JP2023072113A - 作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械 - Google Patents

作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械 Download PDF

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Abstract

【課題】操作に係るオペレータの負担を軽減しやすい作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械を提供することを目的とする。【解決手段】作業機械3の制御方法は、作業機械3を制御するための操作装置35に対する操作を受け付けることと、監視対象である特定事象を監視することと、特定事象が発生すると、操作装置35に対する操作に関する判定条件を満たすか否かを判定することと、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、操作装置に対する操作に応じて制御される作業機械に用いられる、作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械に関する。
関連技術として、機体と、機体に搭載された作業装置と、作業装置の先端部に装着された油圧ブレーカと、を備える作業機械が知られている(例えば、特許文献1参照)。関連技術に係る作業機械は、油圧ブレーカを作動不能とするオートハンマ禁止状態と、油圧ブレーカを作動可能とするオートハンマ許可状態と、を切替可能な切替スイッチを更に備えている。この作業機械では、不用意な打撃を行なわないように、通常は、オートハンマ禁止状態とされ、切替スイッチが操作されることにより、オートハンマ許可状態に切り替えられる。具体的には、作業機械は、オートハンマ禁止状態で切替スイッチが操作されるとオートハンマ待機状態に移行し、オートハンマ待機状態で一定時間内に再度切替スイッチが操作されるとオートハンマ許可状態に移行する。
特開2010-209641号公報
上記関連技術では、切替スイッチの操作によってオートハンマ禁止状態からオートハンマ許可状態に切り替わるので、例えば、急に、油圧ブレーカが作動可能な状態となって打撃が開始するようなことがないように、オペレータが注意して操作する必要がある。
本発明の目的は、操作に係るオペレータの負担を軽減しやすい作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械を提供することにある。
本発明の一態様に係る作業機械の制御方法は、作業機械を制御するための操作装置に対する操作を受け付けることと、監視対象である特定事象を監視することと、前記特定事象が発生すると、前記操作装置に対する操作に関する判定条件を満たすか否かを判定することと、を有する。
本発明の一態様に係る作業機械用制御プログラムは、前記作業機械の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
本発明の一態様に係る作業機械用制御システムは、取得処理部と、監視処理部と、判定処理部と、を備える。前記取得処理部は、作業機械を制御するための操作装置に対する操作を受け付ける。前記監視処理部は、監視対象である特定事象を監視する。前記判定処理部は、前記特定事象が発生すると、前記操作装置に対する操作に関する判定条件を満たすか否かを判定する。
本発明の一態様に係る作業機械は、前記作業機械用制御システムと、前記操作装置に対する操作に応じて制御される機体と、を備える。
本発明によれば、操作に係るオペレータの負担を軽減しやすい作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械を提供することができる。
図1は、実施形態1に係る作業機械の全体構成を示す概略斜視図である。 図2は、実施形態1に係る作業機械の概略ブロック図である。 図3は、実施形態1に係る作業機械の操作装置の概略外観図である。 図4は、実施形態1に係る作業機械の表示装置の概略外観図である。 図5は、実施形態1に係る作業機械用制御システムの動作例を示すフローチャートである。 図6は、実施形態1に係る作業機械用制御システムの動作例を示しタイミングチャートである。 図7は、実施形態1に係る作業機械の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図である。 図8は、実施形態2に係る作業機械用制御システムの動作例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
[1]全体構成
本実施形態に係る作業機械3は、図1に示すように、走行部31と、旋回部32と、作業部33と、を機体30に備えている。また、作業機械3は、図2に示すように、作業機械用制御システム1(以下、単に「制御システム1」ともいう)を更に備えている。その他、機体30は、図1及び図2に示すように、表示装置2、駆動装置34、操作装置35、制御弁36、カットオフスイッチ371及びカットオフレバー372等を更に備えている。
本開示でいう「作業機械」は、各種の作業用の機械を意味し、一例として、バックホー(油圧ショベル、ミニショベル等を含む)、ホイルローダー及びキャリア等の作業車両である。作業機械3は、1つ以上の作業を実行可能に構成された作業部33を備えている。作業機械3は、「車両」に限らず、例えば、作業用船舶、ドローン又はマルチコプター等の作業飛翔体等であってもよい。さらに、作業機械3は建設機械(建機)に限らず、例えば、田植機、トラクタ又はコンバイン等の農業機械(農機)であってもよい。本実施形態では、特に断りが無い限り、作業機械3が乗用タイプのバックホーであって、掘削作業、整地作業、溝掘削作業又は積込作業等を作業として実行可能である場合を例に挙げて説明する。
また、本実施形態では、説明の便宜上、作業機械3が使用可能な状態での鉛直方向を上下方向D1と定義する。さらに、旋回部32の非旋回状態において、作業機械3(の運転部321)に搭乗したユーザ(オペレータ)から見た方向を基準として、前後方向D2及び左右方向D3を定義する。言い換えれば、本実施形態で用いられる各方向は、いずれも作業機械3の機体30を基準として規定される方向であって、作業機械3の前進時に機体30が移動する方向が「前方」、作業機械3の後退時に機体30が移動する方向が「後方」となる。同様に、作業機械3の右旋回時に機体30の前端部が移動する方向が「右方」、作業機械3の左旋回時に機体30の前端部が移動する方向が「左方」となる。ただし、これらの方向は、作業機械3の使用方向(使用時の方向)を限定する趣旨ではない。
作業機械3は、動力源となるエンジンを備えている。本実施形態では一例として、エンジンはディーゼルエンジンである。エンジンは、燃料タンクから燃料(ここでは軽油)が供給されることにより駆動する。作業機械3においては、例えば、エンジンによって油圧ポンプが駆動され、油圧ポンプから機体30の各部の油圧アクチュエータ(油圧モータ43及び油圧シリンダ44等を含む)に作動油が供給されることで、機体30が駆動する。このような作業機械3は、例えば、機体30の運転部321に搭乗したユーザ(オペレータ)が、操作レバー351,352(図3参照)等の操作装置35を操作することにより制御される。
本実施形態では、上述したように作業機械3が乗用タイプのバックホーである場合を想定しているので、作業部33は、運転部321に搭乗したユーザ(オペレータ)の操作に従って駆動され、掘削作業等の作業を実行する。ユーザが搭乗する運転部321は、旋回部32に設けられている。
ここで、機体30の運転部321には、表示装置2及び操作装置35が搭載されており、ユーザは、表示装置2に表示される作業機械3に関連する種々の情報を見ながら、操作装置35を操作可能である。一例として、表示装置2の表示画面に、冷却水温及び作動油温等の作業機械3の稼働状態に関する情報が表示されることで、ユーザは、操作装置35の操作に必要な作業機械3の稼働状態に関する情報を、表示装置2で確認することができる。
走行部31は、走行機能を有し、地面を走行(旋回を含む)可能に構成されている。走行部31は、例えば、左右一対のクローラ311及びブレード312等を有している。走行部31は、クローラ311を駆動するための走行用の油圧モータ43(油圧アクチュエータ)等を更に有する。
旋回部32は、走行部31の上方に位置し、走行部31に対して、鉛直方向に沿った回転軸を中心に旋回可能に構成されている。旋回部32は、旋回用の油圧モータ(油圧アクチュエータ)等を有している。旋回部32には、運転部321の他、エンジン及び油圧ポンプ等が搭載されている。さらに、旋回部32の前端部には、作業部33が取り付けられるブームブラケット322が設けられている。
作業部33は、1つ以上の作業を実行可能に構成されている。作業部33は、旋回部32のブームブラケット322に支持されており、作業を実行する。作業部33は、アタッチメント331を有する。アタッチメント331は、複数種類の器具の中から作業の内容に応じて選択される任意の器具(作業具)である。アタッチメント331は、一例として、機体30に対して取り外し可能に取り付けられ、作業の内容に応じて交換される。作業機械3用のアタッチメント331としては、例えば、ブレーカ、オーガ、クラッシャ、フォーク、バケット、フォーククロー、鉄骨カッタ、アスファルト切削機、草刈機、リッパ、マルチャ、チルトローテータ及びタンパ等の種々の器具がある。
作業部33は、ブーム332、アーム333及び油圧アクチュエータ(油圧シリンダ44及び油圧モータ等を含む)等を更に有している。アタッチメント331は、アーム333の先端に取り付けられる。ここで、作業部33は、動力源としてのエンジンからの動力を受けて動作する。具体的には、エンジンによって油圧ポンプが駆動され、作業部33の油圧アクチュエータに油圧ポンプから作動油が供給されることで、作業部33が動作する。
ブーム332は、旋回部32のブームブラケット322にて、回転可能に支持されている。具体的には、ブーム332は、ブームブラケット322にて、水平方向に沿った回転軸を中心に回転可能に支持されている。ブーム332は、ブームブラケット322に支持される基端部から上方に延びる形状を有している。アーム333は、ブーム332の先端に連結されている。アーム333は、ブーム332に対して、水平方向に沿った回転軸を中心に回転可能に支持されている。
また、作業機械3は、駆動装置34を備えており、駆動装置34からの動力により、作業部33のアタッチメント331を駆動して、種々の作業を実行する。つまり、作業機械3では、作業の内容に応じて、例えばブレーカ又はオーガ等のアタッチメント331が機体30に取り付けられ、駆動装置34からの動力をアタッチメント331に供給してアタッチメント331を駆動することで、作業を実行する。そのため、作業機械3にて作業を実行するに際しては、アタッチメント331が所望の動きをするように、例えば、ユーザ(オペレータ)が操作装置35を操作することで、アタッチメント331に供給される駆動装置34の出力(動力)等が制御される。
駆動装置34は、アタッチメント331に動力を供給するための装置である。本実施形態では一例として、駆動装置34は、エンジンからの動力を、油圧機器からなるアタッチメント331の駆動用の動力として取り出すためのPTO(Power take-off)等の装置(機構)からなる。具体的には、駆動装置34は、エンジンによって駆動される油圧ポンプからの作動油を、アタッチメント331に送出することでアタッチメント331に供給する。駆動装置34は、アタッチメント331に供給する作動油の流量を調節することで、アタッチメント331に供給する動力の大きさを調節する。
ここで、駆動装置34は、複数(本実施形態では一例として4つ)の出力ポート341~344を有している(図2参照)。これら複数の出力ポート341~344は、それぞれ動力を出力可能に構成されている。複数の出力ポート341~344は、それぞれ個別に動力、つまり作動油の流量を調節可能であって、駆動装置34は、これら複数の出力ポート341~344の各々から動力を出力する。本実施形態では複数の出力ポート341~344の各々はPTOポートであるため、出力ポート341を「PTO1」、出力ポート342を「PTO2」、出力ポート343を「PTO3」、出力ポート344を「PTO4」と表記することもある。
旋回部32及び走行部31の各々についても、作業部33と同様に、動力源としてのエンジンからの動力を受けて動作する。つまり、旋回部32及び走行部31の油圧アクチュエータ(油圧モータ)に油圧ポンプから作動油が供給されることで、旋回部32及び走行部31が動作する。
操作装置35は、機体30の運転部321に配置されており、ユーザ(オペレータ)による操作入力を受け付けるためのユーザインターフェースである。操作装置35は、例えば、ユーザの操作に応じた電気信号(操作信号)を出力することにより、ユーザによる各種の操作を受け付ける。本実施形態では一例として、操作装置35は、一対の操作レバー351,352(図3参照)を含んでいる。操作装置35について詳しくは、「[2]操作装置」の欄で説明する。
制御システム1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の1以上のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の1以上のメモリとを有するコンピュータシステムを主構成とし、種々の処理(情報処理)を実行する。本実施形態では、制御システム1は、作業機械3全体の制御を行う統合コントローラであって、例えば、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)からなる。ただし、制御システム1は、統合コントローラと別に設けられていてもよいし、1つのプロセッサ、又は複数のプロセッサを主構成としてもよい。制御システム1について詳しくは「[3]制御システムの構成」の欄で説明する。
表示装置2は、機体30の運転部321に配置されており、ユーザ(オペレータ)による操作入力を受け付け、ユーザに種々の情報を出力するためのユーザインターフェースである。表示装置2は、例えば、ユーザの操作に応じた電気信号を出力することにより、ユーザによる各種の操作を受け付ける。これにより、ユーザ(オペレータ)は、表示装置2に表示される表示画面Dp1(図4参照)を視認でき、また、必要に応じて表示装置2を操作することが可能である。
表示装置2は、図2に示すように、制御部21と、操作部22と、表示部23と、を備えている。表示装置2は、制御システム1と通信可能に構成されており、制御システム1との間でデータの授受が可能である。本実施形態では一例として、表示装置2は作業機械3に用いられる専用のデバイスである。
制御部21は、制御システム1からのデータに従って、表示装置2を制御する。具体的には、制御部21は、操作部22で受け付けたユーザの操作に応じた電気信号を出力したり、制御システム1で生成される表示画面Dp1を表示部23に表示したりする。
操作部22は、表示部23に表示される表示画面Dp1に対するユーザ(オペレータ)による操作入力を受け付けるためのユーザインターフェースである。操作部22は、例えば、ユーザU1(図4参照)の操作に応じた電気信号を出力することにより、ユーザU1による各種の操作を受け付ける。本実施形態では一例として、操作部22は、図4に示すように、機械式の複数(ここでは6つ)の押釦スイッチ221~226を含む。これら複数の押釦スイッチ221~226は、表示部23の表示領域の周縁に沿うように、表示領域に近接して(図4の例では下方に)配置されている。これら複数の押釦スイッチ221~226は、後述する表示画面Dp1に表示される項目に対応付けられており、複数の押釦スイッチ221~226のいずれかが操作されることにより、表示画面Dp1のいずれかの項目が操作(選択)される。
また、操作部22は、タッチパネル及び操作ダイヤル等を含んでいてもよい。この場合においても、操作部22に対する操作により、表示画面Dp1のいずれかの項目が操作(選択)されることになる。
表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような、ユーザU1(オペレータ)に情報を提示するためのユーザインターフェースである。表示部23は、ユーザに対して各種の情報を表示により提示する。本実施形態では一例として、表示部23は、バックライト付きのフルカラーの液晶ディスプレイであって、図4に示すように、横方向に長い「横長」の表示領域を有している。
図2では、本実施形態に係る作業機械3の油圧回路及び電気回路(電気的な接続関係)を模式的に示す。図2では、点線が低圧の(パイロット油用の)油路、一点鎖線の矢印が電気信号の経路を示す。
図2に示すように、作業機械3の機体30は、表示装置2、駆動装置34及び操作装置35に加えて、制御弁36、カットオフスイッチ371及びカットオフレバー372等を備えている。
ここで、駆動装置34には、油圧ポンプからの作動油の方向及び流量を切換可能なパイロット式の方向切換弁(コントロールバルブ)が設けられている。方向切換弁にパイロットポンプから入力指令となるパイロット油が供給されることにより、駆動装置34は駆動される。そして、方向切換弁へのパイロット油の供給路には、電磁式の制御弁36(電磁弁)が挿入されている。制御弁36は、制御システム1からの制御信号(電流)に応じて動作する。制御弁36は、ここでは(電磁式)比例制御弁であることとするが、これに限らず、例えば、流路の開放/遮断を切替可能な開閉弁であってもよい。
制御弁36は、通電状態、つまり制御信号としての電流が供給されている状態で、パイロット油の流路を開放し、非通電状態、つまり制御信号としての電流が遮断されている状態で、パイロット油の流路を遮断する。そのため、制御弁36への供給電流(制御信号)が遮断されることで、駆動装置34が駆動不能となり、操作装置35の操作によらずに、駆動装置34の出力が強制的に停止する。
カットオフスイッチ371は、カットオフレバー372に連動している。カットオフレバー372は、機体30の運転部321に配置されており、ユーザ(オペレータ)による操作入力を受け付ける。本実施形態では一例として、カットオフレバー372は上下方向D1に沿って操作可能である。カットオフレバー372が可動範囲の上端位置である「上げ位置」にあればカットオフスイッチ371は「オフ」であり、カットオフレバー372が可動範囲の下端位置である「下げ位置」にあればカットオフスイッチ371は「オン」である。そして、カットオフスイッチ371は制御システム1に接続されており、カットオフスイッチ371がオフの状態では、制御システム1が制御信号としての電流を遮断することで、制御弁36にて油圧回路を強制的に遮断する。また、カットオフスイッチ371のオン/オフによって直接的に通電/非通電が切り替わるカットオフバルブが設けられている場合には、制御システム1が介在せずに、カットオフスイッチ371に連動して油圧回路が遮断されてもよい。つまり、カットオフスイッチ371がオフのときにカットオフバルブにて油圧回路が遮断されることで、制御システム1が介在することなく油圧回路が強制的に遮断される。したがって、カットオフレバー372が「下げ位置」にあれば、操作装置35の操作によって駆動装置34が駆動するのに対し、カットオフレバー372が「上げ位置」にあれば、操作装置35の操作によらずに駆動装置34の出力が強制的に停止する。そのため、駆動装置34を駆動するには、ユーザ(オペレータ)は、カットオフレバー372を「下げ位置」に操作する必要がある。
さらに、旋回部32及び走行部31の各々についても、油圧アクチュエータ(油圧モータ)に油圧ポンプから作動油が供給されることで動作するので、カットオフレバー372が「上げ位置」にあれば、旋回部32及び走行部31も駆動不能となる。つまり、カットオフレバー372が「上げ位置」にあれば、作業部33、旋回部32及び走行部31の全てについて、強制的に駆動不能な状態とされる。
要するに、カットオフスイッチ371は、オフのときに作業機械3の動作が制限(禁止を含む)される「ロック状態」にあり、オンのときに作業機械3の動作を制限しない「ロック解除状態」にある。そして、カットオフレバー372が「上げ位置」にあってカットオフスイッチ371がロック状態(オフ)にあれば、操作装置35の操作によらずに駆動装置34を含む作業機械3の動作が強制的に制限される。カットオフレバー372は、このように作業機械3の動作をロックする際に操作されるレバーであって、ゲート(式)ロックレバーと同義である。
また、機体30は、上述した構成に加えて、通信端末、燃料タンク及びバッテリ等を更に備えている。さらには、機体30には、機体30の周辺を撮像するカメラ等、作業機械3の周囲の監視エリアにおける検知対象物を検知するための各種のセンサ類(カメラを含む)が備わっている。
[2]操作装置
次に、操作装置35の構成について、図3を参照して詳細に説明する。操作装置35は、上述したように一対の操作レバー351,352を含んでいる。図3の「正面視」に示すように、操作レバー351は運転部321に搭乗したユーザ(オペレータ)から見て右手側に位置し、操作レバー352は運転部321に搭乗したユーザから見て左手側に位置する。したがって、ユーザは、例えば、操作レバー351を右手で、操作レバー352を左手で持ち、これら一対の操作レバー351,352を操作することで作業機械3に前進、後退等の種々の動作を実行させる。
ここで、操作装置35は、駆動装置34の複数の出力ポート341~344を個別に操作可能となるように、複数の出力ポート341~344に一対一で対応する複数(ここでは4つ)の操作子Sw1~Sw4を有している。操作子Sw1は操作レバー351の前面側(正面側)に配置され、操作子Sw2は操作レバー352の前面側(正面側)に配置される。操作子Sw4は操作レバー351の後面側(背面側)に配置され、操作子Sw3は操作レバー352の後面側(背面側)に配置される。つまり、本実施形態では、右手側の操作レバー351には、その前後面に分かれて操作子Sw1及び操作子Sw4が設けられ、左手側の操作レバー352には、その前後面に分かれて操作子Sw2及び操作子Sw3が設けられている。これら複数の操作子Sw1~Sw4は、駆動装置34から出力される動力の大きさ(作動油の流量)を調節する「調節操作子」を構成する。
本実施形態では一例として、複数の操作子Sw1~Sw4はいずれも、右方A1又は左方A2へ傾倒するように操作可能なレバースイッチからなる。特に、各操作子Sw1~Sw4は、可動範囲の左右方向D3の中心をニュートラルポジションPn1(図3参照)とし、操作力が作用されている間だけ右方A1又は左方A2へ傾倒し、操作力が無くなるとニュートラルポジションPn1に復帰するモーメンタリ型のスイッチである。このような操作子Sw1~Sw4は、それぞれ右方A1又は左方A2へ操作されることにより、その操作量(傾倒量)に応じて、対応する出力ポート341~344から出力される動力の大きさ(作動油の流量)を決定する。基本的には、操作子Sw1~Sw4の操作量が大きくなるほどに、それぞれ対応する出力ポート341~344から出力される動力は大きく、つまり作動油の流量は増大する。
ここでは一例として、出力ポート341には操作子Sw1が対応し、出力ポート342には操作子Sw2が対応し、出力ポート343には操作子Sw3が対応し、出力ポート344には操作子Sw4が対応すると仮定する。この場合において、ユーザが操作子Sw1を操作すると、駆動装置34における出力ポート341から出力される動力が、操作子Sw1の操作量に応じて調節される。一方、ユーザが操作子Sw4を操作すると、駆動装置34における出力ポート344から出力される動力が、操作子Sw4の操作量に応じて調節される。複数の出力ポート341~344と複数の操作子Sw1~Sw4との対応関係は、「割当情報」によって規定されており、割当情報は、例えば制御システム1のメモリに記憶されている。
詳しい説明は省略するが、割当情報(複数の出力ポート341~344と複数の操作子Sw1~Sw4との対応関係)等の操作装置35の操作に関する設定は、例えば、表示装置2において行われる。すなわち、表示装置2の表示部23に表示される設定画面等において、ユーザの操作により、複数の出力ポート341~344と複数の操作子Sw1~Sw4との対応関係を設定することが可能である。
また、本実施形態では、操作レバー351の後面側(背面側)には操作子Sw5が配置され、操作レバー352の後面側(背面側)には操作子Sw6が配置されている。操作子Sw5,Sw6は、駆動装置34の出力を維持する維持機能(ホールド機能)を有効(オン)にするための操作子である。つまり、操作子Sw5,Sw6は、駆動装置34の出力を維持するための「維持操作子」を構成する。本実施形態では一例として、操作子Sw5,Sw6はいずれもモーメンタリ型の押釦スイッチからなる。そのため、ユーザが操作子Sw5,Sw6を押操作すると、維持機能が有効となり、駆動装置34の出力が維持(保持)される。
特に、本実施形態では、操作レバー351に設けられた操作子Sw5は、同じ操作レバー351に設けられた操作子Sw1に対応する出力ポート341について維持機能を有効にする。一方、操作レバー352に設けられた操作子Sw6は、同じ操作レバー352に設けられた操作子Sw2に対応する出力ポート342について維持機能を有効にする。そのため、例えば、ユーザが操作子Sw5を押操作すると、複数の出力ポート341~344のうち出力ポート341について、出力が維持(保持)される。
ただし、上記構成に限らず、各操作子Sw5,Sw6は、同じ操作レバー351,352に設けられた操作子Sw1~Sw4に対応する出力ポート341~344の少なくとも一方に対応していればよい。そのため、例えば、操作子Sw5であれば、出力ポート341,344の両方についての維持機能を有効にしてもよいし、出力ポート344についての維持機能を有効にしてもよい。一方、操作子Sw6であれば、出力ポート342,343の両方についての維持機能を有効にしてもよいし、出力ポート343についての維持機能を有効にしてもよい。
要するに、本実施形態に係る作業機械3においては、駆動装置34は、複数の操作子Sw1~Sw6を有する操作装置35に対する操作に応じて動作する。ここで、複数の操作子Sw1~Sw6は、駆動装置34の出力を調節する調節操作用の調節操作子(操作子Sw1~Sw4)と、駆動装置34の出力を維持する維持操作用の維持操作子(操作子Sw5,Sw6)と、を含む。さらに、調節操作子(操作子Sw1~Sw4)については、1つの操作レバー351(又は操作レバー352)に対して複数設けられている。
ここで、作業機械3は、調節操作子(操作子Sw1~Sw4)と維持操作子(操作子Sw5,Sw6)とが同時に操作された場合に、駆動装置34の出力を、調節操作子(操作子Sw1~Sw4)の操作量に応じた値に維持する。例えば、ユーザが操作子Sw1を操作中に操作子Sw5を押操作すると、調節操作子(操作子Sw1)と維持操作子(操作子Sw5)とが同時に操作されることになる。この場合、出力ポート341から出力される動力の大きさは、操作子Sw5が操作された時点での操作子Sw1の操作量に応じた値に維持される。
一方、調節操作子(操作子Sw1~Sw4)と維持操作子(操作子Sw5,Sw6)とのうち維持操作子(操作子Sw5,Sw6)のみが操作された場合、作業機械3は、駆動装置34の出力を規定値に維持する。例えば、ユーザが操作子Sw5のみを押操作した場合、操作子Sw1に対応する出力ポート341から出力される動力の大きさは、出力ポート341について予め設定されている規定値に維持される。
したがって、ユーザの操作の仕方により、駆動装置34の出力を任意の値に維持することと、駆動装置34の出力を規定値に維持することとを、容易に使い分けることが可能である。以下では、駆動装置34の出力を任意の値に維持するときの維持機能の動作状態を「任意ホールド」と呼び、駆動装置34の出力を規定値に維持するときの維持機能の動作状態を「規定値ホールド」と呼ぶ。
また、本実施形態では、図3に示すように、各操作レバー351,352には、そのグリップ部分に、維持機能の動作状態を提示する表示灯350が設けられている。表示灯350は、例えば、LED等の発光素子を含み、その発光状態(点灯状態)によって、維持機能の動作状態を提示する。
また、各操作子Sw1~Sw4は、レバースイッチに限らず、例えば、トグルスイッチ、ロッカスイッチ、ロータリスイッチ、スライドスイッチ又はエンコーダ等であってもよい。操作子Sw5,Sw6についても、押釦スイッチに限らず、例えば、レバースイッチ又はタッチセンサ等であってもよい。また、操作レバー351,352は、左右が逆であってもよいし、又は、前後方向D2若しくは上下方向D1に並んで配置されていてもよい。操作レバー351,352は1つであってもよい。さらに、操作子Sw5,Sw6は、操作レバー351,352の後面側に限らず、例えば、操作レバー351,352の側面又は前面側に配置されていてもよい。また、操作装置35は、操作レバー351,352に、上述した複数の操作子Sw1~Sw6以外の操作子を有していてもよい。また、表示灯350についても適宜省略可能である。
[3]制御システムの構成
次に、本実施形態に係る制御システム1の構成について、図2を参照して説明する。制御システム1は、操作装置35に対する操作に応じて、機体30(走行部31、旋回部32、作業部33及び駆動装置34等を含む)の各部を制御する。本実施形態では、操作装置35は、上述したように作業機械3の機体30に搭載されている。制御システム1は、作業機械3の構成要素であって、機体30等と共に作業機械3を構成する。言い換えれば、本実施形態に係る作業機械3は、少なくとも制御システム1と、操作装置35に対する操作に応じて制御される機体30と、を備えている。
制御システム1は、図2に示すように、取得処理部11と、監視処理部12と、判定処理部13と、切替処理部14と、制御処理部15と、報知処理部16と、を備えている。本実施形態では一例として、制御システム1は1以上のプロセッサを有するコンピュータシステムを主構成とするので、1以上のプロセッサが作業機械用制御プログラムを実行することにより、これら複数の機能部(取得処理部11等)が実現される。制御システム1に含まれる、これら複数の機能部は、複数の筐体に分散して設けられていてもよいし、1つの筐体に設けられていてもよい。
制御システム1は、機体30の各部に設けられたデバイスと通信可能に構成されている。つまり、制御システム1には、少なくとも表示装置2、操作装置35、制御弁36及びカットオフスイッチ371等が接続されている。これにより、制御システム1は、表示装置2及び制御弁36等を制御したり、表示装置2、操作装置35及びカットオフスイッチ371から電気信号(操作信号等)を取得したりすることが可能である。本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信(電波又は光を媒体とする通信)の適宜の通信方式により、直接的、又は通信網(ネットワーク)若しくは中継器等を介して間接的に、情報(データ)を授受できることを意味する。そのため、制御システム1は、各種の情報(データ)の授受を、各デバイスと直接的に行ってもよいし、中継器等を介して間接的に行ってもよい。制御システム1と機体30の各部に設けられたデバイスとは、一例として、CAN(Controller Area Network)等の通信方式にて通信可能である。
取得処理部11は、作業機械3を制御するための操作装置35に対する操作を受け付ける取得処理を実行する。つまり、複数の操作子Sw1~Sw6を有する操作装置35が、ユーザの操作に応じた操作信号を出力することで、取得処理部11は、当該操作信号を取得する。これにより、例えば、複数の操作子Sw1~Sw6のうちの操作子Sw1について、ニュートラルポジションPn1に対する操作量を表す操作信号を、取得処理部11にて取得することが可能である。
監視処理部12は、監視対象である特定事象を監視する監視処理を実行する。本開示でいう「特定事象」は、予め決められている特定の事象であって、監視処理部12は、特定事象の発生の有無を監視している。つまり、特定事象が発生した場合には、監視処理部12にて、特定事象の発生が検知されることになる。
本実施形態では、特定事象は、操作装置35の操作に対応する作業機械3の動作状態の変化を伴う事象を含む。すなわち、特定事象には、操作装置35に対する操作が一定(固定)であるにもかかわらず、作業機械3の動作状態に何かしら変化が生じるような事象を含む。この構成によれば、ユーザ(オペレータ)が操作装置35の操作状態を維持しているときに、作業機械3の動作状態が急変するような事象の発生を、特定事象の発生として監視処理部12にて検知可能となる。これにより、例えば、作業機械3の急な駆動、又は作業機械3の急停止等につながる事象を、特定事象の発生として検知可能となる。
具体的に、本実施形態では、特定事象は、作業機械3におけるカットオフスイッチ371がロック状態(オフ)からロック解除状態(オン)へ切り替わることを含む。つまり、カットオフレバー372が「上げ位置」にあってカットオフスイッチ371がロック状態(オフ)にある状態から、カットオフレバー372が「下げ位置」に操作されカットオフスイッチ371がロック解除状態(オン)に切り替わることが、特定事象に含まれる。これにより、例えば、ユーザが操作装置35を操作した状態で、カットオフスイッチ371がロック状態からロック解除状態へ切り替わるのに伴って、作業機械3が急に駆動されるような事象の発生を、特定事象の発生として監視処理部12にて検知可能となる。
また、特定事象は、操作装置35の操作に関する設定が変更されることを含む。つまり、例えば、複数の出力ポート341~344と複数の操作子Sw1~Sw4との対応関係を規定する「割当情報」が変更される等、操作装置35の操作に関する設定の変更が行われることが、特定事象に含まれる。これにより、一例として、ユーザが操作子Sw1を操作している状態で、操作子Sw1に対する割当情報が出力ポート341から出力ポート342に変更されるのに伴って、出力ポート342が急に駆動されるような事象の発生を、特定事象の発生として監視処理部12にて検知可能となる。
判定処理部13は、特定事象が発生すると、操作装置35に対する操作に関する判定条件を満たすか否かを判定する判定処理を実行する。本開示でいう「判定条件」は、操作装置35に対する操作に関連して予め定められた条件であって、例えば、各操作子Sw1~Sw4の位置がニュートラルポジションPn1にあること、操作子Sw5,Sw6が非操作であること、又は特定の操作子が長押しされる(所定時間以上継続的に操作される)こと等である。
切替処理部14は、判定条件を満たすか否かの判定結果に基づいて、操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御の有効と無効とを切り替える切替処理を実行する。操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御が「無効」であれば、例えば、駆動装置34が駆動不能となり、操作装置35の操作によらずに、駆動装置34の出力が強制的に停止する。本実施形態では一例として、切替処理部14は、判定条件を満たす場合に操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御を有効にし、判定条件を満たさない場合に操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御を無効にする。
制御処理部15は、操作装置35の操作に応じて機体30を制御する制御処理を実行する。制御処理では、制御処理部15は、機体30の走行部31、旋回部32及び作業部33等の制御を実行する。具体的には、制御処理部15は、少なくとも操作装置35の操作に応じて制御弁36に制御信号を出力することにより、駆動装置34を制御する。
報知処理部16は、判定条件を満たすか否かの判定結果に基づく報知を行う報知処理を実行する。本開示でいう「報知」は、ユーザ(オペレータ)に対して種々の手段で通知を行うことを意味し、例えば、表示(表示灯の点灯を含む)、音(音声を含む)、他端末への送信又は非一時的記録媒体への書き込み等の手段を含む。本実施形態では一例として、報知処理部16は、判定条件を満たさない場合、つまり操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御が「無効」にされる場合に、表示装置2の表示部23にその旨を表示させることにより、判定結果に基づく報知を行う(図7参照)。
[4]作業機械の制御方法
以下、図5~図7を参照しつつ、主として制御システム1によって実行される作業機械3の制御方法(以下、単に「制御方法」という)の一例について説明する。図5は、制御方法に係る処理の一例を示すフローチャートである。図6は、横軸を時間軸とし、カットオフ信号、PTO操作及びPTO制御の状態変化の一例を示すタイミングチャートである。ここでいう「カットオフ信号」は、カットオフスイッチ371から制御システム1に入力される電気信号であって、カットオフスイッチ371のオフ(ロック状態)又はオン(ロック解除状態)を示す。ここでいう「PTO操作」は、操作装置35から制御システム1に入力される電気信号(操作信号)であって、特に駆動装置34の出力ポート341~344を操作するための操作子Sw1~Sw4の操作状態を示す。また、「PTO制御」は、制御システム1から制御弁36に出力される電気信号(制御信号)による制御の状態であって、特に駆動装置34の出力ポート341~344の制御の有効又は無効を示す。
本実施形態に係る制御方法は、コンピュータシステムを主構成とする制御システム1にて実行されるので、言い換えれば、作業機械用制御プログラム(以下、単に「制御プログラム」という)にて具現化される。つまり、本実施形態に係る制御プログラムは、制御方法に係る各処理を1以上のプロセッサに実行させるためのコンピュータプログラムである。このような制御プログラムは、例えば、制御システム1及び表示装置2によって協働して実行されてもよい。
ここで、制御システム1は、制御プログラムを実行させるための予め設定された特定の開始操作が行われた場合に、制御方法に係る下記の各種処理を実行する。開始操作は、例えば、作業機械3のエンジンの起動操作等である。一方、制御システム1は、予め設定された特定の終了操作が行われた場合に、制御方法に係る下記の各種処理を終了する。終了操作は、例えば、作業機械3のエンジンの停止操作等である。
また、以下では一例として、カットオフレバー372が「上げ位置」にあってカットオフスイッチ371がロック状態(オフ)にある状態を初期状態とした場合の、制御方法について説明する。さらに、以下では、カットオフスイッチ371がロック状態(オフ)からロック解除状態(オン)へ切り替わることを「特定事象」の例とし、各操作子Sw1~Sw4の位置がニュートラルポジションPn1にあることを「判定条件」の例として説明する。
図5に示すように、制御システム1は、まずカットオフスイッチ371からカットオフ信号を取得する(S1)。ここで、初期状態では、上述したようにカットオフレバー372が「上げ位置」にあるため、カットオフ信号はロック状態にある。その後、制御システム1の監視処理部12は、カットオフ信号からカットオフスイッチ371がロック解除状態にあるか否かを判断する(S2)。カットオフレバー372が「上げ位置」にあるままでは、カットオフ信号はロック状態にあるため、監視処理部12は、ロック解除状態にないと判断し(S2:No)、処理をステップS1に戻す。一方、ユーザがカットオフレバー372を下げる操作を行いカットオフレバー372が「下げ位置」になると、カットオフ信号はロック解除状態になるため、監視処理部12は、ロック解除状態にあると判断し(S2:Yes)、処理をステップS3に移行させる。このとき、監視処理部12は、カットオフスイッチ371がロック状態(オフ)からロック解除状態(オン)へ切り替わることをもって、「特定事象」の発生と判断する。
ステップS3では、制御システム1の取得処理部11は、操作装置35から操作信号を取得する。このとき、取得処理部11は、駆動装置34の出力ポート341~344を操作するための操作子Sw1~Sw4の操作状態をPTO操作として取得する。ステップS4では、制御システム1の判定処理部13は、操作信号から特定される操作子Sw1~Sw4の操作状態(PTO操作)が、ニュートラルポジションPn1(ピンポイントに限らず、遊びを含む所定範囲であってもよい)にあるか否かを判断する。操作子Sw1~Sw4は、操作力が無くなるとニュートラルポジションPn1に復帰するモーメンタリ型のスイッチである。そのため、ユーザが操作子Sw1~Sw4の少なくとも1つを操作している状態では、判定処理部13は、ニュートラルポジションPn1にないと判断し(S4:No)、処理をステップS5に移行させる。一方、ユーザが操作子Sw1~Sw4のいずれも操作していない非操作状態では、判定処理部13は、ニュートラルポジションPn1にあると判断し(S4:Yes)、処理をステップS6に移行させる。このとき、判定処理部13は、操作子Sw1~Sw4が全てニュートラルポジションPn1にあることをもって、「判定条件」を満たすと判断する。
ステップS5では、制御システム1の切替処理部14は、操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御を無効化する。本実施形態では一例として、切替処理部14は、操作子Sw1~Sw4の操作(PTO操作)に応じた駆動装置34の出力ポート341~344の制御(PTO制御)を無効化することで、作業機械3の制御を無効化する。これにより、操作子Sw1~Sw4の実際の操作量によらずに、駆動装置34の出力ポート341~344の全てについて出力が強制的に停止する。
また、ステップS6では、制御システム1の切替処理部14は、操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御を有効化する。本実施形態では一例として、切替処理部14は、操作子Sw1~Sw4の操作(PTO操作)に応じた駆動装置34の出力ポート341~344の制御(PTO制御)を有効化することで、作業機械3の制御を有効化する。これにより、操作子Sw1~Sw4の実際の操作量に応じて、駆動装置34の各出力ポート341~344の出力が制御可能となる。
その後、ステップS7では、制御システム1の取得処理部11は、操作装置35から操作信号を取得する。このとき、取得処理部11は、駆動装置34の出力ポート341~344を操作するための操作子Sw1~Sw4の操作状態をPTO操作として取得する。ステップS8では、制御システム1の制御処理部15は、操作信号から特定される操作子Sw1~Sw4の操作状態(PTO操作)が、ニュートラルポジションPn1にあるか否かを判断する。ユーザが操作子Sw1~Sw4の少なくとも1つを操作している状態では、制御処理部15は、ニュートラルポジションPn1にないと判断し(S8:No)、処理をステップS9に移行させる。一方、ユーザが操作子Sw1~Sw4のいずれも操作していない非操作状態では、制御処理部15は、ニュートラルポジションPn1にあると判断し(S8:Yes)、処理をステップS7に戻す。
ステップS9では、制御システム1の制御処理部15は、操作信号から特定される操作子Sw1~Sw4の操作状態(PTO操作)に応じて、制御弁36に制御信号を出力することにより、駆動装置34の出力ポート341~344を制御するPTO制御を実行する。ステップS9をもって、制御方法に係る一連の処理が終了する。
制御システム1は、カットオフレバー372が「上げ位置」に操作され、カットオフスイッチ371がロック状態(オフ)になる度に、上記ステップS1~S9の処理を実行する。図5に示すフローチャートは一例に過ぎず、処理が適宜追加又は省略されてもよいし、処理の順番が適宜入れ替わってもよい。
上述したような一連の処理によれば、図6に示すように、制御信号の有効/無効が切り替わることになる。すなわち、時点t1までの期間は、カットオフレバー372が「上げ位置」にあってカットオフ信号はロック状態(オフ)にある。そのため、時点t1までの期間においては、PTO制御は「無効」であるため、操作子Sw1~Sw4がニュートラルポジションPn1から操作されてPTO操作が「操作」の状態にあっても、駆動装置34の制御は行われない。つまり、操作子Sw1~Sw4の実際の操作量によらずに、駆動装置34の出力ポート341~344の全てについて出力が強制的に停止される。本実施形態では一例として、カットオフ信号がロック状態(オフ)にあれば、制御信号をオフにして制御信号による余計な電力消費が生じないようにするが、この構成に限らない。つまり、カットオフ信号がロック状態(オフ)にあれば、そもそも油圧回路が遮断されて駆動装置34が駆動されることはないため、制御信号をオフにしなくとも、駆動装置34は強制的に停止される。
一方、時点t1において、ユーザがカットオフレバー372を「下げ位置」に操作すると、カットオフ信号はロック解除状態(オン)になる。つまり、時点t1において、カットオフスイッチ371がロック状態(オフ)からロック解除状態(オン)へ切り替わる「特定事象」が発生する。ただし、時点t1においては、PTO操作が「操作」の状態にあってニュートラルポジションPn1にないため、「判定条件」は満たさない。そのため、時点t1から時点t2までの期間には、PTO制御は「無効」であるため、操作子Sw1~Sw4がニュートラルポジションPn1から操作されてPTO操作が「操作」の状態にあっても、駆動装置34の制御は行われない。つまり、操作子Sw1~Sw4の実際の操作量によらずに、駆動装置34の出力ポート341~344の全てについて出力が強制的に停止される。
時点t2では、ユーザが操作子Sw1~Sw4の全ての操作をやめることにより、操作子Sw1~Sw4の全てがニュートラルポジションPn1になり、PTO操作が「非操作」の状態になる。つまり、時点t2において、操作子Sw1~Sw4が全てニュートラルポジションPn1にあることをもって、「判定条件」を満たすことになる。そのため、時点t2では、PTO制御は「有効」に切り替わる。したがって、時点t2以降の時点t3において、操作子Sw1~Sw4がニュートラルポジションPn1から操作されてPTO操作が「操作」の状態になると、駆動装置34の制御が行われる。つまり、時点t2以降の期間においては、操作子Sw1~Sw4の実際の操作量に応じて、駆動装置34の出力ポート341~344の出力が制御される。
本実施形態では、PTO制御が「無効」である場合には、調節操作子(操作子Sw1~Sw4)の操作に対応する駆動装置34の駆動が行われないだけでなく、維持操作子(操作子Sw5,Sw6)の操作に対応する駆動装置34の駆動も行われない。つまり、「規定値ホールド」機能により駆動装置34を駆動するための操作が行われたとしても、PTO制御が「無効」である場合には、駆動装置34の出力は強制的に停止される。
以上説明したように、本実施形態に係る制御方法は、作業機械3を制御するための操作装置35に対する操作を受け付けることと、監視対象である特定事象を監視することと、特定事象が発生すると、操作装置35に対する操作に関する判定条件を満たすか否かを判定することと、を有する。要するに、図6の例であれば、時点t1でカットオフスイッチ371がロック状態からロック解除状態へ切り替わると(図5のステップS2:Yes)、「特定事象」の発生と判断する。この場合に、例えば、時点t1以降、操作子Sw1~Sw4が全てニュートラルポジションPn1にあれば、「判定条件」を満たすと判定する(図5のステップS4:Yes)。
この構成によれば、例えば、カットオフスイッチ371がロック状態からロック解除状態へ切り替わった際に、操作装置35に対する操作に関する判定条件を満たすか否かが判定される。そのため、例えば、当該判定結果をユーザ(オペレータ)に知らせることで、オペレータは、作業機械3の急な動作に備えることができるので、操作に係るオペレータの負担を軽減しやすい。
また、本実施形態に係る制御方法は、判定条件を満たすか否かの判定結果に基づいて、操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御の有効と無効とを切り替えること、を更に有する。これにより、例えば、カットオフスイッチ371がロック状態からロック解除状態へ切り替わった際には、操作装置35に対する操作に関する判定条件を満たすか否かに応じて作業機械3の制御の有効と無効とが自動的に切り替わる。そのため、ユーザ(オペレータ)が注意して操作するまでもなく、作業機械3の急な動作を回避することが可能である。
ここで、本実施形態では、特定事象が発生した後で、判定条件を満たすと判定されることをもって、操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御を有効にする。つまり、特定事象の発生後、判定条件を満たすことで、作業機械3の制御が自動的に有効化される。そのため、ユーザ(オペレータ)が注意して操作するまでもなく、作業機械3の急な動作を回避することが可能である。
また、本実施形態では、操作装置35に対する操作は、作業機械3のPTOポート(出力ポート341~344)の出力を制御するための操作を含む。これにより、例えば、カットオフスイッチ371がロック状態からロック解除状態へ切り替わった際に、作業機械3のPTOポート(出力ポート341~344)の出力が急に発生することを回避可能である。
ところで、本実施形態に係る制御方法によれば、図7に例示するように、判定条件を満たすか否かの判定結果に基づく報知が、表示装置2の表示部23に表示される表示画面Dp1上で行われる。本開示でいう表示画面Dp1等の「画面」は、表示装置2にて表示される映像(画像)を意味し、図像、図形、写真、テキスト及び動画等を含む。ここで、表示画面Dp1が動画等を含む場合には、表示画面Dp1は一定の映像ではなく、刻一刻と変化する映像を含む。図7のように表示装置2の表示部23に表示される表示画面Dp1を示す図面において、領域を表す一点鎖線、引出線及び参照符号は、いずれも説明のために付しているに過ぎず、実際に表示装置2に表示される訳ではない。
本実施形態では一例として、制御システム1の報知処理部16は、判定条件を満たさない場合、つまり操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御が「無効」にされる場合に、図7に示すように、表示画面Dp1上にメッセージM1を表示させる。本実施形態では、切替処理部14は、操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御を無効化した場合(図5のステップS5)に、報知処理部16がメッセージM1を表示させることにより報知を行う。メッセージM1は、例えば、表示画面Dp1の他の表示に重畳するようにポップアップ表示され、「PTO制御:無効」のように、作業機械3の制御(ここではPTO制御)が「無効」である旨を示すテキストを含む。さらに、メッセージM1は、「有効化するには、スイッチを一度ニュートラルに戻して下さい」のように、作業機械3の制御(ここではPTO制御)を有効化するための手順を示すテキストを含む。
本実施形態では、このようなメッセージM1は、作業機械3の制御が「無効」である間のみ表示される。そのため、制御システム1の切替処理部14は、操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御を有効化すると(図5のステップS6)、メッセージM1は消える。また、判定条件を満たすか否かの判定結果に基づく報知の表示態様は、メッセージM1に限らない。例えば、カットオフスイッチ371のオン/オフを示すアイコンIm1と同様に、表示画面Dp1に表示されるアイコンによって、判定条件を満たすか否かの判定結果に基づく報知がなされてもよい。
このように、本実施形態に係る制御方法は、判定条件を満たすか否かの判定結果に基づく報知を行うこと、を更に有する。これにより、ユーザ(オペレータ)においては、現在、作業機械3の制御が「有効」か「無効」かを知ることができ、その上で、操作装置35の操作を行うことができる。判定結果の報知は、上述したように、判定条件を満たさない場合、つまり操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御が「無効」にされる場合にのみ行われる構成に限らない。すなわち、判定結果の報知は判定条件を満たすか否かを区別できるような報知であればよく、例えば、判定条件を満たす場合、つまり操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御が「有効」になった場合に、判定結果の報知が行われてもよい。さらに、判定条件を満たさない場合、つまり操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御が「無効」にされる場合で、かつ操作装置35が操作された場合にのみ、作業機械3の制御が「無効」である旨が報知されてもよい。
[5]その他の機能
「特定事象」は、カットオフスイッチ371がロック状態(オフ)からロック解除状態(オン)へ切り替わることに限らない。同様に、「判定条件」は、各操作子Sw1~Sw4の位置がニュートラルポジションPn1にあることに限らない。また、切替処理部14により有効/無効が切り替えられる制御は、作業機械3のPTOポート(出力ポート341~344)の出力制御(PTO制御)に限らない。
すなわち、「特定事象」は、例えば、複数の出力ポート341~344と複数の操作子Sw1~Sw4との対応関係を規定する「割当情報」が変更される等、操作装置35の操作に関する設定が変更されることであってもよい。この場合、例えば、表示装置2に対しるユーザの操作により、割当情報等の操作装置35の操作に関する設定が変更されることをもって、特定事象が発生することになる。ここで、操作装置35の操作に関する設定は、複数の出力ポート341~344と複数の操作子Sw1~Sw4との対応関係の設定に限らず、操作装置35の操作と作動油の流量との対応関係等の設定を含む。
また、切替処理部14により有効/無効が切り替えられる制御が、例えば、PTO制御以外の、走行部31、旋回部32又は作業部33等の制御である場合に、例えば、操作レバー351,352の操作と走行部31、旋回部32又は作業部33の動作との対応関係が変更されることを、特定事象に含んでもよい。さらに、操作レバー351,352の操作に対する走行部31、旋回部32又は作業部33の動作パターンの変更も、特定事象に含まれ得る。この場合、各操作子Sw1~Sw4ではなく、操作レバー351,352がニュートラルポジションにあること等が「判定条件」となる。
さらに、切替処理部14により有効/無効が切り替えられる制御は、アタッチメント331を機体30から着脱するためのクイックヒッチの制御を含んでもよい。この場合、例えば、カットオフスイッチ371がロック状態からロック解除状態へ切り替わることに代えて、クイックヒッチを動作可能とするための電源スイッチがオフからオンへ切り替わることを、特定事象に含んでもよい。これにより、例えば、ユーザ(オペレータ)が、クイックヒッチの開放操作をした状態で、電源スイッチがオフからオンに切り替わるのに伴って、クイックヒッチが急に駆動されるような事象の発生を、特定事象の発生として監視処理部12にて検知可能となる。
[6]変形例
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における制御システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしての1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、制御システム1に含まれる一部又は全部の機能部は電子回路で構成されていてもよい。
また、制御システム1の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていることは制御システム1に必須の構成ではなく、制御システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。反対に、実施形態1において、複数の装置(例えば制御システム1及び表示装置2)に分散されている機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。さらに、制御システム1の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
また、作業機械3の動力源は、ディーゼルエンジンに限らず、例えば、ディーゼルエンジン以外のエンジンであってもよいし、モータ(電動機)、又はエンジンとモータ(電動機)とを含むハイブリッド式の動力源であってもよい。
また、駆動装置34は、エンジンからの動力を(アタッチメント331の駆動用の動力として)取り出すためのPTO(Power take-off)等の装置に限らず、エンジンとは別に、アタッチメント331の駆動用の動力を出力する装置であってもよい。さらに、駆動装置34は、作動油を供給することでアタッチメント331に動力を供給する装置に限らず、例えば、モータ等の電動機により動力を発生する装置であってもよい。この場合、駆動装置34から出力される動力は、例えば、駆動装置34に流れる電流等により制御される。
また、アタッチメント331は、機体30に取り付けられていればよく、アタッチメント331が、機体30に対して取り外し可能に取り付けられることは、必須の構成ではない。さらに、機体30に対して、複数のアタッチメント331が同時に取り付けられてもよい。
また、表示装置2は、専用のデバイスに限らず、例えば、ラップトップコンピュータ、タブレット端末又はスマートフォン等の汎用端末であってもよい。さらに、表示部23は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのように、表示画面Dp1を直接的に表示する態様に限らず、例えば、プロジェクタのように、投影により表示画面Dp1を表示する構成であってもよい。表示部23の表示領域は、横長に限らず、縦長であってもよい。
また、操作部22の情報の入力の態様として、押釦スイッチ221~226、タッチパネル及び操作ダイヤル以外の態様を採用してもよい。例えば、操作部22は、キーボード、マウス等のポインティングディバイス、音声入力、ジェスチャ入力又は他の端末からの操作信号の入力等の態様を採用してもよい。
また、操作装置35及び表示装置2等は、機体30に搭載される構成に限らず、例えば、機体30とは別に設けられていてもよい。この場合、操作装置35及び表示装置2等は、機体30と通信可能に構成され、機体30の遠隔操作を実現する。
(実施形態2)
本実施形態に係る制御方法は、図8に示すように、PTO制御を有効化するタイミングが、実施形態1に係る制御システム1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
図8に示すフローチャートは、操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御を有効化するステップS6が省略され、ステップS8とステップS9との間に、操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御を有効化するステップS16が追加された点で、図5に示すフローチャートと相違する。それ以外の点については、実施形態1で説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、ステップS4で操作子Sw1~Sw4が全てニュートラルポジションPn1にあることをもって「判定条件」を満たすと判断されるだけでは(S4:Yes)、直ちに作業機械3の制御(PTO制御)が有効化されることはない。つまり、判定条件を満たすと判断された後(S4:Yes)、改めて操作信号を取得し(S7)、ユーザが操作子Sw1~Sw4の少なくとも1つを操作することでニュートラルポジションPn1にないと判断されたタイミングで(S8:No)、作業機械3の制御(PTO制御)が有効化される(S16)。
この例では、判定条件を満たすと判断された後で、ユーザが操作子Sw1~Sw4の少なくとも1つを操作するまでは、作業機械3の制御(PTO制御)は無効化されているので、図7のようなメッセージM1の表示は継続されることになる。
このように、本実施形態では、特定事象が発生した後で、判定条件を満たすと判定され、更に操作装置35が操作されることをもって、操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御を有効にする。これにより、判定条件を満たすだけでなく、ユーザ(オペレータ)が実際に操作装置35を操作して初めて、操作装置35の操作に対応する作業機械3の制御が有効化されるので、オペレータの意図しない操作によって作業機械3が動作することを防止しやすい。
実施形態2に係る構成は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
1 作業機械用制御システム
3 作業機械
11 取得処理部
12 監視処理部
13 判定処理部
30 機体
35 操作装置
371 カットオフスイッチ
341~344 出力ポート(PTOポート)

Claims (12)

  1. 作業機械を制御するための操作装置に対する操作を受け付けることと、
    監視対象である特定事象を監視することと、
    前記特定事象が発生すると、前記操作装置に対する操作に関する判定条件を満たすか否かを判定することと、を有する、
    作業機械の制御方法。
  2. 前記判定条件を満たすか否かの判定結果に基づいて、前記操作装置の操作に対応する前記作業機械の制御の有効と無効とを切り替えること、を更に有する、
    請求項1に記載の作業機械の制御方法。
  3. 前記特定事象が発生した後で、前記判定条件を満たすと判定されることをもって、前記操作装置の操作に対応する前記作業機械の制御を有効にする、
    請求項2に記載の作業機械の制御方法。
  4. 前記特定事象が発生した後で、前記判定条件を満たすと判定され、更に前記操作装置が操作されることをもって、前記操作装置の操作に対応する前記作業機械の制御を有効にする、
    請求項2に記載の作業機械の制御方法。
  5. 前記特定事象は、前記操作装置の操作に対応する前記作業機械の動作状態の変化を伴う事象を含む、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の作業機械の制御方法。
  6. 前記特定事象は、前記作業機械におけるカットオフスイッチがロック状態からロック解除状態へ切り替わることを含む、
    請求項5に記載の作業機械の制御方法。
  7. 前記特定事象は、前記操作装置の操作に関する設定が変更されることを含む、
    請求項5又は6に記載の作業機械の制御方法。
  8. 前記操作装置に対する操作は、前記作業機械のPTOポートの出力を制御するための操作を含む、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の作業機械の制御方法。
  9. 前記判定条件を満たすか否かの判定結果に基づく報知を行うこと、を更に有する、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の作業機械の制御方法。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の作業機械の制御方法を、
    1以上のプロセッサに実行させるための作業機械用制御プログラム。
  11. 作業機械を制御するための操作装置に対する操作を受け付ける取得処理部と、
    監視対象である特定事象を監視する監視処理部と、
    前記特定事象が発生すると、前記操作装置に対する操作に関する判定条件を満たすか否かを判定する判定処理部と、を備える、
    作業機械用制御システム。
  12. 請求項11に記載の作業機械用制御システムと、
    前記操作装置に対する操作に応じて制御される機体と、を備える、
    作業機械。
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