JP2023088140A - 中空構造板の製造方法 - Google Patents

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Kenji Ito
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Abstract

Figure 2023088140000001
【課題】折れやしわの発生を抑制し、安定して連続生産することが可能な中空構造板の製造方法を提供すること。
【解決手段】立壁により隔てられた中空部が間隔をあけて複数形成された熱可塑性樹脂を含む中空構造部と、前記中空構造部の少なくとも一方の面に積層された1又は複数枚の、熱可塑性樹脂を含む表面材及び/又は表皮材と、からなる中空構造板の製造方法であって、熱可塑性樹脂を含むシートから前記中空構造部を作製する中空構造部作製工程と、前記中空構造部に前記表面材及び/又は表皮材を積層する積層工程と、を少なくとも有し、前記中空構造部作製工程では、前記中空部が複数形成されない非加工部を除去する、中空構造板の製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、中空構造板の製造方法に関する。より詳しくは、立壁により隔てられた中空部が間隔をあけて複数形成された熱可塑性樹脂を含む中空構造部と、前記中空構造部の少なくとも一方の面に積層された1又は複数枚の、熱可塑性樹脂を含む表面材及び/又は表皮材と、からなる中空構造板の製造方法に関する。
樹脂製の中空構造板は、耐衝撃強度や耐圧縮強度などに優れ、取り扱いも容易であることから、建築材料、梱包用ケース、通い箱などの容器類、表面保護包装材、仕切り板、乗物の内装などを構成する装飾材料等の幅広い用途で利用されている(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。
特開2008-260309号公報 特開2006-1036号公報
しかしながら、中空構造板の製造過程において、中空構造板を形成する中空構造部に折れやしわが発生し、中空構造板を安定して連続生産することが困難であるという問題があった。
そこで、本発明では、折れやしわの発生を抑制し、安定して連続生産することが可能な中空構造板の製造方法を提供することを主目的とする。
本願発明者が鋭意実験検討を行った結果、中空構造板の製造過程のうち、中空構造部を作製する工程に着目し、該工程において非加工部を除去することで、折れやしわの発生を抑制し、安定して連続生産することが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明では、立壁により隔てられた中空部が間隔をあけて複数形成された熱可塑性樹脂を含む中空構造部と、前記中空構造部の少なくとも一方の面に積層された1又は複数枚の、熱可塑性樹脂を含む表面材及び/又は表皮材と、からなる中空構造板の製造方法であって、熱可塑性樹脂を含むシートから前記中空構造部を作製する中空構造部作製工程と、前記中空構造部に前記表面材及び/又は表皮材を積層する積層工程と、を少なくとも有し、前記中空構造部作製工程では、前記中空部が複数形成されない非加工部を除去する、中空構造板の製造方法を提供する。
本発明において、前記中空構造部作製工程では、前記シートを真空成形して前記中空構造部を作製してもよい。
本発明において、前記中空構造部作製工程における前記非加工部の除去は、溶融状態又は軟化状態の前記シートが固化した後に行われてもよい。
本発明において、除去後の前記非加工部をペレタイズするペレタイズ工程を更に有していてもよい。
本発明において、除去後の前記非加工部を巻き取る巻取工程を更に有していてもよい。
本発明において、前記中空構造部の目付は、300g/m以上であってもよい。
本発明によれば、折れやしわの発生を抑制し、安定して連続生産することが可能な中空構造板の製造方法を提供することができる。
なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
中空構造板1の製造方法の第1実施形態を模式的に示す図である。 中空構造板1の製造方法の第2実施形態を模式的に示す図である。 中空構造板1の製造方法の第3実施形態を模式的に示す図である。 Aは、中空構造板1の第1実施形態を模式的に示す図であり、Bは、中空構造板1の第2実施形態を模式的に示す図である。 Cは、中空構造板1の第3実施形態を模式的に示す図であり、Dは、中空構造板1の第4実施形態を模式的に示す図である。 Eは、中空構造板1の第5実施形態を模式的に示す図である。 Sは、中空構造板作製工程における中空構造部11の実施形態の一例を模式的に示す図であり、Tは、Sにおける矢印方向から視た状態を模式的に示す図であり、Uは、TにおけるP-P線端面を模式的に示す図である。
1.中空構造板1
以下、本発明に係る製造方法により製造される中空構造板1について詳細に説明する。
中空構造板1は、中空構造部11と、表面材及び/又は表皮材(12,13)と、からなる。
本発明に係る製造方法により製造された中空構造板1は、後述する実施例に示すように、折れやしわの発生が抑制されており、表面性や見栄えが良好である。
中空構造板1の目付は特に限定されないが、200g/m以上6000g/m以下とすることが好ましく、300g/m以上4000g/m以下とすることがより好ましい。これにより、中空構造板1の軽量化を図ることができる。
中空構造板1は、その端面を任意の形状に加工することができる。具体的には、例えば、端面が切りっぱなしでもよく、端面を、C形状等に加工したり、垂直端面となるよう封止したり、R形状に封止したりしてもよい。更に、本発明では、中空構造板1の端面に機能性を付与するため、端面にエッジ材等を貼り合わせることもできる。
(1)中空構造部11
中空構造部11は、立壁により隔てられた中空部111が間隔をあけて複数形成された熱可塑性樹脂を含む。また、中空構造部11の少なくとも一方の面には、1又は複数枚の熱可塑性樹脂を含む表面材及び/又は表皮材(12,13)が積層される。なお、本発明では、中空構造部11と表面材及び/又は表皮材(12,13)との間には、部分的に僅かな隙間が空いていてもよい。また、本発明において、中空構造部11に積層される表面材及び/又は表皮材(12,13)の枚数は、特に限定されない。
中空構造部11において仮想される水平面と立壁とがなす角度(傾斜角)θ1(図7のU参照)は特に限定されないが、中空構造板1の外側から荷重をかけた際に、十分な強度を得るため、立壁に傾斜角がある方が好ましい。立壁に傾斜角がある場合、傾斜角θ1は、45°以上とすることが好ましい。傾斜角θ1を45°以上とすることで、更に十分な強度が得られる。また、傾斜角θ1は、80°未満とすることが好ましい。傾斜角θ1を80°未満とすることで、中空構造部11を真空形成した場合等において、中空構造部11の厚みが薄くなり過ぎることを防ぎ、且つ、立壁のフィルム化も防止できるため、十分な強度が得られる。
また、傾斜角θ1は、50°以上75°未満とすることがより好ましい。これにより、中空構造板1の剛性を高めることができる。また、座屈等による変形を防ぎ、中空構造板1の形状保持性を向上させることができる。なお、中空構造板1において、傾斜角θ1は、常に一定でなくてもよく、立壁が中心軸に対して非対称な形状であってもよい。
立壁の高さh(図7のU参照)は特に限定されないが、1mm以上とすることが好ましい。立壁の高さhを1mm以上とすることで、剛性が高い中空構造板1を得ることができる。また、立壁の高さhは、50mm以下とすることが好ましい。立壁の高さhを50mm以下とすることで、中空部111として後述する中空状の凸部を採用した場合、該凸部の側壁部分が薄くなり過ぎるのを防ぎ、中空構造部11の変形を防ぐことができる。
立壁の厚みも特に限定されないが、0.1mm以上とすることが好ましい。立壁の厚みを0.1mm以上とすることで、座屈等の変形を防ぎ、中空構造板1の形状保持性を向上させることができる。また、本発明において、立壁の一部又は全部に段差を設けたり、ウェーブを設けたりしてもよい。
中空構造部11の材質は、熱可塑性樹脂からなる。また、必要に応じて、成形性や機械物性向上のため、前記熱可塑性樹脂に無機物が添加されていてもよい。無機物を含有する場合、従来公知の方法により、所望の含有比率(例えば、0.5質量%以上)で、熱可塑性樹脂に適宜配合され得る。更に、本発明では、中空構造部11や後述する表面材を形成する熱可塑性樹脂には、難燃性、導電性、濡れ性、滑り性、耐候性などを向上させるために、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、導電剤、抗菌剤、難燃剤、光安定剤、滑剤等を適宜添加してもよい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール等が挙げられる。本発明では、これらの中でも特に、コスト、成形性、重量及び物性の観点から、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、ポリプロピレンブロックコポリマー等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。また、高い剛性を得るため、ABS樹脂、ポリカーボネート等のエンジニアリング・プラスチックを用いることもできる。また、顔料等の着色剤を用いて、必要に応じて、適宜着色されていてもよい。
前記無機物としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、鉄、亜鉛等の珪酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、酸化物、又はこれらの水和物、無機繊維等が挙げられる。具体的には、例えば、タルク、カオリン等のクレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、リン酸マグネシウム、硫酸バリウム、珪砂、カーボンブラック、ゼオライト、モリブデン、珪藻土、セリサイト、シラス、亜硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、チタン酸カリウム、ベントナイト、ウォラストナイト、ドロマイト、黒鉛、ガラス繊維、マイクロガラス、炭素繊維、セラミック繊維、ロックウール等が挙げられる。なお、これら無機物は、合成法により調製されたものであってよく、天然由来のものであってもよい。また、これら無機物のうち1種又は2種類以上を選択して用いてもよい。
なお、中空構造部11や後述する表面材及び/又は表皮材(12,13)は、同一の材料で形成されていてもよく、熱融着可能な範囲で、相互に異なる材料で形成されていてもよい。
中空構造部11の具体的な構造は特に限定されず、例えば、少なくとも一方の面に中空部111として中空状の凸部が複数形成された1枚の熱可塑性樹脂シートからなる構造(図4及び5のA~C参照)、ハニカム構造の中空部111が複数形成された熱可塑性樹脂シートからなる構造(図5のD参照)、又は少なくとも一方の面に中空部111として中空状の凸部が複数形成された2枚の熱可塑性樹脂シートからなる構造(図6のE参照)などが挙げられる。本発明では、これらの中でも特に、少なくとも一方の面に、中空部111として中空状の凸部が複数形成された1又は2枚の熱可塑性樹脂シートからなる構造が好ましい。なお、本発明では、中空構造部11の一部に流路が存在する構造を採用することもできる。この場合、該流路の形状、該流路の断面構造、該流路の形成方向等は、特に限定されない。
前記凸部111の具体的な形状は、図7のUに示すように少なくとも上面部112及び開口部113を有していれば特に限定されず、自由に設計することができる。具体的には、例えば、円錐台形状や楕円錐台形状、三角錐台形状や四角錐台形状や五角錐台形状等の多角錐台形状、更には、円柱形状、楕円柱形状、多角柱形状、多角星柱形状、多角星錐台形状など様々な形状に設計することができる。また、複数の凸部111の形状は、全て同一の形状であってもよいし、上述したこれらの形状の組み合わせであってもよい。更に、一部又は全部の凸部111の側面、上面部112、又は開口部113に段差を設けたり、ウェーブを設けたりすることも可能である。
本発明では、後述する表面材及び/又は表皮材(12,13)が中空構造部11に積層された際に、起点を少なくして表面材及び/又は表皮材(12,13)からの剥離強度を向上させるため、多角錐台形状や多角柱形状等の角を丸く設計してもよい。
凸部111の形状としては、上述したものの中でも特に、円錐台形状、楕円錐台形状、及び多角錐台形状からなる群より選ばれるいずれか1種以上の形状とすることが好ましい。これにより、製造工程における設計を容易化できることに加え、金型を用いて凸部111を成形する場合には、金型の製造コストを削減することもできる。また、凸部111の形状としては、図7のU示すように少なくとも一部にテーパを有する形状が好ましく、具体的には、円錐台形状及び/又は楕円錐台形状とすることが好ましく、楕円錐台形状とすることが特に好ましい。これにより、中空構造板1の曲げ剛性を向上させることができるとともに、圧縮強度を保持させることができる。
凸部111を円錐台形状及び/又は楕円錐台形状に設計した場合、上面部112の直径又は長径の長さは特に限定されないが、1mm以上10mm以下とすることが好ましい。これにより、中空構造板1の厚さ方向における圧縮強度を向上させることができる。また、開口部113の直径又は長径の長さは特に限定されないが、3mm以上20mm以下とすることが好ましい。これにより、中空構造板1の厚さ方向における圧縮強度を向上させることができる。
複数の凸部111の配列形態は特に限定されず、四角格子状、千鳥状、又は不規則に配列させることができる。本発明では、上述したものの中でも特に、四角格子状又は千鳥状に配列させることが好ましい。また、複数の凸部111の配列形態には、所定の基準方向に沿って視たときに、隣接する凸部111同士が互い違いに配置される形態も含まれる。
凸部111を千鳥状に配列させた場合、横方向の凸部111の中心同士を結んだ線と斜め方向の凸部111の中心同士を結んだ線とがなす角θ2(図7のT参照)は特に限定されないが、θ2=約60°とすることが好ましい。これにより、中空構造板1の剛性を向上できる。なお、「四角格子状」とは、θ2=約90°とした場合の配列を意味する。
凸部111の開口部113間の最短距離L(図7のT参照)も特に限定されないが、0.2mm以上8mm以下とすることが好ましい。最短距離Lを0.2mm以上とすることで、ライナー部(凸部111を一定の方向から視た際に、凸部111が存在しない部分)の厚みが薄くなり過ぎることを防げるため、圧縮強度の低下を回避できる。また、最短距離Lを8mm以下とすることで、凸部111間の距離が長くなり過ぎて単位面積当たりの凸部111の数が減り過ぎることを回避できるため、中空構造板1の曲げ剛性を一定以上に保つことができる。なお、本発明において、最短距離Lは、常に一定でなくてもよい。
本発明において、上述した少なくとも一方の面に中空状の凸部が複数形成された1枚の熱可塑性樹脂シートからなる構造とは、具体的には、例えば、図1で示したように一方の面に楕円錐台形状の凸部が複数形成された1枚の熱可塑性樹脂シートからなる構造とすることができる。この構造を採用することで、平面圧縮強度を保持しつつ、加工性にも優れた中空構造板1を提供できる。
中空構造部11の目付の下限値は特に限定されないが、300g/m以上とすることが好ましい。目付を300g/m以上とすることで、中空構造部11における折れやしわの発生を更に抑制することができる。また、中空構造部11の目付の上限値は特に限定されないが、1500g/m以下とすることが好ましい。目付を1500g/m以下とすることで、中空構造板1の軽量化を図ることができる。
中空構造部11の厚みも特に限定されないが、1.5mm以上55mm以下とすることが好ましい。1.5mm以上とすることで、中空構造板1の厚みが薄くなり過ぎることを防ぎ、曲げ剛性が保持された中空構造板1を作製できる。また、55mm以下とすることで、中空構造部11における立壁の高さを制御でき、中空部111として上述した中空状の凸部を採用した場合、側壁の厚みがドラフトされて薄くなり過ぎることを防げるため、座屈等の変形が発生しにくい中空構造板1を作製できる。
(2)表面材及び/又は表皮材(12,13)
表面材及び/又は表皮材(12,13)は、中空構造部11の少なくとも一方の面に1又は複数枚積層される。また、前記表面材は、熱可塑性樹脂を含む。なお、本発明では、表面材に対して表皮材が積層されていてもよい。また、表面材及び/又は表皮材(12,13)を複数枚有する場合、複数枚の表面材及び/又は表皮材(12,13)の厚みや目付等は、全て同一でもよく、異なっていてもよい。
なお、図4~6においては、便宜上、中空部(凸部)111の上部側に積層されている表面材及び/又は表皮材を「上側の表面材及び/又は表皮材12」とし、中空部(凸部)111の下部側(開口部側)に積層されている表面材及び/又は表皮材を「下側の表面材及び/又は表皮材13」と称しているが、実際の製品である中空構造板1においては、これらの区別はないものとする。
前記表面材の材質は、例えば、熱可塑性樹脂からなる。また、必要に応じて、成形性や機械物性向上のために、無機物を含有していてもよい。無機物を含有する場合、従来公知の方法により、所望の含有比率(例えば、0.5質量%以上)で、熱可塑性樹脂に適宜配合され得る。
熱可塑性樹脂や無機物については、上述したものと同様であるため、ここでは、説明を割愛する。
前記熱可塑性樹脂としては、上述したものの中でも特に、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。また、高い剛性を得るため、ABS樹脂、ポリカーボネート等のエンジニアリング・プラスチックを用いることもできる。また、顔料等の着色剤を用いて、必要に応じて、適宜着色されていてもよい。
前記表面材の厚みは特に限定されないが、0.1mm以上2.0mm以下とすることが好ましい。0.1mm以上とすることで、中空構造板1の剛性を保持することができる。また、2.0mm以下とすることで、コストの削減に繋がる。
前記表面材の目付は特に限定されないが、100g/m以上2000g/m以下とすることが好ましい。目付を100g/m以上とすることで、中空構造部11に対して表面材を貼り合わせる際に、表面材が薄くなり過ぎて破けることを防止できる。また、目付を2000g/m以下とすることで、中空構造板1の軽量化を図ることができる。
前記表皮材は、中空構造部11及び/又は前記表面材に積層され得るが、好ましくは、前記表面材に対して積層される。該表皮材を積層することで、中空構造板1に対し、意匠性、吸音特性、断熱性などの各種用途に応じた特性を付与できる。
前記表皮材の材質は特に限定されず、通常、中空構造板の表皮材として用いることができる材料を、目的の用途などに応じて、適宜選択して用いることができる。具体的には、例えば、熱可塑性樹脂シート、樹脂製の織布、不織布、組布、編み物、ステンレス、アルミニウム、銅等からなる金属シート、有機系又は無機系多孔質シート、化粧シート等が挙げられる。
2.中空構造板1の製造方法
図1~3は、本発明に係る製造方法の各実施形態を模式的に示す図である。
本発明に係る製造方法は、上述した中空構造板1の製造方法であって、中空構造部作製工程と、積層工程と、を少なくとも有する。また、必要に応じて、巻取工程やペレタイズ工程やサイジング工程等を行ってもよい。以下、図面を参照しながら、各工程について詳細に説明する。
(1)中空構造部作製工程
中空構造部作製工程は、熱可塑性樹脂を含むシートから中空構造部11を作製する工程である。
熱可塑性樹脂を含むシートから中空構造部11を作製する方法としては、例えば、前記シートを真空成形する方法が挙げられる。より具体的には、図1及び3に示すように表面に凸状のピンが複数突設された1台以上の成形ローラー101が配置された真空形成装置を用いて、該成形ローラー101の溝に、先端にTダイが設けられた押出機から押し出された溶融状態又は軟化状態の熱可塑性樹脂シートを注入し、該成形ローラー101に抱き合わせて成形される。成形ローラー101は、それぞれ減圧チャンバー内に設置されており、当該減圧チャンバーには、中空構造部11を吸引保持するため、吸引孔が設けられている。
中空部111が成形された後は、非加工部(図7のS及びTのX部分参照)を有したまま、例えば、図1~3に示すように引取ローラー102にて引き取られる。引取ローラー102を設けることで、成形性を向上させることができる。
本発明において、非加工部が形成される部分は特に限定されないが、例えば、MD方向(機械流れ方向)に連続するTD方向(MD方向に略直角の方向)の両端部分が挙げられる。この非加工部は、特に真空成形を行う際に、端部におけるシールの役割を果たし、減圧の保持や圧力変動を低減することで、形状の安定した中空構造部11を得ることができる。
また、熱可塑性樹脂を含むシートから中空構造部11を作製するその他の方法として、例えば、金型を用いる方法が挙げられる。具体的には、図2に示すように表面が所望の形状である一対の金型106の溝に、先端にTダイが設けられた押出機から押し出された溶融状態又は軟化状態の熱可塑性樹脂シートを注入し、両側から押圧することにより成形する。なお、この場合においても、非加工部は、端部におけるシールの役割を果たすため、形状の安定した中空構造部11を得ることができる。
しかしながら、非加工部があると、これに起因して工程通過張力が不均一となり、中空構造部11に折れやしわが発生し、中空構造板を安定して連続的に製造することが困難であった。折れやしわの発生は特に略MD方向に発し易く、また、中空構造部11の剛性が低い(例えば、中空構造部11の目付が500g/m以下の場合など)と顕著であった。更には、後述するサイジング工程を行った場合には、工程通過抵抗が増加するとより顕著であった。
なお、本明細書でいう「折れ」や「しわ」は、中空構造部11に発生し、表面材及び/又は表皮材(12,13)を貼り合わせた後に、中空構造板1の表面に反映される或いは生じる、連続的又は断続的な凹みや突起や溝や筋などの原因となるものをいう。
これに対し、本発明では、中空構造部作製工程において、中空部111が複数形成されない非加工部を除去することを特徴とする。これにより、非加工部があることに起因する工程通過張力の不均一化を防ぎ、折れやしわの発生を抑制することができる。
非加工部の除去方法は特に限定されず、接触式又は非接触式のいずれの方法を用いてもよい。接触式の場合は、例えば、カッター刃等の刃物切断、機械せん断法、プレスせん断法等が挙げられる。非接触式の場合は、例えば、レーザ照射やレーザ加熱による切断等が挙げられる。本発明では、これらの中での特に、コスト及び取り扱い性の観点から、カッター刃等の刃物切断が好ましい。
刃物切断する場合、刃を形成する素材は特に限定されず、SK(炭素工具鋼)材、ステンレス、チタン、セラミック等の従来公知のものを用いることができる。また、刃の厚みも特に限定されないが、例えば、0.3mm以上5mm以下とすることができる。刃の厚みが0.3mm未満であると、刃が折れやすく、刃の厚みが5mmを超えると、切断抵抗が増加し、また、取り付けスペースが増える。刃は、所定の位置に固定配置することができ、該固定位置にて中空構造部11に貫通させてもよい。
本工程において、非加工部を除去するタイミングは特に限定されないが、溶融状態又は軟化状態の熱可塑性樹脂シートが固化した後に行われることが好ましい。前記シートの固化が十分でないと、除去不良や成形不良に繋がる恐れがある。具体的には、前記シートが中空構造部11に成形され、固化した後の比較的早いタイミングが好ましく、より具体的には、図1~3に示すように中空構造部11の引取ローラー102直後の位置(例えば、引取ローラーの中央から1m以下の位置など)に刃物103を設置することが好ましい。非加工部の除去のタイミングが、次の積層工程に近づくほど、非加工部を除去する前の中空構造部11の折れやしわの影響が排除できない。
(2)積層工程
積層工程は、中空構造部作製工程で作製された中空構造部11に前記表面材及び/又は表皮材(12,13)を積層する工程である。
積層工程は、従来公知の方法により行うことができる。例えば、図1~3に示すように中空構造部11の両面に、先端にTダイが設けられた押出機から押し出された溶融状態又は軟化状態の熱可塑性樹脂シートをからなる表面材及び/又は表皮材(12,13)を、平ローラー105により加熱圧着する。
(3)巻取工程
巻取工程は、除去後の前記非加工部を巻き取る工程である。本発明に係る製造方法において、巻取工程は必須ではないが、巻取工程を行うことで、除去された非加工部を効率的に回収することができ、省スペース化にも繋がる。
非加工部を巻き取る方法は特に限定されないが、例えば、1又は複数の回転ローラー104に非加工部を巻き付けて巻き取る方法が挙げられる。該回転ローラーの設置位置は特に限定されないが、例えば、図1~3に示すように引取ローラー102の上面側に設置することが好ましい。この場合、巻き取られて行く非加工部の面と中空構造部11の面とは、略90°となる。これにより、省スペース化を図ることができる。
(4)ペレタイズ工程
ペレタイズ工程は、除去後の前記非加工部をペレタイズする工程である。本明細書でいう「ペレタイズ」とは、非加工部をペレット形状に加工すること、又はペレットサイズにカットすることをいう。ペレタイズ工程は、巻取工程を行う場合は、巻取工程の後に行われることが好ましい。本発明に係る製造方法において、ペレタイズ工程は必須ではないが、ペレタイズ工程を行うことで、除去された非加工部を再利用することができ、廃プラ問題の解決やSDGsの達成などにも貢献できる。
ペレタイズ方法は特に限定されず、ペレタイザー等を利用した従来公知の方法により行うことができる。
(5)サイジング工程
サイジング工程は、表面材及び/又は表皮材(12,13)が固化する前に、図3に示すように表面材及び/又は表皮材(12,13)を少なくとも1台以上のサイジングフォーマー107に密着させる工程である。本発明に係る製造方法において、サイジング工程は必須ではないが、サイジング工程を行うことで、中空構造板1の表面平滑性を向上させることができる。また、本発明では、サイジング工程を行った場合に生じ易い折れやしわも抑制できる。
なお、本明細書でいう「サイジングフォーマー」とは、押出成形等において、押出物が完全に冷却しないうちに、表面平滑性を得るため等の目的で用いられる金型をいう。本工程で用いるサイジングフォーマーは、従来公知のものを用いることができ、材質、性能、形状、大きさ等は特に限定されない。サイジングフォーマーは、通常、熱伝導性の高い材質(例えば、アルミ、鉄など)からなり、冷媒、熱媒を接触させることで温度調節が可能で、それによってサイジングフォーマーに接する物質(本発明では、表面材及び/又は表皮材(12,13))との効率的な熱交換を行なうことが可能である。
また、表面材及び/又は表皮材(12,13)をサイジングフォーマーに密着させる方法は特に限定されず、真空吸引、減圧吸引等の従来公知の方法により行うことが可能である。減圧吸引により密着させた場合、その負圧は特に限定されないが、5Kpa以上80Kpa以下とすることが好ましい。
本発明では、必要に応じて、表面材及び/又は表皮材(12,13)をサイジングフォーマーに密着させた後、温調した押さえ付けローラー(不図示)により温度制御することも可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
まず、下記表1及び2に示す実施例1~12、及び下記表3及び4に示す比較例1~12の中空構造板を作製した。各中空構造板の形状は、下記表1~4に併記しており、実施例1~12の中空構造板は、サイジングフォーマーを使用しなかった場合は、図1で示した製造方法に基づいて作製し、サイジングフォーマーを使用した場合は、図3で示した製造方法に基づいて作製した。また、比較例1~12の中空構造板は、サイジングフォーマーを使用しなかった場合は、中空構造部作製工程において非加工部を除去しなかった以外は図1で示した製造方法と同様の製造方法に基づいて作製し、サイジングフォーマーを使用した場合は、中空構造部作製工程において非加工部を除去しなかった以外は図3で示した製造方法と同様の製造方法に基づいて作製した。
下記表1~4中、「PP」はポリプロピレンを示し、「無機高充填PP」は無機物であるタルクを中空構造部には4質量%、表面材には20質量%含有させたポリプロピレンを示す。
Figure 2023088140000002
Figure 2023088140000003
Figure 2023088140000004
Figure 2023088140000005
次に、各中空構造板について、以下の評価を行った。なお、以下の評価結果は、上記表1~4に併記した。
[折れの評価]
長さ約1m×巾約1.3mのサイズで各中空構造板を5枚ずつカットした。次いで、1枚ずつ目視にて折れがないかを確認した。1箇所でも折れがある場合は、「折れ有り」と判断した。また、折れの程度が僅かであっても、「折れ有り」と判断した。
折れの評価基準を、以下に示す。
A:折れを発見した中空構造板が1枚も無かった。
B:折れを発見した中空構造板が1枚あった。
C:折れを発見した中空構造板が2枚あった。
D:折れを発見した中空構造板が3枚あった。
E:折れを発見した中空構造板が4枚あった。
F:全ての中空構造板に折れを発見した。
[しわの評価]
長さ約1m×巾約1.3mのサイズで各中空構造板を5枚ずつカットした。次いで、1枚ずつ目視にてしわがないかを確認した。1箇所でもしわがある場合は、「しわ有り」と判断した。また、しわの程度が僅かであっても、「しわ有り」と判断した。
しわの評価基準を、以下に示す。
A:しわを発見した中空構造板が1枚も無かった。
B:しわを発見した中空構造板が1枚あった。
C:しわを発見した中空構造板が2枚あった。
D:しわを発見した中空構造板が3枚あった。
E:しわを発見した中空構造板が4枚あった。
F:全ての中空構造板にしわを発見した。
[総合評価]
折れの評価及びしわの評価が、いずれもB以上である場合に「合格」と判断し、それ以外の場合は全て「不合格」と判断した。
実施例1~12の中空構造板は、比較例1~12の中空構造板と比較して、折れやしわが抑制されていることが分かった。
したがって、中空構造部作製工程において、中空部が複数形成されない非加工部を除去することで、折れやしわの発生を抑制し、安定して連続生産することが可能な中空構造板の製造方法を提供できることが判明した。
本発明によれば、折れやしわの発生を抑制し、安定して連続生産することが可能な中空構造板の製造方法を提供することができる。該製造方法によって製造された中空構造板は、建築材料、梱包用ケース、通い箱などの容器類、表面保護包装材、仕切り板、乗物の内装などを構成する装飾材料等の幅広い分野において有用である。
1:中空構造板
11:中空構造部
111:中空部(凸部)
112:上面部
113:開口部
12:上側の表面材及び/又は表皮材
13:下側の表面材及び/又は表皮材
101:成形ローラー
102:引取ローラー
103:刃物
104:回転ローラー
105:平ローラー
106:金型
107:サイジングフォーマー
h:立壁の高さ
L:凸部111の開口部113間の最短距離
X:非加工部
θ1:傾斜角
θ2:横方向の凸部111の中心同士を結んだ線と斜め方向の凸部111の中心同士を結んだ線とがなす角

Claims (6)

  1. 立壁により隔てられた中空部が間隔をあけて複数形成された熱可塑性樹脂を含む中空構造部と、前記中空構造部の少なくとも一方の面に積層された1又は複数枚の、熱可塑性樹脂を含む表面材及び/又は表皮材と、からなる中空構造板の製造方法であって、
    熱可塑性樹脂を含むシートから前記中空構造部を作製する中空構造部作製工程と、
    前記中空構造部に前記表面材及び/又は表皮材を積層する積層工程と、
    を少なくとも有し、
    前記中空構造部作製工程では、前記中空部が複数形成されない非加工部を除去する、中空構造板の製造方法。
  2. 前記中空構造部作製工程では、前記シートを真空成形して前記中空構造部を作製する、請求項1に記載の中空構造板の製造方法。
  3. 前記中空構造部作製工程における前記非加工部の除去は、溶融状態又は軟化状態の前記シートが固化した後に行われる、請求項1又は2に記載の中空構造板の製造方法。
  4. 除去後の前記非加工部をペレタイズするペレタイズ工程を更に有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の中空構造板の製造方法。
  5. 除去後の前記非加工部を巻き取る巻取工程を更に有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の中空構造板の製造方法。
  6. 前記中空構造部の目付は、300g/m以上である、請求項1から5のいずれか一項に記載の中空構造板の製造方法。
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