JP2023089877A - 保温容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の保温容器と比較し、高い断熱性を有する保温容器を提供すること。【解決手段】 屈曲部又は湾曲部を有する筐体と、前記屈曲部又は前記湾曲部に沿って配置された断熱シートと、を備え、前記断熱シートが、連続気泡樹脂発泡体の内部にエアロゲルが充填されたエアロゲル複合材を含むことを特徴とする、保温容器。【選択図】 図1

Description

本発明は、保温容器に関する。
食品や医療・医薬品等の温度維持や品質劣化を抑える等の目的で、これまで各種タイプの保冷温容器が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2001-278364号公報
ここで、保冷温容器の一タイプとして、筐体と、該筐体内・外・内外に配置された断熱材と、を有する保温容器がある。本発明は、従来の、該タイプに係る保温容器(例えば、断熱材として、硬質ウレタン等のボードを使用したもの)と比較し、高い断熱性を有する保温容器を提供することを課題とする。
本発明者らは、従来の保温容器における、筐体と断熱材との隙間(特に、筐体の屈曲部や湾曲部、例えば、コーナー部)に着目した。そして、本発明者らは、この隙間を無くす又は低減させることで、従来よりも高い断熱性を保温容器に提供できると考え、断熱性を担保しつつ該隙間を無くす又は低減させるべく、様々な条件(素材、構造等)を検証したところ、特定のエアロゲル複合材を断熱材として使用すると前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させたものである。即ち、本発明は、屈曲部又は湾曲部を有する筐体と、前記屈曲部又は前記湾曲部に沿って配置された断熱シートと、を備え、前記断熱シートが、連続気泡樹脂発泡体の内部にエアロゲルが充填されたエアロゲル複合材を含むことを特徴とする、保温容器である。
本発明によれば、従来の保温容器と比較し、高い断熱性を有する保温容器を提供することが可能となる。更に、本発明によれば、断熱シートがエアロゲル複合体であるため、長期に亘り高い断熱性を維持することが可能となる(経時での断熱性能劣化の抑制)。
図1は、実施例に係る保温容器(保冷温容器)の概略図である。 図2は、実施例に係る保温容器(保冷温容器)の概略図である。
本発明は、屈曲部又は湾曲部を有する筐体と、前記屈曲部又は前記湾曲部に沿って配置された断熱シートと、を備え、前記断熱シートが、連続気泡樹脂発泡体の内部にエアロゲルが充填されたエアロゲル複合材を含むことを特徴とする、保温容器である。ここで、本明細書及び本特許請求の範囲にいう「シート」は、「フィルム」や「テープ」をも含む概念である。以下、保温容器全体及び各要素(筐体、断熱シート)等を順に説明する。
≪≪保温容器全体≫≫
本発明に係る保温容器は、筐体と断熱シートとを有する。ここで、断熱シートは、筐体の内部に存在していても、筐体の外部に存在していても、内部及び外部の両方に存在していてもよい。尚、保温容器が筐体と断熱シートとを有する限り、どの箇所にどのような他の要素が存在していても本発明の範囲内である(例えば、筐体と断熱シートの他、内箱が存在している保温容器)。以下、代表例として、断熱シートが筐体の内部に存在している場合と筐体の外部に存在している場合とに分けて説明する。
まず、断熱シートが筐体の内部に存在している場合、被断熱体(例えば、薬品)と断熱シートとが直接接触するように構成しても、被断熱体と断熱シートとが直接接触しないように構成してもよい。後者の場合、例えば、断熱シートで形成されるスペース内に別の部材を配する態様(例えば、硬質ウレタンやポリスチレン等の断熱材を内箱として保温容器内に配する態様)、該断熱シートに対して表面処理を施す態様(例えば、ハードコート層を設ける態様)、を挙げることができる。
次に、断熱シートが筐体の外部に存在している場合、外部衝撃等による断熱シートの破損を防止すべく、断熱シートを保護するための部材(例えば、プラスチック・発泡スチロール・金属・ガラス等の容器)を断熱シートの外側に備えるか又は該断熱シートを保護するための処理(例えばハードコート処理)を該断熱シート上に施すことが好適である。但し、断熱シートを保護する手段が講じられていなくてもよい。
次に、筐体への断熱シートの適用形態を説明する。前述のように、断熱シートは、筐体の屈曲部及び/又は湾曲部に沿って該筐体に配置されている。具体的には、断熱シートは、筐体と直接当接していてもよく、また、断熱シートに粘着剤層が設けられている場合には粘着剤層を介して筐体と当接していてもよく、また、他の部材(例えば別のフィルムや層)を介して筐体に配置されていてもよく、更には、筐体とは当接していなくてもよい。
また、筐体が複数の屈曲部及び/又は湾曲部を有している場合、すべての屈曲部及び/又は湾曲部に断熱シートが適用されている必要はなく、例えば、より屈曲した部分にのみ該断熱シートを適用してもよい(例えば、断熱シートが適用されていない部分については、他の断熱シートを適用)。但し、より高い断熱性を担保する観点からは、筐体全体(内面全体、外面全体又は内面全体+外面全体)に断熱シートが適用されていることが好適である。
尚、断熱シート(エアロゲル複合材)の好適な適用態様は、(1)筐体の屈曲部及び/又は湾曲部(例えば、筐体のコーナー部)に対して隙間なく貼り合わせる態様、(2)筐体の屈曲部及び/又は湾曲部と断熱シート(主体となる断熱シートを意味し、エアロゲル複合材であってもよいし、従来の断熱シートであってもよく、特に限定されない)との間に生じた隙間を埋める態様、である。
≪≪筐体≫≫
本発明の保温容器における筐体は、屈曲部及び/又は湾曲部を有する限り特に限定されない。また、本発明に係る筐体は、保温容器の主体となる筐体であっても、保温容器の主体となる筐体とは別の筐体であってもよい。例えば、外郭体としての第一の筐体、該第一の筐体の内部に配置された第二の筐体、該第二の筐体の内部に(該内部に沿って)配置された断熱シート、からなる保温容器の場合、本発明にいう「筐体」は「第二の筐体」を指す。
≪≪断熱シート≫≫
本発明に係る保温容器における断熱シートは、連続気泡樹脂発泡体と、連続気泡樹脂発泡体の内部に充填されたエアロゲルと、を含む。以下、各要素を詳述する。尚、以下の説明において、発泡体、樹脂発泡体等を区別なく使用する場合がある。
エアロゲルの、発泡体に含まれる個々の気泡(セル)を占める平均充填率(充填されたエアロゲルが気泡内に占める体積の割合)は、特に限定されないが、50%~100%とすることができ、70%~100%がより好ましく、90%~100%がより好ましい。エアロゲルの平均充填率が、かかる範囲にある場合には、断熱性能に優れ且つ形状追従性により優れた断熱シートを提供することが可能となる。
断熱シートの厚みは、0.05mm以上、0.10mm以上、0.20mm以上、0.50mm以上、0.75mm以上、1.00mm以上としてもよく、また、40.0mm以下、30.0mm以下、20.0mm以下、10.0mm以下、5.00mm以下、4.00mm以下、3.00mm以下、2.00mm以下としてもよい。尚、上記は、断熱シート(エアロゲル複合材)の厚みの例示を説明したものである。他方、該断熱シートの原料である発泡体の厚みが、上記厚みであってもよい。
<<<エアロゲル>>>
エアロゲルは、特に限定されず、例えば、低密度の乾燥ゲル、具体例としては、超臨界流体乾燥法を用いて得られたエアロゲルだけでなく、通常の乾燥過程によるキセロゲル、凍結乾燥によるクライオゲル等も含む。
<<エアロゲルの成分>>
エアロゲルとしては、任意の好適なエアロゲル成分を使用することができる。例えば、シリカエアロゲルやアルミナエアロゲルのような無機エアロゲル、レゾルシノール・ホルムアルデヒド・エアロゲル(RFエアロゲル)、セルロースナノファイバー・エアロゲル(CNFエアロゲル)のような有機エアロゲル、炭素エアロゲル及びそれらの混合物から選択することができる。エアロゲルは、シリカ(SiO)を含有するシリカエアロゲルを好適に用いることができる。
エアロゲルは、通常、エアロゲルの前駆体であるゾル溶液を、連続気泡樹脂発泡体に充填し、前記発泡体内でゲル化、乾燥してエアロゲルを形成する。尚、乾燥前の湿潤ゲルのゲル破壊強度は、好適には10~100kPaであり、より好適には20~60kPaであり、更に好適には30~50kPaである。ここで、「ゲル破壊強度」は、直径50mm、厚み10mmの試験片を1mm/分の速度で圧縮し、崩壊時の強度を測定した値である。
<<エアロゲルの構造/物性/性質>>
<エアロゲルの細孔径>
エアロゲルの細孔径は、好適には70nm以下であり、より好適には60nm以下であり、更に好適には50nm以下である。ここで、「細孔径」は、JIS Z8831-2「粉体(固体)の細孔径分布及び細孔特性-第2部:ガス吸着によるメソ細孔及びマクロ細孔の測定方法」に準拠して、細孔分布測定装置(例えば、マイクロトラック・ベル社製:BELSORP MINI)を用いて測定した値である。かかる範囲にある場合には、断熱性能に優れ且つ形状追従性により優れた断熱シートを提供することが可能となる。
<疎水性比表面積比>
断熱シート(エアロゲル複合材)の疎水性比表面積比は、好適には1.0以下であり、より好適には0.5以下であり、更に好適には0.1以下である。下限値は、特に限定されず、0超(例えば、0.01、0.001)である。かかる範囲にある場合には、断熱性能に優れ且つ形状追従性に関し、特に優れた断熱シートを提供することが可能となる。ここで、「疎水性比表面積比」は、JIS Z8831-2「粉体(固体)の細孔径分布及び細孔特性-第2部:ガス吸着によるメソ細孔及びマクロ細孔の測定方法」に準拠して、細孔分布測定装置(例えば、マイクロトラック・ベル社製:BELSORP MINI II)を用いて測定した、水蒸気及び窒素ガスの吸着法によるBET比表面積の値から算出したものである(疎水性比表面積比=水蒸気のBET比表面積/窒素のBET比表面積)。
前記疎水性比表面積比は疎水性の指標であり、値が小さいほど疎水性が高いことを示す。前記疎水性比表面積比は、疎水化剤や触媒の種類、配合量、処理温度、処理時間等の疎水化処理条件を変更することで、調整することができる。例えば、疎水化処理溶液に酸触媒を添加することで、エアロゲル表面の疎水性を高めることができ、エアロゲルの収縮による断熱性能の低下を抑制することが可能である。また、エアロゲルを構成する素原料の種類、基材の種類等を変更することでも、調整することができる。
<エアロゲルの重量減少率>
エアロゲルは、JIS K-7120に準拠して示差熱熱重量同時測定装置(例えば、日立ハイテクサイエンス社製:STA7200)を用いて測定した300℃での重量減少率(加熱速度毎分10℃にて、20℃から300℃まで温度を上昇)が15%未満であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。このようなエアロゲルを使用することにより、断熱性能に優れ且つ形状追従性により優れた断熱シートを提供することが可能となる。
尚、エアロゲルの重量減少率は、素原料の種類や配合量、ポリマーの重合度等によって調整することができる。例えば、シリカエアロゲルの場合、シリカ成分(モノマーやオリゴマー)を選択することによって調整することができ、より具体的には、4量体以上のオリゴマーを素原料とし、ポリマー成分の重合度を上げることで、エアロゲルの重量減少率を抑制することが可能である。また、溶媒の種類や配合比率、触媒の種類や配合量の調整により、ポリマー成分の重合度を上げることでも、エアロゲルの重量減少率を抑制することが可能である。
<<<発泡体>>>
発泡体は、連続気泡構造を有する、連続気泡樹脂発泡体である。発泡体を連続気泡樹脂発泡体とすることで、断熱性能に優れ且つ形状追従性により優れた断熱シートを提供することが可能となる。
<<発泡体の成分>>
発泡体を構成する樹脂成分は、特に限定されず、公知の樹脂成分とすることができるが、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂及びゴムからなる群より選択される1種以上の樹脂成分を含むことが好ましい。また、これらの樹脂は、軟化温度が200℃以下である樹脂であることがより好ましい。つまり、発泡体は、軟化温度が200℃以下である、ポリオレフィン系樹脂発泡体、ポリスチレン樹脂発泡体、ポリエステル系樹脂発泡体、ポリエーテル系樹脂発泡体、アクリル系樹脂発泡体、ポリアミド系樹脂発泡体、塩化ビニル系樹脂発泡体、ポリカーボネート系樹脂発泡体又はフッ素系樹脂発泡体であることが特に好ましい。
<<発泡体の物性/性質>>
<発泡体の通気度量>
発泡体の通気度量は、0.01cm/cm/sec以上、0.5cm/cm/sec以上、10cm/cm/sec以上又は25cm/cm/sec以上であることが好ましい。また、通気度量の上限は、高ければ高いほど良いため、特に限定されないが、発泡体の通気度量の上限は、例えば300cm/cm/secである。
このような通気度量は、公知の方法で測定することができ、特に限定されない。例えば、JIS L1096-7:2010「織物及び編物の生地試験方法:A法(フラジール形法)」に記載の方法を用いて測定することができる。測定された樹脂発泡体の通気度量(又は通気度)が0.01cm/cm/sec以上である場合には、樹脂発泡体がある程度の通気性を有すると判断される。
特に10cm/cm/sec以上の場合、基材(エアロゲル複合材)は、後述するゾル溶液充填工程において、時間のかかる真空引きを行う必要がなく、効率的な製造方法とすることが可能である。
<発泡体の密度>
発泡体の密度は、0.020g/cm以上、0.030g/cm以上、0.040g/cm以上、0.050g/cm以上、0.075g/cm以上、0.100g/cm以上、0.120g/cm以上としてもよく、また、0.50g/cm以下、0.40g/cm以下、0.275g/cm以下、0.250g/cm以下、0.240g/cm以下、0.230g/cm以下、0.220g/cm以下、0.210g/cm以下、0.200g/cm以下としてもよい。発泡体の密度をこの範囲とすることで、優れた断熱性能を有するようにエアロゲルの充填量を制御しつつも、柔軟性に優れたエアロゲル複合材とすることができる。ここで、本明細書における「密度」は、JIS K 7222:2005「発泡プラスチック及びゴム-見掛け密度の求め方」に準拠して、測定した値である。
<<発泡体の好ましい構造(表皮付き連続気泡樹脂発泡体)>>
発泡体は、連続気泡を有する発泡体層と、表皮層と、を有する、表皮付き連続気泡樹脂発泡体(以降、単に『樹脂発泡体』と略す場合がある)であることが好ましい。ここで、表皮層は一方面に設けられていても両面に設けられていてもよい。尚、断熱シートが粘着層を有する場合には、粘着剤層側の面に表皮層が設けられていることが好適である。表皮層の存在により、エアロゲル粒子による粘着阻害を抑制し、被粘着体へ隙間なく貼り付けることができるため、断熱性能に優れ且つ形状追従性により優れた断熱シートを提供することが可能となる。
前記連続気泡の、表皮層表面と垂直な断面における平均セル径(RB)は、特に限定されないが、例えば、5μm~300μmとすることができ、5μm~200μmであることが好ましく、5μm~100μmであることがより特に好ましい。
更に、連続気泡内に内包されるエアロゲルの大きさがこの連続気泡の平均セル径に制約され、エアロゲルの大きさも同等の大きさとなる。平均セル径がかかる範囲にある場合には、断熱性能に優れ且つ形状追従性により優れた断熱シートを提供することが可能となる。
表皮付き連続気泡樹脂発泡体は、上述したように連続気泡を有する発泡体層と、粘着層側の面に形成された、通気性を有する表皮層と、を含む。また、表皮付き連続気泡樹脂発泡体は、市販のものを用いることができる。
表皮層は、例えば、発泡した組成物をPET製シート上等に供給し、例えば、ドクターナイフ、ドクターロール等の公知の手段により、所望の樹脂発泡体の厚みに合わせたシート状等に成形されるとき、PET製シート及びドクターナイフ等の塗工器具に接触する発泡体層の表面が変質して、表皮層が形成される。
また、表皮層は、連続気泡を有する発泡体層を作製したのち、連続気泡を有する発泡体層に、熱プレス機や熱ロール機による加熱処理を施すことによっても形成することができる。
発泡体層と表皮層は一体のものであるため、発泡体層に含まれる連続気泡と、表皮層に含まれる連続気泡とは、連通しており、発泡体層も通気性を有する。即ち、表皮付き連続気泡樹脂発泡体としても、通気性を有する。
発泡体が表皮層を含む場合には、エアロゲル複合材(断熱シート)の厚みは、表皮層の厚みと発泡体層の厚みとの和を示す。
表皮層の厚みは、特に限定されず、例えば、0.01~30μmとすることができ、0.01~15μmが好ましく、0.01~10μmがより好ましい。表皮層の厚みがかかる範囲にある場合には、粉落ち防止性が高まる。
また、表皮層は、連続気泡を含み、前記連続気泡は、表皮層の表面に到達しているものを含む。従って、表皮層は外気を透過することができる。即ち、通気性を有する。
また、表皮層に含まれる連続気泡と、発泡体層に含まれる連続気泡とは、連通貫通孔によって接続されており、外気等の流体は、表皮層に含まれる連続気泡と、発泡体層に含まれる連続気泡とを、行き来することができる。
ここで、表皮層単独の通気性は測定できないが、表皮層表面を介して、表皮付き連続気泡樹脂発泡体の通気度量を測定することで、表皮層が通気性を有するか判定できる。
表皮付き連続気泡樹脂発泡体の空隙率は、発泡後の表皮付き連続気泡樹脂発泡体の見掛けの密度を未発泡の原料樹脂の密度で割り、1からこの除数を引き、百分率とすることによって算出する。見掛けの密度の測定は、JIS K7222:2005「発泡プラスチック及びゴム-見掛け密度の求め方」に準拠する。
前記空隙率は、特に限定されず、例えば、前記空隙率は50~99%とすることができ、65~99%であることが好ましく、85~99%であることがより好ましい。前記空隙率がかかる範囲にある場合には、断熱性能に優れ且つ形状追従性により優れた断熱シートを提供することが可能となる。尚、ここでの好適な空隙率は、連続気泡樹脂発泡体での好適値である(表皮付きか表皮無しかに拘わらない)。
<<<<<断熱シートの物性/性質>>>>>
<25%圧縮荷重>
断熱シート(エアロゲル複合材)の25%圧縮荷重は、10~1000kPaであることが好ましく、100~500kPaであることがより好ましく、200~400kPaであることが更に好ましい。このようなエアロゲル複合材を使用することにより、粉落ちが少なく、断熱性能に優れ且つ形状追従性により優れた断熱シートを提供することが可能となる。ここで、エアロゲル複合材の「25%圧縮荷重」は、JIS K6254:2016「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-応力-ひずみ特性の求め方」に準拠して測定することができる。
断熱シートの25%圧縮荷重は、素原料の種類や重合度、湿潤ゲルの固形分比率等によって調整することができる。また、連続気泡樹脂発泡体を構成する樹脂成分や添加剤の種類と配合量、発泡体の密度、エアロゲルの平均充填率等によっても調整することができる。例えば、シリカエアロゲルの場合、シリカ成分(モノマーやオリゴマー)の選択や湿潤ゲルの固形分比率により調整することができ、より具体的には、4量体以上のオリゴマーや2官能のシリコーン化合物を素原料としたり、固形分比率を10%以上50%以下とすることで、25%圧縮荷重を10~1000kPaとし易くなる。
断熱シートの密度は、好適には0.05~0.60g/cmであり、より好適には0.10~0.45g/cmであり、更に好適には0.15~0.35g/cmである。該範囲にある場合には、断熱性能に優れ且つ形状追従性により優れた断熱シートを提供することが可能となる。
<熱伝導率>
断熱シートの熱伝導率は、好適には0.026W/m・K以下であり、より好適には0.022W/m・K以下であり、更に好適には0.018W/m・K以下である。ここで、「熱伝導率」は、JIS A 1412-2:1999「熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法-第2部: 熱流計法(HFM法) 」に準拠して、熱伝導率測定装置(例えば、英弘精機社製:HC-72)を用いて測定した値である。
<粉落ち率>
断熱シートの粉落ち率は、好適には15%以下であり、より好適には10%以下であり、更に好適には5%以下である。ここで、「粉落ち率」は、JIS K6254:2016「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム- 応力-ひずみ特性の求め方」に準拠して、試験片が25%のひずみに達するまで10mm/分の速度で圧縮し、これを2000回繰り返し、試験前後の試験片重量から算出された値である{粉落ち率(%)=(試験前重量(g)-試験後重量(g))/試験前重量(g)×100}。
<<<<断熱シートの製造方法>>>>
断熱シート(エアロゲル複合材)は、以下のように製造することができる。ここでは、発泡体を前述した表皮付き連続気泡樹脂発泡体とした場合について説明する。
断熱シートの製造方法は、表皮付き連続気泡樹脂発泡体に、常圧下、又は減圧下において、エアロゲルの原料であるゾル溶液を充填するゾル溶液充填工程と、前記充填されたゾル溶液をゲル化するゲル化工程と、前記湿潤ゲルを乾燥する乾燥工程とを、含む。以下に各工程について詳述する。尚、エアロゲルの説明に関しては、好適例であるシリカエアロゲルを例として詳述する。また、エアロゲル複合材の製造方法として、下記に説明した工程以外の工程を、更に含むことができる。
<<<発泡体形成工程>>>
下記には、発泡体形成工程について詳述するが、表皮付き連続気泡樹脂発泡体は、本発明の効果を奏する場合には、市販の表皮付き連続気泡樹脂発泡体を用いてもよい。以下では、ポリオレフィン樹脂、メラミン樹脂を原料とする場合の発泡体形成工程について例示的に説明する。尚、表皮付きウレタン発泡体及び表皮付きシリコーン発泡体は、例えば、それぞれ特許第5933114号及び特許第3407267号記載の方法にて製造可能である。
<<ポリオレフィン樹脂を原料とする場合の発泡体形成工程>>
<原料>
表皮付き連続気泡樹脂発泡体の原料であるポリオレフィン樹脂は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。更に、その他添加物を添加することができる。以下、ポリオレフィン発泡体の製造方法の一例について説明する。
ポリオレフィン発泡体は、(A)(A1)ポリオレフィン(但し、エチレン-プロピレンゴムを除く)と(A2)エチレン-プロピレンゴム及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマー、(B)ノニオン系界面活性剤とを含有する組成物に、常温常圧で気体である物質を、高温、高圧下における超臨界状態で含浸した後に、圧力を解放して発泡することで得られる。
(A1)ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン-1、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体及びこれら相互のポリマーブレンドが例示される。ポリエチレンは、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のいずれでもよく、ポリプロピレンは、アタクチック、イソタクチック、シンジオタクチック、ランダム等のいずれでもよい。また、発泡に適するとされる主鎖骨格中に長鎖分岐を有するポリプロピレン(HMS-PP)や高分子量成分を含んで分子量分布の広いポリプロピレン等の伸張粘度が高いポリプロピレンを使用してもよい。共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよく、熱可塑性樹脂でも熱可塑性エラストマーでもよい。これらのうち、得られる発泡体に耐熱性を付与でき、また得られる発泡体の柔軟性を維持できることから、ランダム系ポリプロピレンが好ましい。ガス抜けがなく、発泡が容易なことから、(A1)成分のメルトフローレートは、230℃、2.16kgfにおいて0.1~5g/10minが好ましく、0.3~2g/10minが更に好ましい(JISK7210:1999準拠)。尚、エチレン-プロピレン共重合体には、硬化してゴム状弾性体となるエチレン-プロピレン共重合体(EPR)があるが、これは(A2)成分に包含されるので(A1)からは除外され、(A1)としては、樹脂状のエチレン-プロピレン共重合体が包含される。また、本形態の連続気泡樹脂発泡体の性質を損ねない範囲で、他の熱可塑性ポリマーが存在してもよい。
(A2)のエチレン-プロピレンゴムとしては、硬化してゴム状弾性体となる、エチレンとプロピレンの共重合体であるEPR(EPM)と;エチレン、プロピレン及び少量の非共役ジエンの共重合体であるEPDMが包含される。非共役ジエンとしては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン及び1,4-ヘキサジエンが例示される。
また、(A2)のスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、炭化水素鎖からなるポリマーの一端又は両端にスチレンが結合したブロックコポリマーであればよく、例えば、スチレンとブタジエン、イソプレン、イソブチレン等とのブロックコポリマー又はそれらのブロックコポリマーを更に水素添加したものが挙げられ、例えば、スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー(SBS)、及びSBSを水素添加したスチレンエチレンブチレンスチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレンイソプレンスチレンブロックコポリマー(SIS)、及びSISを水素添加したスチレンエチレンプロピレンスチレンブロックコポリマー(SEPS)、スチレンイソプレンブタジエンイソプレンスチレンブロックコポリマー、及びそれを水素添加したスチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロックコポリマー(SEEPS)、スチレンビニルイソプレンスチレンブロックコポリマー、及びその水素添加物、スチレンイソブチレンスチレンブロックコポリマー、スチレンブタジエンブロックコポリマー、及びその水素添加物、スチレンイソブチレンブロックコポリマー、及びその水素添加物等が挙げられ、単独で用いてもよいが、混合して用いることもできる。
上記(A2)成分については、その平均分子量は、高い方が好ましい。また、プロセスオイル等で油展して用いてもよい。(A2)成分は、架橋反応を行わずにそのまま用いられる。
(B)ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)アルキルエーテル等のアルキルポリエーテル類、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)脂肪酸エステル等の脂肪酸ポリエーテルエステル類、ジポリオキシエチレン(ジポリオキシプロピレン)アルキルアミン、例えばジ(ジオキシエチレン)ステアリルアミン等、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)ジアルキルアミン、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)アルキルアルキレンジアミン等のアルキルポリエーテルアミン類、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)ソルビタンエステル、ソルビタンアルキルエステル等のソルビタンエステル類、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)アルキルグリセリルエーテル、脂肪酸(ポリ)グリセリル、例えばステアリン酸モノグリセリル、ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)脂肪酸グリセリル等のアルキルグリセリルポリエーテル又はエステル類、脂肪酸(ジ)エタノールアミド等のアルカノールアミド類や、それら複数の混合物等が挙げられる。上記アルキル、脂肪酸及びアルキレンの炭素数は、ポリオレフィン系ポリマー組成物との相溶性の点から、10以上の炭素数が好ましく、例えばC12(ラウリル又はラウリレート等)、C18(ステアリル又はステアレート等)、C22(ベヘニル又はベヘニレート等)等が挙げられる。また、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン等のオキシアルキルの繰返し単位数は、1~20が好ましく、更には10以下である。ポリグリセリルの繰り返し単位数も、1~20が好ましく、更には10以下である。更には、アルキルポリエーテルアミン、脂肪酸グリセリル、脂肪酸(ジ)エタノールアミドから選ばれた1種又は混合物が好ましく使用でき、またステアリルアルコール等の高級アルコール等を添加してもよい。
本形態で用いられる(A)成分は、(A1)ポリオレフィン(但し、エチレン-プロピレンゴムを除く)50~95重量%、好ましくは60~90重量%、更に好ましくは65~85重量%、及び(A2)エチレン-プロピレンゴム及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマー5~50重量%、好ましくは10~40重量%、更に好ましくは15~35重量%を含むポリマー組成物である。
(B)成分の配合量は、(A)ポリマー組成物100重量部当たり0.2~10重量部が必要であり、好ましくは0.3~5重量部、更に好ましくは0.5~3重量部である。
本発明においては、例えば、(A1)成分、(A2)成分、(B)成分及び場合によって任意に配合する成分を、高分子材料の混合に適した混合手段によって混合して、発泡性組成物を調製する。この際、任意に配合する成分として、得られる発泡体に適切な性質を与え、又は発泡体の作製や加工を容易にするために、この発泡性組成物に、使用目的に応じて、流動パラフィン、炭化水素系プロセスオイル、高級脂肪酸グリセリンエステル、高級脂肪酸アミドのような滑剤;湿式シリカ、乾式シリカ、タルク、マイカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズ、ポリテトラフルオロエチレン、第3リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等のビスアミド化合物、ステアリン酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノグリセリドのような核剤;リン酸エステル、リン酸メラミン又はリン酸ピペラジン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アンチモン、炭酸亜鉛、塩素化パラフィン、ヘキサクロロシクロペンタジエンのような難燃剤;芳香族アミン類、ベンゾイミダゾール類、ジチオカルバミン酸塩類、フェノール化合物、亜リン酸エステル類のような老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、4,4′-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタンのような酸化防止剤;導電性カーボンブラック、銅粉、ニッケル粉、酸化スズのような導電材;カーボンブラック、有機顔料、染料、それらを含有するマスターバッチのような着色剤;並びに、シリカ、アルミナ、酸化チタン及び上記の各種添加剤のうち充填剤の機能を有するもののような充填剤等を配合することができる。
前記発泡性組成物に超臨界状態で含浸させる、常温・常圧で気体である物質としては、この超臨界状態で発泡性組成物中のポリマーに浸透するものであればよく、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、プロパン、ブタン等、及びそれらの混合ガスが例示され、取扱いが容易で、安全性が高く、作業環境が優れていることから、二酸化炭素及び窒素が好ましく、二酸化炭素が特に好ましい。
<発泡工程>
下記の条件で、常温・常圧で気体である物質を発泡性組成物中のポリマーに含浸させた後、圧力を解放することで連続気泡となるように発泡させる。圧力を、減少速度を通常10~30MPa/sで減少させることにより、連続気泡となるように発泡させることができる。発泡工程において連続気泡樹脂発泡体が直接に得られるので、後工程で機械的応力により独立気泡を破泡させて連続気泡化させる工程の必要はない。
常温・常圧で気体である物質を発泡性組成物に含浸させる温度は、効率的に機能性の発泡体が得られることから、該物質を超臨界状態にさせる温度であり、示差走査熱量計による測定によって得られた発泡性組成物中のポリマーの結晶化ピーク温度より20~40℃高い温度であることが、特に好ましい。ここで、超臨界状態とは、気体状態と液体状態との中間の性質を示す状態である。
また、含浸圧力は、含浸が完全に行われ、また微細なセルを得るために、含浸された常温・常圧で気体である物質を超臨界状態にするように、8~15MPaが好ましく、特にガス抜けしにくくするために、10~15MPaがより好ましい。
常温・常圧で気体である物質を発泡性組成物に含浸させる時間は、必要な含浸量及び含浸温度・圧力によって異なるが、通常3~30分、好ましくは5~20分である。
発泡性組成物を連続気泡となるように発泡させる際、発泡倍率を5倍以上とすることが好ましい。倍率の上限は特に制限されないが、機械強度の点から、100倍以下、好ましくは80倍以下、より好ましくは50倍以下である。
前記の5倍以上の発泡倍率となるような発泡とともに、押出成形で成形して、表皮付き連続気泡樹脂発泡体の成形体を得ることができる。押出機としては、単軸タンデム型押出機を用い、場合によっては二軸押出機と組み合わせて用いてもよい。押出成形よって、接着又は融着工程を経ずに、発泡体層と表皮層とが一体化している表皮付き連続気泡樹脂発泡体を得ることができる。接着又は融着工程を経ないことから、封止に用いる材料の熱伝導率が影響して、断熱性を低下する恐れがなく、また、工数を増やさないために作業効率が低下しない。
押出成形について述べる。本発明に係るシートを製造するために使用可能な一例の押出成形装置は、熱可塑性樹脂を含む成形材料を溶融する装置と、前記溶融時に、溶融する成形材料に常温常圧で気体の材料を超臨界状態で混入混合する装置と、常温常圧で気体の材料が混合された溶融状態の前記成形材料を加熱、圧縮しダイから押出す押出装置と、を備えている。上記混入混合する装置は、押出機の長手方向途中のバレルにもうけられた受け口に、超臨界状態の常温常圧で気体の材料が混入されるように設置される。
すなわち、スクリューにより溶融押出される高分子材料に、受口から超臨界二酸化炭素を供給し、混合することにより単一相溶液とし、次いで、この単一相溶液を均一に分散する高分子材料の流体流とし、次いで、気泡の成長を抑制しつつ、高分子材料と非常に小さい気泡との液体混合物の状態で、高い温度でダイに通過させることにより、押出発泡成形する。
<<メラミン樹脂を原料とする場合の発泡体形成工程>>
<発泡素材形成工程>
発泡素材形成工程としては、発泡素材であるメラミン発泡体を形成可能であれば特に限定されず、一般的なメラミン発泡体の製造方法に基づいて実施できる。
<メラミン発泡体>
メラミン発泡体は、主原料であるメラミンとホルムアルデヒド又はそれらの前縮合体に、発泡剤、触媒及び乳化剤等を配合し、混合した後、型に注入し、加熱、或いは電磁波の照射等、適宜の手段によって発泡原料を発熱させ、発泡、硬化させることにより調製することができる。
前縮合体を生成させるためのメラミンとホルムアルデヒドとのモル比は、メラミン:ホルムアルデヒド=1:1.5~4、特に1:2~3.5とすることが好ましい。また、数平均分子量が200~1000、特に200~400の前縮合体が好ましい。尚、ホルムアルデヒドとしては、通常、その水溶液であるホルマリンが使用される。
前縮合体を生成させるための単量体としては、メラミンとホルムアルデヒドの他に、これら単量体を100質量部(以下、部と略記する。)とした場合に、50部以下、特に、20部以下の各種の単量体を使用することができる。
メラミンに対応する他の単量体としては、アルキル置換メラミン、尿素、ウレタン、カルボン酸アミド、ジシアンジアミド、グアニジン、スルフリルアミド、スルホン酸アミド、脂肪族アミン、フェノール及びその誘導体等を使用することができる。更に、アルデヒド類としては、アセトアルデヒド、トリメチロールアセトアルデヒド、アクロレイン、ベンズアルデヒド、フルフロール、グリオキサール、フタルアルデヒド及びテレフタルアルデヒド等を用いることができる。
また、発泡剤としては、ペンタン、トリクロロフルオロメタン、トリクロロトリフルオロエタン等を使用することができる。
触媒としては、通常、ギ酸が用いられ、乳化剤としては、スルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤等を使用することができる。
発泡原料の硬化反応を促進するために照射される電磁波は、その電力消費量が発泡原料に対して500~1000kW、特に600~800kWとなるように調整することが好ましい。
発泡素材の厚み及び密度としては、熱圧縮工程の条件、並びに、所望の発泡基材の厚み及び密度にあわせて適宜設定すればよい。
ここで、メラミン発泡体については、発泡素材中に、未反応のメチロール基を残存させ、後述する熱圧縮工程において、当該メチロール基を反応させることも可能である。
得られた発泡体を所定のサイズに加工してもよい。
<<熱圧縮工程>>
発泡素材形成工程により得られた発泡素材を熱圧縮し、発泡素材を塑性変形させ、所定の密度及び通気度を有する発泡基材を得る。
熱圧縮工程は、例えば、圧縮成形機の熱板間で加熱圧縮する方法によって実施できる。この際、熱板の温度(プレス温度)は、好ましくは100~250℃、より好ましくは120~200℃、更に好ましくは150~180℃である。特に、後述する復元防止方法として、硬化剤を含浸させる場合、プレス温度は硬化剤の硬化温度付近であればよく、好ましくは硬化剤の硬化温度±10℃である。プレス温度をこのような範囲とすることにより、発泡体を十分に塑性変形させつつも、各気泡の形状を望ましいものとし、得られる発泡基材の通気度等を所望の範囲とし易い。尚、熱圧縮の時間及び荷重としては、所望の厚みの発泡基材となるように調整すればよい。
尚、熱圧縮工程は、発泡基材の厚み/発泡素材の厚みが、1/2~1/15、又は1/3~1/10となるように熱圧縮を実施することが好ましい。このような範囲とすることで、熱圧縮成形により発泡基材のセルが緻密となりエアロゲルの脱落を抑制でき、エアロゲル複合材へ柔軟性を付与することも可能となる。
ここで、熱圧縮により発泡体を塑性変形させた場合に、熱圧縮のみであると、圧縮の荷重を除去した際に、発泡体に復元力が働く場合がある。そこで、追加的に、発泡体が熱圧縮された状態を維持させる方法(復元防止方法)を採用することが好ましい。
復元防止方法としては、前述した、発泡素材に未反応のメチロール基を含むようにし、熱圧縮工程において当該メチロール基を反応させる方法が挙げられる。
発泡素材に含まれる未反応のメチロール基は、フーリエ変換赤外分光器(FT-IR)での吸収スペクトルの測定により確認することができ、1000~1100cm-1付近での吸収スペクトルのピーク強度からメチロール基の含有量を推定することができる。また、発泡素材を熱圧縮した発泡基材にも、未反応のメチロール基は残存しており、同様の手法により、メチロール基の含有量を推定することができる。
また、復元防止方法として、その他にも、熱圧縮工程前の発泡素材に、硬化剤を予め含浸させる硬化剤含浸工程を設け、熱圧縮工程によって当該硬化剤を熱硬化させる方法が挙げられる。複数種類及び/又は複数回の復元防止方法を実施してもよい。特に、発泡素材がメラミン発泡体である場合、硬化剤含浸工程を行うことが好ましい。
硬化剤含浸工程における硬化剤としては、加熱することで樹脂中の硬化剤が活性化され、硬化するものであれば特に限定されず、例えば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
硬化剤含浸工程において、前記発泡素材に含侵させる硬化剤の量としては、発泡素材を100質量部とした際に、硬化剤が0.5~10.0質量部であることが好ましく、1.0~5.0質量部であることがより好ましい。このような範囲とすることで、十分な柔軟性や断熱性と、熱圧縮工程後の形状維持性と、を両立させることが可能となる。
<裁断>
得られた表皮付き連続気泡樹脂発泡体を所定のサイズに加工することができる。裁断面には、連続気泡構造の気泡が露出する。この露出した気泡から、前記ゾル溶液が充填される。
以上の発泡体形成工程により、連続気泡を有する表皮層が形成された、表皮付き連続気泡樹脂発泡体が得られる。
<<ゾル溶液充填工程>>
以下には、好適例であるシリカエアロゲルの製造方法を一例として詳細を説明するが、本発明は、シリカエアロゲルにのみ限定されるものではない。
<ゾル溶液>
シリカエアロゲルのシリコーン原料として、シリコーンアルコキシド又はその誘導体やケイ酸アルカリ金属塩を用いることができ、水系溶媒に混合してゾル溶液とする。
シリコーン原料は、本発明の効果を奏する限り、特に限定されない。シリコーンアルコキシドやその誘導体としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシランオリゴマー、テトラエトキシシランオリゴマー、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、モノヘキシルトリエトキシシラン等を挙げることができる。ケイ酸アルカリ金属塩としては、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム等が挙げることができる。前記シリコーン原料は、複数を組み合せて用いることができる。複数を用いる場合には、その組み合わせ及び配合比率は、目的に応じて選択することができる。
シリコーン原料の加水分解には、水と、水に相溶性を有し、シリコーン原料を溶解する溶媒と、を用いることが好ましい。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコールや、エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA、シクロヘキサンジオール等の芳香族ジオール又は脂環式ジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノペンタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン等の多価アルコール、ヘキサン、トルエン、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリコーン原料を効率良く加水分解するためには、反応系に予め触媒を添加しておくことが好ましい。触媒としては、特に限定されず、例えば、酸性触媒としては、ギ酸、酢酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、塩酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、炭酸、リン酸等が、塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属酸化物及び/又は水酸化物、ジメチルアミン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、アニリン、1,5-ナフタレンジアミン等の脂肪族及び/又は芳香族アミン、アンモニア、2価金属のナフテン酸、2価金属の水酸化物等が挙げられる。これらの触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<充填方法>
ゾル溶液の充填方法は、常圧下、又は減圧下で行われる限りにおいて、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、上述した方法により得られた表皮付き連続気泡樹脂発泡体を、減圧下で、調製したゾル溶液に完全に含浸することで充填する方法等が挙げられる。特に、通気度量が10cm/cm/sec以上の場合、常圧下での充填が可能である。
具体的には、ゾル溶液を、テトラメトキシシラン(以下TMOSとする):メタノール:水:触媒(アンモニア)をモル比1:7.2:4:0.01で混合したゾル溶液を例にすると、セパラブルフラスコ内に発泡体を設置し、徐々に前記ゾル溶液を導入することで、発泡体を完全にゾル溶液内に浸漬し、ゾル溶液を発泡体に充填することができる。そのままゲル化まで2~3時間放置する。
連続気泡樹脂発泡体中に残存する、未反応の水酸基やカルボキシル基、アミノ基等の反応性官能基は、後述する疎水化処理剤と反応する場合がある。反応性官能基が多量に存在すると湿潤ゲルの疎水化反応を阻害する恐れがあるため、ゾル溶液充填工程の前工程にて、連続気泡樹脂発泡体中に残存する反応性官能基を不活性化してもよい。反応性官能基の不活性化方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
<ゲル化>
前記発泡体に充填されたゾル溶液は、ゾル-ゲル反応によって、TMOSが水、触媒により加水分解され、ゾル状態を経て、湿潤ゲルを形成する。ここで湿潤ゲルとは、ゲル化後のゾル溶液の残液等の液体を含んだまま固体状になったものを示す。
シリコーンアルコキシド又はその誘導体の加水分解によるゾル-ゲル反応により、前記発泡体内の連続気泡内部に湿潤ゲルが形成される。
湿潤ゲルを形成した後に、湿潤ゲル中の水や未反応物を除去する工程を有してもよい。この工程で用いられる溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコールやアセトン、アセトニトリル等が挙げられる。湿潤ゲルが充填された発泡体を、前記溶媒に浸漬し、数回溶媒を新しいものに入れ替えることで、工程が完了する。
親水性を持つシラノール基に対して反応する官能基と疎水基を有する疎水化処理剤によって、シリカエアロゲル表面のOH基を疎水化する工程を有してもよい。該疎水化処理剤は、シラノール基に対して反応する官能基と疎水基を有するものを用いる。シラノール基に対して反応する官能基としては、例えば、ハロゲン、アミノ基、イミノ基、カルボキシル基、アルコキシル基、及び水酸基が挙げられる。疎水基としては、例えばアルキル基、フェニル基、及びそれらのフッ化物等が挙げられる。疎水化処理剤は、上記官能基及び疎水基を、それぞれ1種のみを有してもよいし、2種以上を有してもよい。例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン等の有機シラン化合物が挙げられ、これ以外にも、酢酸、蟻酸、コハク酸等のカルボン酸や、メチルクロリド等のハロゲン化アルキル等の有機化合物が挙げられる。疎水化処理剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
エアロゲルと連続樹脂発泡体の密着性を上げて、エアロゲルの脱落を抑制するために、カップリング剤を添加してもよい。カップリング剤としては、エアロゲル表面のシラノール基と、連続樹脂発泡体に残存する水酸基やカルボキシル基、アミノ基等の反応性官能基と、の両方と反応できるものであれば特に制限されず、任意の好適なカップリング剤を使用することができる。カップリング剤としては、シランカップリング剤を用いることが好適で、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)―3―アミノプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
<乾燥工程>
本発明においては、湿潤ゲルを乾燥させる乾燥工程を含む。乾燥方法としては公知の方法を用いることができ、特に限定されない。湿潤ゲルを乾燥させる場合には、シリカエアロゲルが壊れ難いため、超臨界流体乾燥が好ましい。超臨界流体乾燥としては、例えば、80℃、20MPa程度の条件で溶媒の全部を、この溶媒より臨界点の低い二酸化炭素に置換しながら除去する方法が挙げられる。
<<<<粘着剤層>>>>
本発明の保温容器における断熱シートは、粘着剤層を有していてもよい。以下、本態様、即ち、粘着剤層を有する断熱シートに関し、詳述する。
<<<成分>>>
本態様に係る粘着剤層は、特に限定されず、公知の様々な粘着剤であってよい。例えば、熱硬化型や紫外線硬化型粘着剤が例示される。より具体的には、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ポリビニルエーテル等の粘着剤を挙げることができる。
<<<構造>>>
本態様に係る粘着剤層は、基材の少なくとも一方の面上に存在している。ここで、粘着剤層は、該面上のすべてに存在していても部分的に存在していてもよい(例えば、ドット状やストライプ状)。加えて、粘着剤層の厚さは、特に限定されず、例えば、1~200μm程度である。好ましくは、2~100μm、より好ましくは2~50μmであり、更に好ましくは、5~35μmである。該範囲にある場合、断熱性能に優れ且つ形状追従性により優れた断熱シートを提供することが可能となる。
<<粘着剤層を有する断熱シートの製造方法>>
本態様に係る粘着剤層を有する断熱シートは、例えば、基材に粘着成分を塗布・乾燥する手法、基材と粘着シートとを重ね合わせる手法、により製造可能である。塗布の方法は、特に限定されず、公知の方法で行うことができ、例えば、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーター等が挙げられる。塗工時の温度調整が可能であり、原料組成物の塗工粘度を調整できるダイコーターが好ましい。
<<<<<保温容器の用途>>>>>
本発明に係る保温容器は、被断熱体の保温用として有用である。低温に保温するものとしては、例えば、要冷凍・要冷蔵食品やワクチン等の薬品;高温に保温するものとしては、例えば、ピザやラーメン等のデリバリーされる飲食品;常温に保温するものとしては、例えば、夏野菜のキュウリ及びトマトや熱帯産のマンゴー等の青果物、を例示できる。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<<<<連続気泡樹脂発泡体の製造方法>>>>
<<<表皮付きポリオレフィン発泡体の製造方法>>>
(ポリマー樹脂)
・ランダム型ポリプロピレン
・EPDM(エチレン含量36%、ジエン含量15%)
(添加剤)
・ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンステアリルアミン)
・核剤(湿式シリカ)
・フェノール系酸化防止剤
<樹脂発泡体原料調製、発泡体形成工程>
ランダム型ポリプロピレン63重量部にEPDM(エチレン含量36%、ジエン含量15%)30重量部、ポリオキシエチレンステアリルアミン1.5重量部、湿式シリカ5重量部及びフェノール系酸化防止剤0.2重量部を、溶融混練させ、超臨界状態で二酸化炭素を含浸させた後、圧力を解放して発泡させて、押出し成形によって、表1及び表2に示す表皮付きポリオレフィン発泡体を得た。製造条件は、含浸温度が190℃であり、含浸圧力が15MPaであり、含浸時間が30分である。
<<<表皮付きウレタン発泡体の製造方法>>>
(水分散性樹脂分散体)
ポリエーテルカーボネート系ウレタンエマルジョン(安定分散型水分散性樹脂;析出率0.5%)、pH7.5、固形分60%
(アニオン性界面活性剤)
・アニオン性界面活性剤1(牛脂由来のアルキルスルホコハク酸ナトリウム)
分散媒;水、pH9.4、固形分30%
・アニオン性界面活性剤2(ステアリン酸アンモニウム)
分散媒;水、pH11、固形分30%
(硬化剤)
疎水系HDIイソシアヌレート(官能基数3.5、3量体)
<樹脂発泡体原料調製、発泡体形成工程>
水分散性樹脂分散体のウレタンエマルジョンを主剤として使用し、主剤100質量部に対し、5質量部のアニオン性界面活性剤1、2質量部のアニオン性界面活性剤2、8質量部の硬化剤を混合して樹脂発泡体原料とした。調製した樹脂発泡体原料に空気を加えて発泡させ、離型処理したPETフィルム(厚み38μm)上にキャスティングし、ドクターナイフを用いて成膜した。ドクターナイフは、後述する加熱後の発泡体の厚みが2mmとなるように設定した。得られた膜状の樹脂発泡体を、80℃のオーブンで、1時間加熱して、水分を完全に乾燥させ、表1に示す表皮付きウレタン発泡体を得た。
<<<表皮付きシリコーン発泡体の製造方法>>>
(シリコーン樹脂発泡体原料)
シリコーン樹脂1:ビニル基を有するポリオルガノシロキサン 白金触媒含有
シリコーン樹脂2:ポリオルガノハイドロジェンシロキサン
発泡助剤:フルオロ変性シリコーンオイル
<樹脂発泡体原料調製、発泡体形成工程>
シリコーン樹脂1とシリコーン樹脂2とを、質量比を100:9で混合し、シリコーン樹脂発泡体原料とした。調製した樹脂発泡体原料に空気を加えて発泡させ、離型処理したPETフィルム(厚み38μm)上にキャスティングし、ドクターナイフを用いて成膜した。ドクターナイフは、後述する加熱後の発泡体の厚みが2mmとなるように設定した。得られた状の原材料を170℃で、1時間加熱して硬化反応を完了させ、表1に示す表皮付きシリコーン発泡体を得た。
<<<熱成形したメラミン発泡体の製造方法>>>
(発泡素材)
未反応のメチロール基を有するメラミン発泡体、密度0.014g/cm
<樹脂発泡体原料調製、発泡体形成工程>
厚み10.0mmの未反応のメチロール基を有するメラミン発泡体を発泡素材とし、プレス温度160℃にて、厚み2.0mmとなるよう、発泡素材を圧縮成形機の熱板間で熱圧縮し、表1に示す熱成形したメラミン発泡体を得た。
<<<<エアロゲル複合材の製造方法>>>>
(シリカエアロゲルの素原料)
・シリコーン原料
4官能エトキシシランオリゴマー(平均5量体)
(溶媒)
・エタノール(和光純薬工業社製)
・イオン交換水、電気抵抗率1×1010Ω・cm以上
(触媒)
25%アンモニア水(和光純薬工業社製)
<<表皮付きポリオレフィン発泡体を発泡体とするエアロゲル複合材>>
<ゾル溶液調製、ゾル溶液充填工程>
シリコーン原料を主剤として使用し、主剤1モルに対し、53モルのエタノール、21モルのイオン交換水、0.01モルの触媒を混合してゾル溶液とした。前記表皮付きポリオレフィン発泡体を、表皮層を付けたまま、セパラブルフラスコに収納できる大きさに裁断して収納した。調製したゾル溶液を表皮付きポリオレフィン発泡体が完全に浸漬するまで加えて、常圧下で3時間静置し、表1及び表2に示すような、湿潤ゲルが充填された表皮付きポリオレフィン発泡体を得た。
得られた前記湿潤ゲルが充填された表皮付き連続気泡樹脂発泡体をエタノールに浸漬し、撹拌しながらエタノールを繰り返し交換し、溶媒置換を24時間行った。次に、ゲル表面を疎水化するため、触媒として0.1mol%の塩酸水溶液を添加したヘキサメチルジシラザンのエタノール溶液(濃度15質量%)中に浸漬し、撹拌しながら疎水化処理を24時間行った。
(乾燥工程)
ゲル表面が疎水化された前記表皮付き連続気泡樹脂発泡体を、80℃、20MPaの二酸化炭素中に含浸させ、超臨界流体乾燥を12時間行った。
以上のようにして、表皮付きポリオレフィン発泡体の内部にシリカエアロゲルを充填したエアロゲル複合材を得た(表1及び表2参照)。エアロゲル複合材の厚みは2mmで、エアロゲル複合材におけるエアロゲルの平均充填率は95%だった。
<<他の発泡体のエアロゲル複合材>>
表皮付きポリオレフィン発泡体の代わりに、上記の表皮付きウレタン発泡体/表皮付きシリコーン発泡体/熱成形したメラミン発泡体を用いた以外は、上記「表皮付きポリオレフィン発泡体を発泡体とするエアロゲル複合材」と同様にしてエアロゲル複合材を得た(表1参照)。
<<<実施例及び比較例>>>
<<実施例1>>
筐体(ボックスのサイズ/外寸サイズ:横425mm×奥行320mm×高さ325mm、内寸サイズ:横350mm×奥行240mm×高さ250mm、蓋:35mm;重量/2.06kg;材質/アルミホイル・ポリエステルフィルム・ポリエチレン・PPターポリン)の内側全面に、上述した「表皮付きポリオレフィン発泡体を発泡体とするエアロゲル複合材」を、両者間(特に屈曲部)に隙間ができないように設置し、実施例1に係る保温容器を作製した(図1参照)。尚、断熱シートの貼り合わせを詳述すると、底部には240mm×350mmにカットしたものを使用し、側面には幅250mm×590mmにカットしたものを2枚使用し貼り合わせ、繋ぎ目(隙間)には幅50mmの断熱シート(両面テープ貼り)を使用した。
<<実施例2~4>>
表1に示したエアロゾル複合体を用いた以外は、実施例1と同様の手法にて実施例2~4に係る保温容器を作製した。
<<実施例5>
前述した筐体の外側全面に「表皮付きポリオレフィン発泡体」を設置した以外は、実施例1と同様の手法にて実施例5に係る保温容器を作製した。
<<実施例6>>
内箱(断熱材:ポリスチレン)を有するボックス形状の保温容器において、実施例1と同様の手法で、内箱の内側全面に「表皮付きポリオレフィン発泡体」を、隙間ができないように設置することで、実施例7に係る保温容器を作製した(図2参照)。尚、本発明にいう「筐体」は、この実施例においては「内箱」がそれに相当する。
<<実施例7>>
内箱の外側全面(即ち、内箱と外容器との間)に「表皮付きポリオレフィン発泡体」を配置した以外は、実施例6と同様の手法にて、実施例7に係る保温容器を作製した。
<<比較例1~3>>
表3に示す発泡体を用いた以外は、実施例1と同様の手法にて、比較例1~3に係る保温容器を作製した。
<<<<評価>>>>
<<<断熱シート及び該断熱シートが配置された保温容器の評価>>>
上記のようにして作製した実施例及び比較例の断熱シート及び該断熱シートが配置された保温容器について、下記に示す方法に従い評価した。
<<25%圧縮荷重>>
エアロゲル複合材の25%圧縮荷重は、下記手法に従って測定したものを、評価基準に従い評価した。
<評価手法>
JIS K6254:2016「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-応力-ひずみ特性の求め方」に準拠して測定したものを、評価基準に従い評価した。
<評価基準>
「○」は「25%圧縮荷重が0kPa超500kPa以下」を、「△」は500kPa超1000kPa以下」を、それぞれ示す。
<<断熱性能>>
保温容器の断熱性能は、下記手法に従って測定したものを、評価基準に従い評価した。
評価手法:-20℃で予冷した蓄冷剤を保温容器内に設置し、容器内の温度が10℃まで上昇するまでの時間を測定した。
評価基準:「○」は「24時間超」を、「△」は「12時間超24時間以下」を、「×」は「12時間以下」をそれぞれ示す。
Figure 2023089877000002
Figure 2023089877000003
Figure 2023089877000004

Claims (4)

  1. 屈曲部又は湾曲部を有する筐体と、
    前記屈曲部又は前記湾曲部に沿って配置された断熱シートと、
    を備え、
    前記断熱シートが、連続気泡樹脂発泡体の内部にエアロゲルが充填されたエアロゲル複合材を含むことを特徴とする、保温容器。
  2. JIS K-6254に準拠して測定した前記エアロゲル複合材の25%圧縮荷重が、10~1000kPaである、請求項1記載の保温容器。
  3. 前記エアロゲル複合材のJIS Z8831-2に準拠して測定した疎水性比表面積比が、1.0以下である、請求項1又は2記載の保温容器。
  4. 保冷用である、請求項1~3のいずれか一項記載の保温容器。

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