JP2023087756A - 走行車両 - Google Patents

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Kenji Nakajima
将 鳴海
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Kazuki Ueda
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Abstract

【課題】走行車両において、操舵軸の前方に大きなスペースを確保し易いレイアウトを実現する。【解決手段】走行車両は、車体と、前輪と、操作部材と、を備える。前記前輪は、前記車体に回転可能に支持され、旋回軸を中心として旋回可能である。前記操作部材は、前記前輪を旋回させるために回転操作される。車両の側面視で、前記操作部材が操作されるときの操舵軸は前記旋回軸よりも後方に配置される。前記操舵軸は、前記旋回軸と平行である。【選択図】図1

Description

本開示は、走行車両に関する。
この種の車両は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1の前2輪式3輪自転車は、フレーム体を備える。フレーム体の前半部分には、前後方向の下サスペンションアーム軸が設けられている。ハンドルを例えば左に切ったとき、前輪が左側に向けられるとともに、フレーム体が、下サスペンションアーム軸の部分を中心として左側へ強制的に傾く。
特開2001-010577号公報
走行車両の用途によっては、車両に多くの荷物を積載するニーズがある。しかし、上記の構成では、荷物の積載スペースを大きく確保することが困難だった。
本開示は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、走行車両において、操舵軸の前方に大きなスペースを確保し易いレイアウトを実現することにある。
本開示の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本開示の観点によれば、以下の構成の走行車両が提供される。即ち、走行車両は、車体と、前輪と、操作部材と、を備える。前記前輪は、前記車体に回転可能に支持され、旋回軸を中心として旋回可能である。前記操作部材は、前記前輪を旋回させるために回転操作される。車両の側面視で、前記操作部材が操作されるときの操舵軸は前記旋回軸よりも後方に配置される。前記操舵軸は、前記旋回軸と平行である。
これにより、操舵軸の前方かつ低い位置に大きなスペースを確保し易いレイアウトを実現することができる。また、操舵軸と前輪の旋回軸とが平行であるため、操舵フィーリングが良好である。
本開示によれば、走行車両において、操舵軸の前方に大きなスペースを確保し易いレイアウトを実現することができる。
本開示の一実施形態に係る3輪型自転車の全体的な構成を示す斜視図。 3輪型自転車の側面図。 3輪型自転車を前上方から見た斜視図。 図1の状態からハンドルを左旋回操作した様子を示す斜視図。
次に、図面を参照して、開示される実施形態を説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る3輪型自転車1の全体的な構成を示す斜視図である。図2は、3輪型自転車1の側面図である。図3は、3輪型自転車1を前上方から見た斜視図である。
以下の説明では、3輪型自転車(走行車両)1に乗車した運転者から見た方向で、3輪型自転車1の左右方向を定義する。従って、3輪型自転車1が直立している状態では、前後方向は車長方向に一致し、左右方向は車幅方向に一致する。また、上下方向(鉛直方向)は高さ方向に一致する。
本明細書において、ある部材を相手の部材に「取り付ける」という場合、直接取り付ける場合のほか、他の部材を介して間接的に取り付ける場合を含む。「固定」、「支持」、及び「連結」についても同様である。
3輪型自転車1は、前2輪型車両として構成されている。3輪型自転車1は、車体2と、左前輪(第1前輪)10と、右前輪(第2前輪)20と、後輪90と、を備える。車体2は、左前輪10、右前輪20及び後輪90を支持する。車体2は、3輪型自転車1の骨格となるフレーム3を含んでいる。
この3輪型自転車1は、リーン型車両の一種である。リーン型車両とは、車体2の路面に対する姿勢を変更可能であり、操舵による旋回走行に伴って車体2が路面に対して傾斜状態となる車両を意味する。以下では、操舵のための後述のハンドル5が中立位置に操作され、かつ、車体2が路面に対して直立となっている状態(言い換えれば、通常の直進走行の状態)を、基準状態と呼ぶことがある。以下では、特に説明がない限り、基準状態を前提として説明する。
左前輪10は、車幅方向で中央よりも左側(第1側)に配置されている。右前輪20は、車幅方向で中央よりも右側(第2側)に配置されている。左前輪10及び右前輪20は、フレーム3に対して、リーン機構40を介して支持される。リーン機構40の詳細は後述する。
後輪90は、車幅方向中央に配置され、フレーム3の後端部に回転可能に支持されている。
フレーム3について説明する。フレーム3は、3輪型自転車1の幅方向中央に配置されている。フレーム3は、複数のフレームメンバが溶接等で接続されることにより構成されている。
フレーム3は、ボトム筒部71と、シートチューブ72と、シートステー73と、チェーンステー74と、操舵筒部75と、伝達筒部76と、トップチューブ77と、ダウンチューブ78と、出力筒部79と、荷受け部80と、連結部81と、を備える。
本明細書において、「筒部」とは、軸体を回転可能に支持するベアリングが介在する部分であって、円筒状に形成される部分を意味する。「チューブ」とは、中実状又は中空状に形成される部分を意味する。
ボトム筒部71は、車幅方向に直線状に延びる部材である。ボトム筒部71は、車幅方向を向く円筒状に形成されている。このボトム筒部71は、ボトムブラケットシェルと呼ばれることがある。ボトム筒部71には、クランク軸91が回転可能に支持されている。クランク軸91は、車幅方向を向くように配置される。クランク軸91の両端には、左右1対のペダル93が、それぞれクランク92を介して支持される。
ボトム筒部71の近傍に前スプロケット94が支持されている。前スプロケット94は、クランク92及びクランク軸91と一体的に回転する。
シートチューブ72は、ボトム筒部71から後上方に直線状に延びるように形成されている。シートチューブ72の上部には、シート9が、棒状のシートポストを介して固定されている。
運転者は、シート9に跨って、左右のペダル93に足を載せることができる。このように、3輪型自転車1は、運転者がシート9に跨って乗る種類の車両(鞍乗型車両)である。
シートステー73は、シートチューブ72の上部から後下方へ延びるように形成されている。
チェーンステー74は、ボトム筒部71からほぼ水平に後方へ延びるように形成されている。
シートステー73及びチェーンステー74のそれぞれは、後輪90を左右で挟むように1対で配置される。左側と右側のそれぞれでシートステー73とチェーンステー74の後端部同士が接続されており、この部分に後輪90が回転可能に支持されている。
後輪90には後スプロケット95が取り付けられている。前スプロケット94と後スプロケット95の間にはチェーン96が巻き掛けられている。以上により、運転者が足でペダル93を踏む力を後輪90に伝達して、後輪90を人力で駆動することができる。
後輪90の車軸部分には、電動モータ97が取り付けられている。電動モータ97を駆動することで、人力による後輪90の駆動を補助することができる。電動モータ97は、3輪型自転車1を人力によらずに自走させるための駆動源として用いられても良い。電動モータ97は、発電機として用いられても良い。
操舵筒部75は、概ね上下方向に直線状に延びるように細長く形成された円筒状の部分である。操舵筒部75は、やや後傾した姿勢となるように配置されている。即ち、操舵筒部75は、下端から上方に進むにつれて後方に傾斜して延びる。操舵筒部75は、左右の前輪10,20の車軸よりも後方、かつ、前輪10,20の旋回軸よりも後方に位置する。
操舵筒部75には、操舵軸6の下部が差し込まれている。操舵軸6は、操舵筒部75に回転可能に支持されている。
操舵軸6の上部には、ハンドル(操作部材)5が取り付けられている。ハンドル5は棒状に形成され(バーハンドル)、その左右中央部が操舵軸6の上端に固定される。運転者は、ハンドル5を手で掴んで、操舵のために操作することができる。操舵軸6は、運転者がハンドル5を回転する操作によって、操舵筒部75に対して、操舵筒部75の軸線を中心として回転する。
操舵筒部75の下端部と、後述のダウンチューブ78との間には、上下方向の隙間が形成されている。操舵筒部75の下端部は、左右1対の連結部81を介して、フレーム3が備える荷受け部80の車幅方向端部と連結される。荷受け部80については後述する。操舵筒部75の上端部近傍は、トップチューブ77を介して、伝達筒部76と連結される。操舵筒部75は、トップチューブ77との接続箇所よりも上方へ突出する部分を有している。
伝達筒部76は、操舵筒部75と同様に、概ね上下方向に直線状に延びるように細長く形成された円筒状の部分である。伝達筒部76は、やや後傾した姿勢となるように配置されている。即ち、伝達筒部76は、下端から上方に進むにつれて後方に傾斜して延びる。
伝達筒部76は、操舵筒部75の後方であって、操舵筒部75とシートチューブ72の間に配置されている。操舵筒部75と伝達筒部76の間には、前後方向の間隔が形成されている。伝達筒部76は、操舵筒部75と平行に配置されている。
伝達筒部76には、操作伝達軸7が差し込まれている。操作伝達軸7は、伝達筒部76に回転可能に支持されている。操作伝達軸7の上端部は、操舵軸6に対し、平行リンク機構からなる第1リンク機構61によって連結される。第1リンク機構61の詳細については後述する。
伝達筒部76の上部と交差するようにトップチューブ77が固定されている。トップチューブ77は、伝達筒部76と操舵筒部75を連結する。また、トップチューブ77は、伝達筒部76とシートチューブ72とを連結する。伝達筒部76は、トップチューブ77との接続箇所よりも上方へ突出する部分を有している。
伝達筒部76の下部近傍と交差するようにダウンチューブ78が固定されている。ダウンチューブ78は、伝達筒部76とボトム筒部71を連結する。また、ダウンチューブ78は、伝達筒部76と、前方の出力筒部79及び荷受け部80とを連結する。伝達筒部76は、ダウンチューブ78との接続箇所よりも下方へ突出する部分を有している。
伝達筒部76のすぐ後方であって、ダウンチューブ78の上方に、バッテリー31及びコントローラ32が配置される。このバッテリー31は、電動モータ97に電力を供給する。コントローラ32は、電動モータ97を制御する。
ダウンチューブ78は、前後方向に向けられた直線状の部分である。ダウンチューブ78は、ボトム筒部71からほぼ水平に、前方へ直線状に延びるように形成されている。ダウンチューブ78は、フレーム3の前端に配置された出力筒部79に接続されている。
ダウンチューブ78は、例えば太い角筒状の部材により構成されている。ダウンチューブ78は、ボトム筒部71と、伝達筒部76を連結するように前後方向に延びる。ダウンチューブ78は、伝達筒部76よりも更に前方へ突出する部分を有する。この前方突出部分には、荷受け部80が固定される。ダウンチューブ78の前端部には、出力筒部79が固定される。
荷受け部80は、ダウンチューブ78から左右方向に突出するように形成される。図3に示すように、荷受け部80は平面視で矩形状に形成される。図2に示すように、荷受け部80の真上には、荷物を置くことが可能な荷室80aが形成されている。言い換えれば、荷受け部80は、荷室80aの底面部を構成する。ハンドル5、操舵筒部75及び伝達筒部76は、荷室80aよりも後方に位置している。
荷室80aは、左前輪10の後端及び右前輪20の後端よりも後方に配置されている。これにより、左前輪10及び右前輪20が旋回した場合でも荷室80aとの干渉を防止することができる。
荷受け部80の上面は、実質的に水平な荷受け面となっている。荷受け面は、左前輪10及び右前輪20の車軸よりも上方に位置する。荷受け面は、左前輪10及び右前輪20の上端部よりも下方に位置する。これにより、荷室80aの低重心化を実現することができる。
操舵筒部75は、伝達筒部76よりも短く形成されている。言い換えれば、操舵軸6は、操作伝達軸7よりも短く形成されている。操舵軸6の下端と、フレーム3の下部(具体的には、ダウンチューブ78)と、の間には、隙間が形成されている。操舵軸6を軸方向に下方へ延長した場合、その延長部分は荷室80aと交わる。この操舵軸6のレイアウトによって、車両の前後長さをコンパクトにしつつ、荷室80aのスペースを大きく確保することができる。
バッテリー31及びコントローラ32は、前述のとおり、伝達筒部76の後方に配置されている。これにより、荷室80aを広く確保し易いレイアウトを実現することができる。
荷受け部80の左右両端部は、左右1対で配置された連結部81を介して、操舵筒部75に固定される。伝達筒部76がダウンチューブ78を通過する部分は、ダウンチューブ78に荷受け部80の後端部が固定される箇所と近接している。
連結部81は、操舵筒部75の下端部から左右斜め下方に分岐して延び、荷室80aを挟むように左右1対で配置される。連結部81のそれぞれは、荷室80aの左右方向端部において、側面視で2つに分岐するように形成されている。分岐部分のそれぞれは、荷室80aの左右方向端部のすぐ外側を通過するように前下方へ延び、その下端部が荷受け部80に結合されている。連結部81は、トップチューブ77、ダウンチューブ78、シートステー73、チェーンステー74、及び荷受け部80等と同様に、強度部材の一種である。
図2等に示すように、連結部81は、荷受け部80との間で、側面視で3角形を構成しながら結合されている。これにより、荷受け部80及び連結部81の機械的強度を高めることができる。
出力筒部79は、操舵筒部75及び伝達筒部76と同様に、概ね上下方向に直線状に延びるように細長く形成された円筒状の部分である。出力筒部79は、やや後傾した姿勢となるように配置されている。即ち、出力筒部79は、下端から上方に進むにつれて後方に傾斜して延びる。
出力筒部79は、操舵筒部75、伝達筒部76及び荷受け部80の何れに対しても前方に配置されている。出力筒部79は、操舵筒部75及び伝達筒部76と平行に配置されている。
出力筒部79は、左前輪10と右前輪20の間に位置している。出力筒部79は、左右の前輪10,20の車軸よりも後方に位置する。出力筒部79には、ダウンチューブ78との接続位置に対して下方に延びる下部分と、当該接続位置に対して上方に延びる上部分と、が形成される。
出力筒部79には、操舵出力軸8が差し込まれている。操舵出力軸8は、出力筒部79に回転可能に支持されている。操舵出力軸8の上端部は、操作伝達軸7の下端部に対し、平行リンク機構からなる第2リンク機構62によって連結される。第2リンク機構62の詳細については後述する。
次に、操舵軸6と操作伝達軸7を連結する第1リンク機構61について説明する。
第1リンク機構61は、第1出力アーム65と、第1入力アーム66と、リンクロッド(リンク部材)67と、を備える。
第1出力アーム65は、操舵筒部75の上端より上方に配置されている。第1出力アーム65は、概ねひし形に形成された板状の部材である。第1出力アーム65は、左右1対のアーム部を有している。
第1出力アーム65は、操舵軸6に固定されている。従って、第1出力アーム65は、操舵軸6と一体的に回転する。第1出力アーム65の厚み方向は、操舵軸6の回転軸と平行になっている。従って、第1出力アーム65の回転は、操舵軸6の回転軸に対して垂直な平面内で行われる。
第1入力アーム66は、伝達筒部76の上端より上方に配置されている。第1入力アーム66は、概ねひし形に形成された板状の部材である。第1入力アーム66は、左右1対のアーム部を有している。
第1入力アーム66は、操作伝達軸7に固定されている。従って、第1入力アーム66は、操作伝達軸7と一体的に回転する。第1入力アーム66の厚み方向は、操作伝達軸7の回転軸と平行になっている。従って、第1入力アーム66の回転は、操作伝達軸7の回転軸に対して垂直な平面内で行われる。
リンクロッド67は、左右1対で設けられている。それぞれのリンクロッド67は、平面視で前後方向に細長く配置されている。リンクロッド67の向きは、操舵軸6の回転軸に対して垂直であり、操作伝達軸7の回転軸に対して垂直である。
一方のリンクロッド67は、第1出力アーム65の左端と第1入力アーム66の左端とを連結する。もう一方のリンクロッド67は、第1出力アーム65の右端と第1入力アーム66の右端とを連結する。4箇所の連結部分には、何れも球面軸受(3自由度の軸受)が用いられている。これにより、組付け誤差等を吸収して、スムーズな動作を実現できる。
この構成で、操舵軸6が回転すると、操舵軸6の回転軸に垂直な平面内で2つのリンクロッド67が移動して、当該回転を操作伝達軸7に伝達する。このように、操舵軸6の回転に連動して、操作伝達軸7を同じ角度だけ回転させることができる。
次に、操作伝達軸7と操舵出力軸8を連結する第2リンク機構62について説明する。
第2リンク機構62が操作伝達軸7と操舵出力軸8を連結する原理は、第1リンク機構61が操舵軸6と操作伝達軸7を連結する原理と同じである。
第2リンク機構62は、第2出力アーム68と、第2入力アーム69と、リンクロッド(連動部材)70と、を備える。
第2出力アーム68は、伝達筒部76の下端より下方に配置されている。第2出力アーム68は、概ねひし形に形成された板状の部材である。第2出力アーム68は、左右1対のアーム部を有している。
第2出力アーム68は、操作伝達軸7に固定されている。従って、第2出力アーム68は、操作伝達軸7と一体的に回転する。第2出力アーム68の厚み方向は、操作伝達軸7の回転軸と平行になっている。従って、第2出力アーム68の回転は、操作伝達軸7の回転軸に対して垂直な平面内で行われる。
第2入力アーム69は、出力筒部79の上端より上方に配置されている。第2入力アーム69は、概ねひし形に形成された板状の部材である。第2入力アーム69は、左右1対のアーム部を有している。
第2入力アーム69は、操舵出力軸8に固定されている。従って、第2入力アーム69は、操舵出力軸8と一体的に回転する。第2入力アーム69の厚み方向は、操舵出力軸8の回転軸と平行になっている。従って、第2入力アーム69の回転は、操舵出力軸8の回転軸に対して垂直な平面内で行われる。
リンクロッド70は、左右1対で設けられている。それぞれのリンクロッド70は、平面視で前後方向に細長く配置されている。
一方のリンクロッド70は、第2出力アーム68の左端と第2入力アーム69の左端とを連結する。もう一方のリンクロッド70は、第2出力アーム68の右端と第2入力アーム69の右端とを連結する。第1リンク機構61と同様に、4箇所の連結部分には、何れも球面軸受(3自由度の軸受)が用いられている。これにより、組付け誤差等を吸収して、スムーズな動作を実現できる。
この構成で、操作伝達軸7が回転すると、操作伝達軸7の回転軸に垂直な平面内で2つのリンクロッド70が移動して、当該回転を操舵出力軸8に伝達する。このように、操作伝達軸7の回転に連動して、操舵出力軸8を同じ角度だけ回転させることができる。
第2リンク機構62のリンクロッド70は、側面視で前上がり状に配置されている。リンクロッド70は、荷受け部80の下方を通過しながら前上方に延びる。側面視でリンクロッド70がダウンチューブ78と交差する場所は、ダウンチューブ78に荷受け部80の前端部が固定される箇所と近接している。
操作伝達軸7に固定される第2出力アーム68の高さは、荷受け部80の高さよりも十分に低くなっている。これにより、前上がり状に配置されるリンクロッド70が荷受け部80と干渉するのを防止することができる。
ダウンチューブ78には、保護カバー(保護部材)85が固定されている。保護カバー85は板状の部材である。保護カバー85は、左右1対のリンクロッド70のうち、ダウンチューブ78の下面よりより下方にある部分を覆うように配置されている。これにより、路面の突起等によってリンクロッド70が損傷しないように保護することができる。
次に、車体2のリーンを実現するためのリーン機構40について説明する。
リーン機構40は、フレーム3の前端部に取り付けられている。図3に示すように、リーン機構40は、上アーム(アーム部材)41と、下アーム(アーム部材)42と、左支持部材11と、右支持部材21と、を備える。上アーム41、下アーム42、左支持部材11及び右支持部材21は、適宜の軸受によって平行4辺形状に結合されている。このように、リーン機構40は、平行リンク機構によって車体2のリーンを実現している。
上アーム41及び下アーム42は、互いに平行に配置され、ダウンチューブ78の前端部に回転可能に支持される。上アーム41及び下アーム42の左端同士が左支持部材11によって互いに結合され、右端同士が右支持部材21によって互いに結合される。
左支持部材11は、左前輪10を回転可能に支持する。左支持部材11は、上アーム41及び下アーム42に対して、上下方向に延びる左旋回軸(第1旋回軸)を中心にして左右旋回可能である。
右支持部材21は、右前輪20を回転可能に支持する。右支持部材21は、上アーム41及び下アーム42に対して、上下方向に延びる右旋回軸(第2旋回軸)を中心にして左右旋回可能である。
左旋回軸と右旋回軸は互いに平行である。また、2つの旋回軸は、操舵軸6、操作伝達軸7及び操舵出力軸8の何れに対しても平行である。
リーン機構40が備える平行リンク機構は、正面視において、フレーム3の姿勢と、左支持部材11の姿勢と、右支持部材21の姿勢と、が常に平行となるように維持する。従って、正面視で車体2(フレーム3)が路面に対して左右に傾くのに連動して、左前輪10及び右前輪20を路面に対して傾けることができる。
操舵出力軸8は出力筒部79から下方へ突出しており、この部分に伝動アーム35が固定されている。伝動アーム35は、操舵出力軸8と一体的に左右に旋回する。
伝動アーム35と左支持部材11及び右支持部材21を連結するために、操舵ロッド19が設けられている。これにより、操舵出力軸8の回転に連動して左前輪10及び右前輪20を旋回させることができる。
操舵軸6、第1リンク機構61、操作伝達軸7、第2リンク機構62、操舵出力軸8、伝動アーム35及び操舵ロッド19は、ハンドル5の操作に連動して左前輪10及び右前輪20を旋回させる連動機構を構成している。図4には、ハンドル5を左に切った状態が示されている。
第1出力アーム65と第1入力アーム66とで、アームの実効的な長さは等しい。第2出力アーム68と第2入力アーム69とで、アームの実効的な長さは等しい。従って、ハンドル5の操作角度と操舵出力軸8の回転角度が一致するので、あたかもハンドル5を操舵出力軸8に直結したかのような操作フィーリングが得られる。この結果、操作性が良好である。
左前輪10にはブレーキ機構51が配置され、右前輪20にはブレーキ機構52が配置されている。これにより、左前輪10及び右前輪20を制動することができる。リーン機構40の上部には、リーンブレーキ55が配置されている。これにより、車体2のリーンを制動することができる。ブレーキ機構51,52及びリーンブレーキ55としては、公知のディスクブレーキ機構を用いることができる。
以上に説明したように、本実施形態の3輪型自転車1は、車体2と、前輪10,20と、ハンドル5と、を備える。前輪10,20は、車体2に回転可能に支持され、旋回軸を中心として旋回可能である。ハンドル5は、前輪10,20を旋回させるために回転操作される。車両の側面視で、ハンドル5が操作されるときの操舵軸6は、前輪10,20の旋回軸よりも後方に配置される。操舵軸6は、前輪10,20の旋回軸と平行である。なお、前輪10,20の旋回軸は、図2に符号c1で示されている。
これにより、操舵軸6の前方かつ低い位置に大きなスペースを確保し易いレイアウトを実現することができる。また、操舵軸6と前輪10,20の旋回軸とが平行であるため、操舵フィーリングが良好である。
本実施形態の3輪型自転車1は、回転可能に支持された操作伝達軸7を備える。ハンドル5の回転操作力が、操作伝達軸7を介して前輪10,20に伝達される。
これにより、ハンドル5の操作力を前輪10,20に伝達するためのレイアウトの自由度を高めることができる。
本実施形態の3輪型自転車1において、車両の側面視で、操作伝達軸7の回転軸は、前輪10,20の旋回軸と平行である。
これにより、操作フィーリングが良好になる。
本実施形態の3輪型自転車1は、ハンドル5と操作伝達軸7とを連結する、平行リンク機構からなる第1リンク機構61を備える。
これにより、単純な構成で、操作伝達軸7をハンドル5に連動して回転させることができる。
本実施形態の3輪型自転車1において、第1リンク機構61を構成するリンクロッド67は、ハンドル5及び操作伝達軸7に対し、球面軸受を介して連結されている。
これにより、組付誤差等に基づくガタを吸収して、第1リンク機構61を円滑に動作させることができる。
本実施形態の3輪型自転車1において、操作伝達軸7は、操舵軸6よりも後方に配置されている。
これにより、操舵軸6のすぐ前方に、例えば荷室80aのための大きなスペースを確保することができる。
本実施形態の3輪型自転車1は、リンクロッド70と、保護カバー85と、を備える。リンクロッド70は、操作伝達軸7に連結され、操作伝達軸7の回転を前輪10,20に伝達する。保護カバー85は、リンクロッド70を障害物から保護する。
これにより、リンクロッド70の破損を防止できる。
本実施形態の3輪型自転車1において、前輪10より後方でハンドル5よりも前方に、荷室80aが配置されている。フレーム3が備える連結部81が、荷室80aの左方及び右方を通過するように配置されている。
これにより、機械的強度の低下を防止しながら、荷室80aを広く確保することができる。
本実施形態の3輪型自転車1において、前輪10,20は、左右方向に離れて配置された左前輪10及び右前輪20を含む。ハンドル5の操作に従って左前輪10及び右前輪20が旋回する。
これにより、荷物を搬送する場合でも安定して走行することができる。
本実施形態の3輪型自転車1において、人力の補助又は自走のための電動モータ97を備える。
これにより、疲れにくい3輪型自転車1を得ることができる。
以上に本開示の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。変更は単独で行われても良いし、複数の変更が任意に組み合わせて行われても良い。
操作伝達軸7が、操舵軸6及び操舵出力軸8に対して平行でなくても良い。操作伝達軸7を省略し、操舵軸6と操舵出力軸8とを適宜のリンク機構によって連結しても良い。
第1リンク機構61において、一方のリンクロッド67を省略することができる。第2リンク機構62において、一方のリンクロッド70を省略することができる。
リンクロッド67,70の連結部分に、球面軸受に代えて、通常の軸受が用いられても良い。
第1リンク機構61及び第2リンク機構62のうち少なくとも一方を、リンク機構以外の伝動機構に変更することができる。例えば、ギア又はチェーンを用いた伝動機構を用いることが考えられる。
保護カバー85は、省略することができる。
電動モータ97を省略しても良い。電動モータ97の代わりに、例えばエンジンが搭載されても良い。
本開示の構成は、非リーン型の3輪型車両に適用することもできる。本開示の構成は、前輪が1つしかない2輪型車両に適用することもできる。
1 3輪型自転車(走行車両)
2 車体
3 フレーム
5 ハンドル(操作部材)
6 操舵軸
7 操作伝達軸
10 左前輪(前輪)
20 右前輪(前輪)
67 リンクロッド(リンク部材)
70 リンクロッド(連動部材)
80a 荷室
85 保護カバー(保護部材)
97 電動モータ

Claims (10)

  1. 車体と、
    前記車体に回転可能に支持され、旋回軸を中心として旋回可能な前輪と、
    前記前輪を旋回させるために回転操作される操作部材と、
    を備え、
    車両の側面視で、前記操作部材が操作されるときの操舵軸は前記旋回軸よりも後方に配置され、
    前記操舵軸は、前記旋回軸と平行であることを特徴とする走行車両。
  2. 請求項1に記載の走行車両であって、
    回転可能に支持された操作伝達軸を備え、
    前記操作部材の回転操作力が、前記操作伝達軸を介して前記前輪に伝達されることを特徴とする走行車両。
  3. 請求項2に記載の走行車両であって、
    車両の側面視で、前記操作伝達軸の回転軸は、前記旋回軸と平行であることを特徴とする走行車両。
  4. 請求項2又は3に記載の走行車両であって、
    前記操作部材と前記操作伝達軸とを連結する平行リンク機構を備えることを特徴とする走行車両。
  5. 請求項4に記載の走行車両であって、
    前記平行リンク機構を構成するリンク部材は、前記操作部材及び前記操作伝達軸のうち少なくとも何れかに対し、3自由度の軸受を介して連結されていることを特徴とする走行車両。
  6. 請求項2から5までの何れか一項に記載の走行車両であって、
    前記操作伝達軸は、前記操舵軸よりも後方に配置されていることを特徴とする走行車両。
  7. 請求項2から6までの何れか一項に記載の走行車両であって、
    前記操作伝達軸に連結され、前記操作伝達軸の回転を前記前輪に伝達するための連動部材と、
    前記連動部材を障害物から保護する保護部材と、
    を備えることを特徴とする走行車両。
  8. 請求項1から7までの何れか一項に記載の走行車両であって、
    前記前輪より後方で前記操作部材よりも前方に、荷室が配置されており、
    前記車体を構成するフレームが、前記荷室の左方及び右方を通過するように配置されていることを特徴とする走行車両。
  9. 請求項1から8までの何れか一項に記載の走行車両であって、
    前記前輪は、左右方向に離れて配置された左前輪及び右前輪を含み、
    前記操作部材の操作に従って前記左前輪及び前記右前輪が旋回することを特徴とする走行車両。
  10. 請求項1から9までの何れか一項に記載の走行車両であって、
    人力の補助又は自走のための電動モータを備えることを特徴とする走行車両。
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