JP2023087491A - 圧力センサ - Google Patents

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諭志 兼田
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俊樹 小笠原
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【課題】圧電素子の破損等を防止し組み付け作業も容易に行える圧力センサを提供する。【解決手段】圧力センサは、軸線Sを画定する筒状のハウジングH、ハウジングの先端側に固定されて圧力媒体の圧力を受けるダイヤフラム50、ハウジングの内側において先端側から軸線方向に順次積層された第1電極91、圧電体92、及び第2電極93からなる圧力検出部材90、第1電極及び第2電極にそれぞれ接続された第1リード線110及び第2リード線120を備え、第1電極91は、圧電体に接合される第1接合面を有する第1本体部91a、第1本体部の縁部領域から第1接合面と反対側に屈曲して伸長し第1リード線に接続される第1延出部91bを含み、第2電極93は、圧電体に接合される第2接合面を有する第2本体部93a、第2本体部の縁部領域から第2接合面と反対側に屈曲して伸長し第2リード線に接続される第2延出部93bを含む。【選択図】図7

Description

本発明は、圧力媒体の圧力を検出する圧力センサに関し、特に、エンジンの燃焼室内における燃焼ガス等の如く、高温圧力媒体の圧力を検出する圧力センサに関する。
従来の圧力センサとしては、ハウジングと、ハウジング内に配置された圧電素子と、圧電素子に上下方向から接合された二つの電極板と、電極板を介して圧電素子に荷重を伝達する二つの荷重伝達部材と、二つの荷重伝達部材を上下方向から挟み込んで固定する中継部材及び固定部材と、電気信号を処理する回路基板を備えた、圧電センサユニットが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
この圧電センサユニットにおいて、電極板は、圧電素子に接合される本体板部と、本体板部から屈曲して延設されたリード部を有する。そして、リード部と本体板部との接続領域は、折り曲げ加工により、湾曲したフィレット(角R)部を含む形状となっている。
それ故に、二つの電極板に圧電素子を挟み込んで荷重伝達部材で予荷重を付加しつつ組み付ける際に、圧電素子が中央からずれて圧電素子の縁部領域がフィレット部に乗り上げると、圧電素子の縁部領域において圧縮荷重が局部的に大きくなり、圧電素子の亀裂や破損を招く虞がある。
また、二つの電極板から延設された二つのリード部は、回路基板に接続されると共に回路基板を支持するような構造となっている。それ故に、ハウジング内において回路基板を確実に保持することが難しく、振動を生じるエンジン等に適用される場合に、検出信号に対するノイズの発生原因の一つである振動を抑制できない虞がある。
特開2018-63113号公報
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、従来の問題点を解消して、圧電素子の亀裂や破損等を防止でき、組み付け作業も容易に行える、圧力センサを提供することにある。
本発明の圧力センサは、軸線を画定する筒状のハウジングと、ハウジングの先端側に固定されて圧力媒体の圧力を受けるダイヤフラムと、ハウジングの内側において先端側から軸線方向に順次積層された第1電極、圧電体、及び第2電極からなる圧力検出部材と、第1電極及び第2電極にそれぞれ接続された第1リード線及び第2リード線を備え、第1電極は、圧電体に接合される第1接合面を有する第1本体部と、第1本体部の縁部領域から第1接合面と反対側に屈曲して伸長し第1リード線に接続される第1延出部を含み、第2電極は、圧電体に接合される第2接合面を有する第2本体部と、第2本体部の縁部領域から第2接合面と反対側に屈曲して伸長し第2リード線に接続される第2延出部を含む、構成となっている。
上記圧力センサにおいて、第1電極は、第1本体部及び第1延出部が同一の板厚をなす板状部材により形成され、第2電極は、第2本体部及び第2延出部が同一の板厚をなす板状部材により形成されている、構成を採用してもよい。
上記圧力センサにおいて、第1電極及び前記第2電極は、同一形状をなす、構成を採用してもよい。
上記圧力センサにおいて、ハウジングの内側に配置されると共に圧力検出部材を軸線上に位置決めするべく、絶縁材料により形成された位置決め部材を含む、構成を採用してもよい。
上記圧力センサにおいて、位置決め部材は、軸線を中心とする貫通孔と、貫通孔を画定する外周壁において貫通孔に通じ軸線方向に伸長する第1切欠き溝及び第2切欠き溝を含み、第1電極は、第1本体部が貫通孔に挿入された状態で第1延出部が第1切欠き溝内に配置され、第2電極は、第2本体部が貫通孔に挿入された状態で第2延出部が第2切欠き溝内に配置される、構成を採用してもよい。
上記圧力センサにおいて、位置決め部材の貫通孔内においてダイヤフラムと第1電極の間に介在するように配置された断熱部材を含む、構成を採用してもよい。
上記圧力センサにおいて、第2電極に積層されてダイヤフラムに向けて予荷重を付与する予荷重付与部材を含む、構成を採用してもよい。
上記圧力センサにおいて、予荷重付与部材は、第2電極に積層される絶縁部材と、絶縁部材に積層されると共にハウジングに固定される固定部材を含む、構成を採用してもよい。
上記圧力センサにおいて、固定部材は、第1リード線を嵌合させて位置決めする第1嵌合溝と、第2リード線を嵌合させて位置決めする第2嵌合溝を含む、構成を採用してもよい。
上記圧力センサにおいて、圧力検出部材の検出信号を処理するべく第1リード線及び第2リード線が接続される回路基板と、ハウジングの内側に配置されて固定され回路基板を保持する保持部材を含む、構成を採用してもよい。
上記圧力センサにおいて、回路基板と電気的に接続される複数の端子が一体的に埋設されたコネクタ部材と、コネクタ部材の外周に嵌合されると共にコネクタ部材を保持部材に対して軸線方向に押圧した状態でハウジングに固定される筒状の押圧部材を含む、構成を採用してもよい。
上記圧力センサにおいて、ハウジングは、ダイヤフラム及び圧力検出部材を含むサブハウジングと、サブハウジングを収容する先端側ハウジングと、先端側ハウジングに結合されると共に回路基板を収容する後端側ハウジングを含む、構成を採用してもよい。
上記圧力センサにおいて、第1リード線及び第2リード線は、先端側ハウジングの内壁面に沿うように配置されている、構成を採用してもよい。
上記構成をなす圧力センサによれば、圧電体の亀裂や破損等を防止でき、組み付け作業も容易に行え、ハウジング内に配置された部品の振動も抑制でき、高精度な検出信号を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る圧力センサを示す外観斜視図である。 一実施形態に係る圧力センサの軸線を通る面での斜視断面図である。 一実施形態に係る圧力センサをエンジンのシリンダヘッドに装着した状態において、軸線を通る断面図である。 一実施形態に係る圧力センサの分解斜視図である。 一実施形態に係る圧力センサに含まれる先端側ハウジング及びその内部に配置されるセンサモジュール(サブハウジング、ダイヤフラム、保持板、位置決め部材、断熱部材、圧力検出部材、予荷重付与部材、第1リード線、第2リード線)を示す断面図である。 一実施形態に係る圧力センサに含まれる先端側ハウジング及びその内部に配置されるセンサモジュール(サブハウジング、ダイヤフラム、保持板、位置決め部材、断熱部材、圧力検出部材、予荷重付与部材、第1リード線、第2リード線)を示すものであり、図5に示す断面に対して90度回転した位置における断面図である。 一実施形態に係る圧力センサにおいて、圧力検出部材(第1電極、圧電体、第2電極)、第1リード線、第2リード線の接続関係を示す部分断面図である。 一実施形態に係る圧力センサに含まれるセンサモジュール(サブハウジング、ダイヤフラム、保持板、位置決め部材、断熱部材、圧力検出部材、予荷重付与部材、第1リード線、第2リード線)の分解斜視図である。 一実施形態に係る圧力センサに含まれる第1電極、圧電体、第2電極、第1リード線、第2リード線の配置関係を示す部分斜視図である。 一実施形態に係る圧力センサのセンサモジュールの部分の組付け作業を示す断面図である。 一実施形態に係る圧力センサのセンサモジュールの部分の組付け作業を示す断面図である。 一実施形態に係る圧力センサのセンサモジュールの部分の組付け作業を示す断面図である。 一実施形態に係る圧力センサのセンサモジュールの部分の組付け作業を示す断面図である。 一実施形態に係る圧力センサのセンサモジュールの部分の組付け作業を示す断面図である。 一実施形態に係る圧力センサにおいて、位置決め部材と、第1電極及び第1リード線と、圧電体の配置関係を示す平面図である。 一実施形態に係る圧力センサにおいて、位置決め部材と、第1電極及び第1リード線と、圧電体と、第2電極及び第2リード線の配置関係を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
一実施形態に係る圧力センサは、図3に示すように、エンジンのシリンダヘッドCHに取り付けられて、圧力媒体としての燃焼室内の燃焼ガスの圧力を検出するものである。
一実施形態に係る圧力センサは、図1ないし図6に示すように、軸線Sを画定する筒状のハウジングHとしての先端側ハウジング10及び後端側ハウジング20並びにサブハウジング30、遮熱板40、ダイヤフラム50、保持板60、位置決め部材70、断熱部材80、圧力検出部材90、予荷重付与部材100、第1リード線110、第2リード線120、回路基板130、回路基板130を保持する保持部材140、コネクタ部材150、コネクタ部材150を押圧して固定する押圧部材160を備えている。
ここで、圧力検出部材90は、ハウジングHの先端側から軸線S方向に順次積層された、第1電極91、圧電体92、及び第2電極93により構成されている。
予荷重付与部材100は、固定部材101及び絶縁部材102により構成されている。
また、サブハウジング30、ダイヤフラム50、保持板60、位置決め部材70、断熱部材80、圧力検出部材90、予荷重付与部材100、第1リード線110、第2リード線120により、センサモジュールMが構成されている。
先端側ハウジング10は、析出硬化系やフェライト系のステンレス鋼等の金属材料を用いて、軸線Sを画定する円筒状に形成され、センサモジュールMを収容している。
先端側ハウジング10は、図1ないし図6に示すように、圧力媒体に晒される先端円筒部11、センサモジュールMが嵌合される嵌合内周面12、軸線Sを中心として貫通する貫通路13、外周面に形成された雄ネジ部14、後端側ハウジング20が接合して固定される環状フランジ部15、環状凸部16、保持部材140の先端側の当接部146を受ける環状受け面17を備えている。
後端側ハウジング20は、オーステナイト系やフェライト系のステンレス鋼等の金属材料を用いて、軸線Sを画定する円筒状に形成され、回路基板130を収容している。
後端側ハウジング20は、図2ないし図4に示すように、先端面21、軸線Sを中心として貫通する貫通路22、後端面23、環状フランジ部24を備えている。
そして、後端側ハウジング20は、貫通路22に環状凸部16が嵌合されると共に、先端面21が環状フランジ部15に接合されて先端側ハウジング10に溶接されることにより、先端側ハウジング10と一体的に軸線Sを画定するハウジングHを構成する。
サブハウジング30は、析出硬化系やフェライト系のステンレス鋼等の金属材料を用いて、図5ないし図7に示すように、軸線S方向に伸長する円筒状に形成され、嵌合内周面12に嵌合される外周壁31、軸線Sを中心とする内周壁32、先端面33、奥側端面34を備えている。
そして、サブハウジング30は、ダイヤフラム50、保持板60、位置決め部材70、断熱部材80、圧力検出部材90、予荷重付与部材100、第1リード線110及び第2リード線120が組み付けられた状態で、先端側ハウジング10の嵌合内周面12に嵌め込まれてその環状底面に奥側端面34が当接した状態で溶接により固定される。
遮熱板40は、ダイヤフラム50に伝わる伝熱量を抑制するものであり、析出硬化性を有するステンレス鋼等の金属材料を用いて円板状に形成されている。遮熱板40の材料としては、熱伝導率が小さく、耐久性に優れ、剛性の高い材料が好ましく、例えば、上記ステンレス鋼の他に、ニッケル合金、鉄系合金、チタン合金等を使用することができる。
そして、遮熱板40は、ダイヤフラム50の外側から重ね合わされて、ダイヤフラム50に部分的な溶接により固定され又は先端側ハウジング10の先端円筒部11の内壁面に溶接により固定される。
ダイヤフラム50は、圧力媒体の圧力を受けるものであり、析出硬化性を有するステンレス鋼等の金属材料を用いて形成され、図5ないし図7に示すように、可撓板状部51、可撓板状部51に連続して形成された突出部52を備えている。
可撓板状部51は、サブハウジング30の外径寸法と同等の外径をなす弾性変形可能な円板状に形成され、その外縁領域がサブハウジング30の先端面33に対して溶接により固定される。
突出部52は、可撓板状部51の軸線Sを中心とする中央領域からサブハウジング30の内側に向けて軸線S方向に伸長する円柱状に形成されている。そして、突出部52は、可撓板状部51が受けた力を、保持板60、断熱部材80及び第1電極91を介して、圧電体92に伝達する役割をなす。
保持板60は、析出硬化系やフェライト系のステンレス鋼等の金属材料を用いて、図7に示すように、突出部52の外径よりも大きい外径をなす円板状に形成されている。
そして、保持板60は、位置決め部材70の嵌合凹部72に嵌め込まれた状態でダイヤフラム50の突出部52と断熱部材80の間に挟持されて、位置決め部材70を可撓板状部51から離隔するように保持し、ダイヤフラム50の可撓板状部51と位置決め部材70の間に空間を画定する役割をなす。この空間の存在により、ダイヤフラム50からサブハウジング30の内側に向かう伝熱を効率良く抑制することができる。尚、保持板60は、機械的剛性が高いものであれば、絶縁材料、その他の材料により形成されてもよい。
位置決め部材70は、電気的絶縁性及び熱的絶縁性を有する絶縁材料を用いて、図5ないし図8に示すように、軸線S方向に伸長する略円筒状に形成され、貫通孔71、嵌合凹部72、外周壁73、第1切欠き溝74及び第2切欠き溝75を備えている。
貫通孔71は、軸線Sを中心としかつ軸線S方向に伸長する円筒孔をなす。
嵌合凹部72は、保持板60を受け入れるべく軸線Sを中心とする円環状凹部をなす。
外周壁73は、サブハウジング30の内周壁32に嵌合されるべく軸線Sを中心とする円筒面73aを有する。
第1切欠き溝74は、外周壁73において貫通孔71に通じ、第1リード線110及び第1電極91の第1延出部91bを軸線S方向から挿入し得るべく軸線S方向に伸長するように形成されている。
第2切欠き溝75は、第1切欠き溝74と同一形状をなすと共に軸線S回りにおいて180度離れた点対称の位置に設けられ、第2リード線120及び第2電極93の第2延出部93bを軸線S方向から挿入し得るべく軸線S方向に伸長するように形成されている。
ここで、位置決め部材70を形成する絶縁材料としては、熱容量が大きく、熱伝導率の小さいものが好ましく、例えば、石英ガラス、ステアタイト、ジルコニア、コージライト、フォルステライト、ムライト、イットリア等のセラミックス、又は、導電性材料に絶縁処理を施したものが挙げられる。
そして、位置決め部材70は、突出部52に当接した保持板60により支持されかつサブハウジング30の内周壁32に嵌合されると共に、貫通孔71内において、断熱部材80と、第1電極91、圧電体92及び第2電極93からなる圧力検出部材90と、絶縁部材102とを積層状態で位置決めして保持する。
すなわち、位置決め部材70は、ハウジングHの一部をなすサブハウジング30の内側に配置されると共に、断熱部材80、圧力検出部材90及び絶縁部材102を貫通孔71に嵌め込んでハウジングHの軸線S上に位置決めする役割をなす。
したがって、位置決め部材70を基準として、断熱部材80、圧力検出部材90(第1電極91、圧電体92、第2電極93)を、両電極の絶縁性を確保しつつ軸線S上に位置決めして容易に組み付けることができる。
断熱部材80は、電気的絶縁性及び熱的絶縁性を有する絶縁材料を用いて、図7及び図8に示すように、軸線S方向において対向する端面81,82、外周面83、外周面83の一部を切除した二つの平面84を画定するように形成されている。
端面81は、軸線S方向において、ダイヤフラム50の突出部52に積層された保持板60と接合される。端面82は、軸線S方向において、第1電極91の端面91aと接合される。外周面83は、軸線Sと垂直な方向において、位置決め部材70の貫通孔71の内壁面と接合される。二つの平面84は、位置決め部材70の第1切欠き溝74及び第2切欠き溝75にそれぞれ臨むように配置される。
ここで、断熱部材80を形成する絶縁材料としては、熱容量が大きく、熱伝導率の小さいものが好ましく、例えば、石英ガラス、ステアタイト、ジルコニア、コージライト、フォルステライト、ムライト、イットリア等のセラミックス、又は、導電性材料に絶縁処理を施したものが挙げられる。
そして、断熱部材80は、サブハウジング30の内側において、ダイヤフラム50の突出部52に当接する保持板60と第1電極91の間に配置され、ダイヤフラム50から第1電極91への伝熱を抑制するように機能する。
すなわち、ダイヤフラム50が受けた圧力による荷重は、保持板60、断熱部材80及び第1電極91を介して圧電体92に伝達され、一方、ダイヤフラム50から第1電極91への伝熱は、断熱部材80により抑制される。
圧力検出部材90は、圧力を検出するべく機能するものであり、図5ないし図9に示すように、サブハウジング30の内側において、先端側から軸線S方向に順次積層された、第1電極91、圧電体92、及び第2電極93を備えている。
第1電極91は、析出硬化系やフェライト系のステンレス鋼等の導電性の金属材料であり、所定の板厚をなす板状材料を用いて、打抜き及び折り曲げ加工により形成され、第1本体部91aと、第1延出部91bを備えている。
第1本体部91aは、図8及び図9に示すように、位置決め部材70の貫通孔71に挿入される円板状に形成され、断熱部材80の端面82と接合される端面91a、圧電体92の端面92aと接合される第1接合面としての端面91aを備えている。
第1延出部91bは、第1本体部91aの縁部領域から端面91a(第1接合面)と反対側に屈曲して伸長し、具体的には、第1本体部91aの縁部から径方向に延びると共に端面91aと反対側に湾曲して軸線S方向に伸長し、第1リード線110に接続されるように形成されている。
そして、第1電極91は、位置決め部材70の貫通孔71内に第1本体部91aが配置されて、端面91aが断熱部材80の端面82と接合され、端面91aが圧電体92の端面92aと接合され、又、第1延出部91bが位置決め部材70の第1切欠き溝74内に配置されて第1リード線110に接続される。
圧電体92は、一般に市販される圧電素子であり、直方体又は立方体等の平行六面体をなし、分極軸方向(軸線S方向)において対向する端面92a,92b、4つの側面92cを備えている。
そして、圧電体92は、位置決め部材70の貫通孔71内において、端面92aが第1電極91の端面91aと接合され、端面92bが第2電極93の端面93aと接合されるように配置される。
これにより、圧電体92は、軸線S方向において受けた荷重による歪に基づいて電気信号を出力する。
尚、圧電体92としては、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等によるセラミックス、水晶等が適用される。
第2電極93は、析出硬化系やフェライト系のステンレス鋼等の導電性の金属材料であり、所定の板厚をなす板状材料を用いて、打ち抜き及び折り曲げ加工により形成され、第2本体部93aと、第2延出部93bを備えている。
第2本体部93aは、図8及び図9に示すように、位置決め部材70の貫通孔71に挿入される円板状に形成され、絶縁部材102の端面102aと接合される端面93a、圧電体92の端面92bと接合される第2接合面としての端面93aを備えている。
第2延出部93bは、第2本体部93aの縁部領域から端面93a(第2接合面)と反対側に屈曲して伸長し、具体的には、第2本体部93aの縁部から径方向に延びると共に端面93aと反対側に湾曲して軸線S方向に伸長し、第2リード線120に接続されるように形成されている。
そして、第2電極93は、位置決め部材70の貫通孔71内に第2本体部93aが配置されて、端面93aが圧電体92の端面92bと接合され、端面93aが絶縁部材102の端面102aと接合され、又、第2延出部93bが位置決め部材70の第2切欠き溝75内に配置されて第2リード線120に接続される。
上記のように、第1電極91は、第1本体部91aの縁部領域から第1接合面(端面91a)と反対側に屈曲して伸長し第1リード線110に接続される第1延出部91bを含み、第2電極93は、第2本体部93aの縁部領域から第2接合面(端面93a)と反対側に屈曲して伸長し第2リード線120に接続される第2延出部93bを含むため、圧電体92を挟み込んで組み付けられる際に、圧電体92の縁部領域が第1延出部91b又は第2延出部93bのフィレット(角R)部に乗り上げることがない。
これにより、圧電体92の中心が第1本体部91aと第2本体部93aの間において中央(軸線S)からずれて配置された状態で圧縮荷重を受けても、圧電体92の亀裂や破損等を防止することができる。
また、第1電極91及び第2電極93は、板状部材を打ち抜き及び折り曲げ加工して形成されたものであるため、例えば立方体をなすようなもの比べて、製造コストの低減、軽量化等を達成することができる。
さらに、第1電極91と第2電極93とは、同一形状をなすように形成されている。したがって、組み付け方向を変えることにより、一つの形態なす電極で二つの電極を兼ねることができるため、部品の共用化により、低コスト化を達成することができる。
予荷重付与部材100は、図5ないし図8に示すように、ハウジングHの一部をなすサブハウジング30の内側に配置されて、ダイヤフラム50に向けて圧力検出部材90を押圧して予荷重を付与し、圧力検出部材90に対してセンサとしての直線特性を与える役割をなすものであり、固定部材101及び絶縁部材102により構成されている。
固定部材101は、析出硬化系やフェライト系のステンレス鋼等の金属材料を用いて円柱状に形成され、軸線S方向に面する端面101a、第1嵌合溝101b、第2嵌合溝101c、外周面101dを備えている。
端面101aは、軸線S方向において、絶縁部材102の端面102bと接合される。
第1嵌合溝101bは、第1リード線110を嵌合させて位置決めするべく、外周面101dにおける開口部が内径よりも絞られて軸線S方向に伸長して肉抜きされた縦溝状に形成されている。
第2嵌合溝101cは、第1嵌合溝101bに対して軸線S回りに180度離れた点対称の位置において、第2リード線120を嵌合させて位置決めするべく、外周面101dにおける開口部が内径よりも絞られて軸線S方向に伸長して肉抜きされた縦溝状に形成されている。
外周面101dは、サブハウジング30の内周壁32に嵌合されるべく、軸線Sを中心とする円筒面をなす。
絶縁部材102は、電気的に絶縁性の高い絶縁材料を用いて円柱状に形成され、軸線S方向において対向する端面102a,102b、外周面102c、外周面102cの一部を切除した二つの平面102dを備えている。
端面102aは、軸線S方向において、第2電極93の端面93aと接合される。端面102bは、軸線S方向において、固定部材101の端面101aと接合される。外周面102cは、軸線Sに垂直な方向において、位置決め部材70の貫通孔71の内壁面と接合される。二つの平面102dは、位置決め部材70の第1切欠き溝74及び第2切欠き溝75にそれぞれ臨むように配置される。
そして、絶縁部材102は、第2電極93と固定部材101との電気的絶縁を維持すると共に、圧電体92に伝わった熱を固定部材101へ導いて放熱させるように機能する。
絶縁部材102の絶縁材料としては、熱容量が小さく、熱伝導率が大きいものが好ましく、例えば、アルミナ、サファイア、窒化アルミニウム、炭化珪素等のセラミックス、又は、導電性材料に絶縁処理を施したものが挙げられる。
また、絶縁部材102としては、断熱部材80の熱伝導率よりも大きい熱伝導率を有するものが好ましく、又、断熱部材80よりも熱容量が小さいものが好ましい。これによれば、断熱部材80により圧電体92に伝わる伝熱量をできるだけ抑える一方で、圧電体92に伝わった熱は絶縁部材102を通して放熱を促進させることができる。
上記構成をなす予荷重付与部材100の組み付けにおいては、図6に示すように、圧力検出部材90が位置決め部材70内に配置された状態で、絶縁部材102が第2電極93に当接するように貫通孔71に嵌め込まれる。そして、固定部材101が絶縁部材102に当接するように圧力検出部材90を軸線S方向のダイヤフラム50に向けて押し付けられ、所定の予荷重が付与された状態で、固定部材101がサブハウジング30に溶接により固定される。
このように、予荷重付与部材100で予荷重を付与することで、圧力検出部材90に対してセンサとしての直線特性を与えることができる。また、絶縁部材102は、第2電極93と固定部材101との電気的絶縁を維持すると共に、圧電体92に伝わった熱を固定部材101へ導いて放熱させることができる。
第1リード線110は、図3、図5、図7ないし図9に示すように、導線111、導線111を覆う絶縁チューブ112により構成されている。
そして、第1リード線110は、導線111の一端部111aが第1電極91の第1延出部91bに接続され、導線111の他端部111bが回路基板130から延びる第1ターミナル143aに接続される。
すなわち、第1リード線110は、第1電極91に接続され、位置決め部材70の第1切欠き溝74を通り、固定部材101の第1嵌合溝101bに絶縁チューブ112が嵌合され、先端側ハウジング10の貫通路13の内壁面に絶縁チューブ112が沿うように配置され、先端側ハウジング10と絶縁して環状フランジ部15よりも外側に導出されて第1ターミナル143aに接続され、電気回路に対して電気的にグランド側(マイナス側)に接続される。
第2リード線120は、図3、図5、図7ないし図9に示すように、導線121、導線121を覆う絶縁チューブ122により構成されている。
そして、第2リード線120は、導線121の一端部121aが第2電極93の第2延出部93bに接続され、導線121の他端部121bが回路基板130から延びる第2ターミナル143bに接続される。
すなわち、第2リード線120は、第2電極93に接続され、位置決め部材70の第2切欠き溝75を通り、固定部材101の第2嵌合溝101cに絶縁チューブ122が嵌合され、先端側ハウジング10の貫通路13の内壁面に絶縁チューブ122が沿うように配置され、先端側ハウジング10と絶縁して環状フランジ部15よりも外側に導出されて第2ターミナル143bに接続され、電気回路に対して電気的に出力側(プラス側)に接続される。
上記第1リード線110と第2リード線120は、長さが異なるのみで、その他の構造及び材質等は同じものである。
回路基板130は、図2ないし図4に示すように、軸線S方向に長尺な矩形板状に形成され、圧力検出部材90の検出信号を処理する(例えば、増幅処理する)種々の電子部品131、接続部132,133,134,135,136を含むプリント配線(不図示)、ボンディングワイヤ137a,137b、リードピン138a,138b,138cを備えている。
接続部132には、第1ターミナル143a及びボンディングワイヤ137aを介して、第1リード線110が接続される。
接続部133には、第2ターミナル143b及びボンディングワイヤ137bを介して、第2リード線120が接続される。
接続部134,135,136には、三つのリードピン138a,138b,138cがそれぞれ接続される。尚、三つのリードピン138a,138b,138cは、組付け時の最適な工程で接続部134,135,136に接続される。
そして、回路基板130は、実装面と反対側の背面に接着剤が塗布され、保持部材140の位置決め部141に固定され、組付け状態において後端側ハウジング20内に収容される。
保持部材140は、回路基板130を保持するものであり、機械的強度及び剛性、耐熱性に優れた樹脂材料、例えばポリフェニレンスルファイド(PPS)等の樹脂材料を用いて、軸線S方向に長尺に形成されている。
保持部材140は、図2ないし図4に示すように、位置決め部141、第1リード線110及び第2リード線120をそれぞれガイドするガイド溝142a,142b、部分的に埋設された第1ターミナル143a及び第2ターミナル143b、貫通孔144、三つのリードピン138a,138b,138cを互いに隔離して沿わせる隔離壁145、先端側の当接部146、先端嵌合部147、後端側の嵌合凸部148を備えている。
貫通孔144は、第1ターミナル143aに対して第1リード線110の他端部111bが接続されると共に第2ターミナル143bに対して第2リード線120の他端部121bが接続される領域に形成されている。これにより、第1ターミナル143a及び他端部111bの接続対と、第2ターミナル143b及び他端部121bの接続対を、それぞれ両外側から挟み込むようにしてスポット溶接等により容易に接続することができる。
当接部146は、軸線S方向の先端側において、先端側ハウジング10の環状受け面17に当接する円弧状の平坦面をなす。
先端嵌合部147は、先端側ハウジング10の貫通路13に嵌合されるべく、当接部146から軸線S方向に突出する半円柱状をなす。
嵌合凸部148は、軸線Sに垂直な断面が略矩形状をなし、コネクタ部材150の嵌合凹部151fに対して軸線S回りに回転不能に嵌合されるべく形成され、軸線S方向の後端においてコネクタ部材150の嵌合凹部151fの底面に当接する当接面148aを備えている。
そして、保持部材140は、位置決め部141に回路基板130を位置決め固定した状態で、後端側ハウジング20の貫通路22に挿入され、先端嵌合部147が先端側ハウジング10の貫通路13に嵌合され、当接部146が環状受け面17に当接するように配置される。
コネクタ部材150は、機械的強度及び剛性、耐熱性に優れた樹脂材料、例えばポリフェニレンスルファイド(PPS)等の樹脂材料を用いてモールド成型され、図2ないし図4に示すように、コネクタ本体151と、コネクタ本体151に埋設された三つの端子152,153,154を備えている。
コネクタ本体151は、筒部151a、小径部151b、大径部151c、環状段差部151d、シール用のOリングRが嵌め込む環状溝151e、嵌合凹部151fを備えている。
筒部151aは、三つの端子152,153,154を外部に向けて露出させると共に三つの端子152,153,154の周りを囲繞するように形成され、外部から導かれるコネクタが接続されるようになっている。
小径部151bは、筒部151aに連続すると共に三つの端子152,153,154を埋設して固定するように形成されている。
大径部151cは、小径部151bに連続すると共に小径部151bよりも外径が大きくて、小径部151bと同様に三つの端子152,153,154を埋設して固定するように形成されている。
環状段差部151dは、小径部151bと大径部151cとの間に形成され、環状円錐面の一部を画定し、押圧部材160の環状押圧部163により軸線S方向に押圧されるようになっている。
嵌合凹部151fは、図2及び図3に示すように、保持部材140の嵌合凸部148が嵌合されて当接するべく、端面150aの軸線Sを含む中央領域において軸線Sに垂直な断面が略矩形状をなすと共に端面150aから軸線S方向に凹むように形成されている。
端子152,153,154は、剛性が高い金属材料により形成され、所定の形態に成形された後に、金型に嵌め込まれてコネクタ本体151と一体成形される。
端子152は圧力検出部材90の検出信号に関する電圧の出力に用いられ、端子153は電源電圧の供給に用いられ、端子154はグランド電圧の供給に用いられる。
また、端子152,153,154は、嵌合凹部151fから外れた領域において、端面150aから軸線S方向に突出するように配置されている。
上記のように、コネクタ部材150は、端子152,153,154を一体的に埋設して形成されているため、コネクタ本体151と端子152,153,154との相対的な移動を防止でき、機械的強度及び剛性を高めることができる。また、コネクタ部材150は、保持部材140とは別体として形成されているため、適用対象物に応じてコネクタ部材の筒部の接続形状及び端子の配置形状が異なる場合は、コネクタ部材150のみを仕様に応じて設定するだけで、その他の部品を共用することができる。
押圧部材160は、オーステナイト系やフェライト系のステンレス鋼等の金属材料を用いて、図2ないし図4に示すように、軸線Sを中心とする円筒状に形成され、大径筒部161、連結部162、環状押圧部163を備えている。
大径筒部161は、コネクタ部材150の大径部151cが密接に嵌合され、又、後端側ハウジング20の環状フランジ部24が密接に嵌合するように形成されている。
連結部162は、ハウジングHを軸線S回りに回転させる工具を連結するための領域であり、コネクタ部材150の小径部151bが内接する六角形の断面をなす筒状に形成されている。したがって、工具を連結部162に連結してハウジングHを軸線S回りに回転させることにより、適用対象物に対する圧力センサの取付け及び取り外しが可能である。
環状押圧部163は、大径筒部161と連結部162との境界領域において、環状円錐面の一部を画定する。
そして、押圧部材160は、コネクタ部材150の外周(大径部151c)に嵌合されると共にコネクタ部材150を保持部材140に対して軸線S方向に押圧した状態で、すなわち、環状押圧部163が軸線S方向においてコネクタ部材150の環状段差部151dに押し付けられた状態で、後端側ハウジング20の環状フランジ部24に溶接により固定される。このように、押圧部材160は、コネクタ部材150の外周領域を押圧すると共にコネクタ部材150の中央領域を保持部材140に向けて押圧することにより、コネクタ部材150の振動を抑制する。
次に、一実施形態に係る圧力センサに含まれるセンサモジュールMの組付け作業について説明する。
作業に際して、サブハウジング30、ダイヤフラム50、保持板60、位置決め部材70、断熱部材80、圧力検出部材(第1電極91、圧電体92、第2電極93)、予荷重付与部材100、第1リード線110、第2リード線120が準備される。
先ず、サブハウジング30の先端面33にダイヤフラム50が溶接により固定される。また、第1電極91の第1延出部91bに第1リード線110がスポット溶接等により接続され、第2電極93の第2延出部93bに第2リード線120がスポット溶接等により接続される。
続いて、図10に示すように、保持板60が突出部52に積層され、保持板60が嵌合凹部72に嵌め込まれるように位置決め部材70がサブハウジング30内に挿入され、断熱部材80が位置決め部材70の貫通孔71に挿入されて保持板60に積層される。
続いて、図11に示すように、第1電極91が、第1リード線110と一緒に、位置決め部材70の貫通孔71に挿入され、第1電極91の第1本体部91aが断熱部材80に積層される。ここで、第1電極91の第1延出部91b及び第1リード線110は、位置決め部材70の第1切欠き溝74に挿入されつつ積層されるため、位置決めを容易に行うことができる。
続いて、図12に示すように、圧電体92が、位置決め部材70の貫通孔71に挿入されて、第1電極91の第1本体部91aに積層される。
このとき、圧電体92は、軸線Sに垂直な面において貫通孔71の範囲内に配置され、第1延出部91bは、圧電体92と反対側に(軸線S方向の下側に向けて)延出するように形成されているため、図15中の二点鎖線で示すように仮に圧電体92が片寄って配置されても、圧電体92が第1延出部91b又はその付根領域(フィレット部)と干渉することはない。
続いて、図13に示すように、第2電極93が、第2リード線120と一緒に、位置決め部材70の貫通孔71に挿入され、第2電極93の第2本体部93aが圧電体92に積層される。ここで、第2電極93の第2延出部93b及び第2リード線120は、位置決め部材70の第2切欠き溝75に挿入されつつ積層されるため、位置決めを容易に行うことができる。また、第2延出部93bは、圧電体92と反対側に(軸線S方向の上側に向けて)延出するように形成されているため、図16中の二点鎖線で示すように仮に圧電体92が片寄って配置されても、圧電体92が第2延出部93b又はその付根領域(フィレット部)と干渉することはない。
続いて、図14に示すように、絶縁部材102が、位置決め部材70の貫通孔71に挿入され、第2電極93の第2本体部93aに積層される。そして、固定部材101が、絶縁部材102に積層されて、軸線S方向においてダイヤフラム50を押圧するように所定の荷重が付与された状態で、固定部材101の外周面がサブハウジング30の内周壁32と溶接されて、固定部材101がサブハウジング30に固定される。
これにより、サブハウジング30、ダイヤフラム50、保持板60、位置決め部材70、断熱部材80、圧力検出部材90(第1電極91、圧電体92、第2電極93)、予荷重付与部材100、第1リード線110、第2リード線120が、サブハウジング30に組み込まれたセンサモジュールMが得られる。
これによれば、センサモジュールMを一つの製品として取り扱うことができ、タイプの異なる種々の圧力センサに適用することができる。
上記の組付け作業は、一例であって、これに限定されるものではなく、例えば、以下の作業手順により組み付けられてもよい。
先ず、サブハウジング30を省いた状態で、治具を用いて、ダイヤフラム50、保持板60、位置決め部材70が積層されて保持される。続いて、断熱部材80、第1電極91、圧電体92、第2電極93、絶縁部材102が、位置決め部材70の貫通孔71に順次積層される。続いて、第1リード線110が第1延出部91bにスポット溶接により接続され、第2リード線120が第2延出部93bにスポット溶接により接続される。
そして、サブハウジング30が、全体の積層物を収容するように嵌め込まれて、ダイヤフラム50が先端面33に溶接され、固定部材101が挿入されて絶縁部材102に積層されつつ所定の荷重が付与された状態で、固定部材101がサブハウジング30に溶接により固定される。この作業手順においても、上記同様のセンサモジュールMを得ることができる。
次に、上記のセンサモジュールMを備えた圧力センサの組付け作業について説明する。
先ず、先端側ハウジング10、後端側ハウジング20、遮熱板40、センサモジュールM、回路基板130、保持部材140、コネクタ部材150、押圧部材160が準備される。尚、回路基板130には、予め、ボンディングワイヤ137a,137b及びリードピン138a,138b,138cの一端部がそれぞれ接続されている。
先ず、センサモジュールMが先端側ハウジング10に組み込まれる。すなわち、第1リード線110及び第2リード線120が先端側ハウジング10の貫通路13に通されて環状凸部16よりも外側に延出するように配線されると共に、サブハウジング30が先端側ハウジング10の嵌合内周面12に嵌め込まれて溶接により固定される。そして、遮熱板40が、ダイヤフラム50を外側から覆うように配置されて、先端側ハウジング10の先端円筒部11に又はダイヤフラム50の一部に溶接により固定される。
また、回路基板130が、保持部材140の位置決め部141に嵌め込まれて接着剤により固定される。そして、ボンディングワイヤ137aが第1ターミナル143aに接続され、ボンディングワイヤ137bが第2ターミナル143bに接続される。
尚、ボンディングワイヤ137a,137b及び三つのリードピン138a,138b,138cは、回路基板130が保持部材140に固定された後に接続部132,133,134,135,136にそれぞれ接続されてもよい。
続いて、回路基板130を保持した保持部材140が、先端側ハウジング10に組み付けられる。すなわち、保持部材140の先端嵌合部147が先端側ハウジング10の貫通路13に嵌め込まれ、当接部146が環状受け面17に当接される。
そして、図3に示すように、貫通孔144の領域において、第1リード線110の他端部111bが第1ターミナル143aにスポット溶接により接続され、第2リード線120の他端部121bが第2ターミナル143bにスポット溶接により接続される。
続いて、図2及び図3に示すように、後端側ハウジング20が、保持部材140を挿通させるようにして組み付けられ、貫通路22に環状凸部16が嵌め込まれると共に先端面21が環状フランジ部15に接合される。そして、後端側ハウジング20が先端側ハウジング10に溶接により固定される。
これにより、先端側ハウジング10、後端側ハウジング20及びサブハウジング30は、軸線Sを画定する筒状のハウジングHを形成する。この状態において、後端側ハウジング20は、保持部材140の周りを非接触にて囲繞する。
続いて、図2及び図3に示すように、コネクタ部材150が軸線S方向から保持部材140に近づけられて、嵌合凸部148の当接面148aが嵌合凹部151fの底面に当接するように、コネクタ部材150が保持部材140に嵌合される。これにより、コネクタ部材150は、保持部材140に位置決めして保持される。
その後、端子152,153,154は、それぞれ対応するリードピン138a,138b,138cにスポット溶接により接続される。
続いて、押圧部材160が、軸線S方向からコネクタ部材150に近づけられて組み付けられ、コネクタ部材150を保持部材140に押圧しつつ後端側ハウジング20の環状フランジ部24に嵌合させられた状態に維持される。
その状態で、押圧部材160の大径筒部161の先端領域が、後端側ハウジング20の環状フランジ部24に溶接されて、押圧部材160がハウジングHに一体的に固定される。以上により、圧力センサの組付けが完了する。
尚、上記組み付け手順は、一例であって、これに限定されるものではなく、その他の組付け手順を採用してもよい。
上記一実施形態に係る圧力センサによれば、第1電極91は、圧電体92に接合される第1接合面(端面91a)を有する第1本体部91aと、第1本体部91aの縁部領域から第1接合面と反対側に屈曲して伸長し第1リード線110に接続される第1延出部91bを含み、第2電極93は、圧電体92に接合される第2接合面(端面93a)を有する第2本体部93aと、第2本体部93aの縁部領域から第2接合面と反対側に屈曲して伸長し第2リード線120に接続される第2延出部93bを含む構成となっている。
したがって、第1電極91、圧電体92、及び第2電極93が積層され、仮に圧電体92が片寄って積層された状態で圧縮荷重が及ぼされても、圧電体92の縁部領域が第1延出部91b及び第2延出部93bの付根領域におけるフィレット(角R)部に乗り上げることはなく、圧電体92の亀裂や破損を防止することができる。
また、第1電極91及び第2電極93は、それぞれ板状部材により形成されているため、軸線S方向における薄型化、軽量化及び低コスト化を達成することができる。
また、第1電極91と第2電極93とが同一形状をなすことにより、それらの配置方向を変えるだけで部品の共用化を達成でき、低コスト化を達成することができる。
さらに、第1切欠き溝74及び第2切欠き溝75を備えた位置決め部材70を採用し、第1電極91の第1延出部91bが第1切欠き溝74内に配置され、第2電極93の第2延出部93bが第2切欠き溝75内に配置される構成とすることにより、組み付け時において、第1電極91及び第2電極93を所定方向に方向付けして、容易に組み付けることができる。
また、上記一実施形態に係る圧力センサによれば、遮熱板40及び断熱部材80を含むため、圧力検出部材90に対する熱の影響を抑制することができ、又、予荷重付与部材100に含まれる固定部材101が第1リード線110及び第2リード線120をそれぞれ嵌合させて位置決めする第1嵌合溝101b及び第2嵌合溝101cを備えるため、第1リード線110及び第2リード線120の振動を抑制することができる。
また、回路基板130を保持する保持部材140、コネクタ部材150を介して保持部材140を押圧し固定する押圧部材160を備えるため、回路基板130及びコネクタ部材150の全体の振動を抑制ないし防止できる。その結果、ノイズの発生を抑制して、高精度な検出信号を得ることができる。
以上述べたように、一実施形態に係る圧力センサによれば、圧電体の亀裂や破損等を防止でき、組み付け作業も容易に行え、ハウジング内に配置された部品の振動も抑制でき、高精度な検出信号を得ることができる。
上記実施形態においては、第1電極及び第2電極として、板状部材により形成された第1電極91及び第2電極93を示したが、これに限定されるものではなく、本体部の縁部領域から延出する延出部が、圧電体が接合される接合面と反対側に屈曲して伸長しリード線に接続されるものであれば、その他の形態をなす第1電極及び第2電極を採用してもよい。
また、第1電極及び第2電極として、同一形状をなす第1電極91及び第2電極93を示したが、これに限定されるものではなく、本体部の縁部領域から延出する延出部が、圧電体が接合される接合面と反対側に屈曲して伸長しリード線に接続されるものであれば、異なる形状をなす第1電極及び第2電極を採用してもよい。
上記実施形態においては、圧力媒体の圧力を検出するセンサモジュールとして、サブハウジング30、ダイヤフラム50、保持板60、位置決め部材70、断熱部材80、圧力検出部材90(第1電極91、圧電体92、第2電極93)、予荷重付与部材100、第1リード線110、及び第2リード線120を含むセンサモジュールMを示したが、これに限定されるものではない。
例えば、圧力媒体の圧力を検出できる構成であれば、サブハウジングを廃止した構成、圧力検出部材90(第1電極91、圧電体92、第2電極93)を位置決めして積層できる限りにおいて保持板60及び位置決め部材70を廃止した構成、その他の形態をなすセンサモジュールを採用してもよい。
上記実施形態においては、ハウジングとして、先端側ハウジング10及び後端側ハウジング20並びにサブハウジング30により構成されるハウジングHを示したが、これに限定されるものではなく、ハウジングが一つのハウジング又は四つ以上のハウジングから成る構成、その他の形態をなすハウジングを採用してもよい。
以上述べたように、本発明の圧力センサは、圧電体の亀裂や破損等を防止でき、組み付け作業も容易に行え、ハウジング内に配置された部品の振動も抑制でき、高精度な検出信号を得ることができるため、特にエンジンの燃焼室内の燃焼ガス等の高温圧力媒体の圧力を検出する圧力センサとして適用できるのは勿論のこと、燃焼ガス以外の高温の圧力媒体あるいはその他の圧力媒体の圧力を検出する圧力センサとしても有用である。
S 軸線
H ハウジング
10 先端側ハウジング
13 貫通路(内壁面)
20 後端側ハウジング
30 サブハウジング
50 ダイヤフラム
70 位置決め部材
71 貫通孔
73 外周壁
74 第1切欠き溝
75 第2切欠き溝
80 断熱部材
90 圧力検出部材
91 第1電極
91a 第1本体部
91a 端面(第1接合面)
91b 第1延出部
92 圧電体
93 第2電極
93a 第2本体部
93a 端面(第2接合面)
93b 第2延出部
100 予荷重付与部材
101 固定部材
101b 第1嵌合溝
101c 第2嵌合溝
102 絶縁部材
110 第1リード線
120 第2リード線
130 回路基板
140 保持部材
150 コネクタ部材
152,153,154 複数の端子
160 押圧部材

Claims (13)

  1. 軸線を画定する筒状のハウジングと、
    前記ハウジングの先端側に固定されて圧力媒体の圧力を受けるダイヤフラムと、
    前記ハウジングの内側において前記先端側から前記軸線方向に順次積層された第1電極、圧電体、及び第2電極からなる圧力検出部材と、
    前記第1電極及び前記第2電極にそれぞれ接続された第1リード線及び第2リード線と、を備え、
    前記第1電極は、前記圧電体に接合される第1接合面を有する第1本体部と、前記第1本体部の縁部領域から前記第1接合面と反対側に屈曲して伸長し前記第1リード線に接続される第1延出部を含み、
    前記第2電極は、前記圧電体に接合される第2接合面を有する第2本体部と、前記第2本体部の縁部領域から前記第2接合面と反対側に屈曲して伸長し前記第2リード線に接続される第2延出部を含む、
    ことを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記第1電極は、前記第1本体部及び前記第1延出部が同一の板厚をなす板状部材により形成され、
    前記第2電極は、前記第2本体部及び前記第2延出部が同一の板厚をなす板状部材により形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記第1電極及び前記第2電極は、同一形状をなす、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力センサ。
  4. 前記ハウジングの内側に配置されると共に前記圧力検出部材を前記軸線上に位置決めするべく、絶縁材料により形成された位置決め部材を含む、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載の圧力センサ。
  5. 前記位置決め部材は、前記軸線を中心とする貫通孔と、前記貫通孔を画定する外周壁において前記貫通孔に通じ前記軸線方向に伸長する第1切欠き溝及び第2切欠き溝を含み、
    前記第1電極は、前記第1本体部が前記貫通孔に挿入された状態で前記第1延出部が前記第1切欠き溝内に配置され、
    前記第2電極は、前記第2本体部が前記貫通孔に挿入された状態で前記第2延出部が前記第2切欠き溝内に配置される、
    ことを特徴とする請求項4に記載の圧力センサ。
  6. 前記位置決め部材の貫通孔内において前記ダイヤフラムと前記第1電極の間に介在するように配置された断熱部材を含む、
    ことを特徴とする請求項5に記載の圧力センサ。
  7. 前記第2電極に積層されて前記ダイヤフラムに向けて予荷重を付与する予荷重付与部材を含む、
    ことを特徴とする請求項6に記載の圧力センサ。
  8. 前記予荷重付与部材は、前記第2電極に積層される絶縁部材と、前記絶縁部材に積層されると共に前記ハウジングに固定される固定部材を含む、
    ことを特徴とする請求項7に記載の圧力センサ。
  9. 前記固定部材は、前記第1リード線を嵌合させて位置決めする第1嵌合溝と、前記第2リード線を嵌合させて位置決めする第2嵌合溝を含む、
    ことを特徴とする請求項8に記載の圧力センサ。
  10. 前記圧力検出部材の検出信号を処理するべく前記第1リード線及び前記第2リード線が接続される回路基板と、
    前記ハウジングの内側に配置されて固定され前記回路基板を保持する保持部材と、を含む、
    ことを特徴とする請求項1ないし9いずれか一つに記載の圧力センサ。
  11. 前記回路基板と電気的に接続される複数の端子が一体的に埋設されたコネクタ部材と、
    前記コネクタ部材の外周に嵌合されると共に前記コネクタ部材を前記保持部材に対して前記軸線方向に押圧した状態で前記ハウジングに固定される筒状の押圧部材と、を含む、
    ことを特徴とする請求項10に記載の圧力センサ。
  12. 前記ハウジングは、前記ダイヤフラム及び前記圧力検出部材を含むサブハウジングと、前記サブハウジングを収容する先端側ハウジングと、前記先端側ハウジングに結合されると共に前記回路基板を収容する後端側ハウジングを含む、
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載の圧力センサ。
  13. 前記第1リード線及び前記第2リード線は、前記先端側ハウジングの内壁面に沿うように配置されている、
    ことを特徴とする請求項12に記載の圧力センサ。

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