JP2023079036A - 足装着具 - Google Patents

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Abstract

【課題】足の負担を軽減し、かつ、足のバランスを効率よく回復させることができる足装着具を提供する。【解決手段】足装着具1は、足指の付け根から足甲部分までを覆う筒状に形成される。足装着具1は、非伸縮素材で形成され、足裏を覆う足裏布2と、足裏布2に縫い合わされる非伸縮素材で形成され、足甲を覆う足甲布3とを備える。先端側の足指側幅広部における足装着具1の全体の周長に対する足裏布2の周長は、30%~50%であり、後端側の幅狭部における足装着具1の全体の周長に対する足裏布2の周長は、15%~30%である。【選択図】図1

Description

この発明は、人の足に装着する足装着具に関する。
従来より、足裏のアーチを再生させ、足のバランスを回復させることができる足装着具が提供されている。このような足装着具としては、ゴムを織り込むことで弾性力を持たせ、さらに、足の特定部位を締め付け固定するように、ゴム部に伸び難い糸やゴムを加えて斜めに織り込むことによって、足の特定部位を締め付け固定する靴下が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記のような従来の足装着具では、弾性力を有する素材で形成される靴下で足の特定部位を締め付け固定するので、足が圧迫されることによって血流が悪くなり、足に負担がかかるという問題がある。また、従来の足装着具では、装着している間しか効果を得ることができないため、限定的な効果しか得られず、足のバランスを効率よく回復させるという観点でも改善の余地がある。
特開2008-161344号公報
この発明は、上述の問題に鑑みて、足の負担を軽減し、かつ、足のバランスを効率よく回復させることができる足装着具を提供することを目的とする。
この発明は、足指の付け根から足甲部分までを覆う筒状の足装着具であって、非伸縮素材で構成され、足裏を覆う足裏布と、前記足裏布に縫い合わされる非伸縮素材で構成され、足甲を覆う足甲布とを備え、先端側の足指側幅広部における前記足装着具の全体の周長に対する前記足裏布の周長の比率は、30%~49%であり、後端側の幅狭部における前記足装着具の全体の周長に対する前記足裏布の周長の比率は、15%~30%である足装着具である。
この発明により、足の負担を軽減し、かつ、足のバランスを効率よく回復させることができる。
足装着具の構成を示す斜視図。 足装着具の構成を示す上面図。 足装着具の構成を示す正面図。 図2のA-A切断部における端面図。 図2のB-B切断部における端面図。 図2のC-C切断部における端面図。 図2のD-D切断部における端面図。 図2のE-E切断部における端面図。 足装着具の各部の寸法を示す概略切断端面図。 足裏布の構成を示す底面図。
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。図1は、足装着具1の構成を示す斜視図である。図2は、足装着具1の構成を示す上面図である。図3は、足装着具1の構成を示す正面図である。図4Aは、図2のA-A切断部における端面図である。図4Bは、図2のB-B切断部における端面図である。図4Cは、図2のC-C切断部における端面図である。図4Dは、図2のD-D切断部における端面図である。図4Eは、図2のE-E切断部における端面図である。図5は、足装着具1の各部の寸法を示す概略切断端面図である。図6は、足裏布2の構成を示す平面図である。なお、図5は概略図であるため、縫合部等の細部の構造は省略している。
本発明の足装着具1は、人の足に装着して使用するものである。図1ないし図6に示すように、足装着具1は、人の足に装着された場合、足指の付け根から足甲部分までを覆う。たとえば、足装着具1は、中足趾節関節からリスフラン関節部までを覆う。
また、足装着具1は、人の足に装着された場合、前端部においては足の第1趾(親指)から第5趾(小指)の少なくとも一部を覆い、後端部においては少なくとも土踏まずの一部を覆う。すなわち、足装着具1は、前端部においては中足趾節関節の左右両側部を覆う。ただし、足装着具1は、第1趾(親指)から第4趾(薬指)の指先、くるぶし、および踵は覆わない。
なお、足装着具1は、通常、左右の足にそれぞれ装着されるものであり、左右の足に対応するように対称形状のものが左右あわせて1足(1組)となるが、本実施例では、左足用の足装着具1のみを例に挙げて説明する。詳細な説明は省略するが、右足用の足装着具1の構造は、以下に説明する左足用の足装着具1の構造を内側と外側を反転させたものとなる。
また、この明細書では、足装着具1が装着される人の足の足指側(つま先側)を前面(前方)とし、足首側(踵側)を後面(後方)として足装着具1およびその構成部材の前後方向を規定する。また、足の親指側を内側とし、足の小指側を外側として足装着具1およびその構成部材の内外方向を規定する。
足装着具1は、人の足の足裏部分を覆う足裏布2と、人の足の足甲部分を覆う足甲布3とを有する。足装着具1は、足裏布2および足甲布3によって全体として断面が略円形(楕円を含む)の筒状に形成されている。
足裏布2および足甲布3のそれぞれは、非伸縮性素材(非伸縮素材)で構成される。すなわち、足装着具1の全体が非伸縮性素材で構成される。足裏布2および足甲布3(足装着具1)を構成する非伸縮性素材としては、綿、または綿とポリエステルとの綿混繊維からなる布帛(布地)を用いることができる。本実施例では、足裏布2および足甲布3のそれぞれ(足装着具1の全体)が綿のみからなる(綿100%の)布帛で構成される。
また、足裏布2および足甲布3のそれぞれは、複数枚の布帛を重ね合わせた多層構造である。本実施例では、足裏布2および足甲布3のそれぞれは、外側布帛と内側布帛とを重ね合わせた2層構造である。なお、図3においては、便宜上、足裏布2および足甲布3のそれぞれを1枚として表現している。具体的には、図4A~図4Fに示すように、足裏布2は、足裏外側布帛2aおよび足裏内側布帛2bを有し、足甲布3は、足甲外側布帛3aおよび足甲内側布帛3bを有する。なお、足裏外側布帛2aおよび足甲外側布帛3a(特に足甲外側布帛3a)は、足装着具1の外観を構成することになる。このため、少なくとも足甲外側布帛3aには、意匠性を向上させるために、適宜の色彩や模様が付されている。
さらに、足裏布2(足裏外側布帛2aおよび足裏内側布帛2b)は、負担がかかり破れやすいため、耐久性および強度を確保するために、足甲布3(足甲外側布帛3aおよび足甲内側布帛3b)よりも太い糸で織られており、杉綾織、または雲斎織等の織り方で作られた布地が用いられている。少なくとも、足裏外側布帛2aは、足甲外側布帛3aよりも太い糸で織られている。したがって、足裏布2は、足甲布3よりも厚くなるように形成されている。
また、足裏布2は、足甲布3よりも太い糸で織られており厚いため、足甲布3よりも硬く、人の体重がかかっても平坦な状態を維持し、容易に変形しないように(形状が安定するように)形成されている。一方、足甲布3は、足裏布2よりも細い糸で織られており薄いため、足裏布2よりも柔らかく、人の足甲の形状に沿って変形しやすいように形成されている。一方、足甲布3は、柔らかいが非伸縮であり、人の足の形状を矯正できる程度の強度を有している。このため、人の足の形状の個人差を足甲布3が変形することによって吸収し、どのような足の形状であっても、足装着具1を人の足にフィットさせることができる。
足甲布3は、第1趾(親指)に対応する内甲部31と、残りの4本の指、すなわち第2趾(人差指)から第5趾(小指)に対応する外甲部32とを有する。図2,図3、および図4Aに示すように、内甲部31の外側端部と、外甲部32の内側端部とは、足装着具1の前端部(叉割れ部23の最奥部)から後端部に亘って縫合されており、内甲部31と外甲部32とが縫合された部分(第1縫合部51)に対応する縫合線33が形成される。具体的には、図4Aに示すように、内甲部31は、内甲部外側布帛31aおよび内甲部足甲内側布帛31bを有し、外甲部32は、外甲部外側布帛32aおよび外甲部足甲内側布帛32bを有する。
第1縫合部51は、外側(筒状の足装着具1の外面側)から順に、内甲部外側布帛31a、外甲部外側布帛32a、外甲部足甲内側布帛32b、および内甲部足甲内側布帛31bを普通に4枚重ねにした状態で縁付近(縁から3~5mm内側)を第1縫合糸34で縫い合わせ、第1縫合糸34および第1縫合糸34による縫い目を内側にするように裏返すことによって形成されている。したがって、第1縫合部51では、内甲部外側布帛31aの端縁、外甲部外側布帛32aの端縁、外甲部足甲内側布帛32bの端縁、内甲部足甲内側布帛31bの端縁、および、第1縫合糸34が外部に露出せず、非常に高い意匠性を実現している。
また、第1縫合部51では、内甲部外側布帛31aの端縁、外甲部外側布帛32aの端縁、外甲部足甲内側布帛32bの端縁、および内甲部足甲内側布帛31bの端縁のいずれも足甲布3の内面(人の足甲中央部に接触する面)に露出しないため、各布帛の端縁によって足が痛くなることがなく、かつ、柔らかいが非伸縮性の足甲布3が足甲部をしっかりとホールドすることができる。
また、足装着具1の前端部には前側開口部4が形成され、足装着具1の後端部には後側開口部5が形成されている。さらに、図6に示すように、足裏布2の先端部には、足の第1趾(親指)に対応する部分と第2趾(人差指)に対応する部分との間に平面視V字状またはU字状の叉割れ部23が形成されている。
図4Bに示すように、足装着具1の前端部においては、叉割れ部23の内側端縁24および外側端縁25に沿ってと足甲布3が縫合されている。具体的には、内側端縁24および内甲部31(内甲部31の外側端部)が縫合される第2縫合部52と、外側端縁25および外甲部32(外甲部32の内側端部)が縫合される第3縫合部53とが形成される。
第2縫合部52は、外側(筒状の足装着具1の外面側)から順に、内甲部足甲内側布帛31b、内甲部外側布帛31a、足裏外側布帛2aおよび足裏内側布帛2bを普通に4枚重ねにした状態で縁付近(縁から3~5mm内側)を第2縫合糸35で縫い合わせ、第2縫合糸35および第2縫合糸35による縫い目を内側にするように内甲部31を断面U字状に裏返すことによって形成されている。したがって、第2縫合部52以外の部分では、内甲部足甲内側布帛31bと内甲部外側布帛31aとの内外が反転し、内甲部足甲内側布帛31bが内側に、内甲部外側布帛31aが外側となる。このとき、足裏布2(内側端縁24を含む端部)は人の足(人差指)の形状に沿って湾曲するが、全体としては折れ曲がることなく縁が上向きの状態となる。したがって、人の足(人差指の外側面)には、足裏布2(内側端縁24を含む端部)の内面(足裏内側布帛2b)が面接触するため、人差指部分において違和感がなく、かつ、柔らかいが非伸縮の足甲布3が人差指をしっかりとホールドすることができる。
第3縫合部53は、外側(筒状の足装着具1の外面側)から順に、外甲部足甲内側布帛32b、外甲部外側布帛32a、足裏外側布帛2aおよび足裏内側布帛2bを普通に4枚重ねにした状態で縁付近(縁から3~5mm内側)を第3縫合糸36で縫い合わせ、第3縫合糸36および第3縫合糸36による縫い目を内側にするように外甲部32を断面U字状に裏返すことによって形成されている。したがって、第3縫合部53以外の部分では、外甲部足甲内側布帛32bと外甲部外側布帛32aとの内外が反転し、外甲部足甲内側布帛32bが内側に、外甲部外側布帛32aが外側となる。このとき、足裏布2(外側端縁25を含む端部)は人の足(親指)の形状に沿って湾曲するが、全体としては折れ曲がることなく縁が上向きの状態となる。したがって、人の足(親指の内側面)には、足裏布2(外側端縁25を含む端部)の内面(足裏内側布帛2b)が面接触するため、親指部分においても違和感がなく、かつ、柔らかいが非伸縮の足甲布3が人差指をしっかりとホールドすることができる。
なお、図示は省略するが、第2縫合部52および第3縫合部53は、叉割れ部23の最奥部で合流しており、さらに、第2縫合部52および第3縫合部53の合流点に、第1縫合部51の前端部が合流する。すなわち、叉割れ部23の最奥部において、第1縫合部51、第2縫合部52および第3縫合部53の3つの縫い目が合流する。また、第2縫合部52および第3縫合部53において各布帛の端縁(特に足裏布2を構成する足裏外側布帛2aおよび足裏内側布帛2b)が足に当たることによって足が痛くなることがある。この場合には、第2縫合部52および第3縫合部53を構成する各布帛(特に足裏布2)を木槌等で叩いたり、揉み解したりすることによって第2縫合部52および第3縫合部53が柔らかくなり、足の痛みを解消することができる。
したがって、図1ないし図3に示すように、前側開口部4は、親指を通すための内側開口部41と、親指以外の指、すなわち人差指より外側の指を通すための外側開口部42とに分割されている。
このため、足装着具1を装着した状態で鼻緒付履物を履いた場合、内側開口部41と外側開口部42との間に足裏布2または足甲布3が介在するようになり、人の足(指間)に鼻緒が直接当たらなくなる。したがって、足装着具1を装着することによって、鼻緒付履物を履いた場合の鼻緒擦れを防止することができる。また、足甲部分において鼻緒の裏生地が肌に接触する部分についても、人の足に鼻緒が直接当たらなくなり、歩く際に足が動くことによる摩擦により低温火傷になることを防止することができる。
図4Cおよび図5に示すように、足裏布2の外側の側端部(外側側端部)22と、足甲布3の外側の側端部(外側側端部)321とが縫合されている。具体的には、図4Cに示すように、足裏布2の外側側端部22および足甲布3の外側側端部321が縫合される第4縫合部54が形成される。
第4縫合部54は、外側(筒状の足装着具1の外面側)から順に、外甲部足甲内側布帛32b、外甲部外側布帛32a、足裏外側布帛2aおよび足裏内側布帛2bを普通に4枚重ねにした状態で縁付近(縁から3~5mm内側)を第4縫合糸37で縫い合わせ、第4縫合糸37および第4縫合糸37による縫い目を内側にするように外甲部32を断面U字状に裏返すことによって形成されている。したがって、第4縫合部54以外の部分では、外甲部足甲内側布帛32bと外甲部外側布帛32aとの内外が反転し、外甲部足甲内側布帛32bが内側に、外甲部外側布帛32aが外側となる。このとき、足裏布2は、人の足(足裏外側部)から人の体重(鉛直方向の力)を受けるため、ほぼ平坦形状となる。ただし、第4縫合部54(外甲部32の折り返し部分)による外甲部32の2枚分の厚みの僅かな段差が生じるため、この段差によって多少湾曲するが、全体としては折れ曲がることなく縁がほぼ水平状態となる。このとき、人の足(足裏)には、足裏布2の内面(足裏内側布帛2b)が面接触するため、足裏外側部においても違和感がなく、かつ、柔らかいが非伸縮の足甲布3が足裏外側部から足甲外側部に至る足の外側部分をしっかりとホールドすることができる。
また、図4D、図4Eおよび図5に示すように、足裏布2の内側の側端部(内側側端部)21と、足甲布3の内側の側端部(内側側端部)311とが縫合されている。具体的には、図4Dおよび図4Eに示すように、足裏布2の内側側端部21および足甲布3の内側側端部311が縫合される第5縫合部55が形成される。
第5縫合部55は、外側(筒状の足装着具1の外面側)から順に、内甲部足甲内側布帛31b、内甲部外側布帛31a、足裏外側布帛2aおよび足裏内側布帛2bを普通に4枚重ねにした状態で縁付近(縁から3~5mm内側)を第5縫合糸38で縫い合わせ、第5縫合糸38および第5縫合糸38による縫い目を内側にするように内甲部31を断面U字状に裏返すことによって形成されている。したがって、第5縫合部55以外の部分では、内甲部足甲内側布帛31bと内甲部外側布帛31aとの内外が反転し、内甲部足甲内側布帛31bが内側に、内甲部外側布帛31aが外側となる。
図4Dに示すように、足装着具1の先端側(中足趾節関節よりも先端側、すなわち親指部分)においては、足裏布2は人の足(親指)の形状に沿って湾曲するが、全体としては折れ曲がることなく縁が斜め上向きの状態となる。このとき、人の足(親指外側面)には、足裏布2の内面(足裏内側布帛2b)が面接触するため、親指部分において違和感がなく、かつ、柔らかいが非伸縮の足甲布3が親指の内側をしっかりとホールドすることができる。
また、図4Eに示すように、足装着具1の後端側(中足趾節関節よりも後端側、すなわち足裏部分)においては、足裏布2は、人の足(足裏内側部)から人の体重(鉛直方向の力)を受けるため、ほぼ平坦形状となる。ただし、第5縫合部55(内甲部31の折り返し部分)による内甲部31の2枚分の厚みの僅かな段差が生じるため、この段差によって多少湾曲するが、全体としては折れ曲がることなく縁がほぼ水平状態となる。このとき、人の足(足裏)には、足裏布2の内面(足裏内側布帛2b)が面接触するため、足裏内側部においても違和感がなく、かつ、柔らかいが非伸縮の足甲布3が足裏内側部から足甲内側部に至る足の内側部分をしっかりとホールドすることができる。なお、足装着具1の後端部は、土踏まずの一部と重なるので、足裏布2に接触する人の足裏の面が必ずしも水平とはならないことがある。しかしながら、詳細は後述するが、本発明の足裏布2の周長は後端部に向かうにつれて短くなるため、土踏まず部分においては、第5縫合部55は、足のかなり内側に入り込んだ状態となり、全体としては折れ曲がることなく縁がほぼ水平状態となることができる。したがって、足の前後(親指の付け根から土踏まずに至るまで)に亘って、足裏内側部において違和感がなく、かつ、柔らかいが非伸縮の足甲布3が足裏内側部から足甲内側部に至る足の内側部分をしっかりとホールドすることができる。
また、図6に示すように、足裏布2の内側側端部21と、足裏布2の外側側端部22とは、それぞれ、外側に向かって膨らむように(突出するように)湾曲している。また、足裏布2の内側側端部21および足裏布2の外側側端部22のそれぞれの曲率は一定ではないが、全体として、足裏布2の内側側端部21の曲率よりも足裏布2の外側側端部22の曲率の方が大きい(曲率半径が小さい)。ただし、足裏布2の外側側端部22は、先端部(小指および小指の付け根を覆う部分)において曲率がより大きくなり、内側に切れ込むような形状となっている。さらに、足裏布2の内側側端部21と、足裏布2の外側側端部22との間が先端部に向かって広がるように形成されている。なお、内側側端部21は、直線状であってもよい。
以下、足装着具1およびその構成部材の各寸法について説明する。ただし、図1に示すように、足装着具1の前後方向(軸線方向)の長さを、前後長さL1といい、図5に示すように、足裏布2の幅長さ(周長)を足裏布長さL2といい、内甲部31の幅長さ(周長)を内甲部長さL3といい、外甲部32の幅長さ(周長)を外甲部長さL4といい、足装着具1の全体の周長を全体周長L5という。なお、図示は省略するが、内甲部長さL3と外甲部長さL4との和(合計長さ)が足甲布の周長(足甲布長さ)L6となる。
また、図2および図6に示すように、足装着具1の先端部(中足趾節関節に相当する部分または足指側幅広部)の位置を足巾位置Fといい、足装着具1の後端部(幅狭部)の位置を足甲位置Rという。また、足巾位置(前端部)Fにおける、足裏布長さL2、内甲部長さL3、外甲部長さL4、全体周長L5、足甲布長さL6のそれぞれを、足裏布長さL2F、内甲部長さL3F、外甲部長さL4F、全体周長L5F、足甲布長さL6Fということがある。さらに、足甲位置(後端部)Rにおける足裏布長さL2、内甲部長さL3、外甲部長さL4、全体周長L5、足甲布長さL6のそれぞれを、足裏布長さL2R、内甲部長さL3R、外甲部長さL4R、全体周長L5R、足甲布長さL6Rということがある。
足装着具1の前後長さL1は、足装着具1が装着される人の足の長さに応じて適宜調整される。たとえば、足装着具1の前後方向の長さL1は、人の足の長さの50~65%の範囲内に設定され、具体的には、13cm~18cmの範囲内に設定される。
前後長さL1に対する足巾位置(前端部)Fの全体周長L5Fの最小長さは、少なくとも130%以上であり、140%以上とすることが好ましく、142%以上とすることがより好ましい。前後長さL1に対する足巾位置(前端部)Fの全体周長L5Fの最大長さは、最大でも170%以下であり、160%以下とすることが好ましく、158%以下とすることがより好ましい。たとえば、前後方向の長さL1を14cmとすると、全体周長L5Fは、18.2cm(130%)~23.8cm(170%)の範囲内に収まる長さとなる。
前後長さL1に対する足甲位置(後端部)Rの全体周長L5Rの最小長さは、少なくとも140%以上であり、150%以上とすることが好ましく、157%以上とすることがより好ましい。また、前後長さL1に対する足甲位置(後端部)Rの全体周長L5Rの最大長さは、最大でも190%以下であり、180%以下とすることが好ましく、179%以下とすることがより好ましい。たとえば、前後方向の長さL1を14cmとすると、全体周長L5Rは、19.6cm(140%)~26.6cm(190%)の範囲内に収まる長さとなる。
ただし、足甲位置Rの全体周長L5Rは、足巾位置Fの全体周長L5Fと同じか、これもよりも長く設定される。このことは、一般的に、人の足の中足趾節関節部分の周長よりも、足甲部分の周長が長いからである。また、全体周長L5は、足甲位置(後端部)Rから足巾位置(前端部)Fに向かうにつれて徐々に長くなるように変化している。
足巾位置Fの全体周長L5Fに対する足裏布長さL2Fの最小長さは、少なくとも30%以上であり、35%以上とすることが好ましく、37%以上とすることがより好ましい。全体周長L5Fに対する足裏布長さL2Fの最大長さは、最大でも49%以下であり、45%以下とすることが好ましく、40%以下とすることがより好ましい。たとえば、全体周長L5Fを21cmとすると、足裏布長さL2Fは、6.3cm(30%)~10.5cm(50%)の範囲内に収まる長さとなる。すなわち、全体周長L5Fに対する足甲布長さL6Fの最小長さは、少なくとも51%以上であり、55%以上とすることが好ましく、60%以上とすることがより好ましい。また、全体周長L5Fに対する足甲布長さL6Fの最大長さは、最大でも70%以下であり、65%以下とすることが好ましく、63%以下とすることがより好ましい。
足甲位置Rの全体周長L5Rに対する足裏布長さL2Rの最小長さは、少なくとも15%以上であり、20%以上とすることが好ましく、23%以上とすることがより好ましい。全体周長L5Rに対する足裏布長さL2Rの最大長さは、最大でも30%以下であり、27%以下とすることが好ましく、25%以下とすることがより好ましい。たとえば、全体周長L5Rを21cmとすると、足裏布長さL2Rは、3.15cm(15%)~6.3cm(30%)の範囲内に収まる長さとなる。すなわち、全体周長L5Rに対する足甲布長さL6Rの最小長さは、少なくとも70%以上であり、73%以上とすることが好ましく、75%以上とすることがより好ましい。また、全体周長L5Rに対する足甲布長さL6Rの最大長さは、最大でも85%以下であり、80%以下とすることが好ましく、77%以下とすることがより好ましい。
以上のように、足装着具1の全体として、足裏布長さL2は、足甲布長さL6よりも短い(足甲布長さL6は、足裏布長さL2よりも長い)。このように、足裏布長さL2は、全体周長L5に対して短く設定されており、より具体的には、足装着具1が装着される人の足裏の長さ(足裏の幅)よりも短くなるように設定されている。
また、足裏布2の周長は、足甲位置(後端部)Rから足巾位置(前端部)Fに向かうにつれて徐々に長くなるように変化している。すなわち、足甲位置Rの足裏布長さL2Rは、足巾位置Fの足裏布長さL2Fよりも短い。足裏布長さL2Fに対する足裏布長さL2Rの最小長さは、少なくとも55%以上であり、65%以上とすることが好ましく、70%以上とすることがより好ましい。足裏布長さL2Fに対する足裏布長さL2Rの最大長さは、最大でも80%以下であり、75%以下とすることが好ましく、72%以下とすることがより好ましい。
さらに、足巾位置Fにおける全体周長L5Fに対する足裏布長さL2Fの割合は、足甲位置Rにおける全体周長L5Rに対する足裏布長さL2Rの割合よりも大きい。また、全体周長L5に対する足裏布長さL2の割合は、足甲位置Rから足巾位置Fに向かうにつれて徐々に大きくなるように変化している(足巾位置Fから足甲位置Rに向かうにつれて徐々に大きくなるように変化している)。
さらにまた、足巾位置Fの外甲部長さL4Fに対する内甲部長さL3Fの最小長さは、少なくとも70%以上であり、72%以上とすることが好ましい。外甲部長さL4Fに対する内甲部長さL3Fの最大長さは、最大でも75%以下であり、74%以下とすることが好ましい。
足甲位置Rの外甲部長さL4Rに対する内甲部長さL3Rの最小長さは、少なくとも95%以上であり、96%以上とすることが好ましい。外甲部長さL4Rに対する内甲部長さL3Rの最大長さは、最大でも98%以下であり、97%以下とすることが好ましい。
以上のように、足巾位置Fにおける外甲部長さL4Fに対する内甲部長さL3Fの割合は、足甲位置Rにおける外甲部長さL4Rに対する内甲部長さL3Rの割合よりも小さい。また、外甲部長さL4に対する内甲部長さL3の割合は、足甲位置Rから足巾位置Fに向かうにつれて徐々に小さくなるように変化している。また、足装着具1の全体として、内甲部長さL3は、外甲部長さL4よりも短い(外甲部長さL4は、内甲部長さL3よりも長い)。すなわち、内甲部31の幅寸法(内外方向の寸法)よりも外甲部32の幅寸法の方が若干大きいので、縫合線33は、足甲布3(足装着具1)の幅方向(内外方向)の中央部よりもやや内側を通るように形成される。
このように、内甲部長さL3を外甲部長さL4よりも短かくし、足巾位置Fにおける外甲部長さL4Fに対する内甲部長さL3Fの割合が足甲位置Rにおける外甲部長さL4Rに対する内甲部長さL3Rの割合よりも小さく、さらに、外甲部長さL4に対する内甲部長さL3の割合が足甲位置Rから足巾位置Fに向かうにつれて徐々に小さくなるように変化しているので、縫合線33が人の足甲の最も高い部分(親指の骨と人差指の骨の間)またはこの付近を通るようにすることができる。すなわち、足甲の最も高い部分を境界に内甲部31と外甲部32が縫合されるので、足装着具1にかかる力を内甲部31と外甲部32とにバランスよく分散させ、また、人の足に局所的に負担がかかることを防止すること、および、装着時にずれないようにすることができる。また、先端部における外甲部長さL4Rに対する内甲部長さL3の割合を70%~75%とし、後端部における外甲部長さL4Rに対する内甲部長さL3の割合を95%~98%とすることによって、足装着具1にかかる力をよりバランスよく分散させ、また、人の足への負担をより軽減することができる。
以上の構成により、足装着具1の全体として、足裏布長さL2が、足甲布長さL6よりも短く(最大で30~50%)、かつ、足装着具1が装着される人の足裏の長さ(足裏の幅)よりも短くなるように設定されているので、足装着具1が人の足に隙間なくフィットするような形状に形成されているため、足の負担を軽減し、かつ、足のバランスを効率よく回復させることができる。また、足が全体的に外側に流れることを防止し、立位における足裏の重心位置が外側になりすぎることを防止することができる。また、足裏布長さL2が、足甲布長さL6よりも短いので、第4縫合部54および第5縫合部55における足裏布2の端縁が足の内側に入り込むので、ほぼ水平状態となる範囲をできるだけ大きくすることができ、足裏において違和感がないようにすることができる。
特に、隙間ができやすい足裏から足甲に向かって立ち上がる足の側面に足甲布3が隙間なくフィットするので、足装着具1が装着される人の足を理想的な形状となるようにサポートし、足裏にアーチ(特に母趾球から小趾球にかけての横アーチ)を再生させ、足のバランスを回復させることができる。また、足装着具1の全体が非伸縮性素材からなり、弾性力で足を圧迫することがないので、足を必要以上に圧迫することがなく、足の負担を軽減することができる。詳述すると、例えば歩行中であれば、地面に足をつけて踏むと左右に広がろうとする足を足装着具1がしっかりホールドしてアーチを維持し、地面から足を上げるとそのような負荷が無いために非伸縮性素材の足装着具1は柔らかい状態で足に負荷をかけない。このように、仮に伸縮性素材であれば足を地面から上げても圧迫するために常に圧迫されるところを、非伸縮性素材とすることで必要なときだけ足を矯正して不要なときは圧迫せず負荷をかけない快適な使い心地を実現できる。さらに、柔らかいが非伸縮の足甲布が足の上部から側部までをしっかりとホールドするため、足装着具1が装着される人の足を理想的な形状となるように効率よくサポートし、足裏にアーチを再生させ、足のバランスを回復させることができる。具体的には、横アーチを再生し、母趾球から踵骨にかけての内側縦アーチおよび小趾球から踵骨にかけての外側縦アーチをサポートすることができるので、足の全体的なバランスを回復させ、人の本来の歩行軌道を実現することができる。また、足のバランスを整えることにより、体全体のバランスを整えることができ、たとえば、膝の痛み、股関節の痛み、腰痛、反り腰による背中痛、および巻き肩等の症状を緩和することもできる。さらに、足のアーチができることにより、足裏にクッションができ、衝撃吸収をすると同時に、ポンプ作用を得ることができ、血行がよくなる。このため、低体温症の改善にも寄与することができる。
また、足装着具1は、足指の付け根(中足趾節関節)から足甲部分の一部までを覆うように筒状に形成され、さらに、人の足にフィットするような形状に形成されているため、通常の足指先から足首までを覆う通常の足袋に比べて気軽に装着することができる。同様に、弾性力を有する素材で形成される靴下で足の特定部位を締め付け固定するようなサポーター等の足装着具に比べても、気軽に装着することができる。したがって、足袋や締め付け固定するようなサポーターを履くことが面倒だと感じている人であっても、本発明の足装着具1であれば気軽に装着することができ、足のバランスを効率よく回復させることができる。
また、足装着具1は、非伸縮性素材で形成されているため、長期間の使用、洗濯の繰り返し、および強い負荷等によってサイズや形状が変形することが殆ど無く、長時間着用しても効果を持続させることができる。
この発明は本実施形態に限られず他の様々な実施形態とすることができる。また、上述の実施形態で挙げた具体的な構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。
この発明は、人の足に装着する足装着具の製造販売の産業に利用することができる。
1…足装着具
2…足裏布
21…内側側端部
22…外側側端部
3…足裏布
31…内甲部
32…外甲部
この発明は、足指の付け根から足甲部分までを覆う筒状の足装着具であって、非伸縮素材で構成され、足裏を覆う足裏布と、前記足裏布に縫い合わされる非伸縮素材で構成され、足甲を覆う足甲布とを備え、先端側の足指側幅広部における前記足装着具の全体の周長に対する前記足裏布の周長の比率は、30%~49%であり、後端側の幅狭部における前記足装着具の全体の周長に対する前記足裏布の周長の比率は、15%~30%であり、前記足裏布は、前記足甲布よりも太い糸で織られて前記足甲布よりも厚くなるように形成されており、かつ、前記足甲布よりも硬いことを特徴とする足装着具である。

Claims (4)

  1. 足指の付け根から足甲部分までを覆う筒状の足装着具であって、
    非伸縮素材で構成され、足裏を覆う足裏布と、
    前記足裏布に縫い合わされる非伸縮素材で構成され、足甲を覆う足甲布とを備え、
    先端側の足指側幅広部における前記足装着具の全体の周長に対する前記足裏布の周長の比率は、30%~49%であり、
    後端側の幅狭部における前記足装着具の全体の周長に対する前記足裏布の周長の比率は、15%~30%である
    足装着具。
  2. 前記足指側幅広部における前記足裏布の周長に対する前記幅狭部における前記足裏布の周長の比率は、55%~80%であり、
    前記足裏布の周長は、前記幅狭部から前記足指側幅広部に向かうにつれて徐々に長くなるように変化している
    請求項1記載の足装着具。
  3. 前記足甲布は、親指に対応する内甲部と、人差指から小指に対応する外甲部とを有し、
    前記内甲部の周長は、前記外甲部の周長よりも短い
    請求項1または2記載の足装着具。
  4. 前記足指側幅広部における前記外甲部の周長に対する前記内甲部の周長の比率は、70%~75%であり、
    前記幅狭部における前記外甲部の周長に対する前記内甲部の周長の比率は、95%~98%である
    請求項3記載の足装着具。
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