す図である。
図5(a)は、ロッド準備工程であり、(b)は一端部ネジ込み工程であり、(c)は他端部ネジ込み工程である。
まず、一端部31a、他端部31b、側部31cを備えたロッド31を準備する。(図5(a)参照。)
次に、ロッド31の一端部31aを一のロッド連結部32の連結孔32bに差し込み、ネジ込む。(図5(b)参照。)
次に、ロッド31の他端部31bを他のロッド連結部32の連結孔32bに差し込み、ネジ込む。(図5(c)参照。)
これを繰り返して、格子部30を形成する。
ロッド31とロッド連結部32の間となる位置には、接着剤もれ止め材53が配置される。
ロッド31の一端部31aが右ネジであり、他端部31bが左ネジであることが好ましい。この場合、ロッド31の一端部31aを一のロッド連結部32の連結孔32bに一度奥まで差し込み、ネジ込んでから(図5(b)参照。)、ロッド31の他端部31bを他のロッド連結部32の連結孔32bに差し込み、反対に回して、ネジ込むことができる。(図5(c)参照。)これにより狭い空間でもロッド31を差し込んでしっかりと固定できる。
図6は、本発明の耐震補強壁のCLTパネルへのロッド嵌合工程とCLTパネルとロッドの一体化工程の一例を示す図である。
図6に示すように、CLTパネル取付工程S4は、CLTパネルへのロッド嵌合工程S4-5-1とCLTパネルとロッドの一体化工程S4-5-2を有する。
(CLTパネルへのロッド嵌合工程S4-5-1)
CLTパネル35の4辺に側面視U字状又は側面視矩形状にくり抜いた凹部35bが設けられている。凹部35bの長手方向に沿うように、ロッド31の側部31cを嵌合する。これにより、格子部30にCLTパネル35を取り付けることができる。
(CLTパネルとロッドの一体化工程S4-5-2)
凹部35bを閉塞するように蓋部41を取り付ける。蓋部41を取り付けることにより、嵌合した側部31cが凹部35bから飛び出ないようにできる。
それから、注入孔44から凹部35b内に樹脂系接着剤43を封入し、硬化させて、CLTパネル35とロッド31を一体化する。一体化により、格子部30の安定性を高められる。樹脂系接着剤43としては、エポキシ樹脂を挙げることができる。
図6では、一例として、木製蓋部からなる蓋部41をビス又は釘42で取り付ける構成が挙げられている。金属製蓋部に孔部を設けてボルトで取り付ける構成としてもよい。
(実施形態2)
図7は、本発明の耐震補強壁の別の一例を示す拡大図であって、斜視分解図である。
転造ネジからなるロッド31の側部31cがパイプ51に挿入され、パイプ51の両端を接着剤が入らないような材料、例えばシール材52によりシールされて、座屈補剛(アンボンド)ロッドが形成されているほかは、実施形態1と同一の構成とされている。実施形態2の耐震補強壁は、座屈補剛(アンボンド)ロッドを備えるので、制振壁となる。
パイプ51としては、金属製の薄肉パイプを挙げることができる。
シールすることにより、樹脂系接着剤43がパイプ51内に入らないようにできるが、シール以外でも接着剤がパイプ内に入らない手法を用いても良い。例えば、ゴムを用いたガスケットを用いる、ゴムリング的なものを詰め込む等の手法を挙げることができる。
ロッド31とロッド連結部32の間には、接着剤もれ止め材53が配置される。
図8は、本発明の耐震補強壁の座屈補剛(アンボンド)ロッド形成工程の一例を示す図である。図8(a)は、ロッド準備工程であり、(b)は座屈補剛(アンボンド)ロッド形成工程であり、(c)はパイプ嵌合工程の一部平面図、(d)は一部側面図であり、(e)は樹脂封入工程の一部平面図、(f)は一部側面図、(g)は接着剤もれ止め工程の一部平面図、(h)は一部側面図である。
転造ネジからなるロッド31を用意する(図8(a))。
ロッド31の側部31cをパイプ51に挿入し、パイプ51の両端をシール材52によりシールして、座屈補剛(アンボンド)ロッドを形成する(図8(b))。
CLTパネル35の4辺に側面視U字状又は側面視矩形状にくり抜いた凹部35bが設けられ、長手方向に沿うように、ロッド31の側部31cを挿入したパイプ51を嵌合する(図8(c)、(d))。これにより、格子部30にCLTパネル35を取り付けることができる。
凹部35bに蓋部41を取り付ける(図8(c)、(d))。蓋部41を取り付けることにより、嵌合した側部31cが凹部35bから飛び出ないようにできる。
注入孔44から凹部35b内に樹脂系接着剤43を封入し、硬化させて、CLTパネル35、ロッド31および蓋部41を一体化する(図8(e)、(f))。一体化により、格子部30の安定性を高められる。図8では、一例として、木製蓋部からなる蓋部41をビス又は釘42で取り付ける構成を挙げられている。
最後に、接着剤もれ止め材53を取り付ける。接着剤もれ止め材53は、エラストマー又はゴム等からなる密着層54と、薄い銅板等からなる支持層55からなり、密着層54が木材と密着して樹脂系接着剤43が外に漏れないようにできる。
(実施形態3)
図9は、本発明の耐震補強壁の更に別の一例を示す図であって、座屈補剛(アンボンド)ロッド形成工程の別の一例を示す図である。図9(a)はパイプ嵌合工程の一部平面図、(b)は一部側面図であり、(c)は樹脂封入工程の一部平面図、(d)は一部側面図、(e)は接着剤もれ止め工程の一部平面図、(f)は一部側面図である。
CLTパネル35の4辺に側面視U字状又は側面視矩形状にくり抜いた大きめの凹部35bを少し大きめにして、長手方向に沿うように、座屈補剛(アンボンド)ロッドを2本並列に配置するとともに、2本の座屈補剛(アンボンド)ロッドを、1本の腕に2つの連結孔を設けた連結部を用いて連結して、格子部を作成したほかは、実施形態2と同一の構成とされている。実施形態3の耐震補強壁は、CLTパネルの1辺に2本の座屈補剛(アンボンド)ロッドを備えるので、より強い制振壁となる。
本構成では、座屈補剛(アンボンド)ロッドを2本並列に配置して、1本の腕に2つの連結孔を設けた連結部を用いて格子部を作成した。
そして、CLTパネル35の4辺に側面視U字状又は側面視矩形状にくり抜いた凹部35bが設けられ、長手方向に沿うように、並列に配置した2本の座屈補剛(アンボンド)ロッドのロッド31の側部31cを挿入したパイプ51を2本嵌合する。これにより、格子部30にCLTパネル35を取り付けることができる。
凹部35bに蓋部41を取り付ける(図9(a)、(b))。蓋部41を取り付けることにより、嵌合した側部31cが凹部35bから飛び出ないようにできる。
注入孔44から凹部35b内に樹脂系接着剤43を封入し、硬化させて、CLTパネル35、ロッド31および蓋部41を一体化する(図9(c)、(d))。一体化により、格子部30の安定性を高められる。
一例として、木製蓋部からなる蓋部41をビス又は釘42で取り付ける構成を挙げられている。
座屈補剛(アンボンド)ロッドを2本並列に配置して、1本の腕に2つの連結孔を設けた連結部を用いて格子部を作成したことにより、制振性をより高めることができる。
最後に、接着剤もれ止め材53を取り付ける。接着剤もれ止め材53は、エラストマー又はゴム等からなる密着層54と、薄い銅板等からなる支持層55からなり、密着層54が木材と密着して樹脂系接着剤43が外に漏れないようにできる。
(実施形態4)
図10は、本発明の耐震補強壁の座屈補剛(アンボンド)ロッド形成工程の別の一例を示す図である。図10(a)は、ロッド準備工程の説明図であり、(b)は座屈補剛(アンボンド)ロッド形成工程の説明図であり、(c)はロングナットとネジによる長さ調整工程の説明図である。
両端とも左ネジとした転造ネジからなるロッド31を用意する(図10(a))。
ロッド31の側部31cをパイプ51に挿入し、パイプ51の両端をシール材52によりシールして、座屈補剛(アンボンド)ロッドを形成する(図10(b))。
一端部側に延長ネジ(この場合は「右ネジ」)62とネジ可動長さを考慮したロングナット60の組み合わせを片側の左ネジに取り付ける(図10(c))。これにより、格子間隔をより正確に合わせて、格子部30を形成することができる。
なお、両端部側にロングナット60と延長ネジ62を取り付けるようにしてもよい。
(実施例1,比較例1)
実施例1の耐震補強壁の構成部材と、比較例1の耐震壁の構成部材を用意した。実施例1の耐震補強壁の構成部材は短いロッドと3種の連結部材とCLTパネルであり、比較例1の構成部材は、長いロッドとCLTパネルである。
<建設現場への持ち込み容易性>
開口部が小さい経路を通って、作業スペースが小さい建設現場へは、比較例1の構成部材に比べて、実施例1の構成部材の方がはるかに持ち込み容易であった。
<建設現場での作業容易性>
作業スペースが小さい建設現場では、比較例1の構成部材に比べて、実施例1の構成部材の方が、はるかに組立作業が容易であった。
本発明のCLT耐震補強壁は、耐震性能が高く、建設現場に容易に持ち込め、建設現場で組み立て容易な耐震壁に関し、建築産業分野において活用が期待できる。
1…CLT耐震補強壁、10…柱、20…梁、15…枠部、30…格子部、31…ロッド、31a、31b…端部(ネジ部)、31c…側部、32…ロッド連結部、33、34…枠部連結部、32a…腕部、32b…連結孔(ネジ部)、35、36…CLTパネル、35b…凹部、37、38…開口部、39…略壁部、41…蓋部、42…ビス又は釘、43…樹脂系接着剤、44…注入孔、51…パイプ、52…シール材、53…接着剤もれ止め材、54…密着層、55…支持層、60…ロングナット,62…延長ネジ,R1…ロッド第1列、R2…ロッド第2列、R3…ロッド第3列、R4…ロッド第4列、R5…ロッド第5列、P1…CLTパネル第1列、P2…CLTパネル第2列、P3…CLTパネル第3列。

Claims (11)

  1. 枠部と、前記枠部に支持される格子部とを有し、
    前記格子部は、前記枠部に設置された枠部連結部にロッドを連結し、隣り合うロッド同士をロッド連結部で連結して構成され、
    前記ロッド連結部を取り囲む領域に4つの開口部が形成され、
    前記4つの開口部のうち対角方向に位置する開口部を塞ぐように、CLTパネルが取り付けられていることを特徴とするCLT耐震補強壁。
  2. 前記ロッド連結部が平面視十字状であり、4方に突出する腕部を備え、各腕部の先端に外側方向に向かって連結孔が設けられている、請求項1に記載のCLT耐震補強壁。
  3. 前記ロッドの側部がパイプに挿入され、パイプの両端に接着剤が入らないような手法が施されて、座屈補剛(アンボンド)ロッドが形成され、制振壁となる、請求項1又は2に記載のCLT耐震補強壁。
  4. 前記CLTパネルの4辺に側面視U字状又は側面視矩形状にくり抜いた凹部が設けられ、長手方向に沿うように、前記ロッドの側部又は前記パイプを嵌合した、請求項1~3のいずれか1項に記載のCLT耐震補強壁。
  5. 前記凹部に蓋部を取り付け、前記凹部内に樹脂系接着剤を封入し、硬化させて、CLTパネルとロッドを一体化した、請求項4に記載のCLT耐震補強壁。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のCLT耐震補強壁の組立方法であって、
    柱及び梁からなる枠部を形成する枠部形成工程と、
    前記枠部に枠部連結部を設置する連結部設置工程と、
    複数のロッドを所定の位置に配置し、隣り合うロッド同士をロッド連結部で連結するロッド連結工程と、
    連結されたロッドを凹部に嵌合させて、CLTパネルを取り付ける、CLTパネル取付工程と、を有することを特徴とするCLT耐震補強壁の組立方法。
  7. ロッド連結後、CLTパネル取付を実行する工程を複数回含む、請求項6に記載のCLT耐震補強壁の組立方法。
  8. 隣り合うロッドを連結するロッド連結部が、平面視十字状であり、4方に突出する腕部を備え、各腕部の先端に外側方向に向かって連結孔が設けられている、請求項6又は7に記載のCLT耐震補強壁の組立方法。
  9. ネジからなるロッドの側部をパイプに挿入し、パイプの両端に接着剤が入らないような手法を施し、座屈補剛(アンボンド)ロッドを形成する座屈補剛(アンボンド)ロッド形成工程を有し、制振壁とする、請求項6~8のいずれか1項に記載のCLT耐震補強壁の組立方法。
  10. 前記CLTパネル取付工程が、前記CLTパネルの4辺に設けられた側面視U字状又は側面視矩形状にくり抜いた凹部の長手方向に沿うように、前記ロッドの側部又は前記パイプを嵌合する、CLTパネルへのロッド嵌合工程を有する、請求項6~9のいずれか1項に記載のCLT耐震補強壁の組立方法。
  11. 前記ロッドの側部又は前記パイプを嵌合してから、前記凹部に蓋部を取り付け、前記凹部内に樹脂系接着剤を封入し、硬化させて、CLTパネルとロッドを一体化するCLTパネルとロッドの一体化工程を有する、請求項10に記載のCLT耐震補強壁の組立方法。
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