JP2009212444A - アルミニウム電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介し巻回したコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を収納する外装ケースと、を有するアルミニウム電解コンデンサにおいて、前記コンデンサ素子の底面から陰極箔をはみ出して巻回するとともに、可撓性放熱材を介して前記陰極箔のはみ出し側端面と前記ケース内面を接触させることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサである。また、本発明は、上記可撓性放熱材として、放熱フィラー添加の可撓性放熱材を使用することを特徴とするアルミニウム電解コンデンサである。
【選択図】図1
Description
コンデンサの放熱性を改善するための方法として、外装ケースの側面とコンデンサ素子の側面の間隙空間に、熱伝導が空気より良好なシリコーンオイルを充填させる方法(特許文献1)が開示されている。また、外装ケースとコンデンサ素子との固定を改善しながらコンデンサの放熱性を改善するための方法として、外装ケースの側面とコンデンサ素子の側面の間隙空間に、シリコーン樹脂コンパウンドを設ける方法(特許文献2)が開示されている。
ところで、もっとも熱伝導が大きなものは金属であるため、コンデンサ素子の底面から金属である陰極箔をはみ出して巻回し、はみ出した陰極箔と外装ケースの内底面と直接接触することにより、コンデンサの放熱性を改善するとともに、開弁にいたる時間が短縮問題をも改善すると考えられる。しかし、巻ズレがあるため、陰極箔はみ出し素子のはみ出し側端面が、必ずしも全てケース内面と接触するとはかぎらない。また、使用中の振動などにより接触している部分であっても必ずしも安定的に接触しているとはかぎらない。
また、本発明は、上記可撓性放熱材として、放熱フィラー添加の可撓性放熱材を使用することを特徴とするアルミニウム電解コンデンサである。
特に厚さは、厚い方が放熱性の点と共に曲がりやすい陰極箔の形状安定性を得ることができるので好ましいが、あまり厚いと対容積あたりの容量が低下するため、50μmから70μm程度にすることが好ましい。
たとえば、熱伝導性接着剤としては、熱伝導性可撓性エポキシ接着剤、一液縮合型液状シリコーンゴム接着剤、加熱硬化型シリコーンゴム接着剤などが使用できる。また、熱伝導性ゴムとしては、熱伝導性シリコーンゴム、熱伝導性ウレタンゴムなどが使用できる。また、熱伝導性樹脂としては、アクリル系ポリウレタン樹脂、変成シリコーン/エポキシ混合樹脂組成物などが使用できる。また、熱伝導性ゲルとしては、熱伝導性シリコーンゲル、縮合硬化型の液状シリコーンゲル、チキソ性シリコーンゲル、付加型液状シリコーンゲル、熱伝導性ウレタンゲルなどが使用できる。必要があれば、難燃剤、酸化防止剤を添加してもよい。
図1は、本発明に係るアルミニウム電解コンデンサの断面図を示している。図1(a)は、コンデンサ素子の外表面を示していて、図1(b)は、その断面図を示している。
本発明に係るアルミニウム電解コンデンサは、通常のアルミニウム電解コンデンサと同様に、電極箔を適当な巾に裁断された後、引き出しリードタブ1を接続し、紙などのセパレータと共に捲回されたコンデンサ素子2を、上面が開口したアルミニウム等の金属材からなり外観的に円筒状や楕円筒状に形成されているケース3内に収容し、封口板4で封口したものである。ケース3には絶縁性チューブを被覆する場合もある。
封口板4は、ケース上面の開口部を封口するもので、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、フェノール等の絶縁樹脂からなり、3〜50mm程度の厚さがある。外部端子5を予め成形金型にセットし、インサート樹脂モールド等で行い、一体的に成形を行っている。引き出しリードタブ1は、外部端子5のケース3内面側で接続固定されている。
また、コンデンサ素子2を上方から押し付け、コンデンサ素子2の底面である陰極端面とケース3内底面が接触するようにするための手段として、たとえば封口板内面に押し付け突起6を設けている。陽極と陰極を分ける仕切手段を兼ねていてもかまわない。また、押し付け突起6の先端細くしてコンデンサ素子2の巻き心7に挿入し、コンデンサ素子2の横揺れ固定防止手段を兼ねていてもかまわない。
可撓性放熱材8は、コンデンサ素子2を入れる前にケース3内に注入し、コンデンサ素子2を入れてから硬化させる。
9は陰極箔、10はセパレータ、11は陽極箔、8は可撓性放熱材を示している。陰極箔9は、セパレータ10よりも下にはみ出していて、その先端端面の多くはケース3と接触しているが、一部ケース3と接触していない場合がある。その場合は、ケース3内底面側に設けた可撓性放熱材8を介して接触している。
可撓性放熱材8はまた、はみ出した陰極箔9の側面とも接触していて、その側面を補強しながら陰極箔8とケース3内底面と面で接触しているので放熱性を安定化させている。
可撓性放熱材8の高さは、可撓性放熱材8が絶縁性であれば、可撓性放熱材8が陽極箔11と接触する高さでもかまわない。可撓性放熱材8が導電性であれば、陽極箔11と接触しない高さである必要があるが、その分放熱特性の優れた金属粉を使用することができる。
先ず、陽極箔は厚さ100μmのアルミニウム箔を処理して製造する。すなわち、このアルミニウム箔を直流エッチング法によって0.7μF/cm2になるように粗面化する。粗面化後、純水中でボイルする。ボイル後、ホウ酸の化成液中において、600Vの化成電圧をかけて化成し、化成膜を形成する。化成処理後、安定化させるために、リン酸処理をし、その後、幅120mm、長さ8000mmの大きさに切断して、陽極箔とする。
また、陽極用リードタブには化成処理をしない厚さ150μm、幅10mm、長さ160mmのアルミニウム箔を用いる。そしてこの陽極用リードタブの、100mmの長さの部分を陽極箔に2000mmおきに4枚、コールドウェルにより接続する。
陰極箔は、厚さ60μmのアルミニウム箔を塩酸と硫酸の混合酸からなる水溶液中に浸漬し、その表面を電解エッチング処理し、平均直径0.8μmのエッチングピットを設け、200μF/cm2になるように粗面化し、その後、リン酸処理をする。リン酸処理後、幅120mm、長さ8300mmの大きさに切断する。
陰極用リードタブは、アルミニウム箔を長さ150μm、幅1000mmに圧延し、次いで焼なまし、500mmの幅に切断した後、さらに幅10mmの大きさに切断して製造する。そしてこの陰極用リードタブを陰極箔に2000mm間隔で4枚をコールドウェルにより接続する。
電解紙として、厚さ60μm、幅130mm、密度0.6g/m3のマニラ紙の電解紙と、厚さ30μm、幅30mm、密度0.75g/m3のクラフト紙を用いる。
陰極箔を電解紙から5mmはみ出して、この電解紙を介して陽極箔と陰極箔とを積層して巻回し、コンデンサ素子を形成した。その後、有機酸系の電解液を含浸した。
電解液を含浸後、コンデンサ素子から引き出した陽極用リードタブ及び陰極用リードタブを、各々封口板に貫通して設けた陽極端子及び陰極端子に接続した。
接続後、予め硬化前の可撓性放熱材としてポリオルガノシロキサンを使用し、これをケースの底の方に4mmの高さまで充填し、次に、ケースにコンデンサ素子を収納した。収納後、可撓性放熱材を100℃で20分加熱硬化するとともに、封口板をケースの端に取り付けて、ケースを密閉した。なお、封口板には防爆弁が取り付けられている。ケースを密閉後、温度85℃の雰囲気中に放置して425Vの電圧を加えてエージング処理した。エージング処理後、ケースに絶縁性のチューブを被覆した。
Claims (2)
- 陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介し巻回したコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を収納する外装ケースと、を有するアルミニウム電解コンデンサにおいて、前記コンデンサ素子の底面から陰極箔をはみ出して巻回するとともに、可撓性放熱材を介して前記陰極箔のはみ出し側端面と前記ケース内面を接触させることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
- 可撓性放熱材として、放熱フィラー添加の可撓性放熱材を使用することを特徴とする請求項1のアルミニウム電解コンデンサ。
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2008
- 2008-03-06 JP JP2008056288A patent/JP2009212444A/ja active Pending
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