JP2023076071A - ワイヤハーネス - Google Patents

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翼 酒井
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Abstract

【課題】ワイヤハーネスにおいて、ねじれ易い向きに偏りが生じることを抑制できる技術を提供することを目的とする。【解決手段】ワイヤハーネス10は、複数の電線20と第1端子台30と第2端子台40とを備える。各電線20は、撚線導体21と、前記撚線導体21を覆う絶縁被覆26とを含む。前記複数の電線20の一端部は第1端子台30の第1保持部31に保持され、他端部は第2端子台40の第2保持部41に保持される。前記複数の電線20は、前記第1保持部31と前記第2保持部41との間において、前記第1保持部31と前記第2保持部41とを結ぶ方向と交差する方向に並んでいる。前記複数の電線20は、前記撚線導体21の撚りの向きがS撚りである第1電線20Sと、前記撚線導体21の撚りの向きがZ撚りである第2電線20Zとを少なくとも1本ずつ含む。【選択図】図3

Description

本開示は、ワイヤハーネスに関する。
特許文献1は、複数の導体と前記導体の両端に設けられた2つの接続部とを備え、機器本体と当該機器本体を収容する機器ケースとを備えた機器内に屈曲された状態で配線される機器用配線部材を複数備えた機器用配線集合体を開示している。
特開2020-98786号公報
特許文献1に記載の機器用配線集合体のようなワイヤハーネスにおいて、ねじれ易い向きに偏りが生じることを抑制できることが望まれている。
そこで、ワイヤハーネスにおいて、ねじれ易い向きに偏りが生じることを抑制できる技術を提供することを目的とする。
本開示のワイヤハーネスは、それぞれが撚線導体と、前記撚線導体を覆う絶縁被覆とを含む複数の電線と、前記複数の電線の一端部を保持する第1保持部と、それぞれが前記複数の電線のうち対応する電線の前記一端部に電気的に接続された複数の第1端子とを含む第1端子台と、前記複数の電線の他端部を保持する第2保持部と、それぞれが前記複数の電線のうち対応する電線の前記他端部に電気的に接続された複数の第2端子とを含む第2端子台と、を備え、前記複数の電線は、前記第1保持部と前記第2保持部との間において、前記第1保持部と前記第2保持部とを結ぶ方向と交差する方向に並んでおり、前記撚線導体の撚りの向きがS撚りである第1電線と、前記撚線導体の撚りの向きがZ撚りである第2電線とを少なくとも1本ずつ含む、ワイヤハーネスである。
本開示によれば、ワイヤハーネスにおいて、ねじれ易い向きに偏りが生じることを抑制できる。
図1は実施形態にかかるワイヤハーネスを示す斜視図である。 図2は実施形態にかかるワイヤハーネスを示す側面図である。 図3は実施形態にかかるワイヤハーネスを示す正面図である。 図4は電線を示す断面図である。 図5はS撚りの撚線導体を示す説明図である。 図6はZ撚りの撚線導体を示す説明図である。 図7は第1姿勢のワイヤハーネスを示す正面図である。 図8は第1変形例にかかるワイヤハーネスを示す正面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のワイヤハーネスは、次の通りである。
(1)それぞれが撚線導体と、前記撚線導体を覆う絶縁被覆とを含む複数の電線と、前記複数の電線の一端部を保持する第1保持部と、それぞれが前記複数の電線のうち対応する電線の前記一端部に電気的に接続された複数の第1端子とを含む第1端子台と、前記複数の電線の他端部を保持する第2保持部と、それぞれが前記複数の電線のうち対応する電線の前記他端部に電気的に接続された複数の第2端子とを含む第2端子台と、を備え、前記複数の電線は、前記第1保持部と前記第2保持部との間において、前記第1保持部と前記第2保持部とを結ぶ方向と交差する方向に並んでおり、前記撚線導体の撚りの向きがS撚りである第1電線と、前記撚線導体の撚りの向きがZ撚りである第2電線とを少なくとも1本ずつ含む、ワイヤハーネスである。第1電線及び第2電線は、それぞれの撚線導体の撚りの向きが互いに逆向きであるため、第1電線のねじれ易い向きと第2電線のねじれ易い向きとが互いに逆向きとなる。ワイヤハーネスが第1電線及び第2電線を少なくとも1本ずつ含むため、すべての電線の撚線導体の撚りの向きが揃っている場合と比べて、ねじれ易い向きに偏りが生じることを抑制できる。
(2)(1)のワイヤハーネスにおいて、前記複数の電線が前記第1保持部と前記第2保持部との間でまっすぐに延びる姿勢を第1姿勢とし、前記複数の電線が前記第1保持部と前記第2保持部との間において前記複数の電線の並列方向に沿った軸回りに曲がった姿勢であって、前記複数の電線のそれぞれにおいて前記一端部と前記他端部とが前記並列方向にずれていないか、ずれが前記電線の直径未満である姿勢を第2姿勢とした場合に、前記第1端子台及び前記第2端子台がそれぞれの接続相手と接続される接続姿勢は、前記第2姿勢であってもよい。このような第2姿勢において、複数の電線のそれぞれにおいて一端部と他端部とが並列方向にずれる際に、電線にねじれの力がかかる。この場合でも、ワイヤハーネスにおいて、ねじれ易い向きに偏りが生じることが抑制されるため、接続姿勢が第2姿勢に安定しやすくなる。
(3)(2)のワイヤハーネスにおいて、前記第2姿勢において、前記複数の電線の前記第1保持部における並列方向と前記第2保持部における並列方向とは平行であり、かつ、前記並列方向に平行な方向から観察されたときの前記第1保持部から前記複数の電線が延び出る方向と前記第2保持部から前記複数の電線が延び出る方向とが成す角度は60度以上120度以下であってもよい。この場合でも、ワイヤハーネスにおいて、ねじれ易い向きに偏りが生じることが抑制されるため、接続姿勢が第2姿勢に安定しやすくなる。
(4)(1)から(3)のいずれか1つのワイヤハーネスにおいて、前記複数の電線の数が偶数であって前記第1電線の数と前記第2電線の数とが同じである、又は、前記複数の電線の数が奇数であって前記第1電線の数と前記第2電線の数との違いが1本であってもよい。これにより、第1電線及び第2電線の数における偏りが小さくなり、ワイヤハーネスにおいて、ねじれ易い向きに偏りが生じることがより抑制される。
(5)(4)のワイヤハーネスにおいて、前記第1電線及び前記第2電線が前記複数の電線の並列方向に沿って交互に並んでいてもよい。これにより、第1電線及び第2電線の配置における偏りが小さくなり、ワイヤハーネスにおいて、ねじれ易い向きに偏りが生じることがより抑制される。
(6)(1)から(5)のいずれか1つのワイヤハーネスにおいて、前記複数の電線は、3本以上であってもよい。この場合でも、ワイヤハーネスにおいて、ねじれ易い向きに偏りが生じることが抑制される。
(7)(1)から(6)のいずれか1つのワイヤハーネスにおいて、JISK6253準拠のデュロメータによって測定される前記絶縁被覆のショアA硬度が40以上100以下であってもよい。ショアA硬度が40以上100以下の比較的硬い絶縁被覆の場合、絶縁被覆による撚線導体の締め付けがよりきつくなり、撚線導体が緩む方向よりも締まる方向にねじれ易い。この場合でも、ワイヤハーネスにおいて、ねじれ易い向きに偏りが生じることが抑制される。
(8)(1)から(7)のいずれか1つのワイヤハーネスにおいて、前記絶縁被覆は、結晶性樹脂製であってもよい。これにより、非晶性樹脂製の場合と比べて、絶縁被覆が硬くなりやすい。この場合でも、ワイヤハーネスにおいて、ねじれ易い向きに偏りが生じることが抑制される。
(9)(1)から(8)のいずれか1つのワイヤハーネスにおいて、前記撚線導体の断面積は、10sq以上50sq以下であり、前記第1保持部と前記第2保持部との間の電線長は、100mm以上300mm以下であってもよい。これにより、比較的大径で比較的短尺な電線を用いた場合でも、ワイヤハーネスにおいて、ねじれ易い向きに偏りが生じることが抑制される。
(10)(1)から(9)のいずれか1つのワイヤハーネスにおいて、前記第1保持部及び前記第2保持部のそれぞれは、前記複数の電線をインサート部品としてインサートモールド成形された樹脂成形部であってもよい。これにより、第1保持部及び第2保持部のそれぞれが複数の電線をしっかり保持できる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態]
以下、実施形態にかかるワイヤハーネスについて説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。また、本明細書における「垂直」は、厳密に垂直な状態のみでなく、概ね垂直な状態も含まれる。概ね垂直とは、例えば2つの方向の成す角度が80度以上90度未満、好ましくは85度以上90度未満の状態である。また、本明細書における「平行」は、厳密に平行な状態のみでなく、概ね平行な状態も含まれる。概ね平行とは、例えば2つの方向の成す角度が10度以下、好ましくは5度以下の状態である。
図1は実施形態にかかるワイヤハーネス10を示す斜視図である。図2は実施形態にかかるワイヤハーネス10を示す側面図である。図2において、取付対象となる機器B1、B2の一部が図示される。図3は実施形態にかかるワイヤハーネス10を示す正面図である。
<ワイヤハーネス10の全体構成>
ワイヤハーネス10の全体構成について説明する。ワイヤハーネス10は、複数の電線20と第1端子台30と第2端子台40とを備える。第1端子台30は、第1保持部31と複数の第1端子32とを含む。第1保持部31は、複数の電線20の一端部を保持する。複数の第1端子32のそれぞれは、複数の電線20のうち対応する電線20の一端部に電気的に接続されている。第2端子台40は、第2保持部41と複数の第2端子42とを含む。第2保持部41は、複数の電線20の他端部を保持する。複数の第2端子42のそれぞれは、複数の電線20のうち対応する電線20の他端部に電気的に接続されている。複数の電線20は、第1端子台30と第2端子台40とを電気的に接続する。
第1端子台30は、第1機器B1に固定される。第2端子台40は第2機器B2に固定される。第1機器B1と第2機器B2とがワイヤハーネス10を介して電気的に接続される。つまり、複数の電線20と第1端子台30と第2端子台40とによって、第1機器B1と第2機器B2とを電気的に接続する配線部品が構成される。機器B1、B2は、車載機器である。例えば、機器B1、B2は車両において近接配置され、ワイヤハーネス10は比較的短尺に形成される。例えば、第1機器B1はインバータであり、第2機器B2は、電気自動車又はハイブリッド車における走行駆動用のモータである。本実施形態では、複数の電線20は高圧用の電線であり、第1端子台30と第2端子台40とは高圧用の端子台である。
図1から図3に示されるワイヤハーネス10の姿勢は、接続姿勢である。接続姿勢は、ワイヤハーネス10の使用状態の姿勢である。ここでは、接続姿勢は、車両における所定の位置に配置された第1機器B1及び第2機器B2に対して、第1端子台30及び第2端子台40がそれぞれ固定された状態の姿勢である。
各部構成についてより具体的に説明する。
<電線20について>
複数の電線20は、第1保持部31と第2保持部41との間において、第1保持部31と第2保持部41とを結ぶ方向と交差する方向に並んでいる。複数の電線20の一端部は第1保持部31によって並列状態に保持され、複数の電線20の他端部は第2保持部41によって並列状態に保持される。これにより、複数の電線20のうち第1保持部31と第2保持部41との間の部分も、並列状態に保たれる。本明細書において、図1に示すように、第1保持部31における複数の電線20の並列方向をX方向と呼び、X方向と直交する2方向をY方向及びZ方向と呼ぶことがある。
複数の電線20は、接続姿勢において、並列方向に対して交差する方向に曲がっている。ワイヤハーネス10は、複数の電線20が直線状に延びる姿勢から曲げられて、接続姿勢とされる。接続姿勢を含むワイヤハーネス10の姿勢について、詳しくは、後述する。
複数の電線20の一端部は第1保持部31に拘束されており、第1保持部31が動いたときに、第1保持部31と同じ動きをする。複数の電線20の他端部は第2保持部41に拘束されており、第2保持部41が動いたときに、第2保持部41と同じ動きをする。ここでは、複数の電線20のうち第1保持部31と第2保持部41との間の部分には、複数の電線20を拘束する部材は設けられていない。第1保持部31と第2保持部41とは、電線20の剛性よりも高く、第1保持部31及び第2保持部41が相対移動したとき、ワイヤハーネス10は、電線20が曲がるように変形する。複数の電線20のうち第1保持部31と第2保持部41との間の部分は、第1保持部31及び第2保持部41の動きに応じた動きをする。第1保持部31及び第2保持部41が相対移動したとき、複数の電線20のうち第1保持部31と第2保持部41との間の部分の曲げの態様は、複数の電線20の剛性等によって決まる。複数の電線20のうち第1保持部31と第2保持部41との間の部分に複数の電線20を拘束する部材が設けられていてもよい。
ここでは、複数の電線20の数は、6本である。もっとも、複数の電線20の数は、これに限られるものではなく、接続される機器及び用途などに応じて、適宜設定可能である。例えば、複数の電線20の数は、2本であってもよく、3本であってもよい。複数の電線20の数は、3本以上であってもよい。複数の電線20の数は、9本以下であってもよい。
ここでは、第2機器B2が交流モータであり、複数の電線20は、交流を伝送する。交流として、単相であってもよいし、多相であってもよい。例えば、6本の電線20は、3相交流に対応するため、3本ずつ2セットで用いられてもよい。もっとも、複数の電線20が伝送する電気の種類は、ワイヤハーネス10の接続される機器B1、B2に応じて設定可能であり、複数の電線20は直流を伝送してもよい。
複数の電線20のそれぞれは、撚線導体21と、撚線導体21を覆う絶縁被覆26とを含む。撚線導体21及び絶縁被覆26について、図4から図6をさらに参照しつつ説明する。図4は電線20を示す断面図である。図5はS撚りの撚線導体21を示す説明図である。図6はZ撚りの撚線導体21を示す説明図である。なお、図4において、各部材の撚り方向が矢印にて示されている。図5及び図6では、説明容易とするため、それぞれ2本の素線22で構成された撚線導体21が示されている。
撚線導体21は、複数の素線22を有する。各素線22は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などによって形成される。撚線導体21は、複数の素線22が撚られて構成される。ここで、複数の素線22の撚り方として、S撚り及びZ撚りがある。S撚りとZ撚りとにおいて、複数の素線22の撚り方が互いに逆向きである。S撚りは、図5に示すように、撚線導体21の長手方向を上下方向に沿わせたとき、上側から下側に向けて、各素線22が右回り(時計回り)にらせん状に延在する撚り方である。Z撚りは、図6に示すように、撚線導体21の長手方向を上下方向に沿わせたとき、上側から下側に向けて、各素線22が左回り(反時計回り)にらせん状に延在する撚り方である。以下では、S撚りの撚線導体21について符号Sを付して、撚線導体21Sと呼ぶことがある。また、Z撚りの撚線導体21について符号Zを付して、撚線導体21Zと呼ぶことがある。また、撚線導体21について、S撚り及びZ撚りの区別が不要の場合、単に撚線導体21と呼ぶことがある。
電線20のうち撚線導体21Sを有する電線20が第1電線20Sであり、電線20のうち撚線導体21Zを有する電線20が第2電線20Zである。複数の電線20は、第1電線20Sと第2電線20Zとを少なくとも1本ずつ含む。第1電線20Sの数と第2電線20Zの数との違いは、なるべく小さいことが好ましい。複数の電線20の数が偶数の場合、第1電線20Sの数と第2電線20Zの数とが同じであることがより好ましい。複数の電線20の数が奇数の場合、第1電線20Sの数と第2電線20Zの数との違いが1本であることがより好ましい。ここでは、複数の電線20の数が6本であり、当該6本の電線20は、第1電線20Sと第2電線20Zとを3本ずつ含んでいる。
ここでは、3本の第1電線20Sと3本の第2電線20Zとが、並列方向に沿って交互に位置する。もっとも、並列方向に沿った第1電線20Sと第2電線20Zとの並び順は、これに限られるものではなく、適宜設定可能である。例えば、並列方向に沿った中間部よりも一方側に3本の第1電線20Sがまとめて並び、他方側に3本の第2電線20Zがまとめて並んでいてもよい。
撚線導体21がねじられる向きには、2つの向きがある。当該2つの向きのうち一方は、複数の素線22が撚られる向きと同じ向きであり、当該2つの向きのうち他方は、複数の素線22が撚られる向きと逆向きである。撚線導体21において、複数の素線22が撚られる向きと同じ向きにねじられた場合、複数の素線22が締まる。撚線導体21において、複数の素線22が撚られる向きと逆向きにねじられた場合、複数の素線22が緩む。撚線導体21Sと撚線導体21Zとは、複数の素線22の撚り方が互いに逆向きであるため、撚線導体21Sと撚線導体21Zとが互いに同じ向きにねじられたときに、複数の素線22が締まるか緩むかが互いに逆となる。換言すると、撚線導体21Zは、撚線導体21Sが締まる向きと同じ向きにねじられると緩み、撚線導体21Sが緩む向きと同じ向きにねじられると締まる。
撚線導体21の断面積は、特に限定されるものではなく、接続される機器、電流値、電圧値などに応じて適宜設定可能である。ここでは、高電圧用の電線20として用いるため、撚線導体21として、比較的大径のものが採用されている。例えば、撚線導体21の断面積は、10sq以上50sq以下である。sqはJIS規格で定められる導体の断面積に関する規格であり、平方mmを意味している。導体の断面積、素材等に応じて許容される電流の範囲内で、導体が各種電気の伝送用途に使用され得る。
撚線導体21が大径である場合、素線22の数が多くなることがある。素線22の数が多くなる場合、撚線導体21は、いわゆる子撚り及び親撚りの構成とされることがある。具体的には、複数の素線22が、それぞれが2以上の素線22を有する複数のグループに分けられる。各グループにおいて、2以上の素線22がそれぞれ撚られて子撚線23とされる。複数の子撚線23がさらに撚られて親撚線とされる。当該親撚線が撚線導体21として用いられる。例えば、図4に示す例では、7本の素線22が撚られて子撚線23とされ、19本の子撚線23が撚られて、撚線導体21(親撚線)とされる。なお、図4に示す例では、1つの子撚線23においてのみ素線22が描かれ、他の子撚線23において素線22が省略されている。もちろん、子撚線23を構成する素線22の数、及び、撚線導体21を構成する子撚線23の数は、これに限定されるものではなく、適宜設定可能である。また、撚線導体21は子撚り及び親撚りの構成とされていなくてもよい。撚線導体21において、すべての素線22がまとめて撚られていてもよい。
撚線導体21が、子撚り及び親撚りの構成とされる場合、子撚りの向きと親撚りの向きとは、互いに同じ向きであってもよいし、逆向きであってもよい。子撚りの向きと親撚りの向きとが互いに同じ向きである場合、当該撚りの向きが撚線導体21の撚りの向きとされる。例えば、図4に示す例のように、子撚りの向きと親撚りの向きとが互いに逆向きである場合、親撚りの向きが撚線導体21の撚りの向きとされるものとする。親撚りの向きの方が子撚りの向きよりも、撚線導体21がねじられたときの複数の素線22の締まり及び緩みとの関係性が高いためである。つまり、撚線導体21がねじられたときに複数の素線22が締まるか緩むかは、主として親撚りの向きによって決まる。
また、撚線導体21は、親撚りとして径方向に沿って複数層の構成を有する複合撚線導体であることがある。例えば、図4に示す例では、中央の軸線上に配置した1本の子撚線23Aの周囲に、6本の子撚線23Bと12本の子撚線23Cとがそれぞれ親撚りされて形成されている。6本の子撚線23Bが内側の第1層24をなし、12本の子撚線23Cが外側の第2層25をなす。各層の親撚りの向きは、すべて同じ向きであってもよいし、一部の層の親撚りの向きが他の一部の層の親撚りの向きと互いに逆向きであってもよい。例えば、図4に示す例のように、各層の親撚りの向きがすべて同じ向きである場合、当該撚りの向きが撚線導体21の撚りの向きとされる。一部の層の親撚りの向きが他の一部の層の親撚りの向きと互いに逆向きである場合、最も外側の層の親撚りの向きが撚線導体21の撚りの向きとされるものとする。最も外側の層の親撚りの向きがそれよりも内側の層の親撚りの向きよりも、撚線導体21がねじられたときの複数の素線22の締まり及び緩みとの関係性が高いためである。つまり、撚線導体21がねじられたときに複数の素線22が締まるか緩むかは、主として最も外側の層の親撚りの向きによって決まる。
絶縁被覆26は、例えば、絶縁性を有する樹脂によって形成される。ここでは、絶縁被覆26は、結晶性樹脂製である。かかる結晶性樹脂は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂であってもよい。もっとも、絶縁被覆26は、非晶性樹脂製であってもよい。かかる非晶性樹脂は、例えば、ナイロンなどのポリアミド系樹脂であってもよいし、ポリ塩化ビニルなどであってもよい。
絶縁被覆26の硬度は、特に限定されるものではなく、材料及び厚み等に応じて適宜設定可能である。ここでは絶縁被覆26は、接続姿勢への電線20の曲げ変形が困難でない範囲で、比較的硬質に形成される。例えば、JISK6253準拠のデュロメータによって測定される絶縁被覆26のショアA硬度が40以上100以下であってもよい。
絶縁被覆26は、例えば、軟化した樹脂材料が撚線導体21の周囲に押出成形されて形成されてもよい。図4に示すように、かかる樹脂材料が最も外側の層の親撚線の間を埋めて、絶縁被覆26の内面全体が最も外側の層の親撚線と接していてもよい。これにより、最も外側の層の親撚線が緩む余地が少なくなり、電線20が撚線導体21の緩む向きよりも締まる向きによりねじれやすくなる。もっとも、絶縁被覆26は内面が円形状とされて、絶縁被覆26の内面の一部のみが最も外側の層の親撚線と接していてもよい。この場合、絶縁被覆26の内面の他の一部が最も外側の層の親撚線と接しておらず、絶縁被覆26の内面の他の一部と最も外側の層の親撚線との間に隙間が空いていてもよい。
<第1端子台30について>
第1端子32は、第1電線接続部32aと第1機器接続部32bとを含む。第1電線接続部32aは、電線20の一端部と接続される部分である。第1機器接続部32bは、第1機器B1と接続される部分である。例えば、第1端子32の一端部に第1電線接続部32aが設けられ、第1端子32の他端部に第1機器接続部32bが設けられる。第1電線接続部32aと電線20との接続態様は、特に限定されるものではなく、かしめ圧着、超音波溶接、抵抗溶接など適宜設定可能である。第1機器接続部32bと第1機器B1との接続態様は、特に限定されるものではなく、オス端子及びメス端子による嵌合、又はネジ止めなど適宜設定可能である。
第1保持部31は、例えば、樹脂によって形成されている。第1保持部31は、複数の電線20の一端部をインサート部品として金型成形することにより形成される。第1保持部31は、複数の電線20をインサート部品としてインサートモールド成形された樹脂成形部である。ここでは、複数の第1端子32もインサート部品とされる。これにより、複数の第1端子32は、第1保持部31によって並列状態に保持される。また、第1電線接続部32aと電線20との接続部分は、第1保持部31内に設けられる。これにより、複数の電線20の一端部において、第1電線接続部32aとの接続のために絶縁被覆26が剥がれた部分が、第1保持部31に覆われて絶縁される。第1保持部31は、例えば、筒形状に形成され、第1保持部31の内部に開口部31hが形成される。第1機器接続部32bは、当該開口部31h内に延出している。
第1端子台30には、例えば、ベース部材33などの部材が設けられてもよい。ベース部材33は、例えば、金属板をプレス加工することによって形成される。ベース部材33の中央部に楕円状の貫通孔が形成されており、その貫通孔の周縁部に第1保持部31が一体形成される。
第1保持部31の外周部からベース部材33が延出している。ベース部材33が第1機器B1の筐体に接した状態で、ベース部材33が第1機器B1に対してネジ止等によって固定される。第1機器B1の筐体は、車体に接地されている。このため、ベース部材33は、第1機器B1の筐体を介して接地される。このように、第1端子台30が第1機器B1に固定された状態で、第1機器接続部32bが第1機器B1における端子に接続される。第1端子台30には、ベース部材33と電気的に接続されるシールドシェルなどが設けられてもよい。
<第2端子台40について>
第2端子42は、第2電線接続部42aと第2機器接続部42bとを含む。第2電線接続部42aは、電線20の他端部と接続される部分である。第2機器接続部42bは、第2機器B2と接続される部分である。例えば、第2端子42の一端部に第2電線接続部42aが設けられ、第2端子42の他端部に第2機器接続部42bが設けられる。第2電線接続部42aと電線20との接続態様は、特に限定されるものではなく、かしめ圧着、超音波溶接、抵抗溶接など適宜設定可能である。第2機器接続部42bと第2機器B2との接続態様は、特に限定されるものではなく、オス端子及びメス端子による嵌合、又はネジ止めなど適宜設定可能である。
第2保持部41は、例えば、樹脂によって形成されている。第2保持部41は、複数の電線20の他端部をインサート部品として金型成形することにより形成される。第2保持部41は、複数の電線20をインサート部品としてインサートモールド成形された樹脂成形部である。ここでは、複数の第2端子42もインサート部品とされる。これにより、複数の第2端子42は、第2保持部41によって並列状態に保持される。また、第2電線接続部42aと電線20との接続部分は、第2保持部41内に設けられる。これにより、複数の電線20の他端部において、第2電線接続部42aとの接続のために絶縁被覆26が剥がれた部分が、第2保持部41に覆われて絶縁される。第2保持部41は、例えば、筒形状に形成され、第2保持部41の内部に開口部41hが形成される。第2機器接続部42bは、当該開口部41h内に延出している。
ここでは電線20のうち第1保持部31と第2保持部41との間の部分において、絶縁被覆26が剥がれている部分が存在しない。撚線導体21は、第1保持部31と第2保持部41との間において、全長及び全周にわたって絶縁被覆26に覆われている。撚線導体21は、第1保持部31と第2保持部41との間において、露出していない。
第2端子台40は、固定部43などの他の部材を備えてもよい。固定部43は、例えば、樹脂によって形成されている。固定部43は、第2保持部41の周囲から張出す形状、例えば、板状に形成される。固定部43は、第2保持部41とは別体に金型成形された樹脂部分であり、当該第2保持部41と合体された構成であってもよい。固定部43は、第2保持部41と一体に金型成形されていてもよい。
固定部43は、第2機器B2に対してネジ止等によって固定される。この場合、固定部43にネジ止用の貫通孔が形成される。貫通孔には、筒状のカラーが埋設されていてもよい。カラーは、固定部43を形成する樹脂よりも高剛性な材料、例えば、金属によって形成されてもよい。
固定部43は、複数の中継端子を保持していてもよい。各中継端子の一端部が第2機器接続部42bに接続され、各中継端子の他端部が第2機器B2の端子に接続されてもよい。なお、第2機器接続部42bが、中継端子を介さずに、第2機器B2の端子に接続されてもよい。
<ワイヤハーネス10の姿勢と電線20の撚りとの関係について>
ワイヤハーネス10の姿勢と電線20の撚りとの関係について、さらに図7を参照しつつ説明する。図7は第1姿勢11のワイヤハーネス10を示す正面図である。
図7に示すように、複数の電線20が第1保持部31と第2保持部41との間でまっすぐに延びる姿勢をワイヤハーネス10の第1姿勢11とする。第1姿勢11において、第1端子台30と第2端子台40とは、X方向にずれていない。第1保持部31における隣り合う電線20の間隔と、第2保持部41における隣り合う電線20の間隔とが同じである。このため、第1姿勢11において、複数の電線20は、厳密に平行な状態に近い。
第1保持部31と第2保持部41との間の電線長は、特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。第1姿勢11における第1保持部31と第2保持部41との間隔は、第1保持部31と第2保持部41との間の電線長と同じである。例えば、第1保持部31と第2保持部41との間の電線長は、100mm以上300mm以下であってもよい。第1保持部31と第2保持部41との間の電線長が短いと、ワイヤハーネス10が曲がりにくくなる。第1保持部31と第2保持部41との間の電線長が長いと、曲げの影響が第1保持部31及び第2保持部41に拘束された部分に現れにくくなる。
上記のように、図1から図3に示すワイヤハーネス10の姿勢が、第1端子台30及び第2端子台40がそれぞれの接続相手と接続された接続姿勢である。接続姿勢は、第1姿勢11ではなく、第2姿勢12である。第2姿勢12は、複数の電線20が第1保持部31と第2保持部41との間において複数の電線20の並列方向に沿った軸回りに曲がった姿勢であって、複数の電線20の一端部と他端部とが並列方向にずれていないか、ずれが電線20の直径未満である姿勢である。第2姿勢12は、複数の電線20がL字状に曲げられた姿勢である。ワイヤハーネス10が、第1姿勢11から第2姿勢12に曲げられた場合に、複数の電線20にはねじれが生じないか、生じたとしてもねじれ量は小さい。
具体的には、図2において、二点鎖線のワイヤハーネス10の姿勢が第1姿勢11であり、実線のワイヤハーネス10の姿勢が第2姿勢12である。図2の実線に示すように、第2姿勢12において、複数の電線20は、X方向に沿った軸回りに曲がっている。複数の電線20は、L字状に曲がっている。また、図3に示すように、第2姿勢12において、複数の電線20のそれぞれにおいて一端部と他端部とがX方向にずれていない。図3において、複数の電線20のそれぞれにおいて一端部と他端部との間に電線20の直径未満のX方向におけるずれが生じていてもよい。かかるX方向におけるずれは、複数の電線20が一端部と他端部との間で並列方向にオフセット移動することによって生じる。
第2姿勢12において、第1保持部31から複数の電線20が延び出る方向と、第2保持部41から複数の電線20が延び出る方向とが成す角度は60度以上120度以下であってもよい。かかる角度は、並列方向に平行な方向から観察されたときの角度であり、ここでは図2に示す側面視における角度である。図2には、第1保持部31から複数の電線20が延び出る方向(図2ではZ方向)と、第2保持部41から複数の電線20が延び出る方向(図2ではY方向)とが成す角度が垂直である場合が示されている。第2姿勢12において、複数の電線20の第1保持部31における並列方向と第2保持部41における並列方向とは平行であってもよい。図1には、複数の電線20の第1保持部31における並列方向(図1ではX方向)と第2保持部41における並列方向(図1ではX方向)とは平行である場合が示されている。
複数の電線20は、第1電線20Sと第2電線20Zとを含む。第1電線20Sと第2電線20Zとは、撚線導体21の撚りの向きが互いに逆向きであるため、ねじれ易い向きも互いに逆向きとなる。このため、複数の電線20を含むワイヤハーネス10の2つの向きのねじれの間に、ねじれ易さの偏りが小さくなる。
ワイヤハーネス10は、例えば、第1姿勢11で製造され、第1姿勢11のまま機器B1、B2への取付箇所に搬送される。そして、機器B1、B2への取付箇所において、第1姿勢11から第2姿勢12に曲げられて、機器B1、B2へ取付けられる。
<効果等>
以上のように構成されたワイヤハーネス10によると、第1電線20S及び第2電線20Zは、それぞれの撚線導体21の撚りの向きが互いに逆向きであるため、第1電線20Sのねじれ易い向きと第2電線20Zのねじれ易い向きとが互いに逆向きとなる。ワイヤハーネス10が第1電線20S及び第2電線20Zを少なくとも1本ずつ含むため、すべての電線20の撚線導体21の撚りの向きが揃っている場合と比べて、ねじれ易い向きに偏りが生じることを抑制できる。
また、第1端子台30及び第2端子台40がそれぞれの接続相手と接続される接続姿勢は、複数の電線20が第1保持部31と第2保持部41との間において複数の電線20の並列方向に沿った軸回りに曲がった姿勢であって、複数の電線20のそれぞれにおいて一端部と他端部とが並列方向にずれていないか、ずれが電線20の直径未満である第2姿勢12である。このような第2姿勢12において、複数の電線20のそれぞれにおいて一端部と他端部とが並列方向にずれる際に、電線20にねじれの力がかかる。この場合でも、ワイヤハーネス10において、ねじれ易い向きに偏りが生じることが抑制されるため、接続姿勢が第2姿勢12に安定しやすくなる。
また、第2姿勢12において、複数の電線20の第1保持部31における並列方向と第2保持部41における並列方向とは平行であり、かつ、並列方向に平行な方向から観察されたときの第1保持部31から複数の電線20が延び出る方向と第2保持部41から複数の電線20が延び出る方向とが成す角度は60度以上120度以下である。この場合でも、ワイヤハーネス10において、ねじれ易い向きに偏りが生じることが抑制されるため、接続姿勢が第2姿勢12に安定しやすくなる。
また、複数の電線20の数が偶数であって第1電線20Sの数と第2電線20Zの数とが同じである、又は、複数の電線20の数が奇数であって第1電線20Sの数と第2電線20Zの数との違いが1本である。これにより、第1電線20S及び第2電線20Zの数における偏りが小さくなり、ワイヤハーネス10において、ねじれ易い向きに偏りが生じることがより抑制される。
また、第1電線20S及び第2電線20Zが複数の電線20の並列方向に沿って交互に並んでいる。これにより、第1電線20S及び第2電線20Zの配置における偏りが小さくなり、ワイヤハーネス10において、ねじれ易い向きに偏りが生じることがより抑制される。
また、複数の電線20は、3本以上である。この場合でも、ワイヤハーネス10において、ねじれ易い向きに偏りが生じることが抑制される。
また、JISK6253準拠のデュロメータによって測定される絶縁被覆26のショアA硬度が40以上100以下である。ショアA硬度が40以上100以下の比較的硬い絶縁被覆26の場合、絶縁被覆26による撚線導体21の締め付けがよりきつくなり、撚線導体21が緩む方向よりも締まる方向にねじれ易い。この場合でも、ワイヤハーネス10において、ねじれ易い向きに偏りが生じることが抑制される。
特に、ワイヤハーネス10がL字状に曲がった部分において、撚線導体21は径方向外側に膨らみつつ撚りを緩めて応力を吸収しようとする。しかしながら、絶縁被覆26が硬い場合、撚線導体21の径方向外側への膨らみを阻害する。この際、撚線導体21は径方向外側に膨らむ代わりに撚線導体21の撚りが締まる向きにねじれることによって、応力を吸収しようとする。このため、ワイヤハーネス10がL字状に曲げられた場合、撚線導体21の撚りが締まる向きにねじれるために、撚線導体21の撚りが締まる向きに複数の電線20が並列方向に沿ってオフセット移動しようとする。この場合、複数の電線の撚りの向きが揃っていると、当該並列方向におけるオフセット移動を許してしまい得る。これに対して、本開示のワイヤハーネス10のように、複数の電線20が第1電線20S及び第2電線20Zを含むと、第1電線20Sの撚りが締まる向きと第2電線20Zの撚りが締まる向きとが互いに逆向きであることによって、ワイヤハーネス10がL字状に曲げられたときの複数の電線20の並列方向におけるオフセット移動を抑制できる。
また、絶縁被覆26は、結晶性樹脂製である。これにより、非晶性樹脂製の場合と比べて、絶縁被覆26が硬くなりやすい。この場合でも、ワイヤハーネス10において、ねじれ易い向きに偏りが生じることが抑制される。
また、撚線導体21の断面積は、10sq以上50sq以下であり、第1保持部31と第2保持部41との間の電線長は、100mm以上300mm以下である。これにより、比較的大径で比較的短尺な電線20を用いた場合でも、ワイヤハーネス10において、ねじれ易い向きに偏りが生じることが抑制される。
また、第1保持部31及び第2保持部41のそれぞれは、複数の電線20をインサート部品としてインサートモールド成形された樹脂成形部である。これにより、第1保持部31及び第2保持部41のそれぞれが複数の電線20をしっかり保持できる。
[付記]
図8は第1変形例にかかるワイヤハーネス110を示す正面図である。
ワイヤハーネス110は、第1端子台130が複数(ここでは2つ)である点で、上記ワイヤハーネス10とは異なる。このように、第1端子台及び第2端子台のいずれか一方が1つであり、いずれか他方が複数であり、電線20が分岐している場合もあり得る。この場合でも、複数の電線20が並んでおり、少なくとも1組の第1端子台130及び第2端子台40を結ぶ複数の電線20が、第1電線20S及び第2電線20Zを含む場合に、実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、各第1端子台130において、第1端子32の数が3つであり、第1保持部131は3つの第1端子32に応じた大きさとされる。第1端子台130において、これ以外の構成については、上記第1端子台30と同じ構成とすることができる。
より詳細には、2つの第1端子台130のうち一方の第1端子台130Aと第2端子台40とを結ぶ複数(ここでは3本)の電線20が、第1電線20S及び第2電線20Zを少なくとも1本ずつ含む。3本の電線20は、2本の第1電線20Sと1本の第2電線20Zとで構成されてもよいし、1本の第1電線20Sと2本の第2電線20Zとで構成されてもよい。第1電線20S及び第2電線20Zのうち1本のみの方が、真ん中に位置してもよいし、いずれかの端に位置してもよい。
2つの第1端子台130のうち他方の第1端子台130Bと第2端子台40とを結ぶ複数(ここでは3本)の電線20が、第1電線20S及び第2電線20Zを含む。3本の電線20は、2本の第1電線20Sと1本の第2電線20Zとで構成されてもよいし、1本の第1電線20Sと2本の第2電線20Zとで構成されてもよい。第1電線20S及び第2電線20Zのうち1本のみの方が、真ん中に位置してもよいし、いずれかの端に位置してもよい。
ワイヤハーネス110では、電線20の一端部と他端部とがX方向にずれている。ワイヤハーネス110において、一方の第1端子台130AはX方向正の向きにずれ、他方の第1端子台130BはX方向負の向きにずれている。X方向におけるそれぞれのずれは、電線20の直径未満である。この際、第1端子台130Aと第2端子台40とを結ぶ3本の電線20と、第1端子台130Bと第2端子台40とを結ぶ3本の電線20とに、ずれに起因するねじれが生じる。この場合、第1電線20S及び第2電線20Zの組み合わせは、ねじれを許容するように設定されてもよい。例えば、第1電線20S及び第2電線20Zのうち、ねじれが生じたときに撚りが締まる向きの電線20の数が、撚りが緩む向きの電線20の数よりも多くてもよい。
具体的には、第1端子台30Aと第2端子台40とを結ぶ3本の電線20は、2本の第1電線20Sと1本の第2電線20Zとで構成されてもよい。第1端子台30Aと第2端子台40とが図8のようにずれた場合に、第1電線20Sの撚りの向きは撚りが締まる向きであり、第2電線20Zの撚りの向きは撚りが緩む向きである。このため、第1電線20Sの数を第2電線20Zの数よりも多くすることによって、第1端子台30Aと第2端子台40とを第2姿勢12とするときに生じるねじれを吸収しやすい。
また、第1端子台30Bと第2端子台40とを結ぶ3本の電線20は、1本の第1電線20Sと2本の第2電線20Zとで構成されてもよい。第1端子台30Bと第2端子台40とが図8のようにずれた場合に、第1電線20Sの撚りの向きは撚りが緩む向きであり、第2電線20Zの撚りの向きは撚りが締まる向きである。このため、第2電線20Zの数を第1電線20Sの数よりも多くすることによって、第1端子台30Bと第2端子台40とを第2姿勢12とするときに生じるねじれを吸収しやすい。
このほか、これまで、第1保持部31が電線20をインサート部品としてインサートモールド成形された成形樹脂部であるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、第1保持部31は、電線20をインサート部品とせずに、成形された別成形品であってもよい。例えば、第1保持部31は、棒状部材に電線20が嵌る溝が形成された保持部材であってもよい。かかる保持部材は、電線20の側方から電線20に取付けられる。また例えば、第1保持部31は、電線20が挿入されるキャビティが形成されたハウジングであってもよい。かかるハウジングのキャビティに電線20が先端から挿入される。上記保持部材又はハウジングには、ゴムリング、バックリテーナなどの電線20を固定するための部材が装着されてもよい。
また、第1電線20Sと第2電線20Zとに第1電線20S及び第2電線20Zの種類を識別可能なマークが設けられていてもよい。これにより、第1電線20S及び第2電線20Zをより確実に混在させることができる。例えば、第1電線20Sの絶縁被覆26と第2電線20Zの絶縁被覆26とが同色であり、それぞれの絶縁被覆26の外面にかかるマークが設けられていてもよい。マークとしては、如何なるものであってもよく、例えば、印字などであってもよい。
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
10、110 ワイヤハーネス
11 第1姿勢
12 第2姿勢
20 電線
20S 第1電線
20Z 第2電線
21 撚線導体
21S S撚りの撚線導体
21Z Z撚りの撚線導体
22 素線
23、23A、23B、23C 子撚線
24 第1層
25 第2層
26 絶縁被覆
30、130、130A、130B 第1端子台
31、131 第1保持部
31h 開口部
32 第1端子
32a 第1電線接続部
32b 第1機器接続部
33 ベース部材
40 第2端子台
41 第2保持部
41h 開口部
42 第2端子
42a 第2電線接続部
42b 第2機器接続部
43 固定部
B1 第1機器
B2 第2機器

Claims (10)

  1. それぞれが撚線導体と、前記撚線導体を覆う絶縁被覆とを含む複数の電線と、
    前記複数の電線の一端部を保持する第1保持部と、それぞれが前記複数の電線のうち対応する電線の前記一端部に電気的に接続された複数の第1端子とを含む第1端子台と、
    前記複数の電線の他端部を保持する第2保持部と、それぞれが前記複数の電線のうち対応する電線の前記他端部に電気的に接続された複数の第2端子とを含む第2端子台と、
    を備え、
    前記複数の電線は、前記第1保持部と前記第2保持部との間において、前記第1保持部と前記第2保持部とを結ぶ方向と交差する方向に並んでおり、前記撚線導体の撚りの向きがS撚りである第1電線と、前記撚線導体の撚りの向きがZ撚りである第2電線とを少なくとも1本ずつ含む、ワイヤハーネス。
  2. 請求項1に記載のワイヤハーネスであって、
    前記複数の電線が前記第1保持部と前記第2保持部との間でまっすぐに延びる姿勢を第1姿勢とし、
    前記複数の電線が前記第1保持部と前記第2保持部との間において前記複数の電線の並列方向に沿った軸回りに曲がった姿勢であって、前記複数の電線のそれぞれにおいて前記一端部と前記他端部とが前記並列方向にずれていないか、ずれが前記電線の直径未満である姿勢を第2姿勢とした場合に、
    前記第1端子台及び前記第2端子台がそれぞれの接続相手と接続される接続姿勢は、前記第2姿勢である、ワイヤハーネス。
  3. 請求項2に記載のワイヤハーネスであって、
    前記第2姿勢において、前記複数の電線の前記第1保持部における並列方向と前記第2保持部における並列方向とは平行であり、かつ、前記並列方向に平行な方向から観察されたときの前記第1保持部から前記複数の電線が延び出る方向と前記第2保持部から前記複数の電線が延び出る方向とが成す角度は60度以上120度以下である、ワイヤハーネス。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネスであって、
    前記複数の電線の数が偶数であって前記第1電線の数と前記第2電線の数とが同じである、
    又は、
    前記複数の電線の数が奇数であって前記第1電線の数と前記第2電線の数との違いが1本である、ワイヤハーネス。
  5. 請求項4に記載のワイヤハーネスであって、
    前記第1電線及び前記第2電線が前記複数の電線の並列方向に沿って交互に並んでいる、ワイヤハーネス。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のワイヤハーネスであって、
    前記複数の電線は、3本以上である、ワイヤハーネス。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のワイヤハーネスであって、
    JISK6253準拠のデュロメータによって測定される前記絶縁被覆のショアA硬度が40以上100以下である、ワイヤハーネス。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のワイヤハーネスであって、
    前記絶縁被覆は、結晶性樹脂製である、ワイヤハーネス。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のワイヤハーネスであって、
    前記撚線導体の断面積は、10sq以上50sq以下であり、
    前記第1保持部と前記第2保持部との間の電線長は、100mm以上300mm以下である、ワイヤハーネス。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のワイヤハーネスであって、
    前記第1保持部及び前記第2保持部のそれぞれは、前記複数の電線をインサート部品としてインサートモールド成形された樹脂成形部である、ワイヤハーネス。
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