JP2023083626A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノニオン性殺菌剤の容器吸着を防止して経時においても安定に配合し、かつ比較的低香味及び低発泡であり、刺激がなく使用感も良い口腔用組成物を提供する。【解決手段】(A)ノニオン性殺菌剤、(B)25℃で液体であるトリアシルグリセロール、植物油及び動物油から選ばれる1種又は2種以上、(C)ノニオン性界面活性剤、及び(D)香料成分を0.05~0.15質量%含有し、(D)/(C)が質量比として0.025~0.3であり、かつ(C)/(B)が質量比として0.25~20である口腔用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ノニオン性殺菌剤が経時でも安定に配合され、かつ低香味及び低発泡で使用感も良く、特に高齢者や要介護者の介助用として有効な口腔用組成物に関する。
口腔用組成物、例えば歯磨剤を用いた口腔ケアにおいて、要介護等の高齢者は、口腔機能の低下によって歯みがき後に口腔内のすすぎが不十分であったり、すすぎができないような場合、ウェットティッシュ等で口腔内に残っている製剤の泡を拭いて取り除くことが多く、泡を十分に除去することが難しく、後味や刺激が残り不快に感じられることもある。このため、軽いすすぎや簡単な拭き取り操作だけでも、歯みがき後の泡を口腔内から除去することができ、後味や刺激残りの心配も少ない、低発泡かつ低香味で使用感も良い口腔用組成物が求められる。また、その一方で、高齢者は、不十分な口腔ケアによって口腔環境が悪化し易いこともあり、口腔用組成物に薬効成分として殺菌効果に優れるイソプロピルメチルフェノール等のノニオン性殺菌剤を配合することも有効である。
しかしながら、口腔用組成物、特に歯磨剤では、イソプロピルメチルフェノール等のノニオン性殺菌剤が、歯磨剤の充填に一般的に使用されるチューブ容器等の最内層材質に吸着し易く、経時で安定に配合することが難しい。ノニオン性殺菌剤の容器吸着を抑えるには、ノニオン性界面活性剤を多く配合する方法があるが、ノニオン性界面活性剤の配合量が増えるほど泡立ち易く、増やしすぎると香味立ちが悪くなることもある。
したがって、従来の技術では、ノニオン性殺菌剤の容器吸着を防止して経時でも安定に配合しつつ、低香味及び低発泡で使用感も良い口腔用組成物を与えることはできなかった。
特許文献1(特開2015-231972号公報)には、オリザノール等の油溶性薬効成分、シア脂等のトリアシルグリセロール、ノニオン性界面活性剤、水、及び香料成分が0.2質量%以上配合され、油溶性薬効成分の容器吸着を防止しつつ良好な香味を与える歯磨剤組成物が提案されているが、これは低香味及び低発泡性を目的とするものではない。
また、特許文献2(特開2020-2041号公報)は、油溶性香料と、極性油の脂肪酸エステルや植物油を配合すると、油溶性香料の香り立ち及び香りの持続性が優れる口腔用組成物となることを提案し、特許文献3(特開2014-214107号公報)は、特定溶解度の糖アルコール、グリセリン又はソルビット、中鎖脂肪酸トリグリセライド及び水を配合すると、冷涼感に優れ、高温保存後も液分離等のない保存安定性を有する歯磨組成物が得られることを提案しているが、これらはノニオン性殺菌剤の安定配合や、低香味及び低発泡性を目的とした技術ではない。
特開2015-231972号公報 特開2020-2041号公報 特開2014-214107号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ノニオン性殺菌剤の容器吸着を防止して経時においても安定に配合し、かつ低香味及び低発泡で使用感も良い口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)ノニオン性殺菌剤と、(B)25℃で液体であるトリアシルグリセロール、植物油及び動物油から選ばれる1種又は2種以上と、(C)ノニオン性界面活性剤と、(D)香料成分を特定量で配合し、かつ(D)/(C)の質量比と(C)/(B)の質量比がそれぞれ特定範囲である口腔用組成物とすることで、(A)成分の容器吸着を防止して経時においても安定に配合し、かつ低香味及び低発泡であり、刺激もなく使用感も良好となることを知見し、本発明をなすに至った。
本発明では、(D)成分を比較的少ない特定量で配合し、かつ(B)及び(C)成分を併用し、(A)成分と組み合わせて配合することによって、(D)/(C)の質量比と(C)/(B)の質量比とがそれぞれ特定範囲内において、上記格別な作用効果を付与することができる。
歯磨剤等の口腔用組成物にノニオン性殺菌剤を配合し、香料成分の配合量を少なくすると、ノニオン性殺菌剤が容器に一層吸着し易くなるという課題が生じ、ノニオン性殺菌剤の容器吸着を抑えるためにノニオン性界面活性剤を配合し、その配合量を増やすと低発泡が実現できず、香味立ちも悪くなった。これに対して、本発明によれば、(A)、(B)、(C)及び(D)成分を組み合わせ、(D)成分の配合量が特定範囲内であることで、(D)成分が比較的少量で配合されていても、(B)、(C)及び(D)成分が相互作用することによって、(D)/(C)の質量比が特定範囲内で、(A)成分の容器吸着が顕著に防止され、(A)成分を経時でも安定に配合することができ、かつ(C)/(B)の質量比が特定範囲内で、(B)成分によって(C)成分の泡立ちが適度に抑えられ、比較的低発泡とすることができ、しかも、比較的低香味でも良好な香味立ちを確保することができた。
後述の比較例に示すように、(B)成分が配合されていない比較例1、(C)成分が配合されていない比較例3、4は、いずれも(A)成分の容器吸着防止効果が悪く、泡立ちのなさ又は香味立ちも劣っていた。また、(A)、(B)、(C)及び(D)成分が配合されていても、(D)成分の配合量が少なすぎる比較例5は、(A)成分の容器吸着防止効果が悪く、香味立ち及び泡立ちのなさが劣り、(D)/(C)の質量比が不適切である比較例7、8は、(A)成分の容器吸着防止効果及び香味立ちが悪く、(C)/(B)の質量比が不適切である比較例9、10は、香味立ちが悪く、比較例10は泡立ちのなさも劣っていた。これに対して、実施例に示すように、(A)、(B)、(C)及び(D)成分が配合され、(D)成分の配合量が特定範囲であり、(D)/(C)の質量比と(C)/(B)の質量比がそれぞれ特定範囲である口腔用組成物は、(A)成分の容器吸着防止効果に優れ、泡立ちのなさ、香味立ち及び刺激のなさも優れていた。
従って、本発明は、下記の口腔用組成物を提供する。
〔1〕
(A)ノニオン性殺菌剤、
(B)25℃で液体であるトリアシルグリセロール、植物油及び動物油から選ばれる1種又は2種以上、
(C)ノニオン性界面活性剤
及び
(D)香料成分を0.05~0.15質量%
含有し、(D)/(C)が質量比として0.025~0.3であり、かつ(C)/(B)が質量比として0.25~20であることを特徴とする口腔用組成物。
〔2〕
(A)ノニオン性殺菌剤が、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール及びトリクロサンから選ばれる1種又は2種以上であり、その含有量が0.02~1質量%である〔1〕記載の口腔用組成物。
〔3〕
(B)成分が、25℃で液体である脂肪酸炭素鎖長が6~20の脂肪酸トリグリセリド、大豆油、サフラワー油、オリーブ油、アボカド油及びトウモロコシ胚芽油から選ばれるものであり、その含有量が0.1~2質量%である〔1〕又は〔2〕記載の口腔用組成物。
〔4〕
(B)成分が、25℃で液体である脂肪酸炭素鎖長が6~10の脂肪酸トリグリセリドである〔3〕記載の口腔用組成物。
〔5〕
(C)ノニオン性界面活性剤が、ラウリン酸ヘキサデカグリセリル及びラウリン酸デカグリセリルから選ばれる1種又は2種であり、その含有量が0.5~2質量%である〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔6〕
(D)/(C)が質量比として0.05~0.3である〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔7〕
(C)/(B)が質量比として1~20である〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔8〕
歯磨剤組成物である〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔9〕
最内層がポリエチレン製の容器に充填されている容器入り歯磨剤組成物である〔8〕記載の口腔用組成物。
本発明によれば、ノニオン性殺菌剤の容器吸着を防止して経時においても安定に配合し、かつ比較的低香味及び低発泡であり、刺激がなく使用感も良い口腔用組成物を提供できる。本発明の口腔用組成物は、研磨剤無配合のジェル状歯磨剤として調製することができ、高齢者や要介護者の介助用として有効である。
以下、本発明につき更に詳述する。
本発明の口腔用組成物は、(A)ノニオン性殺菌剤、(B)25℃で液体であるトリアシルグリセロール、植物油及び動物油から選ばれる1種又は2種以上、(C)ノニオン性界面活性剤、及び(D)香料成分を含有する。
(A)ノニオン性殺菌剤は、口臭予防効果等の薬効を有する。
ノニオン性殺菌剤は、例えばイソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール、トリクロサン等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を使用できる。
(A)ノニオン性殺菌剤の配合量は、組成物全体の0.02~1%(質量%、以下同様)が好ましく、より好ましくは0.05~0.5%、更に好ましくは0.05~0.2%である。配合量が0.02%以上であると、口臭予防効果等の薬効が十分に発揮され、1%以下であると、(A)成分の容器吸着を十分に防止することができる。
(B)成分は、25℃で液体であり、前記液体のトリアシルグリセロール、植物油、動物油を使用できる。これらは、(A)成分の容器吸着を防止し、経時での残存率低下を抑制する作用を奏し、また、(C)成分による泡立ちを抑制する消泡作用を奏する。
なお、(B)成分に代えて、25℃で固体であるシア脂等の植物油や動物油を使用すると、香味立ちが悪くなって使用感が低下する。
25℃で液体であるトリアシルグリセロールは、脂肪酸炭素鎖長が6~20である中鎖の脂肪酸トリグリセリドが好ましく、より好ましくは脂肪酸炭素鎖長が6~10、特に8~10である脂肪酸トリグリセリドである。
25℃で液体である植物油は、大豆油、サフラワー油、オリーブ油、アボカド油、トウモロコシ胚芽油等の植物性油脂が挙げられる。
25℃で液体である動物油は、肝油、鮫油、乳脂等の動物性油脂が挙げられる。
これらの中でも、脂肪酸トリグリセリド、大豆油、サフラワー油、オリーブ油、アボカド油、トウモロコシ胚芽油が好ましく、より好ましくは脂肪酸トリグリセリドである。
これらは、1種単独でも2種以上を組み合わせてもよく、また、市販品を使用し得る。
(B)成分の配合量は、組成物全体の0.1~2%が好ましく、より好ましくは0.2~1%であり、更に好ましくは0.4~0.8%である。配合量が0.1%以上であると、(A)成分の容器吸着が十分に防止され、また、(C)成分による泡立ちが十分に抑えられる。2%以下であると、それ自体の油っぽさが抑えられ、香味立ちが十分に確保される。
(C)ノニオン性界面活性剤は、可溶化剤で発泡作用も有するが、本発明では、(A)成分の容器吸着を防止し、経時での残存率低下を防ぐ作用を奏し、また、香味立ちを確保する作用を奏する。
なお、25℃で液体であるトリアシルグリセロールは、ノニオン性界面活性剤として用いられることもあるが、本発明では、(C)成分として、(B)成分以外のノニオン性界面活性剤を使用することができる。
(C)ノニオン性界面活性剤としては、例えばミリスチン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル、ラウリン酸ヘキサデカグリセリル、ラウリン酸デカグリセリル、オレイン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3~30モル、特に5~20モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキル基の炭素数が12~18で、エチレンオキサイドの平均付加モル数が2~40モル、特に5~20モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が2~40モル、特に5~20モルのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。これらの中でも、(A)成分の容器吸着防止の点、更には泡立ち抑制の点で、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好ましく、より好ましくは、ポリグリセリン脂肪酸エステルであり、更に好ましくはラウリン酸ヘキサデカグリセリル、ラウリン酸デカグリセリルである。
(C)ノニオン性界面活性剤の配合量は、組成物全体の0.5~2%が好ましく、より好ましくは0.5~1.5%、更に好ましくは1~1.5%である。配合量が0.5%以上であると、(A)成分の容器吸着が十分に防止され、また、香味立ちが十分に確保される。2%以下であると、泡立ちを十分に抑制することができ、香味立ちを十分に維持することもできる。配合量が上記範囲内であることが、特に香味立ちの確保には好適である。
なお、本発明の口腔用組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、(C)成分以外の界面活性剤を配合することができる。
任意の界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸塩等のアルキル硫酸塩、アシルサルコシン酸塩、アシルタウリン塩、アシルアミノ酸塩が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム型、アルキルベンジルアンモニウム塩等、両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
任意の界面活性剤の配合量は、組成物全体の0~0.1%、特に0.001~0.01%が好ましい。
なお、アニオン性界面活性剤、特にラウリル硫酸塩(ラウリル硫酸ナトリウム)等のアルキル硫酸塩は、本発明の作用効果発現の点で、配合しない(配合量0%)ほうが好ましく、配合する場合は組成物全体の0.1%以下、特に0.01%以下がよい。
(D)香料成分は、特定量範囲で配合することで、十分な香味を与えると共に、(B)及び(C)成分と組み合わせることで、(A)成分の容器吸着の防止に寄与し、また、(B)成分による(C)成分の泡立ち抑制にも寄与する。
(D)香料成分としては、例えばペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料や、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3-l-メントキシプロパン-1,2-ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N-置換-パラメンタン-3-カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料が挙げられる。口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を組み合わせて使用することができ、実施例記載の香料に限定されない。
(D)香料成分の配合量は、組成物全体の0.05~0.15%であり、好ましくは0.08~0.15%、より好ましくは0.1~0.15%である。配合量が上記範囲内であると、(A)成分の容器吸着防止効果が優れ、かつ香味立ち、泡立ちのなさ及び刺激のなさが良好である。配合量が0.05%未満であると、香味立ちが悪くなると共に、(A)成分の容器吸着が防止されず、経時での残存率が低下し、また、(C)成分の泡立ちが抑えられなくなる。0.15%を超えると、刺激感が強くなり、使用感が悪くなる。
なお、本発明では、(D)香料成分が上記範囲で配合され、配合量が比較的少なくても、香味立ちが良く使用感が良好である。
本発明の口腔用組成物は、特に(A)成分の容器吸着防止、香味立ち及び泡立ち抑制の点で、(D)成分の含有量と(C)成分との含有量との割合を示す(D)/(C)が、質量比として0.025~0.3であり、好ましくは0.05~0.3、更に好ましくは0.05~0.2である。(D)/(C)の質量比が0.025未満であると、(A)成分の容器吸着が防止されず、また、香味立ちが悪く、泡立ちが抑制されなくなる。0.3を超えると、(A)成分の容器吸着が防止されず、また、香味立ちが悪く、刺激が強くなり、使用感が低下する。
また、特に香味立ち及び泡立ち抑制の点で、(C)成分の含有量と(B)成分との含有量との割合を示す(C)/(B)が、質量比として0.25~20であり、好ましくは1~20、より好ましくは1.5~5である。(C)/(B)の質量比が0.25未満であると、油っぽくなって使用感が悪化し、香味立ちが悪くなる。20を超えると、泡立ちが抑えられず、香味立ちが悪くなる。
本発明の口腔用組成物は、特に歯磨剤組成物として好適であり、ジェル状歯磨等の歯磨剤として調製することが好ましい。また、上記成分に加えて、その他の公知成分を剤型に応じて使用し、本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて配合できる。例えば、研磨剤、粘稠剤、粘結剤、更に必要により甘味剤、着色剤、防腐剤、pH調整剤、有効成分等を配合できる。なお、以下に示す配合量は組成物全体に対する量である。
研磨剤は、無水ケイ酸、沈降性シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、第2リン酸カルシウム・2水和物又は無水和物等のリン酸カルシウム系化合物、炭酸カルシウム、合成樹脂系研磨剤が挙げられる。
研磨剤を配合する場合、その配合量は10%以下、特に5%以下が好ましく、0.5~5%とすることができる。なお、研磨剤は、特に本発明の効果発現、特に刺激抑制の点で、配合しないほうが好ましく、無配合(配合量0%)であることが最も好ましい。
粘稠剤は、ソルビット、キシリット等の糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。粘稠剤の配合量は、通常、5~50%、特に20~40%である。
粘結剤は、有機又は無機粘結剤を配合できる。具体的に、有機粘結剤としては、キサンタンガム等のガム類、ポリアクリル酸ナトリウムや、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体が挙げられる。無機粘結剤としては、増粘性シリカ、増粘性アルミニウムシリカ等が挙げられる。粘結剤は、有機粘結剤が好ましく、その配合量は、0.1~10%、特に0.1~5%がよい。
甘味剤は、サッカリンナトリウム等が挙げられる。
着色剤は、青色1号、黄色4号、二酸化チタン等が挙げられる。
防腐剤は、メチルパラベン(パラオキシ安息香酸メチル)等のパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸又はその塩等が挙げられる。
pH調整剤を添加してもよく、例えばクエン酸やその塩等が挙げられる。
任意の有効成分は、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等のカチオン性殺菌剤、トラネキサム酸、アラントイン等の抗炎症剤、デキストラナーゼ等の酵素、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ素含有化合物、水溶性リン酸化合物、塩化ナトリウム、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム等の無機塩類、アスコルビン酸、酢酸トコフェロール等のビタミン類、植物抽出物、歯石防止剤、歯垢防止剤が挙げられる。有効成分は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量配合できる。
本発明の口腔用組成物は、本発明の効果発現の点で、水分量が好ましくは20~65%であり、より好ましくは40~60%である。水分量が特定値以上であることが香味立ちの点で好ましく、水分量が上記範囲内であると、特に香味立ちがより優れる。
本発明の口腔用組成物は、公知の容器に収容して使用することができ、例えば、歯磨剤組成物の場合は、一般的に用いられるチューブ等の容器に充填し、容器入り歯磨剤組成物に調製し、歯磨剤製品として使用できる。充填方法は特に限定されず、通常の方法を選択することができる。
この場合、チューブ容器の材質は特に制限されず、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、アルミニウム等の単層又は多層の容器等が挙げられ、容器最内層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。具体的には、容器最内層がポリエチレンであり、アルミニウム層を備えるアルミラミネートチューブ容器を使用することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[実施例、比較例]
表1~3に示す組成の歯磨剤組成物(ジェル状歯磨)を常法によって調製し、これらをサンプルとして使用し、下記方法で評価した。結果を表に併記した。
なお、歯磨剤組成物を充填したアルミラミネートチューブ容器は、最内層がポリエチレン製である。
<使用感の評価方法>
製造直後品のサンプルについて、被験者の専門パネラー5人による使用感評価を行った。歯ブラシ(クリニカアドバンテージハブラシ、4列コンパクトふつうタイプ、ライオン(株)製)にサンプル1gを載せ、3分間歯みがきを行い、使用中の泡立ちのなさ、香味立ち、刺激のなさについて、下記の評点基準で判定した。5人の平均点を求め、下記の評価基準で評価した。
なお、香味立ち、刺激のなさについては、専門の調香師が評価を行った。特に刺激のなさについては、高齢者・要介護者用として適切であるかを判定した。
(1)泡立ちのなさ
評点基準
5点:泡立ちをほとんど感じない
4点:泡立ちをわずかに感じる
3点:泡立ちをやや感じる
2点:泡立ちをかなり感じる
1点:.泡立ちを非常に感じる
評価基準(○以上を合格とした)
☆:5人の平均点が4.5点以上
◎:5人の平均点が4点以上4.5点未満
○:5人の平均点が3点以上4点未満
×:5人の平均点が3点未満
(2)香味立ち
評点基準
5点:香味立ちが非常に早い
4点:香味立ちがかなり早い
3点:香味立ちがやや早い
2点:香味立ちがかなり遅い
1点:香味立ちが非常に遅い
評価基準(○以上を合格とした)
☆:5人の平均点が4.5点以上
◎:5人の平均点が4点以上4.5点未満
○:5人の平均点が3点以上4点未満
×:5人の平均点が3点未満
(3)刺激のなさ
評点基準
5点:刺激を全く感じない(高齢者用・要介護者用として非常に適切である)
4点:刺激をほとんど感じない(高齢者用・要介護者用として適切である)
3点:刺激をやや感じる(高齢者用・要介護者用として許容できる)
2点:刺激をかなり感じる(高齢者用・要介護者用として許容できない)
1点:刺激を非常に感じる(高齢者用・要介護者用として明らかに適切ではない)
評価基準(○以上を合格とした)
☆:5人の平均点が4.5点以上
◎:5人の平均点が4点以上4.5点未満
○:5人の平均点が3点以上4点未満
×:5人の平均点が3点未満
<(A)成分の容器吸着防止効果の評価方法>
サンプルの歯磨剤組成物90gをアルミラミネートチューブ容器に充填し、60℃で1ヶ月間保存した後、歯磨剤組成物10gを押し出し、(A)ノニオン性殺菌剤の残存量を高速液体クロマトグラフィー((株)島津製作所製)を用いて下記条件にて測定した。(A)成分の残存率(%)を下記式で求め、(A)成分の容器吸着防止効果を下記の評価基準で評価した。
(A)成分の残存率(%)=
{(60℃保存後の残存量)/(-5℃保存後の残存量)}×100
評価基準
☆:残存率95%以上
◎:残存率93%以上95%未満
○:残存率90%以上93%未満
×:残存率90%未満
イソプロピルメチルフェノールの測定条件:
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:285nm)
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に3μmの液体クロマトグラフィー用フェニルヘキシルシリル化シリカゲルを充填した。
カラム温度:35℃
移動相:水/アセトニトリル/酢酸(100)混液(61:39:1)
流量:イソプロピルメチルフェノールの保持時間が約10.5分になるように調整した。
ヒノキチオールの測定条件:
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:228nm)カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填した。
カラム温度:40℃
移動相:1mmol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物を含む20mmol/Lリン酸二水素カリウム溶液/アセトニトリル混液(57:43)
流量:ヒノキチオールの保持時間が約5.5分になるように調整した。
トリクロサンの測定条件:
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:280nm)
カラム:内径約4mm、長さ約15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填した。
カラム温度:40℃
移動相:メタノール・水・リン酸混液(700:300:1)
流量:トリクロサンの保持時間が約15分前後になるように調整した。
使用原料の詳細を下記に示す。
(A)イソプロピルメチルフェノール;
大阪化成(株)製、商品名;イソプロピルメチルフェノール
(A)ヒノキチオール;
(株)高砂ケミカル製、商品名;ヒノキチオール(製造専用)
(A)トリクロサン;
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名;IRGACARE MP
(B)中鎖脂肪酸トリグリセリド;
(脂肪酸炭素鎖長が8及び10の混合物、脂肪酸炭素鎖の構成比率として
C8:70%、C10:30%、25℃で液体である)
不二製油(株)製、商品名;MCT-73
(B)オリーブ油;
日光ケミカルズ(株)製、商品名;NIKKOL オリーブ油
(B)トウモロコシ胚芽油;
日光ケミカルズ(株)製、商品名;NIKKOL トウモロコシ胚芽油
シア脂(比較品);
クローダジャパン(株)製、商品名;クロピュアシアバター
(C)ラウリン酸デカグリセリル;
阪本薬品工業(株)製、商品名:SYグリスター
(C)ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油;
エチレンオキサイドの平均付加モル数20モル、日本サーファクタント工業(株)
製、商品名:NIKKOL HCO-20
(C)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;
エチレンオキサイドの平均付加モル数20モル、日光ケミカルズ(株)製、
商品名;NIKKOL TO-10V
ラウリル硫酸ナトリウム(比較品);
BASFジャパン(株)製、商品名;Texapon OC-P
(D)香料;
高砂香料工業(株)製
Figure 2023083626000001
Figure 2023083626000002
Figure 2023083626000003

Claims (9)

  1. (A)ノニオン性殺菌剤、
    (B)25℃で液体であるトリアシルグリセロール、植物油及び動物油から選ばれる1種又は2種以上、
    (C)ノニオン性界面活性剤
    及び
    (D)香料成分を0.05~0.15質量%
    含有し、(D)/(C)が質量比として0.025~0.3であり、かつ(C)/(B)が質量比として0.25~20であることを特徴とする口腔用組成物。
  2. (A)ノニオン性殺菌剤が、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール及びトリクロサンから選ばれる1種又は2種以上であり、その含有量が0.02~1質量%である請求項1記載の口腔用組成物。
  3. (B)成分が、25℃で液体である脂肪酸炭素鎖長が6~20の脂肪酸トリグリセリド、大豆油、サフラワー油、オリーブ油、アボカド油及びトウモロコシ胚芽油から選ばれるものであり、その含有量が0.1~2質量%である請求項1又は2記載の口腔用組成物。
  4. (B)成分が、25℃で液体である脂肪酸炭素鎖長が6~10の脂肪酸トリグリセリドである請求項3記載の口腔用組成物。
  5. (C)ノニオン性界面活性剤が、ラウリン酸ヘキサデカグリセリル及びラウリン酸デカグリセリルから選ばれる1種又は2種であり、その含有量が0.5~2質量%である請求項1~4のいずれか1項記載の口腔用組成物。
  6. (D)/(C)が質量比として0.05~0.3である請求項1~5のいずれか1項記載の口腔用組成物。
  7. (C)/(B)が質量比として1~20である請求項1~6のいずれか1項記載の口腔用組成物。
  8. 歯磨剤組成物である請求項1~7のいずれか1項記載の口腔用組成物。
  9. 最内層がポリエチレン製の容器に充填されている容器入り歯磨剤組成物である請求項8記載の口腔用組成物。
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