JP2023081636A - インクジェット印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク循環流路におけるインクの循環動作を停止させた際に、インクジェットヘッドのノズルに形成されたインクのメニスカスが破壊されることを抑制可能なインクジェット印刷装置を提供すること。【解決手段】インクの循環流路110のインクタンク111からインクジェットヘッド240にインクを供給する経路中に配設された第1開閉弁114と、循環流路110のインクジェットヘッド240からインクタンク111にインクを戻す経路中に配設された第2開閉弁115と、を備え、制御手段40は、循環流路110中におけるインクの循環動作を停止させる場合、最初に、第1開閉弁114を閉塞し、第1開閉弁114を閉塞してから第1待機時間経過後に第2開閉弁115を閉塞し、第2開閉弁115を閉塞してから第2待機時間経過後に循環流発生手段112、117、118の動作を停止する、インクジェット印刷装置。【選択図】図4

Description

本開示は、インクジェット印刷装置に関する。
インクジェットヘッドのノズルからインク滴を吐出させることによって記録媒体上に画像を形成するインクジェット印刷装置が知られている。
インクジェットヘッドのノズルは大気開放されており、ノズルの先端には、インクのメニスカスが形成されている。一般に、メニスカス表面のインクは、空気に触れているため、その状態が長時間続くとノズル内のインクの粘度が上昇し、いずれ射出できなくなる。特に、ノズルが記録媒体と接触する等によりメニスカスが破壊されると、大気中の空気がノズル内に侵入し、更に事態が悪化する。他方、顔料インクや分散性のインクを用いた場合、流路内にインクを放置していると、インク内の色粒子が沈降し、流路内に色粒子が詰まったり、インク内の濃度の不均一を生じさせる。
近年のインクジェット印刷装置では、このような状況が発生することを防止するため、インクジェットヘッドとインクタンクとの間には、インクの循環流路が組まれており、インクジェットヘッドには、ノズルの背圧が所定の負圧となるように、当該循環流路からインクが供給される構成となっている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2016-030425号公報
ところで、一般に、この種のインクジェット印刷装置においては、インクの循環流路内におけるインクの循環動作は、印刷の不実施時にも常時継続される構成となっている。しかしながら、近年、この種のインクジェット印刷装置においては、省エネ化や、オペレータが存在しない場合の安全対策の観点から、かかるインクの循環動作を、状況に応じて停止させる処置を可能とする要請が生じている。
但し、インクの循環流路内におけるインクの循環動作を停止させる場合、インクジェットヘッド内のノズル背圧の低下等に起因して、ノズルに形成されたインクのメニスカスが破壊されるおそれがある(図8を参照して後述)。一旦、ノズルに形成されたインクのメニスカスが破壊されると、ノズルからのインク漏れが生じる。加えて、これに起因して、インクジェットヘッド内のインクの増粘やインクジェットヘッド内への空気混入も進行し、インクの循環流路内におけるインクの循環動作を再開する際に、インクの循環流路内のインクの総入れ替えが必要となる等、非常に煩雑な処置を実施する必要も生じてしまう。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたもので、インク循環流路におけるインクの循環動作を停止させた際に、インクジェットヘッドのノズルに形成されたインクのメニスカスが破壊されることを抑制可能なインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本開示は、
ノズルからインク滴を吐出するインクジェットヘッドと、
インクを貯留するインクタンクと、
前記インクタンクと前記インクジェットヘッドとを連通して前記インクが循環する流路を構成する循環流路と、
前記循環流路中において前記インクの循環流を発生させる循環流発生手段と、
前記循環流路の前記インクタンクから前記インクジェットヘッドに前記インクを供給する経路中に配設された第1開閉弁と、
前記循環流路の前記インクジェットヘッドから前記インクタンクに前記インクを戻す経路中に配設された第2開閉弁と、
前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、及び前記循環流発生手段それぞれの動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記循環流路中における前記インクの循環動作を停止させる場合、最初に、前記第1開閉弁を閉塞し、前記第1開閉弁を閉塞してから第1待機時間経過後に前記第2開閉弁を閉塞し、前記第2開閉弁を閉塞してから第2待機時間経過後に前記循環流発生手段の動作を停止する、
インクジェット印刷装置である。
本開示に係るインクジェット印刷装置によれば、インク循環流路におけるインクの循環動作を停止させた際に、インクジェットヘッドのノズルに形成されたインクのメニスカスが破壊されることを抑制することが可能である。
本発明の一実施形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成を示す図 本発明の一実施形態に係るヘッドユニットの構成を示す模式図 本発明の一実施形態に係るインクジェット印刷装置の主要な機能構成を示すブロック図 本発明の一実施形態に係るインク循環システムの構成を示す図 本発明の一実施形態に係るインク循環システムにおいて、インクの循環動作を停止させる際の動作フローの一例を示す図 本発明の一実施形態に係るインク循環システムにおいて、インクの循環動作を停止させた際のノズル背圧の挙動を示す図 比較例に係るインク循環システムの構成を示す図 比較例に係るインク循環システムにおいて、インクの循環動作を停止したときのノズル背圧の挙動を示す図 本発明の一実施形態に係るインク循環システムにおいて、インクの循環動作を再開させる際の動作フローの一例を示す図 本発明の一実施形態に係るインク循環システムにおいて、インクの循環動作を再開させた際のノズル背圧の挙動を示す図 変形例に係るインク循環システムの構成を示す図 変形例に係るインク循環システムにおいて、インクの循環動作を停止させた際のノズル背圧の挙動を示す図 変形例に係るインク循環システムにおいて、インクの循環動作を再開させた際のノズル背圧の挙動を示す図
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[インクジェット印刷装置の全体構成]
以下、図1~図3を参照して、本発明の一実施形態に係るインクジェット印刷装置1の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るインクジェット印刷装置1の概略構成を示す図である。
インクジェット印刷装置1は、給紙部10と、画像形成部20と、排紙部30と、制御部40とを備える。
インクジェット印刷装置1は、制御部40による制御下で、給紙部10に格納された記録媒体Pを画像形成部20に搬送し、画像形成部20で記録媒体P上にインクを吐出して画像を記録し、画像が記録された記録媒体Pを排紙部30に搬送する。詳しくは、インクジェット印刷装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色についてそれぞれ所定の記録階調数で記録媒体P上に色を重ねて出力することで当該記録媒体P上にカラー画像を記録する。
尚、記録媒体Pとしては、普通紙や塗工紙といった紙のほか、布帛又はシート状の樹脂等、表面に着弾したインクを定着させることが可能な種々の媒体を用いることができる。
給紙部10は、記録媒体Pを格納する給紙トレー11と、給紙トレー11から画像形成部20に記録媒体Pを搬送して供給する媒体供給部12とを有する。媒体供給部12は、内側が2本のローラーにより支持された輪状のベルトを備え、このベルト上に記録媒体Pを載置した状態でローラーを回転させることで記録媒体Pを給紙トレー11から画像形成部20へ搬送する。
画像形成部20は、搬送部21と、受け渡しユニット22と、加熱部23と、ヘッドユニット24と、照射部25と、デリバリー部26とを有する。
搬送部21は、円筒状の搬送ドラム211の搬送面上に載置された記録媒体Pを保持し、搬送ドラム211が、記録媒体Pの幅方向に延びた回転軸(円筒軸)を中心に回転して周回移動することで搬送ドラム211上の記録媒体Pを搬送面に沿った搬送方向に搬送する。
搬送ドラム211は、その搬送面上で記録媒体Pを保持するための図示しない爪部及び吸気部を備える。記録媒体Pは、爪部により端部が押さえられ、かつ吸気部により搬送面に吸い寄せられることで搬送面に保持される。
受け渡しユニット22は、給紙部10の媒体供給部12と搬送部21との間の位置に設けられ、媒体供給部12から搬送された記録媒体Pの一端をスイングアーム部221で保持して取り上げ、受け渡しドラム222を介して搬送部21に引き渡す。
加熱部23は、受け渡しドラム222の配置位置とヘッドユニット24の配置位置との間に設けられ、搬送部21により搬送される記録媒体Pが所定の範囲内の温度となるように当該記録媒体Pを加熱する。加熱部23は、例えば、赤外線ヒーター等を有し、制御部40から供給される制御信号に基づいて赤外線ヒーターに通電して当該赤外線ヒーターを発熱させる。
ヘッドユニット24は、記録媒体Pが保持された搬送ドラム211の回転に応じた適切なタイミングで、搬送ドラム211の搬送面に対向するインク吐出面に設けられたノズル開口部から記録媒体Pに対してインクを吐出することにより画像を記録する。
ヘッドユニット24は、複数のインクジェットヘッド240を有しており、インクジェットヘッド240におけるインク(液滴)の吐出面と搬送面とが所定の距離だけ離隔されるように配置される。
本実施の形態のインクジェット印刷装置1では、Y,M,C,Kの4色のインクにそれぞれ対応する4つのヘッドユニット24が記録媒体Pの搬送方向上流側からY,M,C,Kの色の順に所定の間隔で並ぶように配列されている。つまり、各ヘッドユニット24は、それぞれが異なる複数種類のインクを吐出可能に構成されている。
本実施の形態のインクジェット印刷装置1では、ヘッドユニット24は、画像の記録時には位置が固定されて用いられ、記録媒体Pの搬送に応じて搬送方向の異なる位置に所定の間隔(搬送方向間隔)で順次インクを吐出していくことで、シングルパス方式で画像を記録する。
図2は、本実施形態に係るヘッドユニット24の構成を示す模式図である。図2には、ヘッドユニット24のうち搬送ドラム211の外周面と対向する面を示している。
ここでは、ヘッドユニット24は、取り付け部材244に取り付けられた4つのインクジェットヘッド240を備える。インクジェットヘッド240の各々には、インクを貯留する圧力室(図示せず)と、圧力室の壁面に設けられた圧電素子(図示せず)と、ノズル243とを各々有する複数の画像形成素子が設けられている。この画像形成素子は、圧電素子を変形動作させる駆動信号が入力されると、圧電素子の変形により圧力室が変形して圧力室内の圧力が変化し、圧力室に連通するノズル243からインクを吐出する。
4つのインクジェットヘッド240は、ノズル列のX方向(搬送方向に直交する方向を表す。以下同じ)についての配置範囲が切れ目なく繋がるように千鳥格子状に配置されている。ヘッドユニット24に含まれるノズル243のX方向についての配置範囲は、搬送ドラム211により搬送される記録媒体Pのうち画像が形成される領域のX方向の幅をカバーしており、ヘッドユニット24は、画像の形成時には搬送ドラム211の回転軸に対して固定されて用いられる。すなわち、ヘッドユニット24は、記録媒体Pに対するX方向についての画像形成可能幅に亘ってインクを吐出可能なラインヘッドを構成する。
インクジェットヘッド240は、インクジェットヘッド240内に貯留されるインクを加熱するインク加熱部(図示せず)を備え、加熱されてゾル状となったインクを吐出する。このゾル状のインクが記録媒体Pに吐出されると、インク滴が記録媒体Pに着弾した後、自然冷却されることで速やかにインクがゲル状となって記録媒体P上で凝固する。
照射部25は、搬送部21の幅に亘って配置され、搬送部21に載置された記録媒体Pに対して電磁波(例えば、波長395nmの紫外線)を照射して記録媒体P上に吐出されたインクを硬化させて定着させる。照射部25は、搬送方向についてヘッドユニット24の配置位置からデリバリー部26の受け渡しドラム261の配置位置までの間において搬送面と対向して配置される。
デリバリー部26は、内側が2本のローラーにより支持された輪状のベルトを有するベルトループ262と、記録媒体Pを搬送部21からベルトループ262に受け渡す円筒状の受け渡しドラム261とを有し、受け渡しドラム261により搬送部21からベルトループ262上に受け渡された記録媒体Pをベルトループ262により搬送して排紙部30に送出する。
排紙部30は、デリバリー部26により画像形成部20から送り出された記録媒体Pが載置される板状の排紙トレー31を有する。
図3は、本実施形態に係るインクジェット印刷装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。本実施形態に係るインクジェット印刷装置1は、制御部40と、ヘッドユニット駆動部50と、搬送駆動部60と、画像処理部70と、入出力インターフェース80と、インク供給部90とを備える。
制御部40は、CPU41(Central Processing Unit)、RAM42(Random Access Memory)、ROM43(Read Only Memory)及び記憶部44を有し、印刷装置1の全体動作を統括制御する。
ヘッドユニット駆動部50は、制御部40の制御に基づいてヘッドユニット24の記録素子に対して適切なタイミングで画像データに応じた駆動信号を供給することにより、ヘッドユニット24のノズルから画像データの画素値に応じた量のインクを吐出させる。
搬送駆動部60は、制御部40から供給される制御信号に基づいて、搬送ドラム211に設けられた搬送ドラムモーターに駆動信号を供給して搬送ドラム211を所定の速度及びタイミングで回転させる。また、搬送駆動部60は、制御部40から供給される制御信号に基づいて媒体供給部12、受け渡しユニット22、及びデリバリー部26を動作させるためのモーターに駆動信号を供給して、記録媒体Pの搬送部21への供給及び搬送部21からの排出を行わせる。
画像処理部70は、入出力インターフェース80から入力された画像データに対して所定の画像処理を行って、得られた画像データを記憶部44に記憶させる。この画像処理には、画像データを補正する補正処理の他、色変換処理、階調補正処理、擬似中間調処理などが含まれる。
入出力インターフェース80は、外部装置(例えば、パーソナルコンピューター)の入出力インターフェースと接続され、制御部40と外部装置との間のデータの送受信を媒介する。入出力インターフェース80は、例えば各種シリアルインターフェース、各種パラレルインターフェースのいずれか、または、これらの組み合わせで構成される。
インク供給部90は、インクタンク111(図4を参照)に貯留されたインクを、ヘッドユニット24に設けられた複数のインクジェットヘッド240それぞれに対して供給する。インク供給部90は、制御部40からの制御信号に従って、複数のインクジェットヘッド240それぞれに対するインクの供給量を調整する。
[インク供給部90の構成]
以下、本実施形態に係るインク供給部90の構成について説明する。本実施形態に係るインク供給部90は、インクタンク111とインクジェットヘッド240との間でインクを循環させる循環流路110によって構成されたインク循環システム100を備える。
図4は、本実施形態に係るインク循環システム100の構成を示す図である。尚、図4に示すインク循環システム100は、4つのヘッドユニット24それぞれに設けられている。
インク循環システム100は、循環流路110と、インクタンク111と、送液ポンプ112と、ダンパ113と、第1開閉弁114と、第2開閉弁115と、空気導管116と、圧力調整弁117と、エアポンプ118と、液面センサ119と、を備えている。
循環流路110は、インクタンク111とインクジェットヘッド240とを連通してインクが循環する流路であって、インクタンク111からインクジェットヘッド240へインクを供給するインク供給流路110aと、インクジェットヘッド240からインクを回収して、インクをインクタンク111へ戻すインク回収流路110bと、を有する。尚、循環流路110は、例えば、ホースやパイプで形成された配管によって構成されている。
循環流路110においては、インク供給流路110aにて、インクジェットヘッド240内の各画像形成素子の圧力室に対してインクを供給する。そして、インクジェットヘッド240内の各画像形成素子の圧力室に供給されたインクのうち、インクジェットヘッド240のノズル243から吐出されないインクは、インク回収流路110bを介して、インクタンク111に回収される。
尚、インク供給流路110aは、一端がインクジェットヘッド240のインク流入口に接続され、他端がインクタンク111のインク貯留領域(即ち、インクタンク111の下部)に接続されている。又、インク回収流路110bは、一端がインクジェットヘッド240のインク流出口に接続され、他端がインクタンク111のエアバッファ領域111a(即ち、インクタンク111のインクの液面上の空気層)に接続されている。
尚、図4では、説明の便宜として、1つのインクジェットヘッド240のみを示しているが、上記したように、1つのヘッドユニット24には、複数(ここでは、4つ)のインクジェットヘッド240が設けられている。
インクタンク111は、インクを貯留しておくための容器である。インクタンク111に貯留されているインクは、インク供給流路110aを介してインクジェットヘッド240に供給される。この際、インクタンク111に貯留されているインクは、送液ポンプ112及びダンパ113を順に経由して、インクジェットヘッド240に供給される。一方、インクジェットヘッド240に供給されたインクのうち、インクジェットヘッド240から吐出されないインクは、インク回収流路110bを介して、インクタンク111に回収される。
インクタンク111は、密閉状態で配設されており、自身の内部に所定量のエアバッファ領域111aを残した状態でインクを貯留している。エアバッファ領域111aは、インクジェットヘッド240のノズル背圧の負圧よりも、高い負圧状態が維持されるように、エアポンプ118によって吸引された状態で配されている。より詳細には、インクタンク111のエアバッファ領域111aには、空気導管116が接続されており、このエアバッファ領域111aの圧力は、当該空気導管116中に配設された圧力調整弁117とエアポンプ118とによって調整されている。
送液ポンプ112は、インク供給流路110aを介して、インクタンク111の内部のインクを、インクジェットヘッド240の側へ送出する。送液ポンプ112から送出されたインクは、ダンパ113を介して、インクジェットヘッド240へ供給される。尚、送液ポンプ112は、制御部40からの制御信号によって制御される。
ダンパ113は、インクジェットヘッド240の圧力室(即ち、ノズル243の背圧)内を適正な圧力範囲に保つべく配設されたダンパ機構である。ダンパ113は、インク供給流路110a中における送液ポンプ112とインクジェットヘッド240との間に配置され、送液ポンプ112からインクジェットヘッド240に供給するインクの供給圧力の圧力変動を吸収する。
エアポンプ118は、空気導管116を介して空気をインクタンク111のエアバッファ領域111aから吸引することで、インクタンク111のエアバッファ領域111aに負圧を付与する。圧力調整弁117は、空気導管116中のエアポンプ118とインクタンク111との間に配設され、エアポンプ118がインクタンク111に作用させる吸引力を自身の開度に応じた吸引力に調整し、エアバッファ領域111a内の圧力(負圧)を調整する。即ち、インク循環システム100においては、エアポンプ118と圧力調整弁117とが、インクタンク111中のエアバッファ領域111aの圧力を制御する空圧制御部として機能する。
本実施形態に係る循環流路110においては、制御部40の制御のもと、送液ポンプ112、エアポンプ118及び圧力調整弁117が動作することで、インクが、インクタンク111の供給口から送り出され、ダンパ113、インクジェットヘッド240を経由してインクタンク111の回収口に戻る循環流が生じる。尚、インクジェットヘッド240のノズル243の背圧は、制御部40の制御のもと、送液ポンプ112が吐出するインクの圧力(正圧)と、エアポンプ118及び圧力調整弁117のエアの吸引によるエアバッファ領域111a内の圧力(負圧)との差圧によって調整される。
尚、送液ポンプ112、エアポンプ118及び圧力調整弁117が、本発明の「循環流発生手段」に相当する。
第1開閉弁114は、循環流路110のインク供給流路110a中に配設され、インク供給流路110aの開閉状態を切り替える。第1開閉弁114は、例えば、ソレノイド開閉弁によって構成され、制御部40の制御のもと、開閉動作する。尚、第1開閉弁114は、典型的には、循環流路110中にインクを循環させている間には(即ち、通常状態)、開放状態とされ、循環流路110中におけるインクの循環動作を停止させる際に、閉塞状態に切り替えられる。
第2開閉弁115は、循環流路110のインク回収流路110b中に配設され、インク回収流路110bの開閉状態を切り替える。第2開閉弁115は、例えば、ソレノイド開閉弁によって構成され、制御部40の制御のもと、開閉動作する。尚、第2開閉弁115は、典型的には、循環流路110中にインクを循環させている間には(即ち、通常状態)、開放状態とされ、循環流路110中におけるインクの循環動作を停止させる際に、閉塞状態に切り替えられる。
液面センサ119は、インクタンク111内のインクの残量を検出するためのセンサである。液面センサ119は、例えば、LED及びフォトセンサ等で構成され、フォトセンサで受光するLEDから発せされた光の量に基づいて、インクタンク111内のインクの液面高さが基準高さ以上であるか否かを検出する。液面センサ119は、インクタンク111内のインクの液面高さに係る検出信号を、制御部40に送出する。
尚、インクタンク111には、着脱式のインクパック120が取り付けられており、インクタンク111には、適宜なタイミングでインクパック120からの新たなインクが供給される。具体的には、インクタンク111とインクパック120とは、インク導入流路125(例えば、連結管)を介して接続されている。インク導入流路125中には、インク導入流路125の開閉状態を切り替えるインク導入用開閉弁124と、インク中に含まれる空気(気体)を取り除く脱気モジュール123と、インク中に混入するゴミや塵などの異物を取り除くフィルタ122と、インクパック120中のインクを吸い出して、当該インクをインクタンク111側に圧送する送液ポンプ121と、が設けられている。そして、インクパック120内のインクは、インク導入用開閉弁124が開放状態とされているときに、送液ポンプ121の駆動により、インク導入流路125を通流して、脱気モジュール123及びフィルタ122を経由して、インクタンク111に送り出される。
インクタンク111に対するインクパック120からのインクの供給は、制御部40の制御のもと、実施される。制御部40は、例えば、液面センサ119の検出信号を取得して、インクタンク111内のインクの液面高さが基準高さ未満となったことを検出したときに、インク導入用開閉弁124を閉塞状態から開放状態に切り替えると共に、送液ポンプ121を駆動して、インクパック120からインクタンク111に新たなインクを供給する。
次に、本実施形態に係るインク循環システム100において、インクの循環動作を停止させる際の動作フローについて説明する。
図5は、本実施形態に係るインク循環システム100において、インクの循環動作を停止させる際の動作フローの一例を示す図である。尚、かかる動作は、例えば、ユーザーからインクの循環動作停止指令が入力されたときに、制御部40によって実行される。
ステップS1において、ユーザーからインクの循環動作停止指令等が入力されると、制御部40は、まず、第1開閉弁114を閉塞する。
ステップS2において、制御部40は、ステップS1において第1開閉弁114を閉塞した後、第1待機時間ΔTd1が経過することを待ち受ける。
ステップS3において、制御部40は、ステップS2において第1待機時間ΔTd1が経過した後、第2開閉弁115を閉塞する。
ステップS4において、制御部40は、ステップS3において第2開閉弁115を閉塞した後、第2待機時間ΔTd2が経過することを待ち受ける。
ステップS5において、制御部40は、ステップS4において第2待機時間ΔTd2が経過した後、循環流発生手段(送液ポンプ112、エアポンプ118、圧力調整弁117)の動作を停止させる。
以上のような処理により、制御部40は、インク循環システム100において、インクの循環動作を停止させる。
図6は、本実施形態に係るインク循環システム100において、図5の動作に従ってインクの循環動作を停止させた際のノズル背圧(インクジェットヘッド240のノズル243の背圧を意味する。以下同じ)の挙動を示す図である。
図6において、Pnozzleはインクジェットヘッド240のノズル背圧、Pinはインクジェットヘッド240のインク流入口における圧力、Poutはインクジェットヘッド240のインク流出口における圧力、P弁上流はインク供給流路110aにおける第1開閉弁114の上流側の圧力を表している(以下、同様)。又、T1は第1開閉弁114を閉塞したタイミング、T2は第2開閉弁115を閉塞したタイミング、T3は循環流発生手段(送液ポンプ112、エアポンプ118、圧力調整弁117)を停止させたタイミング、を表している(以下、同様)。
まず、第1開閉弁114を閉塞すると(図6のタイミングT1)、インク供給流路110aにおける送液ポンプ112とインクジェットヘッド240との間のインク流が遮断されるため(即ち、第1開閉弁114の下流側の流路には、送液ポンプ112からの加圧が伝達しない状態となる)、循環流路110中の第1開閉弁114の下流側の流路の圧力(即ち、インクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzle、及びインクジェットヘッド240のインク流出口における圧力Pout)は、インクタンク111のエアバッファ領域111aの圧力(>Pnozzle)に近づく挙動を示す。即ち、インクジェットヘッド240の圧力室内に存在するインクは、インクタンク111のエアバッファ領域111aの負圧に吸引されて、タイミングT1時の負圧から、時間経過とともに更に大きな負圧が掛かった状態へと変化する。
尚、第1開閉弁114を閉塞してから第2開閉弁115を閉塞するまでの間の各時点におけるインクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleは、インクジェットヘッド240のインク流入口における圧力Pinとインクジェットヘッド240のインク流出口における圧力Poutの略中間の圧力となる。
次に、第1開閉弁114を閉塞してから第1待機時間ΔTd1後に、第2開閉弁115を閉塞すると(図6のタイミングT2)、インク回収流路110bにおけるインクジェットヘッド240とインクタンク111との間のインク流が遮断されるため(即ち、循環流路110中の第2開閉弁115の下流側の流路には、インクタンク111のエアバッファ領域111aからの負圧が伝達しない状態となる)、インクジェットヘッド240の圧力室は、第2開閉弁115を閉塞した時点T2で圧力室内に存在するインクにより封止されることになる。そして、インクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleは、第2開閉弁115を閉塞した時点T2以降には、第2開閉弁115を閉塞した時点T2の負圧の大きさで略定常状態となる。
次に、第2開閉弁115を閉塞してから第2待機時間ΔTd2後に、循環流発生手段(送液ポンプ112、エアポンプ118、圧力調整弁117)を停止すると(図6のタイミングT3)、インクタンク111のエアバッファ領域111aの圧力が大気圧になるため、第1開閉弁114の上流側の圧力P弁上流及び第2開閉弁115の下流側の圧力(図示せず)は、時間の経過とともに大気圧に近づく。しかしながら、このとき、インクジェットヘッド240の圧力室は、第1開閉弁114及び第2開閉弁115によりインクで封止されているため、当該圧力室からインク流入口及びインク流出口へのインクの流出は、存在しない。従って、封止後のインクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleは、第2開閉弁115を閉塞した時点T2における負圧の大きさで維持されることになる。
尚、本実施形態に係るインク循環システム100の動作フローにおいては、第1開閉弁114を閉塞してから第2開閉弁115を閉塞するまでの間の第1待機時間ΔTd1が、封止後のインクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleを決定することになるため、第1待機時間ΔTd1の長さは、重要な設計ファクターである。
これは、第1開閉弁114を閉塞してから第2開閉弁115を閉塞するまでの間における、インクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleは、タイミングT1時の負圧から、時間経過とともに更に大きな負圧に変化していくためである。そして、封止後のインクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleが、インクの循環流路110内においてインクの循環が停止した状態において、インクジェットヘッド240のノズルに形成されたインクのメニスカスの破れやすさに影響を及ぼす。かかる観点から、封止後のインクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleは、-30mmAq以上で、且つ、-50mmAq未満であることが好ましい。即ち、第1待機時間ΔTd1の長さは、第1開閉弁114を閉じた際に、インクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleが、-30mmAq以上で、且つ、-50mmAq未満となるように設定されるのが好ましい。尚、このときの第1待機時間ΔTd1の長さは、例えば、数msec~数10msecである。
より詳細には、第1待機時間ΔTd1の長さは、第1開閉弁114を閉塞してから第2開閉弁115を閉塞するまでの間における、インクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleの変化速度を基準に設定される必要がある。そのため、第1開閉弁114を閉じた際のインクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleを-30mmAq以上で、且つ、-50mmAq未満とするためには、第1待機時間ΔTd1の長さは、循環流路110中に設置されるインクジェットヘッド240の個数に基づいて変更されるのが好ましい。これは、通常、インクの循環動作中における循環流発生手段の出力(ここでは、送液ポンプ112の出力及びエアポンプ118の出力)は、循環流路110中に設置されるインクジェットヘッド240の個数が多いほど、大きな値に設定されており、循環流路110中に設置されるインクジェットヘッド240の個数が多いほど、第1開閉弁114を閉塞してから第2開閉弁115を閉塞するまでの間における、インクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleの変化速度が早くなるためである。即ち、第1待機時間ΔTd1の長さは、循環流路110中に存在するインクジェットヘッド240の個数が多いほど、短時間に設定されるのが好ましい。
又、第1待機時間ΔTd1の長さは、更に、インクタンク111とインクジェットヘッド240の間の配設位置の高低差に基づいて変更されるのが好ましい。これは、通常、インクの循環動作中における循環流発生手段の出力(ここでは、送液ポンプ112の出力及びエアポンプ118の出力)は、インクタンク111の配設位置がインクジェットヘッド240の配設位置より鉛直上方な場合、インクタンク111とインクジェットヘッド240の間の配設位置の高低差が小さいほど、大きな値に設定されており、インクタンク111とインクジェットヘッド240の間の配設位置の高低差が小さいほど、第1開閉弁114を閉塞してから第2開閉弁115を閉塞するまでの間における、インクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleの変化速度が早くなるためである。即ち、第1待機時間ΔTd1の長さは、インクタンク111とインクジェットヘッド240の間の配設位置の高低差が小さいほど、短時間に設定されるのが好ましい。
他方、第2待機時間ΔTd2の長さは、封止後のインクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleに大きな影響を及ぼさない。そのため、第2待機時間ΔTd2の長さは、短時間であってよく、例えば、第2開閉弁115の閉塞が完了した後、数msec以内であってもよい。逆に、第2待機時間ΔTd2の長さを過度に長時間に設定すると、第1開閉弁114を閉塞してからの時間の経過とともに第1開閉弁114の上流側の圧力P弁上流が過度に大きくなり、第1開閉弁114の破損を招くことから、第2待機時間ΔTd2の長さは、数sec未満であることが好ましい。
次に、本実施形態に係るインク循環システム100におけるインクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleの挙動を、比較例に係るインク循環システム100Zにおけるインクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleの挙動と比較する。
図7は、比較例に係るインク循環システム100Zの構成を示す図である。図8は、比較例に係るインク循環システム100Zにおいて、インクの循環動作を停止したときのノズル背圧の挙動を示す図である。
比較例に係るインク循環システム100Zは、循環流路110中に第1開閉弁114及び第2開閉弁115を有していない構成となっている点で、上記実施形態に係るインク循環システム100と相違する。
比較例に係るインク循環システム100Zでは、第1開閉弁114及び第2開閉弁115が設けられていないため、インクの循環動作を停止(即ち、送液ポンプ112停止、及びエアポンプ118停止)することでインクタンク111内のエアバッファ領域111aが大気圧状態となると、即座に、負圧状態のインクジェットヘッド240の圧力室からインク供給流路110a及びインク回収流路110bの両側にインク流が発生する。そして、インクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleは、急速に、大気圧に近づくことになる。
つまり、比較例に係るインク循環システム100Zでは、インクの循環動作を停止した後、インクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleは、大気圧に収束する。その結果、比較例に係るインク循環システム100Zでは、インクジェットヘッド240のノズルに形成されたインクのメニスカスが非常に破壊されやすい状態となる。
次に、本実施形態に係るインク循環システム100において、インクの循環動作を再開させる際の動作について、説明する。
図9は、本実施形態に係るインク循環システム100において、インクの循環動作を再開させる際の動作フローの一例を示す図である。尚、かかる動作は、例えば、ユーザーからインクの循環動作再開指令が入力されたときに、制御部40によって実行される。
ステップS11において、制御部40は、まず、循環流発生手段(送液ポンプ112、エアポンプ118、圧力調整弁117)の動作を再開させる。
ステップS12において、制御部40は、ステップS11において循環流発生手段(送液ポンプ112、エアポンプ118、圧力調整弁117)の動作を再開した後、第3待機時間ΔTd3が経過することを待ち受ける。尚、第3待機時間ΔTd3の長さは、短時間であってよく、例えば、循環流発生手段の動作を再開した後、数msec以内であってもよい。
ステップS13において、制御部40は、ステップS12において第3待機時間ΔTd3が経過した後、第2開閉弁115を閉塞状態から開放状態に切り替える。
ステップS14において、制御部40は、ステップS13において第2開閉弁115を閉塞状態から開放状態に切り替えた後、第4待機時間ΔTd4が経過することを待ち受ける。尚、第4待機時間ΔTd4の長さは、短時間であってよく、例えば、第2開閉弁115を閉塞状態から開放状態に切り替えた後、数msec以内であってもよい。
ステップS15において、制御部40は、ステップS14において第4待機時間ΔTd4が経過した後、第1開閉弁114を開放する。
以上のような処理により、制御部40は、インク循環システム100において、インクの循環動作を再開させる。インクの循環動作を再開させる際、インクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleを低下させてしまうと、インクジェットヘッド240のノズル243に形成されたインクのメニスカスが破壊されるが、上記のような順番で、各部を動作させることで、かかる事態の発生は抑制できる。
図10は、本実施形態に係るインク循環システム100において、図9の動作に従ってインクの循環動作を再開させた際のノズル背圧の挙動を示す図である。尚、図10において、T4は循環流発生手段(送液ポンプ112、エアポンプ118、圧力調整弁117)の動作を再開させたタイミング、T5は第2開閉弁115を開放したタイミング、T6は第1開閉弁114を開放したタイミング、を表している。
まず、循環流発生手段(送液ポンプ112、エアポンプ118、圧力調整弁117)の動作を再開すると(図10のタイミングT4)、この際には、第1開閉弁114がまだ閉塞状態であるため、循環流路110中の第1開閉弁114の上流側の圧力P弁上流の正圧力は、送液ポンプ112の出力により定まるインク送出圧力(正圧)の影響を受けて、時間の経過と共に次第に上昇する。又、同様に、第2開閉弁115がまだ閉塞状態であるため、循環流路110中の第2開閉弁115の下流側の圧力の負圧力は、インクタンク111のエアバッファ領域111aの圧力(負圧)の影響を受けて、時間の経過と共に次第に上昇する(図示せず)。
次に、循環流発生手段の動作を再開してから第3待機時間ΔTd3後に、第2開閉弁115を開放すると(図10のタイミングT5)、インクジェットヘッド240の圧力室には、インクタンク111のエアバッファ領域111aからの負圧が伝達し、インクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzle(及びインクジェットヘッド240のインク流出口における圧力Pout)は、インクタンク111のエアバッファ領域111aの圧力に近づく挙動を示す。即ち、インクジェットヘッド240の圧力室内に存在するインクは、インクタンク111のエアバッファ領域111aの負圧に吸引されて、タイミングT5時の負圧から、時間経過とともに更に大きな負圧が掛かった状態へと変化する。
次に、第2開閉弁115を開放してから第4待機時間ΔTd4後に、第1開閉弁114を開放すると(図10のタイミングT6)、インク供給流路110aにおけるインク流が通流状態となるため、インクジェットヘッド240のインク流入口における圧力Pinは、第1開閉弁114の上流側の圧力P弁上流(正側の圧力)に時間経過と共に近づく。又、インクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzle(及びインクジェットヘッド240のインク流出口における圧力Pout)は、インクジェットヘッド240のインク流入口における圧力Pinの上昇の影響を受けて、正側へと変化する。
このようにして、インクジェットヘッド240のノズル背圧Pnozzleは、最終的には、送液ポンプ112の出力により定まるインク送出圧力と、エアポンプ118及び圧力調整弁117の出力により定まるインク吸引圧力とのバランスにより、所定の大きさの負圧状態で定常状態となる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るインクジェット印刷装置1は、
ノズルからインク滴を吐出するインクジェットヘッドと、
インクを貯留するインクタンクと、
前記インクタンクと前記インクジェットヘッドとを連通して前記インクが循環する流路を構成する循環流路と、
前記循環流路中において前記インクの循環流を発生させる循環流発生手段と、
前記循環流路の前記インクタンクから前記インクジェットヘッドに前記インクを供給する経路中に配設された第1開閉弁と、
前記循環流路の前記インクジェットヘッドから前記インクタンクに前記インクを戻す経路中に配設された第2開閉弁と、
前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、及び前記循環流発生手段それぞれの動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記循環流路中における前記インクの循環動作を停止させる場合、最初に、前記第1開閉弁を閉塞し、前記第1開閉弁を閉塞してから第1待機時間経過後に前記第2開閉弁を閉塞し、前記第2開閉弁を閉塞してから第2待機時間経過後に前記循環流発生手段の動作を停止する。
従って、本実施形態に係るインクジェット印刷装置1によれば、インク循環流路110におけるインクの循環動作を停止した際に、インクジェットヘッド240の圧力室をインクで封止し、インクジェットヘッド240のノズル背圧を所定の大きさの負圧に維持することができる。これにより、インク循環流路110におけるインクの循環動作を停止した際にも、ノズルに形成されるインクのメニスカスを維持することが可能である。
(変形例)
図11は、変形例に係るインク循環システム100の構成を示す図である。
上記実施形態に係るインクジェット印刷装置1では、循環流路110中においてインクの循環流を発生させる循環流発生手段(送液ポンプ112、エアポンプ118、圧力調整弁117)を、インクタンク111中のインクをインクジェットヘッド240側に圧送する送液ポンプ112と、インクタンク111中のエアバッファ領域の圧力を制御するエアポンプ118及び圧力調整弁117と、によって構成する態様とした。
本変形例に係るインクジェット印刷装置1は、循環流路110中に、インクジェットヘッド240にインクを供給する用に配設された供給側インクタンク111Xと、インクジェットヘッド240からインクを回収する用に配設された回収側インクタンク111Yと、を有し、加えて、供給側インクタンク111中のエアバッファ領域111Xaの圧力を制御する第1空圧制御部と、回収側インクタンク111中のエアバッファ領域111Yaの圧力を制御する第2空圧制御部と、を有している。
尚、本変形例に係るインクジェット印刷装置1では、第1空圧制御部は、供給側インクタンク111X中のエアバッファ領域111Xaに接続された空気導管116X中に配設されたエアポンプ118と圧力調整弁117Xにより構成されており、第2空圧制御部は、回収側インクタンク111Y中のエアバッファ領域111Yaに接続された空気導管116Y中に配設されたエアポンプ118と圧力調整弁117Yにより構成されている。ここでは、第1空圧制御部と第2空圧制御部とは、エアポンプ118を共用しており、第1空圧制御部の吸引圧力(即ち、エアバッファ領域111Xaの負圧力)及び第2空圧制御部の吸引圧力(即ち、エアバッファ領域111Yaの負圧力)は、圧力調整弁117X及び圧力調整弁117Yの制御によって、所定の差圧が発生するように調整されている。
そして、本変形例に係るインクジェット印刷装置1では、供給側インクタンク111X中のエアバッファ領域域111Xaの圧力と回収側インクタンク111Y中のエアバッファ領域111Yaの圧力との差によって、循環流路110中にインクの循環流を発生させる。即ち、本変形例に係るインクジェット印刷装置1では、制御部40の制御のもと、第1空圧制御部(エアポンプ118と圧力調整弁117X)及び第2空圧制御部(エアポンプ118と圧力調整弁117Y)が動作させることで、インクが、供給側インクタンク111Xから送り出され、インクジェットヘッド240を経由して回収側インクタンク111Yに戻る循環流が生じる。
本変形例に係る循環流路110においては、供給側インクタンク111Xと回収側インクタンク111Yとの間は、インク送り流路110cで接続されており、回収側インクタンク111Yに回収されたインクは、インク送り流路110cを介して供給側インクタンク111Xに送られる。インク送り流路110c中には、送液ポンプ112cが配設され、回収側インクタンク111Yから供給側インクタンク111Xへの送液は、送液ポンプ112cの駆動により行われる。
尚、供給側インクタンク111と回収側インクタンク111それぞれには、液面センサ119X、119Yが設けられている。制御部40は、液面センサ119X、119Yの検出信号を用いて、回収側インクタンク111Yから供給側インクタンク111Xへインクを送り出すタイミングや送り出すインク量、及び、インクパック120から供給側インクタンク111Xへインクを送り出すタイミングや送り出すインク量を決定する。
制御部40は、例えば、液面センサ119Yの検出信号に基づいて、回収側インクタンク111Yのインク貯留量が基準値以上となったことが検出されたときに、送液ポンプ112cを駆動して、回収側インクタンク111Yから供給側インクタンク111Xへインクを送り出す。又、制御部40は、例えば、液面センサ119Xの検出信号に基づいて、供給側インクタンク111Xのインク貯留量が基準値未満となったことが検出されたときに、送液ポンプ112cを駆動して、インクパック120から供給側インクタンク111Xへインクを送り出す。
本変形例に係るインク循環システム100において、インクの循環動作を停止させる際の動作フロー、及びインクの循環動作を再開させる際の動作フローは、上記実施形態に係るインク循環システム100におけるそれぞれの動作フローと同様である(図5、図9を参照)。
図12は、変形例に係るインク循環システム100において、図5の動作に従ってインクの循環動作を停止させた際のノズル背圧の挙動を示す図である。図13は、変形例に係るインク循環システム100において、図9の動作に従ってインクの循環動作を再開させた際のノズル背圧の挙動を示す図である。
本変形例に係るインク循環システム100におけるインク循環動作停止時及び再開時のノズル背圧の挙動についても、上記実施形態に係るノズル背圧の挙動と略同様である(図6、図10を参照)。
但し、本変形例に係るインク循環システム100においては、供給側インクタンク111X中のエアバッファ領域111Xaの圧力を制御する第1空圧制御部と、回収側インクタンク111Y中のエアバッファ領域111Yaの圧力を制御する第2空圧制御部とによって、循環流発生手段を構成している。そのため、図12に示す各部の圧力の挙動は、第1待機時間ΔTd1及び第2待機時間ΔTd2中の第1開閉弁114の上流側の圧力P弁上流の挙動のみが、図6の挙動と異なっている。又、同様に、図13に示す各部の圧力の挙動は、第3待機時間ΔTd3及び第4待機時間ΔTd4中の第1開閉弁114の上流側の圧力P弁上流の挙動のみが、図10の挙動と異なっている。
具体的には、本変形例に係るインク循環システム100においては、第1待機時間ΔTd1及び第2待機時間ΔTd2中に、第1空圧制御部の吸引圧力及び第2空圧制御部の吸引圧力が調整されることになるため、この際、第1開閉弁114の上流側の圧力P弁上流を一定に維持することができる。換言すると、本変形例に係るインク循環システム100においては、第1開閉弁114の上流側の圧力P弁上流が異常に上昇し、第1開閉弁114が破損する事態は抑制されることになる。
以上のように、本変形例に係るインク循環システム100においても、インク循環流路110におけるインクの循環動作を停止した際に、インクジェットヘッド240の圧力室をインクで封止し、インクジェットヘッド240のノズル背圧を所定の大きさの負圧に維持することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示に係るインクジェット印刷装置によれば、インク循環流路におけるインクの循環動作を停止させた際に、インクジェットヘッドのノズルに形成されたインクのメニスカスが破壊されることを抑制することが可能である。
1 インクジェット印刷装置
10 給紙部
20 画像形成部
240 インクジェットヘッド
243 ノズル
30 排紙部
40 制御部(制御手段)
50 ヘッドユニット駆動部
60 搬送駆動部
70 画像処理部
80 入出力インターフェース
90 インク供給部
100 インク循環システム
110、110a、110b、110c 循環流路
111、111X、111Y インクタンク
111a、111Xa、111Ya エアバッファ領域
112、112c、121 送液ポンプ
113 ダンパ
114 第1開閉弁
115 第2開閉弁
116、116X、116Y 空気導管
117、117X、117Y 圧力調整弁
118 エアポンプ
119、119X、119Y 液面センサ
120 インクパック
122 フィルタ
123 脱気モジュール
124 インク導入用開閉弁
125 インク導入流路
P 記録媒体

Claims (7)

  1. ノズルからインク滴を吐出するインクジェットヘッドと、
    インクを貯留するインクタンクと、
    前記インクタンクと前記インクジェットヘッドとを連通して前記インクが循環する流路を構成する循環流路と、
    前記循環流路中において前記インクの循環流を発生させる循環流発生手段と、
    前記循環流路の前記インクタンクから前記インクジェットヘッドに前記インクを供給する経路中に配設された第1開閉弁と、
    前記循環流路の前記インクジェットヘッドから前記インクタンクに前記インクを戻す経路中に配設された第2開閉弁と、
    前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、及び前記循環流発生手段それぞれの動作を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記循環流路中における前記インクの循環動作を停止させる場合、最初に、前記第1開閉弁を閉塞し、前記第1開閉弁を閉塞してから第1待機時間経過後に前記第2開閉弁を閉塞し、前記第2開閉弁を閉塞してから第2待機時間経過後に前記循環流発生手段の動作を停止する、
    インクジェット印刷装置。
  2. 前記第1待機時間の長さは、前記第1開閉弁を閉塞したときの前記インクジェットヘッドの前記ノズルの背圧が、-30mmAq以上で、且つ、-50mmAq未満となるように設定される、
    請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  3. 前記第1待機時間の長さは、前記循環流路内に設けられた前記インクジェットヘッドの個数に基づいて設定される、
    請求項1又は2に記載のインクジェット印刷装置。
  4. 前記第1待機時間の長さは、前記インクタンクと前記インクジェットヘッドの間の配設位置の高低差に基づいて設定される、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインクジェット印刷装置。
  5. 前記循環流発生手段は、前記インクタンク中の前記インクを前記インクジェットヘッド側に圧送する送液制御部と、前記インクタンク中のエアバッファ領域の圧力を制御する空圧制御部と、によって構成されている、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインクジェット印刷装置。
  6. 前記インクタンクは、前記インクジェットヘッドに前記インクを供給する用に配設された供給側インクタンクと、前記インクジェットヘッドから前記インクを回収する用に配設された回収側インクタンクと、を有し、
    前記循環流発生手段は、前記供給側インクタンク中のエアバッファ領域の圧力を制御する第1空圧制御部と、前記回収側インクタンク中のエアバッファ領域の圧力を制御する第2空圧制御部と、によって構成されている、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインクジェット印刷装置。
  7. 前記制御手段は、前記循環流路中における前記インクの循環動作を停止させた状態から前記インクの循環動作を再開させる場合、最初に、前記循環流発生手段の動作を開始し、前記循環流発生手段の動作を開始してから第3待機時間経過後に前記第1開閉弁を開放し、前記第1開閉弁を開放してから第4待機時間経過後に前記第2開閉弁を開放する、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインクジェット印刷装置。
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