JP2012064601A - アルミニウム電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子を封口板付き金属ケースに収納し、前記陽極箔と前記陰極箔とに引き出しリードタブの片端を接続して前記封口板側に導出し、前記引き出しリードタブのもう一方の片端と前記封口板に設けた外部端子とを接続した電解コンデンサにおいて、高リプル等に対応するために、電極の抵抗を下げるのに、引き出しリードタブの本数を増やし、その設置場所をコンデンサ素子の電極箔の巻き心から巻きの外周まで分散して設けると、コンデンサ素子をケースに収納し、引き出しリードタブを折りたたんで収納するときに、陽極側の引き出しリードタブの一部がアース側の金属ケースと接触してショートしてしまうようなことのないアルミニウム電解コンデンサを提供することを目的としている。
【解決手段】導出した引き出しリードタブを囲むように、コンデンサ素子の外周に沿って、絶縁テープを設ける。
【選択図】図1
【解決手段】導出した引き出しリードタブを囲むように、コンデンサ素子の外周に沿って、絶縁テープを設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、アルミニウム電解コンデンサに関するものである。
従来、アルミニウム電解コンデンサは、アルミニウムの箔を陽極と陰極とに使用し、セパレータを介して巻回してコンデンサ素子として、電解液とともに封口板付きケースに収納していた。このコンデンサ素子から外部に電極を引き出すために、陽極と陰極とに、アルミニウムの箔からなる引き出しリードタブの片端を接続し、また、引き出しリードタブのもう一方の片端には、封口板に設けた外部端子と接続していた。
ところで、引き出しリードタブは、外部端子と接続するときに接続作業がしやすいように長さが長くなっていて、ケースに収納するときには、特許文献1に示すように、折りたたまれて収納されている。
ところで、引き出しリードタブは、外部端子と接続するときに接続作業がしやすいように長さが長くなっていて、ケースに収納するときには、特許文献1に示すように、折りたたまれて収納されている。
しかし、高リプル等に対応するために、電極の抵抗を下げる方法が有効であるが、電極の抵抗を下げるのに、引き出しリードタブの本数を増やし、その接続場所をコンデンサ素子の電極箔の巻き心から巻きの外周まで分散して設けると、コンデンサ素子をケースに収納し、引き出しリードタブを折りたたんで収納するときに、陽極側の引き出しリードタブの一部がアース側の金属ケースと接触してショートしてしまう不具合が生じてしまう場合がある。
本発明は、引き出しリードタブが、金属ケースと接触してショートしてしまうようなことのないアルミニウム電解コンデンサを提供することを目的としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子を封口板付き金属ケースに収納し、前記陽極箔と前記陰極箔とに引き出しリードタブの片端を接続してその引き出しリードタブを前記封口板側に導出し、前記引き出しリードタブのもう一方の片端と前記封口板に設けた外部端子とを接続したアルミニウム電解コンデンサにおいて、導出した前記引き出しリードタブを囲むように、前記コンデンサ素子の外周に沿って、絶縁テープを前記コンデンサ素子の少なくとも端部に貼り付けたことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサを提供する。
また、陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し外周を絶縁テープにより巻き止めしたコンデンサ素子を封口板付き金属ケースに収納し、前記陽極箔と前記陰極箔とに引き出しリードタブの片端を接続してその引き出しリードタブを前記封口板側に導出し、前記引き出しリードタブのもう一方の片端と前記封口板に設けた外部端子とを接続したアルミニウム電解コンデンサにおいて、前記絶縁テープを前記引き出しリードタブ側に、この引き出しリードタブを囲むように導出して、前記コンデンサ素子の外周に沿って貼り付けたことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサを提供する。
また、陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し外周を絶縁テープにより巻き止めしたコンデンサ素子を封口板付き金属ケースに収納し、前記陽極箔と前記陰極箔とに引き出しリードタブの片端を接続してその引き出しリードタブを前記封口板側に導出し、前記引き出しリードタブのもう一方の片端と前記封口板に設けた外部端子とを接続したアルミニウム電解コンデンサにおいて、前記絶縁テープを前記引き出しリードタブ側に、この引き出しリードタブを囲むように導出して、前記コンデンサ素子の外周に沿って貼り付けたことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサを提供する。
本発明によれば、コンデンサ素子の封口板側に導出した引き出しリードタブを囲むように、コンデンサ素子の外周に沿って、絶縁テープを設けるため、コンデンサ素子をケースに収納し、引き出しリードタブを折りたたんで収納するときに、陽極側の引き出しリードタブの一部がアース側の金属ケースと接触してショートしてしまう不具合が生じ難い。
そのため、高リプル等に対応するために、電極の抵抗を下げるのに、引き出しリードタブの本数を増やしたアルミニウム電解コンデンサを容易に提供することができる。
そのため、高リプル等に対応するために、電極の抵抗を下げるのに、引き出しリードタブの本数を増やしたアルミニウム電解コンデンサを容易に提供することができる。
本発明に述べる陽極箔は、アルミニウム電解コンデンサに使用される一般的な陽極箔で、厚さ50μmから150μm程度のアルミニウム箔等を、酸水溶液中で、その表面をエッチング処理し、直径が0.1μmから2μm程度のエッチングピットを設けた後、ホウ酸アンモニウム等の水溶液中で、定格電圧の1.5倍程度の電圧を印加して化成し、コンデンサとしての耐圧性の陽極酸化皮膜を形成したもので、化成後、引き出しリードタブを取り付けるものである。
本発明に述べる陰極箔は、アルミニウム電解コンデンサ使用される一般的な陰極箔で、厚さ20μmから100μm程度のアルミニウム箔等をそのまま、または酸水溶液中に浸漬し、その表面をエッチング処理し、引き出しリードタブを取り付けるものである。
特に厚さは、厚い方が放熱性の点と共に曲がりやすい陰極箔の形状安定性を得ることができるので好ましいが、あまり厚いと対容積あたりの容量が低下するため、50μmから70μm程度にすることが好ましい。
特に厚さは、厚い方が放熱性の点と共に曲がりやすい陰極箔の形状安定性を得ることができるので好ましいが、あまり厚いと対容積あたりの容量が低下するため、50μmから70μm程度にすることが好ましい。
本発明に述べるセパレータは、陽極箔と、陰極箔とを物理的にわけると共に、電解液を保持する役目をする多孔質シートで、マニラ紙、ヘンプ紙、クラフト紙などの従来から使用されてきた電解紙を主材料としたものである。大きさはコンデンサの大きさにより選定されるが、おおよそ幅は、陽極箔幅より広く、1cmから30cm程度で、長さは数cmから数mほどのもの、厚さは数μmから数10μmほどのものである。セパレータの構成としては、単純密度紙のほか、一枚が相対的に繊維の密な高密度な層と、相対的に繊維の粗な低密度な層の複層紙などであってもよい。
本発明に述べるコンデンサ素子は、陽極箔と、陰極箔とを電解紙等のセパレータを介して巻き回したもので電解液を含浸してある。
本発明に述べる金属ケースは、上面が開口したアルミニウム等の金属材からなり、コンデンサ素子を収納する。外観的に円柱状や楕円柱状の円筒形または角形に形成されている。金属ケース内側の底部には、中央にコンデンサ素子巻き芯の固定用の突起等があってもよい。
本発明に述べる封口板とは、金属ケース上面の開口部を封口するもので、インサート樹脂モールド成形体、ゴム成形体または紙フェノール絶縁板にゴムシートを貼り合わせた積層体等から作成されている。また、封口板には、金属ケース内部の圧力が上昇した場合、それを逃がす圧力弁等を設ける場合もある。
インサート樹脂モールド成形体としては、予め端子を成形金型にセットし、形締め、金型を加熱、絶縁材料からなるモールド樹脂材を溶融させ一定の圧力で流し込むことで一体的に成形を行っている。ポリプロピレン、ポリフェニリンサルファイドまたはフェノール等の絶縁樹脂からなり、3〜50mm程度の厚さがある。ケースの近傍の内周面に設けた突起に載せられ、封口板の最外周には、段面が三角形状の突起が設けられ、ゴム等の弾性材からなる弾性体が配置される場合もある。そしてこの弾性体にカーリングによるケースの屈曲した先端をくい込ませて密閉性を向上している。
紙フェノール絶縁板にゴムシートを貼り合わせた積層体としては、紙基材に、架橋前のフェノール樹脂をアルコールなどに溶解したものを含浸させ、乾燥後、加熱架橋硬化させたものが使用されている。また、ゴムシートのゴム材としてはブチルゴム、エチレンプロピレンゴムなどが使用されている。
また、ゴム貼り紙フェノール絶縁板の裏面には、イオン物質遮断性の樹脂フィルム、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンの共重合体、またはポリフェニレンサルファイドフィルム、フッ素樹脂フィルムなどを重ね、接着一体化してもよい。
インサート樹脂モールド成形体としては、予め端子を成形金型にセットし、形締め、金型を加熱、絶縁材料からなるモールド樹脂材を溶融させ一定の圧力で流し込むことで一体的に成形を行っている。ポリプロピレン、ポリフェニリンサルファイドまたはフェノール等の絶縁樹脂からなり、3〜50mm程度の厚さがある。ケースの近傍の内周面に設けた突起に載せられ、封口板の最外周には、段面が三角形状の突起が設けられ、ゴム等の弾性材からなる弾性体が配置される場合もある。そしてこの弾性体にカーリングによるケースの屈曲した先端をくい込ませて密閉性を向上している。
紙フェノール絶縁板にゴムシートを貼り合わせた積層体としては、紙基材に、架橋前のフェノール樹脂をアルコールなどに溶解したものを含浸させ、乾燥後、加熱架橋硬化させたものが使用されている。また、ゴムシートのゴム材としてはブチルゴム、エチレンプロピレンゴムなどが使用されている。
また、ゴム貼り紙フェノール絶縁板の裏面には、イオン物質遮断性の樹脂フィルム、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンの共重合体、またはポリフェニレンサルファイドフィルム、フッ素樹脂フィルムなどを重ね、接着一体化してもよい。
本発明に述べる外部端子は、封口板を貫通する端子で、封口板がインサート樹脂モールド成形体の場合は、インサート成形により一体的成形されるネジ付き端子や、紙フェノール絶縁板にゴムシートを貼り合わせた積層体の場合は、ゴム板側からリベットとそれに取り付けた金属板端子を設け、封口板に設けた貫通穴に差し込み、引き出しリード箔を接続固定するため、引き出しリード箔の端部に穴をあけて、二枚のアルミニウムのワッシャではさんで、リベットの円柱部分に差し込み、機械的にかしめる構成になっている。
本発明に述べる引き出しリードタブは、コンデンサ素子と外部端子とを電気的に接続する導体で、50μmから500μm程度の厚さのアルミニウム箔を、短冊状に切り出したもので、エッチングなどの粗面化加工の施されていないプレンの箔が用いられている。陽極側の引き出しリードタブについては、陽極酸化が施されたものも使用される。これらの端子の下端部は、陽極箔あるいは陰極箔と電気的に接続する。陽極箔あるいは陰極箔との電気的な接続は、陽極箔および陰極箔の表面に陽極引き出しリードタブおよび陰極引き出しリードタブをそれぞれ重ねた状態での加締めあるいは溶接などによってなされている。
本発明に述べる絶縁テープは、2μmから100μm程度、好ましくは10μmから50μm程度の薄い厚さの平らな樹脂シート体で、熱融着性があればそのまま、融着性がなければ、粘着性、接着性または熱融着性の材料を片面に塗布したもので、導出した引き出しリードタブを囲むように、コンデンサ素子の外周に沿って、コンデンサ素子の少なくとも端部に貼り付ける。絶縁テープの先端は、封口板を封口したとき、封口板の内側に接触するぐらい長いほうが、絶縁の点で好ましい。
絶縁テープの製造方法としては、たとえば、ペレットと呼ばれる樹脂粒子を溶融押し出し、ドラム上で冷却固化しシート化する。その後延伸する場合もある。樹脂を溶剤に溶かして薄膜化しその後溶剤を飛ばすコーティング方法による製膜とは異なり、ピンホールがきわめて少ないかまたは実質上皆無のものである。樹脂シートの厚さが2μm以下であると、現状の製造設備によってはシートにピンホールが発生する場合があり好ましくはない。樹脂シートの厚さが100μm以上あると、樹脂シートに可とう性がなくなりやすくなり好ましくない。
樹脂材としては、耐熱性、耐電解液性(たとえば耐アルコール性)のほか、水分油分ハロゲン等の透過性の少ない材質が選ばれる。具体的には、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂から選択できる。
粘着性の材料としては、アクリル系、ポリイソブチレン、プチルゴム、クロロプレンゴムなどから選択できる。
接着性の材料としては、熱可塑性の上記樹脂材や可塑性ウレタン樹脂などから選択できる。
熱融着性の材料としては、熱融着性を有している熱可塑性樹脂で、その融点が130℃〜330℃程度のものが使用できる。熱融着性を有しているものであるならば特に規定はないが、本発明に用いられる熱可塑性樹脂を具体的に挙げるならば、ポリアミド樹脂(ナイロン6・6やナイロン6など)、フッ素ポリマー(パーフルオロアルケンやパーフルオロビニルエーテルなど)、ポリエステル(PETやPBT、ポリカーボネートなど)、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、芳香属ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、芳香属ポリエステル等が挙げられる。また、上記で述べた熱可塑性樹脂層にエポキシ樹脂やアリル基を持った樹脂などの架橋性樹脂を配合させることにより接着性の安定性などを上げることができる。
絶縁テープの製造方法としては、たとえば、ペレットと呼ばれる樹脂粒子を溶融押し出し、ドラム上で冷却固化しシート化する。その後延伸する場合もある。樹脂を溶剤に溶かして薄膜化しその後溶剤を飛ばすコーティング方法による製膜とは異なり、ピンホールがきわめて少ないかまたは実質上皆無のものである。樹脂シートの厚さが2μm以下であると、現状の製造設備によってはシートにピンホールが発生する場合があり好ましくはない。樹脂シートの厚さが100μm以上あると、樹脂シートに可とう性がなくなりやすくなり好ましくない。
樹脂材としては、耐熱性、耐電解液性(たとえば耐アルコール性)のほか、水分油分ハロゲン等の透過性の少ない材質が選ばれる。具体的には、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂から選択できる。
粘着性の材料としては、アクリル系、ポリイソブチレン、プチルゴム、クロロプレンゴムなどから選択できる。
接着性の材料としては、熱可塑性の上記樹脂材や可塑性ウレタン樹脂などから選択できる。
熱融着性の材料としては、熱融着性を有している熱可塑性樹脂で、その融点が130℃〜330℃程度のものが使用できる。熱融着性を有しているものであるならば特に規定はないが、本発明に用いられる熱可塑性樹脂を具体的に挙げるならば、ポリアミド樹脂(ナイロン6・6やナイロン6など)、フッ素ポリマー(パーフルオロアルケンやパーフルオロビニルエーテルなど)、ポリエステル(PETやPBT、ポリカーボネートなど)、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、芳香属ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、芳香属ポリエステル等が挙げられる。また、上記で述べた熱可塑性樹脂層にエポキシ樹脂やアリル基を持った樹脂などの架橋性樹脂を配合させることにより接着性の安定性などを上げることができる。
コンデンサ素子を作成するときに、陽極箔と、陰極箔とを電解紙等のセパレータを介して巻き回した後、巻き止めテープを使用してコンデンサ素子を巻き止めるが、絶縁テープとして、この巻き止めテープと同じものを使用し、巻き止めテープ用の機械を転用して、コンデンサ素子に巻き付けるのが作業性の点と部品点数の削減の点で好ましい。また、巻き止めテープそのものを巻き止め時に、引き出しリードタブ側に導出して引き出しリードタブを囲むようにしてもよい。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るアルミニウム電解コンデンサの断面図を示している。
本発明に係るアルミニウム電解コンデンサは、通常のアルミニウム電解コンデンサと同様に、電極箔を適当な巾に裁断された後、引き出しリードタブ1を接続し、紙などのセパレータと共に捲回され、巻き止めテープ2によりコンデンサ素子3の外周中央部を巻き止めする。その後または巻き止めテープ2を設けるのと同時に、絶縁テープ4をコンデンサ素子3の引き出しリードタブ1側の少なくとも端面に巻き付ける。このとき、引き出しリードタブ1を囲むように、また、好ましくは、絶縁テープ4の導出の先端は封口板5の内面にできるだけ接するように、コンデンサ素子3の端部からはみ出して巻き付ける。
封口板5は、外部端子6を予め成形金型にセットし、インサート樹脂モールド等で行い、一体的に成形を行っている。引き出しリードタブ1は、コンデンサ素子3から引き出され、外部端子6の外部端子6内面側で接続固定されている。また、封口板5内面中央には、陰極と陽極を分ける仕切用突起8を設けている。
図1は、本発明に係るアルミニウム電解コンデンサの断面図を示している。
本発明に係るアルミニウム電解コンデンサは、通常のアルミニウム電解コンデンサと同様に、電極箔を適当な巾に裁断された後、引き出しリードタブ1を接続し、紙などのセパレータと共に捲回され、巻き止めテープ2によりコンデンサ素子3の外周中央部を巻き止めする。その後または巻き止めテープ2を設けるのと同時に、絶縁テープ4をコンデンサ素子3の引き出しリードタブ1側の少なくとも端面に巻き付ける。このとき、引き出しリードタブ1を囲むように、また、好ましくは、絶縁テープ4の導出の先端は封口板5の内面にできるだけ接するように、コンデンサ素子3の端部からはみ出して巻き付ける。
封口板5は、外部端子6を予め成形金型にセットし、インサート樹脂モールド等で行い、一体的に成形を行っている。引き出しリードタブ1は、コンデンサ素子3から引き出され、外部端子6の外部端子6内面側で接続固定されている。また、封口板5内面中央には、陰極と陽極を分ける仕切用突起8を設けている。
図2は、本発明に係るアルミニウム電解コンデンサのコンデンサ素子の斜視図を示している。
図2(a)は、絶縁テープ4と巻き止めテープ2が別の場合を、図2(b)は、絶縁テープ4と巻き止めテープ2とが一体化した場合を示している。いずれの場合も、引き出しリードタブ1側に、絶縁テープ4が、引き出しリードタブ1を囲むように、コンデンサ素子本体の外周に沿ってその端部からはみ出して巻き付ける。
図2(a)は、絶縁テープ4と巻き止めテープ2が別の場合を、図2(b)は、絶縁テープ4と巻き止めテープ2とが一体化した場合を示している。いずれの場合も、引き出しリードタブ1側に、絶縁テープ4が、引き出しリードタブ1を囲むように、コンデンサ素子本体の外周に沿ってその端部からはみ出して巻き付ける。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、実施例は、定格400V、5600μFの電解コンデンサを製造する場合について説明する。
先ず、陽極箔は厚さ100μmのアルミニウム箔を処理して製造する。すなわち、このアルミニウム箔を直流エッチング法によって0.7μF/cm2になるように粗面化する。粗面化後、純水中でボイルする。ボイル後、ホウ酸の化成液中において、600Vの化成電圧をかけて化成し、化成膜を形成する。化成処理後、安定化させるために、リン酸処理をし、その後、幅120mm、長さ8000mmの大きさに切断して、陽極箔とする。
また、陽極用リードタブには化成処理をしない厚さ150μm、幅10mm、長さ160mmのアルミニウム箔を用いる。そしてこの陽極用リードタブの、100mmの長さの部分を陽極箔に2000mmおきに4枚、コールドウェルにより接続する。
陰極箔は、厚さ60μmのアルミニウム箔を塩酸と硫酸の混合酸からなる水溶液中に浸漬し、その表面を電解エッチング処理し、平均直径0.8μmのエッチングピットを設け、200μF/cm2になるように粗面化し、その後、リン酸処理をする。リン酸処理後、幅120mm、長さ8300mmの大きさに切断する。
陰極用リードタブは、アルミニウム箔を長さ150μm、幅1000mmに圧延し、次いで焼なまし、500mmの幅に切断した後、さらに幅10mmの大きさに切断して製造する。そしてこの陰極用リードタブを陰極箔に2000mm間隔で4枚をコールドウェルにより接続する。
電解紙として、厚さ60μm、幅130mm、密度0.6g/m3のマニラ紙の電解紙と、厚さ30μm、幅130mm、密度0.75g/m3のクラフト紙を用いる。
そして、この電解紙を介して陽極箔と陰極箔とを積層して巻回し、樹脂材の厚さ25μmのポリプロピレン樹脂で、厚さ25μmの粘着性の材料としてプチルゴムの巻き止めテープで巻き止めしコンデンサ素子を形成した。その後、巻き止めテープと同じものを使用してをコンデンサ素子の引き出しリードタブ側の端面に、コンデンサ素子の端部から15mmはみ出して巻き付けた。次に、有機酸系の電解液を含浸した。
電解液を含浸後、コンデンサ素子から引き出した陽極用リードタブ及び陰極用リードタブを、各々封口板に貫通して設けた陽極端子及び陰極端子に接続した。
接続後、アルミニウムケースにコンデンサ素子を収納した。収納後、封口板をケースの端に取り付けて、アルミニウムケースを密閉した。アルミニウムケースを密閉後、温度85℃の雰囲気中に放置して425Vの電圧を加えてエージング処理した。エージング処理後、アルミニウムケースに絶縁性のチューブで被覆した。
先ず、陽極箔は厚さ100μmのアルミニウム箔を処理して製造する。すなわち、このアルミニウム箔を直流エッチング法によって0.7μF/cm2になるように粗面化する。粗面化後、純水中でボイルする。ボイル後、ホウ酸の化成液中において、600Vの化成電圧をかけて化成し、化成膜を形成する。化成処理後、安定化させるために、リン酸処理をし、その後、幅120mm、長さ8000mmの大きさに切断して、陽極箔とする。
また、陽極用リードタブには化成処理をしない厚さ150μm、幅10mm、長さ160mmのアルミニウム箔を用いる。そしてこの陽極用リードタブの、100mmの長さの部分を陽極箔に2000mmおきに4枚、コールドウェルにより接続する。
陰極箔は、厚さ60μmのアルミニウム箔を塩酸と硫酸の混合酸からなる水溶液中に浸漬し、その表面を電解エッチング処理し、平均直径0.8μmのエッチングピットを設け、200μF/cm2になるように粗面化し、その後、リン酸処理をする。リン酸処理後、幅120mm、長さ8300mmの大きさに切断する。
陰極用リードタブは、アルミニウム箔を長さ150μm、幅1000mmに圧延し、次いで焼なまし、500mmの幅に切断した後、さらに幅10mmの大きさに切断して製造する。そしてこの陰極用リードタブを陰極箔に2000mm間隔で4枚をコールドウェルにより接続する。
電解紙として、厚さ60μm、幅130mm、密度0.6g/m3のマニラ紙の電解紙と、厚さ30μm、幅130mm、密度0.75g/m3のクラフト紙を用いる。
そして、この電解紙を介して陽極箔と陰極箔とを積層して巻回し、樹脂材の厚さ25μmのポリプロピレン樹脂で、厚さ25μmの粘着性の材料としてプチルゴムの巻き止めテープで巻き止めしコンデンサ素子を形成した。その後、巻き止めテープと同じものを使用してをコンデンサ素子の引き出しリードタブ側の端面に、コンデンサ素子の端部から15mmはみ出して巻き付けた。次に、有機酸系の電解液を含浸した。
電解液を含浸後、コンデンサ素子から引き出した陽極用リードタブ及び陰極用リードタブを、各々封口板に貫通して設けた陽極端子及び陰極端子に接続した。
接続後、アルミニウムケースにコンデンサ素子を収納した。収納後、封口板をケースの端に取り付けて、アルミニウムケースを密閉した。アルミニウムケースを密閉後、温度85℃の雰囲気中に放置して425Vの電圧を加えてエージング処理した。エージング処理後、アルミニウムケースに絶縁性のチューブで被覆した。
巻き止めテープと絶縁テープとを一体化してコンデンサ素子に巻き付けた以外、実施例1と同様に作成した。
1…引き出しリードタブ、2…巻き止めテープ、3…コンデンサ素子、4…絶縁テープ、5…封口板、6…外部端子、7…金属ケース、8…仕切用突起
Claims (2)
- 陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子を封口板付き金属ケースに収納し、前記陽極箔と前記陰極箔とに引き出しリードタブの片端を接続してその引き出しリードタブを前記封口板側に導出し、前記引き出しリードタブのもう一方の片端と前記封口板に設けた外部端子とを接続したアルミニウム電解コンデンサにおいて、導出した前記引き出しリードタブを囲むように、前記コンデンサ素子の外周に沿って、絶縁テープを前記コンデンサ素子の少なくとも端部に貼り付けたことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
- 陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し外周を絶縁テープにより巻き止めしたコンデンサ素子を封口板付き金属ケースに収納し、前記陽極箔と前記陰極箔とに引き出しリードタブの片端を接続してその引き出しリードタブを前記封口板側に導出し、前記引き出しリードタブのもう一方の片端と前記封口板に設けた外部端子とを接続したアルミニウム電解コンデンサにおいて、前記絶縁テープを前記引き出しリードタブ側に、この引き出しリードタブを囲むように導出して、前記コンデンサ素子の外周に沿って貼り付けたことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
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