JP2023081471A - Abca12産生促進用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 新たなABCA12産生促進用組成物を提供すること。【解決手段】 本発明は、 成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉抽出物を含有する、ABCA12産生促進用組成物、並びに、成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉抽出物を含有する、肌のバリア機能向上又は改善用化粧料を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、ABCA12産生促進用組成物、肌のバリア機能改善用化粧料等に関する。
ABCA12(ATP-binding Cassette Transporter12)は、肌に主に存在する、脂質トランスポーター蛋白質であり、このABCA12は、道化師様魚鱗癬の患者の治療過程から発見された。ABCA12は、肌表面の細胞のなかで、肌表面を作っている細胞のなかにある層板顆粒と呼ばれる顆粒に存在する。この層板顆粒は、肌表面の細胞に特有な顆粒で、セラミド等を輸送し、分泌する機能を有している。この層板顆粒によって分泌される脂質や酵素は、肌表面のバリアの形成と共に、そしてさらに角化して死んだ細胞はその役割を終えた後にスムーズにはがれ落ちて行くのに必要であると考えられている。ABCA12によって運ばれる脂質は、層板顆粒の中に蓄積され、最終的に肌表面の細胞が角化して死ぬ際に、それら脂質を細胞外に放出し、この放出された脂質が、肌の表面の脂質層になると考えられている。
例えば、特許文献1には、サクシノイルアテロコラーゲンを含有するABCA12遺伝子発現促進及び/又はABCA12産生促進用組成物が提案されている。
特開2018-145146号公報
そこで、本発明は、ABCA12産生促進が可能な新たな技術を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、後記実施例に示すように、ヒト表皮角化細胞を用いて、鋭意検討した結果、成分(A)コメヌカ抽出物及び成分(B)チャ葉抽出物を組み合わせることで、それぞれ単独よりも非常に優れたABCA12産生促進作用があることを見出し、本発明を完成させた。さらに、本発明者らは、ABCA12産生を促進させることで、例えば角化細胞内での細胞間脂質の強化(例えば、補充、整列層状化等)によって、バリア機能を向上又は改善することができ、例えば、カサカサ肌やひび割れ肌等の肌トラブルを予防、改善又は治療することも可能であると考えた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明は、成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉抽出物を含有する、ABCA12産生促進用組成物を提供することができる。
本発明は、成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉抽出物を含有する、肌のバリア機能向上又は改善用化粧料を提供することができる。
本発明は、成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉抽出物を用いる、ABCA12産生促進方法、又は、肌のバリア機能向上又は改善方法を提供することができる。
前記成分(A):前記成分(B)の含有質量比又は使用質量比が、乾燥固形分換算において、3:1~1:3であってもよい。
前記成分(A)及び前記成分(B)の合計含有量又は合計使用量が、組成物中、乾燥固形分換算として、0.0004質量%以上であってもよい。
前記成分(A)が、含水アルコール抽出物、及び/又は、前記成分(B)が、含水アルコール抽出物であってもよい。
前記成分(A)が、アルコール濃度30~70%(V/V)の含水アルコール抽出物である、及び/又は、前記成分(B)が、アルコール濃度60%(V/V)以上の含水アルコール抽出物であってもよい。
本発明は、ABCA12産生促進が可能な新たな技術を提供することができる。なお、ここに記載された効果に、必ずしも限定されるものではなく、本技術中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
図1は、コントロールを1としたときの各試料のABCA12遺伝子発現量(相対値)を示す図である。
以下、本技術を実施するための好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。なお、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である(質量/質量%)。また、本明細書におおいて、(V/V)%は、(容量/容量)パーセントの略である。また、各数値範囲(~)の上限値(以下)と下限値(以上)は、所望により、任意に組み合わせることができる。
1.本発明に係るABCA12産生促進用組成物及びABCA12産生促進方法
本発明は、成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉抽出物を含有する、ABCA12産生促進用組成物を提供することができる。また、本発明は、 成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉抽出物を含有する、肌のバリア機能の向上又は改善用化粧料を提供することができる。
本発明は、成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉の抽出物を用いる、ABCA12産生促進方法、又は、肌のバリア機能向上又は改善方法を提供することができる。
1-1.成分(A)コメヌカ抽出物
本発明に用いる成分(A)コメヌカ抽出物は、コメヌカを原料とし、これに抽出溶媒を用いて抽出された抽出物である。当該原料のコメヌカは、イネ(Oryza sativa)の籾摺り後の種子から得られたヌカを用いることが好適であり、当該ヌカには、果皮、種子、胚及びデンプン層粉砕物等が含まれている。当該ヌカは、ヌカ層がある玄米及び分づき精米(1,3,5,8分)を調製する際に得ることができる。このうち、玄米から得られたコメヌカ粉末を用いることがより好適であり、市販されているコメヌカを用いてもよい。また、当該原料として脱脂コメヌカではなく、脱脂前のコメヌカ(未脱脂コメヌカともいう)が好適である。なお、イネの種子の品種としては、主にジャポニカ米(Oryza sativa subsp. Japonica)、インディカ米(Oryza sativa subsp. indica)等が挙げられ、好適には、イネ(紫黒米): Oryza sativa Linne (Gramineae)であり、当該イネ(紫黒米)は日本では一年草として栽培されている。
前記成分(A)コメヌカ抽出物を得る際の抽出原料コメヌカからの抽出方法は、特に限定されず、公知の抽出方法及び分離精製方法を適宜用いてもよい。抽出は、コメヌカを一定温度(低温、常温又は高温)下にて、所定期間、浸漬や撹拌、静置等にて、抽出溶媒を用いて行うことができる。
前記抽出原料は、粉末状であることが好ましい。
前記抽出溶媒として、特に限定されないが、例えば、水、有機溶媒等が挙げられ、これらから1種又は2種以上選択することができる。また、超臨界状態の二酸化炭素や水等を用いることもできる。
前記有機溶媒として、例えば、アルコール類;アセトン等のケトン類;エチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;ヘキサン、ベンゼン等の炭化水素等から選ばれる1種又は2種以上のものを用いることができる。
前記アルコール類(以下、「アルコール」ともいう)として、例えば、低級1価アルコール(例えば、メタノール、エタノール等);液状多価アルコール(例えば、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)等が挙げられる。
前記アルコールは、1価アルコール及び2価アルコールが好ましく、アルコールの炭素数は1~5程度(より好適には炭素数2~4)であるのが好ましい。
前記成分(A)コメヌカ抽出物を得る際に用いる抽出溶媒のうち、水及び/又はアルコール(好適には炭素数1~4)が好ましく、より好ましくは含水アルコールであり、当該含水アルコールとは、アルコール及び水の混合物、又は、アルコール水溶液のことをいう。当該アルコールとして、メタノール、エタノール、プロピレングリコール及び1,3-ブチレングリコール(「BG」ともいう)から選ばれる1種又は2種以上のものが好ましい。
前記成分(A)コメヌカ抽出物を得る際に用いる抽出溶媒のうち、ABCA12産生促進等の併用効果向上の観点から、さらに好ましくは、水、エタノール及び1,3-ブチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の混合のものであり、より好ましくは、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール、エタノール水混合溶液、1,3-ブチレングリコール水混合溶液であり、よりさらに好ましくは1,3-ブチレングリコール水混合溶液(「含水BG」ともいう)である。
また、成分(A)コメヌカ抽出物を得る際に用いるアルコール水溶液の場合、アルコール濃度((V/V)%)は、好ましくは0~100%であり、ABCA12産生促進等の併用効果向上の観点から、好適な下限値として、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上であり、また、その好適な上限値として、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下、さらに好ましくは70%以下であり、よりさらに好ましくは60%以下であり、また当該好適な数値範囲として、より好ましくは40~60%である。
前記成分(A)コメヌカ抽出物を得る際の好ましい抽出方法の例として、原料コメヌカを、前記抽出溶媒にて、室温(例えば1~30℃程度)又は加温(例えば30~100℃程度)で、5分間~7日間抽出を行う方法が挙げられる。抽出後に、次いでろ過等の分離精製方法により不溶性の残留物を除去してもよい。また抽出後の抽出液を乾燥処理(噴霧乾燥、凍結乾燥等)にて粉末状にしてもよい。
このときの前記抽出溶媒として、水、アルコール、又は水-アルコール混合液のいずれかが好ましく、さらに好ましくは、アルコール及び水-アルコール混合液である。
前記抽出は、室温抽出又は加温抽出のいずれでもよい。室温(好適には、10~30℃)抽出で30分以上又は1~7日間であるのが好ましい。また、加温(40~90℃)抽出で1~12時間であってもよい。また、標準気圧(0.9~1.1気圧程度)下で行ってもよい。
上記抽出工程は、10~60℃の温度条件下で行うことが好ましく、10~30℃の温度条件下で行うことがより好ましい。また上記抽出工程の時間は、好適には30分~2日又は1日程度であり、30分~24時間がより好ましい。また、撹拌しながら実施してもよい。
前記成分(A)コメヌカ抽出物は、そのまま有効成分として使用してもよいし、効果を損なわない範囲で夾雑物等不純物を除去するため又は効果を高めるために、適宜、公知の分離精製方法にて処理してもよい。例えば、必要に応じて、さらに抽出溶媒の除去、ろ過、イオン交換樹脂等の脱臭、脱色等の精製処理を施した後に用いることもできる。また、液体クロマトグラフィー等の分離手段を用いて、活性の高い画分を用いてもよい。
前記成分(A)コメヌカ抽出物は、抽出液単独で又は異なる抽出方法にて得られた抽出液を混合して、そのまま抽出液として用いてもよいし又は当該抽出物を希釈、濃縮又は乾燥させて、液状、粉末状、ペースト状に調製して用いることもできる。また、成分(A)コメヌカ抽出物は、アルコール水溶液(好適には含水BG、含水エタノール)に調製してから使用することが好適であり、このときのアルコール含有量の割合((V/V)%)は、好適には30~70%、より好適には40~60%であり、当該溶液中の成分(A)コメヌカ抽出物の含有量は、乾燥固形分換算で、好適には0.01~1.0%、より好適には、0.1~0.3%である。
1-2.成分(B)チャ葉抽出物
本発明に用いる成分(B)チャ葉抽出物に用いる原料茶葉は特に限定されないが、例えば、Camellia属、例えば、C. sinensis var. sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var. assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)から抽出されたものが挙げられる。チャ葉は、その加工方法により、生茶、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に分類することができ、これらから選択される1種又は2種以上を用いることができる。生茶は、緑茶葉等のように加熱や乾燥等の工程を行っていない生の茶葉をいう。不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が挙げられる。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が挙げられる。さらに、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が挙げられる。チャ葉は、1種又は2種以上を用いることができ、粉砕物又は粉末であってもよい。
このうち、チャ葉抽出物としては、緑茶葉抽出物が好ましい。
本発明に用いる成分(B)チャ葉抽出物の原料に用いる緑茶は、ツバキ科の常緑樹であるチャ(Camellia sinensis)の芽、葉、茎を収穫後、加熱処理により茶葉に含まれる酸化酵素を失活させて得られる不発酵茶の一種であり、煎茶、玉露、かぶせ茶、番茶、玉緑茶、抹茶、ほうじ茶、釜炒り茶、てん茶等が挙げられる。緑茶葉の種類、等級、産地、製法などは何ら限定されることはなく、いずれの茶葉でも可能である。或いは、種類の異なる緑茶葉を1種又は2種以上を混合して用いてもよい。このうち、抹茶に用いるてん茶が好適である。なお、てん茶は、蒸し製緑茶の一種であり、抹茶の原料として知られており、チャ葉を摘採まで少なくとも20日以上被覆してその生チャ葉を蒸して揉まずに乾燥せしめたものである。
前記成分(B)チャ葉抽出物を得る際に抽出原料チャ葉からの抽出方法は、特に限定されず、公知の抽出方法及び分離精製方法を適宜用いてもよい。抽出は、チャ葉を一定温度(低温、常温又は高温)下にて、所定期間、浸漬や撹拌、静置等にて、抽出溶媒を用いて行うことができる。
前記抽出原料は、粉末状であることが好ましい。
前記成分(B)を得る際の抽出(例えば、抽出手段、抽出溶媒等)は、上述した「1-1.成分(A)コメヌカ抽出物」で説明した抽出に関する、各抽出溶媒、各構成、各方法等を適宜採用することができる。
前記成分(B)チャ葉抽出物を得る際に用いる抽出溶媒のうち、水及び/又はアルコール(好適には炭素数1~4)が好ましく、より好ましくは含水アルコールであり、当該含水アルコールとは、アルコール及び水の混合物、又は、アルコール水溶液のことをいう。前記アルコールとして、メタノール、エタノール、プロピレングリコール及び1,3-ブチレングリコール(BG)から選ばれる1種又は2種以上のものが好ましい。
前記成分(B)チャ葉抽出物を得る際に用いる抽出溶媒のうち、ABCA12産生促進等の併用効果向上の観点から、さらに好ましくは、水、エタノール及び1,3-ブチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の混合のものであり、より好ましくは、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール、エタノール水混合溶液、1,3-ブチレングリコール水混合溶液であり、よりさらに好ましくはエタノール水混合溶液(「含水エタノール」ともいう)である。
また、成分(B)チャ葉抽出物を得る際に用いるアルコール水溶液の場合、アルコール濃度((V/V)%)は、好ましくは0~100%であり、ABCA12産生促進等の併用効果向上の観点から、好適な下限値として、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上であり、また、その好適な上限値として、好ましくは99.9%以下、より好ましくは95%以下、さらに好ましくは90%以下であり、よりさらに好ましくは80%以下であり、また、当該好適な数値範囲として、より好ましくは70~90%である。
前記成分(B)チャ葉抽出物を得る際の好ましい抽出方法の例として、抽出原料チャ葉を、前記抽出溶媒にて、室温(例えば1~30℃程度)又は加温(例えば30~100℃程度)で、5分間~7日間抽出を行う方法が挙げられる。抽出後に、次いでろ過等の分離精製方法により不溶性の残留物を除去してもよい。また抽出後の抽出液を乾燥処理(噴霧乾燥、凍結乾燥等)にて粉末状にしてもよい。
このときの前記抽出溶媒として、水、アルコール、又は水-アルコール混合液のいずれかが好ましく、さらに好ましくは、アルコール及び水-アルコール混合液である。
前記成分(B)抽出は、室温抽出又は加温抽出のいずれでもよい。室温(好適には、10~30℃)抽出で1~7日間であるのが好ましい。また、加温(40~90℃)抽出で1~12時間であるのが好ましい。
前記抽出は、室温抽出又は加温抽出のいずれでもよい。室温(好適には、10~30℃)抽出で1~7日間であるのが好ましい。また、加温(40~80℃)抽出で1~12時間であるのが好ましい。
上記抽出工程は、40~100℃の温度条件下で行うことが好ましく、40~80℃の温度条件下で行うことがより好ましい。また上記抽出工程の時間は、好適には30分~6時間であり、1~5時間とすることがより好ましい。また、撹拌しながら実施してもよい。
前記成分(B)チャ葉抽出物は、そのまま有効成分として使用してもよいし、公知の分離精製方法にて処理してもよいし、例えば、必要に応じて、さらに抽出溶媒の除去、ろ過、イオン交換樹脂等の脱臭、脱色等の精製処理を施した後に用いることもできる。また、液体クロマトグラフィー等の分離手段を用いて、活性の高い画分を用いてもよい。
前記成分(B)チャ葉抽出物は、抽出液単独で又は異なる抽出方法にて得られた抽出液を混合して、そのまま抽出液として用いてもよいし又は当該抽出物を希釈、濃縮又は乾燥させて、液状、粉末状、ペースト状に調製して用いることもできる。また、成分(B)チャ葉抽出物は、アルコール水溶液(好適には含水BG、含水エタノール)に調製してから使用することが好適であり、このときのアルコール含有量の割合((V/V)%)は、好適には30~70%、より好適には40~60%であり、当該溶液中の成分(B)チャ葉抽出物の含有量は、乾燥固形分換算で、好適には0.01~1.0%、より好適には、0.1~0.3%である。
1-3.成分(A)コメヌカ抽出物及び成分(B)チャ葉抽出物の併用
本発明における前記成分(A)及び前記成分(B)の併用における組成物中の含有質量比(「含有質量割合」ともいう)、各成分の組成物中の含有量、並びに、前記成分(A)及び前記成分(B)の併用における使用質量比(「使用質量割合」ともいう)及び使用方法等について、以下に説明する。
<前記成分(A):前記成分(B)の含有質量比又は使用質量比>
前記成分(A)コメヌカ抽出物:前記成分(B)チャ葉抽出物の含有質量比(使用質量比)が、ABCA12産生促進等の併用効果向上の観点から、組成物中、乾燥固形分換算において、その好適な下限値として、好適には10:1以上、より好適には5:1以上、さらに好適には4:1以上、より好適には3:1以上、より好適には2:1以上であり、また、その好適な上限値として、好適には1:10以下、より好適には1:5以下、さらに好適には1:4以下、より好適には1:3以下、より好適には1:2以下である。より好適な数値範囲として、ABCA12産生促進等の併用効果向上の観点から、組成物中、乾燥固形分換算において、より好適には10:1~1:10、より好適には5:1~1:5、さらに好適には4:1~1:4、より好適には3:1~1:3、より好適には2:1~1:2である。また、当該「含有質量比」を、前記成分(A)及び前記成分(B)を組み合わせて肌等に使用する場合には「使用質量比」とすることができ、当該使用質量比の採用は、組成物の形態に限らず、第一製品及び第二製品から構成されるような組成物キットの形態であってもよい。
<前記成分(A)及び前記成分(B)の組成物中の合計量>
前記組成物中の前記成分(A)コメヌカ抽出物:前記成分(B)チャ葉抽出物の合計の含有量は、特に限定されないが、ABCA12産生促進等の併用効果向上の観点から、組成物中、乾燥固形分換算において、好適な下限値として、好ましくは0.00005%以上、より好ましくは0.0001%以上、さらに好ましくは0.0003%以上、より好ましくは0.0004%以上、より好ましくは0.0005%以上、より好ましくは0.0008%以上であり、また、好適な上限値として、好ましくは0.01%以下、より好ましくは0.008%以下、さらに好ましくは0.005%以下、より好ましくは0.003%以下、より好ましくは0.002%以下、より好ましくは0.0015%以下である。当該「合計の含有量」は、これら成分を併用する際にこれら成分を組み合わせた組成物中の「合計の使用量」であってもよい。
<前記成分(A)の組成物中の含有量>
前記組成物中の前記成分(A)コメヌカ抽出物の含有量は、特に限定されないが、ABCA12産生促進等の観点から、組成物中、乾燥固形分換算において、好適な下限値として、好ましくは0.0001%以上、より好ましくは0.0002%以上、さらに好ましくは0.00025%以上、より好ましくは0.0003%以上、より好ましくは0.0004%以上であり、また、好適な上限値として、好ましくは0.005%以下、より好ましくは0.001%以下、さらに好ましくは0.0008%以下、より好ましくは0.00075%以下、より好ましくは0.0007%以下、より好ましくは0.0006%以下である。当該「含有量」は、これら成分を併用する際にこれら成分を組み合わせた組成物中の「成分(A)の含有量」であってもよい。
<前記成分(B)の組成物中の含有量>
前記組成物中の前記成分(B)チャ葉抽出物の含有量は、特に限定されないが、ABCA12産生促進等の観点から、乾燥固形分換算において、好適な下限値として、好ましくは0.0001%以上、より好ましくは0.0002%以上、さらに好ましくは0.00025%以上、より好ましくは0.0003%以上、より好ましくは0.0004%以上であり、また、好適な上限値として、好ましくは0.005%以下、より好ましくは0.001%以下、さらに好ましくは0.0008%以下、より好ましくは0.00075%以下、より好ましくは0.0007%以下、より好ましくは0.0006%以下である。当該「含有量」は、これら成分を併用する際にこれら成分を組み合わせた組成物中の「成分(B)の含有量」であってもよい。
<前記成分(A)及び前記成分(B)の使用方法及び使用量>
前記組成物の使用方法としては、特に限定されず、好適には、皮膚への塗布;経皮投与、経口投与、注射による投与等の投与;経口摂取;等が挙げられるが、より好適には、皮膚へ塗布又は経皮投与である。
前記成分(A)及び前記成分(B)の使用量(例えば、塗布量、投与量、摂取量)としては、本発明の効果が得られる量であればよく、特に制限はなく、当該製剤の剤型、適用部位、年齢、性別等に応じて適宜調整するとよい。
また、本実施形態における使用は、特に限定されないが、肌に対する塗布が好適であり、使用後に、肌表面に前記成分(A)及び前記成分(B)が併存する状態にすることが好適である。より好適な具体的な使用方法として、組成物を肌に塗ることによる塗布、噴霧による塗布、皮膚貼り付け等の浸透性による塗布、塗擦やマッサージによる塗布等が挙げられるが、これらに限定されない。
肌の適用部位は、肌であれば特に限定されないが、全身、頭皮、顔、腕、脚、手等から選択される1種又は2種以上が好適であり、肌表面がより好適である。また、使用者は、一般的なユーザやエンドユーザであってもよく、マッサージ師、エステシャン、美容師等の業として行う施術者であってもよい。
適用対象は、それを必要としている若しくは希望している動物であれば特に限定されないが、ヒト、及び非ヒト動物(例えば、ペット、家畜等)等に適用することができる。このうち、ヒト及びペットが好ましく、より好ましくはヒトである。また、適用対象としては、上述した肌のバリア機能向上又は改善、保湿効果、疲労若しくは老化に伴う肌トラブルの予防、改善又は治療等を必要とする若しくは訴求するヒトが望ましい。
また、本発明における、前記成分(A)及び前記成分(B)の併用、当該成分(A)及び成分(B)を含む組成物又は剤等を使用する場合の使用量(例えば、塗布等)は、対象者の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、成人1人当たりの1日の使用量は、前記成分(A)及び前記成分(B)の合計量(固形分換算)として、好適な下限値として0.001mg以上、より好ましくは0.01mg以上、さらに好ましくは0.04mg以上であり、また好適な上限値として1mg以下、より好ましくは0.5mg以下、さらに好ましくは0.1mg以下である。
また、本発明における、前記成分(A)及び前記成分(B)の併用、当該成分(A)及び成分(B)を含む組成物又は剤等は、任意の使用計画に従って使用することができるが、1日1回~数回に分け、数週間~数ヶ月間継続して使用することが、肌のバリア機能の向上又は改善等の観点から、好ましく、継続的に数週間使用期間があることで細胞間脂質が強化された肌のバリア機能が形成され、従来の保湿剤とは異なり、本発明では肌のバリア機能が安定的に発揮されやすい。
また、本発明は、治療目的の使用であっても、非治療目的の使用であってもよい。「非治療目的」とは、医療行為(例えば、医師が行う行為)、すなわち、治療による人体への処置行為を含まない概念である。非治療目的として、例えば、美容、マッサージ等が挙げられる。
また、本発明において、「予防」とは、適用対象における症状若しくは疾患の発症の防止若しくは発症の遅延、又は適用対象における症状若しくは疾患の発症の危険性を低下させること等をいう。本技術において、「改善」とは、適用対象における疾患、症状又は状態の好転又は維持;悪化の防止又は遅延;進行の逆転、防止又は遅延をいう。
<任意成分>
なお、前記成分(A)及び前記成分(B)の併用、前記成分(A)及び前記成分(B)を含む剤若しくは組成物には、必要に応じて本技術の効果を損なわない範囲で、化粧料や医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤、食品組成物等の種々の製剤に通常使用される成分を任意成分として含有させる又は配合しうることができる。当該成分として、例えば、防腐剤、細胞賦活剤、抗酸化剤、保湿剤、紫外線防止剤、溶剤(水、アルコール類等)、油剤、界面活性剤、増粘剤、粉体、キレート剤、pH調整剤、乳化剤、安定化剤、着色剤、光沢剤、矯味剤、矯臭剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、香料等が挙げられる。これらから適宜1種又は2種以上選択して使用することができる。また、本実施形態の剤若しくは組成物の形態は、特に限定されず、液状、ペースト状、ゲル状、固形状、粉末状等のいずれの形態でもよい。
1-4.本発明に関する用途
本発明に用いる成分(A)コメヌカ抽出物及び成分(B)チャ葉抽出物の併用は、後記〔実施例〕に示すように、ABCA12遺伝子発現促進作用、ABCA12産生促進作用を有するので、ABCA12遺伝子発現促進、ABCA12産生促進、肌のバリア機能向上又は改善、又は保湿等を目的として使用することができる。そして、これらの作用効果を期待して、前記成分(A)及び前記成分(B)の組み合わせを、そのまま適用対象に使用することもでき、また、各種製剤又は各種組成物に含有させること及びこれら成分を含有させた組成物等の使用ができる。
ここで、ABCA12は、脂質を運ぶタンパクで、主に皮膚に存在し、ABCA12は層板顆粒と呼ばれる小さな顆粒に存在していることが知られている。この層板顆粒は、肌表面の細胞に特有な顆粒で、肌セラミド等を輸送し、分泌する機能を有している。この層板顆粒によって分泌される脂質や酵素は、肌表面(表皮)のバリアの形成と、そして、さらには、角化して死んだ細胞が、その役割を終えた後、スムーズにはがれ落ちて行くのに必要であると考えられている。ABCA12によって運ばれる脂質は、層板顆粒の中に蓄積され、最終的に、肌表面の細胞が角化して死ぬ際に、それら脂質を細胞外に放出し、この放出された脂質が、肌の表面(より具体的には表皮の角層)の脂質層になると考えられている。さらに、このABCA12が、セラミドを細胞内で貯留及び運搬することで細胞間脂質が正常に形成させることができ、これにより肌のバリア機能が整うことが知られている。
このため、本発明における前記成分(A)及び前記成分(B)の併用にて、上述したABCA12産生促進作用、細胞間脂質強化による肌(特に表皮)のバリア機能或いは保湿機能の向上又は改善等を行うことができ、若しくはこれらの機能低下の予防をすることができる。
さらに、本発明によれば、細胞間脂質の強化による肌(特に表皮)のバリア機能が向上又は改善することで、その後皮膚表面の細胞が角化して死んだ細胞がスムーズに剥がれ落ちることができるので、自然な角質ケアを行うことができる。
さらに、本発明によれば、皮膚表面の細胞が角化して死ぬ際に、細胞間にある脂質を細胞外に放出するため、これにより肌表面の脂質層が十分に形成されるので、肌ツヤの向上若しくは改善、肌ツヤの低下の予防を行うこともできる。
また、本発明によれば、疲労や老化等によりABCA12の産生が低下する前又は低下した後に、肌のバリア機能或いは保湿機能の向上又は改善をすることができ、肌のバリア機能或いは保湿機能の低下を予防することができる。
また、従来の保湿剤の場合、塗布後に表皮内の水分をより多く保持できるような保湿成分を探索しているため、当該保湿剤の塗布直後のしっとり感等の使用感で保湿感を判断している。このため、従来の保湿剤では、保湿成分による肌表面保護にて、細胞間脂質の機能が低下している皮膚バリア機能を即効的又は短期間的に抑えるにとどまり、抜本的な解決策になっておらず、保湿成分が肌表面からなくなると速やかにバリア機能低下が発生してしまう。
これに対し、本発明における前記成分(A)及び前記成分(B)併用により、塗布後にABCA12産生促進作用が発揮され、一定期間の継続塗布等の使用により、肌質の向上又は改善、具体的には、細胞間脂質領域のセラミド等の脂質の量を補充強化又は整列化や整列層状化を促進することによって、角層の細胞間脂質の機能強化が行われる。なお、整列層状化とは、セラミド等の脂質が補充強化された細胞間脂質が横に整列した状態が、縦に複数あるような場合であり、層状化によりさらにバリア機能が向上している状態をいう。
前記成分(A)及び前記成分(B)の一定期間の継続塗布等の使用により、遅効ではあるが、持続的な肌のバリア機能の向上又は改善が、発揮されるようになる。また、持続的な肌のバリア機能が発揮されると、一定期間は前記成分(A)及び前記成分(B)の塗布を行わなくとも肌のバリア機能が維持されやすい。さらに、前記成分(A)及び前記成分(B)により、肌のバリア機能向上又は改善によって、敏感肌の予防、改善若しくは治療を行うことも可能である。なお、本発明における敏感肌とは、バリア機能が乱れることで、乾燥で肌の水分が少なくなった状態、乾燥環境下や紫外線暴露やアレルゲン接触等の外部刺激を受けやすい状態をいう。
このように、本発明に用いる成分(A)コメヌカ抽出物及び成分(B)チャ葉抽出物の組み合わせは、上述した、ABCA12遺伝子発現促進、ABCA12産生促進、肌のバリア機能向上又は改善、保湿等に用いるための物質又は有効成分として使用することも可能である。
また、本発明は、成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉抽出物を用いる、上述のようなABCA12産生促進方法、又は、肌のバリア機能向上又は改善方法を提供することもできる。
さらに、本発明に用いる成分(A)コメヌカ抽出物及び成分(B)チャ葉抽出物の組み合わせは、ABCA12遺伝子発現促進用組成物、ABCA12産生促進用組成物、肌のバリア機能向上又は改善用組成物、保湿用組成物等に、含有させることができる。また、本発明は、成分(A)コメヌカ抽出物及び成分(B)チャ葉抽出物の組み合わせを、有効成分として含有するABCA12遺伝子発現促進用等の組成物、化粧料若しくは皮膚外用剤等を提供することができる。また、本発明に用いる成分(A)コメヌカ抽出物及び成分(B)チャ葉抽出物を、別々の状態又は別々の製品にしておいて、使用する際に混合させて適用対象に使用することができる。例えば、成分(A)コメヌカ抽出物を含有する第一製品及び成分(B)チャ葉抽出物を含有する第二製品から少なくとも構成される組成物キット並びに第一製品及び第二製品を使用時に混合して使用することによる肌に対するABCA12産生促進方法等を提供することもできる。
また、本発明に用いる成分(A)コメヌカ抽出物及び成分(B)チャ葉抽出物の併用は、又はこれら含有の各種製剤若しくは各種組成物は、化粧料、皮膚外用剤、医薬品、食品組成物等に配合剤若しくは添加剤として配合することができ、また、化粧料、皮膚外用剤、食品組成物等の有効成分としても使用することができる。
また、本発明は、上述したような、ABCA12遺伝子発現促進用組成物や組成物キット等を製造するために、成分(A)コメヌカ抽出物及び成分(B)チャ葉抽出物の組み合わせを使用することができる。
また、本発明に用いる成分(A)コメヌカ抽出物及び成分(B)チャ葉抽出物の組み合わせは、ABCA12遺伝子発現やABCA12産生の低下又は減少を起因とする様々な疾患又は症状を予防、改善及び/又は治療のために使用することができ、又は予防、改善及び/又は治療の方法のために、用いることができる。
また、本発明は、医薬品、医薬部外品、化粧料、皮膚外用剤、医薬組成物、食品組成物等を提供することもできる。また、本発明の組成物若しくは剤は、公知の製法によって得ることができる。
本発明が、例えば、化粧料、及び皮膚外用剤の場合には、前記成分(A)及び前記成分(B)の併用、これら成分を含む組成物若しくは剤は、例えば、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料、メーキャップ化粧料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の種々の形態の化粧料又は皮膚外用剤に配合することができるが、これらに限定されない。
本発明の化粧料及び皮膚外用剤等として、具体的には、例えば、水中油型乳化物、油中水型乳化物、乳液、クリーム、化粧水、パック化粧料、リキッドファンデーション、美容液、パック、オールインワンジェル、日焼け止め、洗浄料などの基礎化粧料;メイク下地、BBクリーム、ファンデーション、頬紅、口紅等のメイクアップ化粧料;養毛料、ヘアトニック、シャンプー、リンス等の頭髪用化粧料;分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等のいずれの形態であってもよい。肌のバリア機能向上又は改善、保湿効果等を期待するような、肌に使用する化粧料及び皮膚外用剤が好ましい。
本発明が、例えば、医薬品、及び医薬部外品の場合には、前記成分(A)及び前記成分(B)の併用、これら成分を含む組成物若しくは剤は、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、懸濁剤等の経口剤;外皮用剤、貼付剤、点眼剤、点鼻剤、口腔剤、坐剤等の外用剤;点滴剤、注射剤等の非経口剤に配合することできるが、これらに限定されない。
また、本発明が、例えば、食品組成物の場合には、前記成分(A)及び前記成分(B)の併用、これら成分を含む組成物若しくは剤は、例えば、清涼飲料水、茶系飲料、コーヒー飲料、果汁飲料、炭酸飲料、ゼリー状飲料、ニアウォーター等の飲料;ゼリー、ウエハース、ビスケット、パン、麺、ソーセージ等の飲食品や栄養食等の各種食品、及びそれらの原料が挙げられるが、これらに限定されない。また、当該食品組成物は、錠剤、カプセル、顆粒、粉末、液剤、シロップ等の経口投与製剤の形態を有するサプリメントであってもよい。また、当該食品組成物には、上述した肌のバリア機能向上又は改善、保湿効果等をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した機能性表示食品、特定保健用食品、サプリメント等が包含されうる。これらの食品は機能表示が許可された食品であるため、一般の食品と区別することができる。
また、本技術は、以下の構成を採用することも可能である。
・〔1〕 成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉抽出物を含有する、ABCA12産生促進用組成物。
・〔2〕 前記成分(A):前記成分(B)の含有質量比が、乾燥固形分換算において、3:1~1:3である、前記〔1〕に記載のABCA12産生促進用組成物。
・〔3〕 前記成分(A)及び前記成分(B)の合計含有量が、組成物中、乾燥固形分換算として、0.0004質量%以上である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のABCA12産生促進用組成物。
・〔4〕 前記成分(A)が、含水アルコール抽出物、及び/又は、前記成分(B)が、含水アルコール抽出物である、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一つに記載のABCA12産生促進用組成物。
・〔5〕 前記成分(A)が、アルコール濃度30~70%(V/V)の含水アルコール抽出物である、及び/又は、前記成分(B)が、アルコール濃度60%(V/V)以上の含水アルコール抽出物である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一つに記載のABCA12産生促進用組成物。
・〔6〕 成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉抽出物を含有する、肌のバリア機能向上又は改善用化粧料。好適には、当該肌のバリア機能の向上又は改善が、継続塗布による細胞間脂質の補充強化若しくは整列化による肌のバリア機能の向上又は改善である。好適には、当該肌のバリア機能の向上又は改善が、疲労又は加齢に伴う肌のバリア機能低下の抑制である。
・〔7〕 ABCA12産生促進用組成物、肌のバリア機能向上又は改善用の化粧料への成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉抽出物の使用。
・〔8〕 ABCA12産生促進に用いるための、肌のバリア機能向上又は改善に用いるための、成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉抽出物、又はこれらの使用。
・〔9〕成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉の抽出物、前記〔1〕~〔6〕のいずれか一つの組成物若しくは化粧料を用いる、ABCA12産生促進方法、又は、肌のバリア機能向上又は改善方法。
・〔10〕 前記成分(A):前記成分(B)の含有質量比が、乾燥固形分換算において、3:1~1:3である、前記〔6〕に記載の前記化粧料、前記〔7〕又は〔8〕に記載の成分(A)コメヌカ抽出物及び成分(B)チャ葉抽出物又はこれらの使用、前記〔9〕に記載の前記方法。
・〔11〕 前記成分(A)及び前記成分(B)の合計含有量が、組成物中、乾燥固形分換算として、0.0004質量%以上である、前記〔6〕に記載の前記化粧料、前記〔7〕又は〔8〕に記載の成分(A)コメヌカ抽出物及び成分(B)チャ葉抽出物又はこれらの使用、前記〔9〕に記載の前記方法。
・〔12〕 含水アルコール抽出物、及び/又は、前記成分(B)が、含水アルコール抽出物である、前記〔6〕に記載の前記化粧料、前記〔7〕又は〔8〕に記載の成分(A)コメヌカ抽出物及び成分(B)チャ葉抽出物又はこれらの使用、前記〔9〕に記載の前記方法。
・〔13〕 前記成分(A)が、アルコール濃度30~70%(V/V)の含水アルコール抽出物である、及び/又は、前記成分(B)が、アルコール濃度60%(V/V)以上の含水アルコール抽出物である、前記〔6〕に記載の前記化粧料、前記〔7〕又は〔8〕に記載の成分(A)コメヌカ抽出物及び成分(B)チャ葉抽出物又はこれらの使用、前記〔9〕に記載の前記方法。
以下、実施例等に基づいて本技術をさらに詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例等は、本技術の代表的な実施例等の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
〔製造例1:コメヌカ抽出物〕
イネ(紫黒米): Oryza sativa Linne(Gramineae)の種子から得た玄米のヌカ(果皮・種子・胚および澱粉層粉砕物)を50%1,3-ブチレングリコール水溶液(V/V:BG50:水50)にて、大気圧下、室温(10~30℃)、12時間程度、撹拌にて、抽出して、50%1,3-ブチレングリコール水溶液抽出のコメヌカ抽出物を得た。当該コメヌカ抽出物は、乾燥物換算(乾燥固形分換算ともいう)で、0.2質量%含有の50%BG水溶液に調製した。抽出原料のコメヌカは、未脱脂のものであり、玄米から得られたコメヌカ粉末を使用した。
〔製造例2:緑茶葉抽出物〕
収穫したチャノキ(Camellia sinensis)のチャ葉(生茶葉)は蒸し・乾燥・刻み・粉砕の工程を経て抹茶(緑茶葉:てん茶)となる。その抹茶を80%エタノール水溶液(V/V:EtOH80:水20)にて、大気圧下、加熱(40~80℃)、3時間程度にて、撹拌にて、抽出して、80%エタノール水溶液抽出のチャ葉抽出物を得た。当該緑茶葉抽出物を50%BGに置換したものを組成物の配合原料として使用した。当該緑茶葉抽出物は、乾燥物換算で、0.2質量%含有の50%BG水溶液に調製した。
<試験例:ABCA12遺伝子発現促進試験>
培地(HuMedia-KG2 (倉敷紡績株式会社))を入れた12well plateに、ヒト表皮角化細胞(NHEK細胞(normal human epidermal keratinocyte)from human neonatal foreskin)を播種し、48時間培養後、各試料を培地に添加し、6時間培養を行なった。その後、細胞からRNA抽出キット(QIAGEN社)を用いて抽出を行い、得られたRNAを鋳型にiScriptTM Advanced cDNA Synthesis Kit for RT-qPCR(BIO-RAD社)を用いてcDNAを合成した。なお、コントロール(比較対照)は、試料の溶媒と同等液を相当量用いた。このcDNAを用いて、定量PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)にて、遺伝子の発現量を測定した。定量PCR法にはSsoAdvanced Universal SYBR Green Supermix(BIO-RAD社)を用いた。内部標準としては、ハウスキーピング遺伝子であるGAPDHの発現量を定量し、GAPDHに対する相対発現量比を算出して、ABCA12遺伝子相対発現量比とした。各試料は、表1の濃度になるように培地に添加し、イオン交換水で適宜調整し、表1の「組成物中の含有量」とは、「培地中の含有量」のことである。
なお、3次元皮膚モデルを用いるABCA12産生促進の確認試験については、特開2012-183061号公報を参照してもよい。
今回、以下のプライマーを使用した。
ABCA12 F:aactattccc caccgcacag(配列番号1)
ABCA12 R:caaaggcagc ccaaaactcc(配列番号2)
GAPDH F:ctgacttcaa cagcgacacc(配列番号3)
GAPDH R:tgctgtagcca aattcgttg(配列番号4)
Figure 2023081471000001
製造例1の未脱脂コメヌカ抽出物、製造例2の緑茶葉抽出物が、表皮角化細胞(NHEK)のABCA12遺伝子発現促進に与える影響を解析した。
その結果(図1及び表1参照)から考察すると、コメヌカ抽出物及びチャ葉抽出物を組み合わせて添加すること(No.1-3~1-5の組成物)で、非常に優れたABCA12遺伝子発現促進効果が確認され(対コントロール)、これによりこれらの併用により非常に優れたABCA12産生促進があることが確認された。さらに、No.1-3~1-5の組成物から、コメヌカ抽出物とチャ葉抽出物との質量含有比(質量使用比)の1:3~3:1(乾燥固形分換算)の範囲内で、特に1:1(乾燥固形分換算)のときに最も非常に優れたABCA12産生促進があることが確認された。また、組成物中のコメヌカ抽出物及びチャ葉抽出物の各含有量は、乾燥固形分換算において、コメヌカ抽出物0.00025~0.00075%と、チャ葉抽出物0.00075~0.00025%が、効果の観点から、好適であった。なお、当該組成物は培地成分を添加せずに、コメヌカ抽出物及びチャ葉抽出物と水を含む化粧水のような本発明の実施例品として適用することも可能である。
このように、チャ葉抽出物及びコメヌカ抽出物を併用することにより、非常に優れたABCA12産生促進作用が発揮できると共に、ABCA12産生促進作用により、細胞間脂質の強化によりバリア機能が向上又は改善でき、これにより塗布終了後一定期間経過しても持続して肌の乾燥感を向上又は改善でき、カサカサ感やひび割れも改善できる。
なお、「肌の乾燥感」に関し、対象者の顔に、製品(例えば、以下の実施製品)を一定期間(例えば、1週間、ターンオーバー(約6週間)等;回数は毎日1日当たり1回等)使用し、使用完了後に、一定期間(例えば、2日間、3日間又は5日間)後に、特許第6936076公報に記載の「評価方法4:塗布3時間後の保湿の持続性」の評価方法((d)4段階評価基準及び(e)判定基準)を参考にして、肌の乾燥感、カサカサ感を評価することができる。例えば、特許第6936076号公報の評価方法の「塗布3時間後」を「使用完了後3日後」に置き換えることができる。特許第6936076号公報には「評価方法4:塗布3時間後の保湿の持続性」として、「各試料2gを専門パネル各人が、顔全体に手で塗布して馴染ませ、塗布3時間後の保湿感について下記(d)4段階評価基準を用いて20人の平均値として評価する。(d)4段階評価基準 評点:評価/4点:塗布3時間後の肌に、非常に保湿感がある。3点:塗布3時間後の肌に、保湿感がある。2点:塗布3時間後の肌に、あまり保湿感がない。1点:塗布3時間後の肌に、全く保湿感がない。(e)判定基準 評点の平均点:判定/3.25以上:◎/2.5以上3.25未満:○/1.75以上2.5未満:△/1.75未満:×。」が記載されている。
以下に、処方例として、実施例1~7の本発明品(組成物)について、以下に記載する。
〔処方例〕
[実施例1:化粧水]
(成分) (%)
1.グリセリン 5.0
2.1,3-ブチレングリコール 5.0
3.乳酸 0.05
4.乳酸ナトリウム 0.1
5.コメヌカ抽出物 (注1) 0.1
6.チャ葉抽出物 (注2) 0.1
7.ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 1.2
8.ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油 0.5
9.エタノール 8.0
10.リノール酸 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
12.香料 0.1
13.精製水 残量
(注1)製造例1のコメヌカ抽出物0.2%(乾燥固形分換算)含有BG水溶液を、0.1%配合し、乾燥固形分換算では、コメヌカ抽出物は、組成物中、0.0002%であった。
(注2)製造例2のチャ葉抽出物0.2%(乾燥固形分換算)含有BG水溶液を、0.1%配合し、乾燥固形分換算では、チャ葉抽出物は、組成物中、0.0002%であった。
た。
(製造方法)
A:成分(7)~(12)を混合溶解する。
B:成分(1)~(6)と(13)を混合溶解する。
C:前記BにAを加え混合し、化粧水を得た。
実施例1の化粧水の塗布により、対象者に対して非常に優れたABCA12産生促進作用が発揮できる。これにより、対象者に、持続的なバリア機能の向上又は改善が認められ、肌の乾燥感、カサカサ感やひび割れ等が低減できることを期待できる。
[実施例2:乳液]
(成分) (%)
1.モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 1.0
2.トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 0.5
3.グリセリルモノステアレート 1.0
4.ステアリン酸 0.5
5.ベヘニルアルコール 0.5
6.スクワラン 4.0
7.カルボキシビニルポリマー 0.1
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.水酸化ナトリウム 0.05
10.コメヌカ抽出物 (注1) 0.01
11.チャ葉抽出物 (注2) 0.03
12.精製水 残 量
13.エタノール 5.0
14.香料 0.05
(注1)製造例1のコメヌカ抽出物0.2%(乾燥固形分換算)含有BG水溶液を、0.01%配合し、乾燥固形分換算では、コメヌカ抽出物は、組成物中、0.00002%であった。
(注2)製造例2のチャ葉抽出物0.2%(乾燥固形分換算)含有BG水溶液を、0.03%配合し、乾燥固形分換算では、チャ葉抽出物は、組成物中、0.00006%であった。
(製造方法)
A:成分(1)~(6)を70℃で均一に混合する。
B:成分(7)~(12)を70℃で均一に混合する。
C:BにAを加えて乳化し、室温まで冷却する。
D:(13)~(14)を加えて均一に混合し、乳液を得た。
実施例2の乳液の塗布により、バリア機能が改善し、肌の乾燥感、カサカサ感やひび割れが低減した。
[実施例3:クリーム]
(成分) (%)
1.水素添加大豆リゾリン脂質 1.0
2.コレステロール複合化水素添加大豆リン脂質(注6) 1.0
3.スクワラン 5.0
4.重質流動イソパラフィン 2.0
5.ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 5.0
6.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 5.0
7.オレイン酸フィトステリル 1.0
8.シア脂 1.0
9.セラミド-2 0.01
10.セトステアリルアルコール 3.0
11.ベヘニルアルコール 2.0
12.ジプロピレングリコール 20.0
13.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.5
14.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
15.ポリオキシプロピレン(10P.O.)メチルグルコシド 5.0
16.ピロ亜硫酸ナトリウム 0.01
17.リン酸一水素ナトリウム 0.1
18.リン酸二水素ナトリウム 0.1
19.防腐剤 適量
20.アクリル酸/アクロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー 1
21.ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.1
22.コメヌカ抽出物 (注1) 0.3
23.チャ葉抽出物 (注2) 0.1
24.精製水 残量
(注1)製造例1のコメヌカ抽出物0.2%(乾燥固形分換算)含有BG水溶液を、0.3%配合し、乾燥固形分換算では、コメヌカ抽出物は、組成物中、0.0006%であった。
(注2)製造例2のチャ葉抽出物0.2%(乾燥固形分換算)含有BG水溶液を、0.1%配合し、乾燥固形分換算では、チャ葉抽出物は、組成物中、0.0002%であった。
(製造方法)
A:成分(1)~(14)を70℃で加熱溶解する。
B:成分(24)を70℃に加熱し、Aに添加し乳化する。
C:Bを冷却して、成分(15)~(23)を添加混合しクリームを得た。
実施例3のクリームの塗布により、対象者に対して非常に優れたABCA12産生促進作用が発揮できる。これにより、対象者に、持続的なバリア機能の向上又は改善が認められ、肌の乾燥感、カサカサ感やひび割れ等が低減できることを期待できる。
[実施例4:美容液]
(成分) (%)
1.リノール酸 0.1
2.セラミド3 0.1
3.トリエチルヘキサン酸グリセリル 3.0
4.セスキオレイン酸ソルビタン 1.5
5.ジメチルポリシロキサン 2.0
6.dl-α-トコフェロール 0.02
7.グリセリン 3.0
8.1,3-ブチレングリコール 5.0
9.1,2-ペンタンジオール 2.0
10.キサンタンガム 0.05
11.精製水 残量
12.リン酸 0.1
13.リン酸一水素ナトリウム 0.1
14.コメヌカ抽出物 (注1) 0.5
15.チャ葉抽出物 (注2) 0.25
16.カルボキシメチルセルロース 2.0
17.キサンタンガム 0.1
18.ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
19.エデト酸2ナトリウム 0.02
20.香料 0.5
(注1)製造例1のコメヌカ抽出物0.2%(乾燥固形分換算)含有BG水溶液を、0.5%配合し、乾燥固形分換算では、コメヌカ抽出物は、組成物中、0.001%であった。
(注2)製造例2のチャ葉抽出物0.2%(乾燥固形分換算)含有BG水溶液を、0.25%配合し、乾燥固形分換算では、チャ葉抽出物は、組成物中、0.0005%であった。
(製造方法)
A:成分(1)~(6)を70℃にて加熱溶解する。
B:成分(7)~(20)を70℃にて加熱後、前記Aを添加して乳化し室温まで冷却して、水中油型美容液を得た。
実施例4の美容液の塗布により、対象者に対して非常に優れたABCA12産生促進作用が発揮できる。これにより、対象者に、持続的なバリア機能の向上又は改善が認められ、肌の乾燥感、カサカサ感やひび割れ等が低減できることを期待できる。
[実施例5:リキッドファンデーション(水中油型クリーム状)]
(成分) (%)
1.1,3ブチレングリコール 5.0
2.水素添加大豆リン脂質 0.5
3.酸化チタン 5.0
4.ベンガラ 0.1
5.黄酸化鉄 1.0
6.黒酸化鉄 0.05
7.アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合 0.5
8.トリエタノールアミン 1.5
9.精製水 残 量
10.グリセリン 5.0
11.パラオキシ安息香酸エチル 0.1
12.コメヌカ抽出物 (注1) 0.025
13. チャ葉抽出物 (注2) 0.05
14.ステアリン酸 0.9
15.モノステアリン酸グリセリン 0.3
16.セトステアリルアルコール 0.4
17.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 0.2
18.トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 0.2
19.パラメトキシケイ皮酸2―エチルヘキシル 5.0
20.イソドデカン 2.0
21.アスタキサンチン5%溶液 0.04
22.テトラヘキシルデカン酸アスコルビル 0.05
23.α-トコフェノール 0.01
24.香料 0.02
(注1)製造例1のコメヌカ抽出物0.2%(乾燥固形分換算)含有BG水溶液を、0.025%配合し、乾燥固形分換算では、コメヌカ抽出物は、組成物中、0.00005%であった。
(注2)製造例2のチャ葉抽出物0.2%(乾燥固形分換算)含有BG水溶液を、0.05%配合し、乾燥固形分換算では、チャ葉抽出物は、組成物中、0.0001%であった。
(製造方法)
A:成分(1)~(6)を分散する。
B:Aに成分(7)~(13)を加え70℃で均一に混合する。
C:成分(14)~(23)を70℃で均一に混合する。
D:CにBを加え乳化し、室温まで冷却する。
E:Dに成分(24)を添加して水中油型クリーム状リキッドファンデーションを得た。
実施例5のリキッドファンデーション(水中油型クリーム状)の塗布により、対象者に対して非常に優れたABCA12産生促進作用が発揮できる。これにより、対象者に、持続的なバリア機能の向上又は改善が認められ、肌の乾燥感、カサカサ感やひび割れ等が低減できることを期待できる。
[実施例6:軟膏]
(成分) (%)
1.トリエタノールアミン 2.0
2.グリセリン 8.0
3.精製水 残量
4.コメヌカ抽出物 (注1) 0.2
5.チャ葉抽出物 (注2) 0.2
6.ジプロピレングリコール 1.0
7.セタノール 4.0
8.ワセリン 30.0
9.トコフェロール 0.01
10.ステアリン酸 18.0
11.セスキオレイン酸ソルビタン 1.5
(注1)製造例1のコメヌカ抽出物0.2%(乾燥固形分換算)含有BG水溶液を、0.2%配合し、乾燥固形分換算では、コメヌカ抽出物は、組成物中、0.0004%であった。
(注2)製造例2のチャ葉抽出物0.2%(乾燥固形分換算)含有BG水溶液を、0.2%配合し、乾燥固形分換算では、チャ葉抽出物は、組成物中、0.0004%であった。
(製造方法)
A.成分(7)~(11)を75℃で均一に溶解する。
B.成分(1)~(6)を75℃で均一に溶解する。
C.AにBを徐々に加え、75℃で乳化し、室温に冷却して軟膏を得た。
実施例6の軟膏の塗布により、対象者に対して非常に優れたABCA12産生促進作用が発揮できる。これにより、対象者に、持続的なバリア機能の向上又は改善が認められ、肌の乾燥感、カサカサ感やひび割れ等が低減できることを期待できる。
[実施例7:清涼飲料]
(成分) (%)
1.果糖ブドウ糖液糖 30.0
2.乳化剤 0.5
3.コメヌカ抽出物 (注1) 0.3
4.チャ葉抽出物 (注2) 0.1
5.香料 適量
6.精製水 残量
(注1)製造例1のコメヌカ抽出物0.2%(乾燥固形分換算)含有BG水溶液を、0.3%配合し、乾燥固形分換算では、コメヌカ抽出物は、組成物中、0.0006%であった。
(注2)製造例2のチャ葉抽出物0.2%(乾燥固形分換算)含有BG水溶液を、0.1%配合し、乾燥固形分換算では、チャ葉抽出物は、組成物中、0.0002%であった。
(製造方法)
A.成分(1)~(6)を均一に混合し、常法に従って清涼飲料を得た。
実施例7の清涼飲用の飲用により、対象者に対して非常に優れたABCA12産生促進作用が発揮できる。これにより、対象者に、持続的なバリア機能の向上又は改善が認められ、肌の乾燥感、カサカサ感やひび割れ等が低減できることを期待できる。斯様な効果(例えば、バリア機能向上、肌のカサカサ感の改善等)を期待するように、その旨表示した清涼飲料であってもよい。

Claims (7)

  1. 成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉抽出物を含有する、ABCA12産生促進用組成物。
  2. 前記成分(A):前記成分(B)の含有質量比が、乾燥固形分換算において、3:1~1:3である、請求項1に記載のABCA12産生促進用組成物。
  3. 前記成分(A)及び前記成分(B)の合計含有量が、組成物中、乾燥固形分換算として、0.0004質量%以上である、請求項1又は2に記載のABCA12産生促進用組成物。
  4. 前記成分(A)が、含水アルコール抽出物である、及び/又は、前記成分(B)が、含水アルコール抽出物である、請求項1~3のいずれか一項に記載のABCA12産生促進用組成物。
  5. 前記成分(A)が、アルコール濃度30~70%(V/V)の含水アルコール抽出物である、及び/又は、前記成分(B)が、アルコール濃度60%(V/V)以上の含水アルコール抽出物である、請求項1~4のいずれか一項に記載のABCA12産生促進用組成物。
  6. 成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉抽出物を含有する、肌のバリア機能向上又は改善用化粧料。
  7. 成分(A)コメヌカ抽出物、及び、成分(B)チャ葉抽出物を用いる、ABCA12産生促進方法、又は、肌のバリア機能向上又は改善方法。
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