JP2023085966A - 非空気圧タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ全体としての耐荷重性能を高めて耐久性の向上が効果的に図られる非空気圧タイヤを提供する。【解決手段】内側環状部20と、内側環状部20の外周側に同軸に配置される外側環状部30と、内側環状部20と外側環状部30とを連結し、タイヤ周方向Cに沿って配列される複数のスポーク40と、外側環状部30の外周面32に設けられるトレッド50と、を備え、車両に装着される非空気圧タイヤであって、無負荷状態におけるタイヤ幅方向Yの断面形状において、外側環状部30の内周面31及び外周面32のいずれもが、タイヤ径方向Xの外側に凸となる形状を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、非空気圧タイヤに関する。
近年、パンクの発生等の問題が起こらず、空気圧調整も不要な非空気圧タイヤが開発されている。一般に、非空気圧タイヤは、同軸に配置される内周側環状部及び外周側環状部が、複数のスポークによって連結された構造を有する。複数のスポークはタイヤ周方向に間隔をおいて放射状に配列される。外側環状部の外周面には、路面と接地するトレッドが設けられる。
例えば、特許文献1には、耐久性を高める補強部が設けられたスポークを備えた非空気圧タイヤが開示されている。
特開2019-43505号公報
この種の非空気圧タイヤは、スポークにかかる荷重の割合が高く、スポークの補強を行ってもタイヤ全体としての耐久性を向上させるには不十分な場合が想定される。
そこで本発明は、タイヤ全体としての耐荷重性能を高めて耐久性の向上が効果的に図られる非空気圧タイヤを提供することを目的としている。
本発明の非空気圧タイヤは、内側環状部と、前記内側環状部の外周側に同軸に配置される外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に沿って配列される複数のスポークと、前記外側環状部の外周面に設けられるトレッドと、を備え、車両に装着される非空気圧タイヤであって、無負荷状態におけるタイヤ幅方向断面形状において、前記外側環状部の内周面及び外周面のいずれもが、タイヤ径方向外側に凸となる形状を有する。
本発明によれば、タイヤ全体としての耐荷重性能を高めて耐久性の向上が効果的に図られる非空気圧タイヤを提供することができる。
第1実施形態の非空気圧タイヤを示す側面図である。 図1のII-II断面図である。 図2に示す部分を斜めから見た非空気圧タイヤの一部斜視図である。 第1実施形態の非空気圧タイヤが最大負荷状態で路面に接地する状態を示すタイヤ幅方向断面図である。 実施例で算出したタイヤの撓み量と荷重との関係を示すグラフである。 第2実施形態の非空気圧タイヤのタイヤ幅方向断面図である。 図6に示す部分を斜めから見た非空気圧タイヤの一部斜視図である。 第3実施形態の非空気圧タイヤのタイヤ幅方向断面図である。 図8に示す部分を斜めから見た非空気圧タイヤの一部斜視図である。 第3実施形態の非空気圧タイヤの外側環状部に埋設される外側補強層の斜視図である。 第3実施形態の外側補強層の第1変形例を示す斜視図である。 第3実施形態の外側補強層の第2変形例を示す斜視図である。 図12に示す第2変形例の外側補強層を構成するベルト状部材の一部斜視図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態の非空気圧タイヤ1をタイヤ回転軸(タイヤ子午線)と平行な方向、すなわち図1で紙面表裏方向に沿う方向から側面視した側面図である。図1に示す非空気圧タイヤ1は、無荷重状態である。図2は、図1のII-II断面図である。図3は、図2に示す部分を斜めから見た非空気圧タイヤ1の一部斜視図である。
図1及び図3において、矢印Cはタイヤ周方向を示している。図1~図3において、矢印Xはタイヤ径方向を示している。図2及び図3において、矢印Yはタイヤ幅方向を示している。図1においてのタイヤ幅方向Yは、紙面表裏方向である。図2の符号Eは、タイヤ赤道面である。図2においてのタイヤ周方向Cは、紙面表裏方向である。
タイヤ周方向Cは、タイヤ回転軸周りの方向であって非空気圧タイヤ1が回転する方向と同一の方向である。タイヤ径方向Xは、タイヤ回転軸に垂直な方向である。タイヤ幅方向Yは、タイヤ回転軸と平行な方向である。図2及び図3においては、タイヤ幅方向Yの一方側をY1として示し、タイヤ幅方向Yの他方側をY2として示している。図2に示すタイヤ赤道面Eは、タイヤ回転軸に直交する面で、かつ、タイヤ幅方向Yの中心に位置する面である。
第1実施形態の非空気圧タイヤ1は、内側環状部20と、外側環状部30と、複数のスポーク40と、トレッド50と、を備える。
なお、以下において、内側環状部20及び外側環状部30の厚みとは、タイヤ径方向Xに沿った方向の寸法である。内側環状部20及び外側環状部30の幅とは、図2に示すタイヤ幅方向Yに沿った方向の寸法である。
内側環状部20は、非空気圧タイヤ1の内周部を構成するタイヤ周方向Cに沿った環状の部分である。内側環状部20の厚み及び幅は、ユニフォミティを向上させるために一定に設定される。内側環状部20の内周側の空間に、図示しないタイヤホイールが配置される。そのタイヤホイールのリムの外周部に、内側環状部20の内周部が嵌合して装着される。内側環状部20がリムに装着されて、非空気圧タイヤ1は当該タイヤホイールに装着される。内側環状部20の内周面には、当該リムとの嵌合のために、凸部や溝等で構成される嵌合部が設けられる場合がある。
内側環状部20は、例えば、弾性を有する樹脂材料によって形成することができるが、材料は樹脂に限定されない。
内側環状部20は、上記タイヤホイールの回転をスポーク40及び外側環状部30に伝達する。内側環状部20の厚みは、スポーク40に回転力を十分に伝達する機能を満たしつつ、軽量化及び耐久性も得られる観点から決定される。内側環状部20の厚みは特に限定されないが、例えば、図2に示すタイヤ断面高さHの2%以上7%以下であることが好ましく、3%以上6%以下であることがより好ましい。
内側環状部20の内径は、非空気圧タイヤ1が装着されるタイヤホイールのリムの寸法や車両の用途等に応じて決定される。例えば、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、内側環状部20の内径は、例えば、250mm以上500mm以下といった寸法が挙げられるが、これに限定されない。
内側環状部20の幅は、非空気圧タイヤ1が装着される車両の用途等に応じて適宜決定される。例えば、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、内側環状部20の幅は、100mm以上300mm以下といった寸法が挙げられるが、これに限定されない。
外側環状部30は、非空気圧タイヤ1の外周部を構成するタイヤ周方向Cに沿った環状の部分である。外側環状部30は、内側環状部20の外周側に、内側環状部20と同軸に配置される。外側環状部30の厚み及び幅は、ユニフォミティを向上させるために一定に設定される。
図2及び図3に示すように、外側環状部30は、無負荷状態におけるタイヤ幅方向Yの断面(XY断面)の形状において、内周面31及び外周面32のいずれもが、タイヤ径方向Xの外側に凸となる形状を有する。第1実施形態においては、外側環状部30のタイヤ幅方向Yの断面の全体形状が、タイヤ径方向Xの外側に凸となる円弧状に湾曲している。外側環状部30は、一定の曲率で湾曲している。また、外側環状部30の厚みtは一定である。したがって、外側環状部30の内周面31及び外周面32は互いに同軸状である。外側環状部30は、タイヤ赤道面Eを対称中心面として左右対称に湾曲した形状を有する。
図2に示すように、外側環状部30は、タイヤ径方向Xの寸法である高さhを有する。高さhは、内周面31の最外周位置であってタイヤ赤道面Eが通るタイヤ幅方向Yの中心位置30cと、内周面31側のタイヤ幅方向Yの両側の端部30dとの間の距離に相当する。第1実施形態において、この高さhと外側環状部30の厚みtとの比に関しては、限定はされないが、h/tが1.0以上2.5以下であると好ましい。外側環状部30の内周面31は、両側の端部30dと、内周面31のタイヤ幅方向Yの中心位置30cとの3点を結ぶ円弧形状に形成される。
外側環状部30は、例えば、弾性を有する樹脂材料によって形成することができるが、材料は樹脂に限定されない。外側環状部30は、弾性材料により湾曲形状に形成されているためばね性を有する。外側環状部30は、タイヤ径方向Xに荷重がかかると平坦形状になるよう弾性変形する。
外側環状部30は、内側環状部20及びスポーク40の回転を、トレッド50を介して路面に伝達する。外側環状部30の厚みtは、スポーク40から路面に回転力を十分に伝達する機能を満たしつつ、軽量化及び耐久性も得られる観点から決定される。外側環状部30の厚みtは特に限定されないが、例えば、図2に示すタイヤ断面高さHの2%以上7%以下であることが好ましく、2%以上5%以下であることがより好ましい。
外側環状部30におけるタイヤ赤道面Eが通るタイヤ幅方向Yの中心位置の内径は、非空気圧タイヤ1が装着されるタイヤホイールのリムの寸法や車両の用途等に応じて適宜決定される。例えば、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、外側環状部30の内径は、420mm以上750mm以下といった寸法が挙げられるが、これに限定されない。
外側環状部30の幅は、非空気圧タイヤ1が装着される車両の用途等に応じて適宜決定される。例えば、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、外側環状部30の幅は、100mm以上300mm以下といった寸法が挙げられるが、これに限定されない。
複数のスポーク40は、内側環状部20と外側環状部30とを連結する。複数のスポーク40で連結された内側環状部20と外側環状部30とは、互いに同軸に配置される。複数のスポーク40のそれぞれは、タイヤ周方向Cに沿って各々独立して配列される。図1に示すように、複数のスポーク40は、非空気圧タイヤ1が無荷重状態では、側面視した場合においてタイヤ径方向Xと略平行でラジアル方向に直線状に延びている。複数のスポーク40は、タイヤ周方向Cに等間隔に配列されている。
図2及び図3に示すように、第1実施形態の複数のスポーク40は、複数の第1のスポーク41と、複数の第2のスポーク42と、を含む。第1のスポーク41及び第2のスポーク42のいずれも、その延在方向は、タイヤ周方向Cに沿った方向で見た場合において、タイヤ径方向Xとは平行ではない。第1のスポーク41は、タイヤ軸方向すなわちタイヤ幅方向Yの一方側へ傾斜している。第2のスポーク42は、第1のスポーク41とは反対側へ傾斜している。
図2及び図3に示すように、第1のスポーク41は、全体的に、外側環状部30のタイヤ幅方向Yの一方側であるY1側から、内側環状部20のタイヤ幅方向Yの他方側であるY2側へ向かって傾斜して延びている。第2のスポーク42は、全体的に、外側環状部30のタイヤ幅方向Yの他方側であるY2側から、内側環状部20のタイヤ幅方向Yの一方側であるY1側へ向かって傾斜して延びている。
第1のスポーク41及び第2のスポーク42の傾斜角度は同じである。このため、タイヤ周方向Cに隣接する第1のスポーク41と第2のスポーク42とは、タイヤ周方向Cに沿う方向から見た場合、略X字状に配置されている。図2に示すように、第1のスポーク41及び第2のスポーク42は、タイヤ幅方向Yに対して角度θ1で傾斜しており、その角度θ1は、例えば30°以上60°以下が好ましい。
図2に示すように、タイヤ周方向Cに沿う方向から見た状態での第1のスポーク41及び第2のスポーク42のそれぞれは、タイヤ赤道面Eに対して対称な同一形状である。したがって、以下においては、第1のスポーク41及び第2のスポーク42を区別する必要がなく、まとめて説明できる場合には、第1のスポーク41及び第2のスポーク42を、スポーク40と総称する。
スポーク40は板状であって、内側環状部20から外側環状部30に向けて、上記のように角度θ1の角度で斜めに延びている。図3示すように、スポーク40は、タイヤ周方向に沿った板厚dが、板幅wよりも小さく、板厚dの方向がタイヤ周方向Cに沿っている。すなわち、スポーク40は、タイヤ径方向X及びタイヤ幅方向Yの面内に沿って延びる板状に形成されている。なお、ここでいう板幅wは、図2にも示すように、スポーク40をタイヤ周方向Dに沿う方向から見た場合での、スポーク40が延在する傾斜方向に直交する方向の寸法である。第1実施形態においては、全てのスポーク40の板厚dは同じである。また、全てのスポーク40の板幅wは同じである。
複数のスポーク40は、タイヤ周方向Cに等間隔に配列されている。すなわち複数のスポーク40においては、タイヤ周方向Cに隣接する一対のスポーク40における板厚dの中央の間の間隔が等しい。
スポーク40は長尺板状であるため、板厚dを薄くしても、板幅wを広く設定することによってスポーク40の耐久性を向上させることができる。さらに、板厚dを薄くしてスポーク40の数を増やすことにより、非空気圧タイヤ1全体の剛性を維持しつつ、タイヤ周方向Cに隣接するスポーク40の間の間隔を小さくできる。これによって、スポーク40によるタイヤ転動時の接地圧が分散し、接地圧を小さくできる。
なお、第1実施形態のスポーク40は側面視においてタイヤ径方向Xと平行であるが、スポーク40は側面視においてタイヤ径方向Xと交差するようにタイヤ径方向Xに対し斜めに配置されてもよい。
図2及び図3に示すように、第1のスポーク41は、内側環状部20のタイヤ幅方向Y2側に接続する第1の内側接続部411と、外側環状部30のタイヤ幅方向Y1側に接続する第1の外側接続部412と、を有する。第2のスポーク42は、内側環状部20のタイヤ幅方向Y1側に接続する第2の内側接続部421と、外側環状部30のタイヤ幅方向Y2側に接続する第2の外側接続部422と、を有する。
図2に示すように、第1のスポーク41の第1の内側接続部411は、内側環状部20に近付くにつれてタイヤ幅方向Yに沿って広がる形状を有している。第1の内側接続部411のタイヤ幅方向Y2側の側面411aは、内側環状部20のタイヤ幅方向Y2側の端部20bまでなだらかに湾曲しながら延びている。第1の内側接続部411のタイヤ幅方向Y1側の側面411bは、内側環状部20のタイヤ赤道面Eの位置までタイヤ幅方向Y1側に向かって湾曲して延びている。
第1のスポーク41の第1の外側接続部412は、第1の内側接続部411と同様の形状であって、外側環状部30に近付くにつれてタイヤ幅方向に沿って広がる形状を有している。第1の外側接続部412のタイヤ幅方向Y1側の側面412aは、外側環状部30のタイヤ幅方向Y1側の端部30aまでなだらかに湾曲しながら延びている。第1の外側接続部412のタイヤ幅方向Y2側の側面412bは、外側環状部30のタイヤ赤道面Eの位置までタイヤ幅方向Y2側に向かって湾曲して延びている。
第1の内側接続部411は、内側環状部20のタイヤ幅方向Y2側の半分の領域に設けられている。第1の外側接続部412は、外側環状部30のタイヤ幅方向Y1側の半分の領域に設けられている。
図2に示すように、第2のスポーク42の第2の内側接続部421は、内側環状部20に近付くにつれてタイヤ幅方向Yに沿って広がる形状を有している。第2の内側接続部421のタイヤ幅方向Y1側の側面421aは、内側環状部20のタイヤ幅方向Y1側の端部20aまでなだらかに湾曲しながら延びている。第2の内側接続部421のタイヤ幅方向Y2側の側面421bは、内側環状部20のタイヤ赤道面Eの位置までタイヤ幅方向Y2側に向かって湾曲して延びている。
第2のスポーク42の第2の外側接続部422は、第2の内側接続部421と同様の形状であって、外側環状部30に近付くにつれてタイヤ幅方向に沿って広がる形状を有している。第2の外側接続部422のタイヤ幅方向Y2側の側面422aは、外側環状部30のタイヤ幅方向Y2側の端部30bまでなだらかに湾曲しながら延びている。第2の外側接続部422のタイヤ幅方向Y1側の側面422bは、外側環状部30のタイヤ赤道面Eの位置までタイヤ幅方向Y1側に向かって湾曲して延びている。
第2の内側接続部421は、内側環状部20のタイヤ幅方向Y1側の半分の領域に設けられている。第2の外側接続部422は、外側環状部30のタイヤ幅方向Y2側の半分の領域に設けられている。
上述したように、第1実施形態の全てのスポーク40の板厚dは同じである。板厚dの寸法は特に限定されないが、スポーク40が内側環状部20及び外側環状部30からの回転力を十分受けつつ、荷重を受けた際には適度に撓み変形が可能なようにする上で、1mm以上30mm以下であることが好ましく、5mm以上25mm以下であることがより好ましい。
上述したように、第1実施形態の全てのスポーク40の板幅wは同じである。スポーク40の板幅wは特に限定されないが、内側環状部20及び外側環状部30からの回転力を十分受けつつ、荷重を受けた際には適度に撓み変形が可能なようにする上で、5mm以上25mm以下であることが好ましく、10mm以上20mm以下であることがより好ましい。また、板幅wは、耐久性を向上させつつ接地圧を分散させ得る観点から、板厚dの110%以上であることが好ましく、115%以上であることがより好ましい。
スポーク40の数としては、車両からの荷重を十分支持しつつ、軽量化が可能で、動力伝達性及び耐久性の向上をともに図ることを可能とする観点から、80個以上300個以下であることが好ましく、100個以上200個以下であることがより好ましい。
複数のスポーク40のタイヤ周方向Cの間隔は、例えば、1.0mm以上4.1mm以下で設定されることが好ましい。なお、第1実施形態では、複数のスポーク40のタイヤ周方向Cの間隔は等しいが、不等間隔であってもよい。
スポーク40のタイヤ径方向Xの寸法は、45mm以上75mm以下といった寸法が挙げられるが、これに限定されない。
スポーク40は、下記に挙げる弾性材料によって形成することができる。まず、その弾性材料の特性としては、十分な耐久性を確保しながら、適度な剛性を付与する観点から、JIS K7312:1996に準じて引張試験を行い、10%伸び時の引張応力から算出した引張モジュラスが、3MPa以上12MPa以下が好ましい。
スポーク40において、10%伸び時の引張応力から算出した引張モジュラスが3MPaを下回る場合、十分な剛性が得られず、タイヤ周方向Cに隣接するスポーク40どうしが接触する可能性がある。一方、10%伸び時の引張応力から算出した引張モジュラスが12MPaを上回る場合、過度に剛性が高くなり、乗り心地が悪化する。
スポーク40の母材として用いられる弾性材料としては、熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリ塩化ビニルエラストマー、ポリウレタンエラストマー等が例示される。
架橋ゴムを構成するゴム材料としては、天然ゴム及び合成ゴムのいずれを使用することもできる。合成ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(水添NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等が例示される。これらのゴム材料は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
その他の樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
スポーク40には、上記の弾性材料のうち、成形、加工性及びコストの観点から、ポリウレタン樹脂が好ましく用いられる。なお、弾性材料としては、発泡材料を使用することもできる。すなわち、上記の熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂を発泡させたものを使用することができる。
なお、スポーク40の母材として用いられる弾性材料は、補強繊維により補強されていてもよい。補強繊維としては、長繊維、短繊維、織布、不織布等が挙げられる。補強繊維の種類としては、レーヨンコード、ナイロン-6,6等のポリアミドコード、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルコード、アラミドコード、ガラス繊維コード、カーボンファイバー、スチールコード等が挙げられる。
なお、弾性材料の補強は、補強繊維による補強に限らない。例えば、粒状フィラーの添加による補強が行われてもよい。添加される粒状フィラーとしては、カーボンブラック、シリカ、アルミナ等のセラミックス、その他の無機材料のフィラー等が挙げられる。
ところで、上述した内側環状部20及び外側環状部30は、スポーク40と同じ樹脂材料で形成されると好ましく、その場合には、例えば注型成形法によって、内側環状部20、外側環状部30及びスポーク40を一体成形することができる。
トレッド50は、外側環状部30の外周面32に設けられている。トレッド50は、非空気圧タイヤ1の最外周部分を構成する。図2及び図3に示すように、トレッド50は、トレッドゴム51を含む。トレッドゴム51は、路面に接地する踏面51aを外周面に有する。トレッドゴム51のゴム材料としては、特にその種類に制限はなく、車両用タイヤのトレッドを構成するゴムとしての一般的な加硫ゴム等を使用することができる。トレッドゴム51の踏面51aには、従来の空気入りタイヤと同様にして、複数の溝及び陸部で形成されるトレッドパターンが設けられる。
なお、トレッドゴム51は、成分や特性が異なる複数のゴム層が積層された構成(例えば、2層あるいは3層)でもよい。また、トレッド50は、樹脂で形成されてもよい。トレッドゴム51は、例えば、加硫接着層を介して外側環状部30の外周面32に接着される。
第1実施形態のトレッド50の厚みは、略一定である。このため、外側環状部30の外周面32に接着されるトレッド50のタイヤ幅方向Yの断面形状は、外側環状部30と同様に、タイヤ径方向Xの外側に凸となる湾曲形状を有している。路面に対する踏面51aの接地面積は、非空気圧タイヤ1にかかる荷重に応じて変動する。すなわち、荷重が比較的小さい場合は、タイヤ幅方向Yの中央部が接地して接地面積は小さく、荷重が比較的大きい場合は、タイヤ幅方向Yの両端部付近まで接地して接地面積が大きくなる。そして、上述したように最大の荷重がかかる最大負荷状態では、外側環状部30が平坦になるに伴い、踏面51aの全面が路面に接地する。
図4は、第1実施形態の非空気圧タイヤ1が上記タイヤホイールのリムに装着され、そのタイヤホイールが車両に装着されて接地した負荷状態の非空気圧タイヤ1を示している。外側環状部30は、車両に装着されて接地し、負荷がかかると、湾曲した状態から平坦になるように弾性変形する。外側環状部30は、想定される最大負荷がかかると、図4に示すように、タイヤ幅方向Yに沿って平坦に弾性変形する。なお、ここでいう想定される最大負荷状態とは、一般の空気入りタイヤにおけるロードインデックスであって、負荷することのできる最大荷重をいう。
図4の矢印Gは、非空気圧タイヤ1に荷重がかかる状況で、内側環状部20から第1のスポーク41を経て外側環状部30にかかる荷重の方向を概略的に示している。なお、第2のスポーク42側においても同様に荷重がかかる。このように荷重Gは内側環状部20からスポーク40を経て外側環状部30のタイヤ幅方向Yの端部側(第1のスポーク41ではY1側)に伝わることにより、外側環状部30は湾曲形状が平坦になるように弾性変形する。スポーク40から外側環状部30に荷重Gが伝わることにより、外側環状部30のタイヤ幅方向Yの端部が外周側に押圧され、これにより外側環状部30は平坦になるように弾性変形する。このとき、スポーク40にかかる荷重は外側環状部30に分散して伝わる。このため、スポーク40が受ける負荷は、通常の外側環状部30が平坦形状のタイヤと比べると軽減する。スポーク40において軽減した分の荷重が、外側環状部30に分散してかかる。
以下、実施例について説明する。実施例では、FEMによる非空気圧タイヤの解析モデルを用いて、上記外側環状部30が平坦形状の従来の非空気圧タイヤと、上記第1実施形態と同様の構成を備える非空気圧タイヤの特性を、シミュレーションにより測定した。
(解析1)
表1に、解析モデルである試験例1~4を示す。試験例1は、上記第1実施形態において、外側環状部30が平坦形状である従来の非空気圧タイヤである。試験例2~4のそれぞれは、上記第1実施形態の構成を備え、外側環状部30のタイヤ幅方向Yの断面形状が外周側に凸の湾曲形状であり、外側環状部30の厚みt及び高さhが異なる。試験例1~4につき、トレッド50の接地長さ(mm)、接地幅(mm)、接地面積(cm)を算出するとともに、400kgf負荷時の非空気圧タイヤにかかる応力(N/mm)及び撓み量(mm)を調べた。
なお、ここでいう応力値は、図4の符号40Rで示す内側R部に生じる応力値である。内側R部40Rは、負荷時において圧縮変形量が最も大きい部分であって、第1のスポーク41の第1の内側接続部411におけるタイヤ幅方向Y1側の側面411bに対応する部分である。この応力値が大きいほど、局所的に生じる応力が大きく、耐久性の低下を招くといえる。また、撓み量は、スポーク40の撓み量であって、タイヤ周方向Cに隣り合うスポーク40の間の隙間の平均値である。この隙間が大きいほど撓み量が大きいといえる。なお、試験例1~4のそれぞれにおいては、外側環状部30が湾曲形状である点以外の構成に関しては条件を同じくするために、内側R部40Rは同じ曲率半径とし、スポーク40のタイヤ断面高さH、板厚d及び板幅wは共通とした。
Figure 2023085966000002
表1によれば、外側環状部30のタイヤ幅方向Yの断面形状が湾曲形状である試験例2~4は、従来の非空気圧タイヤに比べてスポーク40に生じる応力が小さく、かつ、撓み量も小さい。これは、スポーク40にかかる荷重が、外側環状部30が平坦形状になるように弾性変形することで外側環状部30に分散することにより、スポーク40への応力集中が緩和されるためと推察される。したがって上記実施形態の非空気圧タイヤ1は、タイヤ全体としての耐荷重性能が高まり、耐久性の向上が効果的に図られる。
試験例2~4において、h/tが大きいほどスポーク40に生じる応力及び撓み量は大きくなるものの、h/tが概ね1.2以上2.5以下であれば、従来の非空気圧タイヤよりも十分に耐久性が向上することが予測される。
また、試験例2~4によると、タイヤにかかる負荷の上昇に追従して、接地長、接地幅及び接地面積が増加し、それぞれの負荷に対する適切な接地状態が再現できることが予測される。これは、例えば、一定速度で直進する走行時には接地面積が低減して転がり抵抗が低下し、制動時やコーナリング時には接地面積が増えて、制動力やコーナリングフォースの増加に寄与する点で優位となる。
(解析2)
上記試験例1~4につき、表2に示すようにタイヤにかかる荷重を5kgfから400kgfまでしだいに上げながら、それに伴って増加していく撓み量が同じか概ね近似する時点での荷重を14回にわたり算出した。その結果を、図5にグラフ化した。
Figure 2023085966000003
図5によれば、試験例1の従来の非空気圧タイヤは、荷重の増加に対してスポークの撓み量がほぼ直線的に比例するのに対し、試験例2~4は、荷重が増加するにつれてスポークの撓み量がやや緩やかに増加する傾向にある。したがって試験例2~4は、荷重の増加に対してスポークの撓み量が比例的に増加することが抑えられている。このため、試験例2~4は、従来の非空気圧タイヤよりもスポークが撓みにくく、結果としてタイヤの耐久性が向上することがわかる。なお、試験例1の荷重が61kgfを下回る状態での撓み量が算出されていないが、これは、スポークが撓む前の段階でトレッドが圧縮しているためである。
上述した第1実施形態に係る非空気圧タイヤ1によれば、以下の効果を奏する。
(1)第1実施形態に係る非空気圧タイヤ1は、内側環状部20と、内側環状部20の外周側に同軸に配置される外側環状部30と、内側環状部20と外側環状部30とを連結し、タイヤ周方向Cに沿って配列される複数のスポーク40と、外側環状部30の外周面32に設けられるトレッド50と、を備え、車両に装着される非空気圧タイヤであって、無負荷状態におけるタイヤ幅方向Yの断面形状において、外側環状部30の内周面31及び外周面32のいずれもが、タイヤ径方向Xの外側に凸となる形状を有する。
非空気圧タイヤ1に荷重がかかると、スポーク40にかかる荷重が外側環状部30に伝わり、外側環状部30が平坦形状になるように弾性変形する。これにより、スポーク40にかかる負荷が軽減して撓み量が減少するため、タイヤ全体としての耐荷重性能が高まる。その結果、耐久性の向上が効果的に図られる。また、路面の段差や凹凸による衝撃を外側環状部30の弾性により吸収することができるため、スポーク40への応力集中が緩和され、これによっても耐久性の向上が効果的に図られる。
(2)第1実施形態に係る非空気圧タイヤ1においては、外側環状部30のタイヤ幅方向Yの断面の全体形状が、タイヤ径方向Xの外側に凸となる円弧状に湾曲している。
これにより、スポーク40から荷重が伝わる外側環状部30が平坦形状になるように変形してスポーク40にかかる負荷が軽減するため、タイヤ全体としての耐荷重性能が高まり、耐久性が向上する。外側環状部30が円弧状に湾曲しているため、外側環状部30にかかる荷重は外側環状部30全体に分散しやすく部分的な応力集中が生じにくい。このため、外側環状部30の耐久性が十分に確保される。
(3)第1実施形態に係る非空気圧タイヤ1においては、外側環状部30の厚みtが一定であり、厚みtと、外側環状部30のタイヤ径方向寸法である高さhとの比:h/tが、1.0以上2.5以下であることが好ましい。
これにより、荷重負荷時において外側環状部30の変形による応力分散が的確に生じ、タイヤの耐久性向上がより一層図られる。また、h/tを調整することにより、タイヤの荷重特性を変更できる。
(4)第1実施形態に係る非空気圧タイヤ1においては、車両に装着されて接地した最大負荷状態で、外側環状部30はタイヤ幅方向Yに沿って平坦に弾性変形することが好ましい。
これにより、最大負荷状態で接地面積が最大に確保されるため、最大負荷時におけるタイヤの耐久性が向上する。
(5)第1実施形態に係る非空気圧タイヤ1においては、スポーク40は、タイヤ軸方向の一方側へ傾斜する第1のスポーク41と、第1のスポーク41とは反対側に傾斜する第2のスポーク42と、を含み、第1のスポーク41と第2のスポーク42とが、タイヤ周方向Cに交互に配置されている。
これにより、第1のスポーク41及び第2のスポーク42は、タイヤ周方向Cに沿った方向から見た場合に略X字状に配置される。第1のスポーク41及び第2のスポーク42は、それぞれがタイヤ軸方向に傾斜しているため過度に剛性が高くなることが抑えられ、乗り心地の向上が図られる。また、外側環状部30のタイヤ幅方向Yの両側にスポーク40から荷重が伝わるため、外側環状部30が変形しやすい。このため、スポーク40から外側環状部30に荷重が円滑に分散し、タイヤの耐久性向上がより一層図られる。
次いで、第2実施形態及び第3実施形態について説明する。第2実施形態及び第3実施形態は、上記第1実施形態と基本構成を共通としており、一部が相違している。以下の説明では、第1実施形態と共通する構成要素には共通の符号を付して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態の非空気圧タイヤのタイヤ幅方向Yの断面を示している。図7は、図6に示す部分を斜めから見た非空気圧タイヤ1の一部斜視図である。第2実施形態は、第1実施形態の外側環状部30の形状が異なっている。
第2実施形態の外側環状部30は、タイヤ幅方向Yの断面視が皿状の形状を有しており、タイヤ赤道面Eを対称中心面として左右対称の形状を有する。
図6及び図7に示すように、第2実施形態の外側環状部30は、タイヤ幅方向Yの断面形状において、一対の端部傾斜部33と、一対の端部傾斜部33の間に配置された中央平坦部34と、を有する。
一対の端部傾斜部33は、タイヤ幅方向Yの両端部にそれぞれ配置される。端部傾斜部33は、タイヤ幅方向Yの内側、すなわちタイヤ赤道面Eの側に向かうにつれてタイヤ径方向Xの外側に延びるように、タイヤ幅方向Yに対して傾斜している。一対の端部傾斜部33のタイヤ幅方向Yの長さ及びタイヤ幅方向Yに対する傾斜角度は同じである。
中央平坦部34は、タイヤ幅方向Yの中央部に配置されている。中央平坦部34は、一対の端部傾斜部33のタイヤ幅方向Yの内側の端部のそれぞれにつながっており、タイヤ幅方向Yに沿って延びている。中央平坦部34から一対の端部傾斜部33に移行する部分には、屈曲部35がそれぞれ形成されている。屈曲部35のそれぞれは、第1のスポーク41側においては、第1の外側接続部412のタイヤ幅方向Yの中央部付近に位置し、第2のスポーク42側においては、第2の外側接続部422のタイヤ幅方向Yの中央部付近に位置している。
外側環状部30の外周面32に設けられるトレッド50は、その外周面32に倣った断面形状を有する。すなわちトレッド50は、タイヤ幅方向Yの断面形状が、外側環状部30と同様の皿状の形状を有する。第2実施形態においては、外側環状部30の中央平坦部34に対応するトレッド50の踏面51aの全面が路面に接地するとともに、タイヤにかかる荷重に応じて一対の端部傾斜部33が弾性変形することにより、端部傾斜部33に対応するトレッド50の踏面51aが部分的に路面に接地する。
外側環状部30においては、タイヤに荷重がかかると、路面に近付くようにして端部傾斜部33が弾性変形し、これにより、端部傾斜部33に対応する部分のトレッド50の踏面51aが路面に接地する。そして、第1実施形態と同様に、最大負荷状態では、一対の端部傾斜部33がともに路面と平行になって中央平坦部34とともに外側環状部30の全体が平坦なり、踏面51aの全面が路面に接地する。
(6)第2実施形態の外側環状部30は、タイヤ幅方向Yの断面形状において、タイヤ幅方向Yの両端部に配置され、タイヤ幅方向Yの内側に向かうにつれてタイヤ径方向Xの外側に延びる一対の端部傾斜部33と、タイヤ幅方向Yの中央部に配置され、一対の端部傾斜部33のタイヤ幅方向Yの内側の端部どうしをつないでタイヤ幅方向Yに延びる中央平坦部34と、を有する。
第2実施形態の外側環状部30においては、スポーク40にかかる荷重が外側環状部30の各端部傾斜部33に伝わり、各端部傾斜部33が平坦になるように弾性変形する。これにより、スポーク40にかかる負荷が軽減して撓み量が減少するため、タイヤ全体としての耐荷重性能が高まる。その結果、耐久性の向上が効果的に図られる。
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態の非空気圧タイヤのタイヤ幅方向Yの断面を示している。図9は、図8に示す部分を斜めから見た非空気圧タイヤの一部斜視図である。第3実施形態は、上記第1実施形態と同様の構成に加えて、外側環状部30が外側補強層70を有している。図8及び図9に示すように、外側補強層70は、外側環状部30の内部に埋設されている。
図10は、外側補強層70を示す斜視図である。図10に示すように、外側補強層70は、円環板状の形状を有する補強部材71を含む。補強部材71は、湾曲する外側補強層70に対応して、そのタイヤ幅方向Yの断面の全体形状が、タイヤ径方向Xの外側に凸となる円弧状に湾曲している。
補強部材71は、金属製であって、熱処理もしくは硬化処理されたばね用鋼材からなる鋼板である。補強部材71は、外側環状部30の内部に外側環状部30と同軸に埋設されている。図10には、外側補強層70がタイヤ1の外側環状部30の内部に埋設された状態での、タイヤ周方向C、タイヤ径方向X、タイヤ幅方向Yを示している。なお、これら方向の表示は、後述する図11及び図12も同様である。
補強部材71の材料であるばね用鋼材としては、ばねとして用いられる炭素鋼の全般を含むことができ、特に炭素含有率が比較的高い鋼であることが好ましい。例えば、JISによりばね鋼として規定される構造用普通鋼、構造用合金鋼、高炭素鋼、ピアノ線用鋼等を含む。補強部材71は、炭素を比較的高い比率で含有し、ばねとしての弾性限が高いことや、繰り返し負荷に対するクリープ変形が起こりにくいことなどの特性を有するばね用鋼材が好適に用いられる。
補強部材71を構成するばね用鋼材としては、具体的には次のような炭素鋼が挙げられる。これらばね用鋼材は、素材の鋼に、焼き入れ、あるいは焼き入れ・焼き戻し等の特定の熱処理が施されることにより、所要のばね性を発揮する。
JIS G 4401:2009で規定されるSK材と呼ばれる炭素工具鋼鋼材であり、その中でも、SK85(炭素含有率:0.80~0.90%)等が好適である。SK材をさらに焼き入れしたリボン鋼は、より好適とされる。
JIS G 4051:2016で規定されるSC材と呼ばれる機械構造用炭素鋼鋼材であり、その中でもS60C(炭素含有率:0.55~0.65%)、S65C(炭素含有率:0.60~0.70%)、S70C(炭素含有率:0.65~0.75%)等のSC材が好適である。SC材をさらに焼き入れしたベイナイト鋼は、より好適とされる。
JIS G 4801:2021で規定されるSUP材と呼ばれるばね鋼鋼材であり、その中でも、SUP9(マンガンクロム鋼鋼材、炭素含有率:0.52~0.60%)、SUP10(クロムバナジウム鋼鋼材、炭素含有率:0.47~0.55%)等が好適である。
SAEで規定される機械構造用炭素鋼鋼材であり、その中でも、SAE1060(炭素含有率:0.55~0.65%)、SAE1065(炭素含有率:0.60~0.70%)、SAE1070(炭素含有率:0.65~0.75%)等が好適である。
補強部材71は、外側環状部30のタイヤ幅方向Yよりもやや幅が小さく、かつ、外側環状部30の周長に対応する長さを有する板状の素材を、円環状に巻き、突き合せた端部どうしを溶接した後、タイヤ幅方向Yの断面形状が湾曲形状になるように加工するなどの方法により形成される。この他には、外側環状部30に対応する径を備え、軸方向長さがタイヤ軸方向長さよりも長い管状の素材を軸方向に分割するように切断した後、タイヤ幅方向Yの断面形状が湾曲形状になるように加工することによっても補強部材71を得ることができる。例えば、金型内において外側環状部30を樹脂成形する際に、そのようにして円環状に形成した補強部材71を当該金型内にセットし、樹脂材料を充填して成形する。これにより、補強部材71を外側環状部30の中に全周にわたって埋設した状態に配置することができる。
補強部材71の幅、すなわちタイヤ幅方向Yの寸法は、例えば外側環状部30のタイヤ幅方向Yの95%以下が好ましい。外側環状部30の内部に埋設される補強部材71の厚み、すなわちタイヤ径方向Xの寸法は、外側環状部30の厚みよりも当然小さく、その厚みは、1.00mm以上3.00mm以下が好ましい。補強部材71は、外側環状部30のタイヤ径方向Xの中央、かつ、タイヤ幅方向Yの中央に配置されると好ましい。
補強部材71を構成するばね用鋼材の硬さは、HV400以上HV500以下が好ましい。HV400を下回ると、引張強度、耐クリープ性及び耐疲労特性が不十分となる可能性がある。一方、HV500を超えると、硬すぎて粘りがなく脆くなるため、ばね性が不十分となる可能性がある。
第3実施形態では、外側環状部30に、ばね用鋼材を材料とする補強部材71により構成された外側補強層70が埋設されている。非空気圧タイヤである実施形態のタイヤ1においては、車両の走行に伴い、外側環状部30にタイヤ径方向Xに撓んで座屈する変形が繰り返し生じるような応力を受ける。しかし本実施形態のタイヤ1は、外側補強層70により外側環状部30が補強されているため、外側環状部30に繰り返しの変形が生じにくい。その結果、外側環状部30の疲労強度及び剛性が高まり、耐久性の向上を図ることできる。
外側補強層70を構成する補強部材71は、ばね用鋼材からなるため、繰り返し負荷に対するクリープ変形が起こりにくい。このため、外側環状部30も補強部材71に追従して変形しにくい。したがって、車両の停止時においてトレッドゴム51の踏面51aが路面からの摩擦を受けて平坦になるフラットスポットができにくい。
ばね用鋼材からなる補強部材71は、例えばCFRPやGFRP等の繊維強化プラスチック製補強材と比較すると、低コストでありつつ十分な補強強度を発揮する。また、ばね用鋼材は、廃棄しにくいCFRPやGFRPよりもリサイクルが容易であり、環境保護の面でも優位である。さらに、CFRPやGFRPは繊維を有するため強度を発揮する方向に偏りがある場合があるが、補強部材71は中実な板材であるため、補強方向に偏りが生じることがない。
また、ばね用鋼材は、ウレタン樹脂等の樹脂と親和性が高いため、外側環状部30に対する固着強度が高い。このため、補強部材71が存在することによって外側環状部30が厚み方向に分断するような損傷の発生が抑制される。外側環状部30を構成する樹脂との固着強度を高める上では、補強部材71の表面にサンドブラスト処理を施すなどの表面粗化処理を施すとさらに好ましい。
以下、上述した第3実施形態の外側補強層70を変更した例である第1変形例及び第2変形例を説明する。
(第1変形例)
図11は、第1変形例に係る外側補強層70を構成する補強部材72の斜視図である。この補強部材72は、第1実施形態の補強部材71に、板厚方向に貫通する複数の円形状の孔71aがパンチング加工により形成されている。複数の孔71aは、補強部材71の全域にわたり、千鳥状に均等配置されている。孔71aの数や大きさは、補強部材71の強度を損なわない程度に設定される。孔71aの形状は円形状に限られないが、応力集中による亀裂の起点になりにくいといった観点から、楕円を含む円形状が好ましい。
第1変形例の補強部材72は、第1実施形態の補強部材71に、板厚方向に貫通する複数の孔71aが形成されている形態である。これにより、外側環状部30を補強する強度を保持しつつ、タイヤ1の重量増加を抑制することができる。樹脂からなる外側環状部30の内部に埋設された補強部材72は、複数の孔71aのそれぞれに樹脂が充填されるため外側環状部30と一体化する。このため、孔71aが形成されていても十分な補強強度が確保される。
(第2変形例)
図12は、第2変形例の外側補強層70を示す斜視図である。図13は、外側補強層70となるベルト状部材76を示す斜視図である。
第2変形例の外側補強層70は、補強部材としての線材74と、複数の線材74を被覆する被覆層75と、を含む円環状の部材であり、外側補強層70に対応して、そのタイヤ幅方向Yの断面の全体形状が、タイヤ径方向Xの外側に凸となる円弧状に湾曲している。この外側補強層70は、図13に示すベルト状部材76を円環状に巻いて形成される。ベルト状部材76は、等間隔をおいて平行に配置された複数の線材74が、被覆層75で被覆されることによりベルト状に形成されている。複数の線材74は、ベルト状部材76の長さ方向に延在している。ベルト状部材76の幅は、外側環状部30のタイヤ幅方向Yの寸法よりもやや小さい寸法に設定される。
線材74は、上述したばね用鋼材を材料として線状に形成されたものである。線材74としては、例えば、SWRH72B(炭素含有率:0.69~0.76%)等の硬鋼線材を用いることができる。被覆層75は、例えば、樹脂やゴム等で形成される。被覆層75が樹脂の場合、上述した外側環状部30を構成する樹脂と同一の樹脂で形成されることが好ましい。その場合には、被覆層75が外側環状部30となじみやすく強固に接合し、複数の線材74も外側環状部30と一体的に接合する。このため、外側環状部30の補強効果が向上する。線材74は、さらにパテンティング処理や熱処理等による硬化処理や、調質処理を施したものでもよい。
外側補強層70は、ベルト状部材76を、外側環状部30の周長に対応する長さに切断し、その切断したベルト状部材76を円環状に巻き、突き合せた端部どうしを接合した後、タイヤ幅方向Yの断面形状が湾曲形状になるように加工するなどの方法により形成される。端部どうしの接合は、線材74の端部どうしを溶接するとともに、被覆層75の端部どうしを接着する。外側補強層70は、例えば、金型内において外側環状部30を樹脂成形する際に、当該金型内にセットされ、樹脂材料を充填することにより、外側環状部30の中に全周にわたって埋設した状態に配置される。この状態で複数の線材74は、タイヤ周方向Cの全周にわたって延在し、かつ、タイヤ幅方向Yに並列している。なお、本実施形態では、複数の線材74は、ベルト状部材76の幅方向に1列に配置されているが、2列以上に配置されていてもよい。
第2変形例では、複数の線材74が被覆層75により被覆されて外側補強層70が形成されている。これにより、外側環状部30が外側補強層70により効果的に補強され、タイヤ1としての耐久性が向上する。また、補強部材としての線材74がばね用鋼材からなるため、低コストでありつつ十分な補強強度を発揮するとともに、リサイクルが容易であり環境保護の面でも優位である。さらに、ばね用鋼材からなる線材74は外側環状部30に対する固着強度が高いため、外側環状部30に分断等の損傷が起こることが抑制される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で変形、改良などを行っても、本発明の範囲に含まれる。
例えば、外側環状部30の厚みtは一定ではなく、タイヤ幅方向Yの外側から内側に向かうにつれて厚くなるか、あるいは薄くなるなどの形態であってよい。このように厚みを変化させると外側環状部30の弾性を調整することができるため、スポーク40に対する負荷を調整することができる。
外側環状部30のタイヤ幅方向Yの断面形状は、内周面31及び外周面32のいずれもがタイヤ径方向外側に凸となる形状であれば、湾曲形状や皿状に限定されない。例えば、第2実施形態のように皿状である場合、屈曲部35はタイヤ幅方向Yの片側において1箇所ではなく、複数の屈曲部35がタイヤ幅方向Yの外側から内側に向かって複数段階に形成された態様でもよい。
1 非空気圧タイヤ
20 内側環状部
30 外側環状部
31 外側環状部の内周面
32 外側環状部の外周面
33 端部傾斜部
34 中央平坦部
40 スポーク
41 第1のスポーク
42 第2のスポーク
50 トレッド
C タイヤ周方向
X タイヤ径方向
Y タイヤ幅方向

Claims (6)

  1. 内側環状部と、
    前記内側環状部の外周側に同軸に配置される外側環状部と、
    前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に沿って配列される複数のスポークと、
    前記外側環状部の外周面に設けられるトレッドと、を備え、車両に装着される非空気圧タイヤであって、
    無負荷状態におけるタイヤ幅方向断面形状において、前記外側環状部の内周面及び外周面のいずれもが、タイヤ径方向外側に凸となる形状を有する、非空気圧タイヤ。
  2. 前記外側環状部のタイヤ幅方向断面の全体形状が、タイヤ径方向外側に凸となる円弧状に湾曲している、請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
  3. 前記外側環状部は、タイヤ幅方向断面形状において、
    タイヤ幅方向両端部に配置され、タイヤ幅方向内側に向かうにつれてタイヤ径方向外側に延びる一対の端部傾斜部と、
    タイヤ幅方向中央部に配置され、前記一対の端部傾斜部のタイヤ幅方向内側の端部のそれぞれにつながってタイヤ幅方向に延びる中央平坦部と、を有する、請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
  4. 前記外側環状部の厚みtが一定であり、
    前記厚みtと、前記外側環状部のタイヤ径方向寸法である高さhとの比:h/tが、1.0以上2.5以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の非空気圧タイヤ。
  5. 車両に装着されて接地した最大負荷状態で、前記外側環状部はタイヤ幅方向に沿って平坦に弾性変形する、請求項1~4のいずれか1項に記載の非空気圧タイヤ。
  6. 前記スポークは、
    タイヤ軸方向の一方側へ傾斜する第1のスポークと、
    前記第1のスポークとは反対側に傾斜する第2のスポークと、を含み、
    前記第1のスポークと前記第2のスポークとが、タイヤ周方向に交互に配置されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の非空気圧タイヤ。
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