JP2020094454A - 鋼材どうしの接合構造 - Google Patents
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すなわち、本発明に係る鋼材どうしの接合構造は、平板状をなし所定の厚さで形成された平板部を有する第一鋼材と、平板状をなし所定の厚さで形成され、厚さ方向が前記平板部の厚さ方向と同じ方向を向くように、前記平板部と隣接配置されたスペーサーと、前記平板部及び前記スペーサーの厚さ方向の一方側に配置された挟持部材と、前記平板部及び前記スペーサーの厚さ方向の他方側に配置された第二鋼材と、前記挟持部材と前記第二鋼材とが前記平板部及び前記スペーサーを挟み込んだ状態で、前記挟持部材、前記第二鋼材及び前記スペーサーを締結する締結部材と、前記平板部と前記第二鋼材との間に接着剤が充填された第一接着層と、を備え、前記スペーサーの厚さは、前記平板部の厚さよりも前記第一接着層の厚さ分厚いことを特徴とする。
また、スペーサーの厚さは平板部の厚さよりも第一接着層の厚さ分厚いため、平板部における第二鋼材側を向く面や第二鋼材における平板部側と向く面に不陸等があっても、第一接着層の厚さが確実に確保され、第二鋼材は平板部に確実に接合される。よって、特殊な部材を必要とせずに、第一鋼材に第二鋼材を適切に接合することができる。
また、ガセットプレート及び第一接着層は偏心していないため、梁の材軸方向のずれに対しては第一接着層で抗することができる。
本発明の第一実施形態に係る鋼材どうしの接合構造について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る鋼材どうしの接合構造を示す縦断面図である。図2は、図1のA方向矢視図である。図3は図1のB−B線断面図である。図1は、第一鋼材の延在方向と直交する方向に沿う断面図である。
図1から図3に示すように、鋼材どうしの接合構造100は、H形鋼材で構成された梁1に、T形部材2を接合するものである。鋼材どうしの接合構造100は、梁(第一鋼材)1と、T形部材(第二鋼材)2と、下部接着層(第一接着層)3と、スペーサー4と、上側鋼板(挟持部材)5と、高力ボルト(締結部材)6及びナット(締結部材)7と、を備えている。
なお、以下の説明において、フランジ11A,11Bの幅方向(図1に示す紙面左右方向)を幅方向Xと称することがある。
図4に示すように、スペーサー4は、T形部材2のTフランジ21のフランジ突出部24の上面に、梁1の延在方向Yに間隔を有して2箇所に設置されている。換言すると、スペーサー4は、梁1のフランジ11Bに幅方向Xの両側に、梁1の延在方向Yに間隔を有して2箇所ずつ合計4箇所に設置されている。
図5は、鋼材どうしの接合構造100において、鉛直方向の荷重の応力伝達機構を示す縦断面図である。
図5に示すように、T形部材2のガセットプレート22から入力された鉛直方向の荷重は、上側鋼板5及び梁1のフランジ11Bの支圧により梁1へ伝達される。
図6に示すように、梁材軸直交方向の荷重は、スペーサー4と梁1のフランジ11Bとの支圧により梁1へと伝達される。
図7に示すように、梁材軸方向の荷重Pに対しては、ガセットプレートと接着範囲との偏心距離寸法eにより、接合部分(Tフランジ21)の回転が発生する。Tフランジ21の回転に伴いスペーサー4が梁1のフランジ11Bに確実に接触し、その摩擦力μNによって応力伝達を行う。スペーサー4と梁1のフランジ11Bの接触荷重は、次式(1)により求められる。なお、各記号は、図7を参照。
まず、梁1のフランジ11Bの下面11d、T形部材2のTフランジ21の上面21uを清掃、プライマー塗布等の接着用下処理を行う。
次に、本発明の第二実施形態に係る鋼材どうしの接合構造について、主に図8から図11を用いて説明する。
以下の実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図8は、本発明の第二実施形態に係る鋼材どうしの接合構造を示す縦断面図である。図9は、図8のC方向矢視図である。図10は、図8のD−D線断面図である。図11は、本発明の第二実施形態に係る鋼材どうしの接合構造を示す平面図である。図11では、上側鋼板5、高力ボルト6及びナット7の図示を省略し、梁1を二点鎖線で示している。
次に、本発明の第三実施形態に係る鋼材どうしの接合構造について、主に図12から図15を用いて説明する。
図12は、本発明の第三実施形態に係る鋼材どうしの接合構造を示す縦断面図である。図13は、図12のE方向矢視図である。図14は、図12のF−F線断面図である。図15は、本発明の第三実施形態に係る鋼材どうしの接合構造を示す平面図である。図15では、上側鋼板5、高力ボルト6及びナット7の図示を省略し、梁1を二点鎖線で示している。
次に、本発明の第四実施形態に係る鋼材どうしの接合構造について、主に図16から図18を用いて説明する。
図16は、本発明の第四実施形態に係る鋼材どうしの接合構造を示す平断面図である。図17は、図16のG方向矢視図である。図18は、図16のH−H線断面図である。図17では、後述するカバープレート5X、高力ボルト6及びナット7の図示を省略し、梁を二点鎖線で示している。
図16から図18に示すように、本実施形態では、柱1Xに固定されたガセットプレート2Xに、引張アングルブレース25が固定されている。
なお、以下の説明において、フランジ11A,11Bの幅方向(図16に示す紙面左右方向)を幅方向Xと称し、幅方向Xと直交する方向を奥行方向Yと称することがある。
次に、上記の第一実施形態の鋼材どうしの接合構造100の実施例、及び従来工法の比較例を示す。
図19は、本発明の第一実施形態の実施例に係る鋼材どうしの接合構造を示す縦断面図である。図20は、図19のI方向矢視図である。図21は、図19のJ−J線断面図である。図22は、本発明の第一実施形態の実施例に係る鋼材どうしの接合構造を示す平面図である。図23は、本発明の第一実施形態の比較例に係る鋼材どうしの接合構造を示す縦断面図である。図24は、図23のK方向矢視図である。図25は、図23のL方向矢視図である。
実施例は、図19から図22に示すように、上記の第一実施形態の構成である。比較例は、従来工法であり、図23から図25に示すように、鉄骨梁に孔開け作業を行い、高力ボルトでT形部材を接合している。
1…柱(第一鋼材)
2…T形部材(第二鋼材)
2V…T形部材(第二鋼材、接合鋼材)
2X…ガセットプレート(第二鋼材)
3…下部接着層(第一接着層)
3X…小口接着層(第三接着層)
3Y…上部接着層(第二接着層)
3Z…接着層(第一接着層)
4…スペーサー
4X…、支圧プレート(スペーサー)
5…上側鋼板(挟持部材)
5X…カバープレート(挟持部材)
6…高力ボルト(締結部材)
7…ナット(締結部材)
11B…フランジ(平板部)
12…ウェブ
21…Tフランジ(挟持プレート)
22…ガセットプレート
24…フランジ突出部
41…基部
42…凸部
42a…先端部
100,100V,100W,100X…鋼材どうしの接合構造
Claims (5)
- 平板状をなし所定の厚さで形成された平板部を有する第一鋼材と、
平板状をなし所定の厚さで形成され、厚さ方向が前記平板部の厚さ方向と同じ方向を向くように、前記平板部と隣接配置されたスペーサーと、
前記平板部及び前記スペーサーの厚さ方向の一方側に配置された挟持部材と、
前記平板部及び前記スペーサーの厚さ方向の他方側に配置された第二鋼材と、
前記挟持部材と前記第二鋼材とが前記平板部及び前記スペーサーを挟み込んだ状態で、前記挟持部材、前記第二鋼材及び前記スペーサーを締結する締結部材と、
前記平板部と前記第二鋼材との間に接着剤が充填された第一接着層と、を備え、
前記スペーサーの厚さは、前記平板部の厚さよりも前記第一接着層の厚さ分厚いことを特徴とする鋼材どうしの接合構造。 - 前記第一鋼材は、フランジが前記平板部とされたH形鋼材で構成された梁であり、
前記第二鋼材は、
前記挟持部材との間で、前記平板部及び前記スペーサーを挟み込む挟持プレートと、
前記挟持プレートと直交して設けられたガセットプレートと、を有し、
前記ガセットプレートは、前記第一鋼材のウェブと幅方向の位置がずれて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼材どうしの接合構造。 - 前記第一鋼材は、フランジが前記平板部とされたH形鋼材で構成された梁であり、
前記第一接着層は、前記フランジの幅方向の一方側に偏って配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼材どうしの接合構造。 - 前記第一鋼材は、フランジが前記平板部とされたH形鋼材で構成された柱であり、
前記第二鋼材は、
前記挟持部材との間で、前記平板部及び前記スペーサーを挟み込む挟持部と、
ブレースが連結された連結部と、を有し、
前記ブレースと前記連結部との連結位置は、前記柱の幅方向の中心から幅方向に位置がずれて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼材どうしの接合構造。 - H形鋼材で構成された梁と、
平板状をなし所定の厚さで形成され、厚さ方向が前記梁のフランジの厚さ方向と同じ方向を向くように、前記フランジと隣接配置されたスペーサーと、
前記フランジ及び前記スペーサーの厚さ方向の一方側に配置された挟持部材と、
前記フランジ及び前記スペーサーの厚さ方向の他方側に配置された接合鋼材と、
前記挟持部材と前記接合鋼材とが前記フランジ及び前記スペーサーを挟み込んだ状態で、前記挟持部材、前記接合鋼材及び前記スペーサーを締結する締結部材と、
前記フランジと前記接合鋼材との間で、接着剤が全領域にわたって充填された第一接着層と、
前記フランジと前記挟持部材との間に接着剤が充填された第二接着層と、
前記フランジの小口と前記スペーサーの小口との間に接着剤が充填された第三接着層と、を備え、
前記接合鋼材は、
前記挟持部材との間で、前記フランジ及び前記スペーサーを挟み込む挟持プレートと、
前記挟持プレートと直交して設けられたガセットプレートと、を有し、
前記ガセットプレートは、前記梁のウェブと幅方向の位置を揃えて配置され、
前記スペーサーの厚さは、前記フランジの厚さよりも前記第一接着層の厚さ及び前記第二接着層の厚さの合計分厚いことを特徴とする鋼材どうしの接合構造。
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JP7379780B1 (ja) | 2023-01-11 | 2023-11-15 | 有限会社イービー | 追加部材接合用部材 |
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---|---|---|---|---|
JP2010043435A (ja) * | 2008-08-11 | 2010-02-25 | Hazama Corp | 構造物における補強部材の取付構造 |
JP2013177797A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-09-09 | Hazama Ando Corp | 骨組構造、及び骨組構造の補強方法 |
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