JP2023086524A - 積層体及び光表示部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】光による高い意匠性の実現を可能とし、かつ柔軟な触感を有する積層体及びその積層体を備えた光表示部材を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、光透過性を有する表皮層10と、発泡体層20とを備える積層体1Aであり、表皮層10の全光線透過率が0.3%以上であり、表皮層10のヘイズが95%以下であり、発泡体層20の全光線透過率が20%以上であり、発泡体層20のヘイズが95%以上である。本発明の光表示部材は、本発明の積層体と光源とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、発泡体層を備える積層体及びその積層体を備える光表示部材に関する。
自動車等の車両内の光表示部材は、安全表示や、意匠性の向上により、開発が著しい。車の自動運転化に伴い、車の内装は居住性を求められるようになってきている。その為、快適さとパーソナライズの観点から、照明、表示、及びセンサーは、必要な時に表示され、非作動時は内装外観に同化させるシームレスデザインを持った内装とする開発が進められている。さらに、車輛システムやセンサーと連動したアクティブムード照明の開発も進んでいる。具体的には、別の道路利用者が死角となる半径を赤く点滅したり、シートの固定やドライバーへの注意、眠気警告などを照明と連動させたりすることが検討されている。
また、内装材は、高級感や意匠性の観点から、様々は素材が取り入れられ、従来の革調の素材以外に、布や合成皮革、起毛合成皮革(スエード)にパーフォレーション加工を施した合成皮革などの新規の柔軟素材の適用が望まれてきた。アクティブ照明やアンビエントライトをこれらの布や加工表皮と組み合わせる場合、布の網目や加工穴から直接光が届くとグレア(点光り)を感じることがある。このグレアにより内装材の意匠性が損なわれることがあった。そこでこのグレアを防ぐために、繊維基材に拡散シートを積層した乗物用内装材が従来技術として知られている(例えば、特許文献1参照)。これにより、乗物用内装材のさらなる意匠性の向上が実現可能となる。しかし、特許文献1に記載の乗物用内装材は、グレアを防ぐことができるものの、触感の点では不十分であった。
表面の触感を良好にした車両内装部材として、例えば、発泡体からなるクッション層を表皮層の下に設けた車両内装部材が知られている(特許文献2参照)。特許文献2に記載の車両内装部材のクッション層は厚み方向に貫通孔が形成されており、貫通孔を通して光を透過することができる。
特開2021-79866号公報 特開2019-188919号公報
しかしながら、上述したように、特許文献1に記載の乗物用内装材は、グレアを防ぐことができるものの、触感の点では不十分であった。また、特許文献2に記載の車両内装部材では、光源の光がクッション層の貫通孔を通じて直接届くので、グレアを防ぐことが難しかった。このため、特許文献2に記載の車両内装部材は、意匠性の点で不十分であった。そこで、本発明は、光による高い意匠性の実現を可能とし、かつ柔軟な触感を有する積層体及びその積層体を備えた光表示部材を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、所定の全光線透過率及びヘイズを有する表皮層と、所定の全光線透過率及びヘイズを有する発泡体層とを備えた積層体が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、下記[1]~[15]を要旨とする。
[1]光透過性を有する表皮層と、発泡体層とを備える積層体であって、前記表皮層の全光線透過率が0.3%以上であり、前記表皮層のヘイズが95%以下であり、前記発泡体層の全光線透過率が20%以上であり、前記発泡体層のヘイズが95%以上である積層体。
[2]前記表皮層が複数の開口部を有する上記[1]に記載の積層体。
[3]全光線透過率が0.1%以上であり、ヘイズが96%以上であり、アスカーC硬度が70以下である上記[1]又は[2]に記載の積層体。
[4]前記発泡体層の厚みが0.5mm以上であり、前記発泡体層の発泡倍率が5倍以上である上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の積層体。
[5]前記発泡体層は、架橋ポリオレフィン系発泡体層である上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の積層体。
[6]前記表皮層の厚みが0.2~2.0mmである上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の積層体。
[7]前記表皮層は布又は複数の孔を有する合成表皮である上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の積層体。
[8]前記複数の孔を有する合成表皮の孔の平均孔径又は孔の長手方向の平均長さが3.0mm以下である上記[7]に記載の積層体。
[9]前記合成表皮は、ポリウレタン樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー及び塩化ビニル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の弾性ポリマーを含む上記[7]又は[8]に記載の積層体。
[10]前記合成表皮は基布をさらに備える上記[9]に記載の積層体。
[11]印刷層及び印刷フィルム層の少なくとも1種の層をさらに備える上記[1]~[10]のいずれか1つに記載の積層体。
[12]前記印刷層が、発泡体層及び表皮層の少なくとも一方の層の表面を印刷することにより形成されている上記[11]に記載に積層体。
[13]上記[1]~[12]のいずれか1つに記載の積層体と光源とを備えた光表示部材。
[14]センサー及びスイッチの少なくとも1種の電子部品を備えた上記[13]に記載の光表示部材。
[15]モビリティ内装部材である上記[13]又は[14]に記載の光表示部材。
本発明によれば、光による高い意匠性の実現を可能とし、かつ柔軟な触感を有する積層体及びその積層体を備えた光表示部材を提供することができる。
本発明の積層体の一実施形態の断面図である。 本発明の積層体の別の一実施形態の断面図である。 本発明の積層体の別の一実施形態の断面図である。 本発明の積層体の別の一実施形態の断面図である。 本発明の積層体の別の一実施形態の断面図である。 本発明の光表示部材の一実施形態の断面図である。
[積層体]
本発明の積層体は、光透過性を有する表皮層と、発泡体層とを備える。本発明の積層体は、光透過性を有する表皮層を備えることにより、本発明の積層体を備えた光表示部材の意匠性を改善することができる。また、本発明の積層体は、発泡体層を備えることにより、本発明の積層体を備えた光表示部材に柔軟な触感を付与することができる。さらに、本発明の積層体は、発泡体層を備えることにより、本発明の積層体を備えた光表示部材に耐候性や防水性を付与することができる。
(表皮層)
本発明の積層体における表皮層は、光透過性を有する。表皮層が光透過性を有することで、光表示部材の意匠性をより改善することができる。光透過性の観点から、表皮層は、複数の開口部を有することが好ましい。表皮層は、複数の開口部を通じて光を通過させることができる。
表皮層を構成する材料は、特に限定されないが、ポリプロピレンシート、ポリエチレンシート、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)シート、ポリ塩化ビニルシート、ポリ塩化ビニルとABS樹脂との混合樹脂シートなどで例示される樹脂シート、天然繊維や人造繊維を用いた織物、編物、不織布等の布、人工皮革や合成皮革等の合成表皮等が挙げられる。高い意匠性の実現を可能とする観点から、これらの材料の中で表皮層として、布、及び合成表皮が好ましい。また、合成表皮は、開口部として、複数の孔(貫通孔)を有することが好ましい。合成表皮は、通常、開口部を有さないので、合成表皮は、パーフォレーション加工されたものであることが好ましい。
<全光線透過率>
表皮層の全光線透過率は0.3%以上である。表皮層の全光線透過率が0.3%未満であると、表皮層を透過する光が不十分となり、光による高級感の演出が不十分となる場合がある。このような観点から、表皮層の全光線透過率は、好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは1.0%以上である。なお、表皮層の全光線透過率の範囲の上限値は、特に限定されないが、表皮層の全光線透過率は、通常98%以下、好ましくは80%以下である。表皮層の全光線透過率は、例えば、布の場合、縦糸と横糸との間隔を調節することにより、合成表皮の場合、孔の大きさ及び孔の数を調節することにより制御することができる。表皮層の全光線透過率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<平行線透過率>
表皮層の平行線透過率は、好ましくは3%以下である。表皮層の平行線透過率が3%以下であると、表皮層は一定の光を拡散もしくは遮光することができ、光によって十分に演出することができる。このような観点から、表皮層の平行線透過率は、より好ましくは2%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。なお、表皮層の平行線透過率の範囲の下限値は、特に限定されないが、表皮層の平行線透過率は、通常0.01%以上である。表皮層の平行線透過率は、例えば、布の場合、縦糸と横糸との間隔を調節することにより、合成表皮の場合、孔の大きさ及び孔の数を調節することにより制御することができる。表皮層の平行線透過率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<ヘイズ>
表皮層のヘイズは95%以下である。表皮層のヘイズが95%よりも大きいと、表皮層を透過する光が不十分となり、光による高級感の演出が不十分となる場合がある。このような観点から、表皮層のヘイズは、好ましくは92%以下であり、より好ましくは90%以下である。なお、表皮層のヘイズの範囲の下限値は、特に限定されないが、光拡散による演出を十分にする観点から、表皮層のヘイズは、例えば50%以上、好ましくは60%以上である。表皮層のヘイズは、例えば、布の場合、縦糸と横糸との間隔を調節することにより、合成表皮の場合、孔の大きさ及び孔の数を調節することにより制御することができる。表皮層のヘイズは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<布の材質>
表皮層を構成する布には、植物における、幹、茎、枝、葉、根等に由来する繊維がそのまま含まれてよく、これらが、熱処理、乾燥処理、粉砕処理、化学処理等により加工されてなる繊維が含まれていてもよい。このような繊維としては、ケナフ、ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、亜麻、苧麻、雁皮、三椏、椿、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ(アブラヤシ等)、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、トッサ、麦、稲、竹、針葉樹(杉、檜等)、広葉樹、カポック、綿花等に由来する線状繊維体を採用することができる。
布には、例えば、織物、ラッセルレース、ラッセル網、組物、トーションレース、結節網、羊毛フェルト、ニードルパンチ不織布、水流パンチ不織布、ケミカル不織布、スパンボンド等が挙げられる。意匠性の観点及び光を透過する開口部の観点から、これらの中で、織物が好ましい。
<布の孔の大きさ>
布は、布を構成する糸と糸の間の隙間が、光を透過させる開口部となる。なお、以下の説明では、隣接する糸により形成される開口部を孔と呼び、各孔において最も長い方の距離を孔の長手方向の長さと呼び、その平均を孔の長手方向の長さ(以下、孔の長手方向の平均長さ)とする。例えば、布が縦糸及び横糸からなる織物である場合、隣接する縦糸及び隣接する横糸により形成される開口部が孔となり、隣接する縦糸間の距離及び隣接する横糸間の距離のうち長い方の距離が孔の長手方向の長さとなる。
本発明において、布における孔の長手方向の平均長さは、好ましくは3.0mm以下である。孔の長手方向の平均長さが3.0mm以下であると、孔により意匠性が損なわれることを抑制することができる。このような観点から、孔の長手方向の平均長さは、より好ましくは2.5mm以下であり、さらに好ましくは2.0mm以下である。また、孔から放射される光により意匠性を高めるという観点から、孔の長手方向の平均長さは、好ましくは0.01mm以上であり、より好ましくは0.05mm以上であり、さらに好ましくは0.06mm以上である。
また、布において孔の短手方向の平均長さは、孔から放射される光により意匠性を高めるという観点から、好ましくは0.01mm以上であり、より好ましくは0.05mm以上であり、さらに好ましくは0.06mm以上である。布の孔が大きくなって意匠性が損なわれることを防止する観点から、孔の短手方向の平均長さは、好ましくは3.0mm以下であり、より好ましくは2.5mm以下であり、さらに好ましくは2.0mm以下である。
なお、孔の短手方向の長さは、布が縦糸及び横糸からなる織物である場合、隣接する縦糸間の距離及び隣接する横糸間の距離のうち短い方の距離であり、織物以外の場合には、上記長手方向に対して垂直である方向の長さである。
なお、布の孔の大きさは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
大きな孔により意匠性が損なわれることを抑制するという観点から、布の孔の長手方向の最大長さは、好ましくは3.0mm以下であり、より好ましくは2.5mm以下であり、さらに好ましくは2.0mm以下である。また、孔から放射される光により意匠性を高めるという観点から、孔の長手方向の最大長さは、好ましくは0.01mm以上であり、より好ましくは0.05mm以上であり、さらに好ましくは0.1mm以上である。
また、同様の観点から、孔の短手方向の最大長さは、好ましくは3.0mm以下であり、より好ましくは2.5mm以下であり、さらに好ましくは2.0mm以下である。また、同様の観点から、孔の短手方向の最大長さは、好ましくは0.01mm以上であり、より好ましくは0.05mm以上であり、さらに好ましくは0.1mm以上である。
布の孔の大きさは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<合成表皮の材質>
表皮層を構成する合成表皮には、人工皮革及び合成皮革が挙げられる。特性が天然皮革に近い方が高級感を演出することができるので、合成表皮は合成皮革であることが好ましい。特性を天然皮革に近づけるという観点から、合成表皮は、ポリウレタン樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー及び塩化ビニル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の弾性ポリマーを含むことが好ましい。
天然皮革はコラーゲン繊維で構成されているので、天然皮革と同様のソフトな感じを合成表皮に付与するために、合成表皮は基布をさらに備えることが好ましい。また、天然皮革と同様のソフトな感じを合成表皮に付与するという観点から、基布は、極細繊維を用いた繊維交絡不織布であることが好ましい。この場合、弾性ポリマーは不織布繊維間に充填される。天然皮革にはバインダーが含まれていないので、人工表皮中の弾性ポリマーの含有量は小さいことが好ましい。また、繊維と弾性ポリマーとの間に適当な隙間がないと、人工表皮に柔軟な物性を付与することが難しい場合がある。
<合成表皮の孔の大きさ及び形状>
上述したように、合成表皮は、通常、開口部を有さないので、合成表皮は、パーフォレーション加工されたものであることが好ましい。パーフォレーション加工の方法は何ら限定されるものではないが、パンチングによる打ち抜き加工、及びレーザー溶融による加工が好ましい。合成表皮の孔の形状は、特に限定されないが、高い意匠性を実現可能とする観点及び加工が簡便であるという観点から、円形、楕円形、正方形、及び長方形が好ましい。孔の形状が円形の場合、孔の平均孔径は、好ましくは5.0mm以下である。孔の平均孔径が5.0mm以下であると、孔により意匠性が損なわれることを抑制することができる。このような観点から、孔の平均孔径は、より好ましくは4.0mm以下であり、さらに好ましくは3.0mm以下である。また、孔から放射される光により意匠性を高めるという観点から、孔の平均孔径は、好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.2mm以上であり、さらに好ましくは0.3mm以上である。
また、孔の形状が円形でない場合は、同様の観点から、孔の長手方向の平均長さは、好ましくは5.0mm以下であり、より好ましくは4.0mm以下であり、さらに好ましくは3.0mm以下である。また、同様の観点から、孔の長手方向の平均長さは、好ましくは0.2mm以上であり、より好ましくは0.3mm以上であり、さらに好ましくは0.5mm以上である。
さらに、孔の形状が円形でない場合は、同様の観点から、孔の短手方向の平均長さは、好ましくは5.0mm以下であり、より好ましくは4.0mm以下であり、さらに好ましくは3.0mm以下である。また、同様の観点から、孔の短手方向の平均長さは、好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.2mm以上であり、さらに好ましくは0.3mm以上である。
合成表皮の孔の大きさは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
大きな孔により意匠性が損なわれることを抑制するという観点から、孔の形状が円形の場合、孔の最大孔径は、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは4mm以下であり、さらに好ましくは3mm以下である。また、孔から放射される光により意匠性を高めるという観点から、孔の最大孔径は、好ましくは0.2mm以上であり、より好ましくは0.3mm以上であり、さらに好ましくは0.5mm以上である。
また、孔の形状が円形でない場合は、同様の観点から、孔の長手方向の最大長さは、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは4mm以下であり、さらに好ましくは3mm以下である。また、同様の観点から、孔の長手方向の最大長さは、好ましくは0.2mm以上であり、より好ましくは0.3mm以上であり、さらに好ましくは0.5mm以上である。
さらに、孔の形状が円形でない場合は、同様の観点から、孔の短手方向の最大長さは、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは4mm以下であり、さらに好ましくは3mm以下である。また、同様の観点から、孔の短手方向の最大長さは、好ましくは0.2mm以上であり、より好ましくは0.3mm以上であり、さらに好ましくは0.5mm以上である。
合成表皮の孔の大きさは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
なお、各孔において最も長い方の距離を孔の長手方向の長さと呼び、孔の短手方向の長さは上記長手方向に対して垂直である方向の長さである。
合成表皮における単位面積あたりの孔の数は、好ましくは1~625個/cmである。合成表皮における単位面積あたりの孔の数が1個/cm以上であると、孔から放射される光によって十分に演出することができる。一方、合成表皮における単位面積あたりの孔の数が625個/cm以下であると、光を放出する孔が多すぎることによって意匠性が損なわれたり、合成表皮の機械強度が低下したりすることを抑制することができる。このような観点から、合成表皮における単位面積あたりの孔の数は、より好ましくは3~100個/cmであり、さらに好ましくは6~25個/cmである。
<厚み>
表皮層の厚みは、好ましくは0.2~2.0mmである。表皮層の厚みが0.2mm以上であると、表皮層によりさらに高い意匠性の実現を可能とすることができる。表皮層の厚みが2.0mm以下であると、発泡体層に起因する積層体の柔軟性を表皮層により妨げられることを抑制することができる。このような観点から、表皮層の厚みは、より好ましくは0.25~1.5mmであり、さらに好ましくは0.3~1.0mmである。
<色>
表皮層は、表皮層の色を調整する観点から、カーボンブラック、二酸化チタン、パール粒子、アルミ粉等の金属粉、などの顔料を含むものであってもよい。表皮層における顔料の含有量は、表皮層全量基準で、好ましくは0.01~3質量%であり、より好ましくは0.02~1質量%である。
(発泡体層)
<全光線透過率>
発泡体層の全光線透過率は20%以上である。発泡体層の全光線透過率が20%未満であると、発泡体層を透過する光が不十分となり、光による演出が不十分となる場合がある。このような観点から、発泡体層の全光線透過率は、好ましくは25%以上であり、より好ましくは30%以上である。なお、発泡体層の全光線透過率の範囲の上限値は、特に限定されないが、発泡体層の全光線透過率は、通常80%以下、好ましくは70%以下である。発泡体層の全光線透過率は、発泡体の材質、発泡体中の気泡の大きさ、及び発泡体中の気泡の数を調節することにより制御することができる。発泡体層の全光線透過率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<平行線透過率>
発泡体層の平行線光透過率は、好ましくは0.10%以上である。発泡体層の平行線光透過率が0.10%以上であると、発泡体層は一定の光を拡散もしくは遮光することができ、光によって十分に演出することができる。さらに、複数の開口部から放射される光の光量をより均一にすることができる。このような観点から、発泡体層の平行線光透過率は、より好ましくは0.15%以上であり、さらに好ましくは0.20%以上である。発泡体層の平行線光透過率の範囲の上限値は、特に限定されないが、発泡体層の平行線光透過率は、通常、7%以下である。発泡体層の平行線光透過率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<ヘイズ>
発泡体層のヘイズは95%以上である。発泡体層のヘイズは95%未満であると、光源の形状が認識できてしまう場合があり、これにより、光により演出された高級感が損なわれる場合がある。また、発泡体層のヘイズは95%以上であると、光源から放射された光が、ぼんやりとした光となり、高級感をさらに効果的に演出することができる。また、複数の開口部から放射される光の光量をより均一にすることができる。このような観点から、発泡体層のヘイズは、好ましくは96%以上であり、より好ましくは97%以上である。発泡体層のヘイズの範囲の上限値は、特に限定されないが、発泡体層のヘイズは、通常99.9%以下であり、好ましくは99.8%以下である。発泡体層のヘイズは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<厚み>
発泡体層の厚みは、好ましくは0.5mm以上である。発泡体層の厚みを0.5mm以上とすることにより、積層体の触感が柔軟になりやすい。また、光表示部材に、十分な耐光性及び防水性を付与することができる。このような観点から、発泡体層の厚みは、より好ましくは0.7mm以上であり、さらに好ましくは1.0mm以上である。また、発泡体層の厚みは、好ましくは5mm以下である。発泡体層の厚みを5mm以下とすることにより、積層体の全光線透過率を高くしやすくなる。このような観点から、発泡体層の厚みは、好ましくは4mm以下であり、より好ましくは3mm以下である。
<発泡倍率>
発泡体層の発泡倍率は、特に制限されないが、5倍以上であることが好ましい。発泡倍率が5倍以上であると、積層体の触感が柔軟になりやすく、発泡体層の全光線透過率も上記範囲に調整しやすくなる。このような観点から、発泡体層の発泡倍率は、より好ましくは7倍以上であり、さらに好ましくは10倍以上である。また、発泡体層の発泡倍率は、好ましくは40倍以下である。発泡体層の発泡倍率を40倍以下とすることにより、発泡体層の機械的強度を一定以上とすることができる。このような観点から、発泡体層の発泡倍率は、より好ましくは35倍以下であり、さらに好ましくは30倍以下である。
<独立気泡率>
発泡体層を構成する発泡体は連続気泡発泡体であってもよいし、独立気泡発泡体であってもよい。しかし、他の層を設けなくても、水密性を確保でき、表皮層側から発泡体の内側に水が浸入することを防止することができるという観点から、発泡体層を構成する発泡体は独立気泡発泡体であることが好ましい。なお、独立気泡発泡体とは、発泡体の全気泡に対する独立気泡の割合(独立気泡率という)が65%以上であることを意味し、連続気泡発泡体とは独立気泡率が65%未満であることを意味する。
なお、独立気泡率は、下記の要領で測定されたものである。架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートから一辺が5cmの平面正方形状で、且つ一定厚みの試験片を切り出す。試験片の厚みを測定し、試験片の見掛け体積V1を算出するとともに試験片の重量W1を測定する。次に、気泡の占める見掛け体積V2を下記式に基づいて算出する。なお、試験片を構成している樹脂の密度は、1g/cmとする。
気泡の占める見掛け体積V2=V1-W1
続いて、試験片を23℃の蒸留水中に水面から100mmの深さに沈めて、試験片に15kPaの圧力を3分間に亘って加える。この後、試験片を水中から取り出して試験片の表面に付着した水分を除去し、試験片の重量W2を測定し、下記式に基づいて連続気泡率F1及び独立気泡率F2を算出する。
連続気泡率F1(%)=100×(W2-W1)/V2
独立気泡率F2(%)=100-F1
他の層を設けなくても、水密性を確保でき、表皮層側から発泡体の内側に水が浸入することを防止することができるという観点から、発泡体層の独立気泡率は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。なお、発泡体層の独立気泡率の範囲の上限値は100%である。
<色>
発泡体層は着色料によって着色されてもよい。この場合、発泡体層は、表皮層と近い色もしくは同じ色に着色されることが好ましい。発泡体層の色には、例えば、白色、黒色、灰色、赤、青等が挙げられる。発泡体層を着色するための着色料には、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、キナクリドン系赤色顔料、フタロシアニンブルー等が挙げられる。発泡体層における着色料の含有量は、発泡体層全量基準で、好ましくは0.01~3.0質量%であり、より好ましくは0.05~0.5質量%である。
<材料>
発泡体層は、樹脂により形成されていることが好ましく、具体的にはポリオレフィン系発泡体層、ウレタン系発泡体層、アクリル系発泡体層などが挙げられ、これの中ではポリオレフィン系発泡体層が好ましい。ポリオレフィン系発泡体層は、ポリオレフィン樹脂を含む発泡性樹脂組成物を発泡させることにより形成され、ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体などが挙げられ、これらを単独、又は2種以上で混合して用いてもよい。
発泡体層を形成する樹脂は、1種のみであることが好ましい。1種のみを用いることで、ブレンドに起因した曇りが生じ難く、発泡体層の光透過性を高められる。
発泡体層は、単層の発泡体層であっても、二以上の発泡体を積層した多層の発泡体層であってもよい。多層の発泡体層を構成する個々の発泡体は、組成や、厚み、全光線透過率、発泡倍率、架橋度などの各物性が異なっていてもよく、多層の発泡体層全体として、上記各物性を満足することが好ましい。
発泡体層がポリオレフィン系発泡体層である場合、発泡体層は架橋されたポリオレフィン系発泡体層(架橋ポリオレフィン系発泡体層)であることが好ましい。発泡層を架橋する方法としては、例えば、発泡性シートに電子線、α線、β線、γ線等の電離性放射線を照射する方法がある。これらの電離性放射線の中で、発泡体層は電子線により架橋されたものであることがより好ましい。電子線による架橋の詳細については後述の発泡体層の製造方法の説明で説明する。
≪ポリエチレン樹脂≫
ポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂(0.93g/cm以下、LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(0.930g/cmより大きく0.942g/cm未満、MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(0.942g/cm以上、HDPE)が挙げられる。また、低密度ポリエチレン樹脂の好適な具体例としては、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)が挙げられる。
ポリエチレン樹脂は、エチレンのホモポリマーでもよいが、エチレンを主成分(全モノマーの好ましくは75質量%以上、より好ましくは90質量%以上)とした、エチレンと少量のα-オレフィンの共重合体等でもよい。α-オレフィンとしては、好ましくは炭素数3~12、より好ましくは炭素数4~10のものが挙げられ、具体的には、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン等が挙げられる。なお、共重合体において、これらのα-オレフィンは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ポリエチレン樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
≪ポリプロピレン樹脂≫
ポリプロピレン樹脂としては、プロピレンの単独重合体であるホモポリプロピレンでもよいし、プロピレンを主成分(全モノマーの好ましくは75質量%以上、より好ましくは90質量%以上)とした、プロピレンと少量のエチレン及びプロピレン以外のα-オレフィンとの共重合体等が挙げられる。
プロピレンと、エチレン及びプロピレン以外のα-オレフィンとの共重合体としては、ブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)、ランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)、ランダムブロック共重合体等が挙げられる。
プロピレン以外のα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン等の炭素数4~10程度のα-オレフィン等が挙げられるが、これらの中でも、成形性及び耐熱性の観点から、エチレンが好ましい。なお、共重合体において、これらのα-オレフィンは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ポリプロピレン樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、チーグラー・ナッタ化合物、メタロセン化合物、酸化クロム化合物等の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又はこれらの混合物のいずれを用いてもよい。
≪エチレン-酢酸ビニル共重合体≫
ポリオレフィン樹脂として使用するエチレン-酢酸ビニル共重合体は、例えば、エチレン由来の構成単位を50質量%以上含有するエチレン-酢酸ビニル共重合体が挙げられる。エチレン-酢酸ビニル共重合体はポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂との相溶性が高いため、エチレン-酢酸ビニル共重合体と、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂から選ばれる1種以上とを併用することもできる。
エチレン-酢酸ビニル共重合体の密度は、好ましくは0.92g/cm以上、より好ましくは0.93g/cm以上、更に好ましくは0.94g/cm以上であり、そして、好ましくは0.97g/cm以下、より好ましくは0.96g/cm以下である。
ポリオレフィン系発泡体層は、上記したポリオレフィン樹脂のみで構成されてもよいが、ポリオレフィン系樹脂とエラストマーとが混合されたものであってもよい。エラストマーとしては、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、スチレンゴム等が挙げられる。また、エラストマーとしては、熱可塑性エラストマーも挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
ポリオレフィン系発泡体層におけるポリオレフィン樹脂の含有量は、発泡体層全量基準で、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
<架橋度(ゲル分率)>
ポリオレフィン系発泡体層の架橋度(ゲル分率)は、5~60質量%が好ましい。ゲル分率が前記下限値以上であると、発泡体層において十分な架橋が形成されるため機械強度が高くなりやすい。また、架橋度がこれら上限値以下であると、柔軟な触感を確保しやすくなる。このような観点から、架橋度は、10~50質量%がより好ましく、10~40質量%がさらに好ましい。なお、架橋度は後述する測定方法により測定することができる。
(発泡体層の製造)
発泡体層は、発泡性樹脂組成物を発泡させることにより形成される。発泡方法としては、後述するように熱分解型発泡剤、水などの発泡剤を用いて発泡させる方法、二酸化炭素、ブタンガスなどの不活性ガスを用いて発泡させる方法などが挙げられる。
(ポリオレフィン系発泡体層の製造)
ポリオレフィン系発泡体層は、例えば、上記したポリオレフィン樹脂、及び発泡剤などを含む発泡性樹脂組成物を発泡することにより製造される。発泡剤としては、化学発泡剤、物理発泡剤などが挙げられる。
<発泡剤>
化学発泡剤としては、熱分解型発泡剤が好ましい。熱分解型発泡剤としては、有機発泡剤、無機発泡剤が使用可能である。有機発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸金属塩(アゾジカルボン酸バリウム等)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物等が挙げられる。
無機発泡剤としては、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、無水クエン酸モノソーダ等が挙げられる。
これらの中では、微細な気泡を得る観点、及び経済性、安全面の観点から、アゾ化合物が好ましく、アゾジカルボンアミドがより好ましい。
熱分解型発泡剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
物理発泡剤としては、後述する不活性ガスなどが挙げられる。
発泡性樹脂組成物における発泡剤の含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、1~30質量部が好ましく、2~25質量部がより好ましく、2~20質量部がさらに好ましい。発泡剤の配合量を1質量部以上にすることで、発泡体層は適度に発泡され、一定の柔軟性を付与することが可能になる。また、発泡剤の配合量を30質量部以下にすることで、発泡体層が必要以上に発泡することが防止され、発泡体層の機械強度等を良好にすることができる。
<造核剤>
発泡性脂組成物は造核剤を含有してもよい。造核剤としては、結晶核生成過程の進行速度を向上させる効果があるものであれば特に制限はない。ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂に造核剤を添加することにより、生じる結晶の大きさを小さくすることができるため発泡体層の透明性が向上する。
造核剤としては、結晶核生成過程の進行速度を向上させる効果があるものとして、重合体の分子鎖の吸着過程を経て分子鎖配向を助長する効果のある物質が挙げられる。
より具体的には、高融点ポリマー、有機カルボン酸若しくはその金属塩、脂肪族アルコール族、ジベンジリデンソルビトール若しくはその誘導体、ロジン酸部分金属塩、アミド化合物、無機微粒子、有機リン酸化合物若しくはその金属塩、イミド類、キナクリドン類、キノン類、芳香族スルホン酸塩若しくはその金属塩、糖類、及びこれらの混合物が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<添加剤>
発泡性樹脂組成物は、架橋助剤、分解温度調整剤、及び酸化防止剤等の成分を含んでいてもよい。
架橋助剤としては、多官能モノマーを使用することができる。架橋助剤をポリオレフィン樹脂に添加することによって、後述する工程(2)において照射する電子線量を低減して、電子線の照射に伴う樹脂分子の切断、劣化を防止する。
架橋助剤としては具体的には、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート等の1分子中に3個の官能基を持つ化合物や、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9-ノナンジオールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジメタクリレート、ジビニルベンゼン等の1分子中に2個の官能基を持つ化合物、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、エチルビニルベンゼン、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等が挙げられる。
これらの架橋助剤は、単独で又は2以上を組み合わせて使用する。
架橋助剤の添加量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.5~10質量部が好ましく、1.0~8質量部がより好ましく、1.5~5質量部が更に好ましい。該添加量を0.5質量部以上とすることにより発泡体層が所望する架橋度を安定して得ることが可能となり、10質量部以下とすることにより発泡体層の架橋度の制御が容易となる。
発泡性樹脂組成物には、分解温度調整剤が配合されていてもよい。分解温度調整剤は、熱分解型発泡剤の分解温度を低くしたり、分解速度を速めたり調節するものとして配合されるものであり、具体的な化合物としては、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、尿素等が挙げられる。分解温度調整剤は、発泡体層の表面状態等を調整するために、例えばポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.01~5質量部配合される。
発泡性樹脂組成物には、酸化防止剤が配合されていてもよい。酸化防止剤としては、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]等のフェノール系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート等のイオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤は、例えばポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.01~5質量部配合される。
発泡性樹脂組成物には、これら以外にも、熱安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、充填材等の発泡体に一般的に使用する添加剤が配合されてもよい。
(ポリオレフィン系発泡体層の製造工程)
ポリオレフィン系発泡体層の製造方法は特に制限はないが、少なくともポリオレフィン樹脂及び熱分解型発泡剤を含む発泡性樹脂組成物からなる発泡性シートを加熱して熱分解型発泡剤を発泡させることで製造できる。その製造方法は、より具体的には、以下の工程(1)~(3)を含むことが好ましい。
工程(1):少なくともポリオレフィン樹脂及び熱分解型発泡剤を含む発泡性樹脂組成物からなる発泡性シートを成形する工程
工程(2):発泡性シートに電子線を照射して発泡性シートを架橋させる工程
工程(3):架橋させた発泡性シートを加熱し、熱分解型発泡剤を発泡させて、発泡体層を得る工程
工程(1)において、発泡性シートを成形する方法は、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、熱分解型発泡剤、必要に応じて配合される造核剤、及び添加剤を押出機に供給して溶融混練し、押出機から発泡性樹脂組成物をシート状に押出すことによって成形すればよい。また、発泡体層は、発泡性樹脂組成物をプレス等することにより成形してよい。
発泡性樹脂組成物の成形温度(すなわち、押出し時の温度、又はプレス時の温度)は、50℃以上250℃以下が好ましく、80℃以上180℃以下がより好ましい。
工程(2)において発泡性シートを架橋する方法としては、発泡性シートに電子線を照射する方法を用いる。電子線の照射量は、得られる発泡体層の架橋度が上記した所望の範囲となるように調整すればよいが、1~9Mradであることが好ましく、1.9~5Mradであることがより好ましい。
工程(3)において、発泡性シートを加熱し熱分解型発泡剤を発泡させるときの加熱温度は、熱分解型発泡剤の発泡温度以上であればよいが、好ましくは200~300℃、より好ましくは220~280℃である。
また、本製造方法において、発泡性シートは、MD又はTDのいずれか一方又は両方に延伸させてもよい。発泡性シートの延伸は、発泡性シートを発泡させて発泡体層を得た後に行ってもよいし、発泡性シートを発泡させつつ行ってもよい。なお、発泡性シートを発泡させて発泡体層を得た後、発泡体層を延伸する場合には、発泡体層を冷却することなく発泡時の溶融状態を維持したまま続けて発泡体層を延伸してもよく、発泡体層を冷却した後、再度、発泡体層を加熱して溶融又は軟化状態とした上で発泡体を延伸してもよい。発泡体層は延伸することで薄厚にしやすくなる。また、延伸時に発泡体層は、例えば100~280℃、好ましくは150~260℃に加熱すればよい。本発明では、延伸することで、発泡体の気泡径がMD又はTDの一方又は両方に沿って大きくなり、光透過性が高くなりやすくなる。
ただし、上記工程(1)~(3)において、電子線を照射する代わりに、ポリオレフィン系樹脂組成物に予め有機過酸化物を配合しておき、発泡性シートを加熱して有機過酸化物を分解させる方法等により架橋を行ってもよい。
ポリオレフィン系発泡体層の製造方法は、上記工程(1)~(3)を行う方法に限定されず、物理発泡を行うことによって、発泡させてもよい。
物理発泡により発泡させる場合、ポリオレフィン樹脂、必要に応じて配合される造核剤、及び添加剤を含有する樹脂組成物に物理発泡剤を含浸させることが好ましい。物理発泡剤の含浸は、樹脂組成物をシート状に成形した後に行うことが好ましい。なお、樹脂組成物をシート状に成形し、電子線照射を行った後、物理発泡剤を含浸させてもよい。電子線照射は上記工程(2)と同様の方法を用いることができる。
物理発泡剤としては、高圧の不活性ガスを用いることが好ましい。不活性ガスとしては、樹脂組成物に対して不活性で、かつ含浸可能なものであれば特に制限されず、例えば、二酸化炭素、ブタンガス、窒素ガス、空気等が挙げられる。これらのガスは混合して用いてもよい。これらのうち、発泡体層の発泡倍率を高めやすい観点から、二酸化炭素、ブタンガスが好ましい。含浸させる際の不活性ガスは、超臨界状態又は亜臨界状態であることが好ましい。
(印刷層、印刷フィルム層)
本発明の積層体は、印刷層及び印刷フィルム層の少なくともいずれかを備えていてもよい。これにより、光により、印刷のパターンに応じた形状を表皮層側から感知することができるようになる。印刷層は、例えば、発泡体層及び表皮層の少なくとも一方の層の表面に印刷することにより形成することができる。印刷フィルム層は、ポリオレフィンフィルム、PETフィルムなどのポリエステルフィルム等の基材フィルムに、印刷層を形成させたものである。印刷層を形成させる方法としては、インクジェット法など公知の方法を適宜用いることができる。印刷層の厚みは、好ましくは1~25μmであり、より好ましくは2~10μmである。印刷フィルム層の厚みは、好ましくは4~50μmであり、より好ましくは12~25μmである。
(接着層)
本発明の積層体は、接着層を有してもよい。接着層は、表皮層と発泡体層との間に設けられることが好ましい。表皮層と発泡体層との間に接着層を設けることで、表皮層と発泡体層とを容易に一体化することができる。また、接着層を使用すると、接着層が防水層として機能し、発泡体層を構成する発泡体が連続気泡発泡体であっても、積層体の防水性を確保できる。
接着層としては、接着シートなどで構成される接着剤層であってもよいし、樹脂シートであってもよい。樹脂シートは、熱可塑性樹脂シート、ホットメルトフィルムなどが挙げられる。
また、上記した印刷フィルム層を接着層として使用してもよい。
接着剤層としては、粘着剤以外の接着剤により形成されてもよいが、粘着剤により形成された粘着剤層が好ましい。粘着剤層に使用される粘着剤としては、公知の粘着剤を使用でき、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などを使用できる。
接着層の全光線透過率は、表皮層及び発泡体層より実現される意匠性を損なわない観点から、全光線透過率が、例えば70%以上であり、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上である。全光線透過率の範囲の上限値は、特に限定されず、100%であればよい。また、平行線透過率が、例えば70%以上であり、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上である。平行線透過率の範囲の上限値は、特に限定されず、100%であればよい。
接着剤層の厚みは、好ましくは15~500μmである。接着剤層の厚みが、15μm以上であると、表皮層と発泡体層とをより強固に接合することができる。接着剤層の厚みが、500μm以下であると、接着剤層により積層体の光の透過が妨げられることを抑制することができる。このような観点から、接着剤層の厚みは、より好ましくは20~200μmであり、さらに好ましくは25~150μmである。
接着剤層は、顔料や色素によって着色されてもよい。使用される顔料、色素、色、含有量などは上記発泡体層で説明したとおりである。
(その他の層)
本発明の積層体は、本発明の効果を損ねない範囲で、上述の層以外の層をさらに備えていてもよい。
(積層体)
<全光線透過率>
積層体の全光線透過率は、好ましくは0.1%以上である。積層体の全光線透過率が0.1%以上であると、積層体に十分な光を透過させることができ、光によって十分な演出を行うことができる。このような観点から、積層体の全光線透過率は、より好ましくは0.3%以上であり、さらに好ましくは1.5%以上である。なお、積層体の全光線透過率の範囲の上限値は、特に限定されないが、積層体の全光線透過率は、通常30%以下、好ましくは20%以下である。積層体の全光線透過率は、表皮層の全光線透過率及び発泡体層の全光線透過率を調整することにより制御することができる。積層体の全光線透過率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<平行線透過率>
積層体の平行線光透過率は、好ましくは0.01%以上である。積層体の平行線光透過率が0.01%以上であると、積層体は一定の光を拡散もしくは遮光することができ、光によって十分に演出することができる。積層体の平行線光透過率の範囲の上限値は、特に限定されないが、積層体の平行線光透過率は、通常3%以下である。積層体の平行線透過率は、表皮層の平行線透過率及び発泡体層の平行線透過率を調整することにより制御することができる。積層体の平行線光透過率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<ヘイズ>
積層体のヘイズは、好ましくは96.0%以上である。積層体のヘイズは96.0%以上であると、光源から放射された光が、ぼんやりとした光となり、高級感をさらに効果的に演出することができる。また、光源の形状が認識できてしまい、これにより光により演出された高級感が損なわれることを抑制することができる。さらに、積層体における輝度のムラを抑制することができる。このような観点から、積層体のヘイズは、より好ましくは97.0%以上であり、さらに好ましくは98.0%以上である。積層体のヘイズの範囲の上限値は、特に限定されないが、積層体のヘイズは、通常99.9%以下である。積層体のヘイズは、表皮層のヘイズ及び発泡体層のヘイズを調整することにより制御することができる。積層体のヘイズは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<アスカーC硬度>
積層体のアスカーC硬度は、好ましくは70以下である。積層体のアスカーC硬度が70以下であると、十分に柔軟な触感を積層体に付与することができる。このような観点から、積層体のアスカーC硬度は、より好ましくは65以下であり、さらに好ましくは60以下であり、よりさらに好ましくは55以下である。また、アスカーC硬度の下限は特に限定されないが、一定の機械的強度を保つ観点などから、積層体のアスカーC硬度は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上である。積層体のアスカーC硬度は、発泡体層の厚み、発泡倍率などにより調節することができる。積層体のアスカーC強度は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
(積層体の製造)
本発明の積層体は、例えば、発泡体層と表皮層、及び必要に応じて設けられる印刷フィルム層を積層することにより製造することができる。発泡体層は印刷層が形成されたものを用いてもよい。積層は熱ラミネート法を用いてもよいし、接合材又は接着剤により層同士を接着させてもよい。
(積層構造)
本発明の積層体は、図1に示すように、表皮層10と発泡体層20とを備えた積層体1Aであるとよい。また、図2に示す積層体1Bのように、発泡体層20の表皮層側の反対側の面に印刷層30をさらに備えてもよい。さらに、図3に示す積層体1Cのように、表皮層10と発泡体層20との間に印刷層30をさらに備えてもよい。印刷層30は、発泡体層20に印刷されて形成されてもよいし、表皮層10に印刷されて形成されてもよい。また、図4に示す積層体1Dのように、発泡体層20の表皮層側の反対側の面に印刷フィルム層40をさらに備えてもよい。さらに、図5に示す積層体1Eのように、表皮層10と発泡体層20との間に印刷フィルム層40をさらに備えてもよい。
ここで、上述の各層は直接積層されてもよいが、上述の各層は接着層(図示しない)を介して積層されることが好ましい。例えば、図1、2、4の構成においては、発泡体層20と表皮層10の間に接着層が設けられ、発泡体層20と表皮層10が接着層を介して接着されることが好ましい。また、図3の構成においては、印刷層30を備える表皮層10と、発泡体層20の間に接着層が設けられ、これらが接着層を介して接着されるとよい。あるいは、印刷層30を備える発泡体層20と、表皮層10の間に接着層が設けられ、これらが接着層を介して接着されるとよい。
また、図5の構成においては、印刷フィルム層40を接着層としてもよいし、印刷フィルム層40と、表皮層10の間、印刷フィルム層40と発泡体層20の間、又はこれらの両方に接着層が設けられ、各層が接着層により接着されてもよい。
[光表示部材]
本発明の積層体は、光表示部材として好適に使用できる。本発明の光表示部材は、本発明の積層体と光源とを備える。該光表示部材の構成は特に限定されないが、例えば、図6に示すように、積層体1に光源50が積層された光表示部材とすることができる。ここで、積層体1と光源50とは直接積層されてもよいが、積層体1と光源50とは接合材又は接着剤(図示しない)を介して積層されることが好ましい。接合材及び接着剤は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ホットメルトフィルムや粘着剤であるとよい。光源には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)などが挙げられる。
光表示部材は、センサーを備えていてもよい。センサーには、例えば、静電センサー、感圧センサー、ホバーセンサー、ヒートセンサー、振動センサー等が挙げられる。例えば、光表示部材に静電センサー及び感圧センサーを設けることにより、光表示部材にタッチ入力することができる。これにより、例えば、光表示部品にタッチすることにより、光による演出を開始することができる。また、光表示部材に静電センサーを設けることにより、光表示部材に人が近づいたことを検知することができる。これにより、例えば、光表示部材に人が近づいてきたときに、光による演出を開始することができる。光表示部材がホバーセンサーを設けることにより光表示部材に非接触で入力することができる。これにより、例えば、光表示部品に手を近づけることにより、光による演出を開始することができる。光表示部材にヒートセンサーを設けることにより、室内の温度に応じた光による演出、例えば季節に応じた光の演出をすることができる。また、室内の温度が高すぎたり低すぎたりしたとき、注意を喚起する光の演出をすることができる。光表示部品に振動センサーを設けることにより、モビリティの盗難を防止することができる。例えば、モビリティが駐車中に振動センサーが振動を検知すると、周りに盗難を知らせる光を演出することができる。また、光表示部材は、スイッチを備えていてもよい。スイッチには、例えば、メカ式スイッチ、メンブレンスイッチ等が挙げられる。光表示装置にこのようなスイッチを設けることにより、スイッチによって、光表示装置における光による演出の開始及び停止を実施することができる。さらに、光表示部材は、センサー及びスイッチの両方を備えていてもよい。
光表示部材において、センサーは、発泡体層と表皮層の間に配置されてもよいし、発泡体層と光源の間に配置されてもよい。センサーは、積層体に配置されやすいようにするために、シート状の部材(センサーシート)であることが好ましい。また、スイッチも発泡体層と表皮層の間に配置されてもよいし、発泡体層と光源の間に配置されてもよい。 ただし、スイッチは、背面側に光源が設けられていることで、光源からの光が透過することにより、スイッチ位置情報、スイッチ操作に関する情報(アップダウンスイッチの表示、選択スイッチの表示、キーボードに準ずるスイッチの表示等)などのスイッチ情報を表示させることができる。すなわち、スイッチは、光源からの光によって照明される位置に配置されることで操作者に的確にスイッチ位置を示すことができる。また、上述した印刷層又は印刷フィルム層により、スイッチ情報を光表示部材の表面に表示する構成とすることもできる。
該光表示部材は、自動車、空飛ぶ自動車、飛行機、船舶等のモビリティのモビリティ内装部材として好適に使用される。そして、このモビリティ内装部材は、本発明の積層体と、表皮層の開口部から漏れる光によって優れた意匠性が演出される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
評価方法は以下のとおりである。
<全光線透過率、平行線透過率及びヘイズ>
全光線透過率、平行線透過率及びヘイズは、ASTM D1003に準拠して、ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製、商品名「NDH4000」)を用いて測定した。
<孔の大きさ>
表皮層に対して垂直方向から観察して開口する部分を孔として、孔の形状が円形でない場合は、孔の長手方向の長さ及び短手方向の長さを測定し、孔の形状が円形である場合は、孔の平均孔径を測定した。具体的には、孔の形状が円形でない場合は、任意の10個の孔を測定して、孔の長手方向の平均長さ、短手方向の平均長さ、孔の長手方向の最大長さ、及び短手方向の最大長さを求めた。また、孔の形状が円形である場合は、任意の10個の孔を測定して、孔の平均孔径を求めた。なお、表皮層の孔をパーフォレーション加工により形成した場合、孔の大きさはほぼ一定であるので、最大長さ及び最大孔径は、それぞれ平均長さ及び平均孔径とほぼ同じである。
<発泡倍率>
発泡倍率は、発泡体層の密度(見掛け密度)を求め、密度の逆数を計算し、算出した。見掛け密度は、JIS K7222:2005に準拠して測定した。
<アスカーC硬度>
アスカーゴム硬度計C型(高分子計器株式会社製)を用いて、硬度計の押針を積層体の表皮層に当接させて測定した。測定は、25℃で行った。
<ゲル分率(架橋度)>
発泡体層から約100mgの試験片を採取し、試験片の重量A(mg)を精秤した。次に、この試験片を120℃のキシレン30cm3中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過して金網上の不溶解分を採取、真空乾燥し、不溶解分の重量B(mg)を精秤した。得られた値から、下記式により架橋度(質量%)を算出した。
架橋度(質量%)=(B/A)×100
<独立気泡率>
上述の発泡体層の独立気泡率の項目で述べた方法により発泡体層の独立気泡率を測定した。
<グレア(点光り)の評価>
発泡体層が下側になるようにして、積層体を水平に配置した。直径20mmペン型ライト(株式会社エスコ製、商品名「EA758RK-4」)を用いて積層体の下から光を照射した。光が照射された積層体に対して上側の垂直方向から積層体を観察し、グレア(点光り)について、以下のように評価した。
○・・光が拡散されているため、ペン型ライトによる光の照射範囲が認識できなかった。
×・・ペン型ライトによる光の照射範囲が認識できた。
<ライト輪郭の評価>
発泡体層が下側になるようにして、積層体を水平に配置した。直径20mmペン型ライト(株式会社エスコ製、商品名「EA758RK-4」)を用いて積層体の下から光を照射した。光が照射された積層体に対して上側の垂直方向から積層体を観察し、ペン型ライトの輪郭について、以下のように評価した。
○・・ペン型ライトの輪郭が認識できなかった。
×・・ペン型ライトの輪郭が認識できた。
<発泡体層の使用原料>
実施例及び比較例で用いた材料は以下のとおりである。
布:シンコール株式会社製、商品名「ML3332 アヌワール」、縦糸:ポリエステル100%、横糸:ポリエチレン100%。
発泡体:積水化学工業株式会社製、商品名「VSW2002」、架橋ポリオレフィン独立気泡発泡体、両面コロナ処理品
また、実施例で用いた合成表皮は以下のようにして作製した。
オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)80質量部と、プロピレン系ランダム共重合体(rPP)10質量部と、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)10質量部と、顔料マスターバッチ(東京インキ株式会社製、商品名「PEX99901」)0.2質量部とを押出機に投入し、溶融混練して樹脂組成物とした。そして、樹脂組成物をシート状に押出すことにより0.50mmの厚みを有する合成表皮を作製した。
次に、単位面積あたりの孔の数が20個/cmとなるように、パーフォレーション加工によって、孔径がおよそ300μである円形の孔を、上記合成表皮に形成した。
なお、合成表皮の作製に使用した原料は以下の通りであった。
オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO):三井化学株式会社製、商品名「8030N」
プロピレン系ランダム共重合体(rPP):プライムポリマー社製、商品名「E-333GV」
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE):プライムポリマー社製、商品名「20100J」
顔料マスターバッチ:東京インキ株式会社製、商品名「PEX99901」、顔料(カーボンブラック)を40質量%含有したもの
(実施例1)
厚さ100μmの接着シート(積水化学工業株式会社製、商品名「LSP02」、全光線透過率87%、平行光線透過率79%)を介して布と発泡体とを積層し、実施例1の積層体を得た。
得られた積層体について、各評価を行い表1に結果を示した。
(実施例2)
厚さ0.5mmの接着シート(積水化学工業株式会社製、商品名「LSP02」)を介して、孔を形成した合成表皮と発泡体とを積層し、実施例2の積層体を得た。
得られた積層体について、各評価を行い表1に結果を示した。
(比較例1)
比較例1として、布のみについて各評価を行い表1に結果を示した。
Figure 2023086524000002
アスカーC硬度の結果から、実施例1及び2の積層体は、柔軟な触感を有していることがわかった。また、グレア(点光り)の評価の結果及びライト輪郭の評価の結果が良好であった。一方。比較例1は、アスカーC硬度の結果から、柔軟な触感を有さないことがわかった。また、比較例1は、グレア(点光り)の評価の結果及びライト輪郭の評価の結果が悪かった。
1、1A~1E 積層体
2 光表示部材
10 表皮層
20 発泡体層
30 印刷層
40 印刷フィルム層
50 光源

Claims (15)

  1. 光透過性を有する表皮層と、発泡体層とを備える積層体であって、
    前記表皮層の全光線透過率が0.3%以上であり、
    前記表皮層のヘイズが95%以下であり、
    前記発泡体層の全光線透過率が20%以上であり、
    前記発泡体層のヘイズが95%以上である積層体。
  2. 前記表皮層が複数の開口部を有する請求項1に記載の積層体。
  3. 全光線透過率が0.1%以上であり、ヘイズが96%以上であり、アスカーC硬度が70以下である請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記発泡体層の厚みが0.5mm以上であり、
    前記発泡体層の発泡倍率が5倍以上である請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記発泡体層は、架橋ポリオレフィン系発泡体層である請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記表皮層の厚みが0.2~2.0mmである請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記表皮層は布又は複数の孔を有する合成表皮である請求項1~6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 前記複数の孔を有する合成表皮の孔の平均孔径又は孔の長手方向の平均長さが3.0mm以下である請求項7に記載の積層体。
  9. 前記合成表皮は、ポリウレタン樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー及び塩化ビニル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の弾性ポリマーを含む請求項7又は8に記載の積層体。
  10. 前記合成表皮は基布をさらに備える請求項9に記載の積層体。
  11. 印刷層及び印刷フィルム層の少なくとも1種の層をさらに備える請求項1~10のいずれか1項に記載の積層体。
  12. 前記印刷層が、発泡体層及び表皮層の少なくとも一方の層の表面を印刷することにより形成されている請求項11に記載に積層体。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の積層体と光源とを備えた光表示部材。
  14. センサー及びスイッチの少なくとも1種の電子部品を備えた請求項13に記載の光表示部材。
  15. モビリティ内装部材である請求項13又は14に記載の光表示部材。
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