JP2023082936A - コネクタ - Google Patents

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Shingo Kobayashi
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Abstract

【課題】コネクタと相手コネクタとの位置ずれを吸収して接続可能とする。【解決手段】コネクタは、帯状の導電部材と、前記導電部材を収容するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに設けられている規制部材と、を備え、前記導電部材は、相手端子と電気的および機械的に接続可能な第一端部と、前記導電部材の長手方向について前記第一端部と反対側に位置する第二端部と、前記第一端部と前記第二端部との間に設けられ前記第一端部と前記第二端部とを近づける方向に弾性変形可能であるダンパー部と、を有し、前記コネクタハウジングは、前記相手端子を前記第一端部に接続するため、前記導電部材の長手方向に沿った第一方向に前記相手端子を挿入可能とする開口部が設けられている壁を有し、前記ダンパー部が弾性変形した際の前記第一端部の変位を制限するため、前記規制部材は、前記第一端部の前記第一方向の隣の領域に設けられている。【選択図】 図4

Description

本開示は、コネクタに関する。
モータおよびインバータなどの電気機器同士を接続するため、従来、ワイヤハーネスが用いられる。部品点数の削減および省スペース化のために、電気機器同士を直接接続する構造が提案されている(例えば、特許文献1)。その構造のために、一方の電気機器は第一コネクタを有し、他方の電気機器は第一コネクタに接続可能である第二コネクタを有する。
特開2010-225488号公報
特許文献1に開示のコネクタは、端子金具と、コネクタハウジングと、コネクタハウジング内に取り付けられる支持部材とを備える。端子金具は、相手コネクタの相手端子と接続可能な第一端部(電気接触部)と、その反対側の第二端部(機器接続部)と、第一端子と第二端子とを繋ぐ編組線とを有する。支持部材は、第一端部(電気接触部)をコネクタハウジング内で変位自在に支持する。
コネクタの第一端部が、相手コネクタの相手端子との関係で位置ずれしていても、第一端部が変位するとともに編組線が撓むことで、その位置ずれが吸収され、電気機器同士が電気的に接続される。
前記コネクタの場合、編組線を第一端部および第二端部に接合する必要があり、コスト低減に貢献し難い。
相手端子を、コネクタの第一端部に接続する作業において、相手端子が第一端子を押すと、編組線が撓むとともに第一端子が逃げる(後退する)可能性があり、接続作業が行い難い場合がある。
そこで、本開示では、コネクタと相手コネクタとの間で位置ずれしていても、その位置ずれを吸収して電気的な接続を可能とし、しかも、その接続が行われ易くすることを目的する。
本開示の一態様に係るコネクタは、相手端子を備える相手コネクタと電気的に接続可能なコネクタであって、帯状の導電部材と、前記導電部材を収容するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに設けられている規制部材と、を備え、前記導電部材は、前記相手端子と電気的および機械的に接続可能な第一端部と、前記導電部材の長手方向について前記第一端部と反対側に位置する第二端部と、前記第一端部と前記第二端部との間に設けられ前記第一端部と前記第二端部とを近づける方向に弾性変形可能であるダンパー部と、を有し、前記コネクタハウジングは、前記相手端子を前記第一端部に接続するため、前記導電部材の長手方向に沿った第一方向に前記相手端子を挿入可能とする開口部が設けられている壁を有し、前記ダンパー部が弾性変形した際の前記第一端部の変位を制限するため、前記規制部材は、前記第一端部の前記第一方向の隣の領域に設けられている。
本開示によれば、コネクタと相手コネクタとの間で位置ずれしていても、その位置ずれを吸収して電気的な接続を可能とし、しかも、その接続が行われ易くすることが可能となる。
図1は、本実施形態に係るコネクタ及び相手コネクタの斜視図である。 図2は、本実施形態に係るコネクタ及び相手コネクタの斜視図である。 図3は、コネクタ及び相手コネクタの分解斜視図である。 図4は、コネクタの一部を断面で示す斜視図である。 図5は、分解状態にある導電部材、クリップばね、及びクリップストッパの斜視図である。 図6は、コネクタの断面図である。 図7は、導電部材と相手端子との接続状態を示す断面図である。 図8は、規制部材が外れた状態にあるコネクタを示す斜視図である。 図9は、導電部材及びクリップストッパの斜視図である。 図10は、クリップばね及びクリップストッパの説明図である。 図11は、クリップばねをクリップストッパから外した状態を示す説明図である。 図12は、ククリップストッパの変形例を示す説明図である。 図13は、規制部材に関する変形例を示す斜視図である。 図14は、規制部材に関する変形例を示す斜視図である。 図15は、コネクタの第一の変形例を示す断面図である。 図16は、コネクタの第二の変形例を示す断面図である。
<本開示の実施形態の概要>
以下、本開示の実施形態の概要を列記して説明する。
(1)本実施形態のコネクタは、相手端子を備える相手コネクタと電気的に接続可能なコネクタであって、帯状の導電部材と、前記導電部材を収容するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに設けられている規制部材と、を備え、前記導電部材は、前記相手端子と電気的および機械的に接続可能な第一端部と、前記導電部材の長手方向について前記第一端部と反対側に位置する第二端部と、前記第一端部と前記第二端部との間に設けられ前記第一端部と前記第二端部とを近づける方向に弾性変形可能であるダンパー部と、を有し、前記コネクタハウジングは、前記相手端子を前記第一端部に接続するため、前記導電部材の長手方向に沿った第一方向に前記相手端子を挿入可能とする開口部が設けられている壁を有し、前記ダンパー部が弾性変形した際の前記第一端部の変位を制限するため、前記規制部材は、前記第一端部の前記第一方向の隣の領域に設けられている。
本実施形態のコネクタによれば、導電部材の第一端部に、ハウジングの開口部から挿入される相手端子を接続する際、第一端部と相手端子との間で位置ずれしていても、導電部材が弾性変形することで、その位置ずれを吸収することが可能である。しかも、第一端部の隣の領域に設けられている規制部材によって、第一端部の変位が制限されることで、第一端部と相手端子との機械的な接続のための力により生じるダンパー部の弾性変形量が制限される。その結果、第一端部と相手端子との接続が行われ易くなる。
(2)好ましくは、前記ダンパー部は、前記第一端部に連なるとともに前記第一方向と交差する方向に延びる第一部分と、前記第二端部に連なるとともに前記第一方向と交差する方向に延びる第二部分と、前記第一部分と前記第二部分とを連結する連結部と、を有する。この構成により、第一端部と第二端部とを近づける方向に弾性変形が可能となるダンパー部が簡単に得られる。
(3)好ましくは、前記(2)のコネクタにおいて、前記規制部材は、前記第一部分と対向する第一接触面を有し、前記相手端子を前記開口部から挿入して前記第一端部と接続する際に、前記第一端部が押されることで前記ダンパー部が弾性変形すると、前記第一端部と前記第一部分との少なくとも一方が前記第一接触面に接触する。この場合、第一端部とダンパー部の第一部分との少なくとも一方が、規制部材の第一接触面に接触することで、ダンパー部が弾性変形した際の第一端部の変位を制限する構成が得られる。
(4)好ましくは、前記(2)のコネクタは、前記導電部材とは別部材であって前記第一端部と前記相手端子とを挟持可能であるクリップばねと、前記導電部材に取り付けられるとともに前記クリップばねが前記第一端部に対して前記第一方向に変位することを制限するクリップストッパと、を、さらに備え、前記規制部材は、前記クリップストッパと前記第一部分との少なくとも一方と対向する第一接触面を有し、前記相手端子を前記開口部から挿入して前記第一端部と接続する際に、前記第一端部が押されることで前記ダンパー部が弾性変形すると、前記クリップストッパと前記第一部分との少なくとも一方が前記第一接触面に接触する。この場合、クリップストッパとダンパー部の第一部分との少なくとも一方が、規制部材の第一接触面に接触することで、ダンパー部が弾性変形した際の第一端部の変位を制限する構成が得られる。
(5)好ましくは、前記(2)のコネクタは、前記第一端部と一体であるとともに前記相手端子と機械的に接続可能である端子部を、さらに備え、前記規制部材は、前記端子部と前記第一部分との少なくとも一方と対向する第一接触面を有し、前記相手端子を前記開口部から挿入して前記第一端部と接続する際に、前記第一端部が押されることで前記ダンパー部が弾性変形すると、前記第一端部と前記第一部分と前記端子部との少なくとも一つが前記第一接触面に接触する。この場合、第一端部と端子部とダンパー部の第一部分との少なくとも一つが、規制部材の第一接触面に接触することで、ダンパー部が弾性変形した際の第一端部の変位を制限する構成が得られる。
(6)好ましくは、前記(4)のコネクタにおいて、前記第一接触面は、平面に沿った第一面部を有し、前記クリップストッパは、前記第一接触面と対向するとともに平面に沿った第二面部を含む第二接触面を有し、前記第一端部と前記相手端子とを前記クリップばねによって挟持させて接続するために、前記相手端子が前記第一端部を押すことで前記ダンパー部が弾性変形すると、前記第二接触面の前記第二面部と前記第一部分との少なくとも一方が前記第一接触面の前記第一面部に接触する。この場合、規制部材は、クリップストッパとダンパー部の第一部分との少なくとも一方を、安定して支持することが可能となる。その結果、第一端部と相手端子との接続容易性が向上する。
(7)好ましくは、前記(3)から前記(5)のいずれか一つのコネクタにおいて、前記第一接触面は、平面に沿った第一面部を有し、前記第一接触面のうち前記第一面部の一部で、接触相手が接触する。この場合、規制部材に対して、接触相手が例えば第一方向から接近して接触する場合に、規制部材は接触相手を安定して支持することが可能となる。その結果、第一端部と相手端子との接続容易性が向上する。
(8)または、前記(3)から前記(5)のいずれか一つのコネクタにおいて、前記第一接触面は、曲面に沿った第一面部を有し、前記第一接触面のうち前記第一面部の一部で、接触相手と接触する。この場合、規制部材に対して、接触相手が傾いた姿勢となって接近して接触しても、規制部材は接触相手を安定して支持することが可能となる。その結果、第一端部と相手端子との接続容易性が向上する。
(9)好ましくは、前記規制部材は、前記第一部分と前記第二部分との間に形成される領域であって、前記第一部分、前記第二部分および前記連結部それぞれとの間に隙間を有して設けられている。この構成により、第一端部と相手端子との間の位置ずれを吸収するダンパー部の機能が損なわれず、かつ、第一端部と相手端子との機械的な接続の際、ダンパー部の弾性変形量を制限することが可能となる。
(10)好ましくは、前記規制部材は、非導電性を有する。この場合、第一端部と第二端部とが規制部材を介して短絡しない。規制部材に通電がされないので、規制部材に接触する接触相手に絶縁加工を施さなくてもよい。
(11)好ましくは、前記規制部材は、前記コネクタハウジングと別部材であり、前記コネクタハウジングに、前記規制部材を所定方向に挿し入れ可能であって前記所定方向に交差する前記第一方向に前記規制部材を移動不能として取り付ける溝が設けられている。この場合、規制部材をコネクタハウジングに取り付ける作業が容易であり、取り付けられると規制部材としての機能が発揮される。
(12)好ましくは、前記第一端部、前記ダンパー部、および前記第二端部は、単一の弾性を有する帯片により構成されている。この場合、弾性板片を例えば折り曲げることによって、第一端部、ダンパー部および第二端部が得られ、コスト低減に貢献する。
<本開示の実施形態の詳細>
以下、図面を参照して、本開示の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔コネクタ10及び相手コネクタ90について〕
図1及び図2は、本実施形態に係るコネクタ10及び相手コネクタ90の斜視図である。図1は、コネクタ10と相手コネクタ90とが接続された状態を示す。図2は、コネクタ10と相手コネクタ90とが接続されていない状態を示す。コネクタ10は第一電気機器5が有する第一のコネクタであり、相手コネクタ90は第一電気機器5とは別である第二電気機器6が有する第二のコネクタである。本実施形態の第一電気機器5及び第二電気機器6は、自動車の車載機器である。
第一電気機器5と第二電気機器6とは直接接続される。つまり、コネクタ10は、相手コネクタ90とワイヤハーネスを介することなく直接接続される。図1及び図2では、第一電気機器5及び第二電気機器6は二点鎖線で示されている。図3は、コネクタ10及び相手コネクタ90の分解斜視図である。図4は、コネクタ10の一部を断面で示す斜視図である。
コネクタ10は、2本の帯状である導電部材11,11と、導電部材11,11を収容する1つのコネクタハウジング12とを備える。各導電部材11は、曲がり部を有する1つの帯状部材により構成されている。
相手コネクタ90は、2本の帯状である相手端子91,91と、相手端子91,91を収容する1つの相手ハウジング93とを備える。1本の導電部材11と1本の相手端子91とが電気的に接続される。
導電部材11は、曲がり部を有するが、帯状であり、一方向に長く延びる部分として、第一端部21及び第二端部22を有する(図3参照)。前記一方向が、導電部材11の長手方向であり、その長手方向に沿う方向を「第一方向」と定義する。相手端子91は、第一方向に沿った直線形状を有する。2本の導電部材11,11は、第一方向に直交する方向に並んで設けられる。2本の導電部材11,11が並ぶ方向を「幅方向」と定義する。後に説明するが(図7参照)、導電部材11が有する第一端部21と、相手端子91が有する相手端部92とが重なった状態となって、導電部材11と相手端子91とが電気的に接続される。第一端部21に相手端子91(相手端部92)が重なる方向を「重なり方向」と定義する。重なり方向は、前記第一方向と前記幅方向との双方に直交する方向と一致する。
各図にXYZ直交座標を示す。X方向は前記幅方向(幅方向一方から他方に向かう方向)であり、Y方向は前記第一方向(相手端子91側から導電部材11側に向かう方向)であり、Z方向は前記重なり方向(第一端部21から相手端部92に向かう方向)である。
〔コネクタ10について〕
図3において、コネクタ10は、導電部材11及びコネクタハウジング12の他に、規制部材13、クリップばね14、及びクリップストッパ15を備える。1本の導電部材11、1つのクリップばね14、および、1つのクリップストッパ15により、1つの構造体16が構成される。コネクタハウジング12の幅方向の中心Cを基準として面対象の配置となって、一対の構造体16,16が、コネクタハウジング12の幅方向の両側に配置されている。幅方向一方側の第一構造体16と、幅方向他方側の第二構造体16とは、前記のとおり中心Cを含むY-Z方向に広がる仮想面を基準として面対象となる構成を有するが、各構成要素の構造及び機能は同じである。
〔導電部材11〕
図5は、分解状態にある導電部材11、クリップばね14、及びクリップストッパ15の斜視図である。図5では、規制部材13が二点鎖線で示されている。導電部材11は、帯状である導電性金属板材によって構成されており、バスバとも呼ばれる。導電部材11は、例えば銅合金製である。導電部材11は、その厚さ方向の弾性的な撓み変形が許容される帯片からなる弾性材である。図6は、コネクタ10の断面図である。図6は、導電部材11と相手端子91とが接続されていない状態(非接続状態)を示す。図7は、導電部材11と相手端子91とが接続されている状態(接続状態)を示す断面図である。
導電部材11は、第一端部21と、第二端部22と、ダンパー部23とを有する。第一端部21、ダンパー部23、および第二端部22は、単一の弾性を有する帯片を折り曲げることによりにより構成されている。第一端部21は、相手端子91の相手端部92と電気的および機械的に接続可能となる部分である。第二端部22は、導電部材11の長手方向について第一端部21と反対側に位置する部分である。第二端部22は、図外の機器側端子などと接続される。
ダンパー部23は、第一端部21と第二端部22との間に設けられている部分である。ダンパー部23は、第一端部21と第二端部22とを近づける方向および遠ざける方向に弾性変形可能である。ダンパー部23のみが弾性変形するのではなく、第一端部21においても、その厚さ方向(Z方向)の成分を有して弾性変形可能であり、第二端部22においても、その厚さ方向(Z方向)の成分を有して弾性変形可能である。このため、第一端部21と第二端部22とがZ方向の成分を有して相対的に変位することも可能である。例えば、第一端部21と第二端部22との一方または双方がY方向に対して傾斜することも可能である。
ダンパー部23は、第一部分24と第二部分25と連結部26とを有する。第一部分24は、第一端部21に連なるとともに、Y方向と交差(図例では直交)する方向に延びる部分である。第二部分25は、第二端部22に連なるとともに、Y方向と交差(図例では直交)する方向に延びる部分である。連結部26は、第一部分24と第二部分25とを連結する部分である。
第一部分24と第二部分25とは対向して配置されている。第一部分24と第二部分25との間に、板状である規制部材13が設けられている。非接続状態では、導電部材11に外力が作用せず弾性変形していない初期状態、つまり、導電部材11の自由状態である。初期状態では、規制部材13とダンパー部23とは非接触の状態にある。
第一部分24及び第二部分25それぞれは、Z方向に直線状に延びる平板形状を有する。連結部26は、第一部分24と第二部分25とをY方向に連結する平板形状を有する。このため、ダンパー部23は、4箇所の屈曲部27を有する(図6参照)。導電部材11は各部において弾性変形可能であることから、4箇所の屈曲部27それぞれの角度が変化可能である。図示する導電部材11は、屈曲部27において、角を成して折れ曲がる形態であるが、湾曲を成して曲がる形態であってもよい。
第一端部21は、Y方向に延びる直線形状を有する。第一端部21は(図5参照)、板状である第一本体部21bと、クリップストッパ15を固定するための第一固定部21cとを有する。第一本体部21bは、その途中にZ方向に隆起する隆起部21aを有する。第一固定部21cは、第一爪部28と第二爪部29とを有する。第一爪部28は、第一本体部21bの幅方向の両側部それぞれから、Z方向の反対向き(図5では下方)に折り曲げられている。第二爪部29は、第一爪部28とY方向に離れて設けられており、第一本体部21bの幅方向の両側部から、さらに幅方向外側に向かって突出している。この第一固定部21cに、後述するクリップストッパ15の係止部41が係止する。これにより、クリップストッパ15が導電部材11(第一端部21)にXYZ方向に変位不能となって取り付けられる。
図5において、第二端部22は、Y方向に延びる形状を有する。第二端部22は、板状である第二本体部22bと、コネクタハウジング12に固定される第二固定部22cとを有する。第二固定部22cは、第二本体部22bの幅方向の両側部から、さらに幅方向外側に突出する第三爪部30を有する。第三爪部30が、後述するハウジング本体51(図4参照)に形成されている第二取り付け溝58に係合する。
〔コネクタハウジング12〕
コネクタハウジング12は樹脂製である。図3に示すように、コネクタハウジング12は、ハウジング本体51とカバー52とを有する。ハウジング本体51は、底を有する矩形筒形状である。カバー52は、ハウジング本体51に脱着可能である。カバー52とハウジング本体51との間に形成される空間が、導電部材11、規制部材13、クリップばね14、及びクリップストッパ15を収容する空間となる。なお、導電部材11の第二端部22は、コネクタハウジング12からY方向に突出した状態となる(図4参照)。
ハウジング本体51は、ダンパー部23及び規制部材13を収容する第一空間K1と、第一端部21、クリップばね14、及びクリップストッパ15を収容する第二空間K2とを有する。ハウジング本体51は、幅方向の中央に区画壁53を有する。区画壁53は、第一空間K1及び第二空間K2それぞれを、幅方向について一方側と他方側とに区画する。区画壁53は、コネクタハウジング12の幅方向の中心Cを含むY-Z方向の仮想面に沿って設けられている。区画壁53の幅方向の一方側に第一構造体16が設けられ、区画壁53の幅方向の他方側に第二構造体16が設けられる。
コネクタハウジング12(ハウジング本体51)は、Y方向に直交する壁54を有する(図2参照)。壁54に、第一構造体16用と第二構造体16用との一対の開口部55,55が設けられている。各開口部55は、壁54をY方向に貫通する穴により構成されている。各開口部55は、相手端子91の相手端部92を第一端部21に接続するため、Y方向に相手端部92を挿入可能とする。
図8は、規制部材13が外れた状態にあるコネクタ10を示す斜視図である。ハウジング本体51は、幅方向の両側に側壁57,57を有する。コネクタハウジング12のうち、第一空間K1に相当する部分に、規制部材13を取り付けるための溝56が設けられている。以下、この溝56を「第一取り付け溝56」と称する。第一取り付け溝56は、Z方向を溝長手方向として区画壁53の両面、及び、両側の側壁57,57にそれぞれ形成されている。
規制部材13は板状の部材である。規制部材13の幅方向の側部13aが第一取り付け溝56に嵌って取り付けられることで、規制部材13はY方向に移動不能となる。カバー52が外れた状態にあるハウジング本体51に対して、規制部材13を第一取り付け溝56に沿って挿し入れることで、規制部材13をハウジング本体51に装着することが可能である。このように、第一取り付け溝56は、規制部材13を所定方向に挿し入れ可能であって、その所定方向に交差する第一方向(Y方向)に規制部材13を移動不能として取り付けることができる。
コネクタハウジング12に、Z方向を溝長手方向とする第二取り付け溝58が形成されている。第二取り付け溝58に導電部材11が有する第二端部22の第三爪部30が嵌る。これにより、第二端部22は、コネクタハウジング12に対して、X方向、並びに、Y方向及びその反対方向に変位不能となる。第三爪部30は、ハウジング本体51の一部(第二取り付け溝58の奥面)と、カバー52の一部52a(図6参照)とによって、Z方向に挟まれた状態となる。これにより、第二端部22は、コネクタハウジング12に対して、Z方向に変位不能となる。コネクタハウジング12のY方向の一部である第二取り付け溝58において、導電部材11は、コネクタハウジング12に支持され拘束されているが、その他の部分では、XYZ方向について、弾性変形自在であって、変位自在の状態にある。
〔クリップばね14〕
図5に示すように、クリップばね14は、導電部材11と別部材である。クリップばね14は、導電部材11よりも弾性に富んだ部材であり、例えばばね用ステンレス鋼により構成される。クリップばね14は、第一端部21と相手端子91の相手端部92とを挟持可能である(図7参照)。クリップばね14は、第一端部21のX方向(またはその反対方向)の隣に位置するクリップ基部33と、第一端部21のZ方向両側に位置する第一弾性片31および第二弾性片32とを有する。第一弾性片31および第二弾性片32は、クリップ基部33のZ方向の両端からそれぞれX方向(またはその反対方向)に延びて設けられている。第一弾性片31および第二弾性片32それぞれは、クリップ基部33から片持梁状となって設けられている。
図6に示す非接続状態では、クリップばね14は、第一端部21を収容した状態にある。つまり、第一弾性片31と第二弾性片32との間に第一端部21が位置する。コネクタハウジング12の開口部55から挿入した相手端子91の相手端部92が第一端部21に重なる。図7に示す接続状態では、相手端部92が第一端部21に重なり、第一弾性片31および第二弾性片32は、第一端部21と相手端部92とを挟持する。
クリップばね14は、第一端部21およびコネクタハウジング12に固定されておらず、第一端部21およびコネクタハウジング12に拘束されていない。つまり、クリップばね14は、位置固定されない状態となって、コネクタハウジング12に収容されている。ただし、後に説明するが、クリップストッパ15によって、クリップばね14のY方向の変位が制限され(規制され)、また、Z方向に位置決めされる。
ここで、第一端部21と相手端部92とが、クリップばね14において重なって接続される接続構造について説明する。前記のとおり、第一端部21は、Z方向に隆起する隆起部21aを有する。相手端部92の第一面(図7では上面)は、接続状態で第一弾性片31側に隆起する凸面92aを有する。相手端部92の第二面(図7では下面)は、接続状態で第一弾性片31側に凹む凹面92bを有する。接続状態で、隆起部21aは凹面92bに嵌り、凸面92aが第一弾性片31に接触する。非接続状態(図6)と比較すると、接続状態で(図7)、クリップばね14が弾性変形して、第一弾性片31と第二弾性片32との間隔が広がる。このため、重なる第一端部21と相手端部92とに対して、反力としてZ方向に沿った締め付け力が、クリップばね14によって付与される。
前記のようなクリップばね14における接続構造により、相手端子91は、クリップばね14から脱落し難い。また、非接続状態(図6)から、相手端子91を第一端部21に接続する際、相手端子91によってクリップばね14及び第一端部21は、Y方向となる第二端部22側に向かって押され、変位を開始する。すると、ダンパー部23が弾性変形する。後述するが、クリップばね14は、クリップストッパ15によって第一端部21に対する変位が制限されているので、クリップばね14は第一端部21とともにY方向に変位する。第一端部21が所定量について変位すると、規制部材13によってその変位が制限される。規制部材13については後に説明する。
ここで、クリップばね14に関する説明として、図3により、コネクタハウジング12の幅方向両側における、2つの構造体16,16の配置について説明する。2つの構造体16,16に関して、2つのクリップばね14,14は並んで設けられており、2つのクリップストッパ15,15も並んで設けられている。2つのクリップばね14,14において、クリップ基部33,33同士は、コネクタハウジング12の幅方向の外側に離れて配置されている。このため、2つの構造体16,16それぞれのクリップばね14が第一端部21と相手端子91とを挟持する箇所を、区画壁53を挟んで、コネクタハウジング12の幅方向に近づけて配置することが可能となる。その結果、2つの第一端部21,21同士および2つの相手端子91,91同士を幅方向に近づけることができ、相手コネクタ90の幅方向のコンパクト化に貢献する。
〔クリップストッパ15〕
クリップストッパ15は、導電部材11及びクリップばね14それぞれと別の部材である(図5参照)。クリップストッパ15は、金属製であり、金属片が折り曲げ加工されて構成されている。クリップストッパ15は、クリップばね14のY方向側に位置するストッパ基部45を有する(図4参照)。ストッパ基部45は、第一端部21をX方向に跨ぐだけの長さを有する。図9は、導電部材11及びクリップストッパ15の斜視図である。クリップストッパ15は、導電部材11の第一端部21に取り付けられており、第一端部21に対してY方向に変位不能である。そのために、クリップストッパ15は、導電部材11の第一端部21に係止される係止部41を有する。
クリップストッパ15は、係止部41として、第一端部21の幅方向の一方側に係止される第一係止部41aと、第一端部21の幅方向の他方側に係止される第二係止部41bとを有する。第一係止部41a及び第二係止部41bは、ストッパ基部45のZ方向の反対側(図9では下側)に設けられている。第一係止部41aは、第一端部21の第一爪部28にY方向およびX方向から接触する突出片46と、第一端部21の一部をZ方向に挟む挟持片47とを有する。第一係止部41aと第二係止部41bとは同じ構成であり、第二係止部41bも、突出片46及び挟持片47を有する。第一係止部41a及び第二係止部41bにより、クリップストッパ15は第一端部21にXYZ方向に変位不能となって取り付けられる。
クリップストッパ15は(図5参照)、クリップばね14が第一端部21に対してY方向に変位することを制限する。そのために、クリップストッパ15は、Y方向に変位しようとするクリップばね14と接触可能であるストッパ部42を有する。本実施形態では、クリップストッパ15は、ストッパ部42として、第一弾性片31と接触可能である第一ストッパ部42aと、第二弾性片32と接触可能である第二ストッパ部42bとを有する。第一ストッパ部42a及び第二ストッパ部42bそれぞれは、ストッパ基部45の幅方向の両側に設けられている。本実施形態では、第二ストッパ部42bは、係止部41を構成する突出片46と兼用されている。
以上より、クリップストッパ15は、導電部材11に取り付けられる。Y方向に変位しようとするクリップばね14がストッパ部42に接触することで、導電部材11に対するクリップばね14の変位が制限される。クリップストッパ15は、クリップばね14の変位を制限する機能の他に、第一弾性片31と第二弾性片32との間に、相手端子91の挿入用のスペースS(図6参照)を確保する機能を有する。そのために、クリップストッパ15は(図5参照)、幅方向について第一端部21の隣に位置する第一支持片43を有する。本実施形態では、クリップストッパ15は、第一端部21を挟んで第一支持片43と反対側に位置する第二支持片44も有する。第一支持片43と第二支持片44とは同じ形状である。
第一支持片43は、ストッパ基部45の幅方向の一方側の端からY方向と反対方向に延びて設けられている。第二支持片44は、ストッパ基部45の幅方向の他方側の端からY方向の反対側に延びて設けられている。図10は、クリップばね14及びクリップストッパ15の説明図である。図11は、クリップばね14をクリップストッパ15から外した状態を示す説明図である。図10に示すように、第一支持片43及び第二支持片44は、第一弾性片31と第二弾性片32との間に位置する。
第一支持片43のZ方向の寸法Hは、次の第一条件および第二条件の双方を満たすように設定されている。
<第一条件> クリップばね14で重なった状態(図7参照)にある第一端部21と相手端部92との重なり部分におけるZ方向の第一寸法Z1よりも小さい。
<第二条件> 前記重なり部分のうち、第一端部21単独(図6参照)でのZ方向の第二寸法Z2よりも大きい。
つまり、第一支持片43のZ方向の寸法Hと、前記第一寸法Z1および前記第二寸法Z2との関係は、Z2<H<Z1となる。
また、図10に示すように、クリップばね14において、第一端部21が単独で存在している状態、つまり、第一端部21に相手端子91が重なっていない非接続状態で、第一弾性片31と第二弾性片32とが第一支持片43を弾性的に挟んだ状態にある。言い換えると、非接続状態では、第一支持片43に第一弾性片31および第二弾性片32は接触する。しかも、第一支持片43により、第一弾性片31及び第二弾性片32は、自由状態と比較して、相互が離れる方向に強制的に弾性変形した状態に維持されている。
第一弾性片31と第二弾性片32との間に形成されるクリップ空間Pのうち、第二弾性片32に近い側に、第一端部21は位置する。クリップ空間Pのうち、第一弾性片31に近い側に、相手端子91の挿入用のスペースSが形成される。つまり、第一端部21と第一弾性片31との間が、相手端子91の挿入用のスペースSとなる。
非接続状態では、第二支持片44は、第一弾性片31と第二弾性片32との間に位置するが、これら第一弾性片31と第二弾性片32とのうちの一方または双方に非接触の状態となる。図7に示すように、接続状態では、非接続状態と比較して、第一弾性片31および第二弾性片32は相互に離れる方向に弾性変形し、第一支持片43に、第一弾性片31および第二弾性片32は非接触の状態となる。
以上のように(図10参照)、第一支持片43のZ方向の端43uに第一弾性片31が接触可能であり、第一支持片43のZ方向反対側の端43dに第二弾性片32が接触可能となる形状(Z方向の寸法H)を、第一支持片43は有する。前記非接続状態では、第一支持片43により、クリップばね14はZ方向について位置決めされる。しかし、クリップばね14は、X方向とY方向との一方または双方には位置決めされず(位置固定されず)小寸法について変位可能な状態にある。
前記のとおり、クリップストッパ15により、第一端部21に対するクリップばね14のY方向の変位が制限されている。Y方向の反対側へのクリップばね14の変位は、コネクタハウジング12が有する壁54(図4参照)によって制限される。つまり、コネクタハウジング12は、Y方向の反対側へ変位するクリップばね14が接触可能となる接触部59を有する。このため、接続状態から、相手端子91をクリップばね14より引き抜く場合であっても、クリップばね14はY方向の反対側に脱落しない。
Y方向の反対側へのクリップばね14の脱落防止は、クリップストッパ15によって行われてもよい。図12は、クリップストッパ15の変形例を示す説明図である。このクリップストッパ15は、クリップばね14に対してY方向から接触可能である脱落防止用ストッパ部として、第三ストッパ部48を有する。図12に示す形態では、第一支持片43の先部43aに第三ストッパ部48が設けられている。第三ストッパ部48は、第一支持片43の先部43aからZ方向の両側に突出している。第三ストッパ部48は、第二支持片44にも同様に設けられている。これにより、相手端子91をクリップばね14から引き抜く場合であっても、クリップばね14は、コネクタハウジング12に接触せず、第三ストッパ部48に接触し、Y方向の反対側に脱落しない。
〔規制部材13〕
図6に示すように、規制部材13は、コネクタハウジング12に設けられている。本実施形態では、規制部材13は、コネクタハウジング12と別部材である。規制部材13は板形状を有する。規制部材13は、樹脂製であり、非導電性を有する。規制部材13は射出成型によって製造される。規制部材13は、第一部分24と第二部分25との間に形成される領域Qに設けられている。導電部材11のダンパー部23が変形してない状態で、つまり、導電部材11の自由状態で、規制部材13は、前記領域Qにおいて、第一部分24、第二部分25および連結部26それぞれとの間に隙間eを有して設けられている。
前記のとおり(図8参照)、コネクタハウジング12の区画壁53及び側壁57,57に、Z方向を溝長手方向とする第一取り付け溝56が形成されている。対向する第一取り付け溝56,56に規制部材13の両側部13a,13aが嵌合する。これにより、規制部材13は、Y方向およびその反対方向について変位不能となってコネクタハウジング12に取り付けられる。
図6に示すように、規制部材13は、クリップストッパ15(ストッパ基部45)とダンパー部23の第一部分24との双方と対向する第一接触面61を有する。本実施形態では、規制部材13は、X方向及びZ方向に広い板状の部材であるが、Z方向について、図示する形態よりも狭くてもよい。この場合でも、規制部材13は、クリップストッパ15と第一部分24との少なくとも一方と対向する第一接触面61を有するのが好ましい。
規制部材13の機能について説明する。前記のとおり、相手端子91を開口部55から挿入して第一端部21と接続する際に、相手端子91によって第一端部21は、Y方向に押される。第一端部21がY方向に押されることでダンパー部23は弾性変形する。すると、クリップストッパ15のストッパ基部45とダンパー部23の第一部分24との少なくとも一方が、第一接触面61に接触する。これにより、ダンパー部23が弾性変形した際の第一端部21の変位が制限される。つまり、ダンパー部23の弾性変形量が制限される。その結果、第一端部21はY方向に押されても逃げ難くなり、第一端部21と相手端子91との接続が行われ易くなる。
このように、ダンパー部23が弾性変形した際の第一端部21の変位を制限するため、規制部材13は、第一端部21のY方向の隣の領域Qに設けられている。導電部材11の自由状態で、規制部材13は、接触相手となるクリップストッパ15(ストッパ基部45)及び第一部分24と隙間を有して前記領域Qに設けられている。
第一接触面61についてさらに説明する。第一接触面61は、X-Z方向の仮想の平面に沿った第一面部61aを有する。接触相手の候補となるクリップストッパ15(ストッパ基部45)は、第一接触面61と対向する第二接触面49を有する。第二接触面49は、X-Z方向の別の仮想の平面に沿った第二面部49aを有する。前記のとおり、第一端部21と相手端子91とをクリップばね14によって挟持させて接続するために、相手端子91が第一端部21を押すことでダンパー部23が弾性変形する。すると、第二面部49aと第一部分24との少なくとも一方が、第一面部61aに接触する。仮想の平面に沿った第一面部61aと、仮想の平面に沿った第二面部49aとが、面接触することが可能となる場合がある。
図6に示す形態では、前記のとおり、規制部材13の第一接触面61は、X-Z方向の仮想の平面に沿った第一面部61aを有する。第一接触面61のうち第一面部61aの一部で、接触相手(例えばクリップストッパ15)が接触する。この構成によれば、第一接触面61に対して、前記接触相手がY方向から接近して接触する場合に、規制部材13はその接触相手を安定して支持することが可能となる。その結果、第一端部21と相手端子91との接続容易性が向上する。
〔規制部材13の変形例〕
図13及び図14は、規制部材13に関する変形例を示す斜視図である。図13において、左側(A)の第一変形例について説明する。規制部材13の第一接触面61は、Y方向の反対側に凸となる仮想の曲面P1に沿った第一面部61aを有する。第一変形例では、規制部材13のうち、第一接触面61を含む部分では、Z方向に断面形状が変化せず、一定である。第一変形例では、規制部材13は、Z方向を長手方向とする複数の凸条62を有する。各凸条62のY方向の反対側の面が仮想の曲面P1に沿った形状を有する。このため、第一面部61aは、仮想の曲面P1に沿った凹凸形状の面となる。規制部材13が前記凹凸形状の面を有することで、規制部材13を射出成型する際のヒケ(凹み)などの成型不良を抑制することができる。
なお、凹凸形状は無く、第一面部61aの全体が平滑な曲面であってもよい。または、Z方向を長手方向とする複数の凸条62と、図示しないが、X方向を長手方向とする複数の凸条とを有し、第一面部61aが、仮想の曲面P1に沿った格子形状の面であってもよい。または、X方向に長い凸条のみでもよい。
図13において、右側(B)の第二変形例について説明する。規制部材13の第一接触面61は、Y方向の反対側に凸となる仮想の曲面P2に沿った第一面部61aを有する。第二変形例では、規制部材13のうち、第一接触面61を含む部分では、X方向に断面形状が変化せず、一定である。第二変形例では、規制部材13は、Z方向を長手方向とする複数の凸条62を有し、各凸条62のY方向の反対側の面が仮想の曲面P2に沿った形状を有する。このため、第一面部61aは、仮想の曲面P2に沿った凹凸形状の面となる。
なお、第二変形例においても、凹凸形状は無く、第一面部61aの全体が平滑な曲面であってもよい。または、Z方向を長手方向とする複数の凸条62と、図示しないが、X方向を長手方向とする複数の凸条とを有し、第一面部61aが、仮想の曲面P2に沿った格子形状の面であってもよい。または、X方向に長い凸条のみでもよい。
図14において、左側(A)の第三変形例について説明する。規制部材13の第一接触面61は、Y方向の反対側に凸となる仮想の曲面P3に沿った第一面部61aを有する。曲面P3は球面に沿った面である。第三変形例では、第一変形例のような凸条62が設けられていないが、設けられていてもよい。
図14において、右側(B)の第四変形例について説明する。第四変形例は、第一変形例と比較すると、凸条62の数が異なる。第四変形例では、一つの凸条62がX方向の中央部に設けられている。その凸条62のY方向の反対側の面が、第一面部61aであり、仮想の曲面P1に沿った形状を有する。つまり、第四変形例においても、第一接触面61は、仮想の曲面P1に沿った第一面61a部を有する。なお、第四変形例では、凸条62が一つであるが、2つなど、複数であってもよい。ただし、凸条62は、X方向の全体に広がって設けられておらず、X方向の一部(中央部)に設けられる。
以上のように、第一変形例から第四変形例それぞれの規制部材13では、第一接触面61は、曲面に沿った第一面部61aを有し、第一接触面61のうち第一面部61aの一部で、接触相手と接触する。この場合、規制部材13に対して、接触相手が傾いた姿勢となって接近して接触しても、規制部材13は接触相手を安定して支持することが可能となる。その結果、第一端部21と相手端子91との接続容易性が向上する。
〔相手端子91との接続構造に関する変形例(その1)〕
図15は、コネクタ10の第一の変形例を示す断面図である。図4に示す形態では、コネクタ10は、クリップストッパ15を有するが、図15に示す第一の変形例に係るコネクタ10は、クリップストッパ15が省略されている。その代わり、第一の変形例では、クリップばね14は、Y方向への変位が規制されるようにして、第一端部21に取り付けられている。
図4に示す形態と、図15に示す第一の変形例とでは、クリップストッパ15が省略されていること、および、第一端部21に対するクリップばね14の取付構造が異なるが、その他は同じであり、同じ構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。規制部材13は、ダンパー部23が有する第一部分24と対向する第一接触面61を有する。この点は、図4に示す形態と同じである。なお、第一の変形例でも、図13及び図14に示す規制部材13が採用されてもよい。
第一の変形例においても、相手端子91を開口部55から挿入して第一端部21と接続する際に、相手端子91によって第一端部21は、Y方向に押される。第一端部21がY方向に押されることでダンパー部23は弾性変形する。すると、第一端部21のY方向の端と第一部分24との少なくとも一方が第一接触面61に接触する。これにより、ダンパー部23が弾性変形した際の第一端部21の変位が制限される。
第一の変形例においても、ダンパー部23が弾性変形した際の第一端部21の変位を制限するため、規制部材13は、第一端部21のY方向の隣の領域Qに(隙間を有して)設けられている。
〔相手端子との接続構造に関する変形例(その2)〕
図16は、コネクタ10の第二の変形例を示す断面図である。図4に示す形態では、コネクタ10は、導電部材11と別部材であって導電部材11に非固定的であるクリップばね14を有するが、図16に示す第二の変形例に係るコネクタ10は、導電部材11とは別部材であるが、導電部材11に固定されていて一体である端子部として箱型端子65を有する。箱型端子65は、相手端子91の相手端部92と導電部材11の第一端部21とを機械的に及び電気的に接続する。そのために、箱型端子65は、相手端部92を挿入させる空間Wを有する。箱型端子65は、相手端部92に対して弾性的に接触するばね片65aを有する。箱型端子65は第一端部21に、例えば、カシメ、圧着、溶接、超音波接合などの固定手段によって一体化される。
図4に示す形態と、図16に示す第二の変形例とでは、第一端部21に相手端子91を接続するための構造が異なるが、その他は同じであり、同じ構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。規制部材13は、箱型端子65と第一部分24との少なくとも一方と対向する第一接触面61を有する。なお、第二の変形例でも、図13及び図14に示す規制部材13が採用されてもよい。
第二の変形例においても、相手端子91を開口部55から挿入して第一端部21と接続する際に、相手端子91によって第一端部21は、Y方向に押される。第一端部21がY方向に押されることでダンパー部23は弾性変形する。すると、第一端部21のY方向の端と、第一部分24と、端子部である箱型端子65との少なくとも一つが第一接触面61に接触する。図16に示す形態では、第一端部21のY方向の端と、第一部分24との少なくとも一方が第一接触面61に接触する。これにより、ダンパー部23が弾性変形した際の第一端部21の変位が制限される。
このように、図16に示すコネクタ10は、第一端部21と一体であるとともに相手端子91と機械的および電気的に接続可能である端子部として箱型端子65を備える。なお、導電部材11に固定されている端子部は、箱型端子以外の形態であってもよい。
第二の変形例においても、ダンパー部23が弾性変形した際の第一端部21の変位を制限するため、規制部材13は、第一端部21のY方向の隣の領域Qに(隙間を有して)設けられている。
〔前記各実施形態に係るコネクタ10〕
以上のように、前記各形態のコネクタ10は、図1および図2に示すように、相手端子91を備える相手コネクタ90と電気的に接続可能なコネクタである。図7、図15および図16それぞれに示すように、コネクタ10は、帯状の導電部材11と、導電部材11を収容するコネクタハウジング12と、コネクタハウジング12に設けられている規制部材13とを備える。導電部材11は、相手端子91と電気的および機械的に接続可能な第一端部21と、導電部材11の長手方向について第一端部21と反対側に位置する第二端部22と、第一端部21と第二端部22との間に設けられているダンパー部23とを有する。ダンパー部23は、少なくとも第一端部21と第二端部22とを近づける方向に弾性変形可能である。ダンパー部23は、Z方向にも弾性変形可能である。
コネクタハウジング12は、相手端子91を第一端部21に接続するため、Y方向に相手端子91を挿入可能とする開口部55が設けられている壁54を有する。規制部材13は、第一端部21のY方向の隣の領域Qに設けられていて、ダンパー部23が弾性変形した際の第一端部21の変位を制限する。
前記各形態のコネクタ10によれば、導電部材11の第一端部21に、コネクタハウジング12の開口部55から挿入される相手端子91を接続する際、第一端部21と相手端子91との間で、例えばZ方向について位置ずれしていても、導電部材11が弾性変形することで、その位置ずれを吸収することが可能である。しかも、第一端部21の隣の領域Qに設けられている規制部材13によって、第一端部21の変位が制限される。このため、第一端部21と相手端子91との機械的な接続のための力により生じるダンパー部23の弾性変形量が制限される。つまり、第一端部21がY方向に逃げ難くなる。その結果、第一端部21と相手端子91との接続が行われ易くなる。
ダンパー部23は、第一端部21に連なるとともにY方向と交差する方向に延びる第一部分24と、第二端部22に連なるとともにY方向と交差する方向に延びる第二部分25と、第一部分24と第二部分25とを連結する連結部26とを有する。この構成により、第一端部21と第二端部22とを近づける方向に弾性変形が可能となるダンパー部23が簡単に得られる。
図6および図7に示す形態では、コネクタ10は、クリップばね14とクリップストッパ15とを備える。クリップばね14は、導電部材11とは別部材であって、第一端部21と相手端子91とを挟持可能である。クリップストッパ15は、導電部材11に取り付けられるとともに、クリップばね14が第一端部21に対してY方向に変位することを制限する。
規制部材13は、クリップストッパ15と第一部分24との少なくとも一方と対向する第一接触面61を有する。相手端子91を開口部55から挿入して第一端部21と接続する際に、相手端子91によって第一端部21が押されることでダンパー部23が弾性変形すると、クリップストッパ15と第一部分24との少なくとも一方が、第一接触面61に接触する。これにより、ダンパー部23が弾性変形した際の第一端部21の変位を制限する構成が得られる。
ダンパー部23が変形してない状態で、つまり、ダンパー部23の自由状態で、規制部材13は、第一部分24と第二部分25との間に形成される領域Qであって、第一部分24、第二部分25および連結部26それぞれとの間に隙間eを有して設けられている。隙間eの寸法について、ダンパー部23は変位可能であり、隙間eの寸法についてダンパー部23が変位すると、その変位が制限される。このように、第一端部21と相手端子91との間の位置ずれを吸収するダンパー部23の機能が、規制部材13によって損なわれず、かつ、第一端部21と相手端子91との機械的な接続の際、ダンパー部23の弾性変形量を、規制部材13が制限することが可能となる。
前記各形態において、規制部材13は、樹脂製であり、非導電性を有する。このため、導電部材11が弾性変形して第一端部21と第二端部22とが規制部材13に接触したとしても、第一端部21と第二端部22とが規制部材13を介して短絡しない。規制部材13に通電がされないので、規制部材13に接触する接触相手として、例えばクリップストッパ15、または図16に示す箱型端子65に絶縁加工を施さなくてもよい。
規制部材13は、コネクタハウジング12と別部材である。図8により説明したように、コネクタハウジング12に、溝56が設けられている。溝56は、規制部材13をZ方向の反対方向に挿し入れ可能であって、Y方向に規制部材13を移動不能として取り付けることができる。この構成により、規制部材13をコネクタハウジング12に取り付ける作業が容易であり、取り付けられると規制部材13としての機能が発揮される。
なお、規制部材13の変形例として、規制部材13はコネクタハウジング12の一部と一体であってもよい。例えば規制部材13とカバー52とが樹脂による一体成型品であってもよい。カバー52をハウジング本体51に取り付けることで、カバー52と一体である規制部材13が、ダンパー部23の第一部分24と第二部分25との間の所定位置(領域Q)に位置する。
前記各形態では、第一端部21、ダンパー部23、および第二端部22は、単一の弾性を有する帯片により構成されている。このため、弾性板片を折り曲げることによって、第一端部21、ダンパー部23および第二端部22が1部品で得られ、コスト低減に貢献する。
〔その他の構成〕
本実施形態では、導電部材11は、単一の帯片により構成されている場合について説明したが、それ以外の形態であってもよく、複数の帯片を複合して構成されていてもよい。ダンパー部23は、平板形状を有する第一部分24および第二部分25と、第一部分24および第二部分25を連結する連結部26とを有する構成として説明したが、ダンパー部23は他の形態であってもよい。
クリップストッパ15についても他の形態であってもよく、例えば第二支持片44が省略されていてもよい。また、クリップストッパ15は、クリップばね14の第一弾性片31と第二弾性片32との少なくとも一方と接触する構成であればよい。また、クリップばね14についても他の形態であってもよい。
前記実施形態のように、第一構造体16と第二構造体16とが面対象の配置ではなくてもよく、また、第一構造体16と第二構造体16とが部分的に異なる形状であってもよい。
前記実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、前記実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更を含む。
5 第一電気機器
6 第二電気機器
10 コネクタ
11 導電部材
12 コネクタハウジング
13 規制部材
13a 両側部
14 クリップばね
15 クリップストッパ
16 構造体
21 第一端部
21b 第一本体部
21c 第一固定部
21a 隆起部
22 第二端部
22b 第二本体部
22c 第二固定部
23 ダンパー部
24 第一部分
25 第二部分
26 連結部
27 屈曲部
28 第一爪部
29 第二爪部
30 第三爪部
31 第一弾性片
32 第二弾性片
33 クリップ基部
41 係止部
41a 第一係止部
41b 第二係止部
42 ストッパ部
42a 第一ストッパ部
42b 第二ストッパ部
43 第一支持片
43u 端
43d 端
44 第二支持片
45 ストッパ基部
46 突出片
47 挟持片
48 第三ストッパ部
49 第二接触面
49a 第二面部
51 ハウジング本体
52 カバー
52a 一部
53 区画壁
54 壁
55 開口部
56 第二取り付け溝(溝)
57 側壁
58 第二取り付け溝
59 接触部
61 第一接触面
61a 第一面部
62 凸条
65 箱型端子
65a ばね片
90 相手コネクタ
91 相手端子
92 相手端部
92a 凸面
92b 凹面
93 相手ハウジング
K1 第一空間K
K2 第二空間
P1 曲面
P2 曲面
P3 曲面
Z1 第一寸法
Z2 第二寸法

Claims (12)

  1. 相手端子を備える相手コネクタと電気的に接続可能なコネクタであって、
    帯状の導電部材と、
    前記導電部材を収容するコネクタハウジングと、
    前記コネクタハウジングに設けられている規制部材と、
    を備え、
    前記導電部材は、
    前記相手端子と電気的および機械的に接続可能な第一端部と、
    前記導電部材の長手方向について前記第一端部と反対側に位置する第二端部と、
    前記第一端部と前記第二端部との間に設けられ前記第一端部と前記第二端部とを近づける方向に弾性変形可能であるダンパー部と、
    を有し、
    前記コネクタハウジングは、前記相手端子を前記第一端部に接続するため、前記導電部材の長手方向に沿った第一方向に前記相手端子を挿入可能とする開口部が設けられている壁を有し、
    前記ダンパー部が弾性変形した際の前記第一端部の変位を制限するため、前記規制部材は、前記第一端部の前記第一方向の隣の領域に設けられている、
    コネクタ。
  2. 前記ダンパー部は、
    前記第一端部に連なるとともに前記第一方向と交差する方向に延びる第一部分と、
    前記第二端部に連なるとともに前記第一方向と交差する方向に延びる第二部分と、
    前記第一部分と前記第二部分とを連結する連結部と、
    を有する、
    請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記規制部材は、前記第一部分と対向する第一接触面を有し、
    前記相手端子を前記開口部から挿入して前記第一端部と接続する際に、前記第一端部が押されることで前記ダンパー部が弾性変形すると、前記第一端部と前記第一部分との少なくとも一方が前記第一接触面に接触する、
    請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記導電部材とは別部材であって前記第一端部と前記相手端子とを挟持可能であるクリップばねと、
    前記導電部材に取り付けられるとともに前記クリップばねが前記第一端部に対して前記第一方向に変位することを制限するクリップストッパと、
    を、さらに備え、
    前記規制部材は、前記クリップストッパと前記第一部分との少なくとも一方と対向する第一接触面を有し、
    前記相手端子を前記開口部から挿入して前記第一端部と接続する際に、前記第一端部が押されることで前記ダンパー部が弾性変形すると、前記クリップストッパと前記第一部分との少なくとも一方が前記第一接触面に接触する、
    請求項2に記載のコネクタ。
  5. 前記第一端部と一体であるとともに前記相手端子と機械的に接続可能である端子部を、さらに備え、
    前記規制部材は、前記端子部と前記第一部分との少なくとも一方と対向する第一接触面を有し、
    前記相手端子を前記開口部から挿入して前記第一端部と接続する際に、前記第一端部が押されることで前記ダンパー部が弾性変形すると、前記第一端部と前記第一部分と前記端子部との少なくとも一つが前記第一接触面に接触する、
    請求項2に記載のコネクタ。
  6. 前記第一接触面は、平面に沿った第一面部を有し、
    前記クリップストッパは、前記第一接触面と対向するとともに平面に沿った第二面部を含む第二接触面を有し、
    前記第一端部と前記相手端子とを前記クリップばねによって挟持させて接続するために、前記相手端子が前記第一端部を押すことで前記ダンパー部が弾性変形すると、前記第二接触面の前記第二面部と前記第一部分との少なくとも一方が前記第一接触面の前記第一面部に接触する、
    請求項4に記載のコネクタ。
  7. 前記第一接触面は、平面に沿った第一面部を有し、
    前記第一接触面のうち前記第一面部の一部で、接触相手が接触する、
    請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のコネクタ。
  8. 前記第一接触面は、曲面に沿った第一面部を有し、
    前記第一接触面のうち前記第一面部の一部で、接触相手と接触する、
    請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のコネクタ。
  9. 前記規制部材は、前記第一部分と前記第二部分との間に形成される領域であって、前記第一部分、前記第二部分および前記連結部それぞれとの間に隙間を有して設けられている、
    請求項2から請求項8のいずれか一項に記載のコネクタ。
  10. 前記規制部材は、非導電性を有する、
    請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のコネクタ。
  11. 前記規制部材は、前記コネクタハウジングと別部材であり、
    前記コネクタハウジングに、前記規制部材を所定方向に挿し入れ可能であって前記所定方向に交差する前記第一方向に前記規制部材を移動不能として取り付ける溝が設けられている、
    請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のコネクタ。
  12. 前記第一端部、前記ダンパー部、および前記第二端部は、単一の弾性を有する帯片により構成されている、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のコネクタ。
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