JP2023095100A - 緊張材が挿通される挿通孔の連結方法及び連結構造 - Google Patents

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Takashi Shiroyama
樹里也 井上
Juriya Inoue
茂隆 徳武
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Abstract

【課題】緊張材が挿通される挿通孔に目地材が流入しない挿通孔の連結方法及び連結構造を提供する。【解決手段】作業員は、柱梁接合部(第1部材)3の第1挿通孔7の開口に、第1環状部材11を取り付け、梁部材(第2部材)4の第2挿通孔8の開口に、第2環状部材12を取り付ける。作業員は、梁部材4を、所定の位置に配置した後、治具20を用いて圧縮性を有する第3環状部材15を第1環状部材11と第2環状部材12との間に挿入する。この時、第1及び第2挿通孔7,8は、第1~第3環状部材11,12,15に設けられた第1~第3貫通孔13,14,15によって連通する。第3環状部材15の圧縮性によって、第3環状部材15と、第1及び第2環状部材11,12との間は水密になり、目地材が第1及び第2挿通孔7,8、並びに第1~第3貫通孔13,14,15に流入することが防止される。【選択図】図5

Description

本発明は、緊張材によって後打ち目地を介して互いに圧着されるべき2つの部材間において、緊張材が挿通される挿通孔に目地材が流入しないように、2つの部材の挿通孔を互いに連結する方法及び構造に関する。
緊張材によって互いに圧着される2つの部材間には、目地材(後打ちグラウト)が充填されていることが多く、2つの部材には緊張材が挿通される挿通孔が設けられている。緊張材は、目地材の硬化後に緊張されるため、目地材としてのグラウトの充填時に、グラウトが挿通孔に流入することを防ぐ必要がある。
例えば、特許文献1には、一方の部材の挿通孔を形成するシースの端部に、ばねによって飛び出し可能な接続管を配置し、2つの部材を所定の位置に配置後、接続管を他方の部材に押し付けるように飛び出させ、グラウトがシース内に入ることを防止する方法が記載されている。
また、一方の部材の挿通孔の開口付近に発泡ポリエチレン材等を接着し、この部材を他方の部材に押し付けて発泡ポリエチレン材を圧縮することにより、グラウトの挿通孔への流入を防ぐ方法が知られている。
特開平10-252222号公報
特許文献1に記載の方法では、接続管を配置する部分においてシースを拡径する必要があるため、部材における断面欠損部分が多くなった。このため、部材の耐力や鉄筋の納まり等を考慮すると、部材の断面を大きくする必要があった。特に、部材が木質材料を含む場合は、この問題が顕著であった。
発泡ポリエチレン材等を一方の部材に接着して他方の部材に押し付ける方法は、一方の部材を他方の部材に向けて移動可能な場合に適する。しかし、このような移動が不可能な場合、例えば、2つの部材が柱と梁又は壁とであって、かつ反対側に配置される柱が設置済みの場合、梁又は壁を柱に向けて押し付けて発泡ポリエチレン材を大きく潰すことができないため、他方の部材に対する発泡ポリエチレン材の密着度合いが弱くなり、挿通孔への目地材の流入の可能性が高くなった。また、柱梁架構において、上記の移動を可能にするには、梁、柱梁接合部を梁の延在方向の一方に向けて順にスライド移動させて発泡ポリエチレン材を梁及び柱梁接合部に密着させる必要があるため、片側からの施工となり、梁に支保工が必要となった。また、柱梁接合部を梁の延在方向にスライドさせて設置する場合であって、平面で二方向(XY方向)に緊張材を配置する場合、二方向の発泡ポリエチレン材を同時に圧縮させなければならない箇所が出てくるため、発泡ポリエチレン材にせん断変形が生じ、挿通孔と発泡ポリエチレン材の孔との整合性の乱れや、発泡ポリエチレン材の剥がれ等が発生するおそれがあった。
本発明は、以上の背景に鑑み、緊張材が挿通される挿通孔に目地材が流入しない挿通孔の連結方法及び連結構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、互いに緊張材(5)によって圧着される第1部材(3)及び第2部材(4)において、前記緊張材(5)が挿通されるように前記第1部材(3)に設けられた第1挿通孔(7)と、前記緊張材(5)が挿通されるように前記第2部材(4)に設けられた第2挿通孔(8)とを互いに連結する方法であって、前記第1部材(3)における前記第2部材(4)に圧着されるべき面に、厚さ方向に貫通する第1貫通孔(13)を含む板状の第1環状部材(11)を、前記第1貫通孔(13)が前記第1挿通孔(7)に整合するように取り付けるとともに、前記第2部材(4)における前記第1部材(3)に圧着されるべき面に、厚さ方向に貫通する第2貫通孔(14)を含む板状の第2環状部材(12)を、前記第2貫通孔(14)が前記第2挿通孔(8)に整合するように取り付けるステップと、前記第1挿通孔(7)と前記第2挿通孔(8)とが互いに整合し、かつ、前記第1部材(3)及び前記第2部材(4)間に隙間(10)が生じるように、前記第1部材(3)に対して前記第2部材(4)を配置するステップと、前記第1環状部材(11)と前記第2環状部材(12)との互いの対向面間の対向距離より大きな厚みと厚さ方向に貫通する第3貫通孔(16)とを含み、該厚さ方向に圧縮可能な板状の第3環状部材(15)を、前記第3貫通孔(16)が前記第1貫通孔(13)及び前記第2貫通孔(14)に整合するように、前記隙間(10)よりも狭い幅を有する治具によって、前記隙間(10)に挿入するステップとを備え、前記第1環状部材(11)、前記第2環状部材(12)及び前記第3環状部材(15)の外輪郭は、前記第3環状部材(15)が前記隙間(10)に挿入された状態においてこれらの厚さ方向から見て少なくとも部分的に互いに一致する一致部(19)を含み、前記治具(20)は、長尺部(21)と、前記長尺部(21)の一端側に設けられて前記第3環状部材(15)に当接するように構成された当接面(23)を有する当接部(22)とを含み、その幅方向から見た前記当接面(23)の輪郭は、前記第1環状部材(11)、前記第2環状部材(12)及び前記第3環状部材(15)の前記厚さ方向から見た前記一致部(19)の輪郭に一致する。
この態様によれば、第3環状部材の圧縮性によって、第1及び第2挿通孔が第1~第3貫通孔を介して互いに水密に連結し、目地材が第1及び第2挿通孔、並びに第1~第3貫通孔に流入することを防止できる。この態様の方法は、第3環状部材を隙間に沿って挿入するため、第1部材及び第2部材の互いの接合部とは反対側の端部に他の部材が設置されていても実施できる。また、治具の当接面と第1~第3環状部材の一致部とが互いに補完的な形状であるため、作業員は、治具の当接部が第1及び第2環状部材に嵌合することにより、第3環状部材が目的の位置に到達したことを把握することができる。
上記の態様において、前記第3環状部材(15)が目的の位置に挿入された状態において、前記第1環状部材(11)、前記第2環状部材(12)及び前記第3環状部材(15)の前記外輪郭は、その全体がこれらの厚さ方向から見て互いに一致する円周形状をなし、前記治具(20)の前記当接面(23)は、その幅方向から見て、前記第1環状部材(11)、前記第2環状部材(12)及び前記第3環状部材(15)の前記外輪郭と同じ曲率を有する半円周以下の長さの円弧形状をなしても良い。
この態様によれば、一致部が厚さ方向から見て円周形状をなし、当接面が円弧形状をなすため、第3環状部材を挿入する方向は、第1及び第2部材の互いの対向面に平行な方向であればどの方向からでも良い。また、第3環状部材が目的の位置からずれていても、そのずれが第1~第3環状部材の外周の半径よりも小さければ、治具の当接部が第1及び第2環状部材の外周縁を摺動することにより第3環状部材が目的の位置に誘導される。
上記の態様において、前記当接部(22)は、前記対向距離よりも大きな幅を有すると良い。
この態様によれば、治具の当接部が第1及び第2環状部材に係合し易くなる。
上記の態様において、前記第3環状部材(15)は、その厚さ方向に圧縮性を有する圧縮層(17)と、前記圧縮層(17)に対して該厚さ方向に重ねられた、前記圧縮層(17)よりも高い剛性を有する硬質層(18)とを含んでも良い。
この態様によれば、圧縮層が圧縮された時の反力によって、第3環状部材と第1及び第2環状部材との水密性が確保されるとともに、硬質層の剛性によって、第3環状部材が隙間に挿入されて第1及び第2部材の互いの対向面や、第1及び第2環状部材の互いの対向面を摺動する際に、第3環状部材の形状の崩れが抑制される。
本発明のある態様は、目地材(6)が充填されるべき第1部材(3)と第2部材(4)との隙間(10)における、緊張材(5)が挿通されるべき挿通孔(7,8)の連結構造(24)であって、前記緊張材(5)が挿通されるべき第1挿通孔(7)を含む前記第1部材(3)と、前記第1挿通孔(7)に整合して前記緊張材(5)が挿通されるべき第2挿通孔(8)を含む前記第2部材(4)と、厚さ方向に貫通する第1貫通孔(13)を含み、前記第1部材(3)における前記第2部材(4)に圧着されるべき面に、前記第1貫通孔(13)が前記第1挿通孔(7)に整合するように取り付けられた板状の第1環状部材(11)と、厚さ方向に貫通する第2貫通孔(14)を含み、前記第2部材(4)における前記第1部材(3)に圧着されるべき面に、前記第2貫通孔(14)が前記第2挿通孔(8)に整合するように取り付けられた板状の第2環状部材(12)と、厚さ方向に貫通する第3貫通孔(16)を含み、前記第1環状部材(11)と前記第2環状部材(12)間に圧縮されるように配置され、前記第3貫通孔(16)が前記第1貫通孔(13)及び前記第2貫通孔(14)に整合するように配置された板状の第3環状部材(15)とを備える。
この態様によれば、第3環状部材の圧縮性によって、第1及び第2挿通孔が第1~第3貫通孔を介して互いに水密に連結し、目地材が1及び第2挿通孔、並びに第1~第3貫通孔に流入することを防止できる。
上記の態様において、前記第2部材(4)は木質材料を含んでも良い。
この態様によれば、挿通孔の連結を水密にするために第2部材の第2挿通孔を拡径する必要がなく、断面欠損が構造上の弱点となる木質材料を使用しても、第2部材の断面を大きくする必要がない。
以上の態様によれば、張材が挿通される挿通孔に目地材が流入しない挿通孔の連結方法及び連結構造を提供することができる。
実施形態に係る連結構造が適用された柱梁架構の正面図 実施形態に係る連結構造が適用される柱梁架構の拡大正面図 実施形態に係る連結構造の第3環状部材を示す正面図 実施形態に係る連結構造の第3環状部材及び連結方法に用いられる治具を示す図(A:正面図、B:側面図) 実施形態に係る連結方法を示す説明図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1に示す柱梁架構1は、鉛直方向に延在する1対の柱部材2と、柱部材2の上端部に接合した1対の柱梁接合部3(第1部材)と、水平方向に延在して、延在方向の両端部において柱梁接合部3に接合した梁部材4(第2部材)と、1対の柱梁接合部3及び梁部材4に挿通された緊張材5と、柱梁接合部3及び梁部材4の間に充填された目地材6を備える。
柱部材2及び梁部材4は、木質材料を主材とする。木質材料は、集成材又は単板積層材等であり、木材の繊維は概ねその部材の延在方向に延びている。柱梁接合部3は、鉄筋コンクリート造である。なお、柱部材2は、鉄筋コンクリート造としても良く、この場合、現場打コンクリートでもプレキャストコンクリートでも良い。柱梁接合部3は、現場打コンクリートでもプレキャストコンクリートでも良く、また、木質材料を主材としても良い。梁部材4は、鉄筋コンクリート造のプレキャストコンクリートとしても良い。
緊張材5は、梁部材4の延在方向に沿って延在し、柱梁接合部3に設けられた第1挿通孔7と、梁部材4に設けられた第2挿通孔8とに挿通され、両端部において定着具9によって柱梁接合部3に定着されている。緊張材5は、PC鋼棒、PC鋼線、PC鋼より線、又は、炭素繊維若しくはアラミド繊維等の繊維強化プラスチック材を含む。第1挿通孔7は、例えば、円管形状のシースによって形成される。第2挿通孔8は、例えば、梁部材4となるべき木質材料を梁幅方向の中心を通る垂直面で2分割し、その分割面に溝を掘った後、分割された材料を接着剤で互いに接合することによって形成される。第2挿通孔8の開口部分の輪郭は、第1挿通孔7の開口部分の輪郭に一致することが好ましい。
目地材6は、後打ちグラウトであって、例えば、無収縮モルタルが硬化したものである。目地材6の幅、すなわち、柱梁接合部3と梁部材4との互いの対向面間の距離は、例えば約20mmである。
図2は、施工途中の段階における柱梁接合部3と梁部材4との互いの接合部分の拡大図である。目地材6(図1参照)は、まだ充填されておらず、柱梁接合部3と梁部材4との間には、隙間10が形成されている。柱梁接合部3の梁部材4に圧着されるべき面における第1挿通孔7の開口の近傍には、第1環状部材11が接着剤等によって取り付けられている。梁部材4の柱梁接合部3に圧着されるべき面における第2挿通孔8の開口の近傍には、第2環状部材12が接着剤等によって取り付けられている。
第1環状部材11は、その厚さ方向に第1貫通孔13を含み、厚さ方向から見て円環形状をなす板状の部材である。第1環状部材11は、第1挿通孔7の延在方向から見て第1貫通孔13が第1挿通孔7に整合するように柱梁接合部3に取り付けられる。この時、第1環状部材11の内輪郭(第1貫通孔13の輪郭)は、第1挿通孔7の輪郭に一致するか、それよりも大きい。
第2環状部材12は、その厚さ方向に第2貫通孔14を含み、その厚さ方向から見て円環形状をなす板状の部材である。第2環状部材12は、緊張材5の延在方向から見て第2貫通孔14が第2挿通孔8に整合するように梁部材4に取り付けられる。この時、第2挿通孔8の延在方向から見て、第2環状部材12の内輪郭(第2貫通孔14の輪郭)は、第2挿通孔8の輪郭に一致するか、それよりも大きい。柱梁接合部3及び梁部材4を所定の位置に配置した時、第2貫通孔14の延在方向から見て、第2環状部材12の外輪郭は、第1環状部材11の外輪郭に一致する。
第1環状部材11と第2環状部材12とは、互いに共通の部材であっても良い。第1環状部材11及び第2環状部材12の素材の例として、木材の合板や鋼板が挙げられ、第1環状部材11及び第2環状部材12の厚さは、例えば約3mmである。
図3は、第1環状部材11と第2環状部材12とに挟持される第3環状部材15を示す正面図である。第3環状部材15は、その厚さ方向に第3貫通孔16を含み、厚さ方向から見て円環形状をなす板状の部材である。第3環状部材15は、その厚さ方向の両側部に設けられた圧縮性を有する1対の圧縮層17と、1対の圧縮層17の間に配置され、圧縮層17よりも高い剛性を有する硬質層18とを含む。1対の圧縮層17及び硬質層18は、厚さ方向からみて互いに共通の輪郭を有する。圧縮層17は、例えば、発泡ポリエチレン等の発泡樹脂を素材とする。硬質層18は、例えば、木材の合板、硬質樹脂板又は鋼板等によって形成される。第3環状部材15は、厚さ方向に力が加わっていない時は、第1及び第2環状部材11,12の互いの対向面間の距離よりも厚い厚さを有し、隙間10(図2参照)の幅よりも厚い厚さを有することが好ましい。隙間10(図2参照)が20mm、第1及び第2環状部材11,12の厚さがそれぞれ3mmであれば、第3環状部材15の厚さは14mmよりも厚い。第3環状部材15は、厚さ方向に力が加わることにより、第1及び第2環状部材11,12の互いの対向面間の距離の厚さになるまで圧縮可能である。なお、第3環状部材15は、1つの圧縮層17と1つの硬質層18とによって構成されても良く、2つの硬質層18の間に1つの圧縮層17が挟まれる構成であっても良く、木目が厚さ方向に直交するように配置されて厚さ方向につぶれやすい木材によって構成されても良い。
第1~第3環状部材11,12,15は、目的の位置に設置された時、その外輪郭においてその厚さ方向から見て互いに一致する一致部19を形成しており、第1~第3貫通孔13,14,16を画定する内輪郭においてその厚さ方向から見て互いに一致している。
図4は、第3環状部材15と、第3環状部材15を第1環状部材11(図3参照)と第2環状部材12(図3参照)との間に配置するための治具20とを示す。治具20は、所定の方向に延在する棒状又はパイプ状の長尺部21と、長尺部21の一端側に設けられて第3環状部材15を押し込むように当接する当接部22とを含む。治具20は、柱梁接合部3と梁部材4との対向面間の距離よりも狭い幅を有する。当接部22は、幅方向から見て周方向に半円周以下の長さと径方向に所定の幅を有する円弧形状をなし、その内輪郭は、第3環状部材15を押し込むときに、第3環状部材15に当接する当接面23をなす。当接面23は、その幅方向から見て、第1環状部材11、第2環状部材12及び第3環状部材15の外輪郭と同じ曲率を有する円弧形状をなす。
図3及び図4を参照する。第1~第3環状部材11,12,15の外輪郭の形状は、変更しても良い。この場合、第1~第3環状部材11,12,15の外輪郭は、第1~第3環状部材11,12,15が目的の位置に設置された時に、これらの厚さ方向から見て、少なくとも部分的に互いに一致する一致部19を形成する。更に、治具20の当接面23の幅方向から見た輪郭は、一致部19の全体又は一部の輪郭と一致する。
図5を参照して、実施形態に係る第1挿通孔7と第2挿通孔8との互いの連結構造24の構築方法及び作用効果について説明する。
図5(A)に示すように、作業員は、第1環状部材11を柱梁接合部3に取り付け、第2環状部材12を梁部材4に取り付けた後、クレーン等によって梁部材4を1対の柱梁接合部3間に配置する。柱梁接合部3がプレキャストコンクリート部材である場合は、第1環状部材11の柱梁接合部3への取り付けは、柱梁接合部3を柱部材2の上端部に設置する前に行っても、後に行っても良い。梁部材4の柱梁接合部3に対する位置は、梁部材4がクレーンで吊られた状態を保つことにより維持されても良く、支保工(図示せず)に梁部材4が支持されることにより維持されても良く、柱梁接合部3の下端部に設けられた突出部(図示せず)に梁部材4が支持されることにより維持されても良い。
次に、図5(B)に示すように、作業員は、治具20を用いて、第3環状部材15を柱梁接合部3と梁部材4との隙間10に挿入する。図示する例では、第3環状部材15の隙間10への挿入は、上方から下方に向かって行われているが、柱梁接合部3と梁部材4との互いの圧着面に平行な方向であって、第1及び第2環状部材11,12に向かう方向あれば、他方方向から行われても良い。第3環状部材15は、厚さ方向に圧縮可能であるため、厚さ方向に圧縮された状態で、柱梁接合部3及び梁部材4の互いの対向面や、第1及び第2環状部材11,12の互いの対向面を摺動する。
作業員は、図5(C)に示すように、治具20の当接部22が第1及び第2環状部材11,12に嵌合するまで、第3環状部材15を押し込み、その後、図5(D)に示すように治具20を取り除く。第3環状部材15が目的の位置からずれて押し込まれたとしても、そのずれが第1~第3環状部材11,12,15の半径よりも小さければ、当接部22が第1及び第2環状部材11,12の外周部を摺動することによって、そのずれが修正される。従って、当接部22が第1及び第2環状部材11,12に嵌合すると、第3貫通孔16が第1及び第2貫通孔13,14に整合するように(図3参照)、第3環状部材15が第1及び第2環状部材11,12に重なった状態となり、連結構造24が形成される。連結構造24では、第1~第3貫通孔13,14,16(図3参照)を介して、第1及び第2挿通孔7,8(図1参照)が互いに連通している。第1及び第2環状部材11,12が柱梁接合部3及び梁部材4に接着剤によって密着し、かつ、第3環状部材15が厚さ方向に圧縮されて第1及び第2環状部材11,12に密着していることにより、第1及び第2挿通孔7,8(図1参照)が互いに水密に連結されている。
この後、図1に示すように、目地材6が隙間10(図2参照)に充填されるが、第3環状部材15が厚さ方向に圧縮されて第1及び第2環状部材11,12に密着しているため、第1及び第2挿通孔7,8(図1参照)並びに第1~第3貫通孔13,14,16(図3参照)に目地材6が流入しない。
図5に示すように、第3環状部材15を隙間10に沿って挿入するため、柱梁接合部3が固定され、梁部材4が1対の柱梁接合部3間に配置されてその延在方向への移動ができなくとも、連結構造24を構築することができる。
図2~図4に示すように、治具20の当接面23が、第1~第3環状部材11,12,15の外周面を形成する一致部19と補完的な形状をなすため、治具20の当接部22が第1及び第2環状部材11,12に嵌合することにより、作業員は、第3環状部材15が目的の位置に到達したことを把握することができる。
第1及び第2環状部材11,12が厚さ方向から見て円環形状をなす。このため、第3環状部材15は、柱梁接合部3及び梁部材4の互いの対向面に平行な方向であれば、どの方向からでも隙間10に挿入することができる。また、第3環状部材15が挿入された位置が目的と位置から多少ずれても、当接部22が第1及び第2環状部材11,12を摺動することにより、第3環状部材15の位置が目的の位置に誘導される。
当接部22の幅が、第1及び第2環状部材11,12の互いの対向面間の距離よりも広いことによって、当接部22の第1及び第2環状部材11,12への係合及び嵌合が確実になる。
第3環状部材15は、圧縮層17を含むことによって、第1及び第2環状部材11,12に密着できる。第3環状部材15が硬質層18を含むことによって、第3環状部材15の隙間10への挿入時に、第3環状部材15の形状、特に、第3貫通孔16の形状の崩れが抑制される。なお、図示する例のように、圧縮層17が硬質層18の外側に配置されて直接に第1及び第2環状部材11,12に当接する構造とすることにより、第3環状部材15の第1及び第2環状部材11,12の密着性が高まり、水密性が高くなる。また、図示する例とは逆に、1つの圧縮層17の外側に2つの硬質層18を配置した場合は、第3環状部材15の隙間10への挿入時における第3環状部材15のせん断変形の抑制効果が高まる。
第1及び第2挿通孔7,8は、水密な連結のために拡径する必要がないため、柱梁接合部3及び梁部材4の断面欠損を防止することができる。特に、鉄筋を含まない木質材料の部材の場合は、断面欠損が構造上の弱点となるため、上記実施形態を適用するのに好適である。
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態や変形例に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。本発明は、柱梁接合部及び梁以外の、緊張材によって目地材を介して圧着される2つの部材の挿通孔の連結、例えば、柱及び壁の挿通孔の連結、に適用できる。当接面が、当接部における長尺部と同じ側に設けられて、第3環状部材を引き込むように治具を操作して第3環状部材を第1部材と第2部材との間に挿入しても良い。
3: 柱梁接合部(第1部材)
4: 梁部材(第2部材)
5: 緊張材
6: 目地材
7: 第1挿通孔
8: 第2挿通孔
10: 隙間
11: 第1環状部材
12: 第2環状部材
13: 第1貫通孔
14: 第2貫通孔
15: 第3環状部材
16: 第3貫通孔
17: 圧縮層
18: 硬質層
19: 一致部
20: 治具
22: 当接部
23: 当接面
24: 連結構造

Claims (6)

  1. 互いに緊張材によって圧着される第1部材及び第2部材において、前記緊張材が挿通されるように前記第1部材に設けられた第1挿通孔と、前記緊張材が挿通されるように前記第2部材に設けられた第2挿通孔とを互いに連結する方法であって、
    前記第1部材における前記第2部材に圧着されるべき面に、厚さ方向に貫通する第1貫通孔を含む板状の第1環状部材を、前記第1貫通孔が前記第1挿通孔に整合するように取り付けるとともに、前記第2部材における前記第1部材に圧着されるべき面に、厚さ方向に貫通する第2貫通孔を含む板状の第2環状部材を、前記第2貫通孔が前記第2挿通孔に整合するように取り付けるステップと、
    前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とが互いに整合し、かつ、前記第1部材及び前記第2部材間に隙間が生じるように、前記第1部材に対して前記第2部材を配置するステップと、
    前記第1環状部材と前記第2環状部材との互いの対向面間の対向距離より大きな厚みと厚さ方向に貫通する第3貫通孔とを含み、該厚さ方向に圧縮可能な板状の第3環状部材を、前記第3貫通孔が前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔に整合するように、前記隙間よりも狭い幅を有する治具によって、前記隙間に挿入するステップと
    を備え、
    前記第1環状部材、前記第2環状部材及び前記第3環状部材の外輪郭は、前記第3環状部材が前記隙間に挿入された状態においてこれらの厚さ方向から見て少なくとも部分的に互いに一致する一致部を含み、
    前記治具は、長尺部と、前記長尺部の一端側に設けられて前記第3環状部材に当接するように構成された当接面を有する当接部とを含み、その幅方向から見た前記当接面の輪郭は、前記第1環状部材、前記第2環状部材及び前記第3環状部材の前記厚さ方向から見た前記一致部の輪郭に一致する、方法。
  2. 前記第3環状部材が目的の位置に挿入された状態において、前記第1環状部材、前記第2環状部材及び前記第3環状部材の前記外輪郭は、その全体がこれらの厚さ方向から見て互いに一致する円周形状をなし、前記治具の前記当接面は、その幅方向から見て、前記第1環状部材、前記第2環状部材及び前記第3環状部材の前記外輪郭と同じ曲率を有する半円周以下の長さの円弧形状をなす、請求項1に記載の方法。
  3. 前記当接部は、前記対向距離よりも大きな幅を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第3環状部材は、その厚さ方向に圧縮性を有する圧縮層と、前記圧縮層に対して該厚さ方向に重ねられた、前記圧縮層よりも高い剛性を有する硬質層とを含む、請求項1~3の何れかに記載の方法。
  5. 目地材が充填されるべき第1部材と第2部材との隙間における、緊張材が挿通されるべき挿通孔の連結構造であって、
    前記緊張材が挿通されるべき第1挿通孔を含む前記第1部材と、
    前記第1挿通孔に整合して前記緊張材が挿通されるべき第2挿通孔を含む前記第2部材と、
    厚さ方向に貫通する第1貫通孔を含み、前記第1部材における前記第2部材に圧着されるべき面に、前記第1貫通孔が前記第1挿通孔に整合するように取り付けられた板状の第1環状部材と、
    厚さ方向に貫通する第2貫通孔を含み、前記第2部材における前記第1部材に圧着されるべき面に、前記第2貫通孔が前記第2挿通孔に整合するように取り付けられた板状の第2環状部材と、
    厚さ方向に貫通する第3貫通孔を含み、前記第1環状部材と前記第2環状部材間に圧縮されるように配置され、前記第3貫通孔が前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔に整合するように配置された板状の第3環状部材と
    を備える、構造。
  6. 前記第2部材は木質材料を含む、請求項5に記載の連結構造。
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