JP2023084774A - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗り型車両において、ハーネスを適切に保持し、且つ、駆動源ケースの放熱によるハーネスへの熱影響を低減できるようにすることを目的とする。
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持される駆動源12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
駆動源12(パワーユニット)は、内燃機関である。駆動源12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
駆動源12の出力は、駆動源12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
フロントフレーム19は、ヘッドパイプ18から後下方に延びるメインフレーム31と、メインフレーム31の後端部から下方に延びるピボットフレーム32とを備える。
駆動源12は、メインフレーム31の下方且つピボットフレーム32の前方に配置され、フロントフレーム19に支持される。
ピボット軸22は、ピボットフレーム32に取り付けられる。
サイドスタンド33は、サイドスタンド33の上端部に設けられるスタンド回動軸33aによって回動可能に設けられる。図1では、サイドスタンド33は、下方に回動した駐車位置にある。サイドスタンド33を駐車位置にして鞍乗り型車両10を駐車すると、鞍乗り型車両は車幅方向の一方側に傾いた状態となる。
図1~図3を参照し、駆動源12のクランクケース23は、クランク軸(不図示)を収納するクランクケース本体40と、クランクケース本体40の外側面に取り付けられるクランクケースカバー41とを備える。なお、クランクケース23は、駆動源12のケースの主要部を構成する駆動源ケースである。
クランクケース本体40の後部は、変速機を収納する変速機ケース部42である。上記変速機は、上記クランク軸の回転を変速して出力する。変速機ケース部42は、ピボットフレーム32の前方に位置する。
出力軸43の先端部には、スプロケット45が固定される。スプロケット45は、出力軸43と同軸の位置関係で配置される歯車であり、出力軸43と一体に回転する。
上記駆動力伝達部材は、スプロケット45と後輪15に設けられるドリブンスプロケット15b(図1)とに巻き掛けられる無端状の駆動チェーン46である。
スプロケット45の回転は、駆動チェーン46を介してドリブンスプロケット15bに伝達される。なお、駆動力伝達部材は、無端状の駆動ベルトであっても良い。
サイドスタンド33は、鞍乗り型車両10の各部を電子的に制御する制御ユニット(不図示)に、ハーネス47によって接続される。ハーネス47は、電線である。上記制御ユニットは、駆動源12よりも上方に配置される。
詳細には、ハーネス47の一端は、コネクター47aを介してサイドスタンド33の上端部に接続される。
ハーネス47は、サイドスタンド33から駆動源12の上方に延び、ハーネス47の他端は、上記制御ユニットに接続される。上記制御ユニットは、サイドスタンド33が駐車状態及び格納状態のいずれかにあるかを検出する。
また、スプロケットカバー50の後方には、駆動チェーン46の上部を外側から覆うチェーンカバー51が設けられる。チェーンカバー51は、スイングアーム16に固定される。
スプロケット45の前部に巻き掛けられた駆動チェーン46の前端部46aは、スプロケット45の外周45a(図4)に沿う円弧状である。前端部46aは、スプロケット45の外周45aの歯部に直接噛み合う。保護プレート48は、車両側面視では、前端部46aに沿う円弧状の板である。
保護プレート48は、駆動チェーン46の前端部46aに前方から重なる位置に設けられている。保護プレート48は、駆動チェーン46の前方への移動を規制し、クランクケース23等を駆動チェーン46から保護する。保護プレート48は、例えば金属製である。
図2~図5を参照し、スプロケットカバー50は、変速機ケース部42の側壁部42aに取り付けられる。スプロケットカバー50は、例えば樹脂製である。なお、スプロケットカバー50は金属製であっても良い。
スプロケットカバー50は、クランクケースカバー41の後方且つピボットフレーム32の前方に設けられる。
ハーネス47は、クランクケースカバー41とスプロケットカバー50との間に配索され、スプロケットカバー50に保持される。
詳細には、側面カバー部60は、変速機ケース部42の側壁部42a、出力軸43、スプロケット45、及び駆動チェーン46の前端部46aを車幅方向外側から覆う。
スプロケットカバー50は、側面カバー部60に車幅方向内側から対向する壁部を有しておらず、スプロケットカバー50の内部は車幅方向内側に開放する。
仕切り壁62は、側面カバー部60の内面において側面カバー部60の前縁60aの後方の位置から車幅方向内側に延出する。仕切り壁62は、上下方向に延在する壁であり、側面カバー部60の上端部から下端部まで延びる。仕切り壁62の上端は上面カバー部61に接続されている。
仕切り壁62は、駆動チェーン46の前端部46aの前方に位置する。ハーネス47は、仕切り壁62の前方に配置される。
仕切り壁62は、駆動チェーン46の前端部46aをスプロケット45の径方向外側であって前方から覆うことで、駆動チェーン46とハーネス47との間を車両前後方向に仕切る。
詳細には、車両側面視で、駆動チェーン46の前端部46aの外周46cに沿うように円弧状に形成される円弧状壁部62a(第1壁部)と、円弧状壁部62aの下端から後下方に延出する下側壁部62b(第2壁部)と、円弧状壁部62aの上端から上方に延出する上側壁部62cとを備える。
円弧状壁部62aは、前端部46aを前方から覆う。円弧状壁部62aの円弧形状は、スプロケット45の外周45aの円形状と同心円であり且つスプロケット45よりも大径の円の円弧形状である。
下側壁部62bは、ほぼ直線状に後下方に延びており、円弧状壁部62aよりも曲率が小さい。
スプロケットカバー50は、仕切り壁62の車幅方向内側の端面が保護プレート48の外側面に当接するように配置される。スプロケットカバー50は、下側ボス部63及び上側ボス部64に車幅方向外側から挿通される一対の締結具65によって、変速機ケース部42の側壁部42aに締結される。保護プレート48は、側壁部42aと仕切り壁62の端面との間に挟まれ、締結具65によってスプロケットカバー50と共締めされる。
ハーネス47は、スプロケットカバー50に設けられるハーネス保持部70に保持される。ハーネス保持部70は、仕切り壁62に設けられる。
詳細には、ハーネス保持部70は、中心線46bに対し上方に配置される第1の係合部材71と、中心線46bに対し下方に配置される第2の係合部材72とを備える。
第1の係合部材71及び第2の係合部材72は、クリップである。これらクリップは、ハーネス47の外周に巻き付く環状のバンド部70aと、仕切り壁62に当接する座部70bと、仕切り壁62に係合する係合部70cとを備える。バンド部70aは、板状の座部70bの一方の面から突出する。係合部70cは、板状の座部70bの他方の面から突出する。
第1の係合部材71及び第2の係合部材72は、仕切り壁62の前面62fに取り付けられる。
第2の係合部材72は、係合部70cが第2係合孔62eに前方から差し込まれ、座部70bが仕切り壁62の前面62fに当接する。第2の係合部材72のバンド部70aは、前面62fの前方でハーネス47を保持する。第2の係合部材72の係合部70cは、仕切り壁62の内面から後方の駆動チェーン46側に突出する。
また、ハーネス47は、後面41aと前面62fとの間において、変速機ケース部42の側壁部42a(図3)に対し車幅方向外側に配索されている。すなわち、変速機ケース部42の側壁部42aは、車両側面視でハーネス47が車幅方向外側から重なる重なり部42bを備える。
ハーネス47は、ハーネス保持部70を介しスプロケットカバー50の仕切り壁62に保持されており、クランクケースカバー41の後面41aに対し後方に離間し、後面41aに接触していない。このため、クランクケースカバー41の後面41aからハーネス47に直接的に熱が伝達されることを抑制でき、クランクケースカバー41の放熱によるハーネス47への熱影響を低減できる。
また、ハーネス保持部70に保持されたハーネス47は、変速機ケース部42の側壁部42aの重なり部42b(図3)に対し、車幅方向外側に離間している。このため、側壁部42aの放熱によるハーネス47への熱影響を低減できる。
車両側面視で、仕切り壁62の下側壁部62bと前端部46aの外周46cとの距離は、最短距離部62gと前端部46aとの距離よりも大きい。
車両側面視で、仕切り壁62の上側壁部62cと前端部46aの外周46cとの距離は、最短距離部62gと前端部46aとの距離よりも大きい。
第2の係合部材72は、中心線46bよりも下方であって、下側壁部62bに取り付けられる。すなわち、第2の係合部材72は、仕切り壁62上において、最短距離部62gに対し下方にオフセットして取り付けられる。
第2の係合部材72が下側壁部62bに取り付けられるため、車両側面視で第2の係合部材72の係合部70c(図4)と駆動チェーン46の前端部46aの外周46cとの距離を大きく確保できる。このため、第2の係合部材72の係合部70cが前端部46a側に突出する場合であっても、係合部70cが前端部46aに接触することを低減できる。
なお、第1の係合部材71は、円弧状壁部62aではなく上側壁部62cに取り付けられても良い。この場合、車両側面視で第1の係合部材71の係合部70cと駆動チェーン46の前端部46aとの距離を大きく確保でき、係合部70cが前端部46aに接触することを低減できる。
ここで、円弧状壁部62aに対し曲率が小さい仕切り壁62の形状は、図4のように仕切り壁62の一部が直線状で曲率がゼロになる場合、及び、仕切り壁62の一部が円弧状壁部62aに対し逆方向に湾曲して曲率が負の値になる場合を含む。
なお、第1の係合部材71を、円弧状壁部62aに対し曲率が小さい上側壁部62cに取り付けても良い。この場合、第1の係合部材71の係合部70cと前端部46aとの距離を大きく確保でき、第1の係合部材71の係合部70cが前端部46aに接触することを低減できる。
上下方向において、第2の係合部材72と中心線46bとの距離は、第1の係合部材71と中心線46bとの距離よりも大きい。すなわち、第2の係合部材72は、上下方向において、スプロケット45の中心に位置する出力軸43に対し第1の係合部材71よりも大きく離間している。
このため、駆動チェーン46の前端部46aの下部が下方に弛んだ場合であっても、前端部46aが第2の係合部材72の係合部70cに接触することが低減される。
第1の係合部材71は中間部62hの上方に配置され、第2の係合部材72は中間部62hの下方に配置される。これにより、仕切り壁62とクランクケースカバー41の後面41aとの間隔が大きい場所に第1の係合部材71及び第2の係合部材72を配置でき、第1の係合部材71及び第2の係合部材72の配置の自由度が高い。
第1係合孔62dは凹部62iに設けられ、第1の係合部材71は、凹部62iに取り付けられる。凹部62iの底面は、第1の係合部材71の座部70bを受ける平坦面である。このため、凹部62iの平坦面で第1の係合部材71を良好に受けることができ、第1の係合部材71を適切に固定できる。
後方に凹む凹部62iに第1の係合部材71が配置されることで、第1の係合部材71に保持されるハーネス47も後方にオフセットされる、これにより、ハーネス47とクランクケースカバー41の後面41aとの距離を大きく確保でき、クランクケースカバー41の放熱によるハーネス47への熱影響を低減できる。
なお、下側壁部62bの前面62fに凹部を設け、この凹部に第2の係合部材72を取り付けても良い。
図6には、仕切り壁62の車幅方向の中央部を示す仮想の直線Lが示される。直線L上の部分は、仕切り壁62の車幅方向の中央部である。
また、例えば、仕切り壁62の車幅方向内側の端面と変速機ケース部42の側壁部42aとの間に隙間が形成される場合には、第1の係合部材71が直線Lよりも車幅方向外側に配置されることで、ハーネス47が仕切り壁62を車幅方向に乗り越えて上記隙間に侵入することが抑制される。
なお、第2の係合部材72を、直線Lよりも車幅方向外側に配置しても良い。この場合、ハーネス47を変速機ケース部42の側壁部42aから車幅方向外側に大きく離すことができる。
ハーネス覆い部60bは、後面41aと前面62fとの間のハーネス47、及びハーネス保持部70を、車幅方向外側から覆い、ハーネス47及びハーネス保持部70を隠す。
スプロケットカバー50は、車幅方向内側及び後方に開放している。このため、スプロケットカバー50内に気流が流れ易く、ハーネス47の熱を効率良く逃がすことができる。
この構成によれば、スプロケットカバー50とクランクケース23との間に配索されるハーネス47を、スプロケットカバー50に設けられるハーネス保持部70によって適切に保持できる。ハーネス47がスプロケットカバー50に保持されるため、クランクケース23からハーネス47に直接的に熱が伝達されることを抑制でき、クランクケース23の放熱によるハーネス47への熱影響を低減できる。
この構成によれば、駆動チェーン46とハーネス47との間を仕切る仕切り壁62によって、ハーネス47を駆動チェーン46及び駆動チェーン46側の汚れから保護できる。また、仕切り壁62を利用して簡単な構造でハーネス47を保持できる。
この構成によれば、ハーネス47が車幅方向内側に移動した場合であっても、ハーネス47が仕切り壁62を乗り越えることを抑制でき、ハーネス47が駆動チェーン46側に移動することを抑制できる。また、車幅方向において、クランクケース23とハーネス47との距離を大きく確保でき、クランクケース23によるハーネス47への熱影響を低減できる。
この構成によれば、ハーネス47が車幅方向内側に移動した場合であっても、ハーネス47が仕切り壁62を乗り越えることを抑制でき、ハーネス47が駆動チェーン46側に移動することを抑制できる。また、車幅方向において、クランクケース23の重なり部42bとハーネス47との距離を大きく確保でき、重なり部42bによるハーネス47への熱影響を低減できる。
この構成によれば、ハーネス保持部70が仕切り壁62に着脱可能であるため、ハーネス47及びスプロケットカバー50の組み付けの自由度が高くなり、組み付け性が良い。また、駆動チェーン46側に突出する係合部70cが最短距離部62gに対しオフセットされることで、係合部70cと駆動チェーン46との距離を大きく確保できる。このため、ハーネス保持部70が着脱可能な構造であっても、ハーネス保持部70と駆動チェーン46との接触を低減できる。
この構成によれば、第1の係合部材71及び第2の係合部材72が駆動チェーン46に対し車幅方向外側にオフセットされるため、第1の係合部材71及び第2の係合部材72と駆動チェーン46との接触を低減できる。また、車幅方向において、クランクケース23とハーネス47との距離を大きく確保でき、クランクケース23によるハーネス47への熱影響を低減できる。
この構成によれば、第2の係合部材72は、駆動チェーン46の外周46cに対する距離が大きい下側壁部62bに設けられるため、第2の係合部材72と駆動チェーン46との距離を大きく確保でき、第2の係合部材72と駆動チェーン46との接触を低減できる。
この構成によれば、上下に複数設けられる第1の係合部材71及び第2の係合部材72によって、ハーネス47を良好に保持できる。駆動チェーン46は自重によって下方に弛むが、出力軸43に対し下方に配置される第2の係合部材72が、上下方向において出力軸43に対し第1の係合部材71よりも大きく離間しているため、第2の係合部材72と駆動チェーン46との距離を大きく確保できる。このため、第2の係合部材72と駆動チェーン46との接触を低減できる。さらに、出力軸43に対し上方に配置される第1の係合部材71は、上下方向において出力軸43に対し第2の係合部材72よりも小さく離間しているため、第1の係合部材71と第2の係合部材72との間隔を小さくできる。このため、第1の係合部材71と第2の係合部材72との間のハーネス47の弛みを小さくでき、ハーネス47を良好に保持できる。
この構成によれば、ハーネス覆い部60bによって、ハーネス47を車幅方向外側から保護できる。また、ハーネス覆い部60bによってハーネス47を隠して外観をシンプルにでき、外観性が良い。
この構成によれば、クランクケースカバー41の後面41aと仕切り壁62との間のスペースを利用して、ハーネス47をコンパクトに配策できる。仕切り壁62の前面62fを利用して、ハーネス47を簡単な構造で保持できる。
この構成によれば、仕切り壁62は、仕切り壁62に挿通される締結具65によってクランクケース23に締結されるため、剛性が高い。このため、剛性が高い仕切り壁62によって、ハーネス47を良好に保持できる。
この構成によれば、ハーネス保持部70は凹部62iに設けられてクランクケース23から遠くなるため、クランクケース23によるハーネス47への熱影響を低減できる。
上記実施の形態では、駆動源12は内燃機関であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、電動の鞍乗り型車両において、駆動源は、駆動力を発生させる電動モーターを駆動源ケースに備える駆動源であっても良く、この駆動源のスプロケットカバーに本発明の構造を適用し、ハーネスへの熱影響を低減しても良い。
また、上記実施の形態では、ハーネス保持部70が仕切り壁62に取り付けられる構造を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、スプロケットカバー50のハーネス覆い部60bの車幅方向の内側面にハーネス保持部70を取り付けても良い。この場合、ハーネス覆い部60bの車幅方向の内側面に、変速機ケース部42の側壁部42aから遠くなるように車幅方向外側に凹む凹部を設け、この凹部にハーネス保持部70を取り付けても良い。
また、上記実施の形態では、第1の係合部材71及び第2の係合部材72は、仕切り壁62に前方から差し込まれて係合するものとして説明したが、本発明はこれに限定されない。ハーネス保持部は、例えば、仕切り壁62を、仕切り壁62の板厚方向に挟み込むことで係合するクリップであっても良い。
また、上記実施の形態では、ハーネス保持部70は、第1の係合部材71及び第2の係合部材72によって二か所に設けられるものとして説明したが、ハーネス保持部70は、少なくとも一か所に設けられれば良い。また、ハーネス保持部70は、三か所以上設けられても良い。
また、上記実施の形態では、ハーネス47が一つ設けられる構造を例に挙げて説明したが、これに限らず、複数のハーネスをハーネス保持部70によって保持しても良い。
また、上記実施の形態では、ハーネス保持部70は、スプロケットカバー50に着脱可能に係合するものとして説明したが、これに限らず、例えば、ハーネス保持部は、スプロケットカバー50に一体に形成されても良い。
また、上記実施の形態では、最短距離部62gは、円弧状壁部62aであり、最短距離部62gはある程度の範囲を上下方向に有しているが、これに限らず、最短距離部62gは、例えば中間部62hであっても良い。
また、上記実施の形態では、仕切り壁62の第1壁部として円弧状壁部62aを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。第1壁部は、車両側面視で、駆動チェーン46の外周46cに対する距離が第2壁部である下側壁部62bよりも小さければ良く、例えば第1壁部は直線状であっても良い。
また、上記実施の形態では、ハーネス47は電線であるが、例えばハーネスは、操作用のワイヤーを内部に備える操作ケーブルであっても良い。
上記実施の形態では、自動二輪車である鞍乗り型車両10を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、鞍乗り型車両は、三輪の鞍乗り型車両、及び四輪以上を備える鞍乗り型車両であっても良い。
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
この構成によれば、ハーネスを、スプロケットカバーに設けられるハーネス保持部によって適切に保持できる。ハーネスがスプロケットカバーに保持されるため、駆動源ケースからハーネスに直接的に熱が伝達されることを抑制でき、駆動源ケースの放熱によるハーネスへの熱影響を低減できる。
この構成によれば、駆動力伝達部材とハーネスとの間を仕切る仕切り壁によって、ハーネスを駆動力伝達部材及び駆動力伝達部材側の汚れから保護できる。また、仕切り壁を利用して簡単な構造でハーネスを保持できる。
この構成によれば、ハーネスが車幅方向内側に移動した場合であっても、ハーネスが仕切り壁を乗り越えることを抑制でき、ハーネスが駆動力伝達部材側に移動することを抑制できる。また、車幅方向において、駆動源ケースとハーネスとの距離を大きく確保でき、駆動源ケースによるハーネスへの熱影響を低減できる。
この構成によれば、ハーネスが車幅方向内側に移動した場合であっても、ハーネスが仕切り壁を乗り越えることを抑制でき、ハーネスが駆動力伝達部材側に移動することを抑制できる。また、車幅方向において、駆動源ケースの重なり部とハーネスとの距離を大きく確保でき、重なり部によるハーネスへの熱影響を低減できる。
この構成によれば、ハーネス保持部が仕切り壁に着脱可能であるため、ハーネス及びスプロケットカバーの組み付けの自由度が高くなり、組み付け性が良い。また、駆動力伝達部材側に突出する係合部材の一部が最短距離部に対しオフセットされることで、上記一部と駆動力伝達部材との距離を大きく確保できる。このため、ハーネス保持部が着脱可能な構造であっても、ハーネス保持部と駆動力伝達部材との接触を低減できる。
この構成によれば、係合部材が駆動力伝達部材に対し車幅方向外側にオフセットされるため、係合部材と駆動力伝達部材との接触を低減できる。また、車幅方向において、駆動源ケースとハーネスとの距離を大きく確保でき、駆動源ケースによるハーネスへの熱影響を低減できる。
この構成によれば、係合部材は、駆動力伝達部材の外周に対する距離が大きい第2壁部に設けられるため、係合部材と駆動力伝達部材との距離を大きく確保でき、係合部材と駆動力伝達部材との接触を低減できる。
この構成によれば、上下に複数設けられる第1の係合部材及び第2の係合部材によって、ハーネスを良好に保持できる。駆動力伝達部材は自重によって下方に弛むが、出力軸に対し下方に配置される第2の係合部材が、上下方向において出力軸に対し第1の係合部材よりも大きく離間しているため、第2の係合部材と駆動力伝達部材との距離を大きく確保できる。このため、第2の係合部材と駆動力伝達部材との接触を低減できる。さらに、出力軸に対し上方に配置される第1の係合部材は、上下方向において出力軸に対し第2の係合部材よりも小さく離間しているため、第1の係合部材と第2の係合部材との間隔を小さくできる。このため、第1の係合部材と第2の係合部材との間のハーネスの弛みを小さくでき、ハーネスを良好に保持できる。
この構成によれば、ハーネス覆い部によって、ハーネスを車幅方向外側から保護できる。また、ハーネス覆い部によってハーネスを隠して外観をシンプルにでき、外観性が良い。
この構成によれば、ケース膨出部の後面と仕切り壁との間のスペースを利用して、ハーネスをコンパクトに配策できる。仕切り壁の前面を利用して、ハーネスを簡単な構造で保持できる。
この構成によれば、仕切り壁は、仕切り壁に挿通される締結具によって駆動源ケースに締結されるため、剛性が高い。このため、剛性が高い仕切り壁によって、ハーネスを良好に保持できる。
この構成によれば、ハーネス保持部は凹部に設けられて駆動源ケースから遠くなるため、駆動源ケースによるハーネスへの熱影響を低減できる。
12 駆動源
23 クランクケース(駆動源ケース)
41 クランクケースカバー(ケース膨出部)
41a 後面
42a 側壁部
42b 重なり部
43 出力軸
45 スプロケット
46 駆動チェーン(駆動力伝達部材)
46b 中心線
46c 外周
47 ハーネス
50 スプロケットカバー
60 側面カバー部
60b ハーネス覆い部
62 仕切り壁
62a 円弧状壁部(第1壁部)
62b 下側壁部(第2壁部)
62f 前面
62g 最短距離部
62i 凹部
65 締結具
70 ハーネス保持部
70c 係合部(係合部材の一部)
71 第1の係合部材(係合部材)
72 第2の係合部材(係合部材)
L 直線(中央部)
Claims (12)
- 放熱する駆動源(12)を備え、前記駆動源(12)が、駆動源ケース(23)と、前記駆動源ケース(23)から外側に突出し、前記駆動源(12)の駆動力を出力する出力軸(43)とを備え、前記出力軸(43)に固定されるスプロケット(45)と、前記スプロケット(45)を外側から覆うスプロケットカバー(50)と、ハーネス(47)とが設けられる鞍乗り型車両において、
前記ハーネス(47)は、前記スプロケットカバー(50)に設けられるハーネス保持部(70)に保持されることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記スプロケット(45)には、無端状の駆動力伝達部材(46)が巻き掛けられ、
前記スプロケットカバー(50)は、前記スプロケット(45)を車幅方向外側から覆う側面カバー部(60)と、前記側面カバー部(60)から車幅方向内側に延びる仕切り壁(62)とを備え、
前記仕切り壁(62)は、前記駆動力伝達部材(46)を前記スプロケット(45)の径方向外側から覆って前記駆動力伝達部材(46)と前記ハーネス(47)との間を仕切り、
前記ハーネス保持部(70)は、前記仕切り壁(62)に設けられることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。 - 前記ハーネス保持部(70)は、車両正面視で、前記仕切り壁(62)の車幅方向の中央部(L)よりも車幅方向外側に配置されることを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両。
- 前記駆動源ケース(23)は、車両側面視で前記ハーネス(47)が車幅方向外側から重なる重なり部(42b)を備え、
前記ハーネス保持部(70)は、車両正面視において、前記重なり部(42b)の車幅方向外側で、前記仕切り壁(62)の車幅方向の中央部(L)よりも車幅方向外側に配置されることを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両。 - 前記ハーネス保持部(70)は、前記仕切り壁(62)に着脱可能に係合する係合部材(71,72)であり、前記係合部材(71,72)の一部(70c)は前記仕切り壁(42)から前記駆動力伝達部材(46)側に突出し、
車両側面視で前記駆動力伝達部材(46)に沿うように設けられる前記仕切り壁(62)は、車両側面視で前記仕切り壁(62)と前記駆動力伝達部材(46)との距離が最も近くなる最短距離部(62g)を備え、
前記係合部材(72)は、車両側面視で、最短距離部(62g)に対しオフセットして配置されることを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両。 - 前記係合部材(71,72)は、車両正面視で、前記駆動力伝達部材(46)に対し車幅方向外側にオフセットして配置されることを特徴とする請求項5記載の鞍乗り型車両。
- 前記仕切り壁(62)は、車両側面視で、前記駆動力伝達部材(46)の外周(46c)に沿うように形成される第1壁部(62a)及び第2壁部(62b)を備え、
車両側面視で、前記外周(46c)と前記第2壁部(62b)との距離は、前記外周(46c)と前記第1壁部(62a)との距離よりも大きく、
前記係合部材(72)は、前記第2壁部(62b)に設けられることを特徴とする請求項5または6記載の鞍乗り型車両。 - 前記駆動力伝達部材(46)は、自重によって前記スプロケット(45)に対し下方に弛み、
前記係合部材(71,72)は、前記出力軸(43)に対し上方に配置される第1の係合部材(71)と、前記出力軸(43)に対し下方に配置される第2の係合部材(72)とを少なくとも備え、
前記第2の係合部材(72)は、上下方向において、前記出力軸(43)に対し第1の係合部材(71)よりも大きく離間して配置されることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の鞍乗り型車両。 - 前記スプロケットカバー(50)は、前記ハーネス(47)を車幅方向外側から覆うハーネス覆い部(60b)を備えることを特徴とする請求項2から8のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
- 前記出力軸(43)は、前記駆動源ケース(23)の側壁部(42a)から車幅方向外側に延出し、
前記駆動源ケース(23)は、前記側壁部(42a)の前方で前記スプロケット(45)よりも車幅方向外側に膨出するケース膨出部(41)を備え、
前記ハーネス(47)は、前記ケース膨出部(41)の後面と前記仕切り壁(62)との間に配索され、
前記ハーネス保持部(70)は、前記仕切り壁(62)の前面(62f)に設けられることを特徴とする請求項2から9のいずれかに記載の鞍乗り型車両。 - 前記スプロケットカバー(50)は、前記仕切り壁(62)に車幅方向外側から挿通される締結具(65)によって、前記駆動源ケース(23)に締結されることを特徴とする請求項2から10のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
- 前記スプロケットカバー(50)は、前記駆動源ケース(23)から遠くなる側に凹む凹部(62i)を備え、前記ハーネス保持部(70)は、前記凹部(62i)に設けられることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
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