JP2023075358A - ノック式ボールペン - Google Patents

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【課題】粒子径の大きいインクでも十分な筆記距離を得られるボールペンの提供を課題とする。【解決手段】インクを収容するインク収容管30と該インク収容管30の先端に継手31を介して挿入したボールペンチップ32からなるリフィル3を内部に収納する円筒状の軸筒20と、該軸筒20の先端部分に螺合する略円錐状の口先部材21とからなる軸本体2と、該リフィル3の先端部を該軸本体2の先端部から繰り出し、または、内部への引込を行うノック機構4からなるノック式ボールペンとし、該ボールペンチップ32の内部においてインク流路を十分に確保することで、筆記距離が200m以上のボールペン1とする。【選択図】図1

Description

本発明は、粒子径の大きいインクを用いた場合であっても十分な筆記距離の得られるノック式ボールペンに関する。
近年、ボールペンのインクの成分として様々な顔料が用いられている。その中で、描線に金属光沢を与えるための金属粒子の顔料、又は摩擦熱で描線を無色にすることのできる可逆熱変色性マイクロカプセル顔料等は比較的粒子径が大きい。インクに使用される顔料の粒子径が大きいと、ボールペンチップ先端部分のカシメ部と筆記ボールとの隙間や、筆記ボールが収納されているボールハウスと筆記ボールとの隙間にインクが詰まることがある。そのため、インクがかすれ、十分な筆記距離が確保できないという課題があった。
この課題を解決するため、ボールハウス内での筆記ボールの移動距離(以下クリアランスとする。)を大きくすることが行われている。
しかし、クリアランスを大きくすると衝撃により筆記ボールがボールハウスから脱落することがある。特にノック式のボールペンにおいては、リフィルの収納に伴うノック時の衝撃によってこのような脱落が生じやすい。
そこで、ボールハウスから筆記ボールが脱落しにくいボールペンが、特許文献1に開示されている。
特許第5484186号公報
しかし、特許文献1記載のボールペンは、ボールハウスから筆記ボールが脱落しにくいものの、必要以上にインクを消費してしまい、十分な筆記距離が得られない。また、筆記時にカシメ部と紙面とが接触してカシメ部が摩耗するだけでなく、紙の繊維が擦れて、削り取られた紙の繊維が筆記ボールの回転とともにボールハウス内に侵入し、インクの通路を塞ぐことがある。
そこで、本発明においては、粒子径の大きいインクでも十分な筆記距離を得られるボールペンの提供を課題とする。
本発明は、先端に筆記部であるボールペンチップ32を備えたリフィル3と、
該リフィル3を収容する軸本体2と、
該リフィル3を後方へ付勢するコイルスプリング40と、
該軸本体2の後部に設けられるとともに、該リフィル3の後方に配置され、該リフィル3と連動するノック部41と、を有し、
該ノック部41を前方に押圧してリフィル3を前記軸本体2の先端から突出させることによって筆記位置となるノック式のボールペン1であって、
前記ボールペンチップ32は筆記ボール33と、該筆記ボール33を先端に抱持するホルダー34と、を備え、
前記ホルダー34の先端には前記筆記ボール33を抱持するカシメ部34bが設けられ、該ホルダー34の内部空間には、該ホルダー34の先端に設けられるとともに前記筆記ボール33が挿入されるボールハウス35、該ホルダー34の後端から先端方向へ該ボールハウス35の近傍まで設けられたバック孔37、及び該バック孔37とボールハウス35とを連結するインク誘導孔36が形成されており、
前記ボールハウス35は軸心とほぼ平行な円筒面35aと、該円筒面35aに連続して後方へ向かって縮径する円錐面である底面35bと、該底面35bに前記筆記ボール33の曲面が転写されたボール受座35cと、を有しており、
前記インク誘導孔36の周囲に等配された複数箇所には、前記ボールハウス35側から後方に向かって穿設された放射状の溝であるインク溝36aが形成されており、
前記バック孔37内には、前記筆記ボール33を先端方向に付勢する弾発部材38が挿入されており、該弾発部材38の先端部分は、先端方向に直線状に伸び前記インク誘導孔36を通って前記筆記ボール33の後端に当接しこれを付勢する付勢部38aとして形成されており、
前記リフィル3に収容されるインクの最大容量が0.5ml以上であって、前記筆記ボール33の真球度が0.5μm以下であって、該筆記ボール33が前記ホルダー34内で前記ボールペンチップ32の軸線方向に移動可能な量であるクリアランスが30μm未満であって、インクに使用されている顔料の平均粒子径が0.3μm以上クリアランス未満であって、前記カシメ部34bの筆記ボール33を保持する力が前記ノック部41を押圧する際のノック荷重以下であって、
前記弾発部材38の押荷重が前記軸本体2の重量未満であって、
前記筆記ボール33の直径をA、前記ホルダー34の先端から前記筆記ボール33が飛び出ている距離である筆記ボール出寸法をB、前記クリアランスをC、前記ボールハウス35の円筒面35aの内径をD、前記インク誘導孔36の内径をE、前記ボール受座35cの最外径をF、前記付勢部38aの線径をGとしたときに、
前記筆記ボール33が(B+C)<0.4Aとなるように前記カシメ部34bに抱持されており、
前記ボールハウス35はD≧(A+0.03mm)及び、F<0.65Aとなるように形成されており、
前記インク誘導孔3はE≦0.6Aとなるように形成されており、
前記付勢部38aは0.4E≦G≦0.6Eとなるように形成されており、
前記ノック荷重が5N以上である、
ことによって筆記距離が200m以上となることを特徴とする。
ここで、「カシメ部34bの筆記ボール33を保持する力」とは、ボール保持力であって、筆記ボール33をボールペンチップ32の後方から軸方向前方に向かって脱落させるに要する静荷重のことをいう。
また、「ノック荷重」とは、リフィル3の先端を軸本体2から繰り出し又は繰り戻しのために使用者がノック部41を押圧する際に要する荷重をいう。
また、筆記ボール33の真球度を0.5μm以下とすることで、筆記ボール33の回転を阻害しないためインクの吐出をスムーズにすることができる。
また、弾発部材38の押荷重を軸本体2の重量未満にすることで、筆記ボール33の滑らかな書き味を提供できる。
また、ボールペンチップ32先端を(B+C)<0.4Aとなるように形成することで、筆記ボール33が筆記先端から突出する距離が最大でもボール径の40%未満となるため、筆記ボール33が脱落しにくくなる。
また、ボールハウス35の円筒面35aはD≧(A+0.03mm)となるように形成されていることから、円筒面35aの径Dが筆記ボール33の直径Aよりも0.03mm以上広く、インクの流路が十分に確保される。また、ボール受座35cはF<0.65Aとなるように形成されていることから、書き出しの際の筆記ボール33の回転がスムーズかつ、溝の開口部が確保できるため、十分なインクの流路も確保される。
また、インク誘導孔36をE≦0.6Aとなるように形成し、かつ、付勢部38aを0.4E≦G≦0.6Eとなるように形成することで、インクの通路を確保できる。また、剪断減粘性のインクを用いた場合、筆記時に付勢部38aがインク誘導孔36内で上下左右に動きインクの攪拌が行われ、インクの出が良くなる。
また、ノック荷重を5N以上とすると、誤って軸本体2からリフィル3の先端を繰り出すことを回避し、不要なインク汚れを防止できる。
また、継手31内にボールペンチップ32との圧入部より細径のインク流通孔を形成されてことで、ノック衝撃によるボール飛びを防ぐことができる。
なお、ノック部41の後端に軟質部材からなる消去部材41aを設けることにより、ノック部を下向きにした際の落下時にボールペン1にかかる衝撃を吸収させてもよい。
なお、本発明に好適なインクは、平均粒子径が1μm以上であり、非熱可塑性である着色樹脂粒子と、ガラス転移点が0℃未満である非着色粒子と、を少なくとも含有し、着色樹脂粒子をインク組成物全量に対して5~30重量%含有し、かつ、消去部材41aの擦過動作で消去可能な剪断減粘性を有することを特徴とする。また、電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物、及び前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体、の必須三成分を少なくとも含む熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた平均粒子径1μm以上の熱変色性マイクロカプセル顔料をインク組成物全量に対して5~30重量%含有し、消去部材41aの摩擦動作で変色又は消色可能なインクも本発明に好適なインクである。ここで、「平均粒子径」は、粒度分析計〔マイクロトラックHRA9320-X100(日機装社製)〕にて測定したD50の値である。
なお、ホルダー34の先端に設けられたカシメ部34bの外径34cを面取り加工してもよい。これにより、筆記時のカシメ部34bと紙面との間に生じる摩擦抵抗を下げ、カシメ部34bの摩耗と紙面の繊維が削り取られることを抑制できる。よって、筆記によって筆記ボール33が脱落すること及び筆記時のカスレを抑制できる。
なお、本発明に係るボールペン1のボールペンチップ32には、バック孔37の先端部分であって、各インク溝36aの後端に接する位置に、内方に突出する内方凸部37aを設けてもよい。内方凸部37aを設けることで、筆記時に弾発部材38の付勢部38aがインク溝36aの方へ傾いたとしても、インク溝36aに嵌るより先に内方凸部37aに当接する。よって、弾発部材38の付勢部38aがインク溝36aに嵌ることで、インクの通路を塞いでしまうことを防ぐことができる。さらに、内方凸部37aの間を縫うようなインクの流路が形成されることにより、インク流出抵抗が下がるため、筆記時のカスレが生じにくくなる。
なお、リフィル3の後端部分に、該リフィル3の後端から、該リフィル3に対して圧力をかけることのできる加圧機構5を設けてもよい。ここで、「加圧機構5」とは、リフィル3内のインクに対して圧力をかける機構である。具体的には、リフィル3内の空間に加圧ガスを封入する方法や、軸本体2の内部であって、リフィル3内のインクの後方部分に密閉空間(加圧室42c)を設け、ノックをする際に該密閉空間に圧力がかかり、この圧力をリフィル3内のインクにかかるように設計する方法等がある。加圧機構5を設けると、直流防止のためにインク粘度を高くしても、インクが十分に出るため、滑らかな書き心地が得られる。
なお、密閉空間を設ける方法により加圧機構5をボールペン1に設ける場合にあっては、軸体2内部に密閉空間を作る際に、空気の流入を防ぐため、リフィル3の後方にOリング52等のゴム弾性体を設けることがある。このOリング52が緩衝部材となって、ノック時にボールペン1にかかる衝撃を吸収する。なお、この緩衝部材は、Oリング52でなくともよく、前記リフィル3の後端に当接しており、弾性作用があればよい。
本発明におけるボールペンは以上のように構成されているため、平均粒子径の大きいインクをボールペンに用いた場合であっても、ノック時の衝撃等による筆記ボールの脱落が生じにくく、インクのカスレといった筆記不良も生じにくく、かつ200m以上の十分な筆記距離を得られるノック式のボールペンを提供できる。
第1の実施の形態におけるボールペンの正面断面図である。 本発明に係るボールペンチップの先端の正面断面図である。 本発明に係るボールペンチップの先端の拡大正面図である。 図3のI-I断面図である。ただし、ホルダーの外周及び筆記ボールは省略してある。 本発明に係るボールペンチップのホルダーと弾発部材の状態を示す部分断面図である。ただし筆記ボールは省略してある。 第2の実施の形態におけるボールペンの正面断面図である。 第3の実施の形態におけるボールペンの正面部分断面図である。 第3の実施の形態におけるノック機構の回転子とカムとを示す展開図である。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態におけるボールペン1は、図1に示すように、ノック式のボールペンであって、軸本体2と、軸本体2に軸方向に進退可能に収容されたリフィル3と、内蔵されたリフィル3のペン先を軸本体2の先端から突没させるノック機構4と、からなる。
(軸本体2)
軸本体2は、リフィル3を内部に収納する円筒状の軸筒20と、軸筒20の先端部分に螺合している略円錐状の口先部材21と、からなる。
軸筒20の後端部分には使用者の衣服に設けられたポケットに差し込まれた際に、ポケットの布地を挟持するためのクリップ部材22が設けられている。
口先部材21は、底面が開口され、その内周面にネジ溝が形成されたものとなっている。これにより、口先部材21は、軸筒20に取り付けられている。
(リフィル3)
リフィル3は、インクを収容したインク収容管30と、インク収容管30の先端に継手31を介して装着されたボールペンチップ32と、からなる。また、継手31内にボールペンチップ32との圧入部より細径のインク流通孔を形成されている。
ここで、インク収容管30に収容されるインクの最大容量は0.5ml以上である。また、収容されているインクは後述する消去部材41aによって消去可能な消しゴム消去性インクであって、インクの平均粒子径は0.3μm以上、後述するクリアランス(図3参照)未満である。また、リフィル3の後端には加圧機構(図示せず)が設けられている。具体的には、リフィル3内の空間に加圧ガスが封入されており、これにより、リフィル3の後端から、リフィル3内のインクに対して圧力がかかっている。
ボールペンチップ32は、図2に示すように、筆記ボール33と、この筆記ボール33を先端に抱持するホルダー34と、からなる。
筆記ボール33の直径は0.4mm以下であって、筆記ボール33の真球度は0.5μm以下である。なお、真球度は真球度測定機〔(株)ミツトヨ製 ROUNDTEST RA-2000〕にて測定した値を用いる。また、筆記ボール33の直径をA、図3に示すように、ホルダー34の先端から筆記ボール33が飛び出ている距離である筆記ボール出寸法をB、筆記ボール33がホルダー34内でボールペンチップ32軸線方向に移動可能な量であるクリアランスをCとすると、クリアランスは30μm未満であって、(B+C)<0.4Aの関係が成り立つように筆記ボール33はホルダー34に抱持されている。
ホルダー34の外周の先端部分には、図2に示すように、先細り形状をしたテーパ部34aと、テーパ部34aの先端を内向きに塑性変形させて形成されたカシメ部34bと、が形成されている。ここで、筆記ボール33はカシメ部34bに抱持されており、このカシメ部34bは、カシメ部34bによる筆記ボール33を保持する力が、後述するノック荷重以下となるように形成されている。また、図3に示すカシメ部34bの外径34cは、面取り加工されている。
ホルダー34の内部空間には、図5に示すように、テーパ部34aの内側で筆記ボール33が挿入されるボールハウス35、ホルダー34の後端から先端方向へボールハウス35の近傍まで設けられているバック孔37、及びバック孔37とボールハウス35とを連結するインク誘導孔36が形成されている。
ボールハウス35は、軸心とほぼ平行な円筒面35aと、この円筒面35aに連続して後方へ向かって縮径する円錐面である底面35bと、該底面35bに筆記ボール33の曲面が転写されたボール受座35cと、を有している。ここで、図4に示すように、ボールハウス35の円筒面35aの内径をD、インク誘導孔36の内径をE、ボール受座35cの最外径Fとすると、ボールハウス35は、D≧(A+0.03mm)及びF<0.65Aとなるように形成されている。
また、インク誘導孔36はE≦0.6Aとなるように形成されており、インク誘導孔36の周囲の3つに等配された箇所には、図4及び図5に示すように、ボールハウス35側からバック孔37の先端部分まで放射状に貫通する溝であるインク溝36aが形成されている。
バック孔37内には、図2に示すように、筆記ボール33を先端方向に付勢する弦巻バネである弾発部材38が挿入されている。弾発部材38の先端部分は、図2及び図5に示すように、先端方向に伸びインク誘導孔36を通って筆記ボール33の後端に当接しこれを付勢する付勢部38aとして形成されている。ここで、付勢部38aの線径をGとすると、付勢部38aは、0.4E≦G≦0.6Eとなるように形成されている。また、弾発部材38の押荷重は軸本体2の重量以下である。さらに、図5に示すように、バック孔37の先端部分であって、各インク溝36aの後端に接する位置には、内方に突出する内方凸部37aが形成されている。
(ノック機構4)
ノック機構4は、リフィル3の先端の軸本体2からの繰り出し及び該軸本体2内部への引き込みに関する機構である。
ノック機構4は、図1に示すように、リフィル3を後端側へ付勢するコイルスプリング40と、軸筒20の後端に設けられたノック部41と、ノック部41とリフィル3との間に位置する回転子42と、から構成されている。ここで、本実施の形態におけるノック荷重は5N以上である。また、ノック部41の後端には、消去部材41aが設けられている。この消去部材41aは消しゴムであって、前述した消しゴム消去性インクを消すことのできる軟質部材からなる。消去部材41aが軟質部材からなるため、落下時にボールペン1にかかる衝撃を消去部材41aによって吸収できる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態におけるボールペン1は、図6に示すように、二分割可能な軸本体2と、軸本体2に軸方向に進退可能に収容されたリフィル3と、内蔵されたリフィル3のペン先を軸本体2の先端から突没させるノック機構4と、ノック機構4の一部である回転子42に支持されてリフィル3に接触する加圧機構5と、からなる。
ここで、リフィル3は、インク収容管30と、インク収容管30の先端に直接装着されたボールペンチップ32と、からなる点が第1の実施の形態と異なるが、第1の実施の形態と同様、インク収容管30は継手を介してボールペンチップ32を装着してもよい。また、ボールペンチップ32の構造は、第1の実施の形態と同様である。
(軸本体2)
軸本体2は、図6に示すように、円筒状であって先端が先細りに形成された先軸23と、先軸23の後端に螺合している円筒状に形成された後軸24とからなる。
先軸23は、その開口した前部が先細りの円筒形に成形され、開口した後部が薄肉に形成されてその外周面には締結用の図示しない螺子溝が周方向に螺刻されている。
後軸24は、円筒状に形成され、前部内周面には、先軸23の後部と着脱自在に螺合する図示しない螺子溝が周方向に螺刻されており、この螺子溝の後方には略楕円形の脱落防止リブ(図示せず)が半径内方向に向けて突設され、この脱落防止リブが所定の間隔で周方向に複数並設されている。また、後軸24の後部外周面には、止め具であるクリップ部材22が軸方向に向けて一体成形されている。
(ノック機構4)
ノック機構4は、図6に示すように、軸本体2とインク収容管30との間に介在されるコイルスプリング40と、後軸24の後端に設けられたノック部41と、インク収容管30の末端部に隙間を介しスライド可能に嵌入される回転子42と、この回転子42の外周面に突設される複数のカム43と、軸本体2の内周面後部に突設される複数の条体44と、から構成される。
コイルスプリング40は、インク収容管30の先端部に嵌入されて軸本体2の開口した前部周縁に接触し、インク収容管30を軸本体2の後部方向に弾圧付勢している。
ノック部41は、リフィル3の先端を軸本体2から繰り出し又は繰り戻すためのノック操作部であって、後軸24の後端に設けられている。ノック部41の前方には、後述する回転子42が着脱自在・相対回転可能に嵌合されている。また、ノック部41の先端には、回転子42と対応するノック部カム(図示せず)が設けられており、後端にはインクを消去可能な消去部材41aが設けられている。
回転子42は、略有底円筒形に成形され、閉じた底部には、ノック部41が嵌合されている。そして、ノック部41の消去部材41aがノック操作される度に、回転子42が所定の角度(15°~60°、好ましくは18°~30°)で回転する。
回転子42は、拡径部42aと縮径部42bとを連続して備えた中空の略凸字形に形成され、内部が外気(空気)用の加圧室(体積減少空間)42cに形成されるとともに、内周面が開口方向から閉じた底部方向にかけて最拡径面42d、拡径面42e、縮径面42f、及び最縮径面42gに形成されており、軸本体2からの脱落が後軸24の脱落防止リブ(図示せず)により有効に規制される。
回転子42の拡径部42aと縮径部42bとの段差面には、連続した複数の鋸歯(図示せず)が周方向に周設されている。また、最拡径面42dと拡径面42eとの間、拡径面42eと縮径面42fとの間、縮径面42fと最縮径面42gとの間には、テーパ状の段差面がそれぞれ形成されている。
このような構成の回転子42は、筆記時には、軸本体2の前部方向にスライドしてインク収容管30の末端部に深く嵌合近接し、インク収容管30の末端部に対する加圧効果を発揮する。これに対し、未筆記時には、インク収容管30の末端部に浅く嵌合し、インク収容管30の末端部と加圧室42cとの間に大きな隙間を形成する。
カム43は、回転子42の外周面に複数並べて突設されており、60°以下、好ましくは30°以下の間隔ごとに突設されている。各カム43は、軸本体2の内周面後部に設けられた複数の条体44間にスライド可能に嵌入する。
条体44は、軸本体2の内周面後部に複数並べて突設されており、60°以下、好ましくは30°以下の間隔ごとに突設されている。各条体44は、軸本体2の軸方向に向けて略線状に形成されており、カム43のガイド機能を果たしている。また、各条体44の先端面は周方向に切り欠かれており、この切り欠きとカム43とが噛合する。
つまり、未筆記時にノック部41をノックすると回転子42が回転し、回転子42の外周面に設けられたカム43と条体44とが噛合し、軸本体2の前部からリフィル3が突出する。このとき、カム43と条体44とが噛合しており、筆記してもリフィル3は後退しないため、筆記可能となる。筆記時にノック部41を再度ノックすると回転子42が回転し、条体44とカム43との噛合が解除され、各カム43は、複数の条体44間にスライド可能に嵌入し、回転子42が反インク収容管30方向にスライドする。すると、各カム43が複数の条体44間に位置するとともに、軸本体2の前部から突出したボールペンチップ32が後退し、筆記ができない状態となる。
(加圧機構5)
加圧機構5とは、リフィル3内のインクに対して圧力をかける機構である。
加圧機構5は、図6に示すように、回転子42内にスライド可能に嵌入されており、かつインク収容管30の末端面に対向する位置に備えられたシール用のゴムホルダ50と、このゴムホルダ50と回転子42との間に介在する加圧スプリング51と、ゴムホルダ50の外周面に嵌合された気密確保用のOリング52と、から構成される。
ゴムホルダ50は、ポリアセタール、ポリオキシメチレン、ポリホルムアルデヒド等からなる合成樹脂を使用して略円筒形に成形され、外周面には、周方向に切り欠かれた嵌合溝50aが形成されている。
加圧スプリング51は、弾発力がコイルスプリング40よりも大きいコイルバネからなり、ゴムホルダ50をインク収容管30の末端部方向に弾圧付勢するよう機能する。この加圧スプリング51は、その一端部がゴムホルダ50の内部に図示しない取付リブを介して挿入接続され、他端部が回転子42の縮径部42bに図示しない取付リブを介して挿入接続されている。この加圧スプリング51は、回転子42の拡径面42eと縮径面42fとの間の段差面にゴムホルダ50が後退して接触する前に全圧縮する。また、加圧スプリング51及びコイルスプリング40の弾発力は、ボールペン1全体のノック荷重が5N以上となるように形成されている。
Oリング52は、耐熱性、耐寒性、耐オゾン性、電気特性、耐油性等に優れる弾性材料のシリコーンゴムやNBR等を使用してエンドレスのリングに成形され、ゴムホルダ50の嵌合溝50aに嵌合される。
Oリング52は、筆記時には、回転子42の拡径面42eに変形密接して軸本体2内の外気を回転子42の加圧室42c内に流入不能とし、加圧室42cからインク収容管30の末端部に対して圧縮された外気を流入させる。そのため、インク収容管30に対して圧力をかけることができ、インクの吐き出しを助長することができる。そして、Oリング52は、未筆記時には、回転子42の拡径面42eに隙間を介して対向し、外気が回転子42の加圧室42c内に流入可能となる。そのため、回転子42の拡径面42eとゴムホルダ50のOリング52とが相互に離隔し、外気の流通路を区画形成するため、軸本体2の内部と回転子42の加圧室42cとが相互に連通する。この連通作用により、回転子42の加圧室42cやインク収容管30は加圧されることがない。また、Oリング52は、ノック時にインク収容管30が後方に衝突する際の衝撃を吸収する緩衝部材としての役割も果たしている。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態におけるボールペン1は、図7に示すように、軸本体2と、軸本体2に軸方向に進退可能に収容されたリフィル3と、内蔵されたリフィル3のペン先を軸本体2の先端から突没させるノック機構4と、から構成される。
ここで、軸本体2及びリフィル3は第1の実施の形態と同様に構成されている。また、加圧機構についても、第1の実施の形態と同様にボールペン1に設けられている。
(ノック機構4)
ノック機構4は、図7に示すように、軸本体2とインク収容管30との間に介在されるコイルスプリング40と、軸筒20の後端に設けられたノック部41と、ノック部41とリフィル3との間に設けられた回転子42と、この回転子42の外周面に突設される複数のカム43と、クリップ部材22と一体で構成され、内周面に突設される複数の条体44を有する後筒45と、から構成される。
ノック部41及び回転子42はそれぞれに対応したカム斜面であるノック部カム(図示せず)及びノックカム(図示せず)をそれぞれ有しており、軸方向前方へのノック動作によって回転子42が所定角度ずつ一定方向にのみ回転するように構成される。
さらに、ノック動作後の押圧を止めたときにはリフィル3はコイルスプリング40によって常に後方へ付勢されており、回転子42のカム43とそれに対応した後筒45の条体44によって前述のノック部41と回転子42による回転と同一方向に回転子42を回転させる。つまり、回転子42は所定の角度で回転して、ある時点で(上記構成では2回のノックで)1周し、この動作を繰り返す。また、回転子42の先端部は常にリフィル3に当接しており、カム43の前後位置がリフィル3の先端のペン先位置を決めることになる。
なお、ノック部41の後端には、特に図示はしないものの第1の実施の形態と同様、消去部材が取り付けられている。また、ノック部41を押圧する際のノック荷重も同様に5N以上である。
ここで、第3の実施の形態における条体44の構成と、ノック部41を押圧して、筆記時から未筆記時に遷移する際の、条体44に接して回転移動及び垂直移動を行う回転子42のカム43の動作について図8にて説明する。図8は、回転子43のカム43と条体44との位置関係を示す模式図であり、後筒45の内面に形成された条体44を展開したものに対して回転子42のカム43の位置を示したものである。図の上方がペン先方向を示しており、回転子42のカム43は上述したノック部41と回転子42とのカム機構によって回転力を与えられるため、ノック動作毎に図の左から右へ移動する。
図8(a)は、筆記時の状態でリフィル3の先端が軸本体2の先端から突出している状態を示し、カム43はコイルスプリング40の反発力により条体44の第一の斜面44a及び第一の縦壁44bに押し付けられて固定されている。
この状態からノック部41を押すとカム43は、図の上方へと前進して第一の縦壁44bを越える位置まで達した後、第一の縦壁44bによる規制が外れるため、コイルスプリング40の反発力と上述のノック部カムとノックカムによる回転作用によって、図8(b)に示すように右側に回転して条体44の第二の斜面44cに押し付けられる。
そして、指を離すとカム43は、さらに回転して第一の垂直移動を経て図8(c)に示す位置に至る。この第一の垂直移動における垂直移動距離を第一の垂直移動距離αとする。この際、カム43の斜面が条体44の第三の斜面の前半部分(以下「前半の斜面」と記す。)44dと衝突し、その衝撃がリフィル3に伝わる。
さらに、カム43は条体44の上記前半の斜面44dを滑って回転した後、第二の垂直移動を経て図8(d)に示す位置に至る。この第二の垂直移動における垂直移動距離を第二の垂直移動距離βとする。この際、カム43の斜面が条体44の第三の斜面の後半部分(以下「後半の斜面」と記す。)44eと再び衝突し、その衝撃がリフィル3に伝わる。
その後、カム43は条体44の上記後半の斜面44eを滑って回転し、条体44の第二の縦壁44fに当接して停止し、図8(e)に示す未筆記時のペン先収納位置に至る。
従来、上記の衝突は1回だけ発生しており、その際の垂直移動距離は上記構成における第一の垂直移動距離αと第二の垂直移動距離βとの和にほぼ等しかった。このように、条体44の第三の斜面の前後半に軸方向の段差を設けてカム43の1回あたりの垂直移動距離を短縮することで、リフィル3に加わる衝撃を緩和することができる。
第1、第2及び第3の実施形態において示したボールペン1について、ボールペンチップ32に用いられる筆記ボールの直径Aを0.38mmとし、インクとして、市販の水性ボールペン(UM-101ER、三菱鉛筆製)に使用される黒のインクを用いて以下の条件で筆記距離を測定した。
インク収容管30にインクを満たした状態で、JIS規格S6039に準拠した筆記試験機を用い、筆記速度4.5m/分、筆記角度60°、筆記荷重0.98Nの筆記条件で、JIS規格P3201に準拠した筆記試験紙上に螺旋筆記することにより筆記試験を行い、筆記距離を測定した。
筆記距離を測定した結果、全てのボールペン1において、筆記距離は少なくとも200mを確保することができた。
本発明は、比較的大径の粒子を含有するインクを採用するノック式のボールペンに利用することができる。
1 ボールペン 2 軸本体 20 軸筒
21 口先部材 22 クリップ部材 23 先軸
24 後軸 3 リフィル 30 インク収容管
31 継手 32 ボールペンチップ 33 筆記ボール
34 ホルダー 34a テーパ部 34b カシメ部
34c カシメ部の外径 35 ボールハウス 35a 円筒面
35b 底面 35c ボール受座 36 インク誘導孔
36a インク溝 37 バック孔 37a 内方凸部
38 弾発部材 38a 付勢部 4 ノック機構
40 コイルスプリング 41 ノック部 41a 消去部材
42 回転子 42a 拡径部 42b 縮径部
42c 加圧室 42d 最拡径面 42e 拡径面
42f 縮径面 42g 最縮径面 43 カム
44 条体 44a 第一の斜面 44b 第一の縦壁
44c 第二の斜面 44d 前半の斜面 44e 後半の斜面
44f 第二の縦壁 45 後筒 5 加圧機構
50 ゴムホルダ 51 加圧スプリング 52 Oリング
A 筆記ボールの直径 B 筆記ボール出寸法 C クリアランス
D 円筒面の内径 E インク誘導孔の内径 F ボール受座の最外径
G 付勢部の線径
α 第一の垂直移動距離 β 第二の垂直移動距離

Claims (1)

  1. 本願明細書に記載の発明。
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