JP2023089698A - 接続構造、接続方法及び鉄骨柱 - Google Patents

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Hiroya Hagio
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Abstract

【課題】鉄筋コンクリートの水平材の引張力やモーメントを鉄骨柱に確実に伝達することができる接続構造、接続方法及びそれに用いられる鉄骨柱を提供する。【解決手段】角形鋼管柱11に鉄筋コンクリートのスラブ20を接続した接続構造10は、角形鋼管柱11の外周に固定されて、スラブ20に埋設される2層の水平鋼板15,16と、複数の定着筋31~34を備える。定着筋31~34は、水平鋼板15,16に形成された切欠部15a~16bに固定され、スラブ20において鉛直方向に離間した位置で埋設されてスラブ20を構成するスラブ筋21,22に引張力を伝達する。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄骨柱に、スラブ等の鉄筋コンクリートで構成された水平材を接続する接続構造、接続方法及びそれに用いられる鉄骨柱に関する。
通常、鉄骨柱に、鉄筋コンクリートのスラブを設ける場合には、鉄骨柱に鉄骨梁を設け、この鉄骨梁の上に鉄筋コンクリートのスラブを配置する。このため、鉄骨柱と鉄筋コンクリートのスラブとの間には、通常、鉄骨梁を設ける必要があった。また、鉄骨柱にキャピタルを設けて、鉄筋コンクリートのスラブを配置する場合もある。
更に、キャピタルをなくして、鋼管柱に直接スラブを設ける構成が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この接合構造では、地盤面を根切りして捨てコンクリートを打設した後、その上に分離層を施し、分離層上にフラットスラブ用の配筋及びコンクリートを打設し、硬化後に下部を根切りする。この場合、施工した鉄骨柱に溶接して放射状に配筋した複数の柱定着筋と、鉄骨柱の外周面に設けた複数の鋼製リブプレートと、鉄骨柱の周囲を囲む各フープ筋とを設ける。
特開2001-271366号公報
特許文献1に記載の技術では、鉄骨柱に、鉄筋コンクリートの水平材の引張力やモーメントを確実に伝えるために、鋼製リブプレートと、放射状に配置した柱定着筋や鉄骨柱の周囲を囲む複数のフープ筋を設ける。このため、配筋に手間を要する。
上記課題を解決する接続構造は、鉄骨柱に鉄筋コンクリートの水平材を接続した接続構造であって、前記鉄骨柱の外周に固定されて、前記水平材に埋設される板状部材と、前記水平材において鉛直方向に離間した位置で埋設されて前記水平材を構成する鉄筋に引張力を伝達する複数の定着筋とを備え、前記板状部材には、前記定着筋の少なくとも一部のそれぞれを固定する複数の切欠部が形成されている。
また、上記課題を解決する接続方法は、鉄骨柱に鉄筋コンクリートの水平材を接続する接続方法であって、前記鉄骨柱の外周には、複数の切欠部が形成される板状部材を設け、前記鉄骨柱を設置した後、前記水平材を構成する鉄筋に引張力を伝達する複数の定着筋が鉛直方向に離間した位置に配置されるように、前記定着筋の少なくとも一部を前記切欠部に固定し、前記鉄筋を配置した後、コンクリートを打設することにより、前記板状部材、前記定着筋及び前記鉄筋を前記コンクリートに埋設させた前記水平材を形成する。
更に、上記課題を解決する鉄骨柱は、鉄筋コンクリートの水平材が接続される接続構造に用いられる鉄骨柱であって、外周に固定され、前記水平材において鉛直方向に離間した位置において前記水平材に埋設される2層の板状部材を有し、前記板状部材の端部には、複数の切欠部が離間して設けられ、前記切欠部には、前記水平材を構成する鉄筋に引張力を伝達し前記水平材に埋設される定着筋を固定する定着筋固定部が固定される。
本発明によれば、鉄筋コンクリートの水平材の引張力やモーメントを鉄骨柱に確実に伝達することができる。
第1実施形態における接続構造を説明する模式的な正面図である。 第1実施形態における接続構造を説明する模式的な右側面図である。 第1実施形態においてスラブのコンクリートを除いた接続構造の要部の斜視図である。 第1実施形態における接続構造の要部の上面図である。 第1実施形態における鉄骨柱の要部の拡大上面図である。 第1実施形態における鉄骨柱の要部の拡大斜視図である。 第2実施形態における接続構造を説明する模式的な正面図である。 第2実施形態における接続構造を説明する模式的な右側面図である。 第2実施形態においてスラブのコンクリートを除いた接続構造の要部の斜視図である。 第2実施形態における接続構造の要部の平面図である。 第2実施形態における鉄骨柱の要部の拡大斜視図である。
(第1実施形態)
以下、図1~図6を用いて、鉄骨柱に鉄筋コンクリートの水平材を接続した接続構造、接続方法及びそれに用いられる鉄骨柱を具体化した第1実施形態を説明する。本実施形態の接続構造においては、鉄骨柱としての角形鋼管柱に、水平材としてのスラブを接続するフラットプレートの接続構造として説明する。
図1~図4は、本実施形態の接続構造10の正面図、右側面図、コンクリートを除いた接続構造の要部の斜視図及び要部の上面図である。また、図5は、鉄骨柱の後述する板状部材の角部の拡大上面図であり、図6は、その板状部材の角部の斜視図である。
図1及び図2に示すように、接続構造10は、角形鋼管柱11にスラブ20が接続されて構成される。
角形鋼管柱11には、その外周に、水平方向に延在する板状部材としての水平鋼板15,16が溶接される。水平鋼板15,16は、間隔をおいて上下に配置された2層状態でスラブ20に埋設され、それぞれスラブ20の上面及び下面の近傍に位置する。本実施形態では、水平鋼板15,16を、従来のスラブにおいて、スラブ筋が配置される位置(高さ)とほぼ同じ位置(高さ)で、角形鋼管柱11に設ける。
図3及び図4に示すように、水平鋼板15,16は、水平断面が略正方形の枠形状で構成される。水平鋼板15,16には、水平鋼板15,16に対して直交するように補強板(ウェブ)19が固定されている。この補強板19は、角形鋼管柱11にも溶接されている。
水平鋼板15,16には、角形鋼管柱11との角部、補強板19と角形鋼管柱11との当接部において、貫通孔h1が設けられている。この貫通孔h1は、溶接ビードの交差処理やスラブ20のコンクリート28の充填のために用いられる。
図1及び図2に示すように、水平鋼板15,16には、4つの辺のうち対向する一対(2つ)の辺に、離間した複数の切欠部15a,16aが形成されている。更に、水平鋼板15,16には、切欠部15a,16aが形成されている辺と直交して対向する一対(2つ)の辺に、離間した複数の切欠部15b,16bが形成されている。
本実施形態では、切欠部15a(15b)と切欠部16a(16b)は、上下重なる位置に形成されている。
更に、図5に示すように、これら切欠部15a~16bは、同じ形状であって、長方形の一方の短辺側が半円となった形状を有している。そして、この切欠部15a~16bの長辺は、機械式継手17a~18bの長さに対応する長さを有する。
図6に示すように、機械式継手17a~18bは、六角柱形状の外形を有し、定着筋固定部として機能する。機械式継手17a~18bは、各切欠部15a~16bに、それぞれ溶接部w1を介して溶接されている。この場合、機械式継手17a~18bは、六角柱の水平面が上面となる姿勢で、4箇所の溶接により隅肉溶接される。
本実施形態では、図1及び図2に示すように、機械式継手17a,18aは、その中心が水平鋼板15,16の中心(中央の高さ)より上方となる位置に固定される。この場合、機械式継手17a,18aの上端部が水平鋼板15,16より上方に突出し、機械式継手17a,18aの下端部が水平鋼板15,16の下面よりも上の位置になる。更に、機械式継手17b,18bは、その中心が水平鋼板15,16の中心(中央の高さ)より下方となる位置に固定される。この場合、機械式継手17b,18bの下端部が水平鋼板15,16より下方に突出し、機械式継手17b,18bの上端部が水平鋼板15,16の上面よりも下の位置になる。これにより、水平鋼板15(16)において、直交する方向に設けられた機械式継手17a,17b(18a,18b)は、高さ方向にずれて配置されることになる。
各機械式継手17a~18bは、角形鋼管柱11と反対側(外側)に開口して配置される。機械式継手17a~18bは、例えば、内部にめねじが形成されることにより、ねじ式で異形鉄筋を固定する。
機械式継手17a,17b,18a,18bの開口には、それぞれ定着筋31,32,33,34が連結されている。本実施形態では、切欠部15a(15b)と切欠部16a(16b)とが重なる位置に配置されているため、定着筋31(32)と定着筋33(34)とはそれぞれ上下方向に重なる位置に配置されている。
本実施形態では、定着筋31~34として、同じ径の異形鉄筋を用いる。この定着筋31~34の直径は、スラブ20を構成する鉄筋であるスラブ筋21,22よりも直径が大きい。
そして、定着筋31~34は、水平鋼板15,16より突出した外側の長さL1が定着長さ以上となる長さを有する。
更に、スラブ20は、スラブ筋21,22及びコンクリート28を備える。スラブ筋21,22は、それぞれ水平鋼板15,16に接触して配置され、水平材(スラブ20)を構成する鉄筋として機能する。
更に、図3に示すように、スラブ筋21,22は、第1方向に延在する複数の主筋と、この主筋に対して直交し、主筋の上又は下に固定されて離間して第2方向に延在する複数の配力筋とが格子状に配置されて構成される。スラブ筋21,22は、定着筋31~34の段差に対応するように、コンクリート28内に配置される。具体的には、上方にある定着筋31,33と平行に延在する主筋(又は配力筋)が上側に、下方にある定着筋32,34と平行に延在する主筋(又は配力筋)が下側に配置される。従って、スラブ筋21,22は、水平鋼板15,16とほぼ同じ高さで配置される。
また、本実施形態のスラブ筋21,22は、ダイヤフラムの端部の位置でカットオフしている。
水平鋼板15の上面には、格子状の4つの補助筋25が載置されている。補助筋25は、ひび割れを抑制するための鉄筋であって、格子状に配置された細い鉄筋で長方形に構成される。そして、4つの補助筋25を水平鋼板15の上にずらして配置することにより、水平鋼板15の上面に補助筋を満遍なく配置する。また水平鋼板16の下面にも、補助筋25と同様な構成の補助筋26を配置している。
そして、図1及び図2に示すように、コンクリート28は、コンクリート28内の最上部に位置する補助筋25からのかぶり厚さT1やコンクリート28内の最下部に位置する補助筋26からのかぶり厚さT2を確保して打設される。これにより、コンクリート28には、水平鋼板15,16、機械式継手17a~18b、補強板19、スラブ筋21,22、補助筋25,26、定着筋31~34が埋設される。
(接続構造10の構築方法)
次に、上述した構成の接続構造10の構築方法について説明する。
まず、工場等において、水平鋼板15,16の各辺に、離間した複数の切欠部15a~16bを形成し、切欠部15a~16bのそれぞれに機械式継手17a~18bを溶接する。この場合、機械式継手17a,18aは、上端部が水平鋼板15,16より上方に突出するように、機械式継手17b,18bは、下端部が水平鋼板15,16より下方に突出するように、高さをずらして溶接する。
そして、角形鋼管柱11においてスラブ20の取付位置に対応する高さ(位置)に、水平鋼板15,16及び補強板19を溶接する。これにより、機械式継手17a~18bを備えた水平鋼板15,16が取り付けられた角形鋼管柱11が形成される。
この角形鋼管柱11を現場に運搬する。この場合、角形鋼管柱11を複数に分割して搬送してもよい。
そして、現場において、角形鋼管柱11を設置する。この角形鋼管柱11の各機械式継手17a~18bのそれぞれに、定着筋31~34を差し込んで螺合することにより定着筋31~34を角形鋼管柱11に固定する。
次に、水平鋼板15,16とほぼ同じ高さに、格子状のスラブ筋21,22を配置する。その後、型枠を用いてコンクリート28を打設して硬化させることにより、スラブ20が形成される。
(作用)
本実施形態では、スラブ筋21,22より太い定着筋31~34がスラブ筋21,22と近接した状態でコンクリート28に埋設される。このため、コンクリート28に対する定着筋31~34の付着力により、スラブ筋21,22の引張力が、コンクリート28を介して定着筋31~34に伝達される。従って、スラブ20に作用するモーメントM1やせん断力を、定着筋31~34が固定された角形鋼管柱11に伝達させることができる。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1-1)本実施形態の接続構造10では、角形鋼管柱11の外周に設けた水平鋼板15,16に定着筋31~34を固定する。そして、定着筋31~34と、定着筋31~34の近傍にスラブ筋21,22を配置して、コンクリート28で埋設してスラブ20を構成する。これにより、スラブ20のスラブ筋21,22の引張力を、コンクリート28及び定着筋31~34を介して角形鋼管柱11に伝達することができる。また、離間した水平鋼板15,16を、スラブ20の上面及び下面の近傍に配置する。これにより、定着筋31~34によるモーメントM1に対する抵抗の有効せいを大きくすることができ、小さい定着筋31~34を用いても、ひび割れを効率的に抑制することができる。
(1-2)本実施形態では、水平鋼板15(16)において離間して複数設けた切欠部15a,15b(16a,16b)に、機械式継手17a,17b(18a,18b)を固定する。このため、水平鋼板15(16)の芯(高さの中間位置)と、機械式継手17a,17b(18a,18b)に固定される定着筋31,32(33,34)の中心とをほぼ同じ高さにすることができる。従って、水平鋼板15,16と定着筋31~34の距離が離れていた構成で曲げ抵抗の際に生じていた偏心による曲げの作用を抑制することができ、水平鋼板15,16の厚さを薄くすることができる。
(1-3)本実施形態では、切欠部15a,15b(16a,16b)に、高さをずらして固定した機械式継手17a,17b(18a,18b)に、定着筋31~34を固定する。そして、定着筋31~34の高さのずれに応じて、スラブ筋21,22を配置するので、定着筋31~34をスラブ筋21,22と近接して配置することができる。従って、かぶり厚さT1,T2を確保しながら、コンクリート28の表面の近傍に定着筋31~34を配置することができるので、曲げ抵抗に対する有効せいを大きくすることができる。更に、定着筋31~34やそれを結合する機械式継手17a,17b(18a,18b)を小さくすることが期待できる。
(1-4)本実施形態では、工場で予め角形鋼管柱11に溶接された機械式継手17a~18bに、現場で、定着筋31~34を固定する。従って、工場から現場までは、角形鋼管柱11の搬送時には、定着筋31~34が突出していないため、取り扱いが容易である。また、現場における溶接作業も少なくすることができるので、効率的に接続構造10を構築することができる。
(1-5)本実施形態では、水平鋼板15,16に直交して鉛直方向に延在する補強板19を備える。これにより、補強板19がせん断力に抵抗するので、パンチングシアによる損傷を抑制することができる。更に、補強板19は、水平鋼板15,16の間隔に応じた大きさを有するため、補強板19の断面を大きくすることができる。従って、補強板19によるせん断耐力を増加させることができる。
(1-6)本実施形態では、水平鋼板15,16の端部においてスラブ筋21,22をカットオフし、水平鋼板15の上面及び水平鋼板16の下面に格子状の補助筋25,26を配置する。これにより、ひび割れ幅が増大する可能性があっても、スラブ筋21,22とは別にひび割れを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、図7~図11を用いて、鉄骨柱に鉄筋コンクリートの水平材を接続した接続構造、接続方法及びそれに用いられる鉄骨柱を具体化した第2実施形態を説明する。上記第1実施形態では、鉄骨柱の水平鋼板の4つの辺のすべてに切欠部を設けた。本実施形態では、鉄骨柱の水平鋼板の対向する2つの辺にのみ切欠部を設ける。本実施形態において、上記第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図7~図10は、本実施形態の接続構造50の正面図、右側面図、コンクリートを除いた接続構造の要部の斜視図及び要部の平面図である。また、図11は、鉄骨柱の板状部材の角部の斜視図である。
図7及び図8に示すように、本実施形態の接続構造50は、角形鋼管柱51にスラブ70が接続されて構成される。角形鋼管柱51には、その外周に、水平方向に延在する板状部材としての水平鋼板55,56が溶接される。水平鋼板55,56は、水平鋼板15,16と同様に、間隔をおいて上下に配置された2層状態でスラブ70に埋設され、それぞれスラブ70の上面及び下面の近傍に位置する。
図9及び図10に示すように、水平鋼板55,56は、水平断面が略正方形の枠形状で構成されている。水平鋼板55,56には、角形鋼管柱51にも溶接されている補強板(ウェブ)19が固定されている。補強板19と角形鋼管柱51との当接部において、溶接ビードの交差処理やコンクリート78の充填のための貫通孔h1が設けられている。
図11に示すように、水平鋼板55(56)には、4つの辺のうち対向する一対(2つ)の辺のみに、離間した複数の切欠部55h(56h)が形成されている。水平鋼板55の切欠部55hと、水平鋼板56の切欠部56hは、上下方向に配置しないように、異なる辺に配置されている。各切欠部55h,56hは、上記第1実施形態の切欠部15aと同様な形状を有する。切欠部55h,56hには、定着筋固定部として機械式継手57a,58aが、それぞれ溶接部w1を介して溶接されている。
更に、水平鋼板55における切欠部が形成されていない辺の上面には、複数の機械式継手57bが溶接により固定されている。各機械式継手57bは、水平鋼板56の機械式継手58aのそれぞれの上方の位置に配置される。また、水平鋼板56における切欠部が形成されていない辺の下面には、複数の機械式継手58bが溶接により固定されている。各機械式継手58bは、水平鋼板55の機械式継手57aのそれぞれの下方の位置に配置される。
本実施形態では、機械式継手57b,58bは、機械式継手57a,58aよりも直径が小さく短い鉄筋を固定する。更に、各機械式継手57a~58bは、角形鋼管柱51と反対側(外側)に開口して配置され、ねじ式で異形鉄筋を固定する。
図7及び図8に示すように、機械式継手57a,57b,58a,58bの開口には、それぞれ定着筋82,81,84,83が連結されている。本実施形態では、定着筋81,83として同じ異形鉄筋を用い、定着筋82,84として同じ異形鉄筋を用いる。定着筋81,83は、水平鋼板55の上面又は水平鋼板16の下面に固定された機械式継手57b,58bに固定される。定着筋81,83は、機械式継手57a,58aに連結する定着筋82,84よりも直径が小さく、スラブ筋21,22の直径よりも大きい。また、定着筋81,83の長さL3は、定着筋82,84の長さL4よりも短い。ただし、定着筋81~84は、水平鋼板55,56より突出した外側の長さL3,L4が、それぞれの定着長さ以上となる長さを有する。
更に、スラブ70において、スラブ筋21,22は、水平鋼板15の上面、水平鋼板16の下面にそれぞれ接触して配置される。なお、本実施形態のスラブ筋21,22は、上記実施形態のスラブ筋21,22と異なり、水平鋼板55,56の端部において、カットオフしない。
そして、コンクリート78は、コンクリート78内の最上部、最上部に位置するスラブ筋21,22からのかぶり厚さを確保して打設される。これにより、コンクリート78には、水平鋼板55,56、機械式継手57a~58b、補強板19、スラブ筋21,22、定着筋81~84が埋設される。
(接続構造50の構築方法)
上述した構成の接続構造50の構築方法においても、接続構造10と同様に、工場等において、水平鋼板55,56に切欠部55h,56hを形成する。更に、切欠部55h,56hのそれぞれに機械式継手57a,58aを溶接し、水平鋼板55の上面に機械式継手57bを、水平鋼板56の下面に機械式継手58bを溶接する。そして、角形鋼管柱51に、水平鋼板55,56及び補強板19を溶接することにより、機械式継手57a~58bを備えた水平鋼板55,56が取り付けられた角形鋼管柱11が形成される。
その後、現場において、搬送された角形鋼管柱51を設置する。そして、この角形鋼管柱51の各機械式継手57a~58bのそれぞれに、定着筋81~84を差し込んで螺合することにより定着筋81~84を角形鋼管柱51に固定し、格子状のスラブ筋21,22を配置する。その後、型枠を用いてコンクリート78を打設して硬化させることにより、スラブ70が形成される。
(作用)
本実施形態では、スラブ筋21,22より太い定着筋81~84がスラブ筋21,22と近接した状態でコンクリート78に埋設される。このため、コンクリート78に対する定着筋81~84の付着力により、スラブ筋21,22の引張力が、コンクリート78を介して定着筋81~84に伝達される。
本実施形態によれば、上記(1-1)~(1-5)の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(2-1)本実施形態では、水平鋼板55(56)において対向する1対の辺にのみに形成した切欠部55h(56h)に、機械式継手57a(58a)を固定し、機械式継手57b,58bを、水平鋼板55の上面又は水平鋼板56の下面に固定する。これにより、水平鋼板15(16)の芯(高さの中間位置)と機械式継手57a(58a)に固定される定着筋82,83の中心とをほぼ同じ高さにすることができる。更に、水平鋼板55(56)において全周に切欠部を設けなくても、定着筋81,83と定着筋82,84との高さをずらすことができる。
(2-2)本実施形態では、機械式継手57b(58b)を、水平鋼板55の上面(水平鋼板56の下面)に固定する。これにより、機械式継手57b(58b)を、機械式継手57a(58a)に比べてコンクリート78の上面(下面)に近づけて配置することができる。従って、機械式継手57b(58b)に連結する定着筋81(83)を、定着筋82(84)に比べて、直径が小さく、長さが短い鉄筋を用いることができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記各実施形態においては、水平鋼板15,16,55,56に対して直交するように定着筋31~34,81~84を配置した。定着筋31~34,81~84の配置は、水平鋼板15,16,55,56に対して直交する場合に限られず、例えば、鉄骨柱の周囲において、複数の定着筋を、鉄骨柱の中心から放射状に配置してもよい。更に、板状部材の形状は、四角枠形状に限られず、角が丸くなった枠形状でもよいし、円板形状であってもよい。
・上記各実施形態では、定着筋31~34,81~84は、スラブ20,70内において、水平鋼板15,16,55,56よりも定着長さ以上の長さL1,L3,L4を有する。定着筋31~34,81~84は、スラブ筋21,22に引張力を伝達することができる付着力を有していれば、定着長さ以上の長さL1,L3,L4を有する場合に限られない。例えば、定着筋31~34,81~84の先端に定着板を設けた場合や先端部を折り曲げた場合には、直線形状の定着筋31~34,81~84の定着長さより短くしてもよい。更に、定着筋31~34,81~84の大きさ(太さ)や本数は、適宜、変更してもよい。
・上記各実施形態において、水平鋼板15,16,55,56に固定した定着筋31~34,81~84は、上面から見て重なる位置に配置した。定着筋31~34,81~84の位置や取り付け方法はこれに限られない。例えば、水平鋼板15,55に固定した定着筋31,32,81,82と水平鋼板16,56に固定した定着筋33,34,83,84とを、上から見てずれた位置に配置してもよい。
・上記実施形態において、水平鋼板15,16,55,56の切欠部15a,15b,16a,16b,55h,56hは、長方形の一方の短辺側が半円となった形状を有する。板状部材に形成される切欠部の形状は、この形状に限定されず、定着筋固定部や定着筋が固定可能な形状であればよい。
・上記各実施形態においては、水平鋼板15,16,55,56に、異形鉄筋である定着筋31~34,81~84をねじ式で固定する機械式継手17a~18b,57a~58bを設けた。定着筋固定部は、板状部材に定着筋を固定できれば、六角柱のねじ式の機械式継手に限られない。例えば、円筒形状を有しためねじが形成されていないスリーブを用いてもよい。この場合には、スリーブの中空部に配置した定着筋をグラウトや接着剤等で固定する。更に、機械式継手を省略して、水平鋼板15,55,16,56に直接、溶接等により、定着筋31~34,81~84を固定してもよい。
・上記各実施形態においては、機械式継手17a~18b,57a~58bは、六角柱の平面が上端部となる姿勢で溶接した。機械式継手17a~18b,57a~58bを溶接する姿勢は、これに限定されず、例えば、機械式継手の平面が切欠部の側面とほぼ平行となるような姿勢で溶接してもよい。
・上記第2実施形態においては、スラブ筋21,22を水平鋼板55,56上においても延在したが、第1実施形態と同様に、水平鋼板55,56の端部においてカットオフし、補助筋25,26を配置してもよい。
・上記実施形態では、角形鋼管柱11,51とスラブ20,70とが直接、繋がっているフラットプレート構造における接続構造として説明した。本発明の接続構造は、フラットプレート構造に適用する場合に限られず、例えば、フラットスラブ構造や、鉄骨柱と鉄筋コンクリート梁との接続構造に用いてもよい。ここで、フラットスラブ構造は、柱とスラブとが接続される部分に補強部材が設けられた接続構造である。これらの接続構造においても、鉄筋コンクリートの水平材を鉄骨柱に設けることができる。
・上記実施形態では、鉄骨柱として角形鋼管柱11を用いた場合について説明した。鉄骨柱は、角形鋼管柱に限られず、例えば、円柱形状の丸鋼管柱でもよいし、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)柱、CFT(Concrete Filled Steel Tube;コンクリート充填鋼管構造)柱に適用することが可能である。
また、逆打ち支柱に適用する場合には、精度確保のために、水平鋼板15,16,55,56を予め溶接した角形鋼管柱11,51を用いることが難しい。そこで、逆打ち支柱の場合には、スラブの高さに合わせて、現場において、角形鋼管柱11,51の外周に水平鋼板15,16,55,56を設ける。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(a)前記切欠部は、前記板状部材の1対の対向する辺に複数設けられ、前記板状部材において、前記切欠部が設けられた辺に直交する方向には、前記切欠部が設けられていないことを特徴とする請求項1に記載の接続構造。
(b)前記板状部材は、前記鉄骨柱の外周に2層で設けられ、前記切欠部が設けられた辺に対応する上層又は下層の板状部材には切欠部が形成されていないことを特徴とする前記(a)に記載の接続構造。
(c)前記板状部材には、格子形状の補助筋が配置されることを特徴とする請求項1、2、前記(a)又は前記(b)に記載の接続構造。
h1…貫通孔、L1,L3,L4…長さ、M1…モーメント、w1…溶接部、10,50…接続構造、11,51…角形鋼管柱、15,16,55,56…水平鋼板、15a,15b,16a,16b,55h,56h…切欠部、17a,17b,18a,18b,57a,57b,58a,58b…機械式継手、19…補強板、20,70…スラブ、21,22…スラブ筋、25…補助筋、28,78…コンクリート、31,32,33,34,81,82,83,84…定着筋。

Claims (4)

  1. 鉄骨柱に鉄筋コンクリートの水平材を接続した接続構造であって、
    前記鉄骨柱の外周に固定されて、前記水平材に埋設される板状部材と、
    前記水平材において鉛直方向に離間した位置で埋設されて前記水平材を構成する鉄筋に引張力を伝達する複数の定着筋とを備え、
    前記板状部材には、前記定着筋の少なくとも一部のそれぞれを固定する複数の切欠部が形成されていることを特徴とする接続構造。
  2. 前記切欠部には、前記定着筋を固定する定着筋固定部が溶接されることを特徴とする請求項1に記載の接続構造。
  3. 鉄骨柱に鉄筋コンクリートの水平材を接続する接続方法であって、
    前記鉄骨柱の外周には、複数の切欠部が形成される板状部材を設け、
    前記鉄骨柱を設置した後、前記水平材を構成する鉄筋に引張力を伝達する複数の定着筋が鉛直方向に離間した位置に配置されるように、前記定着筋の少なくとも一部を前記切欠部に固定し、
    前記鉄筋を配置した後、コンクリートを打設することにより、前記板状部材、前記定着筋及び前記鉄筋を前記コンクリートに埋設させた前記水平材を形成することを特徴とする接続方法。
  4. 鉄筋コンクリートの水平材が接続される接続構造に用いられる鉄骨柱であって、
    外周に固定され、前記水平材において鉛直方向に離間した位置において前記水平材に埋設される2層の板状部材を有し、
    前記板状部材の端部には、複数の切欠部が離間して設けられ、
    前記切欠部には、前記水平材を構成する鉄筋に引張力を伝達し前記水平材に埋設される定着筋を固定する定着筋固定部が固定されることを特徴とする鉄骨柱。
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