JP2023082320A - 情報処理装置及び補給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】所定のサービスを通じて提供された消耗材を補給するための収容デバイスが、所定のサービスの対象ではない画像形成装置によって使用されることを抑制可能な情報処理装置及び補給システムを提供する。【解決手段】判定手段は、第1の画像形成装置に対して第1の収容デバイスが使用される場合、及び前記第1の画像形成装置に対して第2の収容デバイスが使用される場合、収容デバイスの使用を許可し、前記第2の画像形成装置に対して前記第1の収容デバイスが使用される場合、前記収容デバイスの使用を許可せず、前記第2の画像形成装置に対して前記第2の収容デバイスが使用される場合、前記収容デバイスの使用を許可する。【選択図】図18

Description

本発明は、消耗材を画像形成装置に補給する際に用いられる情報処理装置及び補給システムに関する。
コピー機、プリンタ及びファクシミリ受信機といった画像形成装置は、トナー又はインクなどの消耗材を消費して記録媒体に画像を形成する。消耗材が枯渇すると、ユーザは、使用済みのカートリッジを新しいカートリッジへ交換する。このときカートリッジには、消耗材及び画像形成動作の主体となる各種機能部品が含まれており、このようなカートリッジをプロセスカートリッジと呼ぶ。一方、先の機能部品を含まない消耗材を収容したパックから画像形成装置のタンクへ消耗材を補給する補給方式が考案されている。先のプロセスカートリッジ方式と比較すると、補給時にのみ補給パックのようなデバイスを画像形成装置へ接続して消耗材を装置内へ補給(例えば、注入)する補給方式は、低コストであり且つ環境負荷が低いといった利点を有する。例えば、特許文献1は、トナーを収容しているシリンダ状の収容デバイスをプリンタへ接続し、収容デバイスからプリンタへトナーを補給するための仕組みを提案している。
国際公開第2020/046338号
一方、画像形成装置の分野では近年サブスクリプションサービスが普及し始めている。ここでサブスクリプションサービスとは、例えばユーザが使用するプリンタを事前にオンラインで登録し、ディーラに一定の金額を支払うことで、予め設定された規定枚数の印刷を実行することが可能なサービスである。上述した補給方式の画像形成装置にサブスクリプションサービスを適用した場合、契約対象のプリンタに含まれる消耗材の残量が少なくなると、ディーラから契約ユーザのもとにトナー補給用の収容デバイスが送付されることとなる。そして契約ユーザは、この収容デバイスから契約対象のプリンタにトナーを補給することによって契約条件下での印刷を行うことができる。例えばユーザは、契約で定められた規定枚数まで印刷を継続することができる。
ここで、補給方式の一つとして、収容デバイスからプリンタへトナーを一括して補給する方式を出願人は検討している。しかしながら、この場合、ユーザが誤って契約対象ではない別のプリンタにトナーを補給してしまうと、プリンタの内部から補給済みのトナーを回収することは困難であり、またサブスクリプションサービスの管理が煩雑になるという課題が発生する。
一方で、契約対象のプリンタに対し、所定のサービスを通じてユーザに提供される収容デバイスのみの使用を許可した場合、例えばユーザが提供された収容デバイスを使用前に紛失してしまうと、プリンタを利用できないダウンタイムが生じ得る。
そこで、本発明は、所定のサービスを通じて提供された消耗材を補給するための収容デバイスが、所定のサービスの対象ではない画像形成装置によって使用されることを抑制可能な仕組みを提供することを目的とする。
或いは、本発明は、所定のサービスを通じてユーザに消耗剤を収容した収容デバイスが提供される場合において、より画像形成装置の使い勝手を良くする仕組みを提供することを目的とする。
本発明は、消耗材を使用してシートに画像を形成する画像形成装置に対して着脱可能であり、前記消耗材を収容する収容デバイスであって、前記画像形成装置に装着された状態で前記画像形成装置に設けられた消耗材収容部へ前記消耗材を補給することが可能な前記収容デバイスの使用を許可するか否かを判定する情報処理装置において、前記収容デバイスが前記画像形成装置において使用される前に、前記収容デバイスが第1の収容デバイスであるか第2の収容デバイスであるかを識別するための第1識別情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した前記第1識別情報と、前記収容デバイスを装着して前記消耗材を補給する対象が第1の画像形成装置であるか第2の画像形成装置であるかを識別するための第2識別情報と、に基づいて前記収容デバイスの使用を許可するか否かを判定する判定手段と、所定のサービスの対象となっている画像形成装置に関する情報を記憶する記憶手段と、を有し、前記記憶手段に、前記第1の画像形成装置が前記所定のサービスの対象となっていることに関する情報が記憶されており、前記第2の画像形成装置が前記所定のサービスの対象となっていることに関する情報は記憶されていない状態において、前記判定手段は、前記第1の画像形成装置に対して前記第1の収容デバイスが使用される場合、及び前記第1の画像形成装置に対して前記第2の収容デバイスが使用される場合、前記収容デバイスの使用を許可し、前記第2の画像形成装置に対して前記第1の収容デバイスが使用される場合、前記収容デバイスの使用を許可せず、前記第2の画像形成装置に対して前記第2の収容デバイスが使用される場合、前記収容デバイスの使用を許可する、ことを特徴とする。
また、本発明は、補給システムにおいて、第1のアカウントを有する第1のユーザに対応づけられる第1の画像形成装置であって、画像形成のために消費される消耗材を収容する第1収容部と、前記第1収容部へ消耗材が補給されるための第1補給経路と、前記第1補給経路を開閉する第1開閉部と、前記第1開閉部が開放されることを規制するための第1規制位置と、前記第1開閉部が開放されることを許容するための第1許容位置と、に移動可能な第1規制部と、前記第1規制部を前記第1規制位置と前記第1許容位置との間で移動させる第1アクチュエータと、を有する第1の画像形成装置と、前記第1のアカウントとは異なる第2のアカウントを有する第2のユーザに対応づけられる第2の画像形成装置であって、画像形成のために消費される消耗材を収容する第2収容部と、前記第2収容部へ消耗材が補給されるための第2補給経路と、前記第2補給経路を開閉する第2開閉部と、前記第2開閉部が開放されることを規制するための第2規制位置と、前記第2開閉部が開放されることを許容するための第2許容位置と、に移動可能な第2規制部と、前記第2規制部を前記第2規制位置と前記第2許容位置との間で移動させる第2アクチュエータと、を有する第2の画像形成装置と、第1の認証情報が付与され、画像形成のために消費される消耗材を収容する第1の収容デバイスと、前記第1の認証情報とは異なる第2の認証情報が付与され、画像形成のために消費される消耗材を収容する第2の収容デバイスと、前記第1のユーザによって前記第1の認証情報又は前記第2の認証情報に関する情報が入力されたこと、若しくは前記第2のユーザによって前記第2の認証情報に関する情報が入力されたことに基づいて、認証信号を出力し、かつ前記第2のユーザによって前記第1の認証情報に関する情報が入力された場合には、前記認証信号を出力しない認証手段と、を備え、前記第1アクチュエータは、前記第1の画像形成装置に前記認証信号が入力された場合、前記第1規制部を前記第1規制位置から前記第1許容位置へ移動させ、前記第2アクチュエータは、前記第2の画像形成装置に前記認証信号が入力された場合、前記第2規制部を前記第2規制位置から前記第2許容位置へ移動させ、前記第2の画像形成装置に前記認証信号が入力されない場合、前記第2規制部を前記第2規制位置に保持する、ことを特徴とする。
本発明によれば、所定のサービスを通じて提供された消耗材を補給するための収容デバイスが、所定のサービスの対象ではない画像形成装置によって使用されることを抑制することができる。また、より画像形成装置の使い勝手を良くする仕組みを提供することができる。
(a)は背面カバーが閉じられた状態の画像形成装置を示す斜視図、(b)は背面カバーが開かれた状態の画像形成装置を示す斜視図。 画像形成装置の構成を示す概略図。 現像容器を示す斜視図。 トナー受け部を含む現像容器を示す断面図。 (a)はパックシャッタが閉位置に位置する際の補給パックを示す斜視図、(b)はパックシャッタが閉位置に位置する際の補給パックを示す他の斜視図。 (a)は排出トレイが閉じられた状態の画像形成装置を示す斜視図、(b)は排出トレイが開いた状態の画像形成装置を示す斜視図。 補給パックが装着された状態の画像形成装置を示す斜視図及び破線部の拡大平面図。 (a)は、ロック位置に位置するロック部材を示す底面図、(b)は、ロック解除位置に位置するロック部材を示す底面図。 本実施の形態に係る補給管理システムの構成の一例を示す模式図。 管理サーバの構成を示すブロック図。 装置登録時のデータベースの更新について説明するための説明図。 パック配送時のデータベースの更新について説明するための説明図。 ユーザ端末の構成を示すブロック図。 画像形成装置の機能面の構成を示すブロック図。 装置登録に関連する概略的な処理の流れを示すシーケンス図。 ユーザへの補給パックの提供に関連する概略的な処理の流れのいくつかの例を示すシーケンス図。 トナー補給時の概略的な処理の流れを示すシーケンス図。 管理サーバにより実行される認証処理の流れを示すフローチャート。 画像形成装置により実行されるロック制御処理の流れを示すフローチャート。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
また、以下では、後述の登録型画像形成装置及び標準画像形成装置に共通する構成を有する画像形成装置1、並びに登録型補給パック及び標準補給パックに共通する構成を有する補給パック200について主に説明する。
[1.補給方式の画像形成装置の説明]
図1(a)は、画像形成装置1を示す斜視図であり、図1(b)は、背面カバー22が開いた状態の画像形成装置1を示す斜視図である。図2は、画像形成装置1の構成を示す概略図である。画像形成装置1は、外部機器から入力される画像情報に基づいて記録媒体に画像を形成するモノクロプリンターである。記録媒体には、普通紙及び厚紙等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のプラスチックフィルム、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート、並びに布等の、材質の異なる様々なシート材が含まれる。
以下の説明において、画像形成装置1が水平な面に設置された場合における画像形成装置1の高さ方向(鉛直方向とは反対の方向)をZ方向とする。Z方向と交差し、後述する感光ドラム44の回転軸線方向(主走査方向)と平行な方向をX方向とする。X方向及びZ方向と交差する方向をY方向とする。X方向、Y方向、Z方向は、好ましくは互いに垂直に交差する。また便宜上、X方向においてプラス側を右側、マイナス側を左側と呼び、Y方向においてプラス側を前側または正面側、マイナス側を後側または背面側と呼び、Z方向においてプラス側を上側、マイナス側を下側と呼ぶ。
[1-1.装置の外観]
画像形成装置1の筐体は、図1(a)乃至図2に示すように、前カバー20、外装カバー21、背面カバー22、及び排出トレイ82を含む。背面カバー22には取っ手23が配設される。前カバー20は、画像形成装置1の一側面に開閉可能に配設され、後述する処理回路90を保護する。背面カバー22は、画像形成装置1の他側面に開閉可能に配設される。ユーザは、背面カバー22の取っ手23を把持して背面カバー22を開けることで、記録媒体が搬送される搬送路の一部及びプロセスユニット41を露出させ、例えばジャムの解消又はプロセスユニット41の交換といった保守作業を行うことができる。筐体には、排出トレイ82へ排出されるシートが通過する排出口81が形成されている。
[1-2.装置内部の構成]
画像形成装置1は、図2に示すように、消耗材であるトナーを消費して、記録媒体Pにトナー像を形成する画像形成部40と、記録媒体Pを給送する給送部30と、を有している。また、画像形成装置1は、画像形成部40によって形成されたトナー像を記録媒体に定着させる定着部70と、排出ローラ対80と、処理回路90と、を有している。
画像形成部40は、スキャナユニット42と、電子写真方式のプロセスユニット41と、プロセスユニット41の感光ドラム44に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写ローラ43と、を有している。プロセスユニット41は、感光ドラム44と、感光ドラム44の周囲に配置されたクリーニングユニット46、帯電ローラ47、現像ローラ45、及びトナーを収容する収容部48と、を有している。なお、プロセスユニット41は、画像形成装置1の筐体に対してビス留めされていてもよく、サービスマンによって取り外されるものも含む。
像担持体としての感光ドラム44は、円筒型に成形された感光体である。本実施の形態の感光ドラム44は、アルミニウムで成形されたドラム状の基体上に、負帯電性の有機感光体で形成された感光層を有している。また、感光ドラム44は、モータによって所定の方向(図中R方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。
帯電ローラ47は、感光ドラム44に所定の圧接力で接触し、帯電部を形成する。また、帯電高圧電源によって所望の帯電電圧を印加されることで、感光ドラム44の表面を所定の電位に均一に帯電させる。本実施の形態では、感光ドラム44は帯電ローラ47により負極性に帯電する。
スキャナユニット42は、外部機器から入力された画像情報に対応したレーザ光を、ポリゴンミラーを用いて感光ドラム44に照射することで、感光ドラム44の表面を走査露光する。この露光により、感光ドラム44の表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。なお、スキャナユニット42は、レーザスキャナ装置に限定されることはなく、例えば、感光ドラム44の長手方向に沿って複数のLEDが配列されたLEDアレイを有するLED露光装置を採用しても良い。
現像ローラ45は、収容部48によって回転可能に支持されている。また、現像ローラ45は、感光ドラム44に対向するように、収容部48を含む現像容器100(図3参照)の開口部に配置されている。なお、収容部48には、収容部48に収容されているトナーを現像ローラ45の表面に塗布する供給ローラを設けてもよい。
本実施の形態のプロセスユニット41は、現像方式として接触現像方式を用いている。即ち、現像ローラ45に担持されたトナー層が、感光ドラム44と現像ローラ45とが対向する現像部(現像領域)において感光ドラム44と接触する。現像ローラ45には現像高圧電源によって現像電圧が印加される。現像電圧の下で、現像ローラ45に担持されたトナーが感光ドラム44の表面の電位分布に従って現像ローラ45からドラム表面に転移することで、静電潜像がトナー像に現像される。
また、本実施の形態のトナーは磁性成分を含有せず、主に分子間力や静電気力(鏡像力)によってトナーが現像ローラ45に担持される、所謂非磁性の一成分現像剤である。ただし、磁性成分を含有する一成分現像剤を用いてもよい。また、一成分現像剤には、トナー粒子以外にもトナーの流動性や帯電性能を調整するための添加物(例えば、ワックスやシリカ微粒子)が含まれている場合がある。また、現像剤として非磁性のトナーと磁性を有するキャリアとによって構成された二成分現像剤を用いてもよい。磁性を有する現像剤を用いる場合、現像剤担持体としては、例えば内側にマグネットが配置された円筒状の現像スリーブが用いられる。
定着部70は、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させることで画像の定着処理を行う熱定着方式のものである。定着部70は、定着ヒータ73を内蔵する加熱ローラ71と、加熱ローラ71に圧接する加圧ローラ72と、を備える。給送部30は、記録媒体Pが積載されるカセット31と、ピックアップローラ32と、分離ローラ対33と、を有している。カセット31は、画像形成装置1の筐体から引き出し可能である。
処理回路90は、基板上に配設される複数の電子部品91,92,93を有する。例えば、電子部品91はプロセッサー、電子部品92はメモリ、電子部品93は入出力デバイスであってもよい。入出力デバイスは、通信インタフェースを含んでもよい。画像形成装置1に画像形成を指示するジョブが入力されると、例えば外部のコンピュータから受信される入力画像データに基づく画像形成プロセスが開始される。処理回路90は、画像形成プロセスを制御するためのコントローラとして動作する。
次に、画像形成装置1の画像形成プロセスについて説明する。画像形成プロセスが開始されると、スキャナユニット42は、入力された画像情報に基づいて、感光ドラム44に向けてレーザ光を照射する。このとき感光ドラム44は、帯電ローラ47により予め帯電されており、レーザ光が照射されることで感光ドラム44上に静電潜像が形成される。その後、現像ローラ45によりこの静電潜像が現像され、感光ドラム44上にトナー像が形成される。
上述の画像形成プロセスに並行して、給送部30のピックアップローラ32は、カセット31に支持された記録媒体Pを送り出す。記録媒体Pは、分離ローラ対33によって1枚ずつに分離され、分離ローラ対33に搬送される。そして、記録媒体Pは、分離ローラ対33によって、転写ローラ43及び感光ドラム44によって形成される転写ニップNに向けて搬送される。
転写ローラ43には、転写高圧電源から転写電圧が印加され、分離ローラ対33によって搬送される記録媒体Pに感光ドラム44に担持されているトナー像が転写される。トナー像を転写された記録媒体Pは、定着部70に搬送され、定着部70の加熱ローラ71と加圧ローラ72との間のニップ部を通過する際にトナー像が加熱及び加圧される。これによりトナー粒子が溶融し、その後固着することで、トナー像が記録媒体Pに定着する。定着部70を通過した記録媒体Pは、排出ローラ対80によって排出口81から画像形成装置1の外部(機外)に排出され、排出トレイ82に積載される。記録媒体Pにトナー像が転写された後、感光ドラム44上に残存したトナーはクリーニングユニット46によってクリーニングされる。
なお、本実施の形態の画像形成装置1は、記録媒体Pの片面のみに画像を形成可能な構成であるが、これに限定されない。例えば、第1面に画像が形成された記録媒体Pを反転させるための両面搬送路を画像形成装置1に設け、画像形成装置1を記録媒体Pの両面に画像を形成可能に構成してもよい。
[1-3.現像容器の詳細な構成]
次に、図3及び図4を用いて、現像容器100及びその周辺構成について説明する。図3に示すように、現像容器100は、消耗材収容部としての収容部48と、トナー受け部110と、から構成されている。トナー受け部110は、図3では不図示の操作部111と、円筒形状の円筒部112と、円筒部112と収容部48とを接続する接続部120と、本体シャッタ116と、を有している。円筒部112の内壁には、接続部120へとつながる側面開口115が形成されている。
図4に示すように、トナー受け部110には後述する補給パック200が装着され、補給パック200から排出されたトナーは、本体シャッタ116の開口118、円筒部112の側面開口115及び接続部120を通って、収容部48へ補給される。接続部120は、図3に示すように、現像容器100の長手方向、すなわちX方向において、収容部48の一端側に接続されている。
図3及び図4に示すように、本体シャッタ116は、円筒部112と同心の円筒形状の部材であり、円筒部112の内側に回転可能に設けられている。本体シャッタ116は、開口118を有しており、開口118と側面開口115が一致する開位置と、本体シャッタ116の側面によって側面開口115を遮蔽する閉位置と、に移動可能である。なお、本体シャッタ116の側面には、開口118の周縁部を囲むようにシール部材を設けてもよい。
また、本体シャッタ116の内側面には、本体シャッタ116の回転軸線方向に直交する径方向内側に突出する突出部117が形成されている。突出部117は、詳しくは後述するが、補給パック200から駆動を受け取り、本体シャッタ116を回動させるために用いられる。補給パック200がトナー受け部110に装着された状態で操作部111が動作位置(図7に示す位置)から補給位置に回転操作されることで、本体シャッタ116は閉位置と開位置との間で移動する。なお、補給パック200は、画像形成装置1に装着された状態において少なくとも一部が画像形成装置1の外部に露出されている。
操作部111には、円筒部112の内周面よりも径方向内側に突出した突出部111d(図7参照)が設けられている。突出部111dは、補給パック200のパックシャッタ214の一対の駆動伝達面214b(図5(a)参照)を介して、本体シャッタ116の突出部117と係合可能に構成されている。本体シャッタ116は、閉位置から、操作部111のレバー部111bがユーザによって反時計回りに90度回転されることで、閉位置へ移動する。
記録媒体Pに画像形成を行う際には、撹拌部材60(図4参照)によって収容部48内においてトナーが撹拌され、側面開口115からトナーが漏れ出さないように、本体シャッタ116によって側面開口115を遮断する必要がある。従って、画像形成時には、本体シャッタ116が閉位置に位置するように、操作部111は動作位置に位置する。一方で、補給パック200から収容部48へトナーを補給する際には、側面開口115を開く必要がある。従って、トナー補給時には、本体シャッタ116が開位置に位置するように、操作部111は補給位置に位置する。操作部111は、補給位置から更に反時計回りに回転しないように、図示しない規制部材によって回転規制されている。
操作部111は、補給パック200が装着されていないときは、通常、後述するロック機構150により回転方向で規制されている。このロック機構150により、補給パック200の装着前に、操作部111に設けられる突出部111d(図7参照)と、本体シャッタ116に設けられる突出部117と、の位相がずれて補給パック200を装着できなくなることを防ぐことができる。
収容部48の内部には、図4に示すように、X方向に延びる回転軸60aを中心に回転する撹拌部材60が設けられている。撹拌部材60は、回転軸60aに固定され回転軸方向に長いシート状の羽根部60bを有しており、駆動モータ65に駆動されて回転することで、収容部48内のトナーを撹拌すると共に、現像ローラ45に向けてトナーを搬送する。なお、本実施の形態においては、撹拌部材60は、回転軸60aと羽根部60bとで構成されているが、収容部48の全長に亘ってトナーを行きわたらせる構成として、ラセン形状の撹拌部材を用いてもよい。
また、撹拌部材60は、現像に使用されず現像ローラ45から剥ぎ取られたトナーを収容部48内で循環させ、収容部48内のトナーを均一化する役割を有する。なお、撹拌部材60は、回転する形態に限定されない。例えば、揺動する形態の撹拌部材を採用しても良い。また、撹拌部材60の他に、更に別の撹拌部材を設けても良い。
また、収容部48には、収容部48内のトナー量を検知するための残量検知部61が設けられており、残量検知部61は、発光部61aと、受光部61bと、を有している。発光部61aから発せられた光は、収容部48の内部を通過し、受光部61bにより受光される。すなわち、発光部61a及び受光部61bは、収容部48の内部において光路Q1を形成している。なお、発光部61a及び受光部61bは、発光素子及び受光素子をそれぞれ収容部48の内部に配置してもよく、発光素子及び受光素子をそれぞれ収容部48の外部に配置し、導光部によって、収容部48の内外に光を案内してもよい。
更に、発光部61aおよび受光部61bは、X方向において収容部48の中央部分に設けられている。発光部61aおよび受光部61bを収容部48の中央部分に設けることで、収容部48のトナー残量を良好に検知することができる。すなわち、収容部48のX方向における端部には、現像剤(トナー)が偏在することがあるが、収容部48の中央部分は現像剤の偏在が少ないので、実際的なトナー残量を検知することができる。
なお、本実施の形態では、発光部61aにLEDを使用し、受光部61bにはLEDからの光によりオン状態となるフォトトランジスタを使用しているが、これに限定されない。例えば、発光部61aにハロゲンランプや蛍光灯を適用してもよく、受光部61bにフォトダイオードやアバランシェフォトダイオードを適用してもよい。
フォトトランジスタである受光部61bは、発光部61aから出射された光を受光し、受光した光量に応じた信号(電流)を出力する。この信号は、電圧に変換され、処理回路90(図2参照)に入力される。すなわち、受光部61bは、収容部48に収容されたトナー(現像剤)の量に基づいて出力値を変化させる。
処理回路90は、例えば、トナーが撹拌されている最中の、一定の時間ウィンドウに対する発光部61aからの光が(トナーにより)遮蔽された時間の割合に基づいて、トナーの残量を推定してもよい。なお、上述した残量検知部61の構成例に限定されず、トナーの残量は、いかなる方法で検知され又は推定されてもよい。例えば、トナーの残量は、前回のトナー補給時の総量からその後の累積使用量を減算することにより推定されてもよい。処理回路90は、印刷により消費された記録媒体の枚数又はピクセルカウントといった画像形成動作に関する統計値に基づいて、トナーの使用量を導出してもよい。
[1-4.補給パックの構成]
次に、図5(a)(b)を用いて補給パック200の構成について説明する。図5(a)は、パックシャッタ214が閉位置に位置する際の補給パック200を示す斜視図であり、図5(b)は、パックシャッタ214が開位置に位置する際の補給パック200を示す斜視図である。
補給パック200は、図5(a)(b)に示すように、補給するトナーが入った袋であるパウチ部211と、装着口114(図6(b)参照)に挿入される円筒形状のノズル212と、パックシャッタ214と、を有している。ノズル212は、袋状のパウチ部211の開口部に接続される把持部215を有しており、パウチ部211は、把持部215を介してノズル212に連通している。ノズル212には、パウチ部211内のトナーが外部に排出される開口213が形成されている。なお、パウチ部211は、変形容易なプラスチック製の袋体から構成されており、パウチ部211内の消耗材(トナー)を重力方向に移動又は消耗材を解すために、パウチ部211を押圧しやすくなっている。なお、パウチ部211は、このような構成に限定されず、樹脂、紙又はビニールといった任意の素材で構成されてよく、ボトル、シリンダ又はボックスといった任意の形状を有していてよい。把持部215は、パウチ部211よりも十分に大きい剛性を有しており、ユーザが画像形成装置1に補給パック200を装着する際に把持するのに好適である。なお、把持部215は、ノズル212とは別体に構成されてもよい。
パックシャッタ214は、ノズル212と同心の円筒形状の部材であり、ノズル212の径方向外側に設けられている。パックシャッタ214は、開口214cを有しており、ノズル212に対して回転することで、ノズル212の開口213を遮蔽する閉位置又は開口213を開放する開位置に遷移することができる。パックシャッタ214の開口214cとノズル212の開口213とが重なると、補給パック200からトナー受け部110へトナーを補給することができる。
パックシャッタ214の内周面には、ノズル212の外周面に摺擦可能なシール部材231が固定されており、シール部材231は、パックシャッタ214が閉位置に位置する際に、ノズル212の開口213を遮蔽する。
また、パックシャッタ214の開口214cを形成する縁部の一部は、駆動伝達面214bを構成している。駆動伝達面214bが、操作部111の突出部111dから周方向に力を受けることで、パックシャッタ214は、ノズル212に対して回転する。
パックシャッタ214の駆動伝達面214bは、操作部111の突出部111dと係合するとともに、本体シャッタ116の突出部117と係合する。パックシャッタ214は、操作部111の操作(動作)力によって移動(回転)するとともに、その操作力を本体シャッタ116に伝えて、本体シャッタ116も移動させるものである。
[1-5.トナーの補給]
次に、図6(a)乃至図7を用いて、トナー受け部110への補給パック200の接続について説明する。排出トレイ82は、図6(a)に示すように記録媒体Pを積載可能な閉位置と、図6(b)に示すように、画像形成装置1の装置本体に対して開かれた開位置と、に開閉可能に支持されている。排出トレイ82は、閉位置においてトナー受け部110の装着口114を覆っている。すなわち、排出トレイ82は、装着口114を遮蔽する遮蔽部材としての役割を有する。
排出トレイ82が開位置へ開かれると、天面部240と、天面部240上に配置されるトナー受け部110と、が露出する。トナー受け部110には、図7に示すように補給パック200が着脱可能に構成されており、現像容器100を画像形成装置1の筐体から外すことなく、ユーザやサービスマンが外部からトナーを補給することができるように構成されている。
操作部111は、図6(b)及び図7に示すように、天面部240上に配置されており、トナーを補給するための挿入口である装着口114を形成している。また、操作部111は、ユーザによって操作されるレバー部111bと、上述した突出部117と、を有している。操作部111は、本体シャッタ116及びパックシャッタ214の開閉を外部から操作するための部材である。
次に、補給パック200を用いた消耗材としてのトナーの補給手順について説明する。まず、ユーザは、排出トレイ82上の記録媒体Pを取り除き、排出トレイ82を閉位置から開位置へと開く。これにより、トナー受け部110が露出される。トナー受け部110は、画像形成装置1の上部前面に設けられているため、トナー補給がしやすい。
排出トレイ82が開位置へと開かれトナー受け部110が露出した状態では、操作部111は、後述するロック機構150により回転が規制されている。そして、操作部111は、動作位置で位置決めされている。
ユーザは、トナー受け部110に設けられた突出部111dと、補給パック200に設けられた開口214cと、を位置合わせして、補給パック200をトナー受け部110に装着する。突出部111dと開口214cの位置が一致しない場合は、補給パック200が突出部111dと干渉し、補給パック200を挿入することができないようになっている。
補給パック200をトナー受け部110の奥まで挿入すると、パックシャッタ214の駆動伝達面214bは、操作部111の突出部111dに係合する。また、パックシャッタ214の駆動伝達面214bは、本体シャッタ116の突出部117に係合する。
すなわち、操作部111が回転は、パックシャッタ214に伝達され、パックシャッタ214の回転は、本体シャッタ116に伝達される。これにより、本体シャッタ116とパックシャッタ214とが互いに係合して一体化された状態になり、操作部111、パックシャッタ214及び本体シャッタ116が連動する。そして、ロック機構150による操作部111のロックが解除されると、操作部111が回転可能な状態になる。なお、補給パック200がトナー受け部110に装着されていない状態では、操作部111と本体シャッタ116は互いに連動しない。
そして、ユーザは、操作部111のレバー部111bを反時計回りに90度回転させる。これにより、操作部111が動作位置から補給位置に回転し、パックシャッタ214及び本体シャッタ116が閉位置から開位置に回転する。その結果、パックシャッタ214の開口214c、補給パック200のノズル212の開口213、本体シャッタ116の開口118及び円筒部112の側面開口115が重なる。これにより、補給パック200内のトナーは、接続部120を通って、収容部48へ排出される。
言い換えれば、トナー受け部110は、操作部111が補給位置に位置する際に、補給パック200から収容部48へトナーを補給可能な補給可能状態となる。この時、補給パック200の開口213と、円筒部112の側面開口115と、が連通する。すなわち、補給パック200から収容部48へのトナーの補給経路が開放される。
補給パック200から収容部48へのトナー補給が完了すると、ユーザは、操作部111を補給位置から動作位置へ戻す。すなわち、ユーザは、操作部111のレバー部111bを、時計回りに90度回転させる。これにより、パックシャッタ214及び本体シャッタ116が開位置から閉位置に回転する。
言い換えれば、トナー受け部110は、操作部111が動作位置に位置する際に、補給パック200から収容部48へトナーを補給可能な補給不能状態となる。この時、補給パック200の開口213と、円筒部112の側面開口115と、は互いに連通しない。
そして、ユーザは、補給パック200をトナー受け部110から取り外す。このように、補給パック200がトナー受け部110から取り外された状態では、パックシャッタ214が閉位置に位置するため、補給パック200の開口213からのトナーの漏れを防ぐことができる。
[1-6.ロック機構の説明]
次に、図7乃至図8(b)を参照して、トナー受け部110に設けられるロック機構150について説明する。図8(a)は、ロック位置に位置するロック部材152を示す底面図であり、図8(b)は、ロック解除位置に位置するロック部材152を示す底面図である。
ロック機構150は、図8(a)(b)に示すように、ロック部材152、突起111k及びソレノイド155を有している。ロック部材152は、画像形成装置1の筐体に支持される軸151により回動可能に支持されており、突起111kに係合可能な先端部153を有している。突起111kは、操作部111に一体に設けられており、ロック部材152と突起111kが係合することで、操作部111の回転が規制される。
ロック部材152は、突起111kの回転軌跡と重なるロック位置(図8(a)に示す位置)と、突起111kの回転軌跡から退避したロック解除位置(図8(b)に示す位置)と、に回動可能に構成されている。すなわち、ロック位置は、操作部111の回転を規制する位置であり、ロック解除位置は、操作部111の回転を許容する位置である。ロック部材152は、不図示のバネによってロック位置に付勢されており、ソレノイド155に通電することで、バネの付勢力に抗してロック解除位置に移動される。
ロック部材152がロック位置に位置する際には、ユーザが操作部111を矢印Rc方向に操作しようとしても、ロック部材152の先端部153と操作部111の突起111kが係合するため、操作部111の回動が規制される。操作部111の動作位置から補給位置への回転が規制されるため、パックシャッタ214及び本体シャッタ116も閉位置から開位置への回転が規制される。
一方で、ロック部材152がロック解除位置に位置する際には、先端部153が突起111kの回転軌跡から退避しているので、ロック部材152の回動は規制されない。このため、トナー受け部110の補給パック200を装着して、操作部111を動作位置から補給位置へ回転することで、パックシャッタ214及び本体シャッタ116を閉位置から開位置へ回転させることができる。
言い換えれば、ロック部材152がロック位置に位置する際に、ロック機構150は操作部111の回転を規制するロック状態となる。また、ロック部材152がロック解除位置に位置する際に、ロック機構150は操作部111の回転を規制しないアンロック状態となる。ソレノイド155は、処理回路90によって制御される。ロック機構150がアンロック状態となるための条件については、後述する。
なお、ロック機構150の構成は、上述した例には限定されず、機械的、電磁的、電気的又はソフトウェア的な任意の機構であってよい。例えば、ロック部材152は、ソレノイド155ではなくモータ又は他の種類のアクチュエータにより駆動されてもよい。ユーザの操作に依拠することなく、コンピュータ制御によって作動するロック機構が採用される場合には、ロック機構のロック状態及びアンロック状態は、単にプログラムコードによって実現されてもよい。
また、図7に示すように、操作部111の近傍には、インジケータ125が配設される。インジケータ125は、例えばロック部材152の位置に応じて表示が変更されるように構成され、上述したロック機構150がロック状態であるか又はアンロック状態であるかをユーザに指し示す。インジケータ125は、例えば、筐体内に配設されるLED(Light―Emitting Diode)と、LEDからの光が透過する窓とで構成してもよい。ユーザは、ロック機構150がアンロック状態にあることをインジケータ125が示している場合に、操作部111を回転させてトナーの補給経路を開放することができる。
本実施の形態では、ユーザが操作部111のレバー部111bを操作することにより発生する回転方向の力でトナーの補給経路50が開放される例を説明したが、補給経路50の閉塞及び開放は、ユーザの操作に依拠することなく行われてもよい。一例として、画像形成装置1は、補給パック200がトナー受け部110に接続されていることを検知するパックセンサと、操作部111を回転させるための駆動力を生成する駆動モータとを備えてもよい。この例において、処理回路90は、補給パック200のトナー受け部110への接続がパックセンサにより検知されていることを条件として、駆動モータを作動させ、駆動モータの回転力で操作部111を回転させて補給経路50を開放してもよい。ここで補給パック200がトナー受け部110に接続されているとは、例えば、パックシャッタ214の駆動伝達面214bとの係合の為に、操作部111の突出部111d及び本体シャッタ116の突出部117が開口214cに進入した状態を指す。
また、上述の操作部111、補給パック200のパックシャッタ214、並びに本体シャッタ116を例とする開閉機構51(図14参照))では、回転するパックシャッタ214及び本体シャッタ116を含む形態を例に説明したが、これに限定されない。例えば、回転するこれらシャッタの代わりに、直線方向に移動可能なシャッタが採用されてもよく、又は、シャッタとは異なる例えばバルブのような開閉機構が採用されてもよい。また、開閉機構51は、補給パック200のような収容デバイス及び画像形成装置の少なくとも一方に配設されていればよい。即ち、収容デバイスから画像形成装置への補給経路は、収容デバイス及び画像形成装置の一方の側では常に開放されており、他方の側においてのみ開閉されてもよい。その代わりに、補給経路は、上述した例のように、収容デバイス及び画像形成装置の双方で開閉されてもよい。また、ユーザによる開閉機構の操作を検知し又は開閉機構の状態(開状態若しくは閉状態)を検知するためのセンサが追加的に配設されてもよい。
また、上述した開閉機構51は、ロック機構150によって(ユーザ操作による又は自動的な)、直接的又は間接的にその作動を抑止され得るものであってよい。開閉機構と同様に、ロック機構もまた、収容デバイス及び画像形成装置の少なくとも一方に配設されていればよい。
また、画像形成装置1の装着口114又は補給パック200の開口213には、トナーの漏出を防止するための蓋又はキャップといった漏出防止部材が取付けられてもよい。こうした漏出防止部材は、ユーザによりいつでも自由に取外し可能であってよい。
以下、補給管理システム300を用いた本実施の形態について説明する。
[2.補給管理システム]
特許文献1に記載された補給方式の画像形成装置は、ローカルでの認証によって、画像形成装置に接続された収容デバイスからのトナーの補給を開始するかを判定する。しかし、ローカルでの単純な認証では、画像形成装置と収容デバイスとの間の適合性を検証できるに過ぎず、例えばある契約に基づく登録ユーザによって補給が行われているかなど、他の条件を考慮して補給を許可し又は抑止することは難しい。低コストであり且つ環境負荷が低いために注目を集めている補給方式の画像形成装置において、ローカルでの認証で検証される条件を拡張すれば、それはデバイスの複雑化とコスト増につながり、補給方式の本来の利点が損なわれかねない。そこで、本節で説明する形態では、画像形成装置へのトナーの補給の管理に、遠隔環境で動作するサーバ装置を関与させる仕組みを取り入れる。
[2-1.システムの概要]
図9は、本実施の形態に係る補給管理システム300の構成の一例を示す模式図である。図9に示すように、補給管理システム300は、画像形成装置1、管理サーバ301及びユーザ端末401を含む。
画像形成装置1は、ユーザが存在するユーザ環境E1に設置される。ユーザ端末401もまたユーザ環境E1に存在し、ユーザにより所持される。画像形成装置1及びユーザ端末401は、例えばLAN(Local Area Network)であり得るローカルネットワークN1へ接続される。管理サーバ301は、遠隔環境E2に設置される。遠隔環境E2は、外部ネットワークN2を介してローカルネットワークN1と接続される。外部ネットワークN2は、例えば、インターネット又はVPN(Virtual Private Network)であってよい。ローカルネットワークN1及び外部ネットワークN2の各々は、例えばルータ、スイッチ、ゲートウェイ、無線アクセスポイント、及び基地局といった、任意の種類のいかなる数のネットワーク装置を含んでもよい。
ユーザ環境E1において、ユーザは、画像形成装置1を利用する。画像形成装置1は、上述したように、消耗材としてのトナーを消費して記録媒体に画像を形成する。画像形成装置1に貯蔵されているトナーが枯渇すると、ユーザは、トナーを収容している収容デバイスである補給パック200を画像形成装置1へ接続し、補給パック200から画像形成装置1へトナーを補給する。補給パック200が空になり、ユーザ環境E1に予備の補給パック200が無ければ、次回トナーが枯渇したときに画像形成装置1を利用することができない。本実施の形態において、管理サーバ301は、こうした事態を防止するために、各ユーザによる画像形成装置1及び補給パック200の利用状況を遠隔的に管理する。
管理サーバ301は、補給パック200から画像形成装置1へのトナーの補給を管理するためのサーバ装置である。管理サーバ301は、複数のユーザによるそれぞれの画像形成装置及びトナーの利用状況を一元的に管理するための装置であってもよい。管理サーバ301は、例えば、高性能な汎用コンピュータを用いて、アプリケーションサーバ、データベースサーバ又はクラウドサーバとして実装されてよい。ユーザ端末401は、管理サーバ301の補給管理機能を支援するためのユーザインタフェースをユーザに提供する端末装置である。ユーザ端末401は、例えば、スマートフォン、携帯電話、PC(Personal Computer)又はPDA(Personal Digital Assistant)といった汎用的な端末装置であってよい。画像形成装置1もまた、ユーザにユーザインタフェースを提供してよい。
なお、後に詳しく説明する管理サーバ301の機能は、単一の装置により提供されてもよく、又は物理的に別個の複数の装置が相互に連携することにより提供されてもよい。また、管理サーバ301が保持するものとして説明するデータベースの一部は、管理サーバ301とは別個の装置(例えば、他のデータベースサーバ)により保持されていてもよい。
本実施の形態において、各補給パック200には、当該補給パック200を一意に識別するための固有のコード201が付与される。コード201は、例えば、製造番号、シリアル番号、又はパック識別子などと称されてもよい。各補給パック200のパウチ部211の表面、又は各補給パック200のパッケージには、コード201が、ユーザにより人為的に、又はユーザ端末401により光学的に読取可能な形式で印刷される。光学的に読取可能な形式とは、例えば1次元のバーコード又は2次元のQRコード(登録商標)といった形式を含んでよい。ユーザにより又はユーザ端末401により読取られたコード201は、管理サーバ301へ送信され、後述する補給管理のために利用され得る。
[2-2.管理サーバの構成例]
図10は、本実施の形態に係る管理サーバ301の構成の一例を示すブロック図である。図10に示すように、管理サーバ301は、通信インタフェース(I/F)311、メモリ312、管理データベース(DB)313及び処理回路314を備える。
通信I/F311は、管理サーバ301が他の装置と通信するためのインタフェースである。例えば、通信I/F311は、ユーザ環境E1に存在する画像形成装置1及びユーザ端末401と通信する。通信I/F311は、有線通信インタフェースであってもよく、又は無線通信インタフェースであってもよい。
メモリ312は、例えばROM(Read Only Memory)若しくはRAM(Random Access Memory)などの半導体メモリ、光ディスク、又は磁気ディスクといった、任意の種類の記憶媒体を含んでよい。メモリ312は、非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体を含んでもよい。メモリ312は、処理回路314により実行される1つ以上のコンピュータプログラム、及び多様なデータを記憶する。
管理DB313は、補給管理システム300の管理下にある1つ以上の画像形成装置へのトナーの補給を管理するためのテーブル群からなる。より具体的には、図10に示したように、管理DB313は、アカウントテーブル320、装置登録テーブル330、及び配送パックテーブル340を含む。
アカウントテーブル320は、補給管理システム300により提供される補給パック200を利用するユーザのアカウントに関する情報を保持するテーブルである。アカウントテーブル320は、例えば次の情報項目のうちの1つ以上を含み得る:
・「ユーザID」
・「パスワード」
・「名前」
・「メールアドレス」
・「住所」
・「契約タイプ」
・「決済方法」
「ユーザID」は、ユーザアカウントの各々を一意に識別するための識別情報である。「パスワード」は、ユーザがシステムへログインする際のユーザ認証において使用される。「名前」は、各アカウントのユーザ名を表す。ユーザ名は、例えば、ログイン後に画面上に表示され、及び補給パック200の配送の際の宛て名として使用され得る。「住所」は、補給パック200の配送の際の宛て先として使用され得る。「メールアドレス」は、システムから各ユーザへの様々な通知を電子メールで行う際に使用され得る。「契約タイプ」は、各ユーザが補給管理システム300を運用する事業者と交わした契約のタイプを表す。後述する提供管理部360は、各ユーザ宛てに補給パック200をいつ配送すべきかを、当該ユーザの契約タイプに依存して決定し得る。「決済方法」は、各ユーザに提供された補給パック200の対価をどのような手段で決済するかに関する情報である。
装置登録テーブル330は、各ユーザの装置として補給管理システム300に登録された画像形成装置に関する情報を保持するテーブルである。装置登録テーブル330は、例えば次の情報項目のうちの1つ以上を含み得る:
・「所有者」
・「装置ID」
・「登録日」
・「ステータス」
・「トナー残量」
「所有者」は、各画像形成装置を所有し又は管理するユーザのアカウントを、アカウントテーブル320に登録されている「ユーザID」で示す。「装置ID」は、各画像形成装置を一意に識別するための識別情報である。「所有者」と「装置ID」とのペアにより、各ユーザアカウントと当該アカウントを有するユーザの装置として登録された少なくとも1つの画像形成装置との間の関連付けが示される。1つのユーザアカウントに2つ以上の画像形成装置が関連付けられてもよい。「登録日」は、各画像形成装置の「装置ID」が装置登録テーブル330に登録された日付を示す。「ステータス」は、各画像形成装置が実際に「所有者」のユーザ環境に設置されているかの検証に関するステータスを示す。「装置ID」の初期登録の時点では「ステータス」は「未検証」を示し、検証が完了すると「ステータス」は「検証済み」に変更され得る。「トナー残量」は、各画像形成装置により検知され報告される最新のトナー残量の値を示す。例えば、「トナー残量」は、百分率で表されてもよい。
配送パックテーブル340は、各ユーザ宛てに発送された補給パックに関する情報を保持するテーブルである。配送パックテーブル340は、例えば次の情報項目のうちの1つ以上を含み得る:
・「契約者」
・「パックID」
・「発送日」
・「ステータス」
・「使用日」
「契約者」は、各補給パックの提供先となったユーザのアカウントを、アカウントテーブル320に登録されている「ユーザID」で示す。「パックID」は、各補給パックを一意に識別するための識別情報である。「契約者」と「パックID」とのペアにより、各ユーザアカウントと当該アカウントを有するユーザに提供された少なくとも1つの補給パックとの間の関連付けが示される。各ユーザはトナーを繰り返し消費することから、配送パックテーブル340において1つのユーザアカウントに関連付けられる補給パックの数は、時間が経過するにつれて増加していく。「発送日」は、各補給パックが「契約者」へ向けて発送された日付を示す。「ステータス」は、各補給パックが画像形成装置へのトナーの補給に使用されたか否かに関するするステータスを示す。発送の時点では「ステータス」は「未使用」を示し、各補給パックがユーザ環境に到着し認証を終えてトナーの補給が行われると「ステータス」は「使用済み」に変更され得る。「使用日」は、各補給パックがトナーの補給に使用された日付を示す。
処理回路314は、例えばCPU(Central Processing Unit)であってよく、メモリ312に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、管理サーバ301の多様な機能を提供する。より具体的には、図10に示したように、処理回路314は、データ管理部350、提供管理部360及び認証部370として機能し得る。
データ管理部350は、管理DB313へのデータの登録及び更新を管理する。データ管理部350は、アカウントテーブル320に登録されるべきアカウント情報の入力を受け付けるための画面をユーザ端末401に表示させ、入力されたアカウント情報を通信I/F311を介して受信して、アカウントテーブル320に登録してもよい。同様に、データ管理部350は、各ユーザが保有する画像形成装置についての装置情報の入力を受け付けるための画面をユーザ端末401に表示させ、入力された装置情報を通信I/F311を介して受信して、装置登録テーブル330に登録してもよい。これら入力画面は、例えばウェブページ、入力フォーム、又はアプリケーション画面など、いかなる形式で提供されてもよい。典型的には、装置情報の入力の受付けは、アカウントテーブル320に記憶されているユーザID及びパスワードを用いたユーザ認証が成功し、ユーザがシステムへログインしている期間中に行われてよい。
具体的には、本実施の形態において、データ管理部350は、装置登録テーブル330に登録した装置情報について、対応するユーザのユーザ環境に実際に設置されているのかの簡易な検証を行ってもよい。例えば、データ管理部350は、ユーザがシステムへログインし画像形成装置1の装置情報を入力画面へ入力した場合に、画像形成装置1において所定の操作を行うことを促すメッセージをユーザに提示する。所定の操作とは、例えば、画像形成装置1の特定の物理的なボタンの押下又はGUI(Graphical User Interface)上のボタンへのタッチであってよい。追加的に又は代替的に、ここで送信されるメッセージは、画像形成装置1の電源を(オフになっている場合に)オンすることを促す内容を含んでもよい。ユーザが促された通りの操作を画像形成装置1において行うと、画像形成装置1は、自装置を識別する装置IDを管理サーバ301へ送信する。データ管理部350は、上記メッセージの提示から所定の期間が経過するまで、画像形成装置1からの装置IDの受信を待受ける。そして、データ管理部350は、ユーザにより入力された装置IDと同一の装置IDがタイムアウト前に画像形成装置1から受信された場合、その装置IDにより識別される画像形成装置1がユーザ環境に実際に設置されていると判定する。データ管理部350は、こうした検証の完了前の装置については装置登録テーブル330の「ステータス」の値を「未検証」に、検証の完了後の装置については装置登録テーブル330の「ステータス」の値を「検証済み」に設定する。
本実施の形態において、データ管理部350は、装置登録テーブル330の「トナー残量」の値の更新をも管理する。例えば、データ管理部350は、登録済みの画像形成装置1から、当該装置の収容部48内のトナーの残量に関する残量情報を、通信I/F311を介して受信する。そして、データ管理部350は、受信した残量情報に基づいて、トナーの残量に関するステータス情報、即ち装置登録テーブル330の「トナー残量」の値を更新する。
提供管理部360は、補給管理システム300のユーザに対する補給パック200の提供を管理する。例えば、提供管理部360は、ユーザへの補給パック200の提供をトリガするトリガイベントの発生を監視する。
トリガイベントの一例は、ユーザによる補給パック200の購入であってよい。提供管理部360は、例えば、画像形成用のトナーを販売するウェブサイトにおいて、補給パック200の注文が受付けられた場合(即ち、個別契約が成立した場合)に、購入者であるユーザへの補給パック200の提供を開始してもよい。
トリガイベントの他の例は、ユーザとの契約に基づく提供タイミングの到来である。例えば、あるユーザは、ある個数の補給パック200を定期的に(例えば、1ヶ月又は数ヶ月に一度)購入するという定期購入契約を事業者と締結しているものとする。提供管理部360は、こうしたユーザについて、次の補給パック200の提供タイミングが到来したと判定される場合に、当該ユーザへの補給パック200の提供を開始してもよい。
トリガイベントの他の例は、装置登録テーブル330に登録済みの画像形成装置1内のトナーの残量の低下の検知であってよい。例えば、あるユーザは、自身が所有する画像形成装置1内のトナー残量が低下した場合には自動的に新たな補給パック200の提供を受けるという自動購入契約を事業者と締結しているものとする。この場合、提供管理部360は、ユーザの登録済みの画像形成装置1について、装置登録テーブル330の「トナー残量」の値を監視し、トナー残量が所定の閾値を下回ると判定される場合に、当該ユーザへの補給パック200の提供を開始してもよい。追加的に又は代替的に、補給パック200の自動購入に関するトリガイベントは、登録済みの画像形成装置1の動作回数(例えば、ジョブ実行回数、又は記録媒体の累計消費枚数)の閾値への到達であってもよい。追加的に又は代替的に、補給パック200の自動購入に関するトリガイベントは、ユーザへ過去に提供された補給パック200の使用の検知であってもよい。例えば、提供管理部360は、自動購入契約を締結したユーザへ提供済みの補給パック200について、配送パックテーブル340の「ステータス」を監視し、その値が「未使用」から「使用済み」へ変化した場合に、補給パック200の提供を開始してもよい。
これらトリガイベントの検知に応じて定期的に又は自動的にユーザに新たな補給パック200を提供することで、ユーザが予期しないタイミングでトナーが枯渇して画像形成装置1が使用不能となる可能性を低減することができる。
提供管理部360は、各ユーザについて、上述したトリガイベントのうちのどのイベントを監視するかを、アカウントテーブル320の「契約タイプ」の内容に基づいて判定し得る。提供管理部360は、あるユーザについてトリガイベントが発生したと判定すると、当該ユーザに新たな補給パック200を割当て、割当てた補給パック200の配送を指示するメッセージを配送担当者へ送信する。また、提供管理部360は、配送先ユーザのユーザID及び割当てた補給パック200を識別するパックIDを示す新たなレコードを配送パックテーブル340に追加して、ユーザアカウントと補給パック200との間の関連付けを管理DB313に登録する。配送パックテーブル340の「発送日」は補給パック200が発送される日に、「ステータス」及び「使用日」は初期値として「未使用」及び空欄にそれぞれ設定され得る。
認証部370は、ユーザによるシステムへのログインの際のユーザ認証(例えば、パスワード認証)に加えて、トナーの補給に使用されようとしている補給パック200について補給を許可するための認証(以下、補給前認証という)を行う。補給前認証は、補給パック200が使用を許可し得る対象であるか(例えば、正規のルートでユーザに提供されたものであるか)の判定を含み得る。図9を用いて説明したように、本実施の形態において、各補給パック200を一意に識別するための固有のコード201が、当該補給パック200に付与される。コード201は、例えば、各補給パック200又はそのパッケージに、ユーザにより又はユーザ端末401により読取可能な形式で印刷される。認証部370は、ユーザ環境E1に存在するコード取得手段から、補給に使用されようとしている補給パック200のコードを受信し、受信したコードに基づいて補給前認証を行う。ユーザ環境E1において補給パック200のコードがどのようにして取得されるかについて、後にいくつかの例を挙げて説明する。
一例として、コード201は、各補給パック200のパックIDに等しくてもよく、この場合、認証部370は、受信したコードをそのまま補給前認証に使用し得る。他の例として、コード201は、各補給パック200のパックIDを符号化することにより生成されたものであってもよく、この場合、認証部370は、コード201を復号することにより導出されるパックIDを補給前認証に使用し得る。
補給前認証は、コード201に基づいて識別される補給パック200がログインユーザのユーザアカウントに対し対応関係を有するかの判定を含んでよい。例えば、認証部370は、コード201に基づくパックIDとログインユーザのユーザIDとの間の関連付けが配送パックテーブル340に登録されているかをチェックする。この関連付けが配送パックテーブル340に登録されている場合、認証部370は、補給に使用されようとしている補給パック200が補給を行おうとするユーザのユーザアカウントに対し対応関係を有すると判定し得る。このように、補給パック200とユーザアカウントとの間の対応関係を検証することで、契約に則ることなく入手された補給パック200がトナーの補給に使用されることを防止することができる。
追加的に又は代替的に、補給前認証は、トナーの補給先の画像形成装置1がログインユーザのユーザアカウントに対し対応関係を有するかの判定を含んでもよい。例えば、認証部370は、補給を行おうとするユーザに、補給先の画像形成装置1において所定の操作を行うことを促すメッセージを提示する。ここでも、所定の操作とは、例えば、画像形成装置1の特定の物理的なボタンの押下又はGUI上のボタンへのタッチであってよい。ユーザが促された通りの操作を画像形成装置1において行うと、画像形成装置1は、自装置を識別する装置IDを管理サーバ301へ送信する。認証部370は、上記メッセージの提示から所定の期間が経過するまで、画像形成装置1からの装置IDの受信を待受ける。そして、認証部370は、タイムアウト前に画像形成装置1から受信された装置IDとログインユーザのユーザIDとの間の関連付けが装置登録テーブル330に登録されているかをチェックする。この関連付けが装置登録テーブル330に登録されている場合、認証部370は、補給先の画像形成装置1がログインユーザのユーザアカウントに対し対応関係を有するかと判定し得る。このように、補給先装置がユーザの装置として登録済みであることを認証成功の条件とすることで、データベースへの装置情報の登録を促進することができる。管理サーバ301は、画像形成装置1から装置IDを受信することで、ユーザがトナーを補給しようとしている装置を確実に認識し、その補給先装置に対してその後の制御命令(例えば、後述するアンロック命令又は開放命令)を送信することが可能となる。
上記所定の操作に応じて、認証部370は、画像形成装置1から、装置IDと共に最新のトナー残量を示す残量情報を受信してもよい。そして、認証部370は、受信した残量情報が、トナーが十分に残っていることを示す場合に、画像形成装置1へのトナーの補給を拒否してもよい。言い換えれば、認証部370は、収容部48に追加的に補給可能なトナーの量が、補給パック200に収容されたトナーの量よりも少ない場合、画像形成装置1へのトナーの補給を拒否してもよい。それにより、画像形成装置1へ過剰にトナーが補給されることを未然に防止することができる。
追加的に又は代替的に、補給前認証は、コード201に基づいて識別される補給パック200が使用済みであるかを配送パックテーブル340の「ステータス」の値に基づいて判定することを含んでもよい。例えば、認証部370は、配送パックテーブル340内の、コード201に基づくパックIDのレコードを参照し、「ステータス」の値が「未使用」である場合には、その補給パック200を補給に使用することを許可し得る。一方、認証部370は、参照したレコードの「ステータス」の値が「使用済み」である場合には、その補給パック200を補給に使用することを拒否し得る。このように、補給パック200が未使用であることを認証成功の条件とすることで、補給パック200の不正な又は偶発的な再利用を防止することができる。
追加的に又は代替的に、補給前認証は、コード201に基づいて識別される補給パック200が補給先装置に適合する正規品であるかの判定を含んでもよい。正規品の判定のために、装置登録テーブル330は各画像形成装置のモデル番号を、配送パックテーブル340は各補給パックのモデル番号を、追加的なデータ項目として有していてもよい。また、管理DB313は、画像形成装置のモデル番号ごとに適合する1つ以上の補給パックのモデル番号を示す追加的なテーブルを有していてもよい。この場合、認証部370は、補給先装置及び補給パック200のそれぞれのモデル番号に基づいて両者が互いに適合すると判定される場合にのみ、その補給パック200を補給に使用することを許可してもよい。
上述したように、補給パック200及び画像形成装置1の少なくとも一方は、トナーの補給経路を開閉可能な開閉機構を備える。この開閉機構は、通常時には開放されないようにロック機構によってロックされている。管理サーバ301の認証部370は、補給前認証が成功すると、認証成功という結果を通信I/F311を介して画像形成装置1へ送信し、画像形成装置1に、開閉機構による補給経路の開放を可能にさせる(即ち、ロック機構に開閉機構をアンロックさせる)。なお、画像形成装置1において、ユーザの操作に依拠することなくコンピュータ制御によって開閉機構が作動する場合には、認証部370は、開閉機構をアンロックさせる代わりに、画像形成装置1の開閉機構にトナーの補給経路を開放させてもよい。画像形成装置1に対するアンロック命令(又は開放命令)は、管理サーバ301から画像形成装置1へ直接送信されてもよい。その代わりに、管理サーバ301から認証成功という結果を受信したユーザ端末401がアンロック命令(又は開放命令)を画像形成装置1へ送信してもよい。認証部370は、上述したいずれかの条件が満たされないことに起因して補給前認証が失敗すると、認証失敗という結果を通信I/F311を介して画像形成装置1又はユーザ端末401へ送信する。認証部370は、認証失敗の原因(例えば、不適正パック、装置未登録、又はパック使用済み)を示すメッセージをいずれかの装置の画面上に表示させてもよい。
認証結果に基づいて開閉機構がアンロックされ、補給経路が開放されて、補給パック200から画像形成装置1へトナーが補給されると、画像形成装置1の収容部48内のトナーの残量が増加する。後述するように、画像形成装置1は、収容部48内のトナーの残量を検知して、残量情報を管理サーバ301へ送信する。データ管理部350は、この残量情報を通信I/F311を介して受信し、装置登録テーブル330の「トナー残量」の値を更新する。また、データ管理部350は、受信した残量情報が、トナー残量が増加したことを示す場合に、配送パックテーブル340におけるその補給パック200の「ステータス」を「使用済み」に変更する。それにより、同じ補給パック200がその後再利用されようとした場合に、認証部370がそのステータス情報に基づいて補給パック200の再利用を許可しないことが可能となる。また、提供管理部360が補給パック200の使用の検知に応じて新たな補給パック200をユーザに割当てることも可能となる。
以下、図11及び図12を用いて、典型的な処理の流れに沿った管理DB313の内容の更新について説明する。図11は、装置登録時の装置登録テーブル330の更新の一例を示している。図11の上段には、データ項目としてユーザID321及び名前322を有するアカウントテーブル320が示されている。アカウントテーブル320の他のデータ項目は図中では省略されている。図11の中段には、データ項目として所有者331、装置ID332、登録日333、ステータス334及びトナー残量335を有する装置登録テーブル330が示されている。図11の例では、ユーザID「U01」で識別されるユーザ(以下、ユーザU01という)のアカウントが既にアカウントテーブル320に登録済みである。また、装置ID「D00」で識別される画像形成装置がユーザU01の装置として装置登録テーブル330に登録済みである。
ユーザU01は、ユーザ環境E1に新たに装置ID「D01」で識別される画像形成装置(以下、装置D01という)を設置する。ユーザU01が管理サーバ301により提供される入力画面を介して装置D01の装置情報を入力すると、管理サーバ301により装置登録テーブル330に装置D01の装置情報のためのレコードが追加される。追加されるレコードの所有者331は「U01」、装置ID332は「D01」、登録日333は登録が行われた日付YMD2、ステータス334は「未検証」、トナー残量335は「0%」を示す。
さらに、ユーザU01は、例えば画面上に表示されるメッセージに従って、新たに設置した装置D01において装置登録のための操作を行う。装置D01は、自装置の装置ID「D01」を予め記憶しており、ユーザによる操作に応じて、この装置IDを含む装置情報を管理サーバ301へ送信する。データ管理部350は、こうして受信される装置IDがユーザU01により入力された装置IDと一致している場合、図11の下段に示したように、装置登録テーブル330に追加したレコードのステータス334の値を「未検証」から「検証済み」に変更する。
図12は、パック配送時の配送パックテーブル340の更新の一例を示している。図12の上段には、図11と同様のアカウントテーブル320の内容が示されている。図12の中段には、データ項目として契約者341、パックID342、発送日343、ステータス344及び使用日345を有する配送パックテーブル340が示されている。図12の例では、パックID「P01」で識別される補給パックがユーザU01に対し既に提供済みであり、当該補給パックは使用済みである。
提供管理部360は、上述したトリガイベントのうちの1つの検知に応じて、パックID「P11」で識別される補給パック(以下、補給パックP11という)を新たにユーザU01に割当てる。また、提供管理部360は、割当てた補給パックP11のステータスを管理するためのレコードを配送パックテーブル340に追加する。追加されるレコードの契約者341は「U01」、パックID342は「P11」、発送日343は発送が行われる日付YMD3、ステータス344は「発送済み」を示し、使用日345は空欄である。
認証部370による認証が成功し、補給パックP11から補給先装置へトナーが補給されると、補給先装置から管理サーバ301へトナー残量の増加が報告される。この報告に基づいて、データ管理部350は、配送パックテーブル340に追加されたレコードのステータス344の値を「発送済み」から「使用済み」へ変更し、使用日345にトナー残量の増加が報告された日付YMD4を追記する。
[2-3.ユーザ端末の構成例]
図13は、本実施の形態に係るユーザ端末401の構成の一例を示すブロック図である。図13を参照すると、ユーザ端末401は、通信I/F411、メモリ412、カメラ413、入力デバイス414、表示デバイス415、及び処理回路416を備える。
通信I/F411は、ユーザ端末401が他の装置と通信するためのインタフェースである。例えば、通信I/F411は、ユーザ環境E1に存在する画像形成装置1、及び遠隔環境E2に存在する管理サーバ301と通信する。通信I/F411は、有線通信インタフェースであってもよく、又は無線通信インタフェースであってもよい。通信I/F411が無線通信インタフェースである場合、通信I/F411は、例えば、WLANアクセスポイントと通信するWLANインタフェース、又はセルラー基地局と通信するセルラー通信インタフェースであってもよい。なお、図13には単一の通信I/F411のみを示しているが、ユーザ端末401は、画像形成装置1及び管理サーバ301とそれぞれ通信するための異なる複数の通信モジュールを備えていてもよい。ユーザ端末401と画像形成装置1との間の通信は、例えばBluetooth(登録商標)又はUSB(Universal Serial Bus)といった周辺機器接続用の通信プロトコルを用いて行われてもよい。
メモリ412は、例えばROM若しくはRAMなどの半導体メモリ、光ディスク、又は磁気ディスクといった、任意の種類の記憶媒体を含んでよい。メモリ412は、非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体を含んでもよい。メモリ412は、処理回路416により実行される1つ以上のコンピュータプログラム、及び多様なデータを記憶する。
カメラ413は、被写体の画像又は映像を撮像可能なモジュールである。なお、カメラ413は、補給パック200に固有のコード201を光学的に読取るために使用されてもよい。
入力デバイス414は、ユーザによる操作及び情報入力を受け付けるためのユーザインタフェースとして使用される。入力デバイス414は、例えば、タッチセンサ、キーパッド、キーボード、ポインティングデバイス及びマイクロフォンのうちの1つ以上を含み得る。なお、補給パック200に固有のコード201は、入力デバイス414を介してユーザにより入力されてもよい。
表示デバイス415は、画像及び情報を表示するために使用される。表示デバイス415は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)又はOLED(Organic Light―Emitting Diode)で構成されてもよい。
処理回路416は、例えばCPUであってよく、メモリ412に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、ユーザ端末401の多様な機能を提供する。より具体的には、図13に示したように、処理回路416は、装置制御部420、コード取得部430及びアプリケーション部440として機能し得る。なお、本明細書では、画像形成装置1へのトナーの補給の管理に関連する機能のみについて主に説明するが、処理回路416は、ユーザ端末が一般的に有する他の多くの機能をもユーザに提供してよい。
装置制御部420は、画像形成装置1において行われる画像形成その他の動作を制御する。装置制御部420は、画像形成装置1のためのドライバソフトウェアを含んでもよい。例えば、装置制御部420は、ユーザ環境E1に存在するユーザ端末401により利用可能な1つ以上の装置を検知し、検知した装置のリストを表示デバイス415の画面上でユーザに提示する。装置制御部420は、各装置のステータス(例えば、電源のオン/オフ、及びトナー残量など)を取得して、取得したステータスをユーザに提示してもよい。装置制御部420は、ユーザにより画像形成装置1が選択され、印刷が指示されると、印刷すべき画像の画像データを含む印刷ジョブを画像形成装置1へ送信して、画像形成装置1に当該画像を印刷させる。
コード取得部430は、ユーザがトナーの補給のために使用しようとする補給パック200に固有のコード201を取得する。一例として、コード201が補給パック200又はそのパッケージ(例えば、包装若しくは同梱される紙片など)に印刷された光学的に読取可能なコードである場合、コード取得部430は、カメラ413を用いてコード201を光学的に読取ってもよい。他の例として、コード201が人為的に(例えば、視覚を通じて)読取可能なコードである場合、コード取得部430は、ユーザにコード201を、入力デバイス414を用いて入力させ、入力されたコード201を取得してもよい。
アプリケーション部440は、管理サーバ301と連携して動作する、補給管理のためのアプリケーションであり得る。アプリケーション部440は、ウェブブラウザであってもよい。例えば、アプリケーション部440は、ユーザアカウントの新規登録の際、及び変更が生じた際に、アカウント情報入力画面を表示デバイス415に表示させる。アプリケーション部440は、アカウント情報入力画面においてアカウント情報が入力されると、受け付けたアカウント情報を通信I/F411を介して管理サーバ301へ送信する。また、アプリケーション部440は、画像形成装置1がユーザ環境E1に設置された際に、装置情報入力画面を表示デバイス415に表示させる。アプリケーション部440は、装置情報入力画面において装置情報が入力されると、受け付けた装置情報を通信I/F411を介して管理サーバ301へ送信する。
また、アプリケーション部440は、補給パック200から画像形成装置1へトナーを補給することを希望するユーザに、管理サーバ301へ補給前認証の実行を要求するためのユーザインタフェースを提供してもよい。例えば、アプリケーション部440は、認証要求用のボタンがユーザにより操作された場合に、コード取得部430を起動して補給パック200に固有のコードを取得させ、取得されたコード201を通信I/F411を介して管理サーバ301へ送信する。アプリケーション部440は、トナーの補給についての許可を求める要求の一部として、コード201を管理サーバ301へ送信してもよい。また、アプリケーション部440は、補給経路の開放(又は開閉機構のアンロック)を求める要求の一部として、コード201を管理サーバ301へ送信してもよい。
なお、アプリケーション部440は、管理サーバ301による補給前認証のために要する装置IDを管理サーバ301へ送信するように、画像形成装置1へ送信要求を送信してもよい。他の実施例において、アプリケーション部440は、画像形成装置1において装置IDの送信のための操作を行うことをユーザに促すメッセージを、表示デバイス415に表示させてもよい。
補給パック200に固有のコード201に基づいて管理サーバ301により補給前認証が行われると、アプリケーション部440は、補給前認証の結果を管理サーバ301から受信する。認証結果が補給前認証の成功を示す場合に、アプリケーション部440は、開閉機構をアンロックさせるためのアンロック命令又は補給経路を開放させるため開放命令を、装置制御部420から画像形成装置1へ送信させてもよい。なお、これら命令が管理サーバ301から画像形成装置1へ直接送信される場合には、ユーザ端末401はこれら命令を画像形成装置1へ送信しなくてよい。
アプリケーション部440は、管理サーバ301から受信した補給前認証の結果を表示デバイス415に表示させる。例えばユーザは、補給前認証の結果が認証成功を示す場合、補給パック200を画像形成装置1へ接続し、トナーの補給経路を閉塞していた開閉機構を操作することで補給経路を開放して、補給パック200から画像形成装置1へトナーを補給することができる。このとき、画像形成装置1により開閉機構はアンロックされているため、ユーザによる補給経路を開放する操作は妨げられない。なお、画像形成装置1への補給パック200の接続は、補給前認証の要求の前に行われてもよく、認証成功後に行われてもよい。上述したように、ユーザが開閉機構を操作する代わりに、画像形成装置1が自動的に開閉機構を作動させてもよい。補給前認証の結果が認証失敗を示す場合、ユーザは、画面上に表示され得る失敗の原因に依存して、適切な処置の後に補給前認証を再試行するか、又は当面のトナーの補給を諦める。このとき、画像形成装置1により開閉機構はロックされたままであり、又は、開閉機構の自動的な作動が行われることなく補給経路は閉塞したままである。
[2-4.画像形成装置の構成例]
図14は、本実施の形態に係る画像形成装置1の機能面の構成の一例を示すブロック図である。図14に示すように、画像形成装置1は、通信I/F11、メモリ12、ユーザI/F13、画像形成部40、開閉機構51、ロック機構52、及び処理回路90を備える。
通信I/F11は、画像形成装置1が他の装置と通信するためのインタフェースである。例えば、通信I/F11は、ユーザ環境E1に存在するユーザ端末401、及び遠隔環境E2に存在する管理サーバ301と通信する。より具体的には、通信I/F11は、処理回路90の制御の下、トナー残量を示すトナー残量情報を含む、各種画像形成装置側のプリンタステータスを遠隔のサービス提供側装置に通知する。通信I/F11は、有線通信インタフェースであってもよく、又は無線通信インタフェースであってもよい。通信I/F11が無線通信インタフェースである場合、通信I/F11は、例えば、WLANインタフェース又はセルラー通信インタフェースであってもよい。なお、図14には単一の通信I/F11のみを示しているが、画像形成装置1は、ユーザ端末401及び管理サーバ301とそれぞれ通信するための異なる複数の通信モジュールを備えていてもよい。
メモリ12は、例えばROM若しくはRAMなどの半導体メモリ、光ディスク、又は磁気ディスクといった、任意の種類の記憶媒体を含んでよい。メモリ12は、非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体を含んでもよい。メモリ12は、処理回路90により実行される1つ以上のコンピュータプログラム、及び多様なデータを記憶する。メモリ12は、例えば、画像形成装置1を一意に識別する装置ID(装置識別情報ともいう)を予め記憶している。なお、メモリ12は、処理回路90上に設置されてもよい。
ユーザI/F13は、ユーザによる操作及び情報入力を受け付けるための入力デバイスと、画像及び情報を表示するための表示デバイスとを含み得る。例えば、ユーザI/F13は、タッチパネル、キーパッド、ボタン、スイッチ、マイクロフォン及びスピーカのうちの1つ以上を含み得る。ユーザI/F13は、画像形成装置1に一体化された操作端末として扱われてもよい。例えば、ユーザI/F13は、補給パック200に付された固有のコード201の入力を受付けるために使用されてもよい。
画像形成部40は、図2を用いて説明したように、収容部48に貯蔵されているトナーを消費して、記録媒体に画像を形成する。開閉機構51は、トナー受け部110に接続される補給パック200から収容部48への補給経路50を開閉可能な機構である。上述したレバー部111b及び突出部111dを含む操作部111、補給パック200のパックシャッタ214、並びに本体シャッタ116は、開閉機構51の一例である。ロック機構52は、ユーザによる開閉機構51の操作又は開閉機構51の自動的な作動を抑止(即ち、ロック)し及び抑止を解除(アンロック)するための機構である。上述したロック機構150は、ロック機構52の一例である。例えば、処理回路90のCPU94は、ロック機構150のソレノイド155に通電してロック部材152を図8(b)の例のように回動させてもよい。それにより、ユーザが操作部111と共に本体シャッタ116及び補給パック200のパックシャッタ214を回転させて補給経路50を開放することが可能となる。
処理回路90の上述した複数の電子部品91,92,93は、機能的な観点から見ると、主に印刷制御部95及びロック制御部96として機能し得る。印刷制御部95は、画像形成部40による画像形成のための動作を制御する。例えば、印刷制御部95は、外部の装置から通信I/F11を介して印刷ジョブが受信されると、印刷ジョブに含まれる入力画像データに基づく画像を記録媒体に形成するように、画像形成部40を制御する。
ロック制御部96は、ロック機構52による開閉機構51のロック及びアンロックを制御する。例えば、ロック制御部96は、所定の入力信号が検知された場合に、メモリ12に記憶されている装置IDを管理サーバ301へ送信する。管理サーバ301へ送信される装置IDは、装置登録のためにユーザにより指定された装置IDで識別される画像形成装置1が実際にそのユーザのユーザ環境E1に設置されているかの検証に使用されてもよい。また、管理サーバ301へ送信される装置IDは、管理サーバ301による補給前認証の実行のために使用されてもよい。ロック制御部96は、装置IDと共に、最新のトナー残量を示す残量情報を管理サーバ301へ送信してもよい。
例えば、装置IDの送信のトリガとなる上記入力信号は、ユーザ端末401から通信I/F11を介して受信される受信信号(例えば、装置IDの送信を求める送信要求)である。この場合、ロック制御部96は、送信要求の受信に応じて、メモリ12から装置IDを読出して、読出した装置IDを管理サーバ301へ送信する。他の実施例において、装置IDの送信のトリガとなる上記入力信号は、ユーザI/F13を介して検知されるユーザ入力信号(例えば、所定のボタンが操作されたことを示す操作信号)である。この場合、ロック制御部96は、ユーザ入力信号の検知に応じて、メモリ12から装置IDを読出して、読出した装置IDを管理サーバ301へ送信する。
ロック制御部96は、補給前認証のために装置IDを管理サーバ301へ送信した後、所定の待受期間にわたって、補給前認証の結果に基づく制御信号であるアンロック命令の受信を待受ける。そして、ロック制御部96は、待受期間の満了前にアンロック命令が受信されると、アンロック命令に従って、ロック機構52に開閉機構51をアンロックさせる。例えば、ロック制御部96は、ロック機構150のソレノイド155に通電させてロック部材152を図8(b)の例のように回動させてもよい。それにより、ユーザが操作部111と共に本体シャッタ116及び補給パック200のパックシャッタ214を回転させて補給経路50を開放することが可能となる。なお、画像形成装置1が自動的に開閉機構51を作動させる構成が採用される場合には、ロック制御部96は、アンロック命令の代わりに開放命令の受信を待受け、受信した開放命令に従って開閉機構51を作動させることにより補給経路50を開放してもよい。
ロック制御部96は、アンロック命令又は開放命令が受信されることなく待受期間が満了した場合(即ち、タイムアウトの場合)、命令の待受けを終了する。例えば、アンロック命令又は開放命令の待受けは、通信I/F11の特定の受信ポートを一時的にオープンすることにより行われてもよい。このように、外部からの制御信号の待受けを、所定の入力信号の検知をきっかけとする限られた期間においてのみ行うことで、悪意ある第三者による画像形成装置1の不正な操作のリスクを極小化することができる。また、待受期間以外の期間において画像形成装置1をスリープ状態にして、画像形成装置1の電力消費を低減することもできる。
ロック制御部96は、待受期間の満了前にアンロック命令又は開放命令が受信された場合には、命令の受信から所定のアンロック期間にわたって開閉機構51をアンロック状態に維持し、アンロック期間の満了後に開閉機構51を再度ロックしてもよい。図8(a)(b)の例では、開閉機構51が開状態にある間にソレノイド155の通電が終了しても、操作部111の反時計回りの回転は可能である。ユーザは、例えば、開閉機構51がアンロックされた後、操作部111を図中で時計回りに回転させて補給経路を開放し、それによりトナーの補給が開始される。ユーザは、トナーの補給が終了した後、操作部111を反時計回りに回転させて補給経路を閉塞する。ソレノイド155の通電が終了し、操作部111の回転位置が元の位置に戻されると、ロック部材152の先端部153はバネの弾性力で図8(a)の位置に復帰する。それにより、ユーザが再び操作部111を時計回りに回転させて補給経路を開放しようとしても、操作部111の回転はロック部材152により抑止される。このようにして、開閉機構51の再ロックが達成され得る。なお、あらためていうと、図8(a)(b)に示した構成は開閉機構51及びロック機構52の一例に過ぎず、他のいかなる構成が採用されてもよい。
印刷制御部95は、例えば画像形成動作が行われる際、及びトナーの補給が行われる際に、収容部48内のトナーの残量を検知するように残量検知部61を制御する。例えば、残量検知部61は、収容部48に貯蔵されているトナーが撹拌部材60により撹拌されている間に、発光部61aから光を出射させ、受光部61bからの光検知信号を取得する。そして、残量検知部61は、取得した光検知信号に基づいてトナー残量を推定し、推定したトナー残量を印刷制御部95へ報告する。印刷制御部95は、このようにして検知されたトナー残量を示す残量情報を、通信I/F11を介して管理サーバ301へ報告する。トナー残量の報告は、管理サーバ301へ直接送信される代わりに、ユーザ端末401を介して管理サーバ301へ送信されてもよい。
トナーの補給が行われると、トナー残量は増加する。管理サーバ301は、上述したように、残量情報に基づいてトナー残量の増加を検知することで、補給前認証が成功した補給パック200がユーザにより使用されたことを認識することができる。なお、管理サーバ301の代わりに、画像形成装置1又はユーザ端末401がトナー残量の増加を検知し、補給パック200が使用済みとなったことを示す通知信号を管理サーバ301へ送信してもよい。
[2-5.処理の流れ]
本節では、本実施の形態に係る補給管理システム300において実行され得るいくつかの処理の流れの例を、図15~図17のシーケンス図、及び図18~図19のフローチャートを用いて説明する。なお、以下の説明では、処理ステップをS(ステップ)と略記する。
[2-5-1.装置情報の登録]
図15は、装置登録に関連する概略的な処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図15に示したシーケンスには、主に画像形成装置1、管理サーバ301及びユーザ端末401が関与する。なお、シーケンスの開始に先立って、ユーザのアカウント情報は管理DB313のアカウントテーブル320に既に登録されているものとする。
まず、S11で、ユーザは、例えばユーザ端末401のアプリケーション部440により提供されるログイン画面に、ユーザID及びパスワードを入力する。S12で、アプリケーション部440は、入力されたユーザID及びパスワードを、ログインのために管理サーバ301へ送信する。S13で、管理サーバ301の認証部370は、ユーザ端末401から受信したユーザID及びパスワードに基づいてユーザ認証を実行する。ここでは、ユーザ認証は成功し、システムへのログインが成立するものとする。図15のその後の処理は、ログインセッションが継続している間に行われる。
S14で、ユーザは、例えばアプリケーション部440により提供される装置情報入力画面に、ユーザ環境E1に設置した画像形成装置1の装置IDを含む装置情報を入力する。S15で、アプリケーション部440は、入力された装置情報を含む装置登録要求を管理サーバ301へ送信する。S16で、データ管理部350は、受信した装置登録要求に含まれる装置情報を装置登録テーブル330に登録する。S17で、データ管理部350は、画像形成装置1において所定の操作を行うことを促すメッセージを表示するようにアプリケーション部440へ指示し、当該メッセージが表示デバイス415により表示される。
S21で、ユーザは、画像形成装置1のユーザI/F13に対し所定の操作を行う。すると、S22で、画像形成装置1のロック制御部96は、メモリ12から装置IDを読出し、読出した装置IDを含む装置情報を管理サーバ301へ送信する。S23で、データ管理部350は、画像形成装置1から受信した装置情報に含まれる装置IDをS16で装置登録テーブル330に登録した装置IDと照合する。そして、データ管理部350は、これら装置IDが一致する場合に、装置登録テーブル330の対応する「ステータス」の値を「検証済み」に更新する。S24で、データ管理部350は、こうした検証の結果をユーザ端末401のアプリケーション部440へ通知する。アプリケーション部440は、通知された検証結果を画面上に表示させる。
[2-5-2.補給パックの提供]
図16は、ユーザへの補給パックの提供に関連する概略的な処理の流れのいくつかの例を示すシーケンス図である。図16に示したシーケンスには、主に画像形成装置1、管理サーバ301及びユーザ端末401が関与する。なお、管理サーバ301の提供管理部360は、ユーザへの補給パック200の提供をトリガするトリガイベントの発生を継続的に監視している。ここでは、トリガイベントの第1の例としてトナー残量の低下、第2の例としてユーザによる補給パック200の注文、第3の例として定期購入契約に基づく提供タイミングの到来を説明する。
第1の例において、画像形成装置1の印刷制御部95は、S31で、例えば画像形成動作が行われた際に、収容部48内のトナーの残量を検知する。ここでは、トナー残量は新たな補給パック200の提供をトリガする残量閾値を下回っているものとする。S32で、印刷制御部95は、検知したトナー残量を示す残量情報を管理サーバ301へ報告する。S33で、管理サーバ301の提供管理部360は、画像形成装置1のトナー残量が低下していることを認識し、画像形成装置1を所有しているユーザに、新たな補給パック200を割当てる。ユーザに補給パック200を割当てることは、ユーザID及び補給パック200を識別するパックIDを示す新たなレコードを配送パックテーブル340に追加することを含み得る。また、提供管理部360は、割当てた補給パック200の配送を指示するメッセージを配送担当者へ送信する。提供管理部360は、ユーザ宛てに新たな補給パック200が発送されると、S34で、発送通知をユーザ端末401へ送信する。
第2の例において、ユーザは、S36で、補給パック200を販売するウェブサイトへ例えばユーザ端末401を用いてアクセスし、新たな補給パック200を発注する。S37で、ユーザ端末401は、例えば発注された補給パック200の種類及び個数を示す注文情報を管理サーバ301へ送信する。S38で、管理サーバ301の提供管理部360は、注文情報の受信に応じて、購入者であるユーザに、指定された個数の補給パック200を割当てる。また、提供管理部360は、割当てた補給パック200の配送を指示するメッセージを配送担当者へ送信する。提供管理部360は、ユーザ宛てに補給パック200が発送されると、S39で、発送通知をユーザ端末401へ送信する。
第3の例において、提供管理部360は、S41で、定期購入契約を締結しているユーザについて、補給パック200の提供タイミングが到来したと判定する。S42で、提供管理部360は、提供タイミングが到来したユーザに、新たな補給パック200を割当てる。また、提供管理部360は、割当てた補給パック200の配送を指示するメッセージを配送担当者へ送信する。提供管理部360は、ユーザ宛てに補給パック200が発送されると、S43で、発送通知をユーザ端末401へ送信する。
[2-5-3.認証及びトナーの補給]
図17は、トナー補給時の概略的な処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図17に示したシーケンスには、主に画像形成装置1、管理サーバ301及びユーザ端末401が関与する。なお、シーケンスの開始に先立って、未使用の新たな補給パック200がユーザ環境E1に配送済みであるものとする。
まず、S60で、ユーザは、ログイン画面にユーザID及びパスワードを入力する。S61で、ユーザ端末401のアプリケーション部440は、入力されたユーザID及びパスワードを管理サーバ301へ送信する。S62で、管理サーバ301の認証部370は、ユーザ端末401から受信したユーザID及びパスワードに基づいてユーザ認証を実行する。ここでは、ユーザ認証は成功し、システムへのログインが成立するものとする。図17のその後の処理は、ログインセッションが継続している間に行われる。
S65で、アプリケーション部440は、ユーザによる操作に応じてコード取得部430を起動する。コード取得部430は、補給パック200に固有のコード201を、例えばカメラ413を用いて光学的に読取ることにより、又はユーザ入力を受付けることにより取得する。次いで、S66で、アプリケーション部440は、コード取得部430により取得されたコード201を含むアンロック要求を管理サーバ301へ送信する。
管理サーバ301の認証部370は、アンロック要求の受信に応じて、補給前認証を開始する。S67は補給前認証の第1段階であり、認証部370は、アンロック要求に含まれるコード201で識別される補給パック200がログインユーザのアカウントに対し対応関係を有するかを、配送パックテーブル340を参照することにより判定する。ここでは、補給パック200はユーザアカウントに対し対応関係を有するため、第1段階の認証は成功するものとする。認証部370は、第1段階の認証の成功に応じて、S68で、補給先装置において所定の操作を行うことを促すメッセージを表示するようにアプリケーション部440へ指示し、当該メッセージが表示デバイス415により表示される。
S72で、ユーザは、補給先装置である画像形成装置1のユーザI/F13に対し所定の操作を行う。すると、S73で、ロック制御部96は、メモリ12から装置IDを読出し、読出した装置IDを含む装置情報を管理サーバ301へ送信する。S74は補給前認証の第2段階であり、認証部370は、受信した装置情報に含まれる装置IDに基づき、補給先の画像形成装置1がログインユーザのユーザアカウントに対し対応関係を有するかを、装置登録テーブル330を参照することにより判定する。ここでは、画像形成装置1はユーザアカウントに対し対応関係を有するため、第2段階の認証も成功するものとする。認証部370は、補給前認証の成功に応じて、S75で、認証成功という結果をユーザ端末401へ通知する。また、S76で、認証部370は、画像形成装置1のロック機構52に開閉機構51をアンロックさせるためのアンロック命令を、画像形成装置1へ送信する。
なお、S73において送信される装置情報には、装置IDだけでなくIPアドレスといった補給先装置をネットワーク上で特定するための情報も含まれる。これにより、管理サーバ301はアンロック命令を送信する対象を決定することができる。また、S72の操作が行われることにより、補給先装置と管理サーバ301の間でHTTPの方式による通信接続が確立される。これにより、補給先装置は管理サーバ301からのアンロック命令を受け入れることができるようになる。
S77で、画像形成装置1のロック制御部96は、管理サーバ301からのアンロック命令の受信に応じて、ロック機構52に開閉機構51をアンロックさせる。S78で、アンロックされた開閉機構51がユーザにより操作され(又は自動的に作動し)、補給経路50が開放され、補給パック200から画像形成装置1へのトナーの補給が行われる。S79で、印刷制御部95は、収容部48内のトナーの残量を検知して、トナー残量を示す残量情報を管理サーバ301へ報告する。S80で、管理サーバ301のデータ管理部350は、残量情報の受信に応じて、画像形成装置1に対応する装置登録テーブル330のレコードの「トナー残量」の値を更新する。また、データ管理部350は、使用済みとなった補給パック200に対応する配送パックテーブル340のレコードの「ステータス」を「使用済み」に変更する。
一方、画像形成装置1のロック制御部96は、アンロック命令の受信又は開閉機構51のアンロックから所定のアンロック期間が経過すると、S81で、開閉機構51を再度ロックする。
なお、上述したように、S67での補給パック200に関する補給前認証のみが実行され、S74での画像形成装置1に関する補給前認証は省略されてもよい。この場合、S72でのユーザ操作及びS73での装置情報の送信もまた省略されてもよい。但し、画像形成装置1の電源がオフになっていると、画像形成装置1は管理サーバ301からアンロック命令を受信できないため、管理サーバ301は、S68で画像形成装置1の電源をオンすることをユーザに指示してもよい。
[2-5-4.互換認証処理]
ここで、これまで説明してきた画像形成装置1を登録型画像形成装置1と言い換え、補給パック200を登録型補給パック200と言い換える。これら登録型画像形成装置1及び登録型補給パック200は、ユーザアカウントに基づいて管理サーバ301によって管理される。
また登録型画像形成装置1及び登録型補給パック200は、サブスクリプションサービスといった所定のサービスに対応した画像形成装置及び補給パックである。つまり上述で説明した契約タイプを、ここではサブスクリプションサービスとする。ここで、サブスクリプションサービスとは、例えばユーザが使用する画像形成装置を事前にオンラインで登録し、ディーラに一定の金額を支払うことで、予め設定された規定枚数の印刷を実行することが可能なサービスである。登録型補給パック200は、例えば登録型画像形成装置1内のトナー残量が低下したことや、サブスクリプションサービスの契約に基づく提供タイミングの到来によって、自動的にユーザへ向けて発送されたりユーザによる注文によって任意に発送されたりする。つまり、登録型補給パック200はサブスクリプションサービスの契約に則って発送されるサービス専用の補給パックである。
また、登録型画像形成装置1及び登録型補給パック200と略同様な構成を有する標準画像形成装置500及び標準補給パック501が存在するとする。これら標準画像形成装置500及び標準補給パック501は、サブスクリプションサービスといった所定のサービスに対応していない画像形成装置及び補給パックである。登録型補給パック200は上述した通り、サブスクリプションサービスの契約に則って発送される専用品だが、標準補給パック501は、例えば、家電量販店やECサイトのような一般市場で販売される補給パックである。なお、登録型画像形成装置1及び標準画像形成装置500については、従来通り家電量販店やECサイトのような一般市場で販売されてもよいし、メーカー専用の直販サイトで購入できるようになっていてもよく、入手方法は特に限定されない。
標準画像形成装置500は、図14で示した登録型画像形成装置1の構成例と同じ構成である。つまり、標準画像形成装置500は、通信I/F11、メモリ12、ユーザI/F13、画像形成部40、開閉機構51、ロック機構52及び処理回路90を備える。
次に、標準補給パック501及び登録型補給パック200について説明する。標準補給パック501は、図5に示した登録型補給パック200と同じ構成である。一方で、登録型補給パック200に付与される固有のコード201は、登録型補給パック200を一意に識別することが可能であり、かつ登録型であることを識別可能な情報が付与されている。また、標準補給パック501にも固有のコード502が付与されている(図9参照)。そして、固有のコード502は、標準補給パック501を一意に識別することが可能であり、かつ標準型であることを識別可能な情報が付与されている。
登録型画像形成装置1を所有しているユーザは、上述したサブスクリプションサービスに加入することによって登録型補給パック200を入手することができる。しかし、同一ユーザがさらに標準画像形成装置500を所有している場合など、同一環境に登録型画像形成装置1と標準画像形成装置500が存在する可能性がある。このような場合にユーザが送付された登録型補給パック200を誤って標準画像形成装置500に対して使用できてしまうと、一括補給されたトナーを標準画像形成装置500から取り出すのは困難になる。また、ディーラは既に登録型補給パック200をユーザに送付しているため、ユーザからの連絡を受けて新たに登録型補給パック200を送付しなければならなくなった場合は、ユーザに対して追加料金を徴収するなど手続きが煩雑になる可能性がある。さらには、ユーザの手元に新たな登録型補給パック200が届くまでにタイムラグが生じるため、その間ユーザは登録型画像形成装置1を利用することができず、サブスクリプションサービスの恩恵を受けられない期間が発生してしまう。つまり、標準画像形成装置500に対しては、標準補給パック501は利用可能であり、登録型補給パック200は利用できないように管理されることが望ましい場合がある。
一方で、登録型画像形成装置1を所有しているユーザが、登録型画像形成装置1に対して標準補給パック501を使いたいケースはある。例えば、定額で定期的に登録型補給パック200が送られてくる契約をした場合である。ある期間のプリントボリュームが一時的に増加すると、サブスクリプションサービスの契約に則って次の登録型補給パック200が送付される前に、登録型画像形成装置1内のトナーが無くなってしまうようなケースが考えられる。その時は、ユーザは一時的にでも手軽に入手できる標準補給パック501を利用したい場合もある。つまり、登録型画像形成装置1に対しては、標準補給パック501と登録型補給パック200の両方が利用可能であることが望ましい。
これらをまとめると、表1に示すような画像形成装置と補給パックの組み合わせが望ましい。
Figure 2023082320000002
管理サーバ301は、表1に示す画像形成装置と補給パックの組み合わせを実現すべく、以下で説明する互換認証処理を実行する。図18は、管理サーバ301により実行される、互換認証処理の流れの一例を示すフローチャートである。この互換認証処理は、例えば、管理サーバ301のメモリ312に予め記憶されるコンピュータプログラムを処理回路314が実行することにより実現され得る。
以下では、ユーザ環境E1に登録型画像形成装置1と標準画像形成装置500が設置され、それらがネットワーク上に接続されて、管理サーバ301によって管理されている場合を想定する。以下、図18のフローチャートを用い、管理サーバ301の処理を詳細に説明する。
まず、S111で、認証部370は、ログイン画面に入力されたユーザID及びパスワードを受信する。次いで、S113で、認証部370は、受信したユーザID及びパスワードに基づいて、ユーザ認証を実行する。ここでは、ユーザ認証は成功するものとし、ユーザ認証が失敗した場合の処理の流れは省略する。
次いで、S115で、認証部370は、ユーザ環境E1において取得された登録型補給パック200に固有のコード201、または標準補給パック501に固有のコード502を受信する。
次いで、S116で、認証部370は、受信したコード(201,502)に基づいて、使用される補給パックが登録型補給パック200であるか、標準補給パック501であるかを判定する。S116において認証部370により、使用される補給パックが標準補給パック501であると判定された場合、管理サーバ301はS125に処理を進める。この場合におけるフローの詳細について、詳しくは後述する。
一方、S116において認証部370により、使用される補給パックが登録型補給パック200であると判定された場合、S117で、認証部370は、受信したコード201に基づいて識別される登録型補給パック200がログインユーザのユーザアカウントに対する対応関係を有するかを判定する。例えば、受信したコード201に基づくパックIDとログインユーザのユーザIDとの間の関連付けが配送パックテーブル340に登録されている場合、登録型補給パック200は使用を許可し得る対象である(例えば、正規ルートで提供されたものである)と判定され、処理はS121へ進む。一方、受信したコード201に基づくパックIDとログインユーザのユーザIDとの間の関連付けが配送パックテーブル340に登録されていない場合、登録型補給パック200は使用を許可し得る対象ではないと判定され、処理はS119へ進む。
S119で、認証部370は、登録型補給パック200が使用を許可し得る対象ではないと判定されたため、その登録型補給パック200からのトナーの補給を許可しないと判定する。この場合、認証部370は、登録型補給パック200について使用が許可されず補給前認証が失敗したことを示す認証結果通知をユーザ端末401へ送信する。
S121では、認証部370は、受信したコード201により識別される登録型補給パック200のステータスが「未使用」であるかを、配送パックテーブル340を参照することにより判定する。ステータスが「未使用」である場合には、処理はS125へ進む。一方、ステータスが「使用済み」である場合には、処理はS123へ進む。
S123で、認証部370は、登録型補給パック200が既に使用済みであるため、その登録型補給パック200からのトナーの補給を許可しないと判定する。この場合、認証部370は、登録型補給パック200が使用済みであるために補給前認証が失敗したことを示す通知信号としての認証結果通知をユーザ端末401へ送信する。
受信したコード201により識別される登録型補給パック200が使用を許可し得る対象であり且つ未使用である場合、S125で、認証部370は、補給先装置において所定の操作を行うことを(例えば、画面上にメッセージを表示させることにより)ユーザに指示する。所定の操作とは例えば、補給先装置に設けられたボタン等を押す操作である。この操作によって、補給先装置と管理サーバ301の間でHTTP方式による通信接続が確立される。次いで、S127で、認証部370は、補給先装置である登録型画像形成装置1または標準画像形成装置500から、装置IDを含む装置情報を受信する。このとき、認証部370は装置情報として、補給先装置が登録型画像形成装置1であるか標準画像形成装置500であるかを示す装置の種類(モデル)に関する情報も合わせて受信する。
S128において、認証部370はS116と同様の判定処理を実行する。つまり、認証部370は、受信したコード(201,502)に基づいて、使用される補給パックが登録型補給パック200であるか、標準補給パック501であるかを判定する。S128において認証部370により、使用される補給パックが標準補給パック501であると判定された場合、管理サーバ301はS133に処理を進める。一方、S128において認証部370により、使用される補給パックが登録型補給パック200であると判定された場合、管理サーバ301はS129に処理を進める。
ここで表1を用いて説明した通り、認証部370は、登録型画像形成装置1に対しても標準画像形成装置500に対しても標準補給パック501の使用は許可する。そのため、S128において使用される補給パックが標準補給パック501であると判定された場合、管理サーバ301は装置の種類によらずS133の処理へ進み、登録型画像形成装置1または標準画像形成装置500に対してアンロック命令を送信する。アンロック命令とは、登録型画像形成装置1または標準画像形成装置500のロック機構52による開閉機構51のロックを解除するための命令である。また認証部370は、アンロック命令の送信と合わせて、認証成功を示す認証結果通知をユーザ端末401へ送信する。
なお、管理サーバ301は、S127において装置IDだけでなくIPアドレスといった補給先装置をネットワーク上で特定するための情報を受信しているため、アンロック命令を送信する対象を決定することができる。また、既に補給先装置と管理サーバ301の間にはHTTP方式の通信接続が確立されているため、補給先装置は管理サーバ301からのアンロック命令を受け入れることができる。補給先装置がアンロック命令を受信した後、補給先装置と管理サーバ301の間のHTTP方式の通信接続は終了する。
次いで、S129で、認証部370はまず、登録型補給パック200が使用される補給先装置の種類(モデル)に応じて、登録型補給パック200の使用を許可するか否かを判定する。表1を用いて上述した通り、登録型画像形成装置1に対する登録型補給パック200の使用許可の要求を受けた場合、認証部370は登録型補給パック200の使用を許可する。一方、標準画像形成装置500に対する登録型補給パック200の使用許可の要求を受けた場合、認証部370は登録型補給パック200の使用を許可しない。認証部370により登録型補給パック200の使用は許可しないと判断された後、管理サーバ301は後述するS131へ処理を進める。S131の処理について詳しくは後述する。
ここで、登録型補給パック200が登録型画像形成装置1に対して使用される場合、認証部370はさらに以下の判定処理を行う。認証部370は、受信した装置IDにより識別される補給先装置がログインユーザの装置として登録済みであるかを判定する。例えば、受信した装置IDとログインユーザのユーザIDとの間の関連付けが装置登録テーブル330に登録されている場合、補給先装置はログインユーザの装置として登録済みであるため、処理はS133へ進む。一方、受信した装置IDとログインユーザのユーザIDとの間の関連付けが装置登録テーブル330に登録されていない場合、補給先装置はログインユーザの装置として未登録であるため、処理はS131へ進む。
S131で、認証部370は、補給先装置がログインユーザの装置として未登録であるため、その補給先装置へのトナーの補給を許可しないと判定する。この場合、認証部370は、装置未登録を原因として補給前認証が失敗したことを示す認証結果通知をユーザ端末401へ送信する。
また、S129において説明した通り、認証部370は登録型補給パック200が標準画像形成装置500に対して使用されることは許可しない。この場合、認証部370はユーザ端末401に対して単に認証結果通知を送信するだけでなく、対象とする補給パックと画像形成装置に互換性がないことを示すメッセージをユーザ端末401に表示させるようにしてもよい。言い換えれば、ユーザ端末401の表示部としての表示デバイス415には、登録型補給パック200が標準補給パック501に使用不能な旨を示すメッセージが表示されてもよい。
S133では、認証部370は、補給先装置がログインユーザの装置として登録済みであるため、登録型補給パック200から補給先装置である登録型画像形成装置1へのトナーの補給を許可すると判定する。この場合、認証部370は、登録型画像形成装置1のロック機構52に開閉機構51をアンロックさせるためのアンロック命令を送信すると共に、認証成功を示す認証結果通知をユーザ端末401へ送信する。なお、図18には示していないものの、上述したように、S133で、認証部370は、補給先装置のトナー残量が所定の残量閾値を下回ることを残量情報が示している場合にのみ補給先装置へのトナーの補給を許可してもよい。また、S119,S123,S131で、補給先装置へのトナーの補給を許可しないと判定された場合には、管理サーバ301の認証部370はロック機構52にアンロック命令を送信しないため、開閉機構はロック状態のままとなる。このため補給パック200から登録型画像形成装置1または標準画像形成装置500への補給は規制される。
なお、図18のフローチャートでは、使用される補給パックが標準補給パック501であると判定された場合、管理サーバ301はS121とS129の判定処理を省略していた。しかし、これに限定されない。
例えば、管理サーバ301が標準補給パック501のコード502に基づくパックIDを配送パックテーブル340に記憶させることで、S121の処理を実行してもよい。つまり、標準補給パック501であったとしても、それに対応するパックIDの「ステータス」が「使用済み」である場合には標準補給パック501の使用を許可しない(S123)。一方、それに対応するパックIDの「ステータス」が「未使用」である場合には標準補給パック501の使用を許可すると判定し、S125へ処理を進めてもよい。そして、S125、S127、S128の処理を経て、上述したS133の処理を実行してもよい。
また、標準画像形成装置500はサブスクリプションサービスの対象外であるため、装置登録テーブル330には登録されていないものとしている。ただし、サブスクリプションサービスとは別の製品保証サービスなどの目的で、標準画像形成装置500が装置登録テーブル330に登録されていることもありうる。そのため、使用される補給パックが標準補給パック501であると判定された場合であっても、管理サーバ301はS129の処理を実行してもよい。つまり、通知された装置IDに対応する登録型画像形成装置1または標準画像形成装置500が装置登録テーブル330に登録されていない場合には標準補給パック501の使用を許可しない(S131)。一方、通知された装置IDに対応する登録型画像形成装置1または標準画像形成装置500が装置登録テーブル330に登録されている場合には標準補給パック501の使用を許可すると判定してもよい(S133)。
なお、図18のフローチャートでは、標準画像形成装置500を利用しているユーザであっても、S111とS113の処理を実行するフローとなっていた。しかし、これに限定されない。
基本的に、標準画像形成装置500を利用しているユーザはサブスクリプションサービスに加入する必要がないため、ユーザ登録は必須ではない。そのため、S111、S113を省略し、ユーザ認証を省いてもよい。このとき、標準補給パック501のコード502を管理サーバ301に送信するため、ユーザ端末401を利用しているユーザのために、アプリケーション部440はゲストアカウントを用意してもよい。ここでゲストアカウントとは、ユーザ登録をすることなく、ユーザがアプリケーションを一時的に利用できるようにするためのアカウントである。
[2-5-5.ロック制御処理]
図19は、登録型画像形成装置1または標準画像形成装置500により実行されるロック制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図19のロック制御処理は、図17のS72~S81において登録型画像形成装置1または標準画像形成装置500のロック制御部96により実行される処理に相当する。このロック制御処理は、例えば、登録型画像形成装置1または標準画像形成装置500のメモリ12に予め記憶されるコンピュータプログラムを処理回路90が実行することにより実現され得る。
まず、S211で、ロック制御部96は、所定の入力信号を検知する。ここでの入力信号は、例えば、ユーザ端末401から通信I/F11を介して受信されるID送信要求、又はユーザI/F13を介して検知されるユーザ入力信号であり得る。S213で、ロック制御部96は、所定の入力信号の検知に応じて、メモリ12から装置IDを読出して、読出した装置IDを含む装置情報を管理サーバ301へ送信する。次いで、S215で、ロック制御部96は、補給前認証の結果に基づく制御信号であるアンロック命令の受信の待受けを開始する。
S217で、ロック制御部96は、所定の待受期間が満了したか否かを、例えば待受け開始時に始動するタイマの値を参照することにより判定する。待受期間が満了した場合、処理はS237へ進む。一方、待受期間が満了していない場合、処理はS219へ進む。
S219で、管理サーバ301からアンロック命令が受信されたか否かに依存して処理は分岐する。管理サーバ301からアンロック命令が受信された場合、処理はS221へ進む。アンロック命令が受信されない場合、処理はS217へ戻る。
S221で、ロック制御部96は、管理サーバ301から受信されたアンロック命令に従って、ロック機構52に開閉機構51をアンロックさせる。次いで、S223で、ロック制御部96は、例えば開閉機構51のアンロック時に始動するタイマを利用して、アンロック期間の満了まで待機する。その間、S225で、ロック制御部96は、ユーザによる開閉機構51の操作を監視する。ユーザにより開閉機構51が操作され、補給経路50が開放されると、処理はS227へ進む。
S227で、ロック制御部96は、補給経路50が開放されたことを示す操作通知を管理サーバ301へ送信する。また、S229で、残量検知部61は、収容部48内のトナーの残量を検知する。そして、S231で、印刷制御部95は、残量検知部61により検知されたトナー残量を管理サーバ301へ報告する。S229及びS231でのトナー残量の検知及び報告は、S233でアンロック期間が満了したと判定されるまで繰り返されてよい。
S223又はS233でアンロック期間が満了したと判定されると、S235で、ロック制御部96は、ロック機構52に開閉機構51を再度ロックさせる。また、S237で、ロック制御部96は、外部装置からの制御信号の待受けを終了する。そして、図19のロック制御処理は終了する。
本実施の形態を以下にまとめる。補給システムとしての補給管理システム300は、登録型画像形成装置1と、標準画像形成装置500と、登録型補給パック200と、標準補給パック501と、認証部370を含むサーバとしての管理サーバ301と、を有する。管理サーバ301のアカウントテーブル320に、第1のユーザの第1のアカウントと、第2のユーザの、第1のアカウントとは異なる第2のアカウントが登録されている。第1の画像形成装置としての登録型画像形成装置1は、第1のユーザに対応づけられる。第2の画像形成装置としての標準画像形成装置500は、第2のユーザに対応づけられる。これら第1のアカウント及び第2のアカウントは、とりわけ「契約タイプ」が異なる。具体的には、第1のアカウントは、サブスクリプションサービスに加入しており、第2のアカウントは、サブスクリプションサービスに加入していない。
登録型画像形成装置1は、画像形成のために消費される消耗材を収容する第1収容部としての収容部48と、補給パックから収容部48へ消耗材が補給されるための第1補給経路としての補給経路50と、を有している。また、登録型画像形成装置1は、補給経路50を開閉する第1開閉部としての開閉機構51を有している。第1規制位置としてのロック位置は、開閉機構51が開放されることを規制するための位置であり、第1許容位置としてのロック解除位置は、開閉機構51が開放されることを許容するための位置である。また、登録型画像形成装置1は、ロック位置と、ロック解除位置と、に移動可能な第1規制部としてのロック部材152と、ロック部材152をロック位置とロック解除位置との間で移動させる第1アクチュエータとしてのソレノイド155と、を有している。開閉機構51は、第1装置シャッタとしての本体シャッタ116と、本体シャッタ116を開閉するための第1操作部としての操作部811と、を有する。ロック部材152は、ロック位置において操作部811の移動を規制し、ロック解除位置において操作部811の移動を許容する。
同様に、標準画像形成装置500は、画像形成のために消費される消耗材を収容する第2収容部としての収容部48と、補給パックから収容部48へ消耗材が補給されるための第2補給経路としての補給経路50と、を有している。また、標準画像形成装置500は、補給経路50を開閉する第2開閉部としての開閉機構51を有している。第2規制位置としてのロック位置は、開閉機構51が開放されることを規制するための位置であり、第2許容位置としてのロック解除位置は、開閉機構51が開放されることを許容するための位置である。また、標準画像形成装置500は、ロック位置と、ロック解除位置と、に移動可能な第2規制部としてのロック部材152と、ロック部材152をロック位置とロック解除位置との間で移動させる第2アクチュエータとしてのソレノイド155と、を有している。開閉機構51は、第2装置シャッタとしての本体シャッタ116と、本体シャッタ116を開閉するための第2操作部としての操作部811と、を有する。
第1の収容デバイスとしての登録型補給パック200は、第1の認証情報としての固有のコード201が付与されている。第2の収容デバイスとしての標準補給パック501は、第1の認証情報とは異なる第2の認証情報としての固有のコード502が付与されている。認証手段としての認証部370は、第1のユーザによってコード201,502に関する情報(第1識別情報)が入力されたこと、若しくは第2のユーザによってコード502に関する情報が入力されたことに基づいて、認証信号としてのアンロック命令(S76)を出力する。また、認証部370は、第2のユーザによってコード201に関する情報が入力された場合には、アンロック命令(S76)を出力しない。
情報処理装置としての管理サーバ301に着目した場合、管理サーバ301は、取得手段としての通信I/Fと、判定手段としての認証部370と、記憶手段としての装置登録テーブル330と、を有している。通信I/Fは、補給パック(登録型補給パック200及び標準補給パック501を含む)が画像形成装置(登録型画像形成装置1及び標準画像形成装置500)において使用される前に、当該補給パックが登録型補給パック200であるか標準補給パック501であるかを識別する第1識別情報を取得する。認証部370は、第1識別情報(S66)と、補給パックを装着して消耗材を補給する対象が登録型画像形成装置1であるか標準画像形成装置500であるかを識別するための第2識別情報(S73)と、に基づいて補給パックの使用を許可するか否かを判定する。
装置登録テーブル330は、サブスクリプションサービス等の所定のサービスの対象となっている画像形成装置に関する情報を記憶する。例えば、装置登録テーブル330には、登録型画像形成装置1が所定のサービスの対象となっていることに関する情報が記憶されており、標準画像形成装置500が所定のサービスの対象となっていることに関する情報は記憶されていないものとする。この場合、認証部370は、登録型画像形成装置1に対して登録型補給パック200が使用される場合、及び登録型画像形成装置1に対して標準補給パック501が使用される場合、当該補給パックの使用を許可する。また、認証部370は、標準画像形成装置500に対して登録型補給パック200が使用される場合、当該補給パックの使用を許可せず、標準画像形成装置500に対して標準補給パック501が使用される場合、当該補給パックの使用を許可する。
そして、登録型画像形成装置1のソレノイド155は、登録型画像形成装置1にアンロック命令が入力された場合、すなわち補給パックの使用が許可された場合、ロック部材152をロック位置からロック解除位置へ移動させる。標準画像形成装置500のソレノイド155は、標準画像形成装置500にアンロック命令が入力された場合、すなわち補給パックの使用が許可された場合、ロック部材152をロック位置からロック解除位置へ移動させる。また、ソレノイド155は、標準画像形成装置500にアンロック命令が入力されない場合、すなわち補給パックの使用が許可されなかった場合、ロック部材152をロック位置に保持する。
更に、登録型補給パック200が使用済みでないことを第1の条件とし、標準補給パック501が使用済みでないことを第2の条件とする。この場合、認証部370は、第1の条件及び第2の条件を満たし、第1のユーザによってコード201又はコード502に関する情報が入力されたこと、若しくは第2の条件を満たし、第2のユーザによってコード502に関する情報が入力されたことに基づいて、アンロック命令を出力する。また、認証部370は、第1の条件又は第2の条件を満たさず、第1のユーザ及び第2のユーザのいずれかによってコード201に関する情報及びコード502に関する情報のいずれかが入力された場合には、アンロック命令を出力しない。すなわち、認証部370は、登録型画像形成装置1に対して登録型補給パック200が使用される場合、及び登録型画像形成装置1に対して標準補給パック501が使用される場合であっても、当該補給パックが使用済みである場合には、補給パックの使用を許可しない。なお、コード201に関する情報及びコード502に関する情報は、ユーザ端末401を介して認証部370に送信される。
以上のように、本実施の形態では、管理サーバ301によって、画像形成装置と補給パックの対応関係の認証を行うので、表1に示した使用可否の組み合わせを実現することができる。このため、補給方式の画像形成装置において、所定のサービスを通じて提供された消耗材を補給するための収容デバイスが、所定のサービスの対象ではない画像形成装置によって使用されることを抑制することができる。また、より画像形成装置の使い勝手を良くする仕組みを提供することができる。
<その他の実施の形態>
なお、上記の実施形態においては、ユーザ端末401がバーコードやQRコード(登録商標)などのコード201を読み取り、その情報を管理サーバ301へ送信する手順を説明した。しかし、補給パック200の情報を取得する手段はこれに限定されない。例えば、補給パック200にタグメモリを搭載し、そのタグメモリに製造番号、シリアル番号、さらには補給パック200が登録型であるか標準型であるかを区別する情報を含んでいてもよい。そして、補給パック200が装着された画像形成装置1がそのタグメモリから情報を読み取り、その情報を管理サーバ301へ送信するようにしてもよい。このような構成にすれば、ユーザがユーザ端末401を用いて互換認証処理をする必要がなくなるため、ユーザビリティを向上させることができる。
さらには、登録型補給パック200のパウチ部211の表面やパッケージにはコード201を光学的に読取可能な形式で印刷しておき、標準補給パック501には印刷しないようにしてもよい。そして、その代わりに標準補給パック501には上述したタグメモリを設け、登録型画像形成装置1または標準画像形成装置500に装着されると自動的に互換認証処理が行われるように構成してもよい。この場合、登録型補給パック200を使用する特定のユーザはユーザ端末401を用いて互換認証処理をする必要があるが、標準補給パック501を使用する一般ユーザはユーザ端末401にアプリケーション等をインストールして互換認証処理をする必要がなくなる。その結果、標準補給パック501を標準画像形成装置500でのみ使用する一般ユーザにとってユーザビリティを向上させることができる。
また、既述のいずれの形態においても、ロック機構150は、操作部の回動を規制又は許容するように構成されていたが、これに限定されない。例えば、ロック機構150がロック状態からロック解除状態に遷移することに代えて、操作部、パックシャッタ及び本体シャッタのいずれかが回転して補給経路が開放されるように構成してもよい。
また、既述のいずれの形態においても、電子写真方式の画像形成装置を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ノズルからインク液を吐出させることでシートに画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置にも本発明を適用することが可能である。この場合、画像形成装置が画像形成することによって消耗される消耗材はインクとなり、補給パックは、インクを収容する。
本発明は上述の実施の形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1:第1の画像形成装置(登録型画像形成装置)/48:消耗材収容部、第1収容部、第2収容部(収容部)/50:第1補給経路、第2補給経路(補給経路)/51:第1開閉部、第2開閉部(開閉機構)/116:第1装置シャッタ、第2装置シャッタ(本体シャッタ)/152:第1規制部、第2規制部(ロック部材)/155:第1アクチュエータ、第2アクチュエータ(ソレノイド)/200:第1の収容デバイス(登録型補給パック)/201:第1の認証情報(コード)/300:補給システム(補給管理システム)/301:情報処理装置、サーバ(管理サーバ)/311:取得手段(通信I/F)/330:記憶手段(装置登録テーブル)/370:認証手段、判定手段(認証部)/401:ユーザ端末/415:表示部(表示デバイス)/500:第2の画像形成装置(標準画像形成装置)/501:第2の収容デバイス(標準補給パック)/502:第2の認証情報(コード)/811:第1操作部、第2操作部(操作部)

Claims (11)

  1. 消耗材を使用してシートに画像を形成する画像形成装置に対して着脱可能であり、前記消耗材を収容する収容デバイスであって、前記画像形成装置に装着された状態で前記画像形成装置に設けられた消耗材収容部へ前記消耗材を補給することが可能な前記収容デバイスの使用を許可するか否かを判定する情報処理装置において、
    前記収容デバイスが前記画像形成装置において使用される前に、前記収容デバイスが第1の収容デバイスであるか第2の収容デバイスであるかを識別するための第1識別情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得した前記第1識別情報と、前記収容デバイスを装着して前記消耗材を補給する対象が第1の画像形成装置であるか第2の画像形成装置であるかを識別するための第2識別情報と、に基づいて前記収容デバイスの使用を許可するか否かを判定する判定手段と、
    所定のサービスの対象となっている画像形成装置に関する情報を記憶する記憶手段と、を有し、
    前記記憶手段に、前記第1の画像形成装置が前記所定のサービスの対象となっていることに関する情報が記憶されており、前記第2の画像形成装置が前記所定のサービスの対象となっていることに関する情報は記憶されていない状態において、
    前記判定手段は、前記第1の画像形成装置に対して前記第1の収容デバイスが使用される場合、及び前記第1の画像形成装置に対して前記第2の収容デバイスが使用される場合、前記収容デバイスの使用を許可し、
    前記第2の画像形成装置に対して前記第1の収容デバイスが使用される場合、前記収容デバイスの使用を許可せず、前記第2の画像形成装置に対して前記第2の収容デバイスが使用される場合、前記収容デバイスの使用を許可する、
    ことを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記判定手段は、前記第1の画像形成装置に対して前記第1の収容デバイスが使用される場合、及び前記第1の画像形成装置に対して前記第2の収容デバイスが使用される場合であっても、前記収容デバイスが使用済みである場合には、前記収容デバイスの使用を許可しない、
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記第1識別情報は、ユーザ端末を介して前記判定手段に送信される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
  4. 第1のアカウントを有する第1のユーザに対応づけられる第1の画像形成装置であって、画像形成のために消費される消耗材を収容する第1収容部と、前記第1収容部へ消耗材が補給されるための第1補給経路と、前記第1補給経路を開閉する第1開閉部と、前記第1開閉部が開放されることを規制するための第1規制位置と、前記第1開閉部が開放されることを許容するための第1許容位置と、に移動可能な第1規制部と、前記第1規制部を前記第1規制位置と前記第1許容位置との間で移動させる第1アクチュエータと、を有する第1の画像形成装置と、
    前記第1のアカウントとは異なる第2のアカウントを有する第2のユーザに対応づけられる第2の画像形成装置であって、画像形成のために消費される消耗材を収容する第2収容部と、前記第2収容部へ消耗材が補給されるための第2補給経路と、前記第2補給経路を開閉する第2開閉部と、前記第2開閉部が開放されることを規制するための第2規制位置と、前記第2開閉部が開放されることを許容するための第2許容位置と、に移動可能な第2規制部と、前記第2規制部を前記第2規制位置と前記第2許容位置との間で移動させる第2アクチュエータと、を有する第2の画像形成装置と、
    第1の認証情報が付与され、画像形成のために消費される消耗材を収容する第1の収容デバイスと、
    前記第1の認証情報とは異なる第2の認証情報が付与され、画像形成のために消費される消耗材を収容する第2の収容デバイスと、
    前記第1のユーザによって前記第1の認証情報又は前記第2の認証情報に関する情報が入力されたこと、若しくは前記第2のユーザによって前記第2の認証情報に関する情報が入力されたことに基づいて、認証信号を出力し、かつ前記第2のユーザによって前記第1の認証情報に関する情報が入力された場合には、前記認証信号を出力しない認証手段と、を備え、
    前記第1アクチュエータは、前記第1の画像形成装置に前記認証信号が入力された場合、前記第1規制部を前記第1規制位置から前記第1許容位置へ移動させ、
    前記第2アクチュエータは、前記第2の画像形成装置に前記認証信号が入力された場合、前記第2規制部を前記第2規制位置から前記第2許容位置へ移動させ、前記第2の画像形成装置に前記認証信号が入力されない場合、前記第2規制部を前記第2規制位置に保持する、
    ことを特徴とする補給システム。
  5. 前記第1のアカウントは、所定のサービスの対象となっており、
    前記第2のアカウントは、前記所定のサービスの対象となっていない、
    ことを特徴とする請求項4に記載の補給システム。
  6. 前記第1の収容デバイスが使用済みでないことを第1の条件とし、前記第2の収容デバイスが使用済みでないことを第2の条件とした場合、
    前記認証手段は、前記第1の条件及び前記第2の条件を満たし、前記第1のユーザによって前記第1の認証情報又は前記第2の認証情報に関する情報が入力されたこと、若しくは前記第2の条件を満たし、前記第2のユーザによって前記第2の認証情報に関する情報が入力されたことに基づいて、前記認証信号を出力し、かつ前記第1の条件又は前記第2の条件を満たさず、前記第1のユーザ及び前記第2のユーザのいずれかによって前記第1の認証情報に関する情報及び前記第2の認証情報に関する情報のいずれかが入力された場合には、前記認証信号を出力しない、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の補給システム。
  7. 前記第1の認証情報及び前記第2の認証情報を読み取り可能なユーザ端末を更に備え、
    前記第1の認証情報に関する情報及び前記第2の認証情報に関する情報は、前記ユーザ端末を介して前記認証手段に送信される、
    ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の補給システム。
  8. 前記ユーザ端末は、メッセージを表示可能な表示部を有し、
    前記認証手段は、前記第2のユーザによって前記第1の認証情報に関する情報が入力されたことに基づいて、前記ユーザ端末に通知信号を出力し、
    前記表示部は、前記ユーザ端末が前記通知信号を受信したことに基づいて、前記第1の収容デバイスが前記第2の画像形成装置に使用不能な旨を示すメッセージを表示する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の補給システム。
  9. 前記第1開閉部は、前記第1補給経路を開閉する第1装置シャッタと、前記第1装置シャッタを開閉するための第1操作部と、を有し、
    前記第2開閉部は、前記第2補給経路を開閉する第2装置シャッタと、前記第2装置シャッタを開閉するための第2操作部と、を有し、
    前記第1規制部は、前記第1規制位置において前記第1操作部の移動を規制し、かつ前記第1許容位置において前記第1操作部の移動を許容し、
    前記第2規制部は、前記第2規制位置において前記第2操作部の移動を規制し、かつ前記第2許容位置において前記第2操作部の移動を許容する、
    ことを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記載の補給システム。
  10. 前記第1の画像形成装置又は前記第2の画像形成装置とネットワークを介して接続され、前記認証手段を含むサーバを更に備える、
    ことを特徴とする請求項4乃至9のいずれか1項に記載の補給システム。
  11. 前記第1の収容デバイスは、前記第1の画像形成装置に装着された状態において少なくとも一部が前記第1の画像形成装置の外部に露出され、
    前記第2の収容デバイスは、前記第2の画像形成装置に装着された状態において少なくとも一部が前記第2の画像形成装置の外部に露出されている、
    ことを特徴とする請求項4乃至10のいずれか1項に記載の補給システム。
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