JP2023081873A - バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート及び化粧板 - Google Patents
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Abstract
【課題】絵柄模様の色抜けを抑制することができるバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート等を提供する。【解決手段】バイオマス由来のポリエチレンを含み、第1面及び第2面を有する、基材シートと、前記基材シートの第1面側に積層された、絵柄模様を構成する絵柄模様層と、前記絵柄模様層の前記基材シートとは反対の面側に積層された、透明性樹脂層と、を有し、前記基材シートは、バイオマス度が15%以上40%以下であり、厚みが65μm以上90μm以下であり、前記透明性樹脂層は、オレフィン樹脂からなる、バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート。【選択図】図1
Description
本開示は、バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート及び化粧板に関する。
建材、家具、家電製品等において、使用する部材を加飾したい場合には、意匠が施された化粧シートを貼着した化粧板が一般的に用いられている。
例えば、特許文献1では、基材シート上に少なくとも表面保護層を有する化粧シートであって、該表面保護層は電離放射線硬化型樹脂、アルデヒド吸着剤及び無光触媒を含む樹脂組成物からなることを特徴とする化粧シートが開示されている。
建材等に用いられる化粧シートの基材シートは、プラスチックが主成分として使用されている。このプラスチックは石油由来のプラスチックが汎用されているが、環境負荷軽減の観点で好ましくない。そこで、石油由来のプラスチックよりも環境負荷が少ない素材として、再生可能な生物由来の資源を原材料としたバイオマス由来のプラスチックが知られている。
本発明者らは、バイオマス由来のポリエチレンフィルムを建材用等の化粧シートに導入することに関して検討を重ねたところ、バイオマス由来のポリエチレンフィルムは、石油由来のポリエチレンフィルムと比較して不純物が多いために、フィッシュアイと呼ばれる不純物等の混入による欠陥が発生しやすいことを見出した。フィッシュアイが存在する箇所は、それが存在しない箇所と比べて樹脂に対して密着性が低下する問題が生じる。
そのため、バイオマス由来のポリエチレンフィルムを化粧シートの基材として使用しようとすると、フィッシュアイの影響により絵柄層等に施した絵柄模様の色抜けが発生し、それが外観不良となり化粧シートとしての役割を果たさないという課題があることを見出した。
多種多様な絵柄模様を形成するための絵柄模様層は、色(着色剤を含む着色インキ)を部分的かつ重畳的に配置する必要があり、色部分(着色インキが配置された部分)の端領域や色部分(着色インキが配置された部分)どうしの重なり領域が存在する。そのような領域が密着性の低いフィッシュアイと重なると色抜けが特に生じやすくなるが、絵柄模様における欠陥は、顕著に目立つので、化粧シートの品質を大きく損なうことになる。
そこで本開示は、バイオマス由来のポリエチレンを建材用等の化粧シートに導入するに際して見出された上述の課題を解決するものである。
本発明者らは、フィッシュアイの大きさや数は、バイオマス由来のポリエチレンの厚みによる依存性が少なく、厚みが大きいほどフィッシュアイの影響を受けにくいとの知見を得た。
バイオマス由来のポリエチレンを含む基材シートのバイオマス度を15%以上40%以下とし、厚みを65μm以上90μmとすることにより、前記基材シートのフィッシュアイによる欠陥の悪影響を緩和することができるので、前記基材シートの第1面側に積層される絵柄模様層の絵柄模様の色抜けを抑制し得る。
すなわち、本開示は、バイオマス由来のポリエチレンを含み、第1面及び第2面を有する、基材シートと、前記基材シートの第1面側に積層された、絵柄模様を構成する絵柄模様層と、前記絵柄模様層の前記基材シートとは反対の面側に積層された、透明性樹脂層と、を有し、前記基材シートは、バイオマス度が15%以上40%以下であり、厚みが65μm以上90μm以下であり、前記透明性樹脂層は、オレフィン樹脂からなる、バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートである。
本開示のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートにおいて、前記基材シートは、酸化防止剤を含有することが好ましい。
前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤である、ことが好ましい。
前記基材シートと、前記絵柄模様層との間に、前記基材シートの第1面全体を被覆している、絵柄補助層を有することが好ましい。
前記絵柄補助層は、厚みが1μm以上5μm以下であることが好ましい。
前記絵柄補助層は、スムージング処理が施されていることが好ましい。
前記透明性樹脂層は、厚みが40μm以上100μm以下であることが好ましい。
本開示は、前記バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートの前記基材シートの第2面側に被着材が積層された化粧板でもある。
前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤である、ことが好ましい。
前記基材シートと、前記絵柄模様層との間に、前記基材シートの第1面全体を被覆している、絵柄補助層を有することが好ましい。
前記絵柄補助層は、厚みが1μm以上5μm以下であることが好ましい。
前記絵柄補助層は、スムージング処理が施されていることが好ましい。
前記透明性樹脂層は、厚みが40μm以上100μm以下であることが好ましい。
本開示は、前記バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートの前記基材シートの第2面側に被着材が積層された化粧板でもある。
本開示は、絵柄模様の色抜けを抑制することができるバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート等を提供することができる。
<バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート>
以下、本開示のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートについて説明する。
以下、本開示のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートについて説明する。
本開示のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートは、バイオマス由来のポリエチレンを含み、第1面及び第2面を有する、基材シートと、前記基材シートの第1面側に積層された絵柄模様層と、前記絵柄模様層の前記基材シートとは反対の面側に積層された、透明性樹脂層と、を有し、前記基材シートは、バイオマス度が15%以上40%以下であり、厚みが65μm以上90μm以下であり、前記透明性樹脂層は、オレフィン樹脂からなる。
図1は、本開示のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートの好ましい一例を模式的に説明する断面図である。図1に示すように、本開示のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート10は、基材シート1の第1面側に、絵柄模様層3が積層され、絵柄模様層3の基材シート1とは反対の面側に積層された、透明性樹脂層6とを有する。
化粧シート10は、基材シート1の第2面側に、裏面接着補助層4が積層されていてもよく、絵柄模様層3に、接着剤層5、透明性樹脂層6、表面接着補助層7、及び表面保護層8がこの順に積層されていてもよい。
化粧シート10は、基材シート1の第2面側に、裏面接着補助層4が積層されていてもよく、絵柄模様層3に、接着剤層5、透明性樹脂層6、表面接着補助層7、及び表面保護層8がこの順に積層されていてもよい。
(基材シート)
化粧シートは、バイオマス由来のポリエチレンを含み、第1面及び第2面を有する、基材シートを用いる。
第1面は、基材シートの絵柄模様層を形成する側の面(表面ともいう)であり、第2面は、基材シートの第1面とは反対側の面(被着材を積層する側の面であり、裏面ともいう)である。
化粧シートは、バイオマス由来のポリエチレンを含み、第1面及び第2面を有する、基材シートを用いる。
第1面は、基材シートの絵柄模様層を形成する側の面(表面ともいう)であり、第2面は、基材シートの第1面とは反対側の面(被着材を積層する側の面であり、裏面ともいう)である。
「バイオマス由来のポリエチレン」とは、原料として少なくとも一部にバイオマス由来の原料を用いたものであって、原料の全てがバイオマス由来のものであることを意味するものではない。
なお、バイオマス由来の原料を用いているか否かは、後述する「バイオマス度」において記載する放射性炭素(C14)測定により判別することができる。
なお、バイオマス由来の原料を用いているか否かは、後述する「バイオマス度」において記載する放射性炭素(C14)測定により判別することができる。
基材シートは、例えば、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーの重合体であるバイオマスポリエチレンを含むものである。
基材シートは、バイオマス度が15%以上40%以下である。
バイオマス度が15%以上であることにより、化石燃料由来の原料を好適に削減し、環境負荷を好適に低減することができる。
バイオマス度は、環境負荷を更に好適に低減する観点から、20%以上であることがより好ましく、25%以上であることが更に好ましい。
一方で、基材シートのバイオマス度が高くなるほど、フィッシュアイによる欠陥が顕著となるが、基材シートのバイオマス度が40%以下であり、基材シートが所定の厚みを有することにより、基材シートのフィッシュアイによる欠陥の悪影響を緩和することができるので、絵柄模様の色抜けを抑制することができる。
バイオマス度が15%以上であることにより、化石燃料由来の原料を好適に削減し、環境負荷を好適に低減することができる。
バイオマス度は、環境負荷を更に好適に低減する観点から、20%以上であることがより好ましく、25%以上であることが更に好ましい。
一方で、基材シートのバイオマス度が高くなるほど、フィッシュアイによる欠陥が顕著となるが、基材シートのバイオマス度が40%以下であり、基材シートが所定の厚みを有することにより、基材シートのフィッシュアイによる欠陥の悪影響を緩和することができるので、絵柄模様の色抜けを抑制することができる。
「バイオマス度」(バイオマス由来のポリエチレンを含む基材シート中のバイオマス由来の炭素濃度)は、放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量を測定した値である。大気中の二酸化炭素には、C14が一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えばトウモロコシ中のC14含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中にはC14が殆ど含まれていないことも知られている。したがって、ポリエチレン中の全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。
すなわち、ポリエチレン中のC14の含有量をPC14とした場合の、バイオマス由来の炭素の含有量Pbioは、以下のようにして求めることができる。
Pbio(%)=PC14/105.5×100
すなわち、ポリエチレン中のC14の含有量をPC14とした場合の、バイオマス由来の炭素の含有量Pbioは、以下のようにして求めることができる。
Pbio(%)=PC14/105.5×100
基材シートは、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、または直鎖状低密度ポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。また、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、又は、直鎖状低密度ポリエチレンからなる群より2種以上を選択して混合したものであってもよい。
基材シートは、酸化防止剤を含有することが好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系、硫黄系、リン系の酸化防止剤等が挙げられる。これらの中でも、基材シートのフィッシュアイを低減することができ、絵柄模様の色抜けや被着材への接着不良を抑制する観点から、フェノール系酸化防止剤が好ましい。また、フェノール系酸化防止剤は、加水分解しにくいため、耐久性が要求される化粧シートの基材シートに使用する酸化防止剤として好ましい。
基材シート成型時の熱等により生成したラジカルにより酸化反応が開始され、ゲル化やコゲ等が発生しそれが基材シートでフィッシュアイが生じる原因となる。フェノール系酸化防止剤は、ラジカルを補足することで酸化を抑制することができるので、基材シートのフィッシュアイによる欠陥を低減する効果を奏する。
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系、硫黄系、リン系の酸化防止剤等が挙げられる。これらの中でも、基材シートのフィッシュアイを低減することができ、絵柄模様の色抜けや被着材への接着不良を抑制する観点から、フェノール系酸化防止剤が好ましい。また、フェノール系酸化防止剤は、加水分解しにくいため、耐久性が要求される化粧シートの基材シートに使用する酸化防止剤として好ましい。
基材シート成型時の熱等により生成したラジカルにより酸化反応が開始され、ゲル化やコゲ等が発生しそれが基材シートでフィッシュアイが生じる原因となる。フェノール系酸化防止剤は、ラジカルを補足することで酸化を抑制することができるので、基材シートのフィッシュアイによる欠陥を低減する効果を奏する。
前記フェノール系酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であることが好ましい。
基材シートを構成するポリエチレンは、比較的酸化反応速度が遅いため、ラジカルとの反応速度が遅いヒンダードフェノール系酸化防止剤が上述した酸化の抑制に効果的である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を挙げることができ、その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオナミド)]、2,4-ジメチル-6-(1-メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’-ヘキサ-tert-ブチル-a,a’,a’’-(メシチレン-2,4,6-トリイル)トリ-p-クレゾール、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン,2,6-ジ-tert-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
基材シートを構成するポリエチレンは、比較的酸化反応速度が遅いため、ラジカルとの反応速度が遅いヒンダードフェノール系酸化防止剤が上述した酸化の抑制に効果的である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を挙げることができ、その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオナミド)]、2,4-ジメチル-6-(1-メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’-ヘキサ-tert-ブチル-a,a’,a’’-(メシチレン-2,4,6-トリイル)トリ-p-クレゾール、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン,2,6-ジ-tert-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
酸化防止剤の含有量としては、基材シートの質量を基準として、0.01質量%以上、0.2質量%以下であることが好ましい。基材シートが酸化防止剤を含有することは、例えば、液体クロマトグラフィーにより確認することができる。
基材シートがフェノール系酸化防止剤を含有すると変色することがあるが、このような変色を抑制する観点から、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを併用することがより好ましい。
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4-t-ブチルフェニル)フォスファイト、ビス[2,4ビス(1,1-ジメチルエチル)-6-メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、ビス(2,4-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリト-ルジフォスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)[1,1ビフェニル]-4,4’-ジイルビスホスホナイト、テトラ(C12以上C15以下のアルキル)-4,4’-イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、3,9-ビス(2,6-t-ブチル-4-メチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5,5ウンデカン]、1,1’-ビフェニル-4,4’-ジイルビス[亜ホスホン酸ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)]等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4-t-ブチルフェニル)フォスファイト、ビス[2,4ビス(1,1-ジメチルエチル)-6-メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、ビス(2,4-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリト-ルジフォスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)[1,1ビフェニル]-4,4’-ジイルビスホスホナイト、テトラ(C12以上C15以下のアルキル)-4,4’-イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、3,9-ビス(2,6-t-ブチル-4-メチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5,5ウンデカン]、1,1’-ビフェニル-4,4’-ジイルビス[亜ホスホン酸ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)]等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを併用する場合、フェノール系酸化防止剤と、リン系酸化防止剤との質量比(フェノール系酸化防止剤:リン系酸化防止剤)は、1:1以上1:2以下であることが好ましい。基材シートのフィッシュアイによる欠陥を好適に低減することができ、かつ、基材シートの変色を好適に抑制することができる。
基材シートは、必要に応じて、着色剤、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種の添加剤が含まれていてもよい。
なお、添加剤の含有量としては、基材シートの質量を基準として、20質量%以上、40質量%以下であることが好ましい。
なお、添加剤の含有量としては、基材シートの質量を基準として、20質量%以上、40質量%以下であることが好ましい。
基材シートは、厚みが65μm以上90μm以下である。
基材シートの厚みが前記範囲であることにより、基材シートのフィッシュアイによる欠陥の悪影響を緩和することができるので、絵柄模様層の絵柄模様の色抜けを抑制することができる。
また、厚みが90μm以下であることにより、基材シートに使用する化石燃料由来の原料を削減できるので、環境負荷を低減することもできる。
基材シートの厚みが前記範囲であることにより、基材シートのフィッシュアイによる欠陥の悪影響を緩和することができるので、絵柄模様層の絵柄模様の色抜けを抑制することができる。
また、厚みが90μm以下であることにより、基材シートに使用する化石燃料由来の原料を削減できるので、環境負荷を低減することもできる。
基材シートを成膜(シーティング)する具体的な方法としては特に限定されず、Tダイを用いて溶融した樹脂を押出してラミネートするTダイ法やカレンダー法、円形ダイ法(インフレーション法、チューブラ法)、等が挙げられる。その中でも生産効率(生産速度)を向上させたり、シーティング時の内部応力を緩和させたりする場合はTダイ法が好ましい。基材シートの厚みを均一にしたり異物欠点を減少させたりする場合はカレンダー法を用いることが好ましい。
(絵柄模様層)
化粧シートは、基材シートの第1面側に積層された、絵柄模様を構成する絵柄模様層を有する。
化粧シートは、基材シートの第1面側に積層された、絵柄模様を構成する絵柄模様層を有する。
絵柄模様層は、所望の絵柄模様(意匠)を化粧シートに付与するものであり、絵柄模様の種類等は限定されない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄模様層の形成に用いるインキは、着色剤成分、樹脂成分及び液体成分を含んでいる。インキは、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合してもよい。
着色剤成分としては、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片の真珠光沢(パール)顔料等を用いることができる。樹脂成分としては、特に制限はなく、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、ブチラール系樹脂、スチレン系樹脂、ニトロセルロース(硝化綿)系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、アクリル-ウレタン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂等から選ばれる任意のものを、1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。液体成分としては、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノン、酢酸エチルアルコール、エタノール、メタノールなどの有機溶剤や水を用いることができる。
絵柄模様を構成する絵柄模様層は、着色剤成分、樹脂成分及び液体成分を含むインキを凹版ロールを用いたグラビア印刷方式で絵柄補助層に部分印刷することによって形成することができる。同じまたは異なる組成のインキの部分印刷を異なる領域に分けてまたは/および同じ領域に重ねて複数回行うことにより、絵柄模様層を形成させてもよい。
絵柄模様層の厚みとしては、例えば、0.1μm以上5μm以下とすることが好ましい。膜質や密着性を良好にできる。
絵柄模様層の厚みは、0.5μm以上3μm以下とすることがより好ましい。
絵柄模様層の厚みは、0.5μm以上3μm以下とすることがより好ましい。
(絵柄補助層)
化粧シートは、基材シートと、絵柄模様層との間に、基材シートの第1面全体を被覆している、絵柄補助層を有することが好ましい。
このような絵柄補助層を有することにより、基材シートの第1面側のフィッシュアイを好適に補修し、絵柄補助層に積層される絵柄模様層の絵柄模様の色抜けを好適に抑制することができる。なお、絵柄補助層は、第1面全体を一様に被覆していればよく、第1面全面を完全に被覆している必要はない。絵柄補助層は、例えば、形成時に不可避なピンホールなどの微小欠陥が生じている場合がある。
化粧シートは、基材シートと、絵柄模様層との間に、基材シートの第1面全体を被覆している、絵柄補助層を有することが好ましい。
このような絵柄補助層を有することにより、基材シートの第1面側のフィッシュアイを好適に補修し、絵柄補助層に積層される絵柄模様層の絵柄模様の色抜けを好適に抑制することができる。なお、絵柄補助層は、第1面全体を一様に被覆していればよく、第1面全面を完全に被覆している必要はない。絵柄補助層は、例えば、形成時に不可避なピンホールなどの微小欠陥が生じている場合がある。
基材シートの第1面全体を被覆している絵柄補助層は、凹版ロールを用いたグラビア印刷方式でベタ印刷することによって形成することができる。絵柄補助層の形成に用いられるインキは、樹脂成分および液体成分を含んでいる。インキは、顔料や染料等の着色剤、体質顔料、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合してもよい。
樹脂成分としては特に制限はなく、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、ブチラール系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、アクリル-ウレタン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂等から選ばれる任意のものを、1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。液体成分としては、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノン、酢酸エチルアルコール、エタノール、メタノールなどの有機溶剤や水を用いることができる。
絵柄補助層は、凹版ロールによるベタ印刷後にスムージングロールを用いたスムージング処理を施すことが好ましい。あるいは、絵柄補助層は、基材シートの搬送速度と凹版ロールの外周回転速度とを異なる速度にすることによって、スムージング処理を施すことが好ましい。スムージング処理を行うことにより、より均質な絵柄補助層を形成することができる。
絵柄補助層は、厚みが1μm以上5μm以下であることが好ましい。基材シートのフィッシュアイによる欠陥を好適に補修することができるので、絵柄模様層の絵柄模様の色抜けを好適に抑制することができる。
絵柄補助層は、厚みが1.5μm以上3μm以下であることがより好ましい。
絵柄補助層は、厚みが1.5μm以上3μm以下であることがより好ましい。
(裏面接着補助層)
基材シートの第2面側に積層され、基材シートの第2面全体を被覆している、裏面接着補助層を有してもよい。このような裏面接着補助層を有することにより、基材シートの第2面側のフィッシュアイを補修し、被着材に対する接着不良を抑制することができる。なお、裏面接着補助層は、第2面全体を一様に被覆していればよく、第2面全面を完全に被覆している必要はない。裏面接着補助層は、例えば、形成時に不可避なピンホールなどの微小欠陥が生じている場合がある。
基材シートの第2面側に積層され、基材シートの第2面全体を被覆している、裏面接着補助層を有してもよい。このような裏面接着補助層を有することにより、基材シートの第2面側のフィッシュアイを補修し、被着材に対する接着不良を抑制することができる。なお、裏面接着補助層は、第2面全体を一様に被覆していればよく、第2面全面を完全に被覆している必要はない。裏面接着補助層は、例えば、形成時に不可避なピンホールなどの微小欠陥が生じている場合がある。
基材シートの第2面全体を被覆している裏面接着補助層は、凹版ロールを用いたグラビア印刷方式でベタ印刷することによって形成することができる。裏面接着補助層の形成に用いられるインキは、樹脂成分および液体成分を含んでいる。インキは、顔料や染料等の着色剤、体質顔料、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合してもよい。
樹脂成分としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、ブチラール樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、ポリカーボネート系アクリル-ウレタン共重合体(ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端、側鎖に2個以上の水酸基を有する重合体(ポリカーボネートポリオール)由来のウレタン-アクリル共重合体)、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン系樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等の樹脂成分を用いることができる。液体成分としては、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノン、酢酸エチルアルコール、エタノール、メタノールなどの有機溶剤や水を用いることができる。
裏面接着補助層は、被着材との密着性を向上させる観点から、ウレタン系樹脂を含むことが好ましく、ウレタン樹脂は、エステル系ポリウレタンであることがより好ましい。
エステル系ポリウレタンとは、ポリオール(多価アルコール)を主成分とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とする組成物の硬化物である。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等を用いることができる。
イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2-4トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4-4ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環族)イソシアネート等を用いることができる。
イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2-4トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4-4ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環族)イソシアネート等を用いることができる。
樹脂成分の含有量は、被着材との密着性を好適に向上させる観点から、裏面接着補助層の質量を基準として、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。
前記裏面接着補助層は、乾燥性を向上させる観点から、硝化綿(ニトロセルロース樹脂)を含有することが好ましいが(0質量%超)、バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートの変色を抑制する観点から、硝化綿の含有量が5質量%以下であることが好ましい。
硝化綿の含有量は、裏面接着補助層の質量を基準として、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。
硝化綿の含有量は、裏面接着補助層の質量を基準として、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。
裏面接着補助層は、凹版ロールによるベタ印刷後にスムージングロールを用いたスムージング処理を施すことが好ましい。あるいは、裏面接着補助層は、基材シートの搬送速度と凹版ロールの外周回転速度とを異なる速度にすることによって、スムージング処理を施すことが好ましい。スムージング処理を行うことにより、より均質な裏面接着補助層を形成することができる。
裏面接着補助層は、厚みが1μm以上10μm以下とすることが好ましい。基材シートのフィッシュアイによる欠陥を好適に補修することができるので、被着材に対する接着不良を好適に抑制することができる。
裏面接着補助層は、厚みが1.5μm以上5μm以下であることがより好ましい。
裏面接着補助層は、厚みが1.5μm以上5μm以下であることがより好ましい。
(透明性樹脂層)
化粧シートは、絵柄模様層の基材シートとは反対の面側に積層された、透明性樹脂層を有する。
透明性樹脂層を有することにより、絵柄模様層を保護し、化粧シートの耐傷性を向上させて耐久性を付与することができる。
なお、「透明性」とは、絵柄模様層が視認できる範囲であれば、半透明や着色されていてもよい。
化粧シートは、絵柄模様層の基材シートとは反対の面側に積層された、透明性樹脂層を有する。
透明性樹脂層を有することにより、絵柄模様層を保護し、化粧シートの耐傷性を向上させて耐久性を付与することができる。
なお、「透明性」とは、絵柄模様層が視認できる範囲であれば、半透明や着色されていてもよい。
透明性樹脂層は、成型加工性の向上、耐傷性の向上の観点から、オレフィン樹脂からなり、ポリプロピレンやポリエステルなどのオレフィン樹脂が好ましい。
なお、前記オレフィン樹脂は、バイオマス由来で無いものも用いることができる。
なお、前記オレフィン樹脂は、バイオマス由来で無いものも用いることができる。
透明性樹脂層は、耐久性を更に好適に付与する観点から、紫外線吸収剤及び光安定剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。耐候性や意匠性、ブリード抑制等を好適に付与する観点から、トリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。紫外線吸収剤の含有量は、透明性樹脂層の質量を基準として0.1質量%以上1質量%以下であることが好ましい。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系の光安定剤を好適に用いることができる。
光安定剤の含有量は、透明性樹脂層の質量を基準として、1.5質量%以上、3質量%以下であることが好ましい。
光安定剤の含有量は、透明性樹脂層の質量を基準として、1.5質量%以上、3質量%以下であることが好ましい。
透明性樹脂層には、更に必要に応じて各種添加剤を含有しても良い。例えば、シリコーン樹脂、ワックス、フッ素樹脂等の滑剤や、染料、顔料等の着色剤等である。
透明性樹脂層は、厚みが40μm以上100μm以下である。
透明性樹脂層の厚みが前記範囲であることにより、化粧シート全体として化石燃料由来のポリエチレン量を好適に削減することができ、環境負荷を好適に低減することができる。
透明性樹脂層は、厚みが50μm以上80μm以下であることが好ましい。
透明性樹脂層の厚みが前記範囲であることにより、化粧シート全体として化石燃料由来のポリエチレン量を好適に削減することができ、環境負荷を好適に低減することができる。
透明性樹脂層は、厚みが50μm以上80μm以下であることが好ましい。
透明性樹脂層を積層する方法としては、一般的な方法であれば限定されず、ドライラミネート法やTダイを用いて溶融した樹脂を押出してラミネートする押出しラミネート法等が挙げられる。
なお、溶融した樹脂を押出すことができるTダイ等は、上述した押出し機構として用いることができる。
なお、溶融した樹脂を押出すことができるTダイ等は、上述した押出し機構として用いることができる。
透明性樹脂層は、けん化処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、紫外線(UV)処理、及び火炎処理等の表面処理を行ってもよい。
(表面保護層)
化粧シートでは、透明性樹脂層の前記絵柄模様層と反対の面側に表面保護層を有していてもよい。
表面保護層を有することにより、耐久性(耐傷性、耐汚染性、耐候性等)を付与することができる。
化粧シートでは、透明性樹脂層の前記絵柄模様層と反対の面側に表面保護層を有していてもよい。
表面保護層を有することにより、耐久性(耐傷性、耐汚染性、耐候性等)を付与することができる。
表面保護層は、例えば、熱硬化性成分の硬化物や電離放射線硬化性成分の硬化物を主成分として含有してもよい。硬化物は、透明性であることが好ましい。表面保護層は、紫外線吸収剤及び光安定剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤や光安定剤は透明性樹脂層と同様のものを用いることができる。
熱硬化性成分の硬化物としては、例えば、エステル系ウレタンやアクリル系ウレタンを挙げることができる。
電離放射線硬化性成分の硬化物としては、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和結合又はカチオン重合性官能基を有するオリゴマー及び/又はモノマーの硬化物を挙げることができる。電離放射線とは、分子を重合或いは架橋させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子を意味し、電子線(EB)又は紫外線(UV)が一般的である。表面保護層を形成する方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
分子中にラジカル重合性不飽和基を有するオリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート等のオリゴマーが好ましく使用でき、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが更に好ましい。分子量としては、通常250以上10万以下程度のものが用いられる。
分子中にラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、多官能モノマーが好ましく、多官能(メタ)アクリレートがより好ましい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート{5官能(メタ)アクリレート}、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート{6官能(メタ)アクリレート}等が挙げられる。なお、単官能モノマーを適宜使用しても良い。
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート{5官能(メタ)アクリレート}、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート{6官能(メタ)アクリレート}等が挙げられる。なお、単官能モノマーを適宜使用しても良い。
電離放射線硬化性成分が、ウレタンアクリレートオリゴマー及び多官能モノマーを、ウレタンアクリレートオリゴマー/多官能モノマーの質量比6/4以上9/1以下の範囲で含むことが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂を紫外線にて架橋させる場合、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤の添加量は、例えば、電離放射線硬化性成分100質量部に対して0.1以上10以下質量部である。
表面保護層は、グロスマット効果を有することが好ましい。フィッシュアイにより絵柄模様層が構成する絵柄模様に色抜けが生じた場合であっても目立たなくすることができる。
グロスマット効果とは、艶のある部分を浮き出させ、艶のない部分を凹んで見えるようにする意匠効果を意味する。
グロスマット効果を付与する方法としては特に限定されず、艶調整剤を表面保護層に含有させてもよいし、凹凸形状により実現してもよい。凹凸形状は、例えば、最大高さRzが10μm以上60μm以下とすることができる。表面保護層のグロスマット効果が構成する絵柄模様は、絵柄模様層が構成する絵柄模様の全部または一部と同調していても同調していなくてもよい。フィッシュアイにより絵柄模様層が構成する絵柄模様に色抜けが生じた場合であっても目立たなくすることができるので、非同調(同調していない)絵柄模様であることが好ましい。
グロスマット効果とは、艶のある部分を浮き出させ、艶のない部分を凹んで見えるようにする意匠効果を意味する。
グロスマット効果を付与する方法としては特に限定されず、艶調整剤を表面保護層に含有させてもよいし、凹凸形状により実現してもよい。凹凸形状は、例えば、最大高さRzが10μm以上60μm以下とすることができる。表面保護層のグロスマット効果が構成する絵柄模様は、絵柄模様層が構成する絵柄模様の全部または一部と同調していても同調していなくてもよい。フィッシュアイにより絵柄模様層が構成する絵柄模様に色抜けが生じた場合であっても目立たなくすることができるので、非同調(同調していない)絵柄模様であることが好ましい。
表面保護層の厚みは、特に限定されないが、例えば、1μm以上50μm以下である。表面保護層の厚みが1μm未満であると、十分に耐久性(耐傷性、耐汚染性、耐候性等)を付与することができないことがあり、50μmを超えると、透過率が低下し絵柄模様層の絵柄の視認性が低下してしまうことがある。表面保護層の厚みは、3μm以上40μm以下であってもよく、5μm以上35μm以下であってもよい。
(接着剤層)
化粧シートは、絵柄模様層と透明性樹脂層との間に接着剤層を有してもよい。接着剤層は、透明性であることが好ましい。接着剤層の接着剤として、例えば、エステル系ウレタンやアクリル系ウレタンなどのウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤を用いることができる。接着剤層の厚みは、例えば、0.1μm以上30μm以下である。
化粧シートは、絵柄模様層と透明性樹脂層との間に接着剤層を有してもよい。接着剤層は、透明性であることが好ましい。接着剤層の接着剤として、例えば、エステル系ウレタンやアクリル系ウレタンなどのウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤を用いることができる。接着剤層の厚みは、例えば、0.1μm以上30μm以下である。
(表面接着補助層)
化粧シートは、透明性樹脂層と表面保護層との間に表面接着補助層を有してもよい。表面接着補助層は、表面保護層に対するプライマー層や易接着層として機能する。表面接着補助層は、透明性であることが好ましい。表面接着補助層の接着剤として、例えば、エステル系ウレタンやアクリル系ウレタンなどのウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤を用いることができる。表面接着補助層は、紫外線吸収剤及び光安定剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤や光安定剤は透明性樹脂層と同様のものを用いることができる。表面接着補助層の厚みは、例えば、0.1μm以上30μm以下である。
化粧シートは、透明性樹脂層と表面保護層との間に表面接着補助層を有してもよい。表面接着補助層は、表面保護層に対するプライマー層や易接着層として機能する。表面接着補助層は、透明性であることが好ましい。表面接着補助層の接着剤として、例えば、エステル系ウレタンやアクリル系ウレタンなどのウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤を用いることができる。表面接着補助層は、紫外線吸収剤及び光安定剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤や光安定剤は透明性樹脂層と同様のものを用いることができる。表面接着補助層の厚みは、例えば、0.1μm以上30μm以下である。
(化粧シートの製造方法)
本開示の化粧シートの製造方法においては、各工程の進行順は特に問わない。例えば、絵柄補助層、裏面接着補助層、絵柄模様層の順番、絵柄補助層、絵柄模様層、裏面接着層の順番、または、裏面接着補助層、絵柄補助層、絵柄模様層の順番で進行できる。また、各工程は連続して進行する必要はなく、これらの工程どうしの間に、他の工程や処理を行ってもよい。
本開示の化粧シートの製造方法においては、各工程の進行順は特に問わない。例えば、絵柄補助層、裏面接着補助層、絵柄模様層の順番、絵柄補助層、絵柄模様層、裏面接着層の順番、または、裏面接着補助層、絵柄補助層、絵柄模様層の順番で進行できる。また、各工程は連続して進行する必要はなく、これらの工程どうしの間に、他の工程や処理を行ってもよい。
<化粧板>
本開示の化粧板は、バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートの基材シートの第2面側に被着材が積層されている。
被着材として、例えば、木質板、石膏系板、セメント板、セラミックス板、金属板、樹脂板、繊維強化プラスチック板が挙げられる。被着材の積層方法としては例えば、基材シートの第2面側に、接着剤を使用して被着材を積層すればよい。
本開示の化粧板は、バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートの基材シートの第2面側に被着材が積層されている。
被着材として、例えば、木質板、石膏系板、セメント板、セラミックス板、金属板、樹脂板、繊維強化プラスチック板が挙げられる。被着材の積層方法としては例えば、基材シートの第2面側に、接着剤を使用して被着材を積層すればよい。
本明細書では以下の事項が開示されている。
本開示(1)は、バイオマス由来のポリエチレンを含み、第1面及び第2面を有する、基材シートと、前記基材シートの第1面側に積層された、絵柄模様を構成する絵柄模様層と、前記絵柄模様層の前記基材シートとは反対の面側に積層された、透明性樹脂層と、を有し、前記基材シートは、バイオマス度が15%以上40%以下であり、厚みが65μm以上90μm以下であり、前記透明性樹脂層は、オレフィン樹脂からなる、バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートである。
本開示(2)は、前記基材シートは、酸化防止剤を含有する、本開示(1)に記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートである。
本開示(3)は、前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤である、本開示(2)に記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートである。
本開示(4)は、前記基材シートと、前記絵柄模様層との間に、前記基材シートの第1面全体を被覆している、絵柄補助層を有する、本開示(1)~(3)の何れかに記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートである。
本開示(5)は、前記絵柄補助層は、厚みが1μm以上5μm以下である、本開示(4)に記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートである。
本開示(6)は、前記絵柄補助層は、スムージング処理が施されている、本開示(4)又は(5)に記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートである。
本開示(7)は、前記透明性樹脂層は、厚みが40μm以上100μm以下である、本開示(1)~(6)の何れかに記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートである。
本開示(8)は、本開示(1)~(7)の何れかに記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートの前記基材シートの第2面側に被着材が積層された化粧板である。
本開示(1)は、バイオマス由来のポリエチレンを含み、第1面及び第2面を有する、基材シートと、前記基材シートの第1面側に積層された、絵柄模様を構成する絵柄模様層と、前記絵柄模様層の前記基材シートとは反対の面側に積層された、透明性樹脂層と、を有し、前記基材シートは、バイオマス度が15%以上40%以下であり、厚みが65μm以上90μm以下であり、前記透明性樹脂層は、オレフィン樹脂からなる、バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートである。
本開示(2)は、前記基材シートは、酸化防止剤を含有する、本開示(1)に記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートである。
本開示(3)は、前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤である、本開示(2)に記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートである。
本開示(4)は、前記基材シートと、前記絵柄模様層との間に、前記基材シートの第1面全体を被覆している、絵柄補助層を有する、本開示(1)~(3)の何れかに記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートである。
本開示(5)は、前記絵柄補助層は、厚みが1μm以上5μm以下である、本開示(4)に記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートである。
本開示(6)は、前記絵柄補助層は、スムージング処理が施されている、本開示(4)又は(5)に記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートである。
本開示(7)は、前記透明性樹脂層は、厚みが40μm以上100μm以下である、本開示(1)~(6)の何れかに記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートである。
本開示(8)は、本開示(1)~(7)の何れかに記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートの前記基材シートの第2面側に被着材が積層された化粧板である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本開示は、この例によって限定されるものではない。
(実施例1)
バイオマス度が15%のバイオマス由来のポリエチレン[厚み65μmの着色ポリエチレンフィルム、フェノール系酸化防止剤(Irganox 1010、BASFジャパン株式会社製)を0.05質量%含み、リン系酸化防止剤(Irgafos 168、BASFジャパン株式会社製)を0.05質量%含む]を準備し、これを基材シートとした。
基材シートの一方の面側に、全体を被覆するように裏面接着補助層(エステル系ポリウレタン樹脂を53質量%含み、硝化綿を3質量%含む)を、凹版ロールを用いたグラビア印刷方式で有機溶剤を含むインキをベタ印刷することによって形成した。
基材シートのもう一方の面側に、全体を被覆するように、アクリル-ウレタン系樹脂を主成分とする厚さ2μmの絵柄補助層を、凹版ロールを用いたグラビア印刷方式で有機溶剤を含むインキをベタ印刷することによって形成した後、アクリル-ウレタン系樹脂を主成分とする厚さ2μmの絵柄模様層(木目模様)を、凹版ロールを用いたグラビア印刷方式で着色剤及び有機溶剤を含むインキを部分印刷することによって形成した。
絵柄模様層の絵柄補助層と反対の面側に、エステル系ポリウレタンを塗布して厚み10μmの接着剤層を形成し、接着剤層上に、厚み60μmの透明性オレフィンシートをドライラミネートして透明性樹脂層を形成した。
更に、透明性樹脂層の接着剤層と反対の面側に、厚み2μmのアクリル-ウレタン共重合体樹脂からなる表面接着補助層を形成し、表面接着補助層上にグラビアコートにて、コート剤(ウレタンアクリレート系電離放射線硬化性樹脂組成物)を塗工した後、電離放射線を照射してコート剤を硬化して、厚み5μmの表面保護層を形成した。
最後に、表面保護層を有する面側から熱圧によるエンボス加工を施して凹凸形状を形成し、化粧シートを製造した。
バイオマス度が15%のバイオマス由来のポリエチレン[厚み65μmの着色ポリエチレンフィルム、フェノール系酸化防止剤(Irganox 1010、BASFジャパン株式会社製)を0.05質量%含み、リン系酸化防止剤(Irgafos 168、BASFジャパン株式会社製)を0.05質量%含む]を準備し、これを基材シートとした。
基材シートの一方の面側に、全体を被覆するように裏面接着補助層(エステル系ポリウレタン樹脂を53質量%含み、硝化綿を3質量%含む)を、凹版ロールを用いたグラビア印刷方式で有機溶剤を含むインキをベタ印刷することによって形成した。
基材シートのもう一方の面側に、全体を被覆するように、アクリル-ウレタン系樹脂を主成分とする厚さ2μmの絵柄補助層を、凹版ロールを用いたグラビア印刷方式で有機溶剤を含むインキをベタ印刷することによって形成した後、アクリル-ウレタン系樹脂を主成分とする厚さ2μmの絵柄模様層(木目模様)を、凹版ロールを用いたグラビア印刷方式で着色剤及び有機溶剤を含むインキを部分印刷することによって形成した。
絵柄模様層の絵柄補助層と反対の面側に、エステル系ポリウレタンを塗布して厚み10μmの接着剤層を形成し、接着剤層上に、厚み60μmの透明性オレフィンシートをドライラミネートして透明性樹脂層を形成した。
更に、透明性樹脂層の接着剤層と反対の面側に、厚み2μmのアクリル-ウレタン共重合体樹脂からなる表面接着補助層を形成し、表面接着補助層上にグラビアコートにて、コート剤(ウレタンアクリレート系電離放射線硬化性樹脂組成物)を塗工した後、電離放射線を照射してコート剤を硬化して、厚み5μmの表面保護層を形成した。
最後に、表面保護層を有する面側から熱圧によるエンボス加工を施して凹凸形状を形成し、化粧シートを製造した。
(実施例2~3、比較例1)
基材シートのバイオマス度、及び、厚みを表1に記載のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして化粧シートを製造した。
基材シートのバイオマス度、及び、厚みを表1に記載のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして化粧シートを製造した。
(実施例4)
バイオマス度が15%のバイオマス由来のポリエチレン[厚み65μmの着色ポリエチレンフィルム、フェノール系酸化防止剤(Irganox 1010、BASFジャパン株式会社製)を0.05質量%含み、リン系酸化防止剤(Irgafos 168、BASFジャパン株式会社製)を0.05質量%含む]を準備し、これを基材シートとした。
基材シートの一方の面側に、全体を被覆するように裏面接着補助層(エステル系ポリウレタン樹脂を53質量%含み、硝化綿を3質量%含む)を、凹版ロールを用いたグラビア印刷方式で有機溶剤を含むインキをベタ印刷することによって形成した。
基材シートのもう一方の面側に、アクリル-ウレタン系樹脂を主成分とする厚さ2μmの絵柄模様層(木目模様)を、凹版ロールを用いたグラビア印刷方式で着色剤及び有機溶剤を含むインキを部分印刷することによって形成した。
絵柄模様層の絵柄補助層と反対の面側に、エステル系ポリウレタンを塗布して厚み10μmの接着剤層を形成し、接着剤層上に、厚み60μmの透明性オレフィンシートをドライラミネートして透明性樹脂層を形成した。
更に、透明性樹脂層の接着剤層と反対の面側に、厚み2μmのアクリル-ウレタン共重合体樹脂からなる表面接着補助層を形成し、表面接着補助層上にグラビアコートにて、コート剤(ウレタンアクリレート系電離放射線硬化性樹脂組成物)を塗工した後、電離放射線を照射してコート剤を硬化して、厚み5μmの表面保護層を形成した。
最後に、表面保護層を有する面側から熱圧によるエンボス加工を施して凹凸形状を形成し、化粧シートを製造した。
バイオマス度が15%のバイオマス由来のポリエチレン[厚み65μmの着色ポリエチレンフィルム、フェノール系酸化防止剤(Irganox 1010、BASFジャパン株式会社製)を0.05質量%含み、リン系酸化防止剤(Irgafos 168、BASFジャパン株式会社製)を0.05質量%含む]を準備し、これを基材シートとした。
基材シートの一方の面側に、全体を被覆するように裏面接着補助層(エステル系ポリウレタン樹脂を53質量%含み、硝化綿を3質量%含む)を、凹版ロールを用いたグラビア印刷方式で有機溶剤を含むインキをベタ印刷することによって形成した。
基材シートのもう一方の面側に、アクリル-ウレタン系樹脂を主成分とする厚さ2μmの絵柄模様層(木目模様)を、凹版ロールを用いたグラビア印刷方式で着色剤及び有機溶剤を含むインキを部分印刷することによって形成した。
絵柄模様層の絵柄補助層と反対の面側に、エステル系ポリウレタンを塗布して厚み10μmの接着剤層を形成し、接着剤層上に、厚み60μmの透明性オレフィンシートをドライラミネートして透明性樹脂層を形成した。
更に、透明性樹脂層の接着剤層と反対の面側に、厚み2μmのアクリル-ウレタン共重合体樹脂からなる表面接着補助層を形成し、表面接着補助層上にグラビアコートにて、コート剤(ウレタンアクリレート系電離放射線硬化性樹脂組成物)を塗工した後、電離放射線を照射してコート剤を硬化して、厚み5μmの表面保護層を形成した。
最後に、表面保護層を有する面側から熱圧によるエンボス加工を施して凹凸形状を形成し、化粧シートを製造した。
<評価方法>
(絵柄模様の色抜け)
実施例及び比較例で製造したバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートについて、500ルクス以上の光源下で、化粧シートから50cm離れた位置から絵柄模様層の絵柄が抜けているか(絵柄模様の色抜けがあるか)を目視で確認し、以下の基準で評価した。その結果を表1に示した。
下記の評価で「+」及び「+/-」のものを合格と判断した。
+:絵柄模様の色抜けが確認されなかった。
+/-:絵柄模様の色抜けが僅かに確認されたが、実用上問題がない程度であった。
-:絵柄模様の色抜けが確認された。
(絵柄模様の色抜け)
実施例及び比較例で製造したバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートについて、500ルクス以上の光源下で、化粧シートから50cm離れた位置から絵柄模様層の絵柄が抜けているか(絵柄模様の色抜けがあるか)を目視で確認し、以下の基準で評価した。その結果を表1に示した。
下記の評価で「+」及び「+/-」のものを合格と判断した。
+:絵柄模様の色抜けが確認されなかった。
+/-:絵柄模様の色抜けが僅かに確認されたが、実用上問題がない程度であった。
-:絵柄模様の色抜けが確認された。
実施例より、バイオマス由来のポリエチレンを含む基材シートの一方の面側に、絵柄模様層を有し、かつ、基材シートのバイオマス度と厚みとを所定の範囲とすることにより、フィッシュアイによる欠陥の悪影響を緩和できるので、絵柄模様の色抜けを抑制できることが確認された。
また、実施例1と実施例4との比較から、基材シートと、絵柄模様層との間に基材シートの第1面全体を被覆している絵柄補助層を有することにより、基材シートのフィッシュアイによる欠陥によって生じる絵柄模様の色抜けを好適に抑制できることが確認された。
一方で、比較例1では、基材シートのバイオマス度が高すぎたので、フィッシュアイによる欠陥の悪影響を十分に緩和できず、絵柄模様の色抜けを十分に抑制することができなかった。
また、実施例1と実施例4との比較から、基材シートと、絵柄模様層との間に基材シートの第1面全体を被覆している絵柄補助層を有することにより、基材シートのフィッシュアイによる欠陥によって生じる絵柄模様の色抜けを好適に抑制できることが確認された。
一方で、比較例1では、基材シートのバイオマス度が高すぎたので、フィッシュアイによる欠陥の悪影響を十分に緩和できず、絵柄模様の色抜けを十分に抑制することができなかった。
1 基材シート
2 絵柄補助層
3 絵柄模様層
4 裏面接着補助層
5 接着剤層
6 透明性樹脂層
7 表面接着補助層
8 表面保護層
10 バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート
2 絵柄補助層
3 絵柄模様層
4 裏面接着補助層
5 接着剤層
6 透明性樹脂層
7 表面接着補助層
8 表面保護層
10 バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート
Claims (8)
- バイオマス由来のポリエチレンを含み、第1面及び第2面を有する、基材シートと、
前記基材シートの第1面側に積層された、絵柄模様を構成する絵柄模様層と、
前記絵柄模様層の前記基材シートとは反対の面側に積層された、透明性樹脂層と、
を有し、
前記基材シートは、バイオマス度が15%以上40%以下であり、厚みが65μm以上90μm以下であり、
前記透明性樹脂層は、オレフィン樹脂からなる、
バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート。 - 前記基材シートは、酸化防止剤を含有する、請求項1に記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート。
- 前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤である、請求項2に記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート。
- 前記基材シートと、前記絵柄模様層との間に、前記基材シートの第1面全体を被覆している、絵柄補助層を有する、請求項1又は2に記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート。
- 前記絵柄補助層は、厚みが1μm以上5μm以下である、請求項4に記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート。
- 前記絵柄補助層は、スムージング処理が施されている、請求項4又は5に記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート。
- 前記透明性樹脂層は、厚みが40μm以上100μm以下である、請求項1又は2に記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート。
- 請求項1又は2に記載のバイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シートの前記基材シートの第2面側に被着材が積層された化粧板。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021195545 | 2021-12-01 | ||
JP2021195545 | 2021-12-01 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023081873A true JP2023081873A (ja) | 2023-06-13 |
Family
ID=86728065
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022192709A Pending JP2023081873A (ja) | 2021-12-01 | 2022-12-01 | バイオマス由来のポリエチレンが使用された化粧シート及び化粧板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023081873A (ja) |
-
2022
- 2022-12-01 JP JP2022192709A patent/JP2023081873A/ja active Pending
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