JP2023082779A - 蓄電デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電デバイスの耐振性および耐衝撃性を向上する。【解決手段】電極箔と、電解紙とを巻回した素子とケースの間に熱膨張部材を設ける工程と、熱膨張部材を膨張させる工程とを有する。【選択図】図4B

Description

本発明は、蓄電デバイスおよびその製造方法に関するものである。
蓄電デバイスとして、コンデンサ、二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、レドックスキャパシタ、燃料電池、太陽電池などが知られている。コンデンサとして、例えば、電解コンデンサが知られている(下記特許文献1参照)。近年、蓄電デバイスが車載用途に使用される傾向が見られる。車載用途では、蓄電デバイスは、走行に伴う振動を継続的に受けることが想定される。また、走行に伴い、蓄電デバイスには、予期しない衝撃が加わることが想定される。したがって、蓄電デバイスに加わる振動ストレス等が他の用途で使用されるよりも大きいことがあり得る。また、今後、さらに厳しい条件が発生する用途での利用のため、蓄電デバイスの耐振性および耐衝撃性の向上が求められている。
実開昭64-26830号公報
本発明の実施の形態の一側面は、蓄電デバイスの耐振性および耐衝撃性を向上することにある。
第1の側面では、本発明の実施の形態は、蓄電デバイスの製造方法によって例示される。この製造方法は、巻回した素子とケースの間に熱膨張部材を設ける工程と、前記熱膨張部材を膨張させる工程と、を有する。
第2の側面では、前記素子の外面に熱膨張部材を設けてもよい。
第3の側面では、前記素子を収納するためのケースに、ケース内側へ突出した凸部を形成する工程を有してもよい。
第4の側面では、前記ケース内側へ突出した凸部を形成する工程が、前記熱膨張部材を膨張させる工程より前に行われてもよい。
第5の側面では、前記ケース内側へ突出した凸部を形成する工程が、前記熱膨張部材を膨張させる工程より後に行われてもよい。
第6の側面では、前記熱膨張部材を設ける工程が、前記熱膨張部材を用いて前記素子の最外周を巻き止める工程であってもよい。
第7の側面では、前記熱膨張部材を膨張させる工程が、再化成工程であってもよい。
第8の側面では、前記ケース内側へ突出した凸部を形成する工程において、有底筒状の前記ケースの外側面上で前記ケースの中心軸周りに、1または複数の環状の溝部を形成することによって、ケース内側に突出させる工程であってもよい。
第9の側面では、前記ケース内側へ突出した凸部を形成する工程において、有底筒状の前記ケースの外側面上に1または複数の窪みを形成することによってケース内側に突出させる工程であってもよい。
第10の側面では、本発明の実施の形態は、蓄電デバイスによって例示される。この蓄電デバイスは、巻回した素子と、前記ケースの内側面と前記素子の外面との間に設けられた熱膨張部材と、を備え、前記熱膨張部材は加熱処理によって膨張した熱膨張部材であることを特徴とするものでもよい。
第11の側面では、この蓄電デバイスにおいて、前記ケースはケース内側に向かって突出した凸部を有し、前記熱膨張部材は、前記凸部と前記凸部に対向する前記素子の外面との間に介在することを特徴とするものでもよい。
本蓄電デバイスおよびその製造方法は、耐振性および耐衝撃性を向上することができる。
図1は、比較例のアルミ電解コンデンサの構造を例示する分解斜視図である。 図2は、リードとアルミニウム箔との接続部分を拡大して例示する図である。 図3は、Y軸方向の外力による振動または衝撃でリードの接続部分が破断する現象を説明する図である。 図4Aは、第1の実施形態に係るコンデンサに含まれる素子12およびケース11を例示する図である。 図4Bは、第1の実施形態に係るコンデンサの構造を例示する図である。 図5は、ケースおよび素子の断面構造を例示する図である。 図6Aは、コンデンサの製造工程を例示する図である。 図6Bは、コンデンサの製造工程を例示する図である。 図6Cは、コンデンサの製造工程を例示する図である。 図7Aは、図6Bの凸部の近傍を拡大した図である。 図7Bは、図6Cの凸部の近傍を拡大した図である。 図8Aは、第2の実施形態に係るコンデンサの構造と、その製造方法を例示する図である。 図8Bは、第2の実施形態に係るコンデンサの構造と、その製造方法を例示する図である。 図9Aは、第3の実施形態に係るコンデンサの構造と、その製造方法を例示する図である。 図9Bは、第3の実施形態に係るコンデンサの構造と、その製造方法を例示する図である。 図10Aは、変形例に係る複数のコンデンサを例示する図である。 図10Bは、変形例に係る複数のコンデンサを例示する図である。 図10Cは、変形例に係る複数のコンデンサを例示する図である。 図11は、他の変形例のコンデンサを例示する概念的な断面図である。
蓄電デバイスとしてコンデンサ、二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、レドックスキャパシタ、燃料電池、太陽電池などが知られているが、以下、図面
を参照して、本発明を実施するための形態として電解コンデンサを用いて説明する。
[比較例]
まず、図1乃至図3を参照して、比較例の電解コンデンサを説明する。図1は、比較例の電解コンデンサ(以下、コンデンサ301)の構造を例示する分解斜視図である。
コンデンサ301は、電解コンデンサの素子312と、図示しない電解液と、素子312を収納するためのケース311とを有する。素子312は、電解紙122A、122Bに挟まれた陽極箔121Aと、陽極箔121Aに対して電解紙122Bを挟んで設けられる陰極箔121Bとを有する。電解紙122A、および、電解紙122Bはマニラ紙やクラフト紙などの絶縁紙、不織布またはそれらの混抄紙からなる。素子312は、陽極箔121A、電解紙122A、陰極箔121B、および電解紙122Bを重畳し、巻回した円柱状の構造を有する。
陽極箔121Aおよび陰極箔121Bは弁金属であるアルミニウムを用いた箔である。陽極箔121Aの表面は、拡面化処理が施されたエッチング層が形成され、その後に化成処理が施され、酸化アルミニウムからなる誘電体酸化皮膜が形成されている。この誘電体酸化皮膜がコンデンサ301の誘電体となる。また、陰極箔121Bは、エッチング層が形成されており、任意に化成皮膜が形成される。
陽極箔121Aおよび陰極箔121Bには、それぞれ、リード313が接続される。リード313が接続された陽極箔と陰極箔と電解紙とを巻回して素子312が形成される。素子312は、電解液と共にケース311に収納される。ケース311は、例えば、アルミニウム等の金属である。ケース311は、円柱状の素子312を収納するための開口端が一方端側に形成された有底筒状の構造を有する。
素子312が収納されたケース311の開口端に弾性ゴムなどからなる封口ゴム314が配置される。封口ゴム314は、2本のリード313が挿通する貫通孔を有している。電解コンデンサはケースの開口端をカーリング処理などすることにより封止される。このとき、封口ゴム314と一体となって素子312およびリード313がケース311に固定される。
以下、本比較例および本実施の形態では、2本のリード313が並ぶ方向をX軸方向とする。また、2本のリード313が素子312から延びる方向をZ軸方向とする。Y軸方向は、2つのリード313が配列する方向であるX軸方向およびリード313の端子の素子312からの延伸方向であるZ軸に直交する方向である。
図2には、リード313とアルミニウム箔との接続部分が拡大して例示されている。ここで、図2のアルミニウム箔は、陽極箔121Aまたは陰極箔121Bのいずれにも該当する。なお、本実施の形態全体を通じて、陽極箔121Aおよび陰極箔121Bを総称して電極箔ともいう。
図2のように、リード313は、金属線13Mと、金属線13Mに溶接等で接続される丸棒部132と、丸棒部132が暫時薄くなるように扁平に引き延ばされた扁平部133を有する。扁平部133は、陽極箔121Aまたは陰極箔121Bとステッチ134によって接続される。ステッチ134は、一例としては、陽極箔121Aまたは陰極箔121Bに扁平部133を重ねたものを扁平部133側からステッチ針を貫通させ、このときに生じる扁平部133のバリをプレス加工することで形成される。ただし、陽極箔121Aおよび陰極箔121Bと扁平部133とはコールドウェルド法による冷間圧接を用いて接続してもよい。
Z軸方向の外力による振動または衝撃でリード313と陽極箔121Aまたは陰極箔121Bとの接続部分が破断する現象を説明する。コンデンサ301にZ軸方向の振動または衝撃が加えられた場合を想定する。このような場合、素子312がケース311の移動方向とは逆方向に移動する、または、加速度のピークがずれて振動する。このようなZ軸方向の振動では扁平部133と電極箔の接続箇所(ステッチ134)に応力が集中的に発生し、ステッチ134またはその周辺の電極箔が破断することがある。
なお、本実施の形態全体を通じて、振動とは周期的な揺れをいうものとする。また、非周期的または過渡的な一定限度の加速度を超える強い揺れを衝撃ということにする。図2で説明したような破断は、コンデンサ301に振動が加えられた場合の他、コンデンサ301に衝撃が加えられた場合も同様に生じる可能性がある。また、図2のような破断は、電極箔と扁平部133とがコールドウェルド法等他の接続方法で接続された場合も同様に生じ得る。
図3は、Y軸方向の外力による振動または衝撃でリード313の境界箇所135が破断する現象を説明するための図である。図3の両矢印iは素子の振動方向を示し、両矢印iiはケースの振動方向を示す。
コンデンサ301にY軸方向に振動または衝撃が加えられたとき、図3に示すコンデンサ301本体(ケース311)の振動方向iiと素子312の振動方向iが振動の位相がずれて振動する場合がある。すなわち、ケース311の移動方向と素子312の移動方向が180度ずれて、逆位相でコンデンサ301が振動する場合がある。素子312は、封口ゴム314によって丸棒部132のみでケース311と固定されている。そのため、Y軸方向の外力による振動または衝撃が加えられ、コンデンサ301本体(ケース311)と素子312とが逆位相の振動をすると、リード313の、特に、丸棒部132と扁平部133の漸次薄くなる境界箇所135に応力が集中する。このように応力が集中するため、境界箇所135に破断が生じ易い。なお、X軸方向の振動または衝撃が加えられた場合でも、丸棒部132と扁平部133の漸次薄くなる境界箇所135に応力が集中し、破断が生じる。
また、逆位相でない場合でも、例えば、ケース311の加速度と素子312の加速度が異なる場合に、振動の位相のずれにより、逆位相の場合と同様に、丸棒部132と扁平部133の漸次薄くなる境界箇所135に応力が集中し、破断が生じる場合がある。例えば、振動または衝撃の方向がX軸方向の場合、振動または衝撃を2つのリード313が分散して受ける。一方、振動または衝撃の方向がY軸方向の場合、振動または衝撃をリード313のそれぞれが受けることになる。以下の各実施形態では、このようなコンデンサ301における振動または衝撃による破断を低減する構造が例示される。
[第1の実施形態]
以下、図4A乃至図7Bを参照し、第1の実施形態に係る電解コンデンサ(以下、コンデンサ1)の構造およびその製造方法を説明する。図4Aは、第1の実施形態に係るコンデンサ1に含まれる素子12およびケース11を例示する図である。
図4Aのように、コンデンサ1は、素子12と、素子12を収納するケース11を有する。ケース11は、アルミニウム等の金属製の有底筒状の構造である。ケース11は、内部に素子12を収納するための内部空間を有する。この内部空間は、円筒の底面に立設される円筒形状の側面で形成される。ケース11の一方端側は、開口端を有し、素子12を挿入可能となっている。
ケース11の開口端と底面との間の円筒形状の側面には、ケース外側からプレス加工等によってケース内側へ突出する凸部111が形成されている。凸部111は、有底筒状のケース11の外側面上で有底筒状のケース11の中心軸周りに形成された環状の溝部となっている。すなわち、環状の溝部によって、ケース11の内側(内部空間側)には、ケース11の内側面からケース11の内側に向かって突出した凸部111が形成される。ただし、凸部111が1つに限定される訳ではない。凸部111が2以上設けられてもよい。また、ケース11の中心軸に垂直な断面内において凸部111の形状は弓形であるが、弓形の他にも、三角形、半円形、半楕円形などの形状をとってもよい。なお、ケース11の内側へ突出した凸部111を形成する工程が素子12をケース11に収納する前に行われることが望ましい。したがって、図4Aは、素子12を収納するためのケース11に、ケース11の内側へ突出した凸部111を形成する工程が、素子12をケース11に収納する前に行われることを例示する。
図4Bは、第1の実施形態に係るコンデンサ1の構造を例示する図である。本実施形態では、素子12が、電解液と共にケース11に収納され、封口ゴムによって封止され、その後に熱処理工程で加熱され、図4Bに示すコンデンサ1が製造される。なお、図4Bのコンデンサ1は、XZ平面で素子12以外の部品を切断した概念的な断面図で例示されている。また、この概念的な断面図では、素子12の断面は省略されている。図4Bのように、コンデンサ1は、断面で例示されるケース11と、ケース11に収納された素子12と、素子12の電極箔に接続されるリード13と、封口ゴム14とを有する。
素子12の構造は、図1乃至図3で説明した比較例の素子312の構造と同様である。すなわち、素子12は、比較例の素子312と同様、陽極箔121A、電解紙122A、陰極箔121B、および電解紙122Bを重畳し、巻回した円柱状の構造を有する。円柱状は、柱状の一例である。
また、リード13、封口ゴム14の構成も、図1乃至図3で説明したリード313および封口ゴム314の構成と同様である。そこで、本実施形態では、素子12、リード13、封口ゴム14の説明は省略する。なお、リード13は、比較例のコンデンサ301と同様に、リード13の電極箔との接続部分において扁平に引き延ばされた扁平部133を有する。また、リード13の金属線13Mは溶接等で丸棒部132の一方端側と接続されている。また、丸棒部132の他端側には、図2と同様、扁平に引き延ばされた扁平部133を有する。
本実施形態のコンデンサ1の特徴は、凸部111Aが形成されたケース11の内側面と、ケース11に収納された素子12の円柱状の側面である外面との間に熱膨張した後の熱膨張部材19を有する点にある。図4Bでは、熱膨張部材19は、ケース11の内側面と素子12の外面との間を埋め尽くしている。つまり、熱により膨張した熱膨張部材19は、凸部111Aが形成されたケース11の内側面に接触または当接する。さらに、熱により膨張した熱膨張部材19は、素子12の円柱状の側面とも接触または当接する。従って、ケース11と素子12の間に熱膨張部材19は介在し、熱により膨張した状態で配置される。そのため、コンデンサ1に振動や衝撃が加わった場合でも、熱膨張部材19によっ
て、凸部111Aを有するケース内の素子12を固定する固定精度が向上し、ケース11と素子12が一体となるため、ステッチ134や境界箇所135への応力集中を抑制でき、良好な耐振性または耐衝撃性が得られる。
熱膨張部材19は、加熱処理により膨張する膨張部材である。熱膨張部材19は熱を加えることで、熱膨張部材19の厚さが熱を加える前後の変化において増加すればよい。熱膨張部材19は、熱により膨張した後の状態を非可逆的に維持できる材料であることが望ましい。熱膨張部材19は、熱膨張性を有すれば、有機物質であっても、無機物質であっ
てもよい。熱膨張部材19は熱を加えることで熱膨張部材19の厚さが、熱を加える前の厚さから1.5倍から35倍の厚さになればよい。熱を加えることによる厚さのより好ましい変化の範囲は2倍から25倍であり、さらに好ましくは2.5倍から15倍である。2倍から25倍の範囲であれば、熱膨張部材19は、コンデンサが耐振性または耐衝撃性を得られる厚さに膨張し、かつコンデンサの電気的特性に影響を与えることなく膨張する。さらに2.5倍から15倍の範囲であれば熱膨張部材19は、コンデンサが耐振性または耐衝撃性を得るために適した厚さに膨張し、かつコンデンサの電気的特性に影響を与える機械的ストレスの発生を抑制しつつ熱膨張部材19が膨張することができる。なお、熱膨張部材19のみに熱を加えたときの熱膨張部材19の膨張による状態の変化がケース11と素子12の間より大きくとも、コンデンサの電気的特性に影響を与えない範囲でケース11と素子12の間を埋めることができれば熱膨張部材19として用いてもよい。また、本実施形態において、熱膨張部材19の厚さとはケースの中心軸からケース側面に向かう方向に対して熱膨張部材19が有する幅を指す。
熱膨張性を有する有機物質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ブチル樹脂、ポリフッ化ビニリデン等が例示できる。
熱膨張性を有する有機物質は、必要に応じて発泡剤を含んでもよい。発泡剤は、熱膨張部材19を膨張させる工程において熱を加えたときに発泡し、熱膨張部材19が膨張した状態を非可逆的に維持できる特性が得られればどのような材料であってもよい。なお、コンデンサの特性への影響を考慮すると、塩素を含むポリ塩化ビニル以外の材料が望ましい。また、熱膨張性を有する無機物質としては熱膨張黒鉛が例示できる。
図4Bに示すコンデンサ1は巻回した円柱状の素子12の外面に、テープ状の熱膨張部材19(以下、熱膨張テープ19A)を巻き付けている。そして、熱膨張テープ19Aが巻き付けられた素子12がケース11に収納される。なお、素子12には、電解液が含浸される。素子12への電解液の含浸は、素子12がケース11に収納される前でもよい。また、素子12への電解液の含浸は、素子12がケース11に収納された後でもよい。
ケース11の開口端に封口ゴム14が配置される。封口ゴム14は、例えばケース11の一方端側の開口端を封止することによってケース11の開口端に固定される。これにより、ケース11の開口端が封止される。
次に、ケース11の開口端が封止されたコンデンサ1に熱処理工程が実施される。熱処理工程では、ケース11および素子12の温度が、熱膨張テープ19Aが膨張する温度で所定時間維持される。熱処理工程でケース11および素子12が維持される温度および時間は、熱膨張テープ19Aの材質により決定される。ただし、コンデンサの電気的特性を考慮すると、170度以下の温度で熱膨張部材19を膨張させることが望ましく、より好ましくは150度以下の温度で熱膨張部材19を膨張させることが望ましい。
図5は、図4Bに例示したケース11および素子12の断面構造を例示する図である。図5の断面は、Z軸に垂直な平面で、凸部111が最もケース内側に向かって深くなる位置(例えばZ=Z1)において図4Bのコンデンサ1を切断したものである。今、凸部111の外面部分を凹部111Bと呼ぶことにする。また、凸部111によってケース11の内側面から内側に突出した部分を凸部111Aと呼ぶことにする。
図5のように、ケース11の外面(有底筒状の側面)は、ケース11の中心軸から、例えば距離R10にある。また、凸部111Aは、ケース11の中心軸から、例えば距離R11にある。また、素子12の外面(円柱状の側面)は、ケース11の中心軸から、例え
ば距離R12にある。図5のように、ケース11の中心軸から素子12の外面までの距離R12よりも、ケース11の中心軸から凸部111Aまでの距離R11の方が長い。したがって、素子12の外面と、凸部111Aとの間に隙間が形成される。この隙間を含むケース11の内部空間に、熱膨張テープ19Aから熱膨張した熱膨張部材19が埋め込まれる。なお、素子12の外面と凸部111Aとの隙間は0mmから3mmの範囲となるようにすることが望ましく、より望ましくは0.05mmから1mmの範囲となるようにすることが好ましい。0.05mmから1mmの範囲となるようにすれば、素子を挿入しやすく、かつ、熱膨張部材を膨張させたときに良好な耐振性または耐衝撃性が得られる。
図6A~6Cは、コンデンサ1の製造工程を例示する図である。この製造工程では、まず、図6Aに示すように、凸部111を有するケース11に素子12を封入する(S1)。素子12には、熱膨張テープ19Aが巻き付けられている。次に、図6Bに示すように封口ゴム14をカーリング処理により、カーリング部112を形成する(S2)。S2は封止工程ということができる。そして、図6Cに示すように熱膨張テープ19Aを熱膨張させる(S3)。
なお、すでに述べたように、素子12への電解液の含浸方法は、電解液に含浸する方法と、ケース11に電解液を入れて素子12を封入する方法がある。本実施形態では、素子12への電解液の含浸方法に限定はなく、いずれの方法でもよい。
また、熱膨張テープ19Aを素子止め用のテープの代わりに用いてもよい。すなわち、素子12は比較例の素子312と同様、陽極箔121A、電解紙122A、陰極箔121B、および電解紙122Bを重畳し、巻回して形成する。この巻回した素子12の最外周を熱膨張テープ19Aを用いて巻き止めることで固定して、巻き取り状態を維持するようにしてもよい。ただし、熱膨張性のない素子止めテープにより巻き取り状態を維持し、さらに、素子止めテープの上にさらに熱膨張テープを貼ってもよい。さらに、その上に、別途熱膨張部材19を設けてもよい。したがって、S1の工程の前に、素子12と素子止めテープを一体化させる工程が実行されることで、上記巻き取り状態が維持されるとともに、熱膨張テープ19Aを素子12に巻き付けることができる。なお、素子止めテープはポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、エチレンプロピレンターポリマー、ポリエチレンナフタレート等の樹脂テープやゴムテープを用いてもよい。
熱膨張工程(S3)を実行するタイミングは再化成時の熱付加時(再化成工程)としてもよい。すなわち、コンデンサ1の製造では、比較例で例示した陽極箔121A、電解紙122A、陰極箔121B、および電解紙122Bを重ね合わせて巻回する工程、これらを切断する工程等で、陽極箔121Aに形成した誘電体酸化皮膜に欠損が生じることがある。そこで、素子12がケース11に封止された後、再化成(エージング)が実行される。再化成工程では、所定の温度に加熱されたコンデンサ1に電圧を印加することで、誘電体酸化皮膜の欠損が修復される。すなわち、熱膨張工程(S3)は、再化成工程で実行できる。ただし、再化成工程とは別に、熱膨張工程(S3)を設けてもよい。
図7Aおよび図7Bは、図6B及び図6Cに示す凸部111の近傍T1及び近傍T2を拡大した図(図6B、6Cに例示される凸部111の近傍を熱膨張の前後についてそれぞれ拡大した図)である。図7Aのように、素子12は、電極箔121と電解紙122を積層した構造を有する。また、素子12の外面には、熱膨張テープ19Aが巻き付けられている。そして、ケース11の外側面の凹部111Bによってケース内側に形成される凸部111を含むケース11の内側面と、熱膨張テープ19Aが巻き付けられた素子12との間には、凸部111Aと素子12の対向する面との間およびその近傍の間には内部空間である隙間SP1が形成されている(封止工程S2)。そして、熱膨張工程(S3)により
、図7Bに示すように熱膨張テープ19Aが熱膨張し、隙間SP1と隙間SP1のさらに周囲の凸部111Aと素子12との間の空間が熱膨張後の熱膨張部材19で埋め尽くされる。
(第1の実施形態の効果)
以上述べたように、第1の実施形態の製造方法およびこの製造方法で製造されるコンデンサ1では、ケース11が素子12を収納するための内部空間を有し、ケース内側に(内部空間に)向かって突出した凸部111Aを有する。そして、凸部111Aを含むケース11の内側面と素子12の外面との間に熱膨張部材19が埋め込まれている。このため、コンデンサ1への外力として振動または衝撃が加えられたときでも、熱膨張部材19により、ケース11と素子12とが互いに逆方向に移動する位相、または、ずれた位相で振動すること、あるいは、移動することが抑制される。すなわち、コンデンサ1に外力が加えられた場合でも、ケース11と素子12とが一体となって振動し、あるいは、一体となって同一方向に移動する可能性が高められる。したがって、比較例の図2に例示したようなステッチ134あるいはコールドウェルド法による冷間圧接部に応力が集中することが抑制される。また、比較例の図3に例示したような丸棒部132と扁平部133との接続箇所に応力が集中することが抑制される。したがって、リード13と電極箔との接続部の外力による破断、丸棒部132と扁平部133との間の破断が低減される。
また、凸部111の加工は、ケース11に素子12を収納した状態で行うと、素子12の陽極箔121Aや陰極箔121Bに機械的ストレスを与えないようにするため、高い加工精度が要求されることが想定される。しかし、コンデンサ1では、素子12をケース11に収納する前に、凸部111を形成している。そのため、ケース11が素子12を含む状態で、機械的ストレスを与える可能性のある凸部111を形成する加工工程が存在しない。さらに、熱膨張部材19は膨張時に、素子12に対して素子12の側面に沿って円周上に面で接触するように膨張し、熱膨張部材19が埋め込まれる。そのため、局所的に機械的ストレスが加わることを抑制することができる。その上、熱膨張部材19は、ケース11に対して凸部111Aに沿って徐々に接触する。そのため、熱膨張時にケース11から熱膨張部材19が受ける素子12方向への反作用を分散することができる。そして、熱膨張後の熱膨張部材19は、凸部111Aと凸部111Aの対向する素子との間において、ケース11とケース11の凸部111Aが非形成の面と対向する素子の間に比べ、密に空間を埋め尽くし、凸部111Aと素子12との接触面積を大きくしている。したがって、コンデンサ1の耐振性や耐衝撃性を向上することができる。
[第2の実施形態]
図8A、8Bは、第2の実施形態に係るコンデンサ1Aの構造と、その製造方法を例示する図である。上記第1の実施形態では、ケース11の内側面と素子12の外面との間に熱膨張部材19が埋め込まれたコンデンサ1が例示された。本実施形態では、この熱膨張部材19がケース11の内側に向かって内部空間に突出した凸部111Aの近傍に限定して埋め込まれたコンデンサ1Aが例示される。熱膨張部材19の構造以外のコンデンサ1Aの構造、構成、およびその作用は第1の実施形態のコンデンサ1と同様である。そこで、コンデンサ1Aの構成のうち、第1の実施形態のコンデンサ1と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図8A、8Bは、コンデンサ1Aのリード13-1、13-2のそれぞれの中心を通る平面で切断したコンデンサ1Aの概念的な断面図である。図8A、8Bも、図4Bと同様、素子12の断面は省略されて例示されている。
図8A、8Bのように、コンデンサ1Aは、断面で例示されるケース11と、ケース11に収納された素子12と、素子12の電極箔に接続されるリード13-1、13-2と
、封口ゴム14とを有する。なお、リード13-1、13-2を総称する場合には、単にリード13という。
第2の実施形態のコンデンサ1Aの特徴は、熱処理工程の前、熱膨張テープ19Aが、素子12の外面のうち、ケース11の内側に向かって突出した凸部111Aに対向する付近に限定して付されている点にある(図8A)。このため、熱処理工程で加熱され、熱膨張によって形成される熱膨張部材19は、凸部111Aと凸部111Aに対向する付近の素子12の外面とによって挟まれた部分に限定して埋め込まれる。すなわち、図8Bに示すように、熱膨張部材19は、ケース11の内部空間の一部に介在している。
このような構成をとることでも、振動または衝撃等の外力によって、素子12とコンデンサ1Aの本体(ケース11、封口ゴム14等)が異なる方向に変位することが抑制される。すなわち、素子12とコンデンサ1Aの本体の振動の位相がずれること、または、逆になることが抑制される。同時に、図8Bの構造をとることで、コンデンサ1Aでは、ケース11の熱膨張部材19を含まない内部空間が第1の実施形態のコンデンサ1と比較して拡がる。すなわち、コンデンサ1Aは第1の実施形態のコンデンサ1よりも空間率を上げることができる。このため、例えば、ケース11内で電圧印加時に水の電気分解またはハロゲン元素の腐食によって、ガスが発生した場合でも、ケース11の膨張を防ぐことができる。すなわち、図8Bのコンデンサ1Aは、ケース11がアルミニウムを用いたケースであったとしても、耐振性や耐衝撃性を向上させつつ、ガスの発生によるケース11への影響を緩和することができる。
[第3の実施形態]
図9A、9Bは、第3の実施形態に係るコンデンサ1Bの構造と、その製造方法を例示する図である。上記第1の実施形態では、ケース11の内側面と素子12の外面との間に熱膨張部材19が埋め込まれたコンデンサ1が例示された。第2の実施形態では、この熱膨張部材19がケース11の内側に向かって内部空間に突出した凸部111Aの近傍に限定して埋め込まれたコンデンサ1Bが例示された。
本実施形態では、熱膨張部材19が素子12のケース底面側に配置する端面12Bとケース11の底面11Bとの間の空間SP2にまで延在するコンデンサ1Bが例示される。このような熱膨張部材19の構造以外のコンデンサ1Bの構造、構成、およびその作用は第1の実施形態のコンデンサ1、第2の実施形態のコンデンサ1Aと同様である。そこで、コンデンサ1Bの構成のうち、第1の実施形態のコンデンサ1と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9A、9Bは、コンデンサ1Bのリード13-1、13-2のそれぞれの中心を通る平面で切断した概念的な断面図である。ただし、図9A、9Bも、図4Bまたは図8A、8Bと同様、素子12の断面は省略されて例示されている。なお、図9A、9Bも、図2Aと同様、2本のリード13-1、13-2が並ぶ方向をX軸方向とする。また、2本のリード13-1、13-2の端子が素子12から延びる方向をZ軸方向とする。さらに、Y軸方向は、2つのリード13-1、13-2が配列する方向であるX軸方向およびリード13の端子の素子12からの延伸方向であるZ軸に直交する方向である。
図9A、9Bのように、コンデンサ1Bは、図4Bと同様、断面で例示されるケース11と、ケース11に収納された素子12と、素子12の電極箔に接続されるリード13-1、13-2と、封口ゴム14とを有する。
第3の実施形態のコンデンサ1Bの特徴は、熱処理工程の前、熱膨張テープ19Aが素子12の円柱状の側面(ケース開口端側とケース底面側の2つの端面で挟まれた円柱状の
外面)に加えて、素子12の円柱状のケース底面側に配置される端面12Bに回り込んで付されている点にある(図9A)。このため、熱処理工程で加熱されると、熱膨張テープ19Aがケース11の内側面と素子12の側面との間の隙間SP1に加えて、さらに、素子12のケース底面側の隙間SP2にも延在し、埋め込まれる。すなわち、図9Bに示すように、素子12の円柱状の一方の端面であるケース底面側に配置される端面12Bと、ケース11の内側の底面11Bとの間の隙間SP2の少なくとも一部に熱膨張部材19が埋め込まれて、介在する。
以上のように、本実施形態のコンデンサ1Bは、素子12の底面側にも膨張した熱膨張部材19を有する。このような構造により、コンデンサ1Bに対して、Z軸方向の振動または衝撃が加わった場合でも、振動または衝撃を和らげることができ、耐振性、耐衝撃性を更に向上することができる。ここで、Z軸方向は、2本のリード13-1、13-2の端子が素子12から延びる方向である。
なお、コンデンサ1Bは、素子12のケース底面側の他、素子のケース開口端側に配置される端面に膨張した熱膨張部材19を有してもよい。すなわち、熱膨張テープ19Aを素子12のケース開口端側に配置される端面と封口ゴム14との隙間に埋め込み、熱膨張させてもよい。したがって、熱膨張部材19は、柱状の素子12の側面とケース11の有底筒状の内側面との間に介在するとともに、少なくとも、柱状の素子12の一方の端面とケース11の底面との間にまで延在しているものでもよい。
[その他の変形例]
図10A乃至10Cは、変形例に係るコンデンサ1C乃至1Eを例示する図である。図10Aのコンデンサ1Cは、ケース11に複数の凸部111-1、111-2を有する。凸部111-1、111-2は、第1の実施形態のコンデンサ1と同様、有底筒状のケース11の外側面上で有底筒状のケース11の中心軸周りに形成された複数の環状の溝部となっている。なお、凸部111の数は、2に限定されず、3以上でもよい。また、この環状の溝部は、環が形成する面の法線がZ軸に対して傾いていてもよい。すなわち、有底筒状のケース11を斜めに切断した断面の外周に沿うように、環状の溝部が形成されてもよい。ケース11の外側面上に凸部111を複数形成することで、ケース11の内部空間には、ケース11の内側面から内側に向かって突出した凸部111A(図4A、4B、図7A、7B参照)が複数形成される。したがって、コンデンサ1Cでは、熱膨張部材19とケース11の接する箇所を増やすことができる。したがって、凸部が単一の場合と比較して、コンデンサ1Cは、熱膨張部材19を安定して維持できる。その結果、コンデンサ1Cは、耐振性、耐衝撃性を更に向上することができる。
図10Bのコンデンサ1Dは、有底筒状のケース11の外側面上で有底筒状のケース11の中心軸周りに形成された環状の溝部である凸部111の代わりに、凹面レンズ状の孤立した、1または複数の窪み111Cを有する。ここで、「孤立した」とは、コンデンサ1Cのような環状の連続した溝部ではないという意味である。窪み111Cは、ケース11の外側面上で有底筒状のケース11の中心軸周りに、例えば、1個、2個または3個以上形成される。この窪み111Cはディンプルとも呼ばれる。窪み111Cの断面形状に限定はなく、例えば、球面の一部でもよいし、放物線を回転された放物面でもよい。また、窪み111Cの断面形状は、他の2次曲線以上の曲線を回転されたものでもよい。また、窪み111Cの断面形状は、線を回転されたものではなく、窪み111Cの中心に対して対称な形状でなくてもよい。
コンデンサ1Dでは、熱膨張部材19が膨張時に接触する面が球面、二次曲面、その他の滑らかに変化する面であるため、素子12に余計な機械的ストレスを加えることなく、耐振性と耐衝撃性を向上できる。また、コンデンサ1Dでは、熱膨張部材19が孤立して
突出する凸部と接触するため、熱膨張部材19が膨張する時に生じる機械的ストレスの発生が特定部分に限定された状態で、耐振性と耐衝撃性を向上できる。
図10Cのコンデンサ1Eは、コンデンサ1Eが有する凹面レンズ状の窪み111Cを有底筒状のケース11の外側面上で有底筒状のケース11の中心軸周りの1つの円周上以外の位置に設けたものである。すなわち、コンデンサ1Eは、ケース11の外面上で様々な位置に孤立した凹面レンズ状の窪み111Cを有する。コンデンサ1Eにおいても、熱膨張部材19が膨張時に接触する面が球面、二次曲面、その他の滑らかに変化する面であるため、素子に余計な機械的ストレスを加えることが抑制される。さらに、コンデンサ1Eでは、様々な角度から加わる振動や衝撃に対して、より耐振動性と耐衝撃性を得ることができる。なお、窪み111Cの数や位置は図10のコンデンサ1Eに限定されるもので
はない。
図11は、他の変形例のコンデンサ1Fを例示する概念的な断面図である。図11では、図4B、図8A、8B等と同様、素子12の断面は省略されて例示されている。コンデンサ1Fのケース11には、図4A、4Bのコンデンサ1が有する凸部111、図10B、10Cのコンデンサ1D、1Eが有する窪み111Cがない。コンデンサ1Fの特徴は、素子12を収納する内部空間に内側面から突出する凸部111Dがケース11の外観の変形なしに形成されている点にある。図11では、凸部111Dがケース11の底面11Bに近い位置で、底面11Bの一部と重畳し、あるいは接触して形成されている。ただし、凸部111Dがケース11の底面11Bから離間した位置に形成されてもよい。また、図11では、凸部111Dと素子12の円柱状の側面との間に隙間が存在しない。しかし、凸部111Dと素子12の円柱状の側面との間に隙間が設けられてもよい。例えば、図4A、図4B、図8A、図8B、図10Aのコンデンサ1、1B、1C等のような凸部111を形成しないで、凸部111A等(図8A、8B参照)と同様の位置に同様の形状で凸部111Dが形成されてもよい。すなわち、コンデンサ1Fは、ケース11に加締めやディンプルを形成する加工なしに、絞り加工またはエンボス加工等により、凸部111Dを形成することによって上記コンデンサ1乃至1Eと同様の効果を発揮する。また、コンデンサ1Fの凸部111Dは、ケース11の内部空間にリング状の部材を圧接した状態で挿入することで形成してもよい。
上記第1の実施形態、第2の実施形態等では、凸部111は、有底筒状のケース11の外側面上で有底筒状のケース11の中心軸周りに形成された環状の溝部となっている。しかし、凸部111(および凸部111A)がこのような形状に限定される訳ではない。すなわち、他の変形例として、2つのリード13-1、13-2が配列する方向(図4B等のX軸方向)と直交する方向に、ケース11の内側面に凸部を設けてもよい。例えば、ケース11の外側面上で、図4のZ軸方向(ケース11の中心軸に平行な方向)に延伸する溝部により、ケース11の内側面に凸部を設けてもよい。溝部は、ケース11の軸方向の長さ全体に形成されてもよいし、ケース11の軸方向の一部の範囲に限定して形成されてよい。このような凸部を有することで、熱膨張部材19が膨張する時に生じる機械的ストレスの発生が特定部分に限定された状態で、Y軸方向とZ軸方向に対する耐振性と耐衝撃性を向上することができる。
この場合に、図11の凸部111Dと同様の位置で、溝部がケース11のZ軸方向の一部の範囲に限定して、ケース11の底面11Bの近傍で底面11Bの一部と重畳して形成してもよい。この場合、ケース11の底面11B側よりも、ケース11の両端面に挟まれた中間位置に近い、中心側の凸部(溝部)の幅を細くすることで、熱膨張部材19が膨張時に、素子が急激に機械的ストレスを受けることを防ぐことができる。
さらに、上記各実施形態では、素子12は、比較例の図1の素子312と同様、陽極箔
121A、電解紙122A、陰極箔121B、および電解紙122Bを重畳し、巻回した円柱状の構造を有する。しかし、コンデンサ1乃至1Fがこのような素子12の構造に限定される訳ではない。すなわち、上記各実施形態で例示した熱膨張部材19を有するコンデンサ1乃至1Fにおいて、素子12の構造に限定がないことは当然である。例えば、素子12として、電解紙122A、陽極箔121A、電解紙122B、および陰極箔121Bを積み重ねた構造であってもよい。この場合に、素子12は、円柱状でなくてよい。例えば、角柱状、直方体、または立方体の形状であってもよい。したがって、角柱状、直方体、または立方体も、柱状の一例である。
さらに、上記各実施形態では、熱膨張部材19として熱膨張テープ19Aを用いたが、フィルムやシート状の熱膨張部材19をケース11と素子12の間に配置してもよい。また、ケース11の内側面に熱膨張部材19を付着、又は、接触するように配置してもよい。
さらに、上記各実施形態では、ケース11に凸部111を設ける工程を、素子12をケース11に収納する前に行ったが、凸部111を有さないケース11と素子12の間に熱膨張部材19を設け、封止した後に熱膨張部材19を膨張させて、素子12の外面とケース11との隙間を熱膨張部材19で埋め尽くしてもよい。また、凸部111を設ける工程が、ケース11に素子12を収納した後に、ケース11の内側面と素子12の外面との間に、素子12と接触しない凸部111を設ける工程であり、素子12と接触しない凸部をケース11に設けた後に熱膨張部材19を膨張させて、素子12と凸部111の隙間を熱膨張部材19で埋め尽くしてもよい。また、凸部111を有さないケース11と素子12の間に熱膨張部材19を設け、熱膨張部材19を膨張させた後に、凸部111をケース11に設けてもよい。なお、上記各実施形態に示すように、ケース11に素子12を収納する前に凸部111を設けることが望ましい。
さらに、上記各実施形態では、図示しない電解液を用いてコンデンサ1乃至1Fを作成したが、電解液に限定される訳ではない。すなわち、電解液の代わりに導電性高分子を用いた固体電解コンデンサであってもよい。また、電解液ととともに導電性高分子を備えてもよい。さらに、上記各実施形態では、電解コンデンサを用いて説明したが、以上の各実施形態を二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、レドックスキャパシタ、燃料電池、太陽電池に適用してもよい。
1、301 コンデンサ
11、311 ケース
12、312 素子
13、313 リード
14、314 封口ゴム
19 熱膨張部材
19A 熱膨張テープ
111 凸部
111A 凸部
111B 凹部
111C 窪み
121 電極箔
122 電解紙
132 丸棒部
133 扁平部
13M 金属線

Claims (11)

  1. 巻回した素子とケースの間に熱膨張部材を設ける工程と、
    前記熱膨張部材を膨張させる工程と、を有する蓄電デバイスの製造方法。
  2. 前記熱膨張部材を設ける工程が、前記素子の外面に前記熱膨張部材を設ける工程である請求項1に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  3. 前記ケースにケース内側へ突出した凸部を形成する工程を含む請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  4. 前記ケース内側へ突出した凸部を形成する工程が、
    前記熱膨張部材を膨張させる工程より前に行われる請求項3に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  5. 前記ケース内側へ突出した凸部を形成する工程が、
    前記熱膨張部材を膨張させる工程より後に行われる請求項3に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  6. 前記熱膨張部材を設ける工程が、前記熱膨張部材を用いて前記素子の最外周を巻き止める工程である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  7. 前記熱膨張部材を膨張させる工程が、再化成工程である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  8. 前記ケース内側へ突出した凸部を形成する工程が、
    前記ケースの外側面上で前記ケースの中心軸周りに、1または複数の環状の溝部を形成することによって、前記ケース内側に突出させる工程である請求項3乃至5のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  9. 前記ケース内側へ突出した凸部を形成する工程が、
    前記ケースの外側面上に1または複数の窪みを形成することによって前記ケース内側に突出させる工程である請求項3乃至5のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  10. 巻回した素子と、
    ケースの内側面と前記素子の外面との間に設けられた熱膨張部材と、を備え、
    前記熱膨張部材は、加熱処理によって膨張した熱膨張部材であることを特徴とする蓄電デバイス。
  11. 前記ケースはケース内側に向かって突出した凸部を有し、
    前記熱膨張部材は、前記凸部と前記凸部に対向する前記素子の外面との間に介在することを特徴とする請求項10に記載の蓄電デバイス。
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