JP2023088228A - 緩み止め座金 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単安価な構成で、振動によるボルトまたはナットの緩みに対して、座金との相乗作用により緩み止め作用の増加ができ、製造工程において、金型に与えるストレスを低減できる緩み止め座金を提供する。【解決手段】緩み止め座金は、ボルトとナットを螺合させる締結具により被締結体を締結する締結構造であり、締結具と被締結体との間には、締結具と一体に回動する板状の回動座金と、被締結体に固定する板状の固定座金を介在させ、回動座金は回転させる締結具に他方面を接合させて固定するとともに、固定座金は被締結体に他方面を接合させ、回動座金には係止部が一体に形成され、固定座金には係止部に係合して回動座金との離間を阻止する係合部が形成され、締結体が緩み方向に回動したとき、回動座金の斜面が固定座金の斜面を滑動して回動座金を軸方向に移動させ、締め付け方向に回転したとき回動座金と固定座金の段差を当接させるように構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、ナットおよびボルトからなる締結具により被締結体を螺合させる締結する締結構造に関し、詳しくは、締結具と被締結体との間に介在させて緩み止めを行う緩み止め座金に関する。
部品、部材を締め付け固定に使用する締結部材として、ナットおよびボルトは種々の分野に広く使用されている。これらのナットおよびボルトは、部品、部材を締め付けて固定するためのものであるが、これらの締結部分に振動が繰り返して作用するとナットやボルトが緩むという問題がある。このため、ナットやボルトの緩み止めを目的として、ダブルナットにより緩み止めを行う構造、或いは、座金を利用して緩み止めを行う構造など種々の構成が提案されている。
このうち、座金を利用した緩み止め構造としては、例えば、特開2015-17657号公報(特許文献1)、特開2011-220387号公報(特許文献2)、及び、実用新案登録第3113151号公報(特許文献3)に開示された緩み止めナットは、ナットの座面及び座金の表面にボルトの回転方向を許容する傾斜面と、ボルトの回転を阻止する回転阻止部を円周方向に複数並べて形成し、各々の回転阻止部に嵌入させることにより廻り止めを行うようにしている。
また、座金を利用して緩み止めを行う他の方法として、特開平10-153211号公報(特許文献4)に開示された緩み止めナットは、リング状のワッシャーの一方の面を緩やかな傾斜面に形成し、ナットを螺合して締め付けたとき、ナットが傾斜面によって傾斜させることにより、ボルトに対する面圧を高めて緩み止めを行うようにしている。
さらに、特開2019-39555号公報(特許文献5)に開示された締結具の緩み止め構造は、締結具の頭部と被締結体との間に座金を介在させ、座金の座面は直行する平面に形成し、座金の座面とは反対の座金接合面と、この座金に接合する締結具の頭部の頭部接合面の傾斜角度を、締結具のねじのリード角θ2の1.0~3.0倍の角度に傾斜した平面に形成している。そして、締結具が緩む方向に回転したとき、頭部接合面と座金接合面の傾斜により、互いに離間しようとして座金の座面が被締結体に押圧されて摩擦力が増大することにより、締結具の回動変位を阻止することにより緩み止めを行うようにしている。
特開2015-17657号公報 特開2011-220387号公報 実用新案登録第3113151号公報 特開平10-153211号公報 特開2019-39555号公報
特許文献1~3に例示した座金を使用した緩み止め構造は、ナットの座面及び座金の表面に傾斜面と回転阻止部を形成し、回転阻止部によって廻り止めを行うようにしているが、ナットを回転させて傾斜面を乗り越えて回転阻止部に嵌入したときには、ナットが軸方向の緩み方向に移動するため、ナットの緩み止め作用が低減するとともに、座金の摩擦力も低減する。このため、振動が繰り返されると、締め付け力が低下したナットと座金が一緒に回転するので、緩み止め効果を失う問題があった。
また、特許文献4に例示した座金を使用した緩み止め構造は、リング状のワッシャーの一方の面に緩やかな傾斜面に形成し、この傾斜面によってナットを傾斜させてボルトに対する面圧を高めるようにしている。しかし、ナットを傾斜させることによりボルトを強制的に屈曲させることになり、ボルトに対するストレスが増加するため、寿命を低下させる要因となる問題があった。また、ナットの一方面の全面をワッシャーの傾斜面に接合しない場合には、ナットがワッシャーの一部に当接するのみであり、摩擦力が著しく低下するため、やはり緩み止め効果を失うことが問題となる。
さらに、特許文献4に開示した緩み止め構造は、締結具が緩み方向に回転するに連れて軸力が増大するとともに、摩擦力が増大することから、緩み止め効果を発揮するとされている。しかし、締結具の頭部接合面と座金の座金接合面を傾斜させていることから、この傾斜面をプレス加工により形成するとき、金型のパンチが傾斜面によって傾斜する圧力が加わることから、パンチに大きなストレスが生じて寿命を著しく短くしてしまう問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、一般のボルト部材またはナット部材に使用することにより、緩み止め効果を発揮することができる緩み止め座金を提供することにある。
そこで、本発明による緩み止め座金は、ボルト部材とナット部材を螺合させる締結具により被締結体を締結する締結構造であって、前記締結具と前記被締結体との間には、前記締結具と一体に回動する板状の回動座金と、前記被締結体に接合される板状の固定座金を介在させ、前記回動座金は、前記固定座金と対向する一方面に、段差を有する偶数個の高所が等間隔に形成され、前記高所と前記一方面の間に前記締結具のリード角方向と同じ傾斜の斜面部が形成され、他方面を前記締結具に接合させて固定され、前記固定座金は、前記回動座金と対向する一方面に、段差を有する偶数個の高所が前記回動座金と同じ間隔に形成され、前記高所と前記一方面の間には前記締結具のリード角方向と同じ傾斜の斜面部を形成するとともに、他方面は前記被締結体に接合される平面に形成され、前記回動座金には係止部が一体に形成され、前記固定座金には前記係止部に係合して前記回動座金と合体させ、前記回動座金を締め付け方向に回動したとき前記係止部が離脱する係合部が形成され、前記締結体が締め付け方向に回転したとき前記回動座金と前記固定座金の段差を当接させ、前記締結体が緩み方向に回動したとき、前記回動座金の斜面部が前記固定座金の斜面を滑動して前記回動座金を軸方向に移動させることを要旨としている。
また、回転させる前記締結具に他方面を接合させて固定する前記回動座金には、前記締結具の頭部に嵌合させる起立片を形成するようにしている。
さらに、前記回動座金に形成された係止部は半径方向に突出した突片を形成し、前記固定座金に形成された係合部は一方面側に略L字状の係止片を形成し、非締結状態では前記突片を前記係合片に嵌合させて離間を阻止し、前記締結体を締め付け方向に回動したときには、係合を解除させるようにしている。
さらにまた、前記固定座金の前記被締結体に接合する他方面の面積は、前記回動座金の斜面部と前記固定座金の傾斜部が接合する面積よりも大きく形成している。
また、前記固定座金の斜面部の角度は、前記締結体のリード角の0.5~1倍の範囲としている。
本発明によれば、締結具と被締結体との間に、締結具と一体に回動する板状の回動座金と、被締結体に固定する板状の固定座金を介在させ、これら回動座金と固定座金にはリード角方向と同じ傾斜の斜面部を形成し、回動座金は回転させる締結具に接合させて固定し、固定座金は被締結体に接合させることにより、振動が加えられたボルト部材またはナット部材の締結具が回動したとき、回動座金と固定座金の斜面によって互いに離間しようとして座金の座面は被締結体に押圧して摩擦力が増大する一方、締結具は、雄ねじと雌ねじが押圧されて摩擦力が増大することから、締結具の回動変位が阻止される。この結果、締結具が不動となるので緩みを防止することができる。
また、回動座金と固定座金は、ボルト部材またはナット部材からなる締結具と被締結体との間に設置することにより緩み止め効果を発揮させることができる、これにより、特別な緩み止め用の構成を施した締結具でなくとも、一般市販のボルト部材またはナット部材に回動座金と固定座金を使用することにより、所用の緩み止め効果を発揮させることができる。
さらに、回動座金に締結具の頭部に嵌合させる起立片を形成することにより、ボルト部材またはナット部材からなる締結具と回動座金が一体化され、締結具が回転することにより、回動座金が一体に回転するので、固定した固定座金との間で緩み止め作用を行うことができる。
さらにまた、回動座金に突片を形成し、固定座金に係合部を形成することにより、未使用時には、係合部に突片を係合させることにより、回動座金と固定座金を一体化することが可能となる。この一体化した状態で装着し、締結体を締め付け方向に回動することにより係合が解除され、自動的に緩み止め作用が行える状態に移行させることができる。
また、固定座金の被締結体に接合する他方面の面積を、回動座金の斜面部と固定座金の傾斜部が接合する面積よりも大きく形成することにより、締結体が緩み方向に回動したとき、固定座金は被締結体との大きな摩擦力により不動状態となり、回動座金の斜面部が小さな摩擦力で固定座金の傾斜部を滑動するので、締結体を固定座金から離間させて容易に緩み止め作用を行うことが可能となる。
本発明に関わる緩み止め座金によるの締結状態を示す正面図である。 図1に示す緩み止め座金の要部拡大正面図である。 回動座金を示す平面図である。 図3のA-A断面図である。 図3のB-B断面図である。 回動座金を示す斜視図である。 固定座金を示す平面図である。 図7のC-C断面図である。 図7のD-D断面図である。 図7のE-E断面図である。 図7のF-F断面図である。 (A)(B)(C)は、緩み止め作用を示す説明図である。 本発明に関わる緩み止め座金における回動座金の第2の実施例を示す平面図である。 図12のA-A断面図である。 第2の実施例の回動座金を締結具に設けた状態を示す側面図である 本発明に関わる緩み止め座金における固定座金の第2の実施例を示す平面図である。 本発明に関わる緩み止め座金をボルト部材に適用した実施例を示す正面図である。 ボルト部材に回動座金及び固定座金を装着した状態を示す正面図である。 ボルト部材に回動座金を装着した変形例を示す正面図である。
本発明の緩み止め座金は、ボルト部材とナット部材を螺合させる締結具により被締結体を締結する座金であって、前記締結具と前記被締結体との間には、前記締結具と一体に回動する板状の回動座金と、前記被締結体に接合される板状の固定座金を介在させ、前記回動座金は、前記固定座金と対向する一方面に、段差を有する偶数個の高所が等間隔に形成され、前記高所と前記一方面の間に前記締結具のリード角方向と同じ傾斜の斜面部が形成され、他方面を前記締結具に接合させて固定され、前記固定座金は、前記回動座金と対向する一方面に、段差を有する偶数個の高所が前記回動座金と同じ間隔に形成され、前記高所と前記一方面の間には前記締結具のリード角方向と同じ傾斜の斜面部を形成するとともに、他方面は前記被締結体に接合される平面に形成され、前記回動座金には係止部が一体に形成され、前記固定座金には前記係止部に係合して前記回動座金と合体させ、前記回動座金を締め付け方向に回動したとき前記係止部が離脱する係合部が形成され、前記締結体が締め付け方向に回転したとき前記回動座金と前記固定座金の段差を当接させ、前記締結体が緩み方向に回動したとき、前記回動座金の斜面部が前記固定座金の斜面を滑動して前記回動座金を軸方向に移動させている。
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。図1、図2は、本発明に関わる緩み止め座金の実施例を示し、締結具としてのナット部材により被締結体を締結した状態を示している。例えば金属板からなる基板1には貫通孔1aが形成され、この貫通孔1aにボルト部材2のねじ部2aが挿通されている。この基板1には、貫通孔3aが形成された金属板からなる被締結体3が重合されていて、貫通孔3aにボルト部材2のねじ部2aが挿通されている。ボルト部材2のねじ部2aの先端側は、被締結体3よりも突出している。ボルト部材2は一般の市販品であり、頭部の座面2bは基板1に面接合され、締め付け状態では摩擦作用によって不動となっている。被締結体3から突出したボルト部材2の先端側には、重合された回動座金6と固定座金7を介在してナット部材5が螺合されている。ナット部材5の頭部5aは、市販のナットの規格に従った寸法の六角ナット状に形成されている。
回動座金6は、図3乃至図6に示すように、金属板によって形成されている。この金属板は、弾性を有する鋼板或いはステンレス板が好適である。また、板厚はナット部材5の径によって異なるが、概ね0.2mm~2mmとしている。この回動座金6は、図3に示すように、固定座金7と対向する一方面6aに、偶数個の段差6bを有する高所6cが等間隔に形成され、この高所6cと一方面6aの間は、図4に示すように、ナット部材5或いはボルト部材2のねじ部2aのリード角方向と同じ傾斜方向の斜面部6dが形成されている。斜面部6dの傾斜角度は、ねじ部2aのリード角と同じ角度からリード角の1/3の角度の範囲、すなわち、締結体であるナット部材5のリード角の0.3~1倍の範囲に設定することが好ましい。因みに、斜面部6dの傾斜角度は、ナット部材5のリード角が例えば3度の場合、斜面部6dが2個のときは、リード角に対して、斜面部個数分の1である1.5度に設定される。この傾斜角度は、後述する固定座金7の傾斜部7dとの摺動摩擦に応じて適宜変更し、摺動摩擦が大きい場合にはリード角の0.3倍までの緩やかな傾斜角度とし、摺動摩擦が小さい場合にはリード角と同じ程度にする。しかし、傾斜角度をリード角以上に設定すると、ナット部材5の緩みによる移動が抑制されることがあり好ましくない。さらに、高所6cの高さは、金属板の板厚程度であれば良い。そして、回動座金6の他方面6eは平面に形成されている。また、回動座金6の中央には、ボルト部材2ねじ部2aを挿通する透孔6fが形成されている。
斜面部6dは、図5に示すように、エンボス加工によって形成することが好ましく、透孔6fと同心円の円弧状に形成している。エンボス加工によって斜面部6dを形成した場合には、ナット部材5を締め付けたときに、斜面部6dの形状を保持することが可能となる。この斜面部6dは、半抜き加工によって形成しても良い。
さらに、回動座金6には、舌片状の係止部6gが一体に放射方向に突出形成している。さらに、回動座金6は、ナット部材5の頭部5aと同じ六角形に形成され、外縁から他方面6eに向けて屈曲した起立片6hが複数個所に形成されている。この起立片6hの内方寸法は、市販のナットの規格に従ったナット部材5の頭部5aの寸法に合わせ、軽圧入されるように設定している。起立片6hの高さは、ナット部材5の頭部5aの高さに対して2分の1以下、好ましくは、3分の1程度に設定する。これは、頭部5aにスパナやレンチ等の工具が直接接触可能にするためである。
一方、固定座金7は、回動座金6と同様に弾性を有する鋼板或いはステンレス板からなる金属板によって形成されている。この板厚はナット部材5の径によって異なるが、概ね0.2mm~2mmとしている。この固定座金7は、図7に示すように、略円形に形成され、回動座金6と対向する一方面7aに、偶数個の段差7bを有する高所7cが等間隔に形成され、この高所7cと一方面7aの間は、図8に示すC-C断面図のように、ナット部材5或いはボルト部材2のねじ部2aのリード角方向と同じ傾斜方向の斜面部7dが形成されている。斜面部7dの傾斜角度は、前述した回動座金6と同じように、ねじ部2aのリード角と同じ角度からリード角の1/2の角度範囲が好ましい。また、高所7cの高さは、金属板の板厚程度であれば良い。そして、固定座金7の他方面7eは平面に形成されている。また、固定座金7の中央には、ボルト部材2ねじ部2aを挿通する透孔7fが形成されている。さらに、斜面部7dの高所7cとは反対側の基端となる部位には、図11のF-F断面図に示す当接部7gが形成されている。この当接部7gの高さは、高所7cの高さと同じとしている。
さらに、固定座金7の一方面7aの外縁には、係止片7hが形成されている。係止片7hは、図9のD-D断面図に示すように、略L字状に形成され、固定座金7の一方面7aと係止片7hの内面との間隔は、前述した回動座金6の係止部6gの板厚とほぼ同じに設定され、係止部6gが係止片7hの内方に軽圧入されるようにしている。略L字状に形成された係止片7hは、ナット部材5を締め付け方向が開放されていて、ナット部材5を回動したときに係止部6gが離脱するようにしている。
固定座金7の斜面部7dは、図10に示すように、エンボス加工によって形成することが好ましく、透孔7fと同心円の円弧状に形成している。エンボス加工によって斜面部7dを形成した場合には、ナット部材5を締め付けたときに、斜面部7dの形状を保持することが可能となる。この斜面部7dは、半抜き加工によって形成しても良い。
次に、上述した緩み止め座金の緩み止め作用について説明する。回動座金6と固定座金7からなる緩み止め座金は、両者が一体に合体させていることが好ましい。図12(A)(A-1)に示すように、固定座金7の外縁に形成された係止片7hの内方には、回動座金6の係止部6gを軽圧入し、未使用な状態では両者が離脱しないようにしている。この状態では、図12(A-2)に示すように、回動座金6の傾斜部6dと固定座金7の傾斜部7dは、回動座金6の段差6bが斜部7dの中間部に位置するように接合している。
そして、回動座金6の起立片6hをナット部材5の外縁に軽圧入的に嵌合することにより装着する。その後、ナット部材5を図12(A-2)に示す矢示の締め付け方向に回転すると、固定座金7の係止片7hから回動座金6の係止部6gが離脱するとともに、回動座金6の傾斜部6dが固定座金7の傾斜部7dを摺動し、図12(B)(B-1)に示すように、回動座金6の段差6bが固定座金7の当接部7gに当接する。その後、ナット部材5を所定のトルクで締め付けることにより、基板1に金属板からなる被締結体3が締結される。この状態では、平面に形成されている固定座金7の他方面7eは、被締結体3の表面に面接合し、大きな摩擦力で不動状態となっている。
被締結体3及びナット部材5に外部から振動が与えられると、ナット部材5と一体に回動座金6が緩み方向である矢示の反時計方向に回転する。これにより、図12(C)(C-1)に示すように、回動座金6の傾斜部6dが固定座金7の傾斜部7dを摺動して移動する。このとき、固定座金7は、被締結体3の表面に摩擦力で面接合しているので不動状態となっている。なお、ナット部材5の緩み方向への回転トルクは、固定座金7と被締結体3の摩擦力に比較して大幅に小さいことが分かっていることから、緩みは生じた場合には、ナット部材5と回動座金6のみが緩み方向に回転する。
回動座金6が移動することにより、両者の傾斜部6d、7dの傾斜によって、回動座金6とナット部材5が図12(C-2)に示すように上昇する一方、固定座金7が被締結体3方向に押圧される。この結果、ナット部材5とボルト部材2の両ねじ部のねじ山が押圧され、摩擦力が増大することから、ナット部材5の緩み方向の回転が阻止される、一方、固定座金7が被締結体3方向に押圧されて摩擦力が増大する。この結果、ナット部材5が緩み方向に回転することにより、両者の傾斜部6d、7dの傾斜によって、回動座金6が固定座金7から離間しようとして、両ねじ部の押圧力がさらに増大するするとともに、固定座金7と被締結体3の摩擦力が増大するので、ナット部材5が緩むことにより、逆に緩み止め作用が増大する。
ナット部材5を緩めるときは、一般的なナットと同様に、ナット部材5を緩み方向に回転する。ナット部材5を緩める初期には、上述した緩み止め作用のために緩み難いが、ナット部材5の回転を続けると、固定座金7と被締結体3との摩擦力を超えるか、或いは、回動座金6と固定座金7の傾斜部6d、7dの弾性によって沈下し、ナット部材5の回転を継続することができる。その後、固定座金7の係止片7hの内方に回動座金6の係止部6gが挿入し、初期の状態に復帰する。また、ナット部材5を緩み方向に回転するとき、ナット部材5とともに固定座金7を同時に回転させることにより、容易に緩めることができる。
図13乃至図16は、本発明の緩み止め座金の第2の実施例を示している。なお、前述した実施例と同符号は同部品を示し、詳細な説明は省略する。第2の実施例においては、回動座金をナット部材5に溶接または接着して一体化している。回動座金10は、前述した回動座金6と同様に、斜面部10dが回動座金6と対向する一方面10aに、エンボス加工又は半抜き加工によって円弧状に形成されている。この回動座金10においては、図14のA-A断面図に示すように、斜面部10dの長さを前述した実施例における回動座金6よりも短くしている。この斜面部10dにおいても、前述した回動座金7と同様に、高所が形成されている。また、回動座金10の外縁には、係止部10iが放射方向に突出形成されている。そして、回動座金6の他方面10bはナット部材5に面接合され、図13に示す実施例においては、2個所をスポット溶接による溶接部10jとして一体化している。
一方、図16に示す固定座金7は、前述した固定座金7と同様であるが、円弧状の傾斜部7dの長さを短くしている、これは、ナット部材5が緩み方向に回転を開始した後、緩み止め作用の効果を生ずるまでの回転角は、数度から10度の範囲であることから、これに対応させ、若干の余裕を持たせて、開角度を20度程度にしている。
次に、第2の実施例における緩み止め作用について説明する。前述した実施例と同様に、回動座金10と固定座金7からなる緩み止め座金は、両者が合体させている。そして、ナット部材5を締め付け方向に回転し、回動座金10の段差10bを固定座金7の当接部7gに当接させ、ナット部材5を所定のトルクで締め付ける。
被締結体3及びナット部材5に外部から振動が与えられると、ナット部材5と一体に回動座金10が緩み方向に回転し、回動座金10の傾斜部10dが固定座金7の傾斜部7dを摺動して移動する。回動座金10が回転移動することにより、両者の傾斜部10d、7dの傾斜によって、回動座金10とナット部材5が上昇する一方、固定座金7が被締結体3方向に押圧されるとともに、固定座金7が被締結体3方向に押圧されて摩擦力が増大する。この結果、ナット部材5が緩み方向に回転することにより、両者の傾斜部10d、7dの傾斜によって、回動座金6が固定座金7から離間しようとして、両ねじ部の押圧力がさらに増大するとともに、固定座金7と被締結体3の摩擦力が増大するので、ナット部材5が緩むことにより、逆に緩み止め作用が増大する。
図17、図18は、本発明の緩み止め座金を一般の市販品のボルト部材2に適用した例を示している。図17に示すボルト部材2の頭部2cには、ねじ部2a側に図3に示した回動座金6と、図7に示した固定座金7が装着されている。この回動座金6及び固定座金7の構成は前述したものと同じであり、詳細な説明は省略する。図17に示す例えば金属板からなる基板20には螺孔20aが形成され、この螺孔20aにボルト部材2のねじ部2aが螺合される。この基板20には、貫通孔3aが形成された金属板からなる被締結体3が重合されていて、貫通孔3aにボルト部材2のねじ部2aが挿通されている。このボルト部材2の頭部2cは、市販のボルトの規格に従った寸法の六角状に形成されている。
回動座金6と固定座金7は、前述した図12(A)示すように、固定座金7の外縁に形成された係止片7hの内方に、回動座金6の係止部6gを軽圧入することにより合体されている。さらに、ボルト部材2の頭部2cに、回動座金6の起立片6hを軽圧入することにより、回動座金6と固定座金7がボルト部材2の頭部に合体された状態で装着される。
このように回動座金6と固定座金7を装着した状態で、通常のようにボルト部材2のねじ部2a被締結体3貫通孔3aを介して基板20の螺孔20aに螺合する。そして、ボルト部材2を締め付け方向に回転すると、前述した実施例と同様に、固定座金7の係止片7hから回動座金6の係止部6gが離脱するとともに、回動座金6の傾斜部6dが固定座金7の傾斜部7dを摺動し、回動座金6の段差6bが固定座金7の当接部7gに当接する。その後、ナット部材5を所定のトルクで締め付けることにより、基板20に金属板からなる被締結体3が締結される。
被締結体3及びボルト部材2に外部から振動が与えられたときは、前述した実施例と同様に、ボルト部材2と一体に回動座金6が緩み方向に回転する。これにより、回動座金6の傾斜部6dが固定座金7の傾斜部7dを摺動して移動する。このとき、固定座金7は、被締結体3の表面に摩擦力で面接合しているので不動状態となっている。このように、回動座金6が移動することにより、両者の傾斜部6d、7dの傾斜によって、回動座金6とボルト部材2が上昇する一方、固定座金7が被締結体3方向に押圧される。この結果、ナット部材5とボルト部材2の両ねじ部のねじ山が押圧され、摩擦力が増大することから、ボルト部材2の緩み方向の回転が阻止される、一方、固定座金7が被締結体3方向に押圧されて摩擦力が増大する。この結果、ボルト部材2が緩み方向に回転することにより、両者の傾斜部6d、7dの傾斜によって、回動座金6が固定座金7から離間しようとして、両ねじ部の押圧力がさらに増大するとともに、固定座金7と被締結体3の摩擦力が増大するので、ボルト部材2が緩むことにより、逆に緩み止め作用が増大する。
図19は、前述した図13~図15に示した実施例と同様に、回動座金10をボルト部材2の頭部2cに溶接または接着して一体化した例であり、前述したナット部材5と同様であり、詳細な説明は省略する。
以上、本発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。ボルト及びナットは、JISねじ、インチねじのいずれにも適用可能であり限定されるものではない。
1 基板
2 ボルト部材
2a ねじ部
3 被締結体
5 ナット部材
5a 頭部
6 回動座金
6a 一方面
6b 段差
6c 高所
6d 傾斜部
6e 他方面
6g 係止部
6h 起立片
7 固定座金
7a 一方面
7b 段差
7c 高所
7d 傾斜部
7g 当接部
7h 係止片

Claims (5)

  1. ボルト部材とナット部材を螺合させる締結具により被締結体を締結する締結構造であって、
    前記締結具と前記被締結体との間には、前記締結具と一体に回動する板状の回動座金と、前記被締結体に接合される板状の固定座金を介在させ、
    前記回動座金は、前記固定座金と対向する一方面に、段差を有する偶数個の高所が等間隔に形成され、前記高所と前記一方面の間に前記締結具のリード角方向と同じ傾斜の斜面部が形成され、他方面を前記締結具に接合させて固定され、
    前記固定座金は、前記回動座金と対向する一方面に、段差を有する偶数個の高所が前記回動座金と同じ間隔に形成され、前記高所と前記一方面の間には前記締結具のリード角方向と同じ傾斜の斜面部を形成するとともに、他方面は前記被締結体に接合される平面に形成され、
    前記回動座金には係止部が一体に形成され、前記固定座金には前記係止部に係合して前記回動座金と合体させ、前記回動座金を締め付け方向に回動したとき前記係止部が離脱する係合部が形成され、
    前記締結体が締め付け方向に回転したとき前記回動座金と前記固定座金の段差を当接させ、前記締結体が緩み方向に回動したとき、前記回動座金の斜面部が前記固定座金の斜面を滑動して前記回動座金を軸方向に移動させることを特徴とする緩み止め座金。
  2. 回転させる前記締結具に他方面を接合させて固定する前記回動座金には、前記締結具の頭部に嵌合させる起立片を形成した請求項1に記載の緩み止め座金。
  3. 前記回動座金に形成された係止部は半径方向に突出した突片を形成し、前記固定座金に形成された係合部は一方面側に略L字状の係合片を形成し、非締結状態では前記突片を前記係合片に嵌合させて離間を阻止し、前記締結体を締め付け方向に回動したときには、係合を解除させる請求項2に記載の緩み止め座金。
  4. 前記固定座金の前記被締結体に接合する他方面の面積は、前記回動座金の斜面部と前記固定座金の傾斜部が接合する面積よりも大きく形成した請求項1に記載の緩み止め座金。
  5. 前記固定座金の斜面部の角度は、前記締結体のリード角の0.5~1倍の範囲とした請求項1に記載の緩み止め座金。
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