JP2023076557A - Icタグ、icタグの製造方法、及びic保持部の製造方法 - Google Patents

Icタグ、icタグの製造方法、及びic保持部の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造コストの低下、又はICチップを含む部分の取り外しの容易化、又はインピーダンス整合等による性能の改善のいずれかを達成するか、又はその他の何らかの利点を有するICタグ、ICタグの製造方法、又はIC保持部の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】第1基材と、ICチップと、第1導電体と、を備えたIC保持部と、第2基材と、第2基材に対して固定された第2導電体と、を備えた第2導電体保持部と、IC保持部と第2導電体保持部との間に少なくとも一部が配置された接着材又は粘着材と、を備え、積層方向から見た平面内での、ICチップと第1導電体と第2導電体との位置関係が、ICチップから始まってICチップに至る経路が第1導電体と第2導電体とを用いて形成されたように見えるような位置関係である、ICタグを提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば商品管理等、任意の用途に用いられるICタグ、ICタグの製造方法、及びIC保持部の製造方法に関する。
近年、ICタグが広く用いられており、一例においては、商品、物品等に関する情報を記憶させたIC(integrated circuit)チップを備えたICタグを当該商品、物品等に対して取り付け、リーダ装置により非接触で情報を読み取ることにより商品、物品等を管理するという態様で利用されている。
ICタグ製造方法としては、ケミカルエッチング等の手法により基材上にアンテナを形成後、ICチップを加熱圧着することにより接合する手法が主流であるが、ICタグが更に普及するためには製造コストの低下が望まれる。また、ICタグが取り付けられた商品を購入後、不要になったICタグの、特にICチップを含む部分を取り外して廃棄する等の場面において、当該ICチップを含む部分を容易に取り外せるICタグも望まれている。その他、インピーダンス整合等によるICタグの性能改善も望まれている。
国際公開第2010/082413号(特許第5041077号) 国際公開第2012/032974号(特許第5062372号) 特開2018-200632号公報 特開2018-200635号公報 特開2018-207387号公報 特開2019-3354号公報 特開2019-8553号公報
以上に鑑み、本発明は、製造コストの低下、又はICチップを含む部分の取り外しの容易化、又はインピーダンス整合等による性能の改善のいずれかを達成するか、又はその他の何らかの利点を有するICタグ、ICタグの製造方法、又はIC保持部の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するべく、本発明は、第1基材と、ICチップと、第1導電体と、を備えたIC保持部と、第2基材と、第2基材に対して固定された第2導電体と、を備えた第2導電体保持部と、IC保持部と第2導電体保持部との間に少なくとも一部が配置された接着材又は粘着材と、を備え、積層方向から見た平面内での、ICチップと第1導電体と第2導電体との位置関係が、ICチップから始まってICチップに至る経路が第1導電体と第2導電体とを用いて形成されたように見えるような位置関係である、ICタグを提供する。
上記ICタグの一例は、IC保持部においては、第1基材に対してICチップが固定され、ICチップの少なくとも1つ端子部に第1導電体の少なくとも一部が電気的に接続されており、接着材又は粘着材により、第1導電体に対して第2導電体が固定されているものであってよい。
上記ICタグの一例は、第2基材、第2導電体、接着材又は粘着材、IC保持部、剥離可能な紙を順次積層した積層構造を有するものであってよい。
上記ICタグの一例は、IC保持部においては、第1基材に対して第1導電体が固定され、第1導電体の少なくとも一部にICチップの少なくとも1つの端子部が電気的に接続されており、接着材又は粘着材により、第2導電体に対して、第1基材又はICチップが固定されているものであってよい。
上記ICタグの一例は、表紙、表紙側接着材又は粘着材、IC保持部、接着材又は粘着材、第2導電体、第2基材、剥離可能紙側接着材又は粘着材、剥離可能な紙を順次積層した積層構造を有するものであってよい。
上記ICタグの一例は、第1導電体と第2導電体とが積層方向から見て少なくとも一部重なることによりループ状の整合回路が形成されたものであってよい。
上記ICタグの一例は、第1導電体と第2導電体とが、互いに異なるシート抵抗(表面抵抗率)値を有する導電体としてそれぞれ形成され、第2導電体のシート抵抗値は第1導電体のシート抵抗値の10倍以上であるものであってよい。
上記ICタグの一例においては、第2導電体が、0.1Ω/□(Ω/sq.,ohms per square)以上、1000Ω/□以下のシート抵抗値を有する導電体として形成されるものであってよい。
上記ICタグの一例において、第1導電体又は第2導電体は、エッチング、箔押し、印刷のいずれかの処理を用いて、金属材料を用いて形成されるものであってよい。
上記ICタグの一例において、第1導電体又は第2導電体は、金属粒子と、炭素粒子と、カーボンナノチューブと、のいずれかを含み、さらに樹脂を含む材料で形成されるものであってよい。
上記ICタグの一例において、積層方向から見た平面内でICチップと経路によって囲まれるように見える区域が、区域内でICチップ側から離れるに従って幅が広くなる部分を有するものであってよい。
また本発明は、第1基材と、第1導電体と、ICチップと、を備えたIC保持部と、第2基材と、第2基材に対して固定された第2導電体と、を備えた第2導電体保持部と、IC保持部と第2導電体保持部との間に少なくとも一部が配置された接着材又は粘着材と、IC保持部を覆うように配置された剥離可能な紙と、を備え、IC保持部は剥離可能な紙に対して直接固定されてはおらず、第2導電体保持部と接着材又は粘着材には、積層方向から見た平面内でIC保持部を囲むような線に沿って少なくとも部分的に切れ目が設けられている、ICタグを提供する。
上記ICタグの一例は、積層方向から見た平面内での、ICチップと第1導電体と第2導電体との位置関係が、ICチップから始まってICチップに至る経路が第1導電体と第2導電体とを用いて形成されたように見えるような位置関係であるものであってよい。
また本発明は、ICチップを第1基材のICチップ固定位置に固定することであって、ICチップ固定位置に第1の接着材又は粘着材を形成後にICチップを固定することを含むか、又は、少なくともICチップ固定位置を含む面に第1の接着材又は粘着材を含む層を形成した第1基材のICチップ固定位置にICチップを固定することを含む、固定することと、第1導電体を、ICチップにおけるICチップ固定位置側とは異なる側の面に設けられた少なくとも1つの端子部と第1導電体の少なくとも一部が電気的に接続されるよう形成することと、を含み、ICチップをICチップ固定位置に固定する際、第1基材の、ICチップ固定位置側の面内であってICチップ固定位置の周囲における高さと、ICチップの端子部の高さとの差が、ICチップの厚さの半分以下となるよう、第1基材を変形させ、第1基材が圧縮された状態で、第1導電体の形成を行う、IC保持部の製造方法を提供する。
また本発明は、上記方法によりIC保持部を製造することと、第2基材上に第2導電体を形成することと、第2導電体上に接着材又は粘着材を形成することと、接着材又は粘着材上にIC保持部を配置することと、を含み、積層方向から見た平面内での、ICチップと第1導電体と第2導電体との位置関係が、ICチップから始まってICチップに至る経路が第1導電体と第2導電体とを用いて形成されたように見えるような位置関係となるよう、IC保持部の配置を行う、ICタグの製造方法を提供する。
本発明によれば、一例においてはICチップを含む部分を小型化、共通化して量産効果を上げることによる製造コストの低下、又は、少なくとも部分的に切れ目を設けること等による、ICチップを含む部分の取り外しの容易化、又は、積層方向から見た平面内でのICチップと第1導電体と第2導電体との位置関係に起因する性能の改善、又は、その他の何らかの利点を有するICタグ、ICタグの製造方法、又はIC保持部の製造方法が達成される。
本発明の第1実施形態に係るICタグの外観斜視図。 図1AのICタグに含まれる構成要素を示して積層構造を説明するための図。 本発明の第1実施形態に係るICタグ(複数繋がった状態)を積層方向から見た平面透視図。 ICチップの第1端子部(第1接続電極)と第2端子部(第2接続電極)とが、第1導電体の一方の導電体部分と他方の導電体部分と、それぞれ接続されている様子を示す図。 本発明の第1実施形態に係るIC保持部の一例である、ICストラップ部(複数繋がった状態)の平面図。 図1Aに示すICタグの、図1A中、A-A’線断面における、積層方向に沿って切断した断面図(図1Bとは積層方向について上下逆に示している。)。 図1A,図1B等に示すICタグの機能を説明するための、概念的等価回路図。 本発明の第1実施形態に係るICタグに用いる、ICストラップ部の製造方法の一例を説明するための図。 ICチップを第1基材上のICチップ固定位置に固定する際に好ましい条件を説明するための図であり、図4と同様の断面図として示している。 本発明の第1実施形態に係るICタグの製造方法の一例を説明するための図。 図7により説明される製造方法中でのICストラップ部の配置を説明するための図。 本発明の第2実施形態に係るICタグの、図1A中、A-A’線断面に対応する、積層方向に沿って切断した断面における断面図。 ICチップの第1端子部(第1接続電極)と第2端子部(第2接続電極)とが、第1導電体の一方の導電体部分と他方の導電体部分と、それぞれ接続されている様子を示す図(図9Aと同様の断面図)。 本発明の第2実施形態に係るICタグの変形例として、図9Aの構成において、ICストラップ部を積層方向について上下逆に配置した場合の断面図。 本発明の実施形態に係るICタグを積層方向から見た平面透視図。 本発明の実施形態に係るICタグであって、第1導電体の態様を図11Aの態様から変更したときの、積層方向から見た平面透視図。 本発明の実施形態に係るICタグであって、第1導電体の態様を図11A,図11Bの態様から変更したときの、積層方向から見た平面透視図。 第2導電体保持部上にICストラップ部を配置することを説明する図。 本発明の実施形態に係るICタグであって、第2導電体の態様を図11A,図11B,図11Cの態様から変更したときの、積層方向から見た平面透視図。 第1導電体として用いる導電体、又は第2導電体として用いる導電体のシート抵抗を測定するための方法の一例を説明するための図。 本発明の第3実施形態に係る、ICストラップ部を囲むような線に沿って切れ目が設けられたICタグ(複数繋がった状態)を、積層方向から見た平面透視図として示すとともに、そのうち1つのICタグにおいて、ICストラップ部及びその周辺部を、それ以外の部分から切れ目に沿って分離した様子を示す図。 本発明の第3実施形態に係るICタグの変形例として、切れ目が部分的である(少なくとも一部に「アンカット」が設けられた)構成を示す平面透視図。 切れ目が設けられたICタグについての、図1A中、A-A’線断面に対応する、積層方向に沿って切断した断面における断面図(ただし第2導電体保持部側を上側に示した。)。 本発明の第3実施形態に係るICタグの製造方法の一例を説明するための図。
以下、本発明の例示的実施形態であるICタグ、ICタグの製造方法、及びIC保持部の製造方法を、図面を参照しつつ説明する。ただし本発明によるICタグ、ICタグの製造方法、及びIC保持部の製造方法が以下に説明する具体的態様に限定されるわけではなく、本発明の範囲内で適宜変更可能であることに留意する。例えば、以下においては、ICチップ保持部の一例として、第1導電体が積層方向から見て紐のような形状を有しているICチップ保持部(「ICストラップ部」と称することがある)を用いて説明をするが、ICチップ保持部における第1導電体の形状はそのような形状に限られず任意であってよい。第1導電体が、後述の実施形態のように2つの導電体部分からなることも必須ではない。第1導電体は一体となった1つの導電体であってもよいし、2以上の任意の導電体部分を含むものであってもよい。ICチップはバンプを含まないタイプのものであってもよい。その他の構成要素の形状、サイズ、材料等も任意である。ICタグは、パッシブ型、アクティブ型、セミアクティブ型等、任意のタイプのICタグであってよい。また、以下の実施形態では、主にはICタグが剥離可能な紙を含むものとして説明するが、剥離可能な紙を含まない状態のものをICタグと称してもよい。以下の実施形態においても、剥離可能な紙を含まないものをICタグと称する場合と、剥離可能な紙を含む状態のものをICタグと称する場合とがある。剥離可能な紙に代えて任意の剥離可能な素材を用いてもよいし、剥離可能な紙に対応する要素を省いてもよい。本発明の範囲内で、実施形態において説明されるICタグ、ICチップ保持部が含む構成要素のうち任意の構成要素を削除したり、変更したり、或いは別の構成要素を追加してもよいし、本発明の範囲内で、実施形態において説明されるICタグの製造方法、IC保持部の製造方法が含む構成要素のうち任意の構成要素を削除したり、変更したり、或いは別の構成要素を追加してもよい。なお、本明細書中、「接着」の一例は「粘着」であり、「接着材」の一例は「粘着材」であるが、「接着」、「接着材」は、それぞれ、「粘着」、「粘着材」以外の任意の「接着」、「接着材」であってよい。なお、各図面の縮尺や縦横比等は一定とは限らない。
(第1実施形態)
ICタグの構成
図1Aは本発明の第1実施形態に係るICタグの外観斜視図であり、図1Bは、図1AのICタグに含まれる構成要素を示して積層構造を説明するための図である。ICタグ1は、剥離可能な紙2、第1基材3、ICチップ4、第1導電体5(一方の導電体部分5aと他方の導電体部分5bとからなる)、粘着材等の接着材6、第2導電体7、第2基材8を含み、第1基材3、ICチップ4、第1導電体5を含むIC保持部(ICストラップ部)と、第2導電体7、第2基材8を含む第2導電体保持部とが接着材6により接着(粘着)されて、更に剥離可能な紙2をICストラップ部側から粘着材等の接着材6に付着させてなる構造を有している(図1B参照)。なお、説明の便宜上、図1BにおいてはICチップ4と第1導電体5とが接続されており、第1基材3が分離して描かれているが、図6A,図6Bを用いて説明するICストラップ部の製造方法の一例においては第1基材3にICチップ4を固定した後に第1導電体5を形成していることに留意されたい(作業順序は適宜変更可能)。また、後述の図3A等のように第1導電体3が圧縮され変形している場合、図1B中、剥離可能な紙2の面内でICチップ4に対応する位置において、ICタグ1は多少膨らみを有することがある。
図2は、本発明の第1実施形態に係るICタグ(複数繋がった状態)を積層方向から見た平面透視図である。なお、図1A,図1Bの構成とは異なり、第2基材8は矩形における4つの端部に丸みを帯びた形状で形成されており、また複数のICタグ1が同一の剥離可能な紙2を共有している(剥離可能な紙2を含まない複数のICタグ1に対して同一の剥離可能な紙2が貼り付けられている。)。積層方向から見た平面内における、ICチップ4と第1導電体5(一方の導電体部分5aと他方の導電体部分5bとからなる)と第2導電体7との位置関係が、ICチップ4から始まって当該ICチップ4に至る経路(図2中、破線の経路。)が第1導電体5と第2導電体7とを用いて形成されたように見えることがわかる。後述のとおり、本実施形態においては第1導電体5と第2導電体7とがこのような位置関係をとることで、ループ状のインピーダンス整合回路が形成される(後述の第2,第3実施形態においても、第1導電体5と第2導電体7とがこのような位置関係をとることができる。)。
ICチップ4は、メモリや制御回路等を備えた半導体チップを用いて構成され、ICチップ4の第1接続電極4aには、第1導電体5の一方の導電体部分5aが電気的に接続され、ICチップ4の第2接続電極4bには、第1導電体5の他方の導電体部分5bが電気的に接続されている(図3A参照)。ICチップ4は、後述のとおり、例えば第1基材3の表面に、接着剤(例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、溶剤乾燥型(酢酸ビニル系、ニトリルゴム系)、水溶性(糊))等の接着材を形成した上で当該表面上にICチップ4を固定し、加圧することにより、第1基材3を変形(屈曲等)させ、第1基材3を圧縮しつつ、第1基材3上に実装される。ただし、接着剤等の接着材を用いずに、単にICチップ4を押圧するだけであっても、第1基材3を変形させてICチップ4を固定することが可能である。第1導電体5は、図2や図3Aに示すとおり2つの導電体部分(一方の導電体部分5a,他方の導電体部分5b)から構成され、ICチップ4とリーダ・ライタ装置との間での無線通信におけるICチップ4側のアンテナとして機能する。第1導電体5は、上記のとおり第1基材3が変形し、圧縮された状態で、例えばスクリーン印刷機等により銀ペースト等の導電性インキを第1基材3の表面に印刷したり、アルミニウムをはじめとする金属等により生成された箔押しテープを箔押し機等により第1基材3の表面に転写したり、あるいは、第1基材3の表面にアルミニウム等の金属蒸着膜を作製し、エッチングにより成形する等して形成できる(特許文献3中の段落[0024]、特許文献5中の段落[0021]等参照)。あるいは、ACP(Anisotropic Conductive Paste:異方導電ペースト)を用いて、第1接続電極4a(バンプ)と一方の導電体部分5aを、及び第2接続電極4b(バンプ)と他方の導電体部分5bを、それぞれ電気的に接続してもよい。第1基材3,第2基材8は、それぞれ布、不織布、紙、セラミック、樹脂等、任意の材料からなる基材であってよく、第1基材3の材料と第2基材8の材料とは同一であっても互いに異なっていてもよい。接着材6は、一例においては粘着材であり、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等の粘着材であってよい。第2導電体7は、第1導電体5と同様に印刷、箔押し、エッチング等の方法によって第2基材8の表面上に形成することができる。第1導電体5,第2導電体7の材料としては、金属粒子、炭素粒子、カーボンナノチューブ等、任意の材料を用いることができ、またこれら材料のうち任意のものに樹脂を更に含む材料を用いることもできる(例えば炭素粒子をバインダーに加えて印刷する等の方法で形成される。)。第1導電体5の材料と第2導電体7の材料とは同一であっても互いに異なっていてもよいが、一例においては第1導電体5を金属により形成し、第2導電体7を、樹脂を含んだ金属粒子、炭素粒子、カーボンナノチューブ等のいずれかの導電粒子により形成する。
図3Bは、本発明の第1実施形態に係るIC保持部の一例である、ICストラップ部(複数繋がった状態)の平面図である(第1接続電極4aと一方の導電体部分5aとの電気的接続、第2接続電極4bと他方の導電体部分5bとの電気的接続に係る部分は詳細に描かず、単純にICチップ4の左端に一方の導電体部分5aが接続され、ICチップ4の右端に他方の導電体部分5bが接続されているような簡略的な表現とした。図2、図8等、他の図面においても適宜同様に表現を簡略化している。)。図3Bに示すように同一構成のICストラップ部を複数まとめて製造しておき、後に1つずつ切り離して補助アンテナ側の第2導電体保持部と組み合わせれば、量産効果による製造コスト低減が期待できる。また後述のとおり、ICストラップ部と第2導電体保持部との組み合わせ方を調整したり、ICストラップ部における第1導電体5、第2導電体保持部における第2導電体7の形状を調整したりすることにより、ICチップ4と、アンテナ(第1導電体5)及び補助アンテナ(第2導電体7)と、の間でインピーダンスを整合させることもできる(後述の第2,第3実施形態においても同様。)。
図4は、図1Aに示すICタグの、図1A中、A-A’線断面における、積層方向に沿って切断した断面図である(図1Bとは積層方向について上下逆に示している。)。図4中の上から順に、第2基材8、第2導電体7、粘着材等の接着材6、第1導電体5(一方の導電体部分5a,他方の導電体部分5b)、ICチップ4、第1基材3、剥離可能な紙2が配置されている。なお、第1基材3上にICチップ4を固定する際に用いる接着剤等、及び、その他の接着材等(用いる場合)は適宜省略している。また、後述の図9A,図10に関する構成と同様に、ICストラップ部は積層方向について図4中の向きとは上下逆の向きで配置しても構わない。
図5は、図1A,図1B等に示すICタグの機能を説明するための、概念的等価回路図である。電気抵抗R1は第1導電体5における一方の導電体部分5aの抵抗を表し、電気抵抗R2は第1導電体5における他方の導電体部分5bの抵抗を表し、電気抵抗R3は第2導電体7の抵抗を表す。電気容量(静電容量)C1は、一方の導電体部分5aと第2導電体7との間に接着材6が存在することにより発生する容量を表し、電気容量(静電容量)C2は、他方の導電体部分5bと第2導電体7との間に接着材6が存在することにより発生する容量を表す。インダクタンスLは、図2に示すとおり、積層方向から見た場合にICチップ4と第1導電体5と第2導電体7とによりループ状の経路が形成されたように見えることに対応して発生するインダクタンスを表す。アンテナA1,A2は、第1導電体5と第2導電体7とにより実現されるアンテナとしての機能を概念的に表示したものである。ICタグがパッシブ型タグである場合の一例においては、リーダ装置から発せられた電波等の電磁波(問い合わせ信号)をICタグがアンテナで受信し、当該電磁波をエネルギー源としてICタグが動作し、そのメモリに記憶された情報を電磁波としてICタグのアンテナから発信し、リーダ装置が自己のアンテナでICタグからの電磁波を受信することにより情報を取得する。図5に示す回路はインピーダンス整合回路として機能することが可能であり、例えば粘着材6等の接着材6の厚さを変えたり、一方の導電体部分5aと第2導電体7との、積層方向から見たときの重なった部分の大きさや、他方の導電体部分5bと第2導電体7との、積層方向から見たときの重なった部分の大きさを変えたり、積層方向から見てICチップ4と第1導電体5と第2導電体7とにより囲まれるように見える区域(図2参照)の大きさを変えたりすることによりインピーダンスを調整して、ICチップ4とそれ以外の部分との間でインピーダンスを整合させることが可能である(後述の第2,第3実施形態においても同様。)。
ICタグの製造方法
図6A,図6Bは、本発明の第1実施形態に係るICタグに用いる、ICストラップ部の製造方法を説明するための図であり、図7は製造したICストラップ部を用いて本発明の第1実施形態に係るICタグを製造する方法の一例を説明するための図である。図6A,図7においては、それぞれ時系列に沿って右に進むよう、各工程が図示されている。
図6Aに示すとおり、まず、第1基材3上のICチップ固定位置に接着剤等の接着材又は粘着材を形成するか、少なくともICチップ固定位置を含む面に、接着剤等の接着材又は粘着材を含む層(接着機能層)を形成し、その後、ICチップ固定位置にICチップ4を固定する。この固定の際には、図6A中の矢印で示す方向(第1基材3の方向)にプレス機等でICチップ4を押すことにより、第1基材3を圧縮し、変形(屈曲等)させる(圧縮、変形を容易にするために、第1基材3をあらかじめ水に浸して柔らかくしておいてもよい。)。一例においては、ICチップ4をICチップ固定位置に固定する際、第1基材3の、ICチップ固定位置側の面内であってICチップ固定位置の周囲における高さと、ICチップの端子部の高さとの差が、ICチップの厚さの半分以下となるよう、第1基材3を変形させ、第1基材3が圧縮された状態で(図6B中のd,hに関してd≧2hが成り立つ状態で(dがhの2倍以上の状態で))、後の第1導電体5の形成を行うことが好ましい(後述の実施形態において第1基材3上にICチップ4を固定する場合も同様。)。そのような状態で第1導電体5の形成を行えば、比較的凹凸の小さい面上に第1導電体5を形成でき、第1導電体5のアンテナとしての性能も安定すると考えられるからである。もちろん、第1基材3の厚みに応じて、可能であればh=0となるようICチップ4を第1基材3に全て埋め込んでもよい。第1導電体5の形成は、既に述べたとおり印刷、箔押し、エッチング等の手法により行われ、図3Aに示すとおり、ICチップ4の第1の端子部(第1接続電極4a)が第1導電体5の一方の導電体部分5aと電気的に接続され、ICチップ4の第2の端子部(第2接続電極4b)が第1導電体5の他方の導電体部分5bと電気的に接続される。接着材又は粘着材によるICチップ4の固定(第1基材3の圧縮、変形も含む。)、第1導電体5の形成は、第1基材3上で間隔をおいて複数回行われ、その結果、図3Bに示すとおり、ICストラップ部は複数繋がった状態で製造される。ICチップ4と第1導電体5との電気的接続には高精度の作業が要求されることが多いため、このようにICストラップ部を複数まとめて製造すれば、作業を画一化することによる効率化が期待できる。
一方、図7に示すとおり、第2基材8(ここでは紙とした。)上には補助アンテナとして第2導電体7が印刷される(例えば図2に示すような形状の第2導電体7が、同じく図2に示すとおり間隔を置いて複数印刷される。)。さらに、第2導電体7を印刷した面上に粘着材等の接着材6が塗布され、接着材6上にICストラップ部9aを、第1導電体5側が接着材6側となるような向きで固定することにより、ICストラップ部9aが実装される(印刷された複数の第2導電体7の1つ1つに対応する位置に、図3Bに示すとおり繋がった状態のICストラップ部9aの1つ1つが切り離された上で実装される。図8参照。)。次に、剥離可能な紙2が、ICストラップ部9aの第1基材3側から貼り付けられる。図7に示されるとおり、剥離可能な紙2は、ICストラップ部9a同士の間隔領域に存在する接着材6に対して付着することとなるため、例えば第1基材3のICチップ4とは逆側の面に粘着材等を塗布することは不要である。その後、図7に示されるとおり、ICタグ1つ1つを分離するように第2基材8と接着材6の層がカット(切断)され、カス上げ(不要な部分を取り除くこと。例えば、図2においては第2基材8と接着材6がカス上げにより部分的に除去されて、剥離可能な紙2よりも小さい形状(矩形における4つの端部に丸みを帯びた形状)となっている。)が行われたのち、ロール形状に巻き取られる。
(第2実施形態)
ICタグの構成
図9Aは、本発明の第2実施形態に係るICタグの、図1A中、A-A’線断面に対応する、積層方向に沿って切断した断面における断面図である。図9A中の上から順に、表紙10、接着材又は粘着材による第1接着層11、ICチップ4、第1導電体5(一方の導電体部分5a,他方の導電体部分5b)、第1基材3、接着材又は粘着材による第2接着層12、第2導電体7、第2基材8、接着材又は粘着材による第3接着層13、剥離可能な紙2が配置されている。なお、第1基材3上に第1導電体5を形成する際に用いる接着剤等(印刷で形成する場合等は不要)、第1導電体5上にICチップ4を固定する際に用いる接着剤等、及び、その他の接着材等(用いる場合)は適宜省略している。また第1実施形態と同様であってよい要素、構成についても説明を省略する。
図9Aに示すとおり、第2実施形態に係るICタグの層構成は第1実施形態に係るICタグの層構成(図4)とは異なるものの、積層方向から見た平面透視図は図2に示す平面透視図と同様であってよく(後に図11A~図11D,図12を用いて説明するとおり調整可能。なお、第1実施形態、後述の第3実施形態においても、図2に示す構成をとってもよいし、また後に図11A~図11D,図12を用いて説明するとおり調整可能である。)、第2実施形態、及び後述の第3実施形態に係るICタグも、図5を用いて説明したとおりインピーダンス整合回路として機能することが可能である。ICチップ4の第1接続電極4aと第1導電体5の一方の導電体部分5aとの電気的接続、ICチップ4の第2接続電極4bと第1導電体5の他方の導電体部分5bとの電気的接続は、例えば図9Bに示すとおりである。
図10は、本発明の第2実施形態に係るICタグの変形例として、図9Aの構成において、ICストラップ部を積層方向について上下逆に配置した場合の断面図である。図10中の上から順に、表紙10、接着材又は粘着材による第1接着層11、第1基材3、第1導電体5(一方の導電体部分5a,他方の導電体部分5b)、ICチップ4、接着材又は粘着材による第2接着層12、第2導電体7、第2基材8、接着材又は粘着材による第3接着層13、剥離可能な紙2が配置されている。図9Aと同様に、第1基材3上に第1導電体5を形成する際に用いる接着剤等(印刷で形成する場合等は不要)、第1導電体5上にICチップ4を固定する際に用いる接着剤等、及び、その他の接着材等(用いる場合)は適宜省略している。また第1実施形態と同様であってよい要素、構成についても説明を省略する。図10に示す層構成のICタグ1は、図9Aに示す層構成のICタグ1と概ね同様に機能することができるが、ICストラップ部の向きが積層方向について逆向きとなることにより、通信性能が変化すると考えられる。
ここで、積層方向から見たときの第1導電体5と第2導電体7との重なり方(一方の導電体部分5aと第2導電体7との重なり方、他方の導電体部分5bと第2導電体7との重なり方)、位置関係、サイズ等は、図2に示した態様に限らず変更可能である。図2とは異なる重なり方、位置関係、サイズ等の例を、図11A~図11Cの平面透視図として示す。これらの図に示すとおり、重なり方等を適宜調整することにより、一方の導電体部分5aと第2導電体7との積層方向から見た重なりに関連する静電容量、他方の導電体部分5bと第2導電体7との積層方向から見た重なりに関連する静電容量、上述のインダクタンス等を適宜調整できる。例えば、図11Dに示すとおり第2導電体保持部上にICストラップ部を実装する場合、ICストラップ部の実装位置を調整することにより、図11C中でICチップ4と第1導電体5と第2導電体7とにより囲まれたように見える面積を増減させれば、上述のインダクタンスを変化させることができるし、導電体部分5aと第2導電体7との積層方向から見た重なりの大きさ、導電体部分5bと第2導電体7との積層方向から見た重なりの大きさをそれぞれ増減させれば、それぞれの重なりに起因する静電容量を変化させることができる。
なお、第1導電体5だけでなく、第2導電体7の形状も適宜変更可能である。例えば図12に示すとおり、第1導電体5の一方の導電体部分5aと、他方の導電体部分5bと、第2導電体7とにより形成される、ICチップ4から始まって当該ICチップ4に至る経路と、当該ICチップ4と、によって囲まれるように見える区域(図12中、破線経路とICチップ4で囲まれる区域)が、当該区域内でICチップ側から離れるに従って幅が広くなる部分を有するよう、第2導電体7の形状を変更してもよい。このような第2導電体7の形状を採用すれば、ICストラップ部の実装位置が多少上下にずれたとしても、それによるインダクタンスのずれを比較的小さくすることができる。
既に述べたとおり、第1導電体5の材料と第2導電体7の材料としては、例えば金属、樹脂を含んだ金属粒子、炭素粒子、カーボンナノチューブ等を用いることができ、第1導電体5の材料と第2導電体7の材料とは同一であっても互いに異なっていてもよいが、一例においては第1導電体5を金属により形成し、第2導電体7を、樹脂を含んだ金属粒子、炭素粒子、カーボンナノチューブ等のいずれかの導電粒子により形成する。ICチップ4の端子部との電気的接続性を考慮すれば、第1導電体5の材料としては特に導電性の高い金属が好ましく、一方で補助アンテナとして機能する第2導電体7の材料としては、金属に比較すれば導電性の低い材料を用いたとしても比較的良好な性能が得られると考えられるからである(一例において、30Ω/□(Ω/sq.)程度のシート抵抗を有する材料を用いたとしても、金属を用いた場合に比較して概ね80%程度の通信性能(通信距離)が得られると考えられる。)。アンテナとしての第1導電体5と、補助アンテナとしての第2導電体7を組み合わせることにより、補助アンテナがない場合に比較してICタグの通信可能距離を延ばすことができる。
一例においては、第1導電体5と第2導電体7とを、互いに異なるシート抵抗(表面抵抗率)値を有する導電体としてそれぞれ形成し、第2導電体7のシート抵抗値が第1導電体5のシート抵抗値の10倍以上であるものとすることができる。例えば導電インクでアンテナを作製した場合、抵抗が高くなり、通常のアルミ箔等と比べてシート抵抗が10倍以上になってしまう場合があるが、そのようなものであっても、これを第2導電体7として、導電性の高い金属等の第1導電体5と組み合わせることにより、ICタグのアンテナとして機能させることが可能となる。このような第1導電体5と第2導電体7との組としては、例えばアルミ、銀、銅等、電気の良導体である金属(第1導電体5)と、ナノ粒子(金、銀、銅、アルミ、ニッケル等の金属ナノ粒子、或いは、カーボン、グラファイト等の粉)をビヒクル(バインダー)中に分散させたもの(第2導電体7)とを用いることができる。第2導電体7の例としては、カーボンやグラファイトを使用した黒い導電インクも製品として存在する。なお、ビヒクル(バインダー)としてはエポキシ樹脂が一般的であるが、要求特性や使用箇所に応じてウレタン、シリコーン、アクリル、ポリイミド、その他の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を使用することもできる。また第1導電体と第2導電体との具体的なシート抵抗値はそれぞれ任意であってよいが、一例として、第2導電体は、0.1Ω/□(Ω/sq.,ohms per square)以上、1000Ω/□以下のシート抵抗値を有する導電体として形成されるものであってよい。一例においては、第2導電体7におけるカーボン粒子の濃度を調節すること等により、第2導電体7のシート抵抗を調整することができ、これにより第1導電体5(銀等)のシート抵抗に対する第2導電体7のシート抵抗の比も調整できる。なお、第1導電体5のシート抵抗値と第2導電体7のシート抵抗値との比、及び、第1導電体5と第2導電体7との具体的なシート抵抗値のそれぞれは、第1,第3実施形態においても同様であってよい。
第1導電体5と第2導電体7のそれぞれのシート抵抗の測定は、一例において、ICタグ1において形成される第1導電体5と同じ材料、同じ厚さの第1シートと、ICタグ1において形成される第2導電体7と同じ材料、同じ厚さの第2シートとを予め作製しておき、第1シート、第2シートにおいてそれぞれのシート抵抗を、例えば4探針法等の方法で測定することにより行うことができる。このときの第1シートのシート抵抗の測定値を第1導電体5のシート抵抗値とし、第2シートのシート抵抗の測定値を第2導電体7のシート抵抗値としてよい。
シート抵抗の測定方法は任意であり、例えば図13に示す測定構成で測定することもできる。図13の構成においては、第1シートを縦幅が1mmで横幅が10mmの長方形(矩形)形状に切断し(厚さ方向には切断等しない)、切断された第1シートの10mm幅の両端間に直流電圧を印加して直流電流を測定することにより当該切断された第1シートの電気抵抗(=直流電圧/直流電流)を測定し、測定により得られた抵抗値の10分の1の値を第1導電体5のシート抵抗値(Ω/□、又はΩ/sq.)として用いることができる。第2導電体7のシート抵抗値についても同様に、第2シートを縦幅が1mmで横幅が10mmの長方形(矩形)形状に切断し(厚さ方向には切断等しない)、切断された第2シートの10mm幅の両端間に直流電圧を印加して直流電流を測定することにより当該切断された第2シートの電気抵抗(=直流電圧/直流電流)を測定し、測定により得られた抵抗値の10分の1の値を第2導電体7のシート抵抗値(Ω/□、又はΩ/sq.)として用いることができる。
ICタグの製造方法
図4に示す層構成とは異なり、図9A又は図10に示す層構成を有するICタグ1のICストラップ部においては、第1基材3上に第1導電体5が形成され、第1導電体5上にICチップ4が配置される(図9B。ただし接着材等は省略した。)。したがって、図6Aを用いて説明したICストラップ部の製造方法とは異なり、図9A又は図10中に示すICストラップの製造においては、第1基材3上に、まず印刷、箔押し、エッチング等の手法により第1導電体5(一方の導電体部分5aと他方の導電体部分5b)を形成し、その後、接着剤等の接着材を用いてICチップ4を第1導電体5上に固定する(図9Bに示すとおり、ICチップ4の第1の端子部(第1接続電極4a)が第1導電体5の一方の導電体部分5aと電気的に接続され、ICチップ4の第2の端子部(第2接続電極4b)が第1導電体5の他方の導電体部分5bと電気的に接続される。)。
一方、第2導電体保持部の製造方法は、図7を用いて説明した製造方法と同様であってよく、第2基材8上に印刷等により第2導電体7を形成する。第2導電体保持部の第2導電体7側に接着材により第2接着層12を形成し、第2接着層12上にICストラップ部を配置する(図9Aの層構成においてはICストラップ部の第1基材3が第2導電体7側を向くように配置し、図10の層構成においてはICストラップ部の向きを積層方向について逆向きに配置する。)。さらに、ICストラップ部側の表面(図9Aの層構成においてはICチップ側、図10の層構成においては第1基材3側)に接着材を用いて第1接着層11を形成し、表紙10を貼り付けるとともに、第2導電体保持部側の表面(第2基材8側)に粘着材等の接着材を用いて第3接着層13を形成し、剥離可能な紙2を貼り付ける。
(第3実施形態)
ICタグの構成
図14は、本発明の第3実施形態に係る、ICストラップ部を囲むような経路に沿って切れ目が設けられたICタグ(複数繋がった状態)を、積層方向から見た平面透視図として示すとともに、そのうち1つのICタグにおいて、ICストラップ部及びその周辺部を、それ以外の部分から切れ目に沿って分離した様子を示す図である。図15は、本発明の第3実施形態に係るICタグの変形例として、切れ目が部分的である(少なくとも一部に「アンカット」が設けられた)構成を示す平面透視図である。切れ目、又はアンカット付き(切れていない部分を有する)切れ目15に沿ってICタグ1の一部を切り取れば、廃棄の障害になり得るICチップ4や、一例においては金属を含む第1導電体5を含むICストラップ部を分離できる。
図16は、切れ目が設けられたICタグについての、図1A中、A-A’線断面に対応する、積層方向に沿って切断した断面における断面図である。図16中の上から順に、第2基材8、第2導電体7、粘着材等の接着材6、ICチップ4、第1導電体5(一方の導電体部分5a,他方の導電体部分5b)、第1基材3、剥離可能な紙2が配置されている。なお、第1導電体5上にICチップ4を固定する際に用いる接着剤等、及び、その他の接着材等(用いる場合)は適宜省略している。ICストラップ部と剥離可能な紙2との間には粘着材等の接着材が形成されておらず、ICストラップ部は剥離可能な紙2に対して直接固定されてはいない(剥離可能な紙2は粘着材等の接着材6により第2導電体保持部に貼り付けられており、ICストラップ部は、粘着材等の接着材6が形成された第2導電体保持部と剥離可能な紙2との間に挟まれている。)。また図16に示すとおり、第2基材8、第2導電体7、粘着材等の接着材6には、図14、図15を用いて説明した切れ目、又はアンカット付き切れ目15が設けられており、積層方向について第2基材8の側から、切れ目、又はアンカット付き切れ目15によって囲まれる部分(図14,図15参照)を、当該切れ目、又はアンカット付き切れ目15に沿って切り取ることにより、既に述べたとおりICストラップ部を分離できる(当該切り取られる部分における粘着材等の接着材6にICストラップ部が付着しているため、ICストラップも切り取られる部分とともに取り去られる。)。なお、ICストラップの構成は、図4に示すとおり第1基材上にまずICチップ4を固定し、その上に第1導電体5を形成した構成であってもよい。また、図4,図16のいずれの構成のICストラップを用いる場合においても、図9A,図10を用いて説明したとおり、積層方向についてICストラップの向きを上下逆にして配置しても構わない。ICチップ4の第1接続電極4aと第1導電体5における一方の導電体部分5aとの接続態様、ICチップ4の第2接続電極4bと他方の導電体部分5bとの接続態様も、図3A,図9B等に示す態様と同様であってよい。一使用例において、商品販売業者は、ICタグ1から剥離可能な紙2を剥がして、当該紙2以外の部分を粘着材等の接着材6側から商品の包装に貼り付けて商品管理に利用し(ICチップのメモリに管理情報が記憶されているとする。)、当該商品を販売する。商品を購入した消費者は、切れ目、又はアンカット付き切れ目15からICタグ1の一部を切り取ることによりICストラップ部を分離して廃棄し、ICタグ1の残りの部分が貼り付けられた状態の包装を別途廃棄する。
ICタグの製造方法
図17は、本発明の第3実施形態に係るICタグの製造方法の一例を説明するための図である。図17においては、時系列に沿って右に進むよう、各工程が図示されている。ICストラップ部9aの製造方法は、既に説明した実施形態における方法と同様であってよい。第2基材8上に補助アンテナとして第2導電体7を印刷し、さらに、第2導電体7を印刷した面上に粘着材等の接着材6が塗布され、接着材6上にICストラップ部9aを、ICチップ4側が接着材6側となるような向きで固定することにより、ICストラップ部9aが実装される(印刷された複数の第2導電体7の1つ1つに対応する位置に、図14,図15に示すとおり繋がった状態のICストラップ部9aの1つ1つが切り離された上で実装される。)。次に、剥離可能な紙2が、ICストラップ部9aの第1基材3側から貼り付けられる。図17に示されるとおり、剥離可能な紙2は、ICストラップ部9a同士の間隔領域に存在する接着材6に対して付着することとなるため、例えば第1基材3のICチップ4とは逆側の面に粘着材等を塗布することは不要である。その後、図17に示されるとおり、ICタグ1つ1つを分離するように第2基材8と接着材6の層がカット(切断)され、カス上げが行われ、更に図14~図16を用いて説明した切れ目、又はアンカット付き切れ目15を入れたのち(図14,図15中、参照符号(番号)「15」で示される線に沿って少なくとも部分的に切れ目を設ける。)、ロール形状に巻き取られる。
上記第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態において説明した特徴は、互いに任意に組み合わせることが可能である。
本発明は、製造業における製品、部品等の管理、小売業における商品管理をはじめとして、あらゆる産業で利用可能である。
1 ICタグ
2 剥離可能な紙
3 第1基材
3a 接着材(接着剤等)
4 ICチップ
4a 第1接続電極(バンプ)
4b 第2接続電極(バンプ)
5 第1導電体
5a 一方の導電体部分
5b 他方の導電体部分
6 接着材(粘着材等)
7 第2導電体
8 第2基材
9a ICストラップ(IC保持部)
9b 第2導電体保持部
10 表紙
11 第1接着層
12 第2接着層
13 第3接着層
14 第1導電体又は第2導電体(シート抵抗測定用)
15 切れ目、又はアンカット付き切れ目
R1~R4 電気抵抗
C1~C2 電気容量(静電容量)
L インダクタンス
A1~A2 アンテナ

Claims (15)

  1. 第1基材と、ICチップと、第1導電体と、を備えたIC保持部と、
    第2基材と、該第2基材に対して固定された第2導電体と、を備えた第2導電体保持部と、
    前記IC保持部と前記第2導電体保持部との間に少なくとも一部が配置された接着材又は粘着材と、
    を備え、
    積層方向から見た平面内での、前記ICチップと前記第1導電体と前記第2導電体との位置関係が、該ICチップから始まって該ICチップに至る経路が該第1導電体と該第2導電体とを用いて形成されたように見えるような位置関係である、
    ICタグ。
  2. 前記IC保持部においては、前記第1基材に対して前記ICチップが固定され、該ICチップの少なくとも1つの端子部に前記第1導電体の少なくとも一部が電気的に接続されており、
    前記接着材又は粘着材により、前記第1導電体に対して前記第2導電体が固定されている、
    請求項1に記載のICタグ。
  3. 前記第2基材、前記第2導電体、前記接着材又は粘着材、前記IC保持部、剥離可能な紙を順次積層した積層構造を有する、
    請求項2に記載のICタグ。
  4. 前記IC保持部においては、前記第1基材に対して前記第1導電体が固定され、該第1導電体の少なくとも一部に前記ICチップの少なくとも1つの端子部が電気的に接続されており、
    前記接着材又は粘着材により、前記第2導電体に対して、前記第1基材又は前記ICチップが固定されている、
    請求項1に記載のICタグ。
  5. 表紙、表紙側接着材又は粘着材、前記IC保持部、前記接着材又は粘着材、前記第2導電体、前記第2基材、剥離可能紙側接着材又は粘着材、剥離可能な紙を順次積層した積層構造を有する、
    請求項4に記載のICタグ。
  6. 前記第1導電体と前記第2導電体とが前記積層方向から見て少なくとも一部重なることによりループ状の整合回路が形成された、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のICタグ。
  7. 前記第1導電体と前記第2導電体とが、互いに異なるシート抵抗(表面抵抗率)値を有する導電体としてそれぞれ形成され、該第2導電体のシート抵抗値は該第1導電体のシート抵抗値の10倍以上である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のICタグ。
  8. 前記第2導電体が、0.1Ω/□以上、1000Ω/□以下のシート抵抗値を有する導電体として形成される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のICタグ。
  9. 前記第1導電体又は前記第2導電体は、エッチング、箔押し、印刷のいずれかの処理を用いて、金属材料を用いて形成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のICタグ。
  10. 前記第1導電体又は前記第2導電体は、金属粒子と、炭素粒子と、カーボンナノチューブと、のいずれかを含み、さらに樹脂を含む材料で形成される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のICタグ。
  11. 前記積層方向から見た前記平面内で前記ICチップと前記経路によって囲まれるように見える区域が、該区域内で前記ICチップ側から離れるに従って幅が広くなる部分を有する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のICタグ。
  12. 第1基材と、第1導電体と、ICチップと、を備えたIC保持部と、
    第2基材と、該第2基材に対して固定された第2導電体と、を備えた第2導電体保持部と、
    前記IC保持部と前記第2導電体保持部との間に少なくとも一部が配置された接着材又は粘着材と、
    前記IC保持部を覆うように配置された剥離可能な紙と、
    を備え、
    前記IC保持部は前記剥離可能な紙に対して直接固定されてはおらず、前記第2導電体保持部と前記接着材又は粘着材には、積層方向から見た平面内で該IC保持部を囲むような線に沿って少なくとも部分的に切れ目が設けられている、
    ICタグ。
  13. 積層方向から見た平面内での、前記ICチップと前記第1導電体と前記第2導電体との位置関係が、該ICチップから始まって該ICチップに至る経路が該第1導電体と該第2導電体とを用いて形成されたように見えるような位置関係である、
    請求項12に記載のICタグ。
  14. ICチップを第1基材のICチップ固定位置に固定することであって、該ICチップ固定位置に第1の接着材又は粘着材を形成後に該ICチップを固定することを含むか、又は、少なくとも該ICチップ固定位置を含む面に該第1の接着材又は粘着材を含む層を形成した該第1基材の該ICチップ固定位置に該ICチップを固定することを含む、該固定することと、
    第1導電体を、前記ICチップにおける前記ICチップ固定位置側とは異なる側の面に設けられた少なくとも1つの端子部と該第1導電体の少なくとも一部が電気的に接続されるよう形成することと、
    を含み、
    前記ICチップを前記ICチップ固定位置に固定する際、該第1基材の、該ICチップ固定位置側の面内であって該ICチップ固定位置の周囲における高さと、該ICチップの前記端子部の高さとの差が、該ICチップの厚さの半分以下となるよう、該第1基材を変形させ、該第1基材が圧縮された状態で、前記第1導電体の前記形成を行う、
    IC保持部の製造方法。
  15. 請求項14に記載の方法により前記IC保持部を製造することと、
    第2基材上に第2導電体を形成することと、
    前記第2導電体上に接着材又は粘着材を形成することと、
    前記接着材又は粘着材上に前記IC保持部を配置することと、
    を含み、
    積層方向から見た平面内での、前記ICチップと前記第1導電体と前記第2導電体との位置関係が、該ICチップから始まって該ICチップに至る経路が該第1導電体と該第2導電体とを用いて形成されたように見えるような位置関係となるよう、前記IC保持部の前記配置を行う、
    ICタグの製造方法。
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