JP2023079791A - 二次燃焼炉、二次燃焼炉の使用方法、二次燃焼方法 - Google Patents

二次燃焼炉、二次燃焼炉の使用方法、二次燃焼方法 Download PDF

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秀哲 安藤
Hideaki Ando
智也 稲垣
Tomoya Inagaki
博信 星野
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Abstract

【課題】一次燃焼炉から排出される可燃ガスを、二酸化炭素の発生量を抑制しつつ、安定した雰囲気で燃焼させることができる二次燃焼炉、二次燃焼炉の使用方法、二次燃焼方法を提供する。【解決手段】一次燃焼炉30からの可燃ガスを燃焼させる二次燃焼炉10は、炉室111を有する炉体11と、炉室111に可燃ガスを導入する導入路12と、バーナ13と、バーナ13に接続された燃料供給系14及び第1エア供給系15と、第1エア供給系15に接続された第1給気ファン151と、バーナ13への燃料供給を許容し、第1給気ファン151のエア出力を調節して、バーナ13の出力を制御する加熱モード、及び、バーナ13への燃料供給を規制し、第1給気ファン151によるエア出力を調節して、炉温を制御する第1冷却モードを有する制御装置17と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、一次燃焼炉から排出される可燃ガスを燃焼させる二次燃焼炉、二次燃焼炉の使用方法、二次燃焼方法に関する。
例えば、熱処理炉、焼鈍炉、回転炉、雰囲気炉、焼成炉、乾燥炉、燃焼炉等のような、被処理物を熱処理する炉は、多くの場合、炉からの排ガス中に、未燃焼の燃料ガスや、NO、SO等といった環境に負荷を及ぼすガスを含んでいる。このため、炉には、被処理物を熱処理する一次燃焼炉に加えて、一次燃焼炉の排ガスを熱処理して排ガス中の環境負荷ガスを熱分解等する二次燃焼炉を備えるものがある。
特許文献1~4に開示の二次燃焼炉は、炉内に設けられたバーナで燃料を燃焼させ、その燃焼熱で処理対象のガスを燃焼させて処理するもの、換言すると、バーナの火力で処理対象のガスを直接的に燃やして処理するものである。これらの二次燃焼炉は、バーナの火力で処理対象のガスを直接的に燃やすことから、バーナの火力を得るために大量の燃料が必要となり、さらに、バーナで燃料を燃焼させて生じた大量の二酸化炭素が排出されてしまう。
近時は、カーボンニュートラル等といった環境配慮への意識の高まりから、温室効果ガスである二酸化炭素の排出量が問題視されており、こうした二酸化炭素もまた環境負荷ガスに含まれる。このため、二次燃焼炉には、環境負荷ガスである二酸化炭素の排出を抑制可能なものが要請されている。
特許文献5に開示の二次燃焼炉は、炉内に設けられたバーナの送風量を調節し、処理対象のガスを炉内で旋回させて、そのガスの炉内における滞留時間を長く確保することにより、処理対象のガスを完全燃焼させて、処理するものである。この二次燃焼炉は、一次燃焼炉の温度が高まることで、バーナに吹き込む燃料を停止し、送風のみとすることもでき、バーナに吹き込む燃料を停止した分、二酸化炭素の排出を抑えることができる。
特開2000-213718号公報 特開2006-38278号公報 特開2019-211183号公報 特開2005-156022号公報 特開2018-185141号公報
一次燃焼炉から排気される排ガス中には、未燃焼の燃料ガス、被処理物に付着した潤滑剤等の油分が蒸発してなる蒸発ガス、一次燃焼炉に供給された酸化性ガスや還元性ガス等の雰囲気ガスなどが含まれる。これらガスは、水素、一酸化炭素、メタン、プロパン、ブタン等からなり、可燃ガスである。
二次燃焼炉で排ガスを燃焼処理する際、排ガスに含まれる可燃ガスは、燃焼熱を発生させることで炉内温度を上昇させてしまう。この可燃ガスの燃焼を制御することは困難であり、可燃ガスの導入量によっては、炉内温度が過剰に上昇して、二次燃焼炉の炉内雰囲気が不安定になる。その結果、排ガスの燃焼処理等に係る化学反応の進行に影響が及び、却って環境負荷ガスが生成される等の不具合が生じてしまう。
よって、二次燃焼炉には、環境負荷ガスである二酸化炭素の排出の抑制も然る事ながら、処理時における炉内雰囲気を安定的に保つことについても要請されている。
本発明は、このような従来技術が有していた問題点を解決しようとするものであり、一次燃焼炉から排出される可燃ガスを、二酸化炭素の発生量を抑制しつつ、安定した雰囲気で燃焼させることができる二次燃焼炉、二次燃焼炉の使用方法、二次燃焼方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するべく、請求項1に記載の発明は、一次燃焼炉から排出される可燃ガスを燃焼させる二次燃焼炉であって、
炉室が内部に設けられた炉体と、
前記炉体に接続されて前記炉室に前記可燃ガスを導入する導入路と、
前記炉体に取り付けられたバーナと、
前記バーナに接続された燃料供給系及び前記燃料供給系に接続されたバルブと、
前記バーナを介して前記炉体に接続された第1エア供給系及び前記第1エア供給系に接続された第1給気ファンと、
前記燃料供給系から前記バーナへの燃料供給を前記バルブで許容し、前記第1給気ファンによるエア出力を調節して、前記バーナの出力を制御する加熱モード、及び、前記燃料供給系から前記バーナへの燃料供給を前記バルブで規制し、前記第1給気ファンによるエア出力を調節して、前記炉室の温度を制御する第1冷却モードを有する制御装置と、を備えることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記炉体に接続された第2エア供給系及び前記エア供給系に接続された第2給気ファンと、を更に備え、
前記制御装置は、前記第1給気ファンによるエア出力を最大値に維持し、前記第2給気ファンによるエア出力を調節して、前記炉室の温度を制御する第2冷却モードを有する、ことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第2給気ファンは、前記第1給気ファンに比べて、風量が大きいことを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記炉体に接続された排気ダクト及び前記排気ダクトに取り付けられたダンパと、を更に備えることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の二次燃焼炉を用い、一次燃焼炉から排出される可燃ガスを燃焼させる二次燃焼炉の使用方法であって、
炉体に取り付けられたバーナに対し、前記バーナに接続された燃料供給系からの燃料供給を前記燃料供給系に接続されたバルブによって許容し、前記バーナに接続された第1エア供給系からのエア供給を前記第1エア供給系に接続された第1給気ファンによって行い、燃料とエアの混合気を前記バーナで燃焼させて、前記炉体の内部の炉室を、前記可燃ガスが自己着火する温度に昇温する昇温作業と、
前記昇温作業の後、前記バーナへの燃料供給を前記バルブで規制する燃料停止作業と、
前記燃料停止作業の後、昇温した前記炉室に前記可燃ガスを導入して、前記可燃ガスを自己着火により燃焼させる燃焼作業と、
前記燃焼作業において、前記可燃ガスの燃焼による前記炉室の温度上昇に基づき、前記第1給気ファンから前記第1エア供給系を介して前記炉室へエア供給を行い、前記炉室を冷却する第1冷却作業と、を備えることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項2乃至4のうち何れか一項に記載の二次燃焼炉を用い、一次燃焼炉から排出される可燃ガスを燃焼させる二次燃焼炉の使用方法であって、
炉体に取り付けられたバーナに対し、前記バーナに接続された燃料供給系からの燃料供給を前記燃料供給系に接続されたバルブによって許容し、前記バーナに接続された第1エア供給系からのエア供給を前記第1エア供給系に接続された第1給気ファンによって行い、燃料とエアの混合気を前記バーナで燃焼させて前記炉体の内部の炉室を、前記可燃ガスが自己着火する温度に昇温する昇温作業と、
前記昇温作業の後、前記バーナへの燃料供給を前記バルブで規制する燃料停止作業と、
前記燃料停止作業の後、昇温した前記炉室に前記可燃ガスを導入して、前記可燃ガスを自己着火により燃焼させる燃焼作業と、
前記燃焼作業において、前記可燃ガスの燃焼による前記炉室の温度上昇に基づき、前記第1給気ファンから前記第1エア供給系を介して前記炉室へエア供給を行い、前記炉室を冷却する第1冷却作業と、
前記第1冷却作業において、前記第1給気ファンによるエア出力が100%の場合に、第2給気ファンから第2エア供給系を介して前記炉室へエア供給を行い、前記炉室を冷却する第2冷却作業と、を備えることを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の発明において、前記昇温作業において、前記バーナで前記混合気を燃焼させて前記炉室に放出される排ガスの空気過剰率(λ)が1.1以上1.43以下(1.1≦λ≦1.43)であることを要旨とする。
請求項8に記載の発明は、炉室が内部に設けられた炉体と、前記炉体に接続されて前記炉室に前記可燃ガスを導入する導入路と、前記炉体に取り付けられたバーナと、前記バーナに接続された燃料供給系と、前記バーナを介して前記炉体に接続された第1エア供給系と、前記炉体に接続された第2エア供給系と、を備える二次燃焼炉を用い、一次燃焼炉から排出される可燃ガスを燃焼させる二次燃焼方法であって、
前記バーナに対し、前記燃料供給系から燃料を供給し、前記第1エア供給系からエアを供給して、前記燃料と前記エアの混合気を前記バーナで燃焼させ、前記炉室の温度を前記可燃ガスが自己着火する温度に昇温し、その後、前記バーナへの前記燃料の供給を停止する昇温工程と、
前記昇温工程の後、昇温された前記炉室に前記導入路から前記可燃ガスを導入して、前記炉室で前記可燃ガスを自己着火により燃焼させる燃焼工程と、
前記燃焼工程において、前記可燃ガスの燃焼によって前記炉室の温度が上昇する場合に、前記第1エア供給系を介して前記炉室へエア供給を行う第1冷却作業、又は、前記第1冷却作業と並行して前記第2エア供給系を介して前記炉室へエア供給を行う第2冷却作業、の何れかの作業を実行して前記炉室を冷却する冷却工程と、を備える、ことを要旨とする。
本発明によれば、一次燃焼炉から排出される可燃ガスを、二酸化炭素の発生量を抑制しつつ、安定した雰囲気で燃焼させることができる二次燃焼炉、二次燃焼炉の使用方法、二次燃焼方法を提供することができる。
実施形態の二次燃焼炉の一例を示す概略説明図。 実施形態の二次燃焼方法の一例を示すフローチャート。 二次燃焼方法における昇温工程の一例を示すフローチャート。 二次燃焼方法における冷却工程の一例を示すフローチャート。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
[1]二次燃焼炉
本発明の二次燃焼炉は、一次燃焼炉から排出される可燃ガスを燃焼させる二次燃焼炉であって、
炉室が内部に設けられた炉体と、
前記炉体に接続されて前記炉室に前記可燃ガスを導入する導入路と、
前記炉体に取り付けられたバーナと、
前記バーナに接続された燃料供給系及び前記燃料供給系に接続されたバルブと、
前記バーナを介して前記炉体に接続された第1エア供給系及び前記第1エア供給系に接続された第1給気ファンと、
前記燃料供給系から前記バーナへの燃料供給を前記バルブで許容し、前記第1給気ファンによるエア出力を調節して、前記バーナの出力を制御する加熱モード、及び、前記燃料供給系から前記バーナへの燃料供給を前記バルブで規制し、前記第1給気ファンによるエア出力を調節して、前記炉室の温度を制御する第1冷却モードを有する制御装置と、を備えることを特徴とする。
また、二次燃焼炉は、前記炉体に接続された第2エア供給系及び前記エア供給系に接続された第2給気ファンと、を更に備え、
前記制御装置は、前記第1給気ファンによるエア出力を最大値に維持し、前記第2給気ファンによるエア出力を調節して、前記炉室の温度を制御する第2冷却モードを有する、ものとすることができる。
具体的に、二次燃焼炉10は、図1に示すように、一次燃焼炉30から排出される可燃ガスを燃焼させるためのものであり、炉室111が内部に設けられた炉体11と、炉体11に接続された導入路12と、炉体11に取り付けられたバーナ13と、を備えている。
バーナ13には、燃料供給系14が接続されている。この燃料供給系14には、バルブとして、流量調整弁141と電磁弁142が接続されている。
炉体11には、バーナ13を介して、第1エア供給系15が接続されている。この第1エア供給系15には、第1給気ファン151と、バルブとして、第1流量制御弁152とが接続されている。
また、炉体11には、第2エア供給系16を接続することができる。この第2エア供給系16には、第2給気ファン161と、バルブとして、第2流量制御弁162が接続されている。
二次燃焼炉10は、制御装置17を備えている。この制御装置17は、上述の流量調整弁141、第1流量制御弁152、及び第2流量制御弁162と、電気的に接続されている。
(1)炉体
炉体11は、一次燃焼炉30から排出される排ガスを燃焼処理するためのものであって、その排ガスに含まれる可燃ガスを燃焼させるものである。
炉体11は、二次燃焼に係る処理に適用可能であれば、構成、使用材料、形状、大きさ、炉内容積等は、特に問わない。
具体的に、炉体11は、図1に示すように、中空の箱状に形成されており、内部には、炉室111が設けられている。
炉体11には、一次燃焼炉30から排出される排ガスを炉室111に導入するための導入路12が接続されている。導入路12は、管状に形成されており、その内部が炉室111と連通されている。
炉体11には、バーナ13を取り付けるためのホルダー112を設けることができる。ホルダー112は、中空状に形成されており、その内部が炉室111と連通されている。
導入路12は、ガス導入系121を介することで、一次燃焼炉30の排気部31と接続することができる。
一次燃焼炉30の排気部31は、一次燃焼炉30で被処理物Wを熱処理した際に発生した排ガスを、一次燃焼炉30の炉外に排気するためのものである。
この排気部31から排出された排ガスは、ガス導入系121を介することにより、導入路12へと送り出されて、導入路12から炉室111へ導入することができる。
ガス導入系121には、炉圧制御弁122を接続することができる。
炉圧制御弁122は、ガス導入系121を介して導入路12へ送り出される排ガスの量を調節することにより、一次燃焼炉30の炉圧を制御する目的を有している。
即ち、一次燃焼炉30は、排ガスが過大に排出されて炉内が負圧になると、その炉内に大気が流入する等して、炉内の雰囲気が維持できなくなる、炉内で異常燃焼が発生する等の不具合を生じる場合がある。
炉圧制御弁122は、一次燃焼炉30からガス導入系121を介して導入路12へ送り出される排ガスの量を調節し、一次燃焼炉30の炉圧を制御することにより、一次燃焼炉30の炉内が負圧になることを抑制することができる。
炉体11には、炉室111の気体を排気するための排気ダクト113を接続することができる。排気ダクト113は、管状に形成されており、その内部が炉室111と連通されている。
排気ダクト113の内部には、排気ダクト113を開閉するためのダンパ114を取り付けることができる。
ダンパ114は、排気ダクト113を介した炉室111の気体(排ガス)の炉外への排気量を調節して、炉室111の炉圧が負圧にならない程度に、その炉圧を調整する目的を有している。
具体的に、ダンパ114は、通常時には排気ダクト113を僅かに開放し、炉圧が過大時には排気ダクト113を大きく開放する。
即ち、ダンパ114は、炉室111の炉圧を調整するものであり、所謂、逃し弁(リリーフ弁)のように、炉圧が負圧にならない程度に炉室111の圧力を炉外へ逃がす機能を有する。
ダンパ114は、炉室111の炉圧の調整が可能であれば、手動式、電動式等の作動方式について特に限定されず、また、風量調節ダンパ(VD)、モータダンパ(MD)、空気圧に応じて操作される空気作動ダンパ(AD)等の種類について、特に限定されない。
(2)バーナ
バーナ13は、炉体11に設けられたホルダー112に対し、炉体11の外部から挿入されるようにして、取り付けられている。
バーナ13は、炉室111を昇温するためのものであり、かつ、炉室111にエア供給をするためのものである。
即ち、バーナ13は、燃料とエア(空気)の混合気を燃焼させ、その燃焼で生じた高温の燃焼ガスを炉室111に噴き出すことで、炉室111を昇温することができる。
また、バーナ13は、燃料を供給せずに、エアのみを供給することで、所謂、ノズルのように用いることができ、供給されたエアを炉室111に噴き出すことで、炉室111にエア供給をすることができる。
バーナ13は、燃焼ガス、エア等の気体を炉室111に噴き出すことが可能であれば、種類、構成等について特に問わない。通常、バーナ13には、燃焼バーナを用いることができる。
(3)燃料供給系
燃料供給系14は、バーナ13に燃料を供給するためのものであり、バーナ13に接続されている。
燃料は、炉室111の温度(以下、「炉温」ともいう)を二次燃焼に係る処理に適した温度にすることが可能であれば、液体、気体等の物質の状態や、種類などについて、特に限定されない。
燃料の具体例として、灯油、重油等の液体燃料、都市ガス、LPガス、メタンガス等の気体燃料(燃料ガス)などを挙げることができる。これらの中でも、取り扱いやすく、燃焼時の熱量が好適であるという観点から、都市ガス、LPガス、メタンガス等の燃料ガスが好ましい。
燃料供給系14には、バーナ13(炉体11)に接続された側を下流側とし、その反対側を上流側として、上流側から順番に、流量調整弁141、及び電磁弁142が接続されている。
流量調整弁141は、燃料供給系14における燃料の流量(m/min)を調整することにより、バーナ13で燃焼される混合気について燃料とエアとの混合比率を制御する目的を有している。
流量調整弁141によって制御される混合比率は、使用する燃料に応じた値とされ、特に限定されない。例えば、この混合比率を、混合気の燃焼による燃焼ガスの空気過剰率(λ)で示した場合、空気過剰率(λ)は、好ましくは1.1以上1.43以下(1.1≦λ≦1.43)である。
ここで、空気過剰率(λ)は、燃料に対し、理論量の何倍のエア(空気)が供給されたかを表す値である。つまり、所定の流量(m/min)で供給される燃料とエアについて、その流量(m/min)の燃料を理論上で燃焼させるのに必要な最少のエアの流量をL(m/min)とし、実際に供給されるエアの流量をL(m/min)とした場合、λ=L/Lの計算式から算出される値である。
具体的に、流量調整弁141は、第1給気ファン151によるエア出力、換言すると第1流量制御弁152によって制御される第1エア供給系15におけるエアの流量に基づいて、空気過剰率(λ)が1.1以上1.43以下となるように、燃料の流量を調整する。
空気過剰率(λ)が低すぎる、つまり混合気が濃い(リッチ)と、未燃焼のガス(以下、「未燃ガス」とも記載する)が発生しやすく、炉室111で可燃ガスを燃焼させて尚、未燃ガスを燃やしきることができず、未燃ガスが炉外へ排出される等の不具合が生じる場合がある。
空気過剰率(λ)が高すぎる、つまり混合気が薄い(リーン)と、炉室111における可燃ガスの燃焼時の熱損失が増すことで、炉室111の炉温の維持が難しくなる場合がある。
また、流量調整弁141は、燃料供給系14における燃料の流量を増減させることにより、炉室111の昇温時におけるバーナ13の出力(火力)を調節する目的を有している。即ち、流量調整弁141は、制御装置17で設定された空気過剰率(λ)を維持しながら、燃料供給系14における燃料の流量を増減させることにより、バーナ13の火力の強弱を調節することができる。
電磁弁142は、燃料供給系14によるバーナ13への燃料供給を許容又は規制するためのものである。即ち、電磁弁142は、バーナ13による炉室111の昇温時には燃料供給系14を開放し、バーナ13を介した炉室111へのエア供給時には燃料供給系14を閉塞する、という目的を有している。
流量調整弁141、及び電磁弁142に使用されるバルブの種類等については、それぞれの目的に応じたものを選択することができ、特に限定されない。
例えば、流量調整弁141、及び電磁弁142には、応答性と制御の観点から、好ましくは電空式バルブや電磁式バルブを使用することができる。
(4)エア供給系
第1エア供給系15は、バーナ13に燃焼のためのエアを供給する目的と、バーナ13を介して炉室111にエアを供給する目的とを有している。
第1エア供給系15は、バーナ13に接続されており、このバーナ13を介して炉体11に接続されている。
即ち、第1エア供給系15は、燃料が供給されているバーナ13へ、燃料の燃焼のためのエア供給を行う目的を有している。
加えて、第1エア供給系15は、バーナ13を介して炉室111にエア供給を行うことにより、炉室111を冷却する目的を有している。
第1エア供給系15には、バーナ13(炉体11)に接続された側を下流側とし、その反対側を上流側として、上流側から順番に、第1給気ファン151、及びバルブとして第1流量制御弁152が接続されている。
第1給気ファン151は、炉体11の外部からエア(空気)を取り込み、その取り込んだエア(空気)を、第1エア供給系15を介して炉室111に送り出すためのものである。
第1給気ファン151に使用されるファンの種類等は、エア(空気)を炉室111に送り出すことが可能であれば、特に限定されない。ファンの種類等として、例えば、軸流ファン、二重反転ファン、遠心ファン、シロッコファン等を挙げることができる。これらの中でも軸流ファン、二重反転ファンは、エア(空気)を炉室111に送り出す風量が高く、好ましい。
第1給気ファン151は、炉体11の外部からエア(空気)を取り込む。このため、第1給気ファン151から炉室111に送り出されるエア(空気)は、その温度が炉温よりも低く、炉室111を冷却することができる。
第1流量制御弁152は、第1エア供給系15におけるエアの流量を制御することにより、第1給気ファン151が第1エア供給系15を介してエア(空気)を炉室111に送り出す際のエア出力を調節する目的を有している。
即ち、第1流量制御弁152は、第1エア供給系15におけるエアの流量(m/min)を増減させるように、制御装置17によって制御されている。
第1エア供給系15におけるエアの流量(m/min)を増した場合、第1給気ファン151から炉室111へ送り出すエアの量が増加するため、第1給気ファン151によるエア出力が上昇する。また、第1エア供給系15におけるエアの流量(m/min)を減らした場合、第1給気ファン151から炉室111へ送り出すエアの量が減少するため、第1給気ファン151によるエア出力が下降する。
第1流量制御弁152は、制御弁の固有流量特性としてリニア特性を有するものが好ましく、この場合、エア出力は、バルブの開度に相当する。
第1流量制御弁152による第1給気ファン151のエア出力の調節幅について、下限値は、第1流量制御弁152が全閉の状態の0%であり、上限値は、第1流量制御弁152が全開の状態の100%である。
また、エア出力は、0%~100%の範囲で、リニア(直線状)に増減させることができる。
また、第1流量制御弁152は、炉室111の昇温時において、バーナ13の火力を調節する目的も有している。
即ち、第1流量制御弁152は、第1給気ファン151によるエア出力(第1エア供給系15におけるエアの流量)を増減させることで、バーナ13の火力の強弱を調節する目的を有している。
なお、上述したように、混合気における燃料とエアとの混合比率(空気過剰率(λ))の調節は、燃料供給系14に接続された流量調整弁141によって行われる。
つまり、制御装置17は、第1流量制御弁152によって制御されたエアの流量に基づき、空気過剰率(λ)が1.1以上1.43以下となるように、燃料供給系14における燃料の流量を流量調整弁141によって調整している。
第1流量制御弁152に使用されるバルブの種類等については、それぞれの目的に応じたものを選択することができ、特に限定されない。
例えば、第1流量制御弁152には、応答性と制御の観点から、好ましくは電空式バルブや電磁式バルブを使用することができる。
第2エア供給系16は、炉体11に設けられたホルダー112に接続されている。
第2エア供給系16は、炉室111の冷却のための第1エア供給系15からのエア供給に加え、炉室111にさらなるエア供給を行って炉室111を冷却する目的を有している。
即ち、第2エア供給系16は、第1エア供給系15からのエア供給のみでは炉室111の冷却に不十分な場合に、炉体11のホルダー112を介して炉室111にエア供給を行うことにより、炉室111を好適に冷却するためのものである。
第2エア供給系16には、ホルダー112(炉体11)に接続された側を下流側とし、その反対側を上流側として、上流側から順番に、第2給気ファン161、及びバルブとして第2流量制御弁162が接続されている。
第2給気ファン161は、炉体11の外部からエア(空気)を取り込み、その取り込んだエア(空気)を、第2エア供給系16を介して炉室111に送り出すためのものである。
第2給気ファン161に使用されるファンの種類等は、エア(空気)を炉室111に送り出すことが可能であれば、特に限定されない。ファンの種類等として、例えば、軸流ファン、二重反転ファン、遠心ファン、シロッコファン等を挙げることができる。これらの中でも軸流ファン、二重反転ファンは、エア(空気)を炉室111に送り出す風量が高く、好ましい。
第2給気ファン161は、炉体11の外部からエア(空気)を取り込む。このため、第2給気ファン161から炉室111に送り出されるエア(空気)は、その温度が炉温よりも低く、炉室111を冷却することができる。
第2給気ファン161は、第1給気ファン151に比べて、風量が大きいものを使用することができる。
即ち、第2給気ファン161は、炉室111の冷却時において、第1給気ファン151によるエア供給の過不足分を補う目的で、その過不足分を十分に補うことができるように、第1給気ファン151よりも風量が大きいものを使用することが好ましい。
第1給気ファン151の風量と第2給気ファン161の風量は、炉室111で燃焼される可燃ガスの量に応じて設定することができ、特に限定されない。
第1給気ファン151の風量をAf(m/min)とし、第2給気ファン161の風量をAf(m/min)とした場合、Afは、Afの3倍以上35倍以下が好ましく(3≦(Af/Af)≦35)、4倍以上20倍以下がより好ましく(4≦(Af/Af)≦20)、6倍以上10倍以下がさらに好ましい(6≦(Af/Af)≦10)。
第2流量制御弁162は、第2エア供給系16におけるエアの流量を制御することにより、第2給気ファン161が第2エア供給系16を介してエア(空気)を炉室111に送り出す際のエア出力を調節する目的を有している。
即ち、第2流量制御弁162は、第2エア供給系16におけるエアの流量(m/min)を増減させるように、制御装置17によって制御されている。
第2エア供給系16におけるエアの流量(m/min)を増した場合、第2給気ファン161から炉室111へ送り出すエアの量が増加するため、第2給気ファン161によるエア出力が上昇する。また、第2エア供給系16におけるエアの流量(m/min)を減らした場合、第2給気ファン161から炉室111へ送り出すエアの量が減少するため、第2給気ファン161によるエア出力が下降する。
第2給気ファン161によるエア出力の調節は、炉室111を好適に冷却し、また過剰な冷却を抑制するべく、第1給気ファン151のエア出力と炉室111の炉温に応じて適宜行われる。
即ち、炉室111の冷却に関し、第2エア供給系16からのエア供給は、第1エア供給系15からのエア供給の過不足分を補う目的を有する。このため、第2給気ファン161のエア出力の調節は、第1給気ファン151のエア出力が100%の状態で行うことが好ましい。
第2流量制御弁162は、制御弁の固有流量特性としてリニア特性を有するものが好ましく、この場合、エア出力は、バルブの開度に相当する。
第2流量制御弁162による第2給気ファン161のエア出力の調節幅について、下限値は、第2流量制御弁162が全閉の状態の0%であり、上限値は、第2流量制御弁162が全開の状態の100%である。
また、エア出力は、0%~100%の範囲で、リニアに増減させることができる。
第2流量制御弁162に使用されるバルブの種類等については、その目的に応じたものを選択することができ、特に限定されない。例えば、第2流量制御弁162には、応答性と制御の観点から、好ましくは電空式バルブや電磁式バルブを使用することができる。
(5)制御装置
制御装置17は、二次燃焼処理時における炉室111の雰囲気を制御する目的で設けられたものである。
制御装置17は、流量調整弁141、第1流量制御弁152、第2流量制御弁162等と電気的に接続されている。
また、炉体11には、炉室111の炉温を測定する熱電対171が取り付けられており、この熱電対171は、制御装置17と電気的に接続されている。
制御装置17は、所謂、電子計算機によって構成されており、炉室111の雰囲気の制御に係るプログラム等が格納されて、さらに炉室111の炉温(T)に係る設定温度としてその下限値(A℃)と上限値(B℃)が登録されている。
また、制御装置17は、熱電対171によって測定された炉温を検出することにより、炉温をモニター(監視)する機能を備えている。
制御装置17は、格納されたプログラム等に従い、燃料とエアとの混合比率(空気過剰率(λ))を制御し、かつバーナ13の出力(火力)を調節する加熱モードと、炉室111の温度を制御する第1冷却モード及び第2冷却モードと、を有する。
各モードは、主として、登録された設定温度に基づき、炉温の変化等に応じて、何れか1つのモードが選択、実行され、各モードに従って流量調整弁141、第1流量制御弁152、第2流量制御弁162等が制御される。
具体的に、加熱モードは、バーナ13による炉室111の昇温時、つまり炉室111の炉温が設定温度の下限値よりも低い場合に選択、実行される。
制御装置17は、炉温(T)が、設定温度の下限値(A℃)以上となる(T≧A)まで、加熱モードとされる。
加熱モードの制御装置17は、燃料供給系14からバーナ13への燃料供給を、電磁弁142を操作する等して許容する。
また、加熱モードの制御装置17は、エア(空気)に対する燃料の混合比率(空気過剰率(λ))を制御する。
この制御は、第1流量制御弁152によって制御された第1エア供給系15におけるエアの流量(第1給気ファン151のエア出力)に基づき、燃料供給系14における燃料の流量を、流量調整弁141によって調整することにより行われる。
さらに、加熱モードの制御装置17は、バーナ13の出力(火力)を調節する。
この調節は、第1エア供給系15におけるエアの流量(第1給気ファン151のエア出力)を第1流量制御弁152によって増減させ、その増減に応じた混合比率(空気過剰率(λ))となるように、燃料供給系14における燃料の流量を、流量調整弁141によって増減させることにより行われる。
第1冷却モードは、炉室111で可燃ガスを燃焼させる際の炉温の上昇時、具体的には、炉室111の炉温(T)が設定温度の上限値(B℃)を超える(T>B)場合に選択、実行される。
制御装置17は、炉温(T)が、設定温度の上限値(B℃)以下となる(T≦B)まで、第1冷却モードとされる。
第1冷却モードの制御装置17は、燃料供給系14からバーナ13への燃料供給を、電磁弁142を操作する等して停止する。
また、第1冷却モードの制御装置17は、第1エア供給系15から炉室111へのバーナ13を介したエア供給により、炉室111を冷却して炉温を制御する。
この制御は、第1エア供給系15におけるエアの流量(第1給気ファン151のエア出力)を、第1流量制御弁152によって増減させることにより行われる。
第2冷却モードは、第1冷却モードによる炉室111の冷却時において、第1給気ファン151によるエア出力を最大値(100%)としても、炉温が上昇する場合に選択、実行される。
制御装置17は、炉温(T)が、設定温度の上限値(B℃)以下となる(T≦B)まで、第2冷却モードとされる。
第2冷却モードの制御装置17は、第1冷却モードと同じく、燃料供給系14からバーナ13への燃料供給を、電磁弁142を操作する等して停止する。
また、第2冷却モードの制御装置17は、第1エア供給系15及び第2エア供給系16から炉室111へのエア供給により、炉室111を冷却して炉温を制御する。
この制御は、第1給気ファン151によるエア出力を最大値(100%)に維持し、第2エア供給系16におけるエアの流量(第2給気ファン161のエア出力)を、第2流量制御弁162によって増減させることにより行われる。
(6)一次燃焼炉及び被処理物
一次燃焼炉30は、被処理物Wを熱処理する炉であって、その被処理物Wの熱処理において、二次燃焼炉10で燃焼される可燃ガスを発生させるものである。
この一次燃焼炉30は、被処理物Wを炉内で熱処理するための、バーナ、ヒータ等の熱源32と、可燃ガスを含む排ガスを炉内から排気するための排気部31と、を備えている。
一次燃焼炉30は、被処理物Wを熱処理する炉であり、その熱処理において排気される排ガス中に可燃ガスを含むものであれば、特に限定されない。一次燃焼炉30の具体例としては、熱処理炉、焼鈍炉、回転炉、雰囲気炉、焼成炉、乾燥炉、燃焼炉等が挙げられる。
被処理物Wは、上述の炉を使用して熱処理されるものであれば、特に限定されない。
被処理物Wとして、例えば、金属、ガラス、セラミックス等を材料に用いた製品や部品、プラスチックごみ、可燃ゴミ等の可燃物などが挙げられる。
上述した被処理物Wの中でも、金属製品や金属部品、特に線材、管材、柱材等の金属製品や金属部品は、多くの場合、潤滑剤等の油分が表面に付着している。この油分は、有機化合物を含んでおり、一次燃焼炉30の熱処理で蒸発して可燃ガスを発生させるため、油分が表面に付着した金属製品や金属部品は、被処理物Wとして好ましい。
ここで、潤滑剤等の油分は、有機化合物を含有するものであれば、種類、組成、用途、形態等は、特に限定されず、例えば、被処理物の表面に付着させて使用する粉状の固形潤滑剤、被処理物を浸漬させたり、被処理物の表面に塗工したりして使用する液状の液体潤滑剤を挙げることができる。
有機化合物は、種類、組成等について、特に限定されない。この有機化合物としては、例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エノール基などの官能基を有する化合物を挙げることができる。
上述の油分として、例えば、有機化合物として、ステアリン酸系化合物又はエステル系化合物を含有する潤滑剤を挙げることができる。
ステアリン酸系化合物は、分子中にカルボン酸骨格(-COOH)を有するステアリン酸からなる化合物である。エステル系化合物は、分子中にエステル結合(R-COO-R’)を有する化合物である。
上述の有機化合物の具体例としては、ステアリン酸、ラウリン酸、リシノール酸、オクチル酸などの脂肪酸と、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛などの金属とからなる金属石鹸、より具体的にステアリン酸カルシウムやステアリン酸ナトリウムを挙げることができる。
上述の有機化合物を含有する潤滑剤は、例えば、熱処理時の炉温が350℃を超え1000℃以下となる高温度環境下において、有機化合物が熱分解したり、変成したりすることにより、一酸化炭素(CO)、水素(H)等の可燃ガスを発生させる。
(7)可燃ガスとその燃焼
可燃ガスは、被処理物Wを熱処理する一次燃焼炉30から排出されて、二次燃焼炉10に導入される排ガスに含まれるものである。
可燃ガスの種類等については、特に限定されない。可燃ガスとして、例えば、上述のように被処理物Wに付着した油分の蒸発ガス、一次燃焼炉30で使用された燃料ガスによる未燃焼ガス、一次燃焼炉30で使用された酸化性ガス、還元性ガス、脱炭性ガス、浸炭性ガス等の雰囲気ガス、一次燃焼炉30の熱処理時に被処理物Wから生じたガスなどが挙げられる。
可燃ガスの具体例としては、水素(H)ガス、一酸化炭素(CO)ガス、メタン(CH)ガス、プロパン(C)ガス、ブタン(C10)ガス等が挙げられる。
可燃ガスは、酸素が十分に存在する雰囲気下で高温に達すると、例えば、燃料の燃焼等による火源を必要とすることなく、自然に着火して燃焼するという、自己着火性を有している。
上記の二次燃焼炉10は、一次燃焼炉30から導入された排ガスに含まれる可燃ガスを利用し、その可燃ガスを高温度とした炉室111で自己着火により燃焼させることにより、燃焼処理に必要な熱量を得ている。
つまり、二次燃焼炉10は、一次燃焼炉30から排出された可燃ガスの自己着火による燃焼を利用して燃焼処理を実行するものであり、可燃ガス(排ガス)の燃焼中はバーナ13への燃料の供給を実質的に停止している。
このため、二次燃焼炉10は、燃焼に要する燃料の使用量を減らすことができ、その結果、燃料の燃焼による二酸化炭素の発生を抑制することができる。
二次燃焼炉10は、可燃ガスの自己着火による燃焼で炉室111の炉温が上昇する場合も、第1エア供給系15や第2エア供給系16からのエア供給によって炉室111を冷却することにより、その炉温の制御を可能としたものである。
つまり、二次燃焼炉10は、可燃ガスの自己着火による燃焼で燃焼処理に必要な熱量を得るものであるが、可燃ガスの燃焼による炉温の上昇が著しい場合も、第1エア供給系15や第2エア供給系16からのエア供給によって炉室111を冷却することができる。
このため、二次燃焼炉10は、燃焼処理に必要な熱量を可燃ガスの自己着火による燃焼で得るとともに、炉室111の冷却による炉温の制御が可能であり、炉室111を安定した雰囲気に維持しながら燃焼処理を実行することができる。
なお、第1エア供給系15や第2エア供給系16によるエア供給は、炉室111を冷却する目的に加え、可燃ガスの燃焼に必要とされる酸素を炉室111に供給することで、炉室111の酸素濃度を好適に維持する目的を有している。
即ち、第1エア供給系15や第2エア供給系16から炉室111に供給されるエア(空気)は、炉体11の外部において第1給気ファン151や第2給気ファン161により取り込まれたもの、つまり「外気」である。よって、第1エア供給系15や第2エア供給系16によるエア供給は、炉室111に酸素を供給し、炉室111の酸素濃度を安定化させるため、酸素濃度の急激な変化による可燃ガスの爆発的な燃焼を防止することができる。
上述した制御装置17における炉温(T)の設定温度について、下限値(A℃)は、可燃ガスが自己着火する温度以上とすることが好ましく、具体的に、好ましくは600℃以上(T≧600)、より好ましくは650℃以上(T≧650)、さらに好ましくは700℃以上(T≧700)である。
また、炉温(T)の設定温度の上限値(B℃)は、炉室111を安定な雰囲気にする観点から、好ましくは900℃以下(T≦900)、より好ましくは850℃以下(T≦850)、さらに好ましくは800℃以下(T≦800)である。
[2]二次燃焼炉の使用方法
本発明の二次燃焼炉の使用方法は、上記の二次燃焼炉を用い、一次燃焼炉から排出される可燃ガスを燃焼させる二次燃焼炉の使用方法であって、
炉体に取り付けられたバーナに対し、前記バーナに接続された燃料供給系からの燃料供給を前記燃料供給系に接続されたバルブによって許容し、前記バーナに接続された第1エア供給系からのエア供給を前記第1エア供給系に接続された第1給気ファンによって行い、燃料とエアの混合気を前記バーナで燃焼させて、前記炉体の内部の炉室を、前記可燃ガスが自己着火する温度に昇温する昇温作業と、
前記昇温作業の後、前記バーナへの燃料供給を前記バルブで規制する燃料停止作業と、
前記燃料停止作業の後、昇温した前記炉室に前記可燃ガスを導入して、前記可燃ガスを自己着火により燃焼させる燃焼作業と、
前記燃焼作業において、前記可燃ガスの燃焼による前記炉室の温度上昇に基づき、前記第1給気ファンから前記第1エア供給系を介して前記炉室へエア供給を行い、前記炉室を冷却する第1冷却作業と、を備えることを特徴とする。
さらに、上記の各作業に加え、前記第1冷却作業において、前記第1給気ファンによるエア出力が100%の場合に、第2給気ファンから第2エア供給系を介して前記炉室へエア供給を行い、前記炉室を冷却する第2冷却作業を備えることもできる。
(1)昇温作業
昇温作業は、二次燃焼炉10の炉体11の炉室111を、一次燃焼炉30から排出されて炉室111に導入される可燃ガスが自己着火する温度に昇温するために実行される。
具体的に、昇温作業では、制御装置17において加熱モードが実行されて、燃料供給系14に接続された電磁弁142を開放し、燃料供給系14からバーナ13への燃料供給を許容する。さらに、第1エア供給系15に接続された第1給気ファン151を作動させ、第1流量制御弁152を開放し、第1エア供給系15からバーナ13へのエア供給を行う。
そして、昇温作業では、燃料とエアが供給されたバーナ13が、燃料とエアの混合気を燃焼させることにより、炉室111を昇温する。
昇温作業において、バーナ13は、燃料とエアの混合気を燃焼させ、その燃焼ガスを炉室111に放出することにより、炉室111を昇温する。
バーナ13に供給されて混合される燃料とエアについて、それらの混合の比率は、制御装置17が燃料供給系14の流量調整弁141を制御することで調整される。
即ち、制御装置17は、第1エア供給系15の第1流量制御弁152によって制御されたエアの流量(エア出力)に基づき、流量調整弁141を制御し、燃料供給系14における燃料の流量を調整して、燃料とエアの混合の比率を整える。
燃料とエアの混合の比率は、それらの混合気の燃焼による燃焼ガスの空気過剰率(λ)で表すことができる。
空気過剰率(λ)は、理論上で燃料の燃焼に必要な最少のエア供給量をLとし、実際に供給するエア供給量をLとした場合、λ=L/Lの計算式から算出される。
具体的に、空気過剰率(λ)は、好ましくは1.1以上1.43以下(1.1≦λ≦1.43)、より好ましくは1.2以上1.4以下(1.2≦λ≦1.4)、さらに好ましくは1.25以上1.35以下(1.25≦λ≦1.35)である。
昇温作業において、バーナ13の火力(出力)は、燃料供給系14の流量調整弁141と、第1エア供給系15の第1流量制御弁152によって調整される。
即ち、バーナ13へ供給される燃料とエアは、流量調整弁141によって混合比率(空気過剰率(λ))を調整された状態で、流量調整弁141及び第1流量制御弁152により、バーナ13に対する流量が増減される。
そして、燃料とエアの流量が増えることで、バーナ13の火力(出力)は強くなり、燃料とエアの流量が減ることで、バーナ13の火力(出力)は弱くなる。
バーナ13の火力(出力)の調整は、制御装置17が流量調整弁141及び第1流量制御弁152を制御することにより、炉温の上昇速度等に応じて自動で行ってもよく、あるいは、作業者が流量調整弁141及び第1流量制御弁152を操作することにより、手動で行ってもよい。
(2)燃料停止作業
燃料停止作業は、昇温作業の後、バーナ13における混合気の燃焼を停止するために実行される。
具体的に、燃料停止作業では、昇温作業により炉室111の炉温が可燃ガスの自己着火の温度以上となったことが確認された後、燃料供給系14に接続された電磁弁142を閉塞する。
燃料停止作業では、電磁弁142を閉塞することにより、燃料供給系14からバーナ13への燃料供給が電磁弁142で規制されて、バーナ13における混合気の燃焼が停止する。
(3)燃焼作業
燃焼作業は、一次燃焼炉30から排出された排ガスに含まれる可燃ガスを、二次燃焼炉10の炉体11の炉室111で燃焼させるために実行される。
具体的に、一次燃焼炉30では炉圧が設定値に基づいて制御されており、燃焼作業では、一次燃焼炉30の炉圧が負圧にならないように、その炉圧の設定値に応じて炉圧制御弁122を開放し、一次燃焼炉30の排気部31からガス導入系121へ送り出された排ガスを、ガス導入系121を介して炉体11の導入路12へ送り、炉室111へ導入する。
炉室111へ導入された排ガスは可燃ガスを含んでおり、また、燃料停止作業の後の炉室111の炉温は、可燃ガスの自己着火の温度以上となっている。このため、炉室111へ導入された可燃ガスは、自己着火により燃焼し、可燃ガスの燃焼によって得られた熱量により、排ガスが燃焼処理される。
なお、炉室111における燃焼処理した後のガスは、排気ダクト113を介して、炉体11の炉外へ排気することができる。
即ち、排気ダクト113にはダンパ114が取り付けられており、このダンパ114は、排気ダクト113を介した排気量を調節するものであり、その排気量の調節によって炉室111の炉圧を炉外へ逃がすように作動する。例えば、燃焼作業中のダンパ114は、炉室111が負圧にならない程度に炉圧を逃がすため、排気量を絞った状態で排気ダクト113を開放する。
一方、炉圧制御弁122を開き、新たに処理する排ガスを炉室111に導入する場合、ダンパ114は、炉室111の炉圧が過大にならないように炉圧を逃がすため、排気量を増やすべく排気ダクト113を大きく開放する。その際、燃焼処理した後の炉室111のガスは、新たに炉室111へ導入した排ガスにより、開放された排気ダクト113から炉外へと押し出されて排気される。
(4)第1冷却作業
第1冷却作業は、燃焼作業において、可燃ガスの燃焼による炉室111の温度上昇が確認された場合、炉室111を冷却するために実行される。
具体的に、第1冷却作業では、炉温(T)が設定温度の上限値(B℃)を超える(T<B)ことが制御装置17で検知された場合、第1給気ファン151を作動させて、第1エア供給系15からバーナ13を介して、炉室111へエア供給を行う。
また、第1冷却作業では、制御装置17が、炉温を常に検出し、その検出結果に応じて、第1流量制御弁152の開度を適宜制御することにより、第1給気ファン151によるエア出力を0%~100%の範囲で増減させる。
即ち、第1冷却作業において、第1給気ファン151によるエア出力は、炉温の上昇の程度に応じて、制御装置17により、炉温の上昇が急激であれば高くなるように、あるいは炉温の上昇が緩やかであれば低くなるように、リニアに調整される。
第1冷却作業は、エア出力をリニアに調整された第1給気ファン151により、第1エア供給系15からバーナ13を介して炉室111へエア供給を行った結果、炉温(T)が設定温度の上限値(B℃)以下となった(T≦B)ことが検出された場合に、制御装置17が第1給気ファン151によるエア出力を0%に調整することで、終了する。
第1冷却作業では、バーナ13による昇温を必要としないため、燃料供給系14に接続された電磁弁142は閉塞され、燃料供給系14からバーナ13への燃料供給は、規制されたままとされる。
また、第1冷却作業では、第1給気ファン151によるエア出力は、第1エア供給系15におけるエアの流量を第1流量制御弁152により制御することで、調整することができる。
(5)第2冷却作業
第2冷却作業は、燃焼作業において、第1冷却作業を実行して尚、可燃ガスの燃焼による炉室111の温度上昇が確認された場合に、炉室111を冷却するために実行される。
具体的に、第2冷却作業では、第1冷却作業において第1給気ファン151によるエア出力を最大値(100%)として尚、炉温(T)が設定温度の上限値(B℃)を超える(T<B)ことが制御装置17で検知された場合、第2給気ファン161を作動させて、第2エア供給系16から炉室111へエア供給を行う。
また、第2冷却作業では、第1給気ファン151によるエア出力は100%に維持され、第1エア供給系15からバーナ13を介した炉室111へのエア供給は、継続して行われる。
さらに、第2冷却作業では、制御装置17が、炉温を常に検出し、その検出結果に応じて、第2流量制御弁162の開度を適宜制御することにより、第2給気ファン161によるエア出力を0%~100%の範囲で増減させる。
即ち、第2冷却作業は、第1冷却作業では炉室111の冷却が不十分である場合に、炉室111を冷却するために行われる作業である。
第2冷却作業において、第2給気ファン161によるエア出力は、炉温の上昇の程度に応じて、制御装置17により、炉温の上昇が非常に急激であれば高くなるように、あるいは炉温の上昇がやや急激であれば低くなるように、リニアに調整される。
第2冷却作業は、エア出力を100%に維持された第1給気ファン151と、エア出力をリニアに調整された第2給気ファン161とにより、炉室111へエア供給を行った結果、炉温(T)が設定温度の上限値(B℃)以下となった(T≦B)ことが検出された場合に、制御装置17が第1給気ファン151及び第2給気ファン161によるエア出力を0%に調整することで、終了する。
また、第2冷却作業では、第2給気ファン161によるエア出力は、第2エア供給系16におけるエアの流量を第2流量制御弁162により制御することで、調整することができる。
[3]二次燃焼方法
本発明の二次燃焼方法は、炉室が内部に設けられた炉体と、前記炉体に接続されて前記炉室に前記可燃ガスを導入する導入路と、前記炉体に取り付けられたバーナと、前記バーナに接続された燃料供給系と、前記バーナを介して前記炉体に接続された第1エア供給系と、前記炉体に接続された第2エア供給系と、を備える二次燃焼炉を用い、一次燃焼炉から排出される可燃ガスを燃焼させる二次燃焼方法であって、
前記バーナに対し、前記燃料供給系から燃料を供給し、前記第1エア供給系からエアを供給して、前記燃料と前記エアの混合気を前記バーナで燃焼させ、前記炉室の温度を前記可燃ガスが自己着火する温度に昇温し、その後、前記バーナへの前記燃料の供給を停止する昇温工程と、
前記昇温工程の後、昇温された前記炉室に前記導入路から前記可燃ガスを導入して、前記炉室で前記可燃ガスを自己着火により燃焼させる燃焼工程と、
前記燃焼工程において、前記可燃ガスの燃焼によって前記炉室の温度が上昇する場合に、前記第1エア供給系を介して前記炉室へエア供給を行う第1冷却作業、又は、前記第1冷却作業と並行して前記第2エア供給系を介して前記炉室へエア供給を行う第2冷却作業、の何れかの作業を実行して前記炉室を冷却する冷却工程と、を備える、ことを特徴とする。
即ち、二次燃焼方法は、上記の二次燃焼炉10を用い、一次燃焼炉30から排出される可燃ガスを燃焼させる方法である。
上記の二次燃焼炉10は、炉室111が内部に設けられた炉体11と、炉体11に接続されて炉室111に可燃ガスを導入する導入路12と、炉体11に取り付けられたバーナ13と、バーナ13に接続された燃料供給系14と、バーナ13を介して炉体11に接続された第1エア供給系15と、炉体11に接続された第2エア供給系16と、を備えている。
図2は、二次燃焼方法の具体例を示すフローチャートである。
二次燃焼方法においては、まず、昇温工程として、炉室111の昇温が行われる(ステップS11)。
昇温工程では、制御装置17によって検出された炉温(T)が設定温度の下限値(A℃)以上(T≧A℃)でない場合(ステップS12;No)、炉室111の昇温が継続して行われる。
一方、炉温(T)が設定温度の下限値(A℃)以上(T≧A℃)である場合(ステップS12;Yes)、燃焼工程が行われる。
二次燃焼方法においては、昇温工程の次に、燃焼工程として、炉室111における可燃ガスの燃焼が行われる(ステップS13)。
燃焼工程では、炉温(T)を計測し、温度上昇が確認された場合、具体的には炉温(T)が設定温度の上限値(B℃)を超える(T>B℃)場合(ステップS14;Yes)、冷却工程が行われる(ステップS15)。
一方、炉温(T)を計測し、温度上昇が確認されない場合(ステップS14;No)、冷却工程を行うことなく、燃焼工程を継続して、作業を終了する。
(1)昇温工程
昇温工程は、炉室111の炉温(T)を、設定温度の下限値(A℃)以上となるように昇温させる工程である。この昇温工程は、上述した二次燃焼炉10の使用方法のうち、昇温作業と燃料停止作業を実行して行われる。
図3は、昇温工程の具体例を示すフローチャートである。
昇温工程では、まず、昇温作業として、バーナ13に対し、燃料供給系14からの燃料供給を開始(ステップS21A)し、第1エア供給系15からのエア供給を開始(ステップS21B)する。
次に、昇温作業として、バーナ13を着火(ステップS22)し、燃料とエアの混合気を燃焼させて、昇温を開始する。
次いで、昇温作業として、流量調整弁141と第1流量制御弁152を用い、燃料とエアの流量をそれぞれ調整(ステップS23)し、バーナ13の出力(火力)を調節する。
このバーナ13の出力(火力)の調節時には、制御装置17によって制御された流量調整弁141により、燃料とエアの混合比率として空気過剰率(λ)が適宜調整される。
昇温作業は、炉温(T)を計測し、炉温(T)が設定温度の下限値(A℃)以上(T≧A℃)でない場合(ステップS24;No)、継続して実行される。
一方、炉温(T)を計測し、炉温(T)が設定温度の下限値(A℃)以上(T≧A℃)である場合(ステップS24;Yes)、燃料停止作業により、燃料供給系14からバーナ13への燃料供給を停止(ステップS25)する。
そして、燃料供給系14からバーナ13への燃料供給を停止することにより、昇温作業が終了し、昇温工程が終了する。
昇温工程において、炉温(T)の設定温度の下限値(A℃)は、可燃ガスが自己着火する温度とされる。具体的に、可燃ガスが自己着火する温度として下限値(A℃)は、好ましくは600℃以上(T≧600℃)、より好ましくは650℃以上(T≧650℃)、さらに好ましくは700℃以上(T≧700℃)である。
(2)燃焼工程
燃焼工程は、一次燃焼炉30から排出された可燃ガスを、炉室111で燃焼させる工程である。この燃焼工程は、上述した二次燃焼炉10の使用方法のうち、燃焼作業を実行して行われる。
具体的に、燃焼工程は、一次燃焼炉30から排出された可燃ガスを、導入路12から炉室111へ導入して行われる。
燃焼工程において、炉室111は、昇温工程における昇温作業により、その炉温(T)が、可燃ガスが自己着火する温度を下限値(A℃)とし、下限値(A℃)以上(T≧A℃)に昇温されている。
このため、炉室111へ導入された可燃ガスは、自己着火により燃焼し、その燃焼による熱量によって、燃焼処理が行われる。
(3)冷却工程
冷却工程は、燃焼工程において、可燃ガスの燃焼によって炉室111の温度が上昇する場合に、炉室111を冷却する工程である。この冷却工程は、上述した二次燃焼炉10の使用方法のうち、第1冷却作業や第2冷却作業を実行して行われる。
具体的に、冷却工程は、炉温(T)が設定温度の上限値(B℃)を超える(T>B℃)場合(図2、ステップS14;Yes)、行われる(図2、ステップS15)。
図4は、冷却工程の具体例を示すフローチャートである。
冷却工程では、まず、第1冷却作業を開始(ステップS31)する。
第1冷却作業では、制御装置17が第1流量制御弁152を制御することにより、第1給気ファン151によるエア出力を上昇(ステップS32)させる。
その後、炉温(T)が設定温度の上限値(B℃)以下(T≦B℃)である場合(ステップS33;Yes)、第1冷却作業を終了(ステップS34)する。
なお、冷却工程において、炉温(T)の設定温度の上限値(B℃)は、好ましくは900℃以下(T≦900℃)、より好ましくは850℃以下(T≦850℃)、さらに好ましくは800℃以下(T≦800℃)である。
一方、炉温(T)が設定温度の上限値(B℃)以下(T≦B℃)でない場合(ステップS33;No)には、第1給気ファン151によるエア出力が100%に達していない場合(ステップS35;No)、第1給気ファン151によるエア出力の上昇を継続して行う。
そして、第1給気ファン151によるエア出力が100%に達している場合(ステップS35;Yes)、第2冷却作業を開始(ステップS36)する。
なお、第2冷却作業を開始する際、第1冷却作業は、第1給気ファン151のエア出力を100%に維持したまま継続して行われる。
第2冷却作業では、制御装置17が第2流量制御弁162を制御することにより、第2給気ファン161によるエア出力を上昇(ステップS37)させる。
その後、炉温(T)が設定温度の上限値(B℃)以下(T≦B℃)でない場合(ステップS38;No)には、第2給気ファン161によるエア出力の上昇を継続して行う。
一方、炉温(T)が設定温度の上限値(B℃)以下(T≦B℃)である場合(ステップS38;Yes)には、第2冷却作業を終了(ステップS39)する。
そして、第2冷却作業を終了した後、第1冷却作業を終了(ステップS34)し、冷却工程を終了する。
本発明は、一次燃焼炉から排出された可燃ガスを燃焼させる二次燃焼炉について、二酸化炭素の発生量を抑制しつつ、安定した雰囲気で燃焼させることができ、特にカーボンニュートラル等といった環境配慮について有用である。
10;二次燃焼炉、
11;炉体、111;炉室、112;ホルダー、113;排気ダクト、114;ダンパ、
12;導入路、121;ガス導入系、122;炉圧制御弁、
13;バーナ
14;燃料供給系、141;流量調整弁、142;電磁弁、
15;第1エア供給系、151;第1給気ファン、152;第1流量制御弁、
16;第2エア供給系、161;第2給気ファン、162;第2流量制御弁、
17;制御装置、171;熱電対、
30;一次燃焼炉、31;排気部、32;熱源、
W;被処理物。

Claims (8)

  1. 一次燃焼炉から排出される可燃ガスを燃焼させる二次燃焼炉であって、
    炉室が内部に設けられた炉体と、
    前記炉体に接続されて前記炉室に前記可燃ガスを導入する導入路と、
    前記炉体に取り付けられたバーナと、
    前記バーナに接続された燃料供給系及び前記燃料供給系に接続されたバルブと、
    前記バーナを介して前記炉体に接続された第1エア供給系及び前記第1エア供給系に接続された第1給気ファンと、
    前記燃料供給系から前記バーナへの燃料供給を前記バルブで許容し、前記第1給気ファンによるエア出力を調節して、前記バーナの出力を制御する加熱モード、及び、前記燃料供給系から前記バーナへの燃料供給を前記バルブで規制し、前記第1給気ファンによるエア出力を調節して、前記炉室の温度を制御する第1冷却モードを有する制御装置と、を備えることを特徴とする二次燃焼炉。
  2. 前記炉体に接続された第2エア供給系及び前記エア供給系に接続された第2給気ファンと、を更に備え、
    前記制御装置は、前記第1給気ファンによるエア出力を最大値に維持し、前記第2給気ファンによるエア出力を調節して、前記炉室の温度を制御する第2冷却モードを有する、請求項1に記載の二次燃焼炉。
  3. 前記第2給気ファンは、前記第1給気ファンに比べて、風量が大きい請求項2に記載の二次燃焼炉。
  4. 前記炉体に接続された排気ダクト及び前記排気ダクトに取り付けられたダンパと、を更に備える請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の二次燃焼炉。
  5. 請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の二次燃焼炉を用い、一次燃焼炉から排出される可燃ガスを燃焼させる二次燃焼炉の使用方法であって、
    炉体に取り付けられたバーナに対し、前記バーナに接続された燃料供給系からの燃料供給を前記燃料供給系に接続されたバルブによって許容し、前記バーナに接続された第1エア供給系からのエア供給を前記第1エア供給系に接続された第1給気ファンによって行い、燃料とエアの混合気を前記バーナで燃焼させて、前記炉体の内部の炉室を、前記可燃ガスが自己着火する温度に昇温する昇温作業と、
    前記昇温作業の後、前記バーナへの燃料供給を前記バルブで規制する燃料停止作業と、
    前記燃料停止作業の後、昇温した前記炉室に前記可燃ガスを導入して、前記可燃ガスを自己着火により燃焼させる燃焼作業と、
    前記燃焼作業において、前記可燃ガスの燃焼による前記炉室の温度上昇に基づき、前記第1給気ファンから前記第1エア供給系を介して前記炉室へエア供給を行い、前記炉室を冷却する第1冷却作業と、を備えることを特徴とする二次燃焼炉の使用方法。
  6. 請求項2乃至4のうち何れか一項に記載の二次燃焼炉を用い、一次燃焼炉から排出される可燃ガスを燃焼させる二次燃焼炉の使用方法であって、
    炉体に取り付けられたバーナに対し、前記バーナに接続された燃料供給系からの燃料供給を前記燃料供給系に接続されたバルブによって許容し、前記バーナに接続された第1エア供給系からのエア供給を前記第1エア供給系に接続された第1給気ファンによって行い、燃料とエアの混合気を前記バーナで燃焼させて前記炉体の内部の炉室を、前記可燃ガスが自己着火する温度に昇温する昇温作業と、
    前記昇温作業の後、前記バーナへの燃料供給を前記バルブで規制する燃料停止作業と、
    前記燃料停止作業の後、昇温した前記炉室に前記可燃ガスを導入して、前記可燃ガスを自己着火により燃焼させる燃焼作業と、
    前記燃焼作業において、前記可燃ガスの燃焼による前記炉室の温度上昇に基づき、前記第1給気ファンから前記第1エア供給系を介して前記炉室へエア供給を行い、前記炉室を冷却する第1冷却作業と、
    前記第1冷却作業において、前記第1給気ファンによるエア出力が100%の場合に、第2給気ファンから第2エア供給系を介して前記炉室へエア供給を行い、前記炉室を冷却する第2冷却作業と、を備えることを特徴とする二次燃焼炉の使用方法。
  7. 前記昇温作業において、前記バーナで前記混合気を燃焼させて前記炉室に放出される燃焼ガスの空気過剰率(λ)が1.1以上1.43以下(1.1≦λ≦1.43)である請求項5又は6に記載の二次燃焼炉の使用方法。
  8. 炉室が内部に設けられた炉体と、前記炉体に接続されて前記炉室に前記可燃ガスを導入する導入路と、前記炉体に取り付けられたバーナと、前記バーナに接続された燃料供給系と、前記バーナを介して前記炉体に接続された第1エア供給系と、前記炉体に接続された第2エア供給系と、を備える二次燃焼炉を用い、一次燃焼炉から排出される可燃ガスを燃焼させる二次燃焼方法であって、
    前記バーナに対し、前記燃料供給系から燃料を供給し、前記第1エア供給系からエアを供給して、前記燃料と前記エアの混合気を前記バーナで燃焼させ、前記炉室の温度を前記可燃ガスが自己着火する温度に昇温し、その後、前記バーナへの前記燃料の供給を停止する昇温工程と、
    前記昇温工程の後、昇温された前記炉室に前記導入路から前記可燃ガスを導入して、前記炉室で前記可燃ガスを自己着火により燃焼させる燃焼工程と、
    前記燃焼工程において、前記可燃ガスの燃焼によって前記炉室の温度が上昇する場合に、前記第1エア供給系を介して前記炉室へエア供給を行う第1冷却作業、又は、前記第1冷却作業と並行して前記第2エア供給系を介して前記炉室へエア供給を行う第2冷却作業、の何れかの作業を実行して前記炉室を冷却する冷却工程と、を備える、ことを特徴とする二次燃焼方法。
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