JP2023088410A - バルーンカテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】バルーン収縮状態においてバルーンを目的の治療部位に正確かつ迅速に位置決めすることができ、かつ、バルーン拡張状態において目的の治療部位に対するバルーンの位置関係を把握することが可能なバルーンカテーテルを提供する。【解決手段】本発明のバルーンカテーテルは、可撓性を有する外筒シャフトと、可撓性を有する内筒シャフトと、上記内筒シャフトに外挿され、かつ、上記中間チューブの基端側端部のみで上記内筒シャフトに固定されている中間チューブと、上記外筒シャフトの遠位側端部及び上記内筒シャフトの遠位側端部にそれぞれ接続された弾性材料からなる長軸方向に延伸可能なバルーンと、上記バルーンの内側に位置し、上記中間チューブ上に固定されたX線造影マーカーと、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、X線造影マーカーを備えたバルーンカテーテルに関するものである。
医療分野において、バルーンカテーテルは低侵襲治療に用いられており、その用途は血管狭窄症、心臓弁狭窄症、不整脈及び塞栓物質除去等の非常に多岐に渡る治療法に使用されている。一般的なバルーンカテーテルの構造は、シャフトを構成する外筒シャフトと内筒シャフトを備え、バルーンの基端側端部と外筒シャフトの遠位側端部(先端部)、バルーンの遠位側端部(先端部)と内筒シャフトの遠位側端部(先端部)がそれぞれ接続されてバルーンが形成されている。バルーンカテーテルのバルーンは、外筒シャフトと内筒シャフトの間の流路に流体を流すことで、拡張、収縮させることができる。
さらに、シャフトには、バルーンにより狭窄部を拡張する処置を行うに際して、治療部位に対する位置決めを正確かつ迅速に行うことを可能にするためのX線不透過材料からなるマーカー部が設けられることがある。例えば、外筒シャフトの先端部にバルーンの基端側が取り付けられ、内筒シャフトの遠位側端部(先端部)にバルーンの遠位側端部(先端部)が取り付けられており、外筒シャフトは、外層、中間層、内層の3層からなる多層チューブであり、中間層にはステンレス製の平角線が備えられており、内筒シャフトの遠位側端部(先端部)にはステンレス製のパイプが備えられているバルーンカテーテルが特許文献1には報告されている。
また、内筒シャフトのバルーンの拡張有効部が投影される部分に拡張有効部の中央部に位置する第1造影部と、拡張有効部の先端境界部を示す第2造影部と、拡張有効部の後端境界部を示す第3造影部を有するX線造影マーカーが取り付けられているバルーンカテーテルが特許文献2に報告されている。
WO2019-156195 特開2016-174709号
特許文献1に記載のバルーンカテーテルは、外筒シャフトの中間層にステンレス製の平角線が備えられており、内筒シャフトの先端部にはステンレス製のパイプが備えられていることから、バルーンの先端側端部及び基端側端部の位置を把握することができるが、目的の治療部位に対するバルーンの位置決めが煩雑であり、さらに、バルーンを拡張することによりバルーンが長軸方向に延伸するため、目的の治療部位に対するバルーンの位置によっては、治療部位をバルーンで拡張できず、バルーンの位置決めからやり直す必要が生じることがある。
特許文献2に記載のバルーンカテーテルは、内筒シャフト上に設けられているX線造影マーカーにより、バルーンの拡張有効部の範囲及び中央部を確認することが可能である。
しかしながら、特許文献1に記載のようなバルーンが長軸方向に延伸するバルーンカテーテルにおいては、特許文献2に開示されている構造をそのまま適応した場合、つまり、内筒シャフト上にX線造影マーカーを取り付けた場合は、特許文献2に記載のバルーンと異なり、長さの異なるバルーン、内管シャフト、外筒シャフトが長軸方向に同時に変形することからバルーン有効拡張部位の中央部を示すX線造影部の位置が、拡張前のバルーンに対する相対的位置から大きく移動してしまうという問題があった。
以上のとおり、バルーンを拡張する際にバルーンが長軸方向に延伸するバルーンカテーテルにおいて、バルーン拡張力によるX線造影マーカーの位置ズレが生じないバルーンカテーテルは開示されてこなかった。
本発明者らは、上記課題を解消するために鋭意検討を重ねた結果、以下の(1)~(5)の発明を見出した。
(1) 可撓性を有する外筒シャフトと、上記外筒シャフトに挿入され、かつ、可撓性を有する内筒シャフトと、上記内筒シャフトに外挿され、かつ、上記中間チューブの基端側端部のみで上記内筒シャフトに固定されている中間チューブと、上記外筒シャフトの遠位側端部及び上記内筒シャフトの遠位側端部にそれぞれ接続された弾性材料からなる長軸方向に延伸可能なバルーンと、上記バルーンの内側に位置し、上記中間チューブ上に固定されたX線造影マーカーと、を備える、バルーンカテーテル。
(2) 上記内筒シャフト及び外筒シャフトの長軸方向のひずみが5%の時の強度は、それぞれ4.5~14.5N及び5.0~15.0Nであり、上記内筒シャフトの長軸方向のひずみが5%の時の強度に対する、上記外筒シャフトの長軸方向のひずみが5%の時の強度は、100%~160%である、(1)記載のバルーンカテーテル。
(3) 上記中間チューブの引張弾性率は、1.3~4GPaである、(1)又は(2)記載のバルーンカテーテル。
(4) 上記中間チューブの内径と上記内筒シャフトの外径とのクリアランスは、0.01~0.20mmである、(1)~(3)のいずれか記載のバルーンカテーテル。
(5) バルーン収縮状態における長軸方向のバルーンの長さを100%としたとき、上記X線造影マーカーの中心部が上記バルーンの基端側端部から30~60%の位置に配置される、(1)~(4)のいずれか記載のバルーンカテーテル。
本発明によれば、基端側端部のみで内筒シャフトに固定され、内筒シャフト上に外挿された中間チューブを有し、該中間チューブ上にX線造影マーカーを有することで、バルーンの拡張による内筒シャフトの長手方向への延伸の影響を受けずにX線造影マーカーがその場に留まるため、バルーン収縮状態とバルーン拡張状態でX線造影マーカーの位置が変わらず、バルーン収縮状態であっても、目的の治療部位に対してバルーン拡張状態のバルーンの正確な位置決めが可能となる。
本発明の実施形態に係るバルーンカテーテルの長手方向におけるバルーンカテーテルの模式図である。
本発明のバルーンカテーテルは、可撓性を有する外筒シャフトと、上記外筒シャフトに挿入され、かつ、可撓性を有する内筒シャフトと、上記内筒シャフトに外挿され、かつ、上記中間チューブの基端側端部のみで上記内筒シャフトに固定されている中間チューブと、上記外筒シャフトの遠位側端部及び上記内筒シャフトの遠位側端部にそれぞれ接続された弾性材料からなる長軸方向に延伸可能なバルーンと、上記バルーンの内側に位置し、上記中間チューブ上に固定されたX線造影マーカーと、を備える事を特徴とする。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。なお、同一の要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。また、図面の比率は説明のものとは必ずしも一致していない。
ここで、バルーンカテーテルの「遠位側」とは、バルーンカテーテルの長手方向におけるバルーン側を言う。また、「基端側」とは、バルーンカテーテルの長手方向における把持部材側のことを言う。
また、「単層チューブ」とはチューブ断面形状が1層構造のチューブのことを言い、「多層チューブ」とは、複数の材料を組み合わせて作られた、チューブ断面形状が複数の層構造を有するチューブのことを言う。
外筒シャフトにおいて、外筒シャフトの「遠位側端部」とは、バルーンカテーテルの長手方向におけるバルーン側の端部を言い、外筒シャフトの「基端側端部」とは、バルーンカテーテルの長手方向における把持部材側の端部を言う。内筒シャフトにおいて、内筒シャフトの「遠位側端部」とは、バルーンカテーテルの長手方向におけるバルーン側の端部を言い、内筒シャフトの「基端側端部」とは、バルーンカテーテルの長手方向における把持部材側の端部を言う。中間チューブにおいて、中間チューブの「遠位側端部」とは、バルーンカテーテルの長手方向におけるバルーン側の端部を言い、中間チューブの「基端側端部」とは、バルーンカテーテルの長手方向における把持部材側の端部を言う。
バルーンにおいて「バルーン収縮状態」とは、バルーンに一切の外力が負荷されていない状態のことを言い、バルーン収縮状態におけるバルーンの遠位側端部からバルーンの基端側端部までの長さを「自然長」と言う。また、バルーンにおいて「バルーン拡張状態」とは、バルーンに流体が供給され、バルーンが治療に必要な所望のサイズに膨らんだ状態のことを言う。
図1は、本発明の実施形態に係るバルーンカテーテルの長手方向における側面の模式図である。図1に示されるバルーンカテーテル100は、外筒シャフト1、内筒シャフト4、中間チューブ5、X線造影マーカー10、バルーン9、伸び防止部材2、把持部材3、押込部材6、抜け防止部材7、シール部材8、から形成されている。また、外筒シャフト組立体とは、外筒シャフト1、伸び防止部材2、把持部材3からなり、内筒シャフト組立体とは、内筒シャフト4、中間チューブ5、X線造影マーカー10、押込部材6、抜け防止部材7及びシール部材8から形成されている。
<外筒シャフト>
外筒シャフト1の構造は、単層チューブ又は多層チューブのどちらでもよい。例えば、多層チューブの場合は外層、中間層及び内層の3層からなる多層チューブが考えられる。
外筒シャフト1の材料としては、外筒シャフト1が3層からなる多層チューブの場合、外層の材料には、抗血栓性に優れた可撓性のある高分子材料が好ましく、例えば、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテルブロックアミド共重合体、ポリプロピレン、ポリオレフィン又はポリエチレンテレフタレートが挙げられ、後述するバルーン9との熱による溶着を可能とするため、バルーン9の材料に合わせたポリウレタンやポリエーテルブロックアミド共重合体であることが好ましい。中間層は、金属製の線材であればよく、例えば、医療機器に一般的に使用されるステンレスが挙げられる。内層に関しては、外筒シャフト1のルーメンの内表面の易滑性やチューブとしての耐延伸性を向上させるため、PTFE等のフッ素系樹脂が挙げられるが、これに限定されるものではない。
外筒シャフト1は、試験方法をISO527(Plastics-Determination of tensile properties,JIS K7161:プラスチック-引張特性の求め方-)とした場合、他部材との接着剤を含まない中央部の長軸方向のひずみが5%の時の強度は、5.0N~15.0Nであることが好ましく、さらに5.5N~10.5Nであることがより好ましい。外筒シャフト1の長さは治療対象に合わせて適宜設定すればよいが、心臓弁狭窄を対象とする場合は、長さは200mm~1100mmが好ましい。
<内筒シャフト>
内筒シャフト4は、その内側がバルーンカテーテル100のガイドワイヤー用のルーメンとなり、外筒シャフト1のルーメン内に挿入されることで、バルーン9の拡張ルーメンを形成する部材である。
内筒シャフト4は、試験方法をISO527(Plastics-Determination of tensile properties,JIS K7161:プラスチック-引張特性の求め方-)とした場合、他部材との接着剤を含まない中央部の長軸方向のひずみが5%の時の強度は、4.5N~14.5Nであることが好ましく、さらに5.0N~10.0Nであることがより好ましい。具体的な材料としては、ポリアミド又はポリエーテルブロックアミドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
外筒シャフト1と内筒シャフト4の関係について、内筒シャフト4の長軸方向のひずみが5%の時の強度に対する、外筒シャフト1の長軸方向のひずみが5%の時の強度は、100%~160%であることが好ましい。内筒シャフトの強度を100%とした時の外筒シャフトの強度が160%以下であれば、バルーン拡張状態において、バルーン収縮状態に位置決めしたX線造影マーカーが遠位側にずれるのを防ぐことができるため好ましい。また、内筒シャフトの強度を100%とした時の外筒シャフトの強度が100%以上であれば、バルーン拡張状態において、バルーン収縮状態に位置決めしたX線造影マーカーが基端側にずれるのを防ぐことができるため好ましい。
<中間チューブ>
中間チューブ5は、血管内にバルーンカテーテル100を挿入するためにバルーン9の嵩張りを低減する目的でバルーン9を伸長する際に、バルーン9の復元力による内筒シャフト4のキンクや座屈を防止する部材である。内筒シャフト4の先端部の一部を除き、内筒シャフト4のほぼ全長に渡って内筒シャフト4に外挿されていることから、内筒シャフト4と中間チューブ5は摺動可能な状態にあるため、バルーン拡張時に内筒シャフト4に掛かる引張張力において、内筒シャフト4のみに延伸作用が発生する機構となる。この内筒シャフト4と中間チューブ5の関係性により、バルーン伸長時の耐座屈性とバルーン拡張時の柔軟性を両立している。
中間チューブ5は、内筒シャフト4に外挿され、かつ、中間チューブ5の基端側端部のみで内筒シャフト4に固定されることで内筒シャフト組立体が形成されている。このように、中間チューブ5の基端部と内筒シャフト4の基端部とでのみ固定されている場合、最低限の固定部位で他の部材に乗り上げる等の部材の干渉を防ぎつつ、内筒シャフト4のみに延伸作用が発生する機構を維持することができる。
中間チューブ5の材料は、樹脂の場合、ポリイミドやポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド又はポリアミドイミドが挙げられるが、これらに限定するものではない。耐摩耗性、化学的安定性の観点から、ポリイミドがより好ましい。
中間チューブ5は、試験方法をISO527(Plastics - Determination of tensile properties,JIS K7161:プラスチック-引張特性の求め方-)とした場合、引張弾性率は、1.3GPa~4GPaであることが好ましく、また、肉厚は、0.10mm~0.30mmであることが好ましい。引張弾性率が1.3GPa以上であればカテーテル操作中に屈曲した際に皺が入る可能性を減らすことができ好ましく、引張弾性率が4GPa以下であれば、適切な可撓性を備えるため好ましい。また、肉厚が0.10mm以上であれば、カテーテル操作中に屈曲した際に皺が入る可能性を減らすことができ好ましく、肉厚が0.30mm以下であれば適切な可撓性を備えるため好ましい。
また、中間チューブ5の内径と内筒シャフト4の外径とのクリアランスは、0.01mm~0.2mmであることが好ましい。クリアランスが0.01mm以上であれば、中間チューブ5と内筒シャフト4との間の摺動性が適切な範囲になるため好ましく、クリアランスが0.2mm以下であれば、中間チューブに固定したX線造影マーカーが安定するため好ましい。
<X線造影マーカー>
X線造影マーカー10は、体内にバルーンカテーテル100が挿入された際に、操作者がバルーン9の位置を把握するための部材である。X線造影マーカー10は、中間チューブ5の表面に固定されている。中間チューブ5への固定方法は、カシメ、接着又は埋没が挙げられるが、これらに限定するものではない。X線造影マーカー10は、中間チューブの全周に渡って40μm以上の厚みで固定されることが好ましいが、これに限定するものではない。
また、バルーン収縮状態において、X線造影マーカー10の中心部が外筒シャフトの遠位側端部から5.0mm~8.5mmの範囲にあることが好ましい。X線造影マーカーの中央部の位置が、5.0mm~8.5mmであれば、バルーン収縮状態とバルーン拡張状態で、バルーン中心とX線造影マーカーとの相対位置のずれを減らすことが可能となる。
また、X線造影マーカーの中心部は、バルーン収縮状態における長軸方向のバルーンの長さを100%としたとき、バルーンの基端側端部から10%~80%の位置に配置されることが好ましく、30%~60%の位置に配置されることがより好ましい。X線造影マーカーの中心部がバルーンの基端側端部から10%~80%の位置に配置された場合、バルーン収縮状態とバルーン拡張状態で、バルーン中心とX線造影マーカーとの相対位置のずれを減らすことが可能となり、30%~60%の位置に配置された場合は、相対位置のずれを目視で判別がすることが困難になる程度にずれを減らすことが可能となる。
X線造影マーカーの材料としては、X線不透過性を示す材料であれば特に限定されないが、X線不透過性かつ長期に渡って安定な重金属化合物を挙げることができる。具体的には、タングステン系化合物、ビスマス系化合物、硫酸バリウム、パラジウム、プラチナ、金、銀及びタンタルの少なくとも1種を含む金属材料が挙げられる。耐腐食性、硬度の観点から、プラチナ・イリジウム合金が好ましい。
<押込部材>
押込部材6は、血管内にバルーンカテーテル100を挿入するために、操作者がバルーン9を伸長するための部材である。押込部材6には、押込部材6の把持部分以外の箇所で少なくとも2つ以上の異なる外径を持つパイプ部分を備えており、それぞれのパイプ部分における外径は、先端側から基端側にかけて順に大きくなり、それぞれの外径の遷移部はテーパー形状となっている。また、押込部材6の先端側の端部は、内筒シャフト4の基端側の端部と接続されている。
<バルーン>
バルーンカテーテル100において、バルーン9は弾性材料により形成される。具体的にバルーン9を形成する弾性材料としては、シリコーン、ポリエーテルブロックアミド共重合体、ポリウレタン、天然ゴム又は合成ゴムが挙げられる。また、バルーン9は、多層構造であってもよい。多層構造のバルーンの場合、例えば、ポリウレタン又はポリエステルからなる仮撚糸を筒状に編んで形成したメッシュと、天然ゴムとを、ゴム糊により接着してバルーンを得てもよい。治療対象に応じてバルーン9の硬度は異なっていてよいが、単一素材によりバルーン9を構成する場合、その材料のショアA硬度は100以下であることが好ましい。
バルーン9を形成する弾性材料は、天然ゴム又は合成ゴムのような難溶着性の材料の場合、通常では外筒シャフト1への取り付けが困難となる。この場合、外筒シャフト1の先端部には、例えば硬質製の樹脂や金属製の短いパイプを外筒シャフト1の先端部から突出するように内挿してもよく、そのパイプの突出部上に難溶着材料をテグスのような糸で巻き付けて接着してもよい。
同様に、バルーン9を形成する弾性材料は、天然ゴム又は合成ゴムのような難溶着材料の場合、通常では内筒シャフト4への取り付けも困難となる。この場合、内筒シャフト4の先端部には、例えば硬質製の樹脂や金属製の短いパイプを内筒シャフト4に内挿してもよく、そのパイプが存在する部分での内筒シャフト4の外周上に難溶着材料をテグスのような糸で巻き付けて接着してもよい。
バルーン9の自然長は、治療対象に合わせて適宜設定すればよいが、心臓弁狭窄症の場合において20mm~30mmが好ましい。
なお、バルーン9の拡張時の長手方向に直行するバルーン9の直径は、治療対象に合わせて適宜設定すればよいが、心臓弁狭窄症の場合には13mm~30mmが好ましい。
<伸び防止部材>
伸び防止部材2は、バルーン9を変形させた状態のまま血管内にバルーンカテーテル100を挿入する際、バルーン9が自然長の状態に戻ろうとする復元力によって、外筒シャフト1の延伸が発生することを防止する部材である。これを達成するため、伸び防止部材2はバルーン9の復元力よりも高い弾性応力を持つ材料で形成されている。また、伸び防止部材2の形状は、外筒シャフト1の延伸を防ぐ形状であれば、どのような形状でもよいが、例えば、モノフィラメント状、マルチフィラメント状又は短冊状に形成された伸び防止部材2が考えられ、これが長手方向における全長に渡って、外筒シャフト1の内側に張られている、又は貼りつけられている。
また、バルーンカテーテル100において、モノフィラメント状の伸び防止部材2の長手方向の長さは外筒シャフト1の長手方向の長さよりも長くなっている。これにより、外筒シャフト1のルーメンの遠位側の開口部と基端側の開口部の両端でそれぞれ伸び防止部材2の末端を、外筒シャフト1の外表面に向けて折り返されている。
伸び防止部材2の材料としては、バルーンカテーテルが血管等の湾曲に追従することを阻害しないかつ高張力な材料が好適であり、アラミド繊維又はポリアクリレート繊維が好ましい。
<シール部材>
外筒シャフト1の基端側の開口部には、液密にしながら内筒シャフト4と外筒シャフト1を摺動させることを可能にするシール部材8を有し、操作者が操作時に把持するための把持部材3が、外筒シャフト1の外周を囲うようにして取り付けられている。
<把持部材>
把持部材3は、操作者が把持するための部材であり、操作しやすい人間工学的な形状をしていればよく、例えばY型の形状であることが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、把持部材3は、外筒シャフト1の基端側に、外周を囲うようにして、取り付けられている。
把持部材3の材料としては、成型の容易性及び強度を確保する観点から、一定の硬度の樹脂が好ましく、例えば、スチロール樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂又はポリアセタール等のプラスチックが挙げられる。
<押込部材>
押込部材6のパイプ部の材料は、操作者が押し込みやすいように、硬質な樹脂又は金属材料を用いることが好ましく、金属材料を用いることが好ましい。また、金属材料としては、腐食性の観点からステンレスが好ましい。また、押込部材6の基端側の端部に操作者が持ちやすくするための持ち手部分を設けることが好ましく、この持ち手部分の材料に関しては、硬質な樹脂又は金属材料が好ましい。また、持ち手部分の表面は滑り止めの観点からローレット加工又はサンドブラスト加工を用いて表面形状が荒くされていることが好ましい。
押込部材6のパイプ部分の段差は、シール部材8の締め付け力にも依るが、基端側のパイプ部分において、段差を0.3mm~0.4mmとし、テーパー移行長さを0.5mm~1mmとしておくことで、内筒シャフト組立体と外筒シャフト組立体を摺動させる際に、操作者が触感により段差部を感じることが可能となり、後述するシール部材8が、押込部材6のパイプ部分の段差を乗り越える際の荷重が10N~15Nとなるためストレスを感じることなく段差を移動可能な操作となる。
<抜け防止部材>
抜け防止部材7は、0.1mm~0.4mmの肉厚を持つ円筒形状であり、押込部材6のパイプ部の2番目に太い外径を持つパイプ上に接続され、バルーンカテーテル100のバルーン9の自然長の状態の位置から、基端側に短くならないようにするための部材である。
抜け防止部材7の材料は、硬質な樹脂又は金属が好ましい。抜け防止部材7を押込部材6に取り付ける場合、接着剤による接着、溶接又は溶着等の取り付け方法を、抜け防止部材7の材料に合わせて選択をすればよい。
<シール部材>
シール部材8は、把持部材3が有する開口部を塞ぐことでバルーンカテーテル100の内部を液密にしつつ、外筒シャフト組立体に対して、後述する内筒シャフト組立体を摺動させることを可能にする。
シール部材8の材料としては、液密性を保ちつつ内筒シャフト組立体を摺動可能とする観点で軟質な材料が好ましく、例えば、シリコーンゴム、合成ゴム又はスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
また、シール部材8の構造は、例えば、軟質材料のシートの一部に切れ込みを入れたスリット弁をシール部材8として把持部材3に組み込んでもよく、把持部材3にキャップ嵌合構造を設けた上で、Oリングや円筒形状の軟質材料をシール部材8として、キャップ嵌合構造によりシール部材8を締め付ける形状であってもよい。
<外筒シャフト組立体、内筒シャフト組立体及びバルーンの組立>
上記の内筒シャフト組立体を外筒シャフト組立体に挿入し、内筒シャフト組立体を外筒シャフト組立体の先端側の端部をバルーン9で接着することでバルーンカテーテル100は形成される。
バルーンカテーテル100の形成の際、外筒シャフト組立体のシール部材8の位置が、内筒シャフト組立体の押込部材6の細径部における基端側の端部の位置になるように調整して、内筒シャフト組立体が外筒シャフト組立体に挿入される。その状態でシール部材8を避けて押込部材6の細径部上に抜け防止部材7を取り付け、外筒シャフト1の先端側端部と内筒シャフト4の先端側端部(中間チューブ5が外挿されていない部分)とにバルーン9が取り付けられ、これをバルーン9の自然長の状態として、バルーンカテーテル100が形成される。
バルーンカテーテル100の形成の際、内筒シャフト組立体のチューブ部分の剛性をさらに高めるためには、押込部材6のパイプ部分を外筒シャフト1のルーメンまで進入させることが好ましい。この場合、バルーンカテーテルの治療対象によってその長さを適宜設定すればよいが、大腿動脈から心臓弁にアプローチするような場合、600mm~900mmが好ましく、大腿静脈から左心房にアプローチするような場合、500mm~800mmが好ましい。
また、押込部材6のパイプ部分を外筒シャフト1まで進入させる場合、これに伴いバルーンカテーテルの長さに合わせて、内筒シャフト4及び中間チューブ5の長さが適宜調整されることとなる。内筒シャフト4の長さについては、大腿動脈から心臓弁にアプローチするような場合、200mm~400mmが好ましく、大腿静脈から左心房にアプローチするような場合、100mm~300mmが好ましい。
<長軸方向のひずみが5%の時の強度及び引張弾性率の測定方法>
ISO10555-1(Intravascular catheters-Sterile and single-use catheters-)を参照し、1kNロードセルを装着したテンシロン万能試験機(株式会社エー・アンド・デイ、型式:RTG-1250)にて評価を実施した。
具体的には、測定方向の長さが100mmとなるように試験片(中間チューブ、外筒シャフト、内筒シャフト)を切り出し、37℃±2℃に制御された純水に24時間浸漬し、純水から試験片を取り出してから5分以内に、テンシロン万能試験機(型式:RTG-1250;株式会社エー・アンド・デイ)を用いて、室温25℃±3℃、55%RH~65%RH環境下にて、原長(チャック間距離)20mm、引張り速度400mm/分で伸張して測定した。原長を100%とし、試験片が105%となった時の強度(N)を読み取り、長軸方向のひずみが5%の時の強度とした。
以下、本発明のバルーンカテーテルの具体的な実施例について、図1を交えて説明する。
(実施例1)
外層の材料をポリエーテルブロックアミド共重合体、中間層の材料をステンレス平角線による編組構造とし、内層の材料をPTFEとして、3層構造のチューブを成型した。この3層構造のチューブの一方の先端部に対しポリエーテルブロックアミド共重合体の単層チューブ(長さ4mm)を熱溶着により取り付け、ブレードチューブを作製した。このブレードチューブは、外径が3.1mm、内径が2.6mmであった。
次に、遠位側に細径部を有し、基端側に太径部を有する、1段の段差付のパイプ11(細径部の寸法は外径2mm、内径1.84mm、長さ7mm。太径部の寸法は、外径2.4mm、内径2.24mm、長さ3mm。ステンレス製)を用意し、アラミド繊維(長さが1200mm、直径が0.3mm)の端部を1段の段差付のパイプ11の段差に巻き付けて固定し、アラミド繊維をブレードチューブに貫通後、1段の段差付のパイプ11の太径部とブレードチューブ先端部とを接着剤により固定することで、外筒シャフト1を作製した。なお、外筒シャフト1の接着剤を含まないブレードチューブの中央部から100mm長のチューブを5本切り出し、試験片として用いて機械特性を評価したところ、長軸方向のひずみが5%の時の強度の平均値は8.5Nであった。
次に、把持部材3として、Oリングを嵌め込み可能なキャップ嵌合構造を備えるY型コネクターを用い、伸び防止部材2として、外筒シャフト1のルーメンの全長に渡り伸び防止部材2とするためアラミド繊維が張られるように配置させ、外筒シャフト1の基端側の端部外周上にアラミド繊維を折り返した状態で、外筒シャフト1の基端側の端部とY型コネクターのチューブ接続口を接着剤により固定した。
次に押込部材6として、持ち手部分を備えた、外径が3段のステンレス製のパイプを用意した。押込部材6において、径が異なる部分を、長手方向における基端側からそれぞれ太径部、中間部及び細径部とした時、太径部は、外径が2.1mm、長さが60mmであり、中間部は、外径が1.8mm、長さが10mmであり、中間部に外径が2.0mmのステンレス製のパイプを外挿し、押込部材6と溶接にて固定されており、太径部から中間部に移行するテーパー長さは0.5mm、細径部は、外径が1.16mm、長さが805mmであった。また、押込部材6としての最小内径は1.0mmであった。
続いて、押込部材6上に、把持部材3のネジ式のキャップと内径1.4mm、線径1.5mmのOリングとを外挿し、キャップを押込部材6の太径部、Oリングを押込部材6の中間部に溶接されているステンレス製のパイプよりも基端側、かつ、太径部とのテーパー部との間となるように配置した
内筒シャフト4は、ポリアミド製チューブ(外径1.3mm、内径0.94mm)の基端側の端部を拡径して、押込部材6の細径部の先端部に、接着剤により固定し、さらに、このチューブの遠位側の先端を拡径し、カテーテル先端ステンレスパイプ12(外径1.16mm、内径1.0mm、長さ7mm)をチューブのルーメンに嵌め込み、接着剤により固定し作成した。なお、内筒シャフト4の接着剤を含まないポリアミド製チューブ中央部より100mm長を5本切り出し、試験片として用いて機械特性(試験方法:ISO527)を評価したところ、長軸方向のひずみが5%の時の強度の平均値は、6.5Nであった。内筒シャフトの長軸方向のひずみが5%の時の強度に対する、外筒シャフト1の長軸方向のひずみが5%の時の強度は、130%であった。
中間チューブ5は、引張弾性率3.4GPa(試験方法:ASTM D790)ポリイミド製チューブ(内径1.35mm、外径1.47mm)を用いた。なお、この中間チューブ5は、内筒シャフト4の先端に取り付けられているカテーテル先端ステンレスパイプ12を接着する前に、中間チューブ5の基端側端部と押込部材6のパイプの細径部の先端とが接するよう、内筒シャフト4を構成するチューブに外挿され、中間チューブ5の基端側の端部の約2mm部分のみが内筒シャフト4に接着剤により固定されている。なお、中間チューブ5の接着剤を含まない中央部より100mm長を5本切り出し、試験片として用いて機械特性を評価し、それらの平均値を用いた。中間チューブの内径と内筒シャフトの外径とのクリアランスは、0.06mmであった。
X線造影マーカー10を中間チューブ5に1つ外挿し、X線造影マーカーの中心がバルーンの基端側端部から11.5mmの位置となるように接着剤で固定した。プラチナ・イリジウム合金製のX線造影マーカー10は、外径が1.60mm、内径が1.52mmの円筒形状とし、長さを4mmとした。なお、X線造影マーカー10は、内筒シャフト4の先端に取り付けられているカテーテル先端ステンレスパイプ12を接着する前に、中間チューブ5に外挿されている。
内筒シャフト4とチューブ5、押込部材6、X線造影マーカー10より構成される内筒シャフト組立体を、外筒シャフト組立体に挿通させ、把持部材3のキャップを把持部材3にはめ込み、シール部材8となるOリングを、押込部材6の中間部から太径部にOリングが乗り上げる際(内筒シャフト組立体と外筒シャフト組立体の摺動力と同義)が15Nとなるように締め付けた。そして、Oリング位置が、押込部材6の中間部の基端側の端部となるように調整し、これをバルーンカテーテル100のバルーンの自然長の状態とすることとした。
バルーンカテーテル100において、バルーン9は、3層構造で形成されている。内層のバルーンとして天然ゴムであり、内径4.0mm、片側膜厚0.3mmを、外筒シャフト1の段付きパイプの細径部上と内筒シャフト4のカテーテル先端ステンレスパイプ12上に各々0.2号のナイロンテグスを巻き付け後に接着剤で固定してこれを内側バルーンとし、さらにその上に、内径4.0mm、片側膜圧0.3mmの天然ゴムと、ポリウレタンとポリエステルより構成される仮撚糸で筒状に編まれたメッシュとをゴム糊により接着して構成された外側バルーンの組立体を配置させ、外筒シャフト1の1段の段付きパイプの細径部上と内筒シャフト4のカテーテル先端ステンレスパイプ12上に各々0.6号のナイロンテグスで巻き付けて接着剤で固定してこれを外側バルーンとした。
これにより、内層が天然ゴム、中間層がメッシュ、外層が天然ゴムの3層構造のバルーン9が得られた。また、カテーテルの長軸方向のバルーンの自然長25mm、拡張時のバルーン径が22mmとなるようにした。カテーテル長軸方向のバルーン収縮状態におけるバルーンの長さ25mmを100%としたとき、X線造影マーカーの中心部とバルーンの基端側端部からの距離は11.5mmであり、X線造影マーカーの中心部がバルーンの基端側端部から46%の位置に配置されるようにした。
(実施例2)
実施例1から、外筒シャフトのひずみ5%時の強度が8.5Nのブレードチューブを外筒シャフトのひずみ5%時の強度が10.0Nのブレードチューブに変え、内筒シャフトのひずみ5%時の強度が6.5Nのポリアミド製チューブを外筒シャフトのひずみ5%時の強度が10.0Nのポリアミド製チューブに変更した。また、カテーテル長軸方向のバルーン収縮状態におけるバルーンの長さ25mmを100%としたとき、X線造影マーカーの中心部がバルーンの基端側端部から30%の位置に配置されるように変更した。さらに、中間チューブは、引張弾性率1.3GPa(試験方法:ASTM D790)ポリ塩化ビニル(PVC)製チューブを用い、クリアランスを0.20mmに変更し、実施例2を作成した。
(実施例3)
実施例1から、外筒シャフトのひずみ5%時の強度が8.5Nのブレードチューブを外筒シャフトのひずみ5%時の強度が14.0Nのブレードチューブに変え、内筒シャフトのひずみ5%時の強度が6.5Nのポリアミド製チューブを外筒シャフトのひずみ5%時の強度が13.0Nのポリアミド製チューブに変更した。また、カテーテル長軸方向のバルーン収縮状態におけるバルーンの長さ25mmを100%としたとき、X線造影マーカーの中心部がバルーンの基端側端部から60%の位置に配置されるように変更した。さらに、中間チューブは、引張弾性率4GPa(試験方法:ASTM D790)ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製チューブを用い、クリアランスを0.01mmに変更し、実施例3を作成した。
(実施例4)
実施例1から、外筒シャフトのひずみ5%時の強度が8.5Nのブレードチューブを外筒シャフトのひずみ5%時の強度が7.0Nのブレードチューブに変え、内筒シャフトのひずみ5%時の強度が6.5Nのポリアミド製チューブを外筒シャフトのひずみ5%時の強度が10.0Nのポリアミド製チューブに変更した。また、カテーテル長軸方向のバルーン収縮状態におけるバルーンの長さ25mmを100%としたとき、X線造影マーカーの中心部がバルーンの基端側端部から10%の位置に配置されるように変更した。さらに、中間チューブは、引張弾性率0.5GPa(試験方法:ASTM D790)ポリエチレン(PE)製チューブを用い、クリアランスを0.8mmに変更し、実施例4を作成した。
(実施例5)
実施例1から、外筒シャフトのひずみ5%時の強度が8.5Nのブレードチューブを外筒シャフトのひずみ5%時の強度が15.0Nのブレードチューブに変え、内筒シャフトのひずみ5%時の強度が6.5Nのポリアミド製チューブを外筒シャフトのひずみ5%時の強度が9.5Nのポリアミド製チューブに変更した。また、カテーテル長軸方向のバルーン収縮状態におけるバルーンの長さ25mmを100%としたとき、X線造影マーカーの中心部がバルーンの基端側端部から80%の位置に配置されるように変更した。さらに、中間チューブは、引張弾性率8GPa(試験方法:ASTM D790)炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製チューブを用い、クリアランスを0.005mmに変更し、実施例4を作成した。
(実施例6)
実施例1から、外筒シャフトのひずみ5%時の強度が8.5Nのブレードチューブを外筒シャフトのひずみ5%時の強度が5.5Nのブレードチューブに変え、内筒シャフトのひずみ5%時の強度が6.5Nのポリアミド製チューブを外筒シャフトのひずみ5%時の強度が4.5Nのポリアミド製チューブに変更した。また、カテーテル長軸方向のバルーン収縮状態におけるバルーンの長さ25mmを100%としたとき、X線造影マーカーの中心部がバルーンの基端側端部から60%の位置に配置されるように変更した。さらに、中間チューブは、引張弾性率2.5GPa(試験方法:ASTM D790)ポリアセタール樹脂(POM)製チューブを用い、クリアランスを0.10mmに変更し、実施例4を作成した。
(比較例1)
中間チューブの接合位置を中間チューブの遠位端のみで内筒シャフトに固定した以外は実施例1と同様にして、比較例1を作成した。
(比較例2)
中間チューブを用いず、接着剤を用いて外筒シャフトの遠位側端部から7.5mmの位置の内筒シャフト上にX線造影マーカーを直接固定した以外は、実施例1と同様にして、比較例2を作成した。
(X線造影マーカー位置の評価法)
バルーン収縮状態のX線透視画像を撮影し、バルーン収縮時における外筒シャフトの先端に取り付けられている1段の段差付パイプ11の先端側端部から内筒シャフトの先端に取り付けられているカテーテル先端ステンレスパイプ12の基端側端部までの長さ(L)及びバルーン収縮状態の外筒シャフトの先端に取り付けられている1段の段差付パイプ11の先端側端部からX線造影マーカー10の中心までの長さ(L)を定規で測定した。
次に、生食液で5倍に希釈した造影剤でバルーンを拡張し、X線透視画像を撮影し、バルーン拡張状態における外筒シャフトの先端に取り付けられている1段の段差付パイプ11の先端側端部から内筒シャフトの先端に取り付けられているカテーテル先端ステンレスパイプ12の基端側端部までの長さ(L’)及びバルーン拡張状態における外筒シャフトの先端に取り付けられている1段の段差付パイプ11の先端側端部からX線造影マーカー10の中心までの長さ(L’)を定規で測定した。
(判定方法)
バルーン収縮状態並びにバルーン拡張状態における外筒シャフトの先端に取り付けられている1段の段差付パイプ11の先端側端部から内筒シャフトの先端に取り付けられているカテーテル先端ステンレスパイプ12の基端側端部までの長さ(L、L’)及びバルーン収縮状態並びにバルーン拡張状態における外筒シャフトの先端に取り付けられている1段の段差付パイプ11の先端側端部からX線造影マーカー10の中心までの長さ(L、L’)に基づいて、バルーン収縮状態に対するバルーン拡張状態の変化率を以下の式1から算出した。
((L×L’/(L‘×L)-1)×100)(%) ・・・式1
式1から得られた変化率が±20%以内であれば合格(特に±10%以内を最良(◎)、それ以外は良(〇)と区分)、それ以外は不合格(×)とし、その結果を表1及び表2に記載した。変化率が±20%以内であれば、手術においてバルーンの位置決めが容易であり、また、±10%以内であれば初心者でも容易に使える。
Figure 2023088410000002
Figure 2023088410000003
(評価結果)
表1及び表2に示したとおり、実施例1~4は、比較例1~2と比べてバルーン収縮状態とバルーン拡張状態に対しバルーンとX線造影マーカーの相対位置の変化が少なく、カテーテル操作性に優れていたことが示された。
本発明は、弁狭窄治療等の血管内治療に用いるバルーンカテーテル等の体内で使用する医療用バルーンカテーテルに好適に利用することができる。
1・・・外筒シャフト、2・・・伸び防止部材、3・・・把持部材、4・・・内筒シャフト、5・・・中間チューブ、6・・・押込部材、7・・・抜け防止部材、8・・・シール部材、9・・・バルーン、10・・・X線造影マーカー、11・・・1段の段差付のパイプ、12・・・カテーテル先端ステンレスパイプ、100・・・バルーンカテーテル

Claims (5)

  1. 可撓性を有する外筒シャフトと、
    前記外筒シャフトに挿入され、かつ、可撓性を有する内筒シャフトと、
    前記内筒シャフトに外挿され、かつ、前記中間チューブの基端側端部のみで前記内筒シャフトに固定されている中間チューブと、
    前記外筒シャフトの遠位側端部及び前記内筒シャフトの遠位側端部にそれぞれ接続された弾性材料からなる長軸方向に延伸可能なバルーンと、
    前記バルーンの内側に位置し、前記中間チューブ上に固定されたX線造影マーカーと、を備える、バルーンカテーテル。
  2. 前記内筒シャフト及び外筒シャフトの長軸方向のひずみが5%の時の強度は、それぞれ4.5~14.5N及び5.0~15.0Nであり、
    前記内筒シャフトの長軸方向のひずみが5%の時の強度に対する、前記外筒シャフトの長軸方向のひずみが5%の時の強度は、100%~160%である、請求項1記載のバルーンカテーテル。
  3. 前記中間チューブの引張弾性率は、1.3~4GPaである、請求項1又は2記載のバルーンカテーテル。
  4. 前記中間チューブの内径と前記内筒シャフトの外径とのクリアランスは、0.01~0.20mmである、請求項1~3のいずれか一項記載のバルーンカテーテル。
  5. バルーン収縮状態における長軸方向のバルーンの長さを100%としたとき、前記X線造影マーカーの中心部が前記バルーンの基端側端部から30~60%の位置に配置される、請求項1~4のいずれか一項記載のバルーンカテーテル。
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