JP2023074200A - 通信用コネクタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示によれば、回路基板を交換することなく、通信機器の変更に対応できるようにする。【解決手段】通信用コネクタ装置Aは、基板側コネクタ28が実装された回路基板21と、通信用導電路3の機器側コネクタ1が接続される接続ポート67を有し、基板側コネクタ28に対して着脱可能な中継コネクタ40Aと、を備えている。通信機器2の数や通信速度を変更する場合は、接続ポート67の数や通信速度に対応した中継コネクタ40Aに交換すればよく、回路基板21を交換する必要はない。本開示によれば、回路基板21を交換することなく、通信機器2の変更に対応することができる。【選択図】図17

Description

本開示は、通信用コネクタ装置に関するものである。
特許文献1には、端子を保持する樹脂製のハウジングと、ハウジングの側壁に圧入された固定金具とを備えた基板用コネクタが開示されている。基板用コネクタは、固定金具を基板に半田付けすることによって取り付けられている。
特開2021-061188号公報
上記の基板用コネクタは、イーサネット(登録商標)による車載用通信回路に用いることができる。この場合、車載用通信回路に接続される機器の数は車両のグレードやオプションの数によって異なることから、接続される機器の数に応じて基板用コネクタにおける通信ポートの数を変えなければならない。基板用コネクタは半田付けによって基板に固定されているため、通信ポートの数を変えるためには、基板用コネクタだけでなく、基板も交換する必要がある。
本開示の通信用コネクタ装置は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、基板を交換することなく通信機器の変更に対応できるようにすることを目的とする。
本開示の通信用コネクタ装置は、
基板側コネクタが実装された回路基板と、
通信用導電路の機器側コネクタが接続される接続ポートを有し、前記基板側コネクタに対して着脱可能な中継コネクタと、を備えている。
本開示によれば、回路基板を交換することなく、通信機器の変更に対応することができる。
図1は、実施例1の第1組付け形態の通信用コネクタ装置を斜め上前方から見た斜視図である。 図2は、第1組付け形態に使用するハウジングの分離状態を斜め上前方から見た斜視図である。 図3は、第1組付け形態においてハウジングを外した状態を斜め上前方から見た斜視図である。 図4は、第2組付け形態に使用するハウジングの分離状態を斜め上前方から見た斜視図である。 図5は、第2組付け形態の通信用コネクタ装置の正面図である。 図6は、メイン基板から第1組付け形態用の第1中継コネクタと保持部材を外した状態を斜め上前方から見た斜視図である。 図7は、第1組付け形態に使用する第1中継コネクタの分解状態を斜め上前方から見た斜視図である。 図8は、第1組付け形態に使用する第1中継コネクタを斜め上後方から見た斜視図である。 図9は、第1組付け形態に使用する第1中継コネクタの分解状態を斜め上後方から見た斜視図である。 図10は、第1組付け形態に使用する第1中継コネクタと保持部材を斜め下前方から見た斜視図である。 図11は、第1組付け形態に使用するフロント部材とリテーナの分離状態を斜め下前方から見た斜視図である。 図12は、第1組付け形態に使用する第1中継コネクタをメイン基板に取り付けた状態をあらわす側断面図である。 図13は、第1組付け形態において、リテーナによる係止が解除されて中継コネクタがメイン基板から離脱可能となった状態をあらわす側断面図である。 図14は、第1組付け形態の使用する第1中継コネクタをメイン基板に取り付けた状態をあらわす底面図である。 図15は、第1組付け形態において、リテーナによる係止が解除されて第1中継コネクタがメイン基板から離脱可能となった状態をあらわす底面図である。 図16は、保持部材を斜め下前方から見た斜視図である。 図17は、第1組付け形態における通信回路の構成をあらわすブロック図である。 図18は、第2組付け形態における通信回路の構成をあらわすブロック図である。 図19は、実施例2の第1組付け形態における通信用コネクタ装置の正面図である。 図20は、実施例2の第2組付け形態における通信用コネクタ装置の正面図である。 図21は、実施例3の第1組付け形態に使用する中継コネクタを斜め上前方から見た斜視図である。 図22は、実施例3の第1組付け形態における通信用コネクタ装置の正面図である。 図23は、実施例3の第2組付け形態における通信用コネクタ装置の正面図である。 図24は、実施例4の通信用コネクタ装置を斜め上前方から見た斜視図である。 図25は、実施例4の中継コネクタの斜視図である。 図26は、実施例4の通信用コネクタ装置の平面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
本開示の通信用コネクタ装置は、
(1)基板側コネクタが実装された回路基板と、通信用導電路の機器側コネクタが接続される接続ポートを有し、前記基板側コネクタに対して着脱可能な中継コネクタと、を備えている。本開示の構成によれば、通信機器の数や通信速度を変更する場合は、接続ポートの数や通信速度に対応した中継コネクタに交換すればよく、回路基板を交換する必要はない。本開示によれば、回路基板を交換することなく、通信機器の変更に対応することができる。
(2)(1)において、前記回路基板と前記中継コネクタを収容するハウジングを備えており、前記ハウジングは、正面が開口したハウジング本体と、前記ハウジング本体の開口に対して着脱可能なフロントカバーとを有し、前記中継コネクタは、前記接続ポートを包囲するフード部を有し、前記フロントカバーには、前記フード部を前記ハウジングの外部に露出させる接続口が形成されていることが好ましい。この構成によれば、接続ポートの数が異なる別の中継コネクタに交換する場合は、ハウジングの全体ではなく、フード部の大きさに整合する接続口を有するフロントカバーのみを交換すればよい。これにより、接続口とフード部との間に隙間を空くことを防止できる。
(3)(1)において、前記回路基板と前記中継コネクタを収容するハウジングを備え、前記中継コネクタは、前記接続ポートを包囲するフード部を有し、前記ハウジングには、前記フード部を前記ハウジングの外部に露出させる接続口が形成され、前記接続口には、前記接続口の開口領域を変更させるように変位可能な可動カバーが設けられていることが好ましい。この構成によれば、接続ポートの数が異なる別の中継コネクタに交換する場合は、フード部の大きさに応じて可動カバーを変位させる。これにより、接続口とフード部との間に大きな隙間が空くことを防止できる。
(4)(3)において、前記可動カバーが、ヒンジを介すことによって前記ハウジングに繋がっていることが好ましい。この構成によれば、ヒンジを支点として可動カバーを変位させることによって、接続口の開口の大きさを変えることができる。
(5)(1)において、前記回路基板と前記中継コネクタを収容するハウジングを備え、前記中継コネクタは、前記接続ポートを包囲するフード部を有し、前記ハウジングには、前記フード部を前記ハウジングの外部に露出させる接続口が形成され、前記フード部には、前記接続口の一部を覆う覆い部が一体に設けられていることが好ましい。この構成によれば、フード部の大きさに応じて覆い部の有無や覆い部の大きさを設定することにより、接続口の大きさを換えなくても、接続口とフード部との間に大きな隙間が空くことを防止できる。
(6)(1)から(5)において、前記中継コネクタは、外導体と、前記基板側コネクタに接続されるサブ基板とを有し、前記外導体は、前記サブ基板を覆うように配置されていることが好ましい。この構成によれば、外導体のシールド機能によって通信回路の安定化を図ることができる。
(7)(6)において、前記外導体は、前記サブ基板のグランド回路に接続されていることが好ましい。この構成によれば、外導体の電磁ノイズをサブ基板のグランド回路に落とすことによって、高いシールド性能が得られる。
(8)(6)又は(7)において、前記外導体は、前記サブ基板の上面を覆うように配置されたアッパケースを有し、前記アッパケースにはヒートシンクが形成されていることが好ましい。この構成によれば、外導体が、シールド機能と放熱機能を兼ね備えているので、外導体とは別に専用の放熱部品を設ける場合に比べると、部品点数が少なくて済む。
(9)(1)~(8)において、前記回路基板には、前記中継コネクタを位置決め状態に保持する保持部材が設けられていることが好ましい。この構成によれば、回路基板に対して着脱可能な中継コネクタを、安定して保持し、ひいては、中継コネクタと基板側コネクタとの接続信頼性を図ることができる。
(10)(9)において、前記保持部材は、導電性材料からなり、前記回路基板のグランド回路に接続され、箱形をなして前記中継コネクタを覆っていることが好ましい。この構成によれば、保持部材がシールド機能を兼ね備えているので、保持部材とは別に専用のシールド機能部材を設ける場合に比べると、部品点数が少なくて済む。
(11)(10)において、前記中継コネクタは外導体を有しており、前記外導体が前記保持部材に接続されていることが好ましい。この構成によれば、外導体と保持部材を介して電磁ノイズをグランド回路に落とすことができるので、シールド機能が高い
(12)(1)~(11)において、前記中継コネクタは、前記回路基板に係止することによって前記中継コネクタを前記回路基板に対して取付け状態に保持するリテーナを有しており、前記回路基板には、前記中継コネクタを前記回路基板から離脱させる方向へ押圧する離脱用押圧部が設けられていることが好ましい。この構成によれば、リテーナを回路基板から解離させるだけで、離脱用押圧部によって中継コネクタを回路基板から離脱させることができるので、離脱時の作業性がよい。
(13)(1)から(12)において、前記中継コネクタは、内導体と誘電体と外導体とサブ基板とを有し、前記サブ基板は、前記誘電体の背面に重なるように配置された第1サブ基板と、フレキシブルケーブルを介して前記第1サブ基板に接続された第2サブ基板とを含み、前記誘電体には、前記フレキシブルケーブルのうち前記第1サブ基板の外周縁から突出した部分を覆う保護部が形成されていることが好ましい。この構成によれば、フレキシブルケーブルが異物の干渉によって変形することを防止できる。
[本開示の実施形態の詳細]
[実施例1]
本開示を具体化した実施例1を、図1~図18を参照して説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。本実施例1において、前後の方向については、図1~4,6~16におけるX軸の正方向を前方と定義する。左右の方向については、図1~11,14~16におけるY軸の正方向を右方と定義する。上下の方向については、図1~13,16におけるZ軸の正方向を上方と定義する。
本実施例1の通信用コネクタ装置A,Bは、例えば、自動車に搭載され、イーサネット(登録商標)による自動運転制御用の車載用通信回路を構成する。通信用コネクタ装置A,Bは、ハウジング10A,10Bと、共通部品である基板ユニット20と、接続ポート67の数が異なる複数種類の中から用途に応じて任意に選択した1つの中継コネクタ40A,40Bとを組み合わせて構成されている。本実施例1では、通信用コネクタ装置A,Bの組付け形態の一例として、4つの接続ポート67を有する第1中継コネクタ40Aを基板ユニット20に取り付けた第1組付け形態(図17参照)と、8つの接続ポート67を有する第2中継コネクタ40Bを基板ユニット20に取り付けた第2組付け形態(図18参照)について説明する。
図17,18に示すように、中継コネクタ40A,40Bには、機器側コネクタ1が接続されている。機器側コネクタ1には、自動運転制御に用いられる複数の通信用機器2に設けられている機器側ECU(Electronic Control Unit)が、複数の通信用導電路3を介して接続されている。自動運転制御用機器としては、LiDAR(Light Detection and Ranging)等がある。通信用導電路3は、基板ユニット20の外部に配索されたワイヤーハーネスによって構成されている。1本の通信用導電路3は、1つの接続ポート67と1つの通信用機器2とを接続する。通信用機器2の数は車両のグレードやオプションの数によって異なることから、接続される通信用機器2の数に応じて中継コネクタの接続ポート67の数を変えなければならない。中継コネクタ40A,40Bは、必要に応じて基板ユニット20に対して着脱することができるので、共通構造の基板ユニット20を交換することなく、接続ポート67の数の増減に対応できる。
ハウジング10A,10B内には、基板ユニット20と中継コネクタ40A,40Bが収容されている。図1,2,4,5に示すように、ハウジング10A,10Bは、共通部品であるハウジング本体11と、2種類のフロントカバー12A,12Bのうち、選択した中継コネクタ40A,40Bに合わせた一方のフロントカバー12A,12Bとを組み付けて構成されている。ハウジング本体11は、合成樹脂からなり、前面が開放された直方形をなす。第1フロントカバー12Aと第2フロントカバー12Bは、合成樹脂からなる板状部品であり、ハウジング本体11に対して前面の開口を塞ぐように組み付けられている。
第1ハウジング10Aを構成する第1フロントカバー12Aには、第1中継コネクタ40Aの接続ポート67を露出させるための第1接続口13Aが形成されている。ハウジング本体11と第1フロントカバー12Aは、第1フロントカバー12Aの左右両端部の弾性ロック片14をハウジング本体11のロック突起15に係止させることによって、組付け状態に保持されている。第2ハウジング10Bを構成する第2フロントカバー12Bには、第2中継コネクタ40Bの接続ポート67を露出させるための第2接続口13Bが形成されている。第2接続口13Bの開口面積は、第1接続口13Aよりも大きい。第2フロントカバー12Bのうち第2接続口13B以外の部位は、第1フロントカバー12Aと形状及び大きさが同一である。
基板ユニット20は、図17、18に示すように、回路基板21と、回路27と、基板側コネクタ28とを備えている。本実施例1では、便宜上、回路基板21が水平に向けた姿勢でハウジング本体11内に固定されているものとする。回路基板21の上面は実装面22として機能する。図6に示すように、実装面22には、前後方向に延びる一対のメイングランド回路23が形成されている。一対のメイングランド回路23は左右方向に間隔を空けて並ぶように配置されている。回路基板21におけるメイングランド回路23の形成領域には、回路基板21を貫通した形状の複数の接続孔24が形成されている。複数の接続孔24は、前後方向に間隔を空けて並ぶように配置されている。
回路基板21には、回路基板21の前端縁に開放された切欠部25が形成されている。前後方向における切欠部25の形成範囲は、回路基板21の前端縁から、メイングランド回路23の前端よりも後方の位置に至る領域である。左右方向において、切欠部25は、一対のメイングランド回路23の間に配置されている。回路基板21を上から見た平面視において、切欠部25は長方形をなしている。回路基板21には、左右方向に間隔を空けた一対の係止孔26が形成されている。一対の係止孔26は、切欠部25の後方近傍位置に配置されている。
回路27は、SOC(System on a chip)やSiP(system in a package)等を備えて構成されたものであり、実装面22に実装されている(図17,18参照)。基板側コネクタ28は実装面22に実装されている。回路27と基板側コネクタ28は、電気的に接続されていてもよく、電気的に接続されていなくてもよい。基板側コネクタ28と中継コネクタ40A,40Bは、カードエッジコネクタを構成する。図6に示すように、基板側コネクタ28は、左右方向において、一対のメイングランド回路23の間に配置されている。基板側コネクタ28は、切欠部25及び係止孔26よりも後方に位置し、且つ最後端に位置する接続孔24よりも前方に配置されている。基板側コネクタ28は、基板収容空間29を有する。基板収容空間29は、基板側コネクタ28の前面において左右方向に細長いスリット状に開口している。基板側コネクタ28には、基板収容空間29内に臨む複数の端子金具30が収容されている。
図3に示すように、回路基板21には、基板ユニット20を構成する保持部材32が取り付けられている。保持部材32は、前面と下面が開放された直方形の箱形をなす単一部材であり、上板部33と左右両側板部34とを有する。保持部材32は、金属や導電性樹脂等の導電性を有する材料からなり、シールド機能を有している。図6,16に示すように、保持部材32は、左右両側板部34の下端縁から突出した複数の脚部35を有する。保持部材32は、脚部35を接続孔24に挿入し、挿入部分をハンダ付け(図示省略)することによって、回路基板21に取り付けられている。図12,13に示すように、回路基板21の上方には、回路基板21と保持部材32とによって囲まれた接続空間36が構成されている。接続空間36は、前方に開放されている。基板側コネクタ28は、接続空間36の後端部領域に収容されている。
図6,16に示すように、上板部33と左右両側板部34には、複数の保持突起37が形成されている。保持突起37は、切り起こしによって保持部材32の内部へ突出するように形成されたものである。図12,13,16に示すように、保持部材32には、左右方向に間隔を空けた一対の離脱用押圧部38が一体に形成されている。離脱用押圧部38は、保持部材32の内部へ突出するように上板部33の一部を切り起こした形状である。離脱用押圧部38は、上板部33から斜め下前方へ板状に突出している。離脱用押圧部38は、上板部33に連なる上端縁を支点として、前後方向へ弾性変形し得るようになっている。
第1中継コネクタ40Aは、シールド機能を有するコネクタであり、1つのカードエッジ接続部47と、複数の接続ポート67とを有している。第1中継コネクタ40Aは、カードエッジ接続部47を基板側コネクタ28の基板収容空間29に対して挿抜することによって、回路基板21に対して着脱される。
図10,12,13に示すように、第1中継コネクタ40Aは、1のコネクタ本体41と、1つのリテーナ90とを備えている。図7に示すように、コネクタ本体41は、4対の内導体42と、1つの誘電体43と、2つのサブ基板45,46と、1つの外導体60と、第1嵌合部材80Aとを備えて構成されている。各内導体42は、細長い金属部品からなる。対をなす内導体42は1つの差動ペア回路を構成する。1つの接続ポート67には、1つの差動ペア回路を構成する一対の内導体42が配置される。誘電体43は、板厚方向を前後方向に向けた板状の部材である。内導体42は、誘電体43に対し、前後方向に貫通した状態で取り付けられる。図7~9に示すように、誘電体43の上端部には、上方へ壁状に突出した保護部44が形成されている。
図7~9に示すように、2つのサブ基板45,46のうち第1サブ基板45は、板厚方向を前後方向に向けた状態で、誘電体43の後面に対して重ね合わせた状態で組み付けられている。第1サブ基板45には、内導体42が貫通した状態で接続されている。2つのサブ基板45,46のうち第2サブ基板46は、板厚方向を上下方向に向けた姿勢で、第1サブ基板45の後方に配置されている。第2サブ基板46は、第1サブ基板45の下端部と同じ高さに配置されている。第2サブ基板46の後端縁部は、カードエッジ接続部47として機能する。第2サブ基板46の上面には、前後方向に細長い一対のサブグランド回路48が形成されている。サブグランド回路48は、基板側コネクタ28を介して回路基板21のメイングランド回路23に接続されるようになっている。
第1サブ基板45の上端縁部と第2サブ基板46の前端縁部は、フレキシブルケーブル50を介して接続されている。フレキシブルケーブル50の屈曲部51は、第1サブ基板45の上端縁よりも上方に配置されている。フレキシブルケーブル50の屈曲部51の前方近傍には、誘電体43の保護部44が配置されている。
外導体60は、図7,9,11に示すように、第1フロント部材61Aとロアケース70とアッパケース74とを組み付けて構成されている。第1フロント部材61Aとロアケース70とアッパケース74は、いずれも金属製である。尚、ロアケース70については、合成樹脂製としてもよい。
第1フロント部材61Aは、厚さ方向を前後方向に向けた壁状本体部62と、支持板部63と、左右一対の支持壁部64と、左右一対のガイド部65と、突起状押圧部66とを有する単一部品である。第1フロント部材61Aには、4つの接続ポート67が形成されている。接続ポート67は、壁状本体部62を貫通する開口部と、開口部の開口縁から前方へ突出した角筒部とからなる。4つの接続ポート67は、上下方向及び左右方向に整列して配置されている。
支持板部63は、板厚方向を上下方向に向け、壁状本体部62の下端部から後方へ延出している。一対の支持壁部64は、厚さ方向を左右方向に向け、壁状本体部62から後方へ延出している。一対のガイド部65は、第1フロント部材61Aの下端部に配置され、前後方向に延びた形状である。突起状押圧部66は、第1フロント部材61Aの下面のうち左右方向中央よりも左方へ片寄った位置に配置されている。第1フロント部材61Aは、誘電体43の前面に対して壁状本体部62を重ね合わせた状態で取り付けられている。誘電体43に取り付けられている4対の内導体42は、各対毎に接続ポート67を貫通するように配置されている。1つの接続ポート67には、一対の内導体42が配置されている。
図7に示すように、ロアケース70は、全体として厚さ方向を上下方向に向けた板状をなす単一部品である。ロアケース70の前端縁部には、ロアケース70を側方から見た側面視において屈曲した段差部71が形成されている。ロアケース70は、ロアケース70の左右両側縁部における前端部から上方へ立ち上がる一対の側壁部72を有する。ロアケース70は、第1フロント部材61Aの下端部に対し、後方へ水平に延出するように組み付けられている。段差部71を支持板部63の上に重ね合わせ、側壁部72を支持壁部64の外側面に重ね合わせて凹凸部による位置決めをすることによって、第1フロント部材61Aとロアケース70が組付け状態に保持されている。ロアケース70の上面には、第2サブ基板46が載置されている。
図7に示すように、アッパケース74は、板厚方向を上下方向に向けた板状基部75と、板状基部75の上面に形成したヒートシンク76と、板状基部75の左右両側縁部に形成したアース用リブ77とを有する単一部品である。ヒートシンク76は、前後方向に延びる複数のリブ状突起を並列配置したものである。アッパケース74は、第2サブ基板46に載置されている。板状基部75の後端部と、第2サブ基板46と、ロアケース70の後端部とを貫通させたビス79によって、ロアケース70と第2サブ基板46とアッパケース74が固定されている。アッパケース74は、第2サブ基板46の上面全体を覆っている。一対のアース用リブ77は、第2サブ基板46のサブグランド回路48に接続されている。
第1嵌合部材80Aは、合成樹脂製の単一部品である。図7,9に示すように、第1嵌合部材80Aは、角筒状の第1フード部81Aと、第1フード部81Aの後面を覆う後板部82とを有する。後板部82には、4つの取付孔83が形成されている。第1嵌合部材80Aは、第1フロント部材61Aの前面に組み付けられている。4つの接続ポート67は、4つの取付孔83に個別に嵌合され、第1フード部81Aによって一括して包囲されている。
リテーナ90は、コネクタ本体41に取り付けられた合成樹脂製の単一部品である。図7,11に示すように、リテーナ90は、板厚方向を上下方向に向けた板状本体部91と、左右対称な一対のロックアーム96とを有している。板状本体部91の前端縁部は、ロック解除用の操作部92として機能する。板状本体部91には、板状本体部91の表裏両面に開口する長方形の作動空間93が形成されている。作動空間93内には、作動空間93の開口縁における前縁部から後方へ突出した突起部94が配置されている。作動空間93内のうち突起部94よりも後方の領域には、弾性アーム部95が配置されている。弾性アーム部95は、作動空間93の開口縁における右縁部から左方へ片持ち状に延出した形状であり、前後方向へ弾性変形し得るようになっている。突起部94は、左右方向において、弾性アーム部95の延出方向中央部と同じ位置に配置されている。
一対のロックアーム96は、板状本体部91の左右両縁の後端部から、後方へ片持ち状に延出した形状である。ロックアーム96の前端部は、板状本体部91の外側面よりも左右方向外方へ段差状に張り出している。ロックアーム96の後端部には、下方へ突出した係止突起97が形成されている。ロックアーム96は、上下方向へ弾性変形し得るようになっている。
リテーナ90は、板状本体部91を第1フロント部材61Aの下端面に重ね合わせた状態で、コネクタ本体41に取り付けられている。板状本体部91の左右両側縁部は、一対のガイド部65に対して摺動可能に嵌合されている。リテーナ90は、コネクタ本体41に対して、ロック位置(図12,14参照)と、ロック位置よりも後方のロック解除位置(図13,15参照)との間で前後方向に相対移動することができる。作動空間93内には、外導体60の突起状押圧部66が配置されている。突起状押圧部66は、弾性アーム部95の自由端部(延出端部)と、作動空間93の開口縁における後縁部との間に配置されている。
第2中継コネクタ40Bの構成部品の種類は、第1中継コネクタ40Aと同じである。第1中継コネクタ40Aの接続ポート67の数と第2中継コネクタ40Bの接続ポート67の数は異なるため、第2中継コネクタ40Bのサブ基板45,46における実装部品とプリント回路は、第1中継コネクタ40Aと異なる。第2中継コネクタ40Bの第2フロント部材61Bの大きさと形状は、第1中継コネクタ40Aの第1フロント部材61Aと異なる。第2中継コネクタ40Bの第2嵌合部材80Bに形成されている第2フード部81Bの大きさと形状も、第1中継コネクタ40Aの第1フード部81Aと異なる。第2フロント部材61Bに形成された8つの接続ポート67は、上下2段に分かれ、各段において左右に4つずつ並んでいる。第2嵌合部材80Bの高さ寸法は、第1嵌合部材80Aと同じであるが、第2嵌合部材80Bの幅寸法は、第1嵌合部材80Aよりも大きい。
第1中継コネクタ40Aを回路基板21に取り付ける際には、基板ユニット20が収容されているハウジング本体11から第1フロントカバー12Aを外し、第1嵌合部材80Aを摘んで、コネクタ本体41を、回路基板21の前方から接続空間36内に収容する。接続空間36内では、保持突起37がコネクタ本体41の外面に摺接することによって、コネクタ本体41が回路基板21に対して上下方向及び左右方向に位置決めされる。この位置決め作用により、第1中継コネクタ40Aのカードエッジ接続部47が基板収容空間29に差し込まれる。基板収容空間29内では、端子金具30がカードエッジ接続部47に対して弾性的に接触する。以上により、基板側コネクタ28と第1中継コネクタ40Aとが接続されるとともに、回路基板21に第1中継コネクタ40Aが取り付けられる。
第1中継コネクタ40Aの取り付け過程では、ガイド部65がロックアーム96の前端部を後方へ押すので、リテーナ90がコネクタ本体41と一体に移動する。両コネクタ28,40Aの接続が完了する直前には、係止突起97が実装面22に乗り上がる。両コネクタ28,40Aの接続が完了すると、ロックアーム96が下方へ弾性復帰して、係止突起97が係止孔26に係止する。この係止作用によって、リテーナ90は回路基板21に対して前方への相対変位を規制された状態に保持される。
両コネクタ28,40Aの接続過程では、保持部材32の離脱用押圧部38が、アッパケース74に押されることによって後方へ弾性変位する。両コネクタ28,40Aの接続が完了した状態では、離脱用押圧部38の弾性復元力によって、コネクタ本体41が基板側コネクタ28から前方へ離脱する方向に押圧されている。この押圧力によって、突起状押圧部66が弾性アーム部95の自由端部(左端部)を前方へ押し動かすので、弾性アーム部95が前方へ弾性変位して突起部94に当接する。
前方へ弾性変位した弾性アーム部95の弾性復元力と、後方へ弾性変形した離脱用押圧部38の弾性復元力と、保持突起37とコネクタ本体41との間の摩擦抵抗と、カードエッジ接続部47と端子金具30との間の摩擦抵抗とが釣り合ったところで、回路基板21に対する第1中継コネクタ40Aの取付け位置が定まる(図12,14参照)。第1中継コネクタ40Aを回路基板21に取り付けた状態では、リテーナ90の板状本体部91が、回路基板21の切欠部25内に収容されている。
第1中継コネクタ40Aを回路基板21に取り付けた後、第1フロントカバー12Aをハウジング本体11に取り付けて、第1ハウジング10Aを構成する。第1接続口13Aと、第1フード部81Aとが大きな隙間なく嵌合し、4つの接続ポート67が第1接続口13Aにおいて第1ハウジング10Aの外部に露出する。リテーナ90の操作部92は、第1接続口13Aにおいて第1ハウジング10Aの外部に露出する。以上により、第1組付け形態の通信用コネクタ装置Aの組付けが完了する。
回路基板21に取り付けられている第1中継コネクタ40Aを取り外す際には、リテーナ90の操作部92を第1ハウジング10A内へ押し込んでロック解除位置側へ移動させる。リテーナ90が押し込まれる過程では、ロックアーム96が、係止突起97の傾斜によって上方へ弾性変位し、係止突起97が、係止孔26から上方へ離脱してロアケース70の前端縁部の上面に乗り上がる。これにより、リテーナ90とコネクタ本体41は、回路基板21に対して前方へ移動することが可能となる。
尚、リテーナ90をロック解除位置へ移動させる過程では、弾性アーム部95の自由端部が突起状押圧部66に当接しているため、突起部94が弾性アーム部95の左右方向中央部を前方から押すことになり、弾性アーム部95は後方へ膨らむように弾性変形させられる。弾性アーム部95の弾性変形量が一定程度に達すると、それ以上、リテーナ90をロック解除方向へ押し動かすことができなくなる。このときのリテーナ90の位置が、ロック解除位置である。
リテーナ90をロック解除位置へ押し込んだ後に操作部92から指を離すと、コネクタ本体41が、離脱用押圧部38の弾力によって前方へ押し動かされ、第1フード部81Aが第1フロントカバー12Aの前方へ突出する。この動作にともない、突起状押圧部66が弾性アーム部95と突起部94を前方へ押すので、リテーナ90は、コネクタ本体41に対して前方へ相対移動し、ロック位置に復帰する。この後は、第1フード部81Aを摘んで、第1中継コネクタ40Aを前方へ引き抜けばよい。
第1中継コネクタ40Aを外した後に、第2中継コネクタ40Bを基板ユニット20に取り付ける際には、第1フロントカバー12Aをハウジング本体11から外し、第1中継コネクタ40Aと同様の手順で第2中継コネクタ40Bを回路基板21に取り付ける。第2中継コネクタ40Bを基板側コネクタ28に接続した後、第2フロントカバー12Bをハウジング本体11に取り付けて、図5に示すように、第2ハウジング10Bを構成すればよい。以上により、第2組付け形態の通信用コネクタ装置Bの組付けが完了する。第2中継コネクタ40Bを取り外す手順は、第1中継コネクタ40Aと同じである。接続ポート67の数が同一であって通信速度を変更する場合には、フロントカバー12A,12Bを変更せず、サブ基板が異なる別の中継コネクタ(図示省略)に交換すればよい。
本実施例1の通信用コネクタ装置A,Bは、回路基板21と中継コネクタ40A,40Bとを備えている。回路基板21には、回路27と基板側コネクタ28が実装されている。中継コネクタ40A,40Bは、通信用導電路3の機器側コネクタ1が接続される接続ポート67を有しており、基板側コネクタ28に対して着脱が可能である。通信用機器2の数や通信速度を変更する場合は、接続ポート67の数や通信速度に対応した中継コネクタ40A,40Bに交換すればよい。回路基板21に実装されている回路27と基板側コネクタ28を交換する必要はない。本実施例1によれば、回路基板21を交換することなく、通信用機器2の変更に対応することができる。
通信用コネクタ装置A,Bは、回路基板21と中継コネクタ40A,40Bを収容するハウジング10A,10Bを備えている。ハウジング10A,10Bは、正面が開口したハウジング本体11と、ハウジング本体11の開口に対して着脱可能なフロントカバー12A,12Bとを有している。中継コネクタ40A,40Bは、接続ポート67を包囲するフード部81A,81Bを有している。フロントカバー12A,12Bには、フード部81A,81Bと接続ポート67をハウジング10A,10Bの外部に露出させる接続口13A,13Bが形成されている。接続ポート67の数が異なる別の中継コネクタ40A,40Bに交換する場合は、ハウジング10A,10Bの全体ではなく、フード部81A,81Bの大きさに整合する接続口13A,13Bを有するフロントカバー12A,12Bのみを交換すればよい。これにより、接続口13A,13Bとフード部81A,81Bとの間に大きな隙間を空くことを防止できる。
中継コネクタ40A,40Bは、外導体60と、基板側コネクタ28に接続されるサブ基板45,46とを有している。外導体60は、サブ基板45,46を覆うように配置されていることが好ましい。この構成によれば、外導体60のシールド機能によって通信回路の安定化を図ることができる。外導体60は、第2サブ基板46のサブグランド回路48に接続されている。外導体60の電磁ノイズを第2サブ基板46のサブグランド回路48に落とすことによって、高いシールド性能が得られる。外導体60は、第2サブ基板46の上面を覆うように配置されたアッパケース74を有している。アッパケース74にはヒートシンク76が形成されている。外導体60が、シールド機能と放熱機能を兼ね備えているので、外導体60とは別に専用の放熱部品を設ける場合に比べると、部品点数が少なくて済む。
回路基板21には、中継コネクタ40A,40Bを位置決め状態に保持する保持部材32が設けられている。回路基板21に対して着脱可能な中継コネクタ40A,40Bを、保持部材32によって安定して保持することができる。これにより、中継コネクタ40A,40Bと基板側コネクタ28との接続信頼性を図ることができる。保持部材32は、箱形をなし、中継コネクタ40A,40Bを覆っている。保持部材32は、導電性材料からなり、回路基板21のメイングランド回路23に接続されている。保持部材32はシールド機能を兼ね備えているので、保持部材32とは別に専用のシールド機能部材を設ける場合に比べると、部品点数が少なくて済む。中継コネクタ40A,40Bの外導体60は、保持部材32に接続されている。この構成によれば、外導体60と保持部材32を介して電磁ノイズをメイングランド回路23に落とすことができるので、シールド機能に優れている。
中継コネクタ40A,40Bは、回路基板21係止することによって中継コネクタ40A,40Bを回路基板21に対して取付け状態に保持するリテーナ90を有している。回路基板21には、中継コネクタ40A,40Bを回路基板21から離脱させる方向へ押圧する離脱用押圧部38が設けられている。この構成によれば、リテーナ90を回路基板21から解離させるだけで、離脱用押圧部38によって中継コネクタ40A,40Bを回路基板21から離脱させることができるので、離脱時の作業性がよい。
リテーナ90は、中継コネクタ40A,40Bにおける実装面22との対向面に配置された板状本体部91(張出部)を有している。中継コネクタ40A,40Bが回路基板21に取り付けられた状態では、板状本体部91が回路基板21に形成した切欠部25内に収容されている。板状本体部91が回路基板21の厚さの範囲内に収容されるので、板状本体部91が回路基板21の実装面22に載置される場合に比べると、回路基板21の板厚方向における低背化を図ることができる。切欠部25は、実装面22のうち中継コネクタ40A,40Bで覆われる領域の範囲内のみに配置されている。回路基板21の実装面22を、回路や素子等の配置のために有効に利用することができる。
中継コネクタ40A,40Bは、内導体42と誘電体43と外導体60とサブ基板45,46とを有している。サブ基板45,46は、誘電体43の背面に重なるように配置された第1サブ基板45と、フレキシブルケーブル50を介して第1サブ基板45に接続された第2サブ基板46とを含む。誘電体43には、フレキシブルケーブル50のうち第1サブ基板45の外周縁から突出した部分を覆う保護部44が形成されている。この構成によれば、フレキシブルケーブル50が異物の干渉によって変形することを防止できる。
[実施例2]
本開示を具体化した実施例2を、図19~図20を参照して説明する。本実施例2の通信用コネクタ装置C,Dは、ハウジング100を1種類のみとした点において、上記実施例1とは異なっている。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。本実施例2において、左右の方向については、図19,20におけるY軸の正方向を右方と定義する。上下の方向については、図19,20におけるZ軸の正方向を上方と定義する。
本実施例2においても、実施例1と同様、通信用コネクタ装置C,Dの組付け形態の一例として、4つの接続ポート67を有する第1中継コネクタ40Aを基板ユニット(図示省略)に取り付けた第1組付け形態(図19参照)と、8つの接続ポート67を有する第2中継コネクタ40Bを基板ユニットに取り付けた第2組付け形態(図20参照)について説明する。通信用コネクタ装置Cは、第1組付け形態によって構成されている。通信用コネクタ装置Dは、第2組付け形態によって構成されている。
基板ユニット、第1中継コネクタ40A及び第2中継コネクタ40Bは、実施例1と同一のものである。ハウジング100は、第1組付け形態と第2組付け形態とで共用される。ハウジング100は、ハウジング本体11と、フロントカバー101とを組み付けて構成されている。ハウジング本体11は、実施例1と同一のものである。
フロントカバー101には、開口形状が長方形をなす接続口102が形成されている。接続口102においては、第1中継コネクタ40Aの第1フード部81Aと、第2中継コネクタ40Bの第2フード部81Bが露出するようになっている。フロントカバー101には、左右対称な一対の可動カバー104が、一体に形成されている。可動カバー104は、長方形の板状をなし、接続口102の開口縁における左右両側縁に沿ったヒンジ105を介して、フロントカバー101に連なっている。可動カバー104は、ヒンジ105を支点として、閉塞位置と開放位置との間で回転し得るようになっている。
図19に示すように、可動カバー104が閉塞位置にある状態では、接続口102のうち左右両側縁部が可動カバー104によって覆われる。この状態では、接続口102の開口範囲が、接続口102の全開口領域よりも狭められ、第1フード部を露出させるために必要な最小の大きさとなる。図20に示すように、可動カバー104が開放位置にある状態では、接続口102の開口範囲が接続口102の最大開口領域となる。この開口範囲は、第2フード部を露出させるために適正な大きさである。基板ユニットに第1中継コネクタ40Aを取り付ける第1組付け形態では、可動カバー104を閉塞位置に変位させる。基板ユニットに第2中継コネクタ40Bを取り付ける第2組付け形態では、可動カバー104を閉塞位置に変位させる。
本実施例2の通信用コネクタ装置C,Dは、回路基板(図示省略)と第1中継コネクタ40Aを収容可能であるとともに、回路基板との第2中継コネクタ40Bを収容可能なハウジング100を備えている。第1中継コネクタ40Aは、4つの接続ポート67を包囲する第1フード部81Aを有し、第2中継コネクタ40Bは、8つの接続ポート67を包囲する第2フード部81Bを有する。ハウジング100には、第1フード部81A又は第2フード部81Bをハウジング100の外部に露出させる接続口102が形成されている。接続口102には、接続口102の開口領域を変更させるように変位可能な可動カバー104が設けられている。可動カバー104は、ヒンジ105を介すことによって、ハウジング100のフロントカバー101に繋がっている。
この構成によれば、ヒンジ105を支点として可動カバー104を変位させることによって、接続口102の開口の大きさを変えることができる。接続ポート67の数が異なる別の中継コネクタ40A,40Bに交換する場合は、第1フード部81A又は第2フード部81Bの大きさに応じて可動カバー104を変位させる。これにより、接続口102と第1フード部81Aとの間、及び接続口102と第2フード部81Bとの間に大きな隙間が空くことを防止できる。
[実施例3]
本開示を具体化した実施例3を、図21~図23を参照して説明する。本実施例3の通信用コネクタ装置E,Fは、第1中継コネクタ110を上記実施例1とは異なる構成とし、ハウジング115を1種類のみとしたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。本実施例3において、前後の方向については、図21におけるX軸の正方向を前方と定義する。左右の方向については、図21~23におけるY軸の正方向を右方と定義する。上下の方向については、図21~23におけるZ軸の正方向を上方と定義する。
本実施例3においても、実施例1と同様、通信用コネクタ装置E,Fの組付け形態の一例として、4つの接続ポート67を有する第1中継コネクタ110を基板ユニット(図示省略)に取り付けた第1組付け形態(図22参照)と、8つの接続ポート67を有する第2中継コネクタ40Bを基板ユニットに取り付けた第2組付け形態(図23参照)について説明する。通信用コネクタ装置Eは、第1組付け形態によって構成されている。通信用コネクタ装置Fは、第2組付け形態によって構成されている。
基板ユニット、及び第2中継コネクタ40Bは、実施例1と同一のものである。ハウジング115は、実施例1における第2ハウジング10Bと同一のものであり、ハウジング本体11と、フロントカバー116とを組み付けて構成されている。フロントカバー116は、実施例1の第2フロントカバー12Bと同一のものである。ハウジング115は、第1組付け形態と第2組付け形態とで共用される。
第1中継コネクタ110を構成する部材のうち、第1嵌合部材111以外の部材は実施例1の第1中継コネクタ40Aと同一である。本実施例3の第1嵌合部材111は、一対の覆い部113を有しているという点において、実施例1の第1嵌合部材80Aと異なっている。一対の覆い部113は、第1フード部112の前端縁における左右両側縁から、左右方向外方へ板状に張り出している。覆い部113は、第1中継コネクタ110を基板ユニットに取り付けた状態で、フロントカバー116の接続口117を部分的に覆う。
図22に示すように、第1中継コネクタ110を用いた第1組付け形態では、接続口117の開口範囲における左右方向中央領域に第1フード部112が配置され、接続口117の開口範囲における左右両端側領域に一対の覆い部113が位置される。接続口117と第1フード部112との間には、大きな隙間が生じない。図23に示すように、第2中継コネクタ40Bを用いた第2組付け形態では、第2中継コネクタ40Bの第2フード部81Bが、接続口117の開口範囲の全領域を塞ぐように配置される。接続口117と第2フード部81Bとの間には大きな隙間は生じない。
通信用コネクタ装置E,Fは、回路基板と第1中継コネクタ110を収容可能であるとともに、回路基板と第2中継コネクタ40Bを収容可能なハウジング115を備えている。第1中継コネクタ110には、接続ポート67を包囲する第1フード部112を有する。ハウジング115には、第1フード部112又は第2フード部81Bをハウジング115の外部に露出させる接続口117が形成されている。第1フード部112には、接続口117の一部を覆う覆い部113が一体に設けられている。フード部81B,112の大きさに応じて覆い部113の有無や覆い部113の大きさを設定することにより、接続口117の大きさを換えなくても、接続口117と第1フード部112との間、及び接続口117と第2フード部81Bとの間に大きな隙間を空くことを防止できる。
[実施例4]
本開示を具体化した実施例4を、図24~図26を参照して説明する。本実施例4の通信用コネクタ装置Gは、上記実施例1とは異なる第1ハウジング120と実施例1とは異なる第1中継コネクタ130を用いたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。本実施例4において、前後の方向については、図24~26におけるX軸の正方向を前方と定義する。左右の方向については、図24~26におけるY軸の正方向を右方と定義する。上下の方向については、図24,25におけるZ軸の正方向を上方と定義する。
本実施例4においては、通信用コネクタ装置Gの組付け形態の一例として、4つの接続ポート67を有する第1中継コネクタ130を基板ユニット(図示省略)に取り付けた第1組付け形態を示す。基板ユニット(図示省略)は、実施例1と同一のものである。第1ハウジング120は、第1ハウジング本体121と、第1フロントカバー124とを組み付けて構成されている。第1ハウジング本体121は、全体としては、実施例1と同様、直方形の箱形をなす。第1ハウジング本体121の前面は、全領域に亘って開放された前面開口部122となっている。第1ハウジング本体121の上面には、上面開口部123が形成されている。上面開口部123は、平面視において第1中継コネクタ130が配置される領域を含む範囲を切り欠いて形成されている。上面開口部123は前面開口部122と連通している。
第1フロントカバー124は、カバー本体部125と、上面蓋部126とを有する単一部品である。カバー本体部125は、実施例1の第1フロントカバー12Aと同一の形状であり、第1中継コネクタ130の第1フード部131を露出させるための第1接続口127を有している。上面蓋部126は、カバー本体部125の上端縁から後方へ直角に延出した板状の部位である。
第1中継コネクタ130は、内導体(図示省略)と誘電体(図示省略)とサブ基板(図示省略)と外導体132と第1嵌合部材137とを組み付けて構成されている。外導体132は、フロント部材133と、リア部材134とを組み付けて構成されている。リア部材134は、前面が開放された直方形の箱形をなし、フロント部材133の後面を覆うように配置されている。リア部材134内には、内導体(図示省略)、誘電体(図示省略)及びサブ基板(図示省略)が収容されている。リア部材134には、左右一対の取付部135が形成されている。取付部135は、リア部材134の外側面における後端部に配置されている。取付部135には、上下方向に貫通した形態の貫通孔136が形成されている。第1嵌合部材137には第1フード部131が形成されている。
第1組付け形態においては、第1フロントカバー124を第1ハウジング本体121から外した状態で、第1中継コネクタ130を、第1ハウジング本体121内の基板ユニットに取り付ける。取付けの際には、第1中継コネクタ130を第1ハウジング本体121内に収容して、基板側コネクタ(図示省略)に接続する。その後、ボルト138を、第1ハウジング本体121の上方から上面開口部123を通して貫通孔136に挿入し、回路基板の取付孔(図示省略)にねじ込んで締め付ける。ボルト138の締付けによって第1中継コネクタ130が回路基板に固定される。
この後、第1フロントカバー124を第1ハウジング本体121に組み付ける。第1フロントカバー124を組み付けると、カバー本体部125が第1ハウジング本体121の前面開口部122を塞ぐとともに、上面蓋部126が上面開口部123を塞ぐ。第1嵌合部材137の第1フード部131は、第1接続口127から露出した状態になる。以上により、第1組付け形態の通信用コネクタ装置Gの組付けが完了する。第1中継コネクタ130を基板ユニットから取り外す際には、上記と逆の手順で作業を行う。
8つの接続ポート67を有する第2中継コネクタ(図示省略)を基板ユニットに接続する際には、第2組付け形態用の第2ハウジング(図示省略)を用いる。第2ハウジングは、第2ハウジング本体と第2フロントカバーを組み付けて構成されている。第2ハウジング本体には、第1ハウジング本体121とは異なる大きさの上面開口部が形成されている。第2フロントカバーには、上面開口部を塞ぐ上面蓋部と、第2中継コネクタの第2フード部を露出させるための第2接続口が形成されている。第2中継コネクタは、第1中継コネクタ130と同様の部品によって構成されている。第2中継コネクタも、第1中継コネクタ130と同様、上面開口部から差し込んだビス(図示省略)によって基板ユニットに固定される。
[他の実施例]
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示される。本発明には、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれ、下記のような実施形態も含まれることが意図される。 本開示の通信用コネクタ装置は、イーサネットによる通信回路に限らず、イーサネット以外の通信回路にも適用できる。
本開示の通信用コネクタ装置は、中継コネクタが外導体を有しないものである場合にも適用できる。
回路基板に離脱用押圧部を設けない構成としてもよい。
保持部材は、シールド機能を有しないものでもよい。
保持部材は、箱形以外の形状でもよい。
外導体と保持部材が接続されないようにしてもよい。
外導体は、第2サブ基板のグランド回路に接続されないようにしてもよい。
アッパケースはヒートシンクが形成されていないものでもよい。
リテーナは、メイン基板に係止している状態から引っ張ることによって、メイン基板から解離するようにしてもよい。
リテーナの張出部がメイン基板の実装面に載置されるようにしてもよい。
切欠部の少なくとも一部が、実装面のうち中継コネクタで覆われていない領域に配置されていてもよい。
接続ポートは、中継コネクタにおける特定部品の構造的特徴をあらわすものではなく、中継コネクタにおける接続機能を有する部位をあらわす。したがって、接続ポートは、外導体に形成したものに限らず、外導体以外の部材に形成したものでもよく、複数の部材によって構成したものでもよい。
実施例2において、可動カバーは、ハウジングから切り離せるようにしてもよく、引き戸のようにスライドさせるようにしてもよい。
実施例2,3において、ハウジングを、ハウジング本体とフロントカバーとに分離せず、単一部品としてもよい。
A…通信用コネクタ装置
B…通信用コネクタ装置
C…通信用コネクタ装置
D…通信用コネクタ装置
E…通信用コネクタ装置
F…通信用コネクタ装置
G…通信用コネクタ装置
1…機器側コネクタ
2…通信用機器
3…通信用導電路
10A…第1ハウジング(ハウジング)
10B…第2ハウジング(ハウジング)
11…ハウジング本体
12A…第1フロントカバー(フロントカバー)
12B…第2フロントカバー(フロントカバー)
13A…第1接続口
13B…第2接続口
14…弾性ロック片
15…ロック突起
20…基板ユニット
21…回路基板
22…実装面
23…メイングランド回路(回路基板のグランド回路)
24…接続孔
25…切欠部
26…係止孔
27…回路
28…基板側コネクタ
29…基板収容空間
30…端子金具
32…保持部材
33…上板部
34…左右両側板部
35…脚部
36…接続空間
37…保持突起
38…離脱用押圧部
40A…第1中継コネクタ(中継コネクタ)
40B…第2中継コネクタ(中継コネクタ)
41…コネクタ本体
42…内導体
43…誘電体
44…保護部
45…第1サブ基板(サブ基板)
46…第2サブ基板(サブ基板)
47…カードエッジ接続部
48…サブグランド回路(サブ基板のグランド回路)
50…フレキシブルケーブル
51…屈曲部
60…外導体
61A…第1フロント部材
61B…第2フロント部材
62…壁状本体部
63…支持板部
64…支持壁部
65…ガイド部
66…突起状押圧部
67…接続ポート
70…ロアケース
71…段差部
72…側壁部
74…アッパケース
75…板状基部
76…ヒートシンク
77…アース用リブ
79…ビス
80A…第1嵌合部材
80B…第2嵌合部材
81A…第1フード部(フード部)
81B…第2フード部(フード部)
82…後板部
83…取付孔
90…リテーナ
91…板状本体部(張出部)
92…操作部
93…作動空間
94…突起部
95…弾性アーム部
96…ロックアーム
97…係止突起
100…ハウジング
101…フロントカバー
102…接続口
104…可動カバー
105…ヒンジ
110…第1中継コネクタ(中継コネクタ)
111…第1嵌合部材
112…第1フード部(フード部)
113…覆い部
115…ハウジング
116…フロントカバー
117…接続口
120…第1ハウジング(ハウジング)
121…第1ハウジング本体
122…前面開口部
123…上面開口部
124…第1フロントカバー(フロントカバー)
125…カバー本体部
126…上面蓋部
127…第1接続口
130…第1中継コネクタ(中継コネクタ)
131…第1フード部(フード部)
132…外導体
133…フロント部材
134…リア部材
135…取付部
136…貫通孔
137…第1嵌合部材
138…ボルト

Claims (13)

  1. 基板側コネクタが実装された回路基板と、
    通信用導電路の機器側コネクタが接続される接続ポートを有し、前記基板側コネクタに対して着脱可能な中継コネクタと、を備えている通信用コネクタ装置。
  2. 前記回路基板と前記中継コネクタを収容するハウジングを備えており、
    前記ハウジングは、正面が開口したハウジング本体と、前記ハウジング本体の開口に対して着脱可能なフロントカバーとを有し、
    前記中継コネクタは、前記接続ポートを包囲するフード部を有し、
    前記フロントカバーには、前記フード部を前記ハウジングの外部に露出させる接続口が形成されている請求項1に記載の通信用コネクタ装置。
  3. 前記回路基板と前記中継コネクタを収容するハウジングを備え、
    前記中継コネクタは、前記接続ポートを包囲するフード部を有し、
    前記ハウジングには、前記フード部を前記ハウジングの外部に露出させる接続口が形成され、
    前記接続口には、前記接続口の開口領域を変更させるように変位可能な可動カバーが設けられている請求項1に記載の通信用コネクタ装置。
  4. 前記可動カバーが、ヒンジを介すことによって前記ハウジングに繋がっている請求項3に記載の通信用コネクタ装置。
  5. 前記回路基板と前記中継コネクタを収容するハウジングを備え、
    前記中継コネクタは、前記接続ポートを包囲するフード部を有し、
    前記ハウジングには、前記フード部を前記ハウジングの外部に露出させる接続口が形成され、
    前記フード部には、前記接続口の一部を覆う覆い部が一体に設けられている請求項1に記載の通信用コネクタ装置。
  6. 前記中継コネクタは、外導体と、前記基板側コネクタに接続されるサブ基板とを有しており、
    前記外導体は、前記サブ基板を覆うように配置されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の通信用コネクタ装置。
  7. 前記外導体は、前記サブ基板のグランド回路に接続されている請求項6に記載の通信用コネクタ装置。
  8. 前記外導体は、前記サブ基板の上面を覆うように配置されたアッパケースを有し、
    前記アッパケースにはヒートシンクが形成されている請求項6又は請求項7に記載の通信用コネクタ装置。
  9. 前記回路基板に、前記中継コネクタを位置決め状態に保持する保持部材が設けられている請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の通信用コネクタ装置。
  10. 前記保持部材は、導電性材料からなり、前記回路基板のグランド回路に接続され、箱形をなして前記中継コネクタを覆っている請求項9に記載の通信用コネクタ装置。
  11. 前記中継コネクタは外導体を有しており、前記外導体が前記保持部材に接続されている請求項10に記載の通信用コネクタ装置。
  12. 前記中継コネクタは、前記回路基板に係止することによって前記中継コネクタを前記回路基板に対して取付け状態に保持するリテーナを有しており、
    前記回路基板には、前記中継コネクタを前記回路基板から離脱させる方向へ押圧する離脱用押圧部が設けられている請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の通信用コネクタ装置。
  13. 前記中継コネクタは、内導体と誘電体と外導体とサブ基板とを有し、
    前記サブ基板は、前記誘電体の背面に重なるように配置された第1サブ基板と、フレキシブルケーブルを介して前記第1サブ基板に接続された第2サブ基板とを含み、
    前記誘電体には、前記フレキシブルケーブルのうち前記第1サブ基板の外周縁から突出した部分を覆う保護部が形成されている請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の通信用コネクタ装置。
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