JP2023082661A - 紡糸引取装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023082661000001
【課題】糸へのダメージを抑えながら、容易に糸掛け作業を行うことのできる紡糸引取装置を提供する。
【解決手段】紡糸装置2から紡出された複数の糸Yを送る糸送りローラ12、14と、糸走行方向において糸送りローラ12、14の上流側に配置され、糸送りローラ12、14の軸方向における複数の糸Yの移動を規制する複数の規制部32a、34aが形成された糸分けガイド32、34と、を備える紡糸引取装置1において、糸分けガイド32、34に、複数の糸Yを複数の規制部32a、34aに掛からないようにした状態で1つに束ねておくことのできる集束部42a、44aが形成された集束ガイド42、44が設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、紡糸装置から紡出された複数の糸を引き取る紡糸引取装置に関する。
例えば、特許文献1には、複数の糸を送る複数の糸送りローラと、複数の糸送りローラのすぐ上流側に配置された複数の糸分けガイドとを備えた紡糸引取装置が開示されている。各糸分けガイドには、複数の糸の移動を規制する複数の規制部が形成されている。この紡糸引取装置では、次のようにして複数の糸送りローラへの糸掛け作業が行われる。
まず、オペレータは、複数の糸をサクションガンで吸引保持し、複数の糸を1つに束ねた状態で、糸走行方向の上流側から順番に各糸分けガイド及び各糸送りローラに掛けていく。このとき、各糸分けガイドにおいては、1つに束ねられた状態の複数の糸を1つの規制部にまとめて掛けておく。各糸分けガイド及び各糸送りローラへの糸掛けが終わったら、一旦サクションガンを床面に置く。
次に、オペレータは糸掛け補助具を用いて、1つに束ねられた状態の複数の糸を、各糸分けガイドの複数の規制部に掛けていく。こうすることで、複数の糸が適切に糸分けされ、各糸送りローラにおいて複数の糸を所望のピッチで送ることができるようになる。オペレータは、サクションガンを持たずに糸掛け補助具を用いた作業を行うことができるので、糸掛け作業が容易になるとされている。
特開2015-187324号公報
ここで、各糸分けガイドの規制部の寸法はかなり小さい。したがって、1つに束ねられた状態の複数の糸を1つの規制部にまとめるのは実際には無理があり、糸にダメージを与えたり、最悪の場合は糸切れが生じたりするおそれがある。そこで、糸掛け補助具を用いた作業の前に、複数の糸をいくつかの規制部に分けて掛けておくことも考えられる。しかしそうすると、糸走行方向において糸分けガイドの上流側で複数の糸のピッチが不均一となり、糸掛け補助具で複数の糸を捕捉するのが困難になるという課題があった。
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、糸へのダメージを抑えながら、容易に糸掛け作業を行うことのできる紡糸引取装置を提供することを目的とする。
本発明は、紡糸装置から紡出された複数の糸を送る糸送りローラと、糸走行方向において前記糸送りローラの上流側に配置され、前記糸送りローラの軸方向における前記複数の糸の移動を規制する複数の規制部が形成された糸分けガイドと、を備える紡糸引取装置において、前記糸分けガイドに、前記複数の糸を前記複数の規制部に掛からないようにした状態で1つに束ねておくことのできる集束部が形成された集束ガイドが設けられていることを特徴とする。
本発明では、複数の糸を糸分けガイドに掛ける前に、集束ガイドの集束部に掛けておくことで、糸走行方向において集束ガイドの上流側で複数の糸のピッチを略均一にすることができ、糸掛け補助具を用いた作業が容易となる。また、複数の糸を1つに束ねた状態で糸分けガイドの1つの規制部に無理に掛ける必要がないので、糸へのダメージを抑えることができる。したがって、本発明によれば、糸へのダメージを抑えながら、容易に糸掛け作業を行うことが可能となる。
本発明において、糸走行方向において前記糸分けガイドの上流側に、前記複数の糸を送る他の糸送りローラが配置されており、前記他の糸送りローラと前記糸分けガイドとの間で、前記複数の糸が並ぶ方向が変わるとよい。
この場合、他の糸送りローラから糸分けガイドに至る途中で、複数の糸が並んでいる方向が変わるため、糸掛け補助具を用いた作業の難易度が増す。しかしながら、複数の糸を糸分けガイドに掛ける直前まで、集束ガイドで複数の糸を1つに束ねておくことができるので、糸掛け補助具を用いた作業が行いやすくなる。
本発明において、糸走行方向において前記糸分けガイドの上流側に、前記複数の糸の移動を規制する糸規制ガイドが配置されており、前記糸規制ガイドと前記糸分けガイドとの間で、前記複数の糸が並ぶ方向が変わるとよい。
この場合、糸規制ガイドから糸分けガイドに至る途中で、複数の糸が並んでいる方向が変わるため、糸掛け補助具を用いた作業の難易度が増す。しかしながら、複数の糸を糸分けガイドに掛ける直前まで、集束ガイドで複数の糸を1つに束ねておくことができるので、糸掛け補助具を用いた作業が行いやすくなる。
本発明において、前記集束ガイドは、糸走行方向において前記糸分けガイドの上流側に配置されているとよい。
集束ガイドを、糸走行方向において糸分けガイドと糸送りローラとの間に配置してもよい。しかしながら、糸分けガイドは糸送りローラの近傍に配置されるため、糸分けガイドと糸送りローラとの間に集束ガイドを配置するのは難しい場合もある。この点、集束ガイドを糸走行方向において糸分けガイドの上流側に配置すれば、スペースに余裕があるため、集束ガイドの配置が容易となる。
本発明において、前記集束ガイドは、前記集束部で前記複数の糸を1つに束ねておくことが可能な糸掛け位置と、前記複数の糸と干渉しない退避位置との間で移動可能であるとよい。
このように集束ガイドを移動可能に構成すれば、いちいち集束ガイドを着脱する必要がなくなり、糸掛け作業が一層容易となる。
本発明において、前記集束部は、前記糸送りローラの軸方向において前記複数の規制部が並んでいる領域内に位置するとよい。
このような構成によれば、糸走行方向において集束ガイドの上流側の複数の糸を糸掛け補助具で捕捉した後、糸分けガイドに掛けるまでの動きが少なくて済むので、糸掛け作業が一層容易となる。
本発明において、前記集束部はV字形状を有する凹部であるとよい。
集束部がV字形状を有する凹部であれば、集束部の開口が広くなるので、複数の糸を集束部に掛けやすい。また、集束部の奥側ほど狭くなるので、集束部に複数の糸を掛ければ、自然と1つに束ねられる。
本発明において、前記集束部のV字形状の開き角度が10度以上100度以下であるとよい。
集束部のV字形状の開き角度が狭すぎると、糸が集束部の縁に引っ掛かりダメージを受けやすい。また、糸が集束部の縁に引っ掛かった場合、糸を縁から外す作業が必要となり、糸掛け作業の効率が低下する。一方、集束部のV字形状の開き角度が広すぎると、糸が集束部から外れやすくなる。上述のように集束部のV字形状の開き角度を規定することで、糸が集束部の縁に引っ掛かりにくく、且つ、糸が集束部から外れにくくなる。
本発明において、前記集束ガイドは棒状部材によって構成されているとよい。
このような構成によれば、少ない材料で集束ガイドを作製することができ、コスト面で有利である。
本発明において、前記棒状部材は、直径3mm以上の円形の断面形状を有するとよい。
このような棒状部材なら、表面が緩やかに湾曲しているので、糸が接触してもダメージを受けにくい。
本発明において、前記複数の規制部は、基端部から先端部に向かって開口しており、前記集束部は、前記複数の規制部の基端部を通る基準面に対して、前記複数の規制部が開口する側と同じ側に開口しているとよい。
複数の規制部の基端部を通る基準面に対して、集束部が複数の規制部が開口する側と反対側に開口している場合、以下の問題が生じる。例えば、集束部に掛けられた糸には、集束部の開口する側と反対側に向かって張力がかかる。このような状態で糸掛け補助具によって規制部に掛け直された糸は、集束部の開口する側と反対側、すなわち規制部の開口する側に向かって引っ張られる。その結果、規制部から糸が外れてしまう。逆に、糸が規制部から外れないような位置に糸分けガイドを配置すると、集束部に掛けられた糸は、規制部の開口する側と反対側、すなわち集束部の開口する側に向かって引っ張られる。その結果、集束部から糸が外れてしまう。以上の問題を防ぐためには、複数の規制部又は集束部に、糸の脱落を防ぐための脱落防止部材を別途設ける必要がある。この点、本発明では、複数の規制部の基端部を通る基準面に対して、集束部が複数の規制部が開口する側と同じ側に開口している。このため、集束部に糸を掛けてから規制部に糸を掛け直す過程において、糸が集束部及び規制部から外れることがなく、脱落防止部材を別途設けることが不要となる。
本発明において、オペレータが前記糸送りローラへの糸掛けを行う作業空間が、前記糸送りローラの軸方向の一方側に位置しており、前記集束部が前記糸送りローラの軸方向における中間地点よりも前記一方側に位置するように、前記集束ガイドが配置されているとよい。
このような構成によれば、集束部が作業空間の近くに配置されているので、作業空間にいるオペレータが集束部に糸を掛けやすい。
本発明において、オペレータが前記糸送りローラへの糸掛けを行う作業空間が、前記糸送りローラの軸方向と交差する方向の一方側に位置しており、前記集束ガイドの一部が、前記糸送りローラの軸方向において前記糸分けガイドの端部まで延びているとよい。
このような構成によれば、糸分けガイドに複数の糸を掛けるために集束ガイドを操作する際に、オペレータは集束ガイドのうち糸分けガイドの端部まで延びている部分を操作することで、複数の糸との干渉を避けやすくなる。
本実施形態に係る紡糸引取装置の側面図である。 糸掛け作業完了後の引取部の斜視図である。 糸分けガイド及び集束ガイドを示す上面図である。 糸分けガイド及び集束ガイドを示す上面図である。 糸掛け作業開始時の引取部の斜視図である。 糸規制ガイドに糸掛けを行った直後の引取部の斜視図である。 複数の糸を1つに束ねた状態で糸掛けを行った直後の引取部の斜視図である。 糸掛け補助具で複数の糸を捕捉した状態を示す引取部の斜視図である。 糸掛け補助具で糸分けガイドに糸掛けを行った直後の引取部の斜視図である。 糸掛け補助具で複数の糸を捕捉した状態を示す引取部の斜視図である。 糸掛け補助具で糸分けガイドに糸掛けを行った直後の引取部の斜視図である。 糸分けガイドへの糸掛けに要する時間を測定した結果を示す表である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る紡糸引取装置1の側面図である。図1に示すように、紡糸装置2から紡出された合成樹脂製の複数の糸Yは、その下方に配置された油剤付与ガイド3に接触しつつ下方へ走行することで油剤が付与される。紡糸引取装置1は、油剤が付与された複数の糸Yを引き取って延伸処理を行う引取部4と、引取部4から送られた複数の糸Yを巻き取る巻取部5とを有する。
以下では、図1の左側を「前」、図1の右側を「後」、図1の紙面手前側を「右」、図1の紙面奥側を「左」と定義して説明を進める。なお、本実施形態の紡糸引取装置1は、紡糸装置2から紡出された32本の糸Yを引き取るものであるが、図1、図2、図5~図11では、図が煩雑になることを避けるため、8本の糸Yのみを図示している。ただし、本発明において糸Yの本数は何本でも構わない。また、以下では糸走行方向における上流側及び下流側を、単に上流側及び下流側と言う。
図2は、糸掛け作業完了後の引取部4の斜視図である。引取部4は、上流側から順番に、糸規制ガイド11、糸送りローラ12、保温箱20内に配置された複数(本実施形態では5つ)の加熱ローラ21~25、糸送りローラ13、14、交絡装置16、糸送りローラ15を有する。
糸規制ガイド11は、複数の規制部11aが左右方向に並んで形成された櫛歯状のガイドである。複数の糸Yがそれぞれ規制部11aに挿入されると、複数の糸Yの左右方向への移動が規制される。
糸送りローラ12は、保温箱20に導入される直前の複数の糸Yが巻き掛けられるローラであり、その回転軸は前後方向に延びている。糸送りローラ13は、保温箱20から導出された直後の複数の糸Yが巻き掛けられるローラであり、その回転軸は前後方向に延びている。糸送りローラ14は、交絡装置16に導入される直前の複数の糸Yが巻き掛けられるローラであり、その回転軸は左右方向に延びている。糸送りローラ15は、交絡装置16から導出された直後の複数の糸Yが巻き掛けられるローラであり、その回転軸は左右方向に延びている。図1に破線で示すように、糸送りローラ15は、糸送りローラ14の近傍の糸掛け位置まで移動可能である。糸送りローラ12~15は、それぞれモータ(不図示)によって回転駆動される駆動ローラである。ただし、糸送りローラ12~15は駆動ローラに限定されず、従動ローラでもよい。
交絡装置16は、複数の糸Yに交絡を付与する。交絡装置16には、不図示の複数の糸走行空間が形成されており、複数の糸Yはそれぞれ糸走行空間を走行する。糸走行空間に圧縮空気が噴射されることで、糸走行空間を走行する糸Yに交絡が付与される。なお、交絡装置16は、糸走行方向において加熱ローラ25の下流側且つ糸送りローラ15の上流側の適宜の位置に配置することが可能である。
糸走行方向において各糸送りローラ12~15のすぐ上流側には、糸分けガイド32~35(図1では図示省略)がそれぞれ固定されている。糸分けガイド32~35は、複数の規制部32a~35aが並んで形成された櫛歯状のガイドである。糸分けガイド32の複数の規制部32aは、糸送りローラ12の軸方向に合わせて前後方向に並んでおり、複数の糸Yがそれぞれ規制部32aに挿入されると、複数の糸Yの前後方向への移動が規制される。糸分けガイド33の複数の規制部33aは、糸送りローラ13の軸方向に合わせて前後方向に並んでおり、複数の糸Yがそれぞれ規制部33aに挿入されると、複数の糸Yの前後方向への移動が規制される。糸分けガイド34の複数の規制部34aは、糸送りローラ14の軸方向に合わせて左右方向に並んでおり、複数の糸Yがそれぞれ規制部34aに挿入されると、複数の糸Yの左右方向への移動が規制される。糸分けガイド35の複数の規制部35aは、糸送りローラ15の軸方向に合わせて左右方向に並んでおり、複数の糸Yがそれぞれ規制部35aに挿入されると、複数の糸Yの左右方向への移動が規制される。糸分けガイド32~35の複数の規制部32a~35aのピッチは略同じである。以後、例えば、糸送りローラ12に対応する糸分けガイド32のことを、「糸送りローラ12の糸分けガイド32」のように表現することがある。なお、各糸送りローラ12~15のすぐ上流側に糸分けガイド32~35を配置することは必須ではない。各糸送りローラ12~15の軸方向が、直前のローラの軸方向と平行な場合には、糸分けガイドを省略することも可能である。
図3に示すように、複数の規制部32aは、基端部32a1から先端部32a2に向かって開口している。同様に、複数の規制部33a~35aは、基端部から先端部に向かって開口している。複数の規制部33a~35aについては、図示を省略する。
加熱ローラ21~25は、断熱材料で形成された保温箱20内に収容されている。保温箱20は、図1に示すように、油剤付与ガイド3の下方であって、後述する巻取部5のボビンホルダ52の前端部の上方に配置されている。保温箱20には、加熱ローラ21~25の前端面を覆う扉20aが開閉自在に取り付けられている。図2に示すように、扉20aの開放状態では、加熱ローラ21~25に前方から糸掛けを行うことができる。なお、図2、図5~図11では、扉20aの記載を省略している。
加熱ローラ21~25は、回転軸が前後方向に延びるように配置されている。保温箱20の右側面の下端部には、保温箱20に複数の糸Yを導入するためのスリット20bが形成されている。また、保温箱20の右側面の上端部には、保温箱20から複数の糸Yを導出するためのスリット20cが形成されている。スリット20bから導入された複数の糸Yは、上流側から順番に加熱ローラ21~25に巻き掛けられ、スリット20cから導出される。
加熱ローラ21~25は、それぞれモータ(不図示)によって回転駆動される。さらに、加熱ローラ21~25には、それぞれヒータ(不図示)が内蔵されている。5つの加熱ローラ21~25のうち上流側3つの加熱ローラ21~23は、延伸前の複数の糸Yを、複数の糸Yの材料である合成樹脂のガラス転移温度以上にまで加熱する。また、下流側2つの加熱ローラ24、25の回転速度は、上流側3つの加熱ローラ21~23の回転速度よりも速く設定されている。この回転速度差によって、ガラス転移温度以上にまで加熱された複数の糸Yが延伸される。下流側2つの加熱ローラ24、25は、上流側3つの加熱ローラ21~23よりも高い温度に設定され、延伸された複数の糸Yを熱固定する。
図1に示すように、巻取部5は、機台51、2本のボビンホルダ52、複数のトラバースガイド53、コンタクトローラ54等を有して構成される。2本のボビンホルダ52は前後方向に延びており、複数のボビンBが装着される。2本のボビンホルダ52の後端部は、機台51に回転可能に設けられた円板状のターレット55によって支持されている。2本のボビンホルダ52は、それぞれモータ(不図示)によって回転駆動される。ボビンホルダ52が回転すると、ボビンホルダ52に装着された複数のボビンBも、ボビンホルダ52と一体的に回転する。また、2本のボビンホルダ52を支持するターレット55が回転することにより、2本のボビンホルダ52の位置を、巻取位置(図1の上方位置)と退避位置(図1の下方位置)との間で切り換える。
ボビンホルダ52の上方には、複数のトラバースガイド53及び複数の支点ガイド56が、複数のボビンBに対応して設けられている。糸送りローラ15から送られた複数の糸Yは、複数の支点ガイド56にそれぞれ掛けられる。さらに、複数の糸Yが、複数のトラバースガイド53によって、対応する支点ガイド56を中心として前後方向に綾振りされながら、巻取位置のボビンホルダ52に装着された複数のボビンBにそれぞれ巻き取られる。このようにして、複数のボビンBに複数のパッケージPが形成される。コンタクトローラ54は、複数のパッケージPの外周面に接触することで、所定の接圧を付与しながら回転する。これによって、パッケージPの形状が整えられる。
(集束ガイド)
糸分けガイド32では複数の糸Yが前後方向に並ぶのに対して、糸分けガイド32の直前に複数の糸Yが掛けられる糸規制ガイド11では複数の糸Yが左右方向に並ぶ。つまり、糸分けガイド32の直前で複数の糸Yの糸道が約90度ねじられる。同様に、糸分けガイド34では複数の糸Yが左右方向に並ぶのに対して、糸分けガイド34の直前に複数の糸Yが掛けられる糸送りローラ13では複数の糸Yが前後方向に並ぶ。つまり、糸分けガイド34の直前で複数の糸Yの糸道が約90度ねじられる。このように直前で複数の糸Yの糸道がねじられる糸分けガイド32、34においては、後述のように専用の糸掛け補助具を用いて糸掛けを行う必要があり、糸掛け作業の難易度が高い。そこで、本実施形態の紡糸引取装置1には、糸分けガイド32、34に対する糸掛け作業を容易にするために、糸分けガイド32、34に集束ガイド42、44が設けられている。
図3は、糸送りローラ12の糸分けガイド32及び集束ガイド42を示す上面図である。図4は、糸送りローラ14の糸分けガイド34及び集束ガイド44を示す上面図である。なお、本実施形態では、集束ガイド42、44を同様の構成としているので、集束ガイド42と共通する点については集束ガイド44の説明を省略する。ただし、集束ガイド42、44を異なる構成とすることも可能である。
図3に示すように、糸送りローラ12の糸分けガイド32は支持部材46に固定されている。支持部材46は、糸送りローラ12の上方に配置されており、紡糸引取装置1の不図示のフレーム等に固定されている。糸分けガイド32においては、右方に開放された複数の規制部32aが、4mm以下の間隔で糸送りローラ12の軸方向(前後方向)に並んでいる。糸分けガイド32は、糸送りローラ12の軸方向に略平行に配置されている。
集束ガイド42は、直径3mm以上の円形の断面形状を有する棒状部材を折り曲げることによって作製されている。集束ガイド42には、V字形状を有する凹部である集束部42aが形成されている。集束部42aのV字形状の開き角度は10度以上100度以下であることが好ましく、本実施形態では60度とされている。ただし、集束部42aのV字形状の開き角度は、10度未満でもよいし、100度を超えていてもよい。
集束ガイド42は、糸分けガイド32の上流側(本実施形態では上側)に配置されている。また、集束ガイド42は、糸送りローラ12の軸方向において複数の規制部32aが並んでいる領域内に集束部42aが位置するように配置されている。さらに、集束ガイド42は、糸送りローラ12の軸方向における中間地点よりも前側に集束部42aが位置するように配置されている。
集束ガイド42は、固定部材47によって支持部材46の上面に揺動可能に固定されている。集束ガイド42は、支持部材46に固定されている部分を中心に揺動することで、図3のa図に示す糸掛け位置とb図に示す退避位置との間で移動可能である。図3のa図に示すように、集束ガイド42が糸掛け位置に位置するとき、集束部42aは糸分けガイド32よりも右方に位置する。このため、複数の糸Yを1つに束ねて集束部42aに掛けておけば、複数の糸Yが糸分けガイド32に接触することはない。一方、図3のb図に示すように、集束ガイド42が退避位置に位置するとき、集束ガイド42は支持部材46の上面に支持された状態となり、糸分けガイド32の右方には突出しない。このため、複数の糸Yは糸分けガイド32と干渉せず、複数の糸Yを糸分けガイド32に形成された複数の規制部32aに挿入し、糸分けを行うことが可能となる。
図3のa図に示すように、糸掛け位置にある集束ガイド42の集束部42aは、複数の規制部32aの基端部32a1を通る基準面に対して、複数の規制部32aが開口する側と同じ側に開口している。本実施形態において、複数の規制部32aの基端部32a1を通る基準面とは、複数の規制部32aの各基端部32a1を通る面であって、図3の紙面奥側から紙面手前側に延びる面である。別の言い方をすると、糸掛け位置にある集束ガイド42の集束部42aと、複数の規制部32aとは、いずれも上記の基準面に対して右側に開口している。
図4に示すように、糸送りローラ14の糸分けガイド34は支持部材48に固定されている。支持部材48は、糸送りローラ14の上方に配置されており、紡糸引取装置1の不図示のフレーム等に固定されている。糸分けガイド34においては、前方に開放された複数の規制部34aが、4mm以下の間隔で糸送りローラ14の軸方向(左右方向)に並んでいる。糸分けガイド34は、糸送りローラ14の軸方向に対してわずかに傾いた状態で配置されている。糸分けガイド34を糸送りローラ14の軸方向に対して傾かせているのは、糸送りローラ13と糸送りローラ14との間で糸Yの屈曲を最小限にするためである。ただし、糸Yの屈曲が大きな問題とならないなら、糸送りローラ12の軸方向に略平行に糸分けガイド34を配置してもよい。
集束ガイド44は、糸分けガイド34の上流側(上側)に配置されている。また、集束ガイド44は、糸送りローラ14の軸方向において複数の規制部34aが並んでいる領域内に集束部44aが位置するように配置されている。集束ガイド44の一部は、糸送りローラ14の軸方向において糸分けガイド34の右端部まで延びている。
集束ガイド44は、固定部材49によって揺動可能に支持部材48の上面に固定されている。集束ガイド44は、支持部材48に固定されている部分を中心に揺動することで、図4のa図に示す糸掛け位置とb図に示す退避位置との間で移動可能である。図4のa図に示すように、集束ガイド44が糸掛け位置に位置するとき、集束部44aは糸分けガイド34よりも前方に位置する。このため、複数の糸Yを1つに束ねて集束部44aに掛けておけば、複数の糸Yが糸分けガイド34に接触することはない。一方、図4のb図に示すように、集束ガイド44が退避位置に位置するとき、集束ガイド44は支持部材48の上面に支持された状態となり、糸分けガイド34の前方には突出しない。このため、複数の糸Yは糸分けガイド34と干渉せず、複数の糸Yを糸分けガイド34に形成された複数の規制部34aに挿入し、糸分けを行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、糸規制ガイド11及び糸分けガイド33、35に対しては、集束ガイドではなくバーガイド31、43、45(図5参照)を設けている。糸規制ガイド11及び糸分けガイド33、35では、糸分けガイド32、34と異なり、直前に複数の糸Yの糸道がねじられるわけではない。このため、バーガイド31、43、45に複数の糸Yを掛けておけば、上流側の糸道に倣って複数の糸Yが自然と略均一なピッチで並び、糸規制ガイド11及び糸分けガイド33、35への糸掛けを容易に行うことができる。バーガイド31、43、45は、糸掛け作業の際に複数の糸Yが掛けられる糸掛け位置と、複数の糸Yと干渉しない退避位置との間で移動可能に構成されている。
糸掛け作業の様子を説明する図5~図11においては、集束ガイド42、44及びバーガイド31、43、45は、糸掛け位置に位置している場合のみを図示しており、退避位置に位置している場合は図示を省略している。集束ガイド42、44及びバーガイド31、43、45は、不図示のロック機構によって糸掛け位置及び退避位置のそれぞれの位置でロックされるように構成されていることが好ましい。
(糸掛け作業)
糸送りローラ12~15及び加熱ローラ21~25への糸掛け作業の手順について、図5~図11を参照しつつ説明する。糸掛け作業の際、オペレータは、紡糸引取装置1の前方に立って作業を行う。つまり、図1に示すように、オペレータが糸掛け作業を行うための作業空間100は紡糸引取装置1の前方に位置しており、オペレータは糸送りローラ12~15及び加熱ローラ21~25の前方から糸掛け作業を行う。
糸掛け作業の開始時には、図5に示すように、集束ガイド42、44及びバーガイド31、43、45を糸掛け位置に移動させておく。また、糸送りローラ15も、糸送りローラ14の近傍の糸掛け位置に移動させておく。オペレータは、まず、複数の糸YをサクションガンSによって吸引保持し、糸規制ガイド11よりも前方の糸掛け位置にあるバーガイド31に複数の糸Yを掛ける。
続けて、オペレータは、バーガイド31における複数の糸Yのピッチが、糸規制ガイド11の複数の規制部11aのピッチと等しくなる位置にサクションガンSを移動させる。そのような位置に予め位置決め部を設けておいてもよい。それから、バーガイド31を糸規制ガイド11よりも後方の退避位置まで移動させると、図6に示すように、複数の糸Yが複数の規制部11aに掛けられる。
次に、オペレータは、サクションガンSを取り回して、図7に示すように、集束ガイド42、糸送りローラ12、加熱ローラ21~25、バーガイド43、糸送りローラ13、集束ガイド44、糸送りローラ14、バーガイド45、糸送りローラ15の順に一気に糸掛けした後、サクションガンSを床面に載置する。この時点で、糸分けガイド32~35への糸掛けは行われない。複数の糸Yは、集束ガイド42、44の集束部42a、44aで1つに束ねられた状態となるので、糸送りローラ12~15及び加熱ローラ21~25への糸掛けも、複数の糸Yが1つに束ねられた状態で行われることになる。
次に、糸分けガイド32~35に対して、上流側に配置されたものから順に糸掛けを行う。図8に示すように、糸分けガイド32への糸掛けは、糸掛け補助具Tを用いて行われる。糸掛け補助具Tは、複数の糸Yを保持する複数の溝Taを備えた櫛状の部材である。糸掛け補助具Tの複数の溝Taのピッチは、糸分けガイド32~35の規制部32a~35aのピッチと略同じである。
オペレータは、図8に示すように、糸規制ガイド11と糸分けガイド32との間において左右方向に並んでいる複数の糸Yを糸掛け補助具Tの複数の溝Taで捕捉する。それから、図9に示すように、糸掛け補助具Tの複数の溝Taが前後方向に並ぶように糸掛け補助具Tを動かすことで、複数の糸Yが略90度ひねられて前後方向に並ぶようになる。そして、集束ガイド42を退避位置に移動させてから、糸掛け補助具Tを動かして複数の糸Yを糸分けガイド32の複数の規制部32aに掛ける。こうすることで、糸分けガイド32において複数の糸Yが糸分けされる。
図7に示すように、糸規制ガイド11を通過した複数の糸Yは、集束ガイド42の集束部によって1つに束ねられた状態となる。このため、糸掛け補助具Tで捕捉する前の複数の糸Yは、糸規制ガイド11の複数の規制部11aから集束ガイド42の集束部42aに至るまでの間に、徐々にピッチを狭めつつも略均一なピッチを維持することができる。したがって、糸掛け補助具Tで複数の糸Yを捕捉するのが容易となり、糸掛け作業に要する時間を短縮することが可能となっている。また、集束ガイド42の集束部42aは、糸分けガイド32の複数の規制部32aのように微小な寸法にする必要がないので、複数の糸Yへのダメージを抑えながら、集束部42aで複数の糸Yを1つに束ねることができる。
図9に示すように、糸分けガイド32によって複数の糸Yが糸分けされると、糸分けガイド32よりも下流側の糸送りローラ12、加熱ローラ21~25、バーガイド43、糸送りローラ13において、複数の糸Yのピッチが糸分けガイド32における複数の糸Yのピッチに倣う。ただし、集束ガイド44では複数の糸Yは1つに束ねられた状態を維持する。バーガイド43を退避位置に移動させると、図10に示すように、バーガイド43に掛かっていた複数の糸Yが糸分けガイド33の複数の規制部33aに掛けられる。
次に、オペレータは、糸掛け補助具Tを用いて糸分けガイド34への糸掛けを行う。オペレータは、図10に示すように、糸送りローラ13と糸分けガイド34との間において前後方向に並んでいる複数の糸Yを糸掛け補助具Tの複数の溝Taで捕捉する。それから、図11に示すように、糸掛け補助具Tの複数の溝Taが左右方向に並ぶように糸掛け補助具Tを動かすことで、複数の糸Yが略90度ひねられて左右方向に並ぶようになる。そして、集束ガイド44を退避位置に移動させてから、糸掛け補助具Tを動かして複数の糸Yを糸分けガイド34の複数の規制部34aに掛ける。こうすることで、糸分けガイド34において複数の糸Yが糸分けされる。糸分けガイド32への糸掛けと同様に、糸分けガイド34への糸掛けも集束ガイド44を利用することで、複数の糸Yへのダメージを抑えながら、糸掛け作業に要する時間を短縮することが可能となっている。
図11に示すように、糸分けガイド34によって複数の糸Yが糸分けされると、糸分けガイド34よりも下流側の糸送りローラ14、バーガイド45、糸送りローラ15において、複数の糸Yのピッチが糸分けガイド34における複数の糸Yのピッチに倣う。バーガイド45を退避位置に移動させると、図2に示すように、バーガイド45に掛かっていた複数の糸Yが糸分けガイド35の複数の規制部35aに掛けられる。なお、交絡装置16への糸掛け作業は不図示のバーガイドを用いて行われるが、ここでの詳細な説明は省略する。
以上のようにして、糸送りローラ12~15及び加熱ローラ21~25への糸掛け作業が完了したら、続けてオペレータは巻取部5への糸掛け作業を行う。ここでは、巻取部5への糸掛け作業については説明を省略する。
(効果)
本実施形態では、糸分けガイド32、34に、複数の糸Yを複数の規制部32a、34aに掛からないようにした状態で1つに束ねておくことのできる集束部42a、44aが形成された集束ガイド42、44が設けられている。複数の糸Yを糸分けガイド32、34に掛ける前に、集束ガイド42、44の集束部42a、44aに掛けておくことで、集束ガイド42、44の上流側で複数の糸Yのピッチを略均一にすることができ、糸掛け補助具Tを用いた作業が容易となる。また、複数の糸Yを1つに束ねた状態で糸分けガイド32、34の1つの規制部32a、34aに無理に掛ける必要がないので、糸Yへのダメージを抑えることができる。したがって、糸Yへのダメージを抑えながら、容易に糸掛け作業を行うことが可能となる。
図12は、糸分けガイド32、34への糸掛けに要する時間を測定した結果を示す表である。図12のa図は、糸分けガイド32に関する結果を示し、図12のb図は、糸分けガイド34に関する結果を示す。集束ガイド42、44の有無によって、初心者、経験者、熟練者のそれぞれで糸掛けに要する時間がどの程度異なるかを調べた。なお、集束ガイド42、44を設けない場合は、一旦、複数の糸Yを糸分けガイド32、34のいくつかの規制部32a、34aに適当に分けて掛けておくものとする。測定結果より、集束ガイド42、44を設けることで、糸掛け時間が短縮されることがわかった。特に、糸掛け作業に不慣れな初心者では大幅な改善が見られた。このことから、集束ガイド42、44を設けることで、糸掛け作業が容易になったことがうかがえる。
本実施形態では、糸分けガイド34の上流側に、複数の糸Yを送る糸送りローラ13が配置されており、糸送りローラ13と糸分けガイド34との間で、複数の糸Yが並ぶ方向が変わる。この場合、糸送りローラ13から糸分けガイド34に至る途中で、複数の糸Yが並んでいる方向が変わるため、糸掛け補助具Tを用いた作業の難易度が増す。しかしながら、複数の糸Yを糸分けガイド34に掛ける直前まで、集束ガイド44で複数の糸Yを1つに束ねておくことができるので、糸掛け補助具Tを用いた作業が行いやすくなる。
本実施形態では、糸分けガイド32の上流側に、複数の糸Yの移動を規制する糸規制ガイド11が配置されており、糸規制ガイド11と糸分けガイド32との間で、複数の糸Yが並ぶ方向が変わる。この場合、糸規制ガイド11から糸分けガイド32に至る途中で、複数の糸Yが並んでいる方向が変わるため、糸掛け補助具Tを用いた作業の難易度が増す。しかしながら、複数の糸Yを糸分けガイド32に掛ける直前まで、集束ガイド42で複数の糸Yを1つに束ねておくことができるので、糸掛け補助具Tを用いた作業が行いやすくなる。
本実施形態では、集束ガイド42、44は、糸分けガイド32、34の上流側に配置されている。集束ガイド42、44を、糸分けガイド32、34と糸送りローラ12、14との間に配置してもよい。しかしながら、糸分けガイド32、34は糸送りローラ12、14の近傍に配置されるため、糸分けガイド32、34と糸送りローラ12、14との間に集束ガイド42、44を配置するのは難しい場合もある。この点、集束ガイド42、44を糸分けガイド32、34の上流側に配置すれば、スペースに余裕があるため、集束ガイド42、44の配置が容易となる。
本実施形態では、集束ガイド42、44は、集束部42a、44aで複数の糸Yを1つに束ねておくことが可能な糸掛け位置と、複数の糸Yと干渉しない退避位置との間で移動可能である。このように集束ガイド42、44を移動可能に構成すれば、いちいち集束ガイド42、44を着脱する必要がなくなり、糸掛け作業が一層容易となる。
本実施形態では、集束部42a、44aは、糸送りローラ12、14の軸方向において複数の規制部32a、34aが並んでいる領域内に位置する。このような構成によれば、集束ガイド42、44の上流側の複数の糸Yを糸掛け補助具Tで捕捉した後、糸分けガイド32、34に掛けるまでの動きが少なくて済むので、糸掛け作業が一層容易となる。
本実施形態では、集束部42a、44aはV字形状を有する凹部である。集束部42a、44aがV字形状を有する凹部であれば、集束部42a、44aの開口が広くなるので、複数の糸Yを集束部42a、44aに掛けやすい。また、集束部42a、44aの奥側ほど狭くなるので、集束部42a、44aに複数の糸Yを掛ければ、自然と1つに束ねられる。
本実施形態では、集束部42a、44aのV字形状の開き角度が10度以上100度以下である。集束部42a、44aのV字形状の開き角度が狭すぎると、糸Yが集束部42a、44aの縁に引っ掛かりダメージを受けやすい。また、糸Yが集束部42a、44aの縁に引っ掛かった場合、糸Yを縁から外す作業が必要となり、糸掛け作業の効率が低下する。一方、集束部42a、44aのV字形状の開き角度が広すぎると、糸Yが集束部42a、44aから外れやすくなる。上述のように集束部42a、44aのV字形状の開き角度を規定することで、糸Yが集束部42a、44aの縁に引っ掛かりにくく、且つ、糸Yが集束部42a、44aから外れにくくなる。
本実施形態では、集束ガイド42、44は棒状部材によって構成されている。このような構成によれば、少ない材料で集束ガイド42、44を作製することができ、コスト面で有利である。
本実施形態では、棒状部材は、直径3mm以上の円形の断面形状を有する。このような棒状部材なら、表面が緩やかに湾曲しているので、糸Yが接触してもダメージを受けにくい。
本実施形態では、複数の規制部32aは、基端部32a1から先端部32a2に向かって開口している。そして、複数の規制部32aの基端部32a1を通る基準面に対して、集束部42aは、複数の規制部32aが開口する側と同じ側に開口している。複数の規制部32aの基端部32a1を通る基準面に対して、集束部42aが複数の規制部32aが開口する側と反対側に開口している場合、以下の問題が生じる。例えば、集束部42aに掛けられた糸Yには、集束部42aの開口する側と反対側に向かって張力がかかる。このような状態で糸掛け補助具Tによって規制部32aに掛け直された糸Yは、集束部42aの開口する側と反対側、すなわち規制部32aの開口する側に向かって引っ張られる。その結果、規制部32aから糸Yが外れてしまう。逆に、糸Yが規制部32aから外れないような位置に糸分けガイド32を配置すると、集束部42aに掛けられた糸Yは、規制部32aの開口する側と反対側、すなわち集束部42aの開口する側に向かって引っ張られる。その結果、集束部42aから糸Yが外れてしまう。以上の問題を防ぐためには、複数の規制部32a又は集束部42aに、糸Yの脱落を防ぐための脱落防止部材を別途設ける必要がある。この点、本実施形態では、複数の規制部32aの基端部32a1を通る基準面に対して、集束部42aが複数の規制部32aが開口する側と同じ側に開口している。このため、集束部42aに糸Yを掛けてから規制部32aに糸Yを掛け直す過程において、糸Yが集束部42a及び規制部32aから外れることがなく、脱落防止部材を別途設けることが不要となる。
本実施形態では、オペレータが糸送りローラ12への糸掛けを行う作業空間100が、糸送りローラ12の軸方向の一方側(前側)に位置しており、集束部42aが糸送りローラ12の軸方向における中間地点よりも一方側に位置するように、集束ガイド42が配置されている。このような構成によれば、集束部42aが作業空間100の近くに配置されているので、作業空間100にいるオペレータが集束部42aに糸Yを掛けやすい。
本実施形態では、オペレータが糸送りローラ14への糸掛けを行う作業空間100が、糸送りローラ14の軸方向と交差する方向の一方側(前側)に位置しており、集束ガイド44の一部が、糸送りローラ14の軸方向において糸分けガイド34の端部まで延びている。このような構成によれば、糸分けガイド34に複数の糸Yを掛けるために集束ガイド44を操作する際に、オペレータは集束ガイド44のうち糸分けガイド34の端部まで延びている部分を操作することで、複数の糸Yとの干渉を避けやすくなる。
(他の実施形態)
以下、本発明の変形例について説明する。
上記実施形態では、直前で複数の糸Yがひねられる糸分けガイド32、34に対して集束ガイド42、44を設け、直前で複数の糸Yがひねられない糸分けガイド33、35に対してバーガイド43、45を設けるものとした。しかしながら、直前で複数の糸Yがひねられない糸分けガイド33、35に対して、バーガイド43、45の代わりに集束ガイドを設けてもよい。
上記実施形態では、集束ガイド42、44が糸分けガイド32、34の上流側に配置されるものとした。しかしながら、集束ガイド42、44を、糸分けガイド32、34と糸送りローラ12、14との間に配置してもよい。
上記実施形態では、集束ガイド42、44が揺動することで、糸掛け位置と退避位置との間で移動可能であるとした。ただし、集束ガイド42、44は揺動以外の態様、例えば適切な方向にスライド式で移動するものでもよい。また、集束ガイド42、44は手動で移動させるものに限定されず、モータやエアシリンダ等によって移動させるものでもよい。さらには、集束ガイド42、44を移動可能に構成する代わりに、集束ガイド42、44を着脱可能に構成し、不要な時には取り外すようにしてもよい。
集束ガイド42、44の具体的な形状や配置は、上記実施形態に記載したものに限定されない。例えば、集束ガイド42、44を円形の断面形状を有する棒状部材ではなく、楕円や多角形の断面形状を有する棒状部材としてもよい。多角形の断面形状を有する棒状部材の場合、糸Yがダメージを受けにくいように、棒状部材のエッジは面取り加工やR加工がなされていることが好ましい。また、集束ガイド42、44を棒状部材ではなく、板状部材で構成してもよい。この場合、板状部材の一部に切欠きを設けて、その切欠きを集束部とすればよい。板状部材を用いる場合、糸Yがダメージを受けにくいように、板状部材のエッジは面取り加工やR加工がなされていることが好ましい。また、集束ガイド42、44の集束部42a、44aの形状は、V字形状を有する凹部に限定されず、複数の糸Yを1つに束ねておくことができるなら、どのような形状でも構わない。具体的には、凹部がU字形状又はC字形状、あるいは矩形状でもよい。
上記実施形態では、糸掛け位置にある集束ガイド42の集束部42aは、複数の規制部32aの基端部32a1を通る基準面に対して、複数の規制部32aが開口する側と同じ側に開口している。しかしながら、集束部42aは、複数の規制部32aの基端部32a1を通る基準面に対して、複数の規制部32aが開口する側と反対側に開口していてもよい。すなわち、例えば、糸掛け位置にある集束ガイド42の集束部42aが基準面に対して左側に開口しており、複数の規制部32aが基準面に対して右側に開口していてもよい。
上記実施形態では、糸規制ガイド11の複数の規制部11aの並ぶ方向と、糸送りローラ12の軸方向とは直交している。すなわち、複数の規制部11aの並ぶ方向と糸送りローラ12の軸方向とのなす角度は90度である。しかしながら、複数の規制部11aの並ぶ方向と糸送りローラ12の軸方向とのなす角度は90度でなくてもよく、例えば、45度でもよく、30度でもよく、15度でもよい。また、上記実施形態では、糸送りローラ13の軸方向と糸送りローラ14の軸方向とは直交している。すなわち、糸送りローラ13の軸方向と糸送りローラ14の軸方向とのなす角度は90度である。しかしながら、糸送りローラ13の軸方向と糸送りローラ14の軸方向とのなす角度は90度でなくてもよく、例えば、45度でもよく、30度でもよく、15度でもよい。
1:紡糸引取装置
2:紡糸装置
11:糸規制ガイド
12~15:糸送りローラ
32~35:糸分けガイド
32a~35a:規制部
42、44:集束ガイド
42a、44a:集束部
100:作業空間
Y:糸

Claims (13)

  1. 紡糸装置から紡出された複数の糸を送る糸送りローラと、
    糸走行方向において前記糸送りローラの上流側に配置され、前記糸送りローラの軸方向における前記複数の糸の移動を規制する複数の規制部が形成された糸分けガイドと、
    を備える紡糸引取装置において、
    前記糸分けガイドに、前記複数の糸を前記複数の規制部に掛からないようにした状態で1つに束ねておくことのできる集束部が形成された集束ガイドが設けられていることを特徴とする紡糸引取装置。
  2. 糸走行方向において前記糸分けガイドの上流側に、前記複数の糸を送る他の糸送りローラが配置されており、
    前記他の糸送りローラと前記糸分けガイドとの間で、前記複数の糸が並ぶ方向が変わることを特徴とする請求項1に記載の紡糸引取装置。
  3. 糸走行方向において前記糸分けガイドの上流側に、前記複数の糸の移動を規制する糸規制ガイドが配置されており、
    前記糸規制ガイドと前記糸分けガイドとの間で、前記複数の糸が並ぶ方向が変わることを特徴とする請求項1に記載の紡糸引取装置。
  4. 前記集束ガイドは、糸走行方向において前記糸分けガイドの上流側に配置されていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の紡糸引取装置。
  5. 前記集束ガイドは、前記集束部で前記複数の糸を1つに束ねておくことが可能な糸掛け位置と、前記複数の糸と干渉しない退避位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の紡糸引取装置。
  6. 前記集束部は、前記糸送りローラの軸方向において前記複数の規制部が並んでいる領域内に位置することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の紡糸引取装置。
  7. 前記集束部はV字形状を有する凹部であることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の紡糸引取装置。
  8. 前記集束部のV字形状の開き角度が10度以上100度以下であることを特徴とする請求項7に記載の紡糸引取装置。
  9. 前記集束ガイドは棒状部材によって構成されていることを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の紡糸引取装置。
  10. 前記棒状部材は、直径3mm以上の円形の断面形状を有することを特徴とする請求項9に記載の紡糸引取装置。
  11. 前記複数の規制部は、基端部から先端部に向かって開口しており、
    前記集束部は、前記複数の規制部の基端部を通る基準面に対して、前記複数の規制部が開口する側と同じ側に開口していることを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の紡糸引取装置。
  12. オペレータが前記糸送りローラへの糸掛けを行う作業空間が、前記糸送りローラの軸方向の一方側に位置しており、
    前記集束部が前記糸送りローラの軸方向における中間地点よりも前記一方側に位置するように、前記集束ガイドが配置されていることを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の紡糸引取装置。
  13. オペレータが前記糸送りローラへの糸掛けを行う作業空間が、前記糸送りローラの軸方向と交差する方向の一方側に位置しており、
    前記集束ガイドの一部が、前記糸送りローラの軸方向において前記糸分けガイドの端部まで延びていることを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の紡糸引取装置。
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